JP2005293828A - マスクを用いたパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】リフトオフによるパターンの形成工程を含むマスクの形成方法に関し、膜を精度良くパターニングし、しかもレジストのダメージ発生を抑制すること。
【解決手段】絶縁性の非磁性層4上に多層膜5a〜5cを形成する工程と、多層膜5a〜5c上に有機膜6を形成する工程と、有機膜6の上にレジスト膜7を形成する工程と、レジスト膜7を露光、現像して所定領域に開口部を形成する工程と、開口部の下の有機膜6を除去して有機膜6のパターンを形成し、有機膜6のパターンの縁をレジスト膜7のパターンの縁から内方に食い込ませる工程とを有し、レジスト膜7は架橋型化学増幅ネガレジストからなり、有機膜6はポジ型感光性樹脂からなり、レジスト膜7に開口部を形成した後に、レジスト膜7と有機膜6に紫外線を照射して有機膜6を露光するとともにレジスト膜7を硬化することを特徴とするマスクを用いたパターン形成方法によって解決する。
【選択図】図1
【解決手段】絶縁性の非磁性層4上に多層膜5a〜5cを形成する工程と、多層膜5a〜5c上に有機膜6を形成する工程と、有機膜6の上にレジスト膜7を形成する工程と、レジスト膜7を露光、現像して所定領域に開口部を形成する工程と、開口部の下の有機膜6を除去して有機膜6のパターンを形成し、有機膜6のパターンの縁をレジスト膜7のパターンの縁から内方に食い込ませる工程とを有し、レジスト膜7は架橋型化学増幅ネガレジストからなり、有機膜6はポジ型感光性樹脂からなり、レジスト膜7に開口部を形成した後に、レジスト膜7と有機膜6に紫外線を照射して有機膜6を露光するとともにレジスト膜7を硬化することを特徴とするマスクを用いたパターン形成方法によって解決する。
【選択図】図1
Description
本発明は、マスクを用いたパターン形成方法に関し、より詳しくは、磁気抵抗効果型ヘッドなどに用いられるリフトオフの工程を含むマスクを用いたパターン形成方法に関する。
磁気記録装置の再生ヘッドとして使用される磁気抵抗効果型ヘッドは、例えば図26に示すような構成をしている。その磁気抵抗効果型ヘッドは、下側ギャップ層101の上にSAL(Soft Adjacent Layer)102と非磁性層103と磁気抵抗効果層(以下、MR層という)104を順に形成した後に、それら3つの層を平面矩形状にパターニングし、その矩形状のパターンの両側にそれぞれ反強磁性層105a,105bとリード端子(lead)106a,106bを形成する工程を経て形成される。2つのリード端子106a,106b間の領域がセンス領域Sとなる。
1対のリード端子106a,106bは、図27(a)〜27(c)に示すようなリフトオフによって形成される。図27(a)では、矩形状にパターニングされたSAL102、非磁性層103及びMR層104の上と下側キャップ層101の上にレジスト107を1回塗布した後に、レジスト107を露光、現像することにより、2つのリード端子形成領域を露出し且つMR層104のセンス領域Sを覆う形状にレジスト107をパターニングする。次に、図27(b)に示すように、スパッタにより反強磁性層105と金属膜106を形成する。その後、レジスト107を剥離して、2つのリード端子形成領域にのみその金属層106を残す。これにより2つのリード端子形成領域に反強磁性層105と金属層106を残し、それらを図27に示すような反強磁性層105a,105b及びリード端子106a,106bとして使用する。
米国特許第5087332号明細書
特開平7−65326号公報
特開平4−181254号公報
しかし、パターニングされたレジストの側部が垂直な平面となる場合には、リード端子106a,106bの縁にバリが発生し易いという問題がある。パターンのバリ発生を抑制するために2層構造のレジストを用いる方法が知られている。
例えば、磁気ヘッドのギャップ層をパターニングするために、レジストを2度塗布して2回露光し、現像することによりレジストの断面をマッシュルーム状に形成し、そして、そのレジストをリフトオフ用のマスクに使用することが米国特許第5087332号明細書に記載されている。また、上側層をレジスト、下側層をAl2 O3 膜としたマッシュルーム状のリフトオフ用マスクが特開平7−65326号公報に記載されている。
しかし、これらのマスクは2度のパターニングを経るために、露光時に相対的に位置ズレが生じると、マッシュルーム形状の左右のバランスが崩れたり、或いは上層側のレジスト層の側方への突出量が大きくなり過ぎて湾曲するおそれがある。これにより磁気ヘッドの歩留りを向上させるのが難しくなる。また、断面がマッシュルーム形状のレジストを、リフトオフ用のマスクに使用するとともに、磁性層パターン形成用のマスクとしても使用することがある。この場合、真空プロセスの際にレジストがダメージを受けるので、レジストから有機物などの構成物質が飛散して磁性層の表面に付着し、磁性層とリード端子のコンタクト不良の原因となる。
さらに、2層レジストの剥離液や条件を適切にしなければ磁性層にダメージを与えてしまう。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、膜を精度良くパターニングし、しかもレジストのダメージ発生を抑制するマスクを用いたパターン形成方法を提供することを目的とする。
上記した課題は、図1、2又は図3、4に例示するように、絶縁性の非磁性層4上に多層膜10a〜10c(5a〜5c)を形成する工程と、前記多層膜10a〜10c上に有機膜11(6)を形成する工程と、前記有機膜11上にレジスト膜12(7)を形成する工程と、前記レジスト膜12を露光、現像して所定領域にある前記レジスト膜12に開口部を形成する工程と、前記開口部にある前記有機膜11を除去して前記レジスト膜12の下に前記有機膜11のパターンを形成し、前記有機膜11のパターンの縁を前記レジスト膜12のパターンの縁から内方に食い込ませる工程とを有し、前記レジスト膜12は架橋型化学増幅ネガレジストからなり、前記有機膜11はポジ型感光性樹脂からなり、前記レジスト膜12に前記開口部を形成した後に、前記レジスト膜12と前記有機膜11に紫外線を照射して前記有機膜11を露光するとともに前記レジスト膜12を硬化する工程を有することを特徴とするマスクを用いたパターン形成方法によって解決する。
前記有機膜11のパターンを形成する工程の後に、前記レジスト膜12の上と前記開口部の下の前記多層膜10a〜10cの上に薄膜27,28を形成する工程と、前記有機膜11と前記レジスト膜12を剥離して前記レジスト膜12上の前記薄膜をリフトオフする工程とを有することを特徴とする。
または、前記レジスト膜12のパターンと前記有機膜11のパターンとをマスクに使用して前記多層膜10a〜10cをエッチングすることにより、前記多層膜10a〜10cをパターニングする工程を有することを特徴とするマスクを用いたパターン形成方法によって解決する。前記薄膜27,28は、センス領域を挟む領域に形成されるリード端子となる金属膜であることを特徴とする。
前記薄膜は、センス領域を挟む領域に形成される硬磁性膜、又はセンス領域を挟む領域に形成される交換相互作用膜のいずれかであることを特徴とする。
前記レジスト膜の下の前記有機膜は感光性樹脂からなり、前記レジスト膜の形成前に全面露光によって前記有機膜のエッチング速度を調整する工程を有することを特徴とする。
前記レジスト膜及び前記有機膜を剥離する剥離液として、溶解性パラメータδが9.0〜12の有機溶剤か、水又はアルカリ水溶液か、n−メチルピロリドンを少なくとも30重量部含む溶液か、アミン類を少なくとも30重量部含む溶液のいずれかを使用することを特徴とする。
(作用)
次に、上記した解決手段の作用について説明する。
次に、上記した解決手段の作用について説明する。
本発明によれば、リフトオフによって上側薄膜をパターニングする前に、有機膜及びレジスト膜を他の用途のマスクに使用して前記多層膜をパターニングするようにしているので、パターニング毎にマスクを形成する手間が省け、スループットが向上する。この場合、有機膜上のレジスト膜のアルゴンスパッタエッチングによるエッチング速度が所定条件で450Å/min 以下であれば、有機膜の構成物質による多層膜の表面の汚染や多層膜の下の非磁性層の表面の汚染を極めて少なくできる。また、本発明においては、スパッタによるエッチング速度が小さいことから架橋型ネガティブレジストをレジスト材料として使用する。可溶性樹脂、架橋剤及び光酸発生剤を含んだ材料からなる化学増幅レジストも同じようにスパッタによるエッチング速度が小さいので、化学増幅レジストを上記したレジスト膜として使用することは好ましい。
レジスト膜のエッチングレートを小さくする他の方法として、加熱或いは過剰な光照射によってレジスト膜を硬化する方法もある。硬化されたレジスト膜は、汚染物発生を抑制することに加えて、エッチング時のレジスト膜自身の寸法縮小を抑制するという利点もある。
レジスト膜の現像液を用いてレジスト膜のパターニングに続いてその下の有機膜をパターニング使用と場合に、有機膜/レジスト膜の溶解速度比を10以上にすると有機膜のパターン精度は高くなる。さらに、有機膜を液によってエッチングすることは、等方性エッチングするためには好ましい。
有機膜の材料としては、ビニルアルコール構造の樹脂、カルボン酸基を含む樹脂又はスルホン酸を含む樹脂などが適している。
ポリアミック酸を含む樹脂を有機膜として用いる場合には、120〜170℃の温度で1〜20分間ベークするとよい。それ以外の温度や時間の条件では、その樹脂膜のパターニングのためのエッチングが速過ぎたり遅過ぎることになり、有機膜のパターニングが難しくなる。
マスクの下側にある有機膜として感光性材料を使用する場合に、上側のレジスト膜のパターンを有機膜用の露光マスクとして使用すると、露光された有機膜には精度良い潜像が形成される。光が照射されない有機膜の領域は、有機膜内での光の乱反射があるので光が内方に入り込んでレジスト膜のパターンよりも狭くなる。また、感光性の有機膜とレジスト膜の光反応の感度を異ならせることにより、1回の露光によりレジスト膜のパターンを有機膜のパターンよりも大きく形成でき、スループットを向上できる。
スピンコートにより有機膜を塗布する際に、有機膜が薄過ぎるとその膜厚が不均一になる。その逆に、有機膜が厚過ぎると、レジスト膜上にスパッタにより形成される上側薄膜の粒子が有機膜のパターンの側部に付着し易くなってバリ発生の原因になる。
また、マスクとなる有機膜やレジスト膜を均一な厚さに塗布するためには、マスクの下に存在する段差が小さい方が好ましい。従って、マスクの除去によるリフトオフの後に、磁気抵抗素子のパターニングの後に非磁性層のパターニングを行う方が好ましい。
有機膜の材料とレジスト膜の材料の混合を防止するために、それらの膜の間に中間層を介在させるとよい。
有機膜とレジスト膜を剥離する際に、有機膜とレジスト膜のそれぞれに最適な剥離液を別々に使用すると剥離速度が速くなり、スループットが向上する。
本発明によれば、磁気抵抗効果素子の下のシールド膜等をパターニングする場合には、磁気抵抗効果素子のパターニングを終えた後に行うようにしているので、磁気抵抗効果素子をパターニングする際に使用するレジストが平坦化になって、精度良い磁気抵抗効果素子のパターニングが可能になる。また、リフトオフによる薄膜のパターンの前に、有機膜とレジスト膜をマスクにして前記多層膜をパターニングしているので、パターニング毎にマスクを形成する手間が省け、スループットを向上できる。
レジスト膜のエッチングレートを小さくする方法として、熱を加えるか、或いは過剰に光を照射することによりレジスト膜を硬化するとよい。硬化されたレジスト膜は、汚染防止のみならずエッチングによる寸法縮小を生じ難くできる。レジスト膜の現像液を用いて有機膜をパターニングする場合に、有機膜の溶解速度を残存したレジスト膜の溶解速度の10倍以上にすると有機膜のパターン形状の精度を高くできる。さらに、有機膜を液によってエッチングすることは、等方性エッチングが容易になる。
有機膜の材料としてポリアミック酸を含む樹脂を用いる場合には、120〜170℃の温度で1〜20分間ベークすると、有機膜の最適なエッチング速度が得られる。また、有機膜として感光性材料を使用する場合には、レジスト膜のパターンをマスクに使用して露光すると、有機膜に精度良く潜像を形成できる。また、感光性の有機膜とレジスト膜の光反応の感度を異ならせることにより、1回の露光によりレジスト膜のパターンを有機膜のパターンよりも大きく形成でき、スループットを向上できる。
有機膜の厚さには最適値が存在し、最適値によって有機膜を均一に形成し、しかも薄膜の回り込みを確実に防止できる。有機膜とレジスト膜の混合を防止するために、それらの膜の間に中間層を介在させると、精度良いパターンが形成できる。有機膜とレジスト膜を剥離する際に、有機膜とレジスト膜のそれぞれに最適な異なる剥離液を使用すると剥離速度が速くなり、スループットを向上できる。
そこで、以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1(a)〜(d)及び図2(a)〜(d)は、本発明の第1実施形態に係るBCS(Boundary Control Stabilizer) バイアス磁気抵抗効果型ヘッドの製造工程を示す断面図である。
図1(a)〜(d)及び図2(a)〜(d)は、本発明の第1実施形態に係るBCS(Boundary Control Stabilizer) バイアス磁気抵抗効果型ヘッドの製造工程を示す断面図である。
まず、図1(a)に示すように、基板1の上に、膜厚14μmのAl2 O3 よりなる非磁性絶縁層2と、膜厚2.3μmのNiFeよりなる下側磁気シールド層3と、膜厚200nmのAl2 O3 よりなる非磁性且つ絶縁性の下側ギャップ層4を順に形成した後に、その下側ギャップ層4の上に平面が矩形状の磁気抵抗効果素子5を形成する。
磁気抵抗効果素子5は、下側ギャップ層4の上に膜厚20nmのSAL5a、膜厚10nmの非磁性層5b及び膜厚20nmのMR層5cを順に形成してなる多層膜から構成される。例えば、SAL材としてはNiFeCr、非磁性材としてはTa、MR層材料としてはNiFeなどがある。次に、リード端子形成のためのリフトオフに使用するマスクの形成工程に移る。
図1(b)に示すように、ポリアミック酸(日産化学(株)製、商品名XLX10)よりなる有機膜6を0.2μmの厚さにスピンコートした後に、有機膜6を160℃で2分間ベークする。この後に、図1(c)に示すように、ネガ型の化学増幅レジスト膜7を有機膜6上に2.0μmの厚さにスピンコートした後に、この化学増幅レジスト膜7を100℃で2分間ベークする。ネガ型の化学増幅レジスト膜7の材料として、例えば日本ゼオン(株)製のZPP−LAX−1(商品名)を使用する。
続いて、図1(d)に示すように、リード端子形成領域にある化学増幅レジスト膜7に紫外線を200mJ/cm2 の量で照射する。このような露光の後に、有機膜6及び化学増幅レジスト膜7を100℃で2分間ポストエクスポウジャベークする。そして、濃度2.38 mol%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液を現像液に用いて化学増幅レジスト膜7を80秒間現像して、磁気抵抗効果素子5の両端寄りの部分を含むリード端子形成領域に図2(a)に示すような窓7aを有するパターンを形成した。この現像の際には、有機膜6も現像液に溶解してパターニングされ、図2(b)に示すように、化学増幅レジスト膜7の下にのみ残存する。
このように、化学増幅レジスト膜7の現像液によって同時に下層の有機膜6をパターニングすることは、工程の短縮化が図れるので好ましい。ただし、現像液による有機膜6の溶解速度は、有機膜溶解度/レジスト膜溶解度で示される溶解度比が10以上であることが好ましく、10を下回ると形状のコントロールが困難になる。
上記した条件によれば、有機膜6は、その縁が化学増幅レジスト膜7の縁からその内方へ1.2μm食い込んだ形状になった。その食い込み寸法は、化学増幅レジスト膜7のパターンの周縁に沿ってほぼ均一になった。これらのことは、パターンの上から光学顕微鏡で観察することにより確認できた。パターンの観察は化学増幅レジスト膜7が光透過性を有するために容易になされる。また、有機膜6を光吸収材料から形成すると周囲との区別が明確になってさらに観察がし易くなる。
以上のような方法でパターニングされた有機膜6と化学増幅レジスト膜7によってマスクMが構成される。次に、図2(c)に示すように、膜厚18nmのMnFeよりなる反強磁性層8と膜厚150nmのAuよりなる金属膜9をスパッタにより形成した後に、図2(d)に示すように、nメチルピロリドン(NMP)とエタノールアミンを同じ割合で混合した溶液を使用して化学増幅レジスト膜7と有機膜6を除去し、その上の反強磁性層8と金属膜9をリフトオフした。この結果、反強磁性層8と金属膜9は2つのリード端子形成領域にのみ残り、反強磁性層8はBCS膜8a,8bとして、金属膜9はリード端子9a,9bとして使用される。一対のリード端子の間がセンス領域Sとなる。
なお、化学増幅レジスト膜7の内側に1.2μmで食い込んで存在している有機膜6の側部には、反強磁性層8及び金属膜9の粒子が付着しなかった。ところで、スピンコーティングにより塗布される有機膜6を0.05μm以下にしようとすると、その膜厚が不均一になる。その逆に、有機膜6を1.0μm以上に厚くすると、反強磁性層8及び金属膜9の粒子がレジスト膜7を回り込んで有機膜6のパターンの側部に付着するおそれがある。従って、有機膜6の厚さには最適値が存在し、経験上、0.05〜1.0μmであって且つ磁気抵抗効果素子5とその周辺との段差の20%以上であることが好ましい。これは以下の実施形態でも同様である。
続いて、エタノール、酢酸エチル、イソプロパノール又はアセトンのような高揮発性の有機溶剤を用いて磁気抵抗効果素子5、リード端子9a,9b等の表面を洗浄し、ついでその表面を乾燥した。有機溶剤は、乾燥時間を短くするために20℃で蒸気圧30mmHg以上の材料であることが好ましい。この後に、特に図示しないが、下側シールド膜4をフォトリソグラフィーによりパターニングする。
一対のリード端子9a,9b間の距離(以下、コア幅という)を3μmに設定した場合に、そのコア幅のバラツキは±0.1μmとなり、しかもリード端子9a,9bはバリのない良好な形状となった。
これに対して、図27(a)〜27(c)に示したように、リフトオフの際に一般的に使用されるレジスト膜(ヘキストファーイースト(株)製、商品名AZ5214E)107を単層で使用し、イメージリバーサル法でパターニングした後に、金属膜106をスパッタにより形成し、その後にアセトンを用いてレジスト膜107とその上の金属膜106をリフトオフした。この結果、金属膜106からなるリード端子106a,106bにバリが発生し、しかも、3μmのコア幅に対して±0.5μmの誤差が生じた。
これにより、リード端子のパターンの精度を良くするためには本実施形態の方が適していることがわかる。上記したネガ型の化学増幅レジストは、真空プロセスにおけるエチング耐性の高い架橋型のネガレジスト膜の1つである。化学増幅型レジスト膜7は、アルカリ可溶性樹脂、架橋剤及び光酸発生剤を含む材料からなり、露光後の現像は、80〜120℃でベーキングした後に行われる。
アルゴンスパッタによる架橋型のネガレジスト膜のエッチングレートは小さいので、エッチングされてレジスト膜から発生する物質の量は極めて少なく、その物質による磁気抵抗効果素子5の汚染が抑制される。架橋型のネガレジスト膜のエッチングレートが小さくことは、真空プロセスの際のレジスト膜のパターン寸法シフトが抑制されることになる。
なお、ポジ型のレジスト膜を用いる場合には、感光剤等の低分子量成分の配合が小さいものがエッチングレートが小さくなる。上述したように、有機膜6上のレジスト膜7は、真空プロセスにおけるエッチング耐性が高いことが好ましい。具体的には、平行平板型反応性イオンエッチング装置を使用する場合に、平行平板電極への供給電力が0.3W/cm2 、エッチング雰囲気の圧力が20mTorr に設定して、アルゴンスパッタエッチングレートが450Å/min 以下となることが好ましい。
なお、化学増幅レジスト膜7と有機膜6を現像した後に、少なくとも加熱か過剰露光のいずれかを施せば、化学増幅レジスト膜の表面の架橋が進んで硬化し、エッチング耐性がさらに向上する。アルゴンスパッタは、例えば金属膜形成の前に磁気抵抗効果素子の表面清浄化などに使用される可能性がある。
(第2実施形態)
図3(a)〜(d)及び図4(a)〜(d)は、本発明の膜のパターニング方法を適用したハードマグネット膜バイアス磁気抵抗効果型ヘッドの製造工程を示す断面図である。
図3(a)〜(d)及び図4(a)〜(d)は、本発明の膜のパターニング方法を適用したハードマグネット膜バイアス磁気抵抗効果型ヘッドの製造工程を示す断面図である。
まず、第1実施形態と同様に、非磁性絶縁層2、下側磁気シールド層3及び下側ギャップ層4が形成された基板1を用いる。そして、図3(a)に示すように、下側ギャップ層4の上に、SAL10a、非磁性層10b及びMR層10cをスパッタにより順に形成する。続いて、MR層10c上にポジ型のグルタルイミド系感光性樹脂(日本マクダーミッド(株)製、商品名SF5)よりなる有機膜11を0.2μmの厚さにスピンコートした後に、有機膜11を260℃で2分間ベークする。
次に、図3(b)に示すように、ネガ型の化学増幅レジスト膜12を有機膜11上に2.0μmの厚さにスピンコートする。続いて、化学増幅レジスト膜12を100℃で2分間ベークする。ネガ型の化学増幅レジスト膜12は、第1実施形態と同じ材料を使用する。この段階では、感光性の有機膜11は露光されていない状態にある。
続いて、図3(c)に示すように、センス領域にある化学増幅レジスト膜12に紫外線を200mJ/cm2 の量で照射する。この露光の後に、有機膜11及び化学増幅レジスト膜12を100℃で2分間ポストエクスポウジャベークを行う。そして、濃度2.38 mol%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液を現像液に用いて化学増幅レジスト膜12を80秒間現像したところ、図3(d)に示すように、化学増幅レジスト膜12はセンス領域に残った。
その後、有機膜11に向けて3.0J/cm2 の紫外線を照射すると、化学増幅レジスト膜12によって紫外線が吸収されるので、化学増幅レジスト膜12の下の露光量は少なく、それ以外の領域の有機膜11の露光量は多くなる。しかも、光の回折、反射などによって化学増幅レジスト膜12の周縁から1μm程度食い込んだ領域の有機膜11が露光される。
続いて、再びテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液を用いて有機膜11を現像した。この結果、図4(a)に示すように、有機膜11は化学増幅レジスト膜12の下に残存し、しかも、有機膜11の周縁部は、化学増幅レジスト膜12の縁から内部に1μm食い込んだ領域まで後退したことが光学顕微鏡によって確認された。その食い込み寸法は、化学増幅レジスト膜12の周縁について均一であった。また、有機膜11の縁部はほぼ垂直形状になった。
次に、有機膜11及び化学増幅レジスト膜12をマスクMに使用してSAL10aからMR層10cまでをアルゴンスパッタエッチングによってエッチングし、図4(b)に示すように、それらの層をセンス領域以外の領域に残した。SAL10aからMR層10cの側面は、基板面に対して10〜30度傾斜するような条件でエッチングする。
SAL10aからMR層10cは、後の工程でさらにパターニングされて矩形状の磁気抵抗効果素子10となる。このスパッタエチングの際に、磁気抵抗効果素子10の表面は殆ど汚染されない。これは、化学増幅レジスト膜12が過剰に露光されて架橋が促進され、エッチング耐性が増し、これにより化学増幅レジスト膜12からの有機物などの飛散が抑制されるからである。上記した露光量によれば、アルゴンスパッタエッチングによる化学増幅レジスト膜12のエッチングレートは、200Å/min であった。
この後に、図4(c)に示すように、膜厚30nmのCoCrPtよりなる硬磁性膜13と膜厚150nmのAuよりなる金属膜14をスパッタにより形成した。この場合、化学増幅レジスト膜12の下の有機膜11の側部に硬磁性膜13及び金属膜14は付着しなかった。ついで、NMPとエタノールアミンを同じ割合で混合した溶液を使用して化学増幅レジスト膜12と有機膜11を除去し、その上の硬磁性膜13及び金属膜14をリフトオフした。
この結果、硬磁性膜13及び金属膜14は、磁気抵抗効果素子10の両端からリード端子形成領域に残り、少なくとも硬磁性膜13は磁気抵抗効果素子10の両端に接する形状にパターニングされる。硬磁性膜13は磁気抵抗効果素子10を挟んで2分割され、その上の金属膜14は一対のリード端子14a,14bとなる。続いて、エタノールを用いて磁気抵抗効果素子10、リード端子14a,14b等の表面を洗浄し、ついでその表面を乾燥した。この後に、特に図示しないが、硬磁性膜13及び金属膜14を所定の形状にパターニングして不要な部分を除くとともに磁気抵抗効果素子10をセンス領域にのみ矩形状に残す。さらに、下側シールド膜4をフォトリソグラフィーによりパターニングする。
一対のリード端子14a,14b間の距離(以下、コア幅という)を3μmに設定した場合に、そのコア幅のバラツキは±0.1μmとなり、しかもリード端子はバリのない良好な形状となった。これに対して、リフトオフの際に一般的に使用されるレジスト膜(ヘキストファーイースト(株)製、商品名AZ5214E)を単層で使用した場合には、3μmのコア幅に対して±0.5μmの誤差が生じた。しかも、そのレジスト膜のアルゴンスパッタリングの際のエッチングレートは、500Å/min とスパッタエチング耐性が弱く、磁気抵抗効果素子をパターニングする際にレジスト膜成分である炭素が下側ギャップ層や磁気抵抗効果素子の縁に多量に付着して汚染していることがSIMS分析により確認された。その炭素の存在によりリード端子と磁気抵抗効果素子のコンタクト抵抗が高くなり、磁気特性に悪影響を与える。
なお、ポジ型の感光性の有機膜11として、上記した材料の他に、アフトキノンジアジド系のノボラックポジレジスト膜がある。
(第3実施形態)
次に、リフトオフに使用されるマスクMの形成について、上記とは別な方法について説明する。
次に、リフトオフに使用されるマスクMの形成について、上記とは別な方法について説明する。
まず、図3(a)に示す有機膜11としてポリアミック酸を使用する。ポリアミック酸はポリイミドの前駆体である。また、図3(b)に示すレジスト膜12の材料としては感光性有機シリコーン樹脂を使用する。感光性有機シリコーン樹脂としては、特開平4−181254号公報に記載されているように、ビニル基及びフェニル基を有しているポリシロキサン又はポリシルセスキオキサンのいずれかに増感剤を添加したものがある。
そして、図3(c)に示すように、レジスト膜12を紫外線で露光した後に、レジスト膜12を現像してMR層10cのセンス領域の上にレジスト膜12を選択的に残す。続いて、ポリアミック酸よりなる有機膜11を酸素プラズマによって等方的にエッチングすると、レジスト膜12を構成する有機シリコーンは酸素プラズマによってエッチングされずにマスクMの一部として機能するので、有機膜11の縁は、レジスト膜11の縁から内部に食い込んだ形状となる。酸素プラズマに照射する時間を制御することによって1μm程度の均一な食い込み寸法が得られた。
このような材料を用いてもコア幅のバラツキは、コア幅3μmに対して±0.1μmとなった。シロキサンレジストの除去とポリアミック酸の除去は、NMPとエタノールアミンの混合液を用いて同時に行う。なお、レジスト膜12を構成する有機シリコーン樹脂は、ネガ型又はポジ型を問わずに真空プロセスにおけるエッチング耐性が高いので、リフトオフ用のマスクMをスパッタエチング用のマスクとしても使用したい場合に好ましい材料である。
(第4実施形態)
上記した実施形態では、有機膜の上に直にレジスト膜を形成している。有機膜とその上のレジスト膜の間でそれらの混合層が形成されると、精度良いパターン形状が得られないので、以下のような対策を施す。
上記した実施形態では、有機膜の上に直にレジスト膜を形成している。有機膜とその上のレジスト膜の間でそれらの混合層が形成されると、精度良いパターン形状が得られないので、以下のような対策を施す。
レジスト膜の下の有機膜としては、水溶性の材料を使用するとレジスト膜との混合層の発生を防止できる。水溶性有機物としては、ポリビニルアルコール(PVA)構造を含んでる樹脂、カルボン酸基を含んでいる樹脂、或いはスルホン酸基を含んでいる樹脂がある。具体的には、PVAと酢酸ビニルとイタコン酸の共重合体(クラレ(株)製、商品名ポバール)、PVAと酢酸ビニルと無水マレイン酸の共重合体(クラレ(株)製、商品名ポバール)、スルホン化ポリアニリン類(日東化学(株)製、商品名SAVE)、スルホン化ポリチオフェン類(昭和電工(株)製、エスペイサー)がある。
なお、有機膜の材料として水溶性有機物を使用し、この有機膜をエッチングする場合には、水や有機アルカリ水溶液を用いる。また、レジスト膜と有機膜が混合し易い材料の場合には、第1実施形態に対応した図5(a)に示すように、レジスト膜7と有機膜6の間に上記したポリアミック酸や前述の水溶性有機物からなる中間層15を入れると、レジスト膜7と有機膜6の混合が防止される。第2実施形態に対応した図5(b)に示すように、レジスト膜12と有機膜11の間に同じような中間層16を入れると、レジスト膜12と有機膜11の混合が防止される。
なお、中間層15,16の材料として水溶性有機物を使用し、この中間層15,16をエッチングする場合には、水や有機アルカリ水溶液を用いる。
(第5実施形態)
上記した有機膜に用いられる材料は、レジスト膜材料塗布時にダメージを受けず且つ所望のパターン形状が得られるものであれば特に限定されるものでない。そのような材料として、例えばUR5100(東レ(株)製の商品名)、TL−X50(旭化成(株)の商品名)のように、ポリアミック酸を含む材料がある。そのような材料を使用する場合には、有機膜を120〜170℃の温度で1〜10分間ベーキングし、その上にアルカリ現像型のレジスト膜を形成すると、レジスト膜を現像する際の現像液による有機膜の溶解速度が残ったレジスト膜の溶解速度の10倍以上となるので好ましい。有機膜のベーキング温度が170℃より高いと、溶解速度が遅くなって有機膜の所望の食い込み寸法が得られず、温度が高いほど有機膜の残渣が生じ易くなる。その逆に、ベーキング温度が120℃よりも低くなると、有機膜の溶解速度が速過ぎて形状の均一性が損なわれる。
上記した有機膜に用いられる材料は、レジスト膜材料塗布時にダメージを受けず且つ所望のパターン形状が得られるものであれば特に限定されるものでない。そのような材料として、例えばUR5100(東レ(株)製の商品名)、TL−X50(旭化成(株)の商品名)のように、ポリアミック酸を含む材料がある。そのような材料を使用する場合には、有機膜を120〜170℃の温度で1〜10分間ベーキングし、その上にアルカリ現像型のレジスト膜を形成すると、レジスト膜を現像する際の現像液による有機膜の溶解速度が残ったレジスト膜の溶解速度の10倍以上となるので好ましい。有機膜のベーキング温度が170℃より高いと、溶解速度が遅くなって有機膜の所望の食い込み寸法が得られず、温度が高いほど有機膜の残渣が生じ易くなる。その逆に、ベーキング温度が120℃よりも低くなると、有機膜の溶解速度が速過ぎて形状の均一性が損なわれる。
また、有機膜として感光性の樹脂を用いて、その上にレジスト膜を塗布する前に予め露光によって溶解性を調整することにより、有機膜の所望の食い込みを精度良く形成できる。さらに、有機膜として感光性の樹脂を用いる場合に、有機膜とその上のレジスト膜の光反応の感度を相違させることにより、1度の露光で、レジストパターンよりも狭い有機膜のパターンを形成できる。
例えば、有機膜とレジスト膜の双方ともポジ型を用いる場合には、有機膜の光反応の感度をレジスト膜の感度よりも高くすることにより、有機膜の露光領域を広くしてレジスト膜の縁からの食い込み寸法を確実に確保できるので好ましいパターンが形成される。例えばナフトキノンジアジド系のノボラックポジレジスト膜を使用し、その中の感光剤の種類と量を調整して感光性有機膜との感度差を生じるようにする。
一方、有機膜とレジスト膜の双方ともネガ型を用いる場合には、レジスト膜の光反応の感度を有機膜の感度よりも高くすることにより、有機膜の露光領域を狭くしてレジスト膜の縁からの食い込み寸法を確実に確保できるので好ましいパターンが形成される。例えば、シプレイ社製のSAL−601のような化学増幅ネガレジスト膜と、ヘキスト社製のAZ−5213Eのようなイメージリバーサルレジスト膜を組み合わせ、露光量とベーク条件を調整して使用できる。この場合、イメージリバーサルレジスト膜を有機膜として使用する。
なお、パターニングされたレジスト膜の縁に対する有機膜の食い込み寸法は、レジスト膜の膜厚の1〜3倍であることが好ましい。3倍を越えると、レジスト膜の有機膜からの突出量が大きくなりすぎてレジストの周縁が垂れ下がり、リード端子のバリの発生の原因となる。一方、1倍以下の場合には、突出量が小さ過ぎてリード端子を構成する金属膜がレジスト膜の縁を回り込んで有機膜の側部に付着し、リード端子のバリの発生の原因となる。
(第6実施形態)
以下に、上記した有機膜及びレジスト膜を除去するための剥離液について説明する。
以下に、上記した有機膜及びレジスト膜を除去するための剥離液について説明する。
剥離液としては、下側の有機膜を溶かし易くした方がリフトオフプロセスの時間短縮化の上で好ましい。有機膜として、ポリアミック酸のような非水溶性のものを用いる場合には、溶解性パラメータδが9.0〜12の有機溶剤を用いることが好ましい。特に、NMPを少なくとも30重量部含んでなる溶液や、アミン類を少なくとも30重量部含んでなる溶液を用いるとよく、例えば、n−メチル−2−ピロリドンと2−(2−アモノエトキシ)エタノールを同じ割合で混合した溶液がある。
その他に、下側の有機膜の溶解特性に応じて水(δは約20)、又はアルカリ水溶液(δは15〜19程度)を用いてもよい。アルカリ水溶液として、0.2〜15wt%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液を用いてもよい。また、上側のレジストと下側の有機膜を除去する際に、第一の剥離液でレジストを剥離し、第二の剥離液で有機膜を剥離してもよい。特に、レジスト膜が厚く、有機膜が薄い場合には、有機膜よりもレジストの溶解性を高くした液を第一の剥離液として使用し、その後に、レジストよりも有機膜を優先的に溶解する液を第二の剥離液として使用すると、剥離工程にかかる時間を短縮化できる。例えば、第一の剥離液として、アセトン、THF、酢酸ブチルなどがあり、また、第二の剥離液として、アルカリ水溶液、NMPなどがある。
上記した第1〜第6実施形態では、リフトオフに使用するマスクMの一層目を有機膜、二層目をレジストとしたが、その二層目をAl2 O3 、金属などの無機膜としてもよい。そのような無機膜を使用したリフトオフ用のマスクMについて以下の第7、第8実施形態で説明する。
(第7実施形態)
図6(a)〜(d)及び図7(a)〜(d)は、本発明の第7実施形態に係るBCSバイアス磁気抵抗効果型ヘッドの製造工程を示す断面図である。
図6(a)〜(d)及び図7(a)〜(d)は、本発明の第7実施形態に係るBCSバイアス磁気抵抗効果型ヘッドの製造工程を示す断面図である。
まず、図6(a)に示すように、基板1の上に、膜厚14μmのAl2 O3 よりなる非磁性絶縁層2と、膜厚2.3μmのNiFeよりなる下側磁気シールド層3と、膜厚200nmのAl2 O3 よりなる非磁性且つ絶縁性の下側ギャップ層4を順に形成した後に、その下側ギャップ層4の上に平面が矩形状の磁気抵抗効果素子5を形成する。
磁気抵抗効果素子5は、膜厚20nmのSAL5a、膜厚10nmの非磁性層5b及び膜厚20nmのMR層5cを下側ギャップ層4上に順に形成してなる多層膜から構成される。例えば、SAL材としてはNiFeCr、非磁性材としてはTa、MR層材料としてはNiFeなどがある。次に、リード端子形成のためのリフトオフ用のマスクMの形成工程に移る。
図6(b)に示すように、下側ギャップ層4及び磁気抵抗効果素子5の上に有機材よりなるフォトレジスト膜20を0.05〜0.2μmの厚さにスピンコートした後に、フォトレジスト膜20をベークする。フォトレジスト膜20はネガ型であってもよいしポジ型であってもよいが、現像液又は有機溶剤によって溶解可能な状態にする。
この後に、図6(c)に示すように、Al2 O3 、SiO2 、Ta2 O5 のような無機膜21をスパッタによりフォトレジスト膜20の上に0.05〜0.2μmの厚さに形成する。続いて、無機膜21の上に第二のレジスト膜22を塗布し、これを露光、現像して図6(d)に示すように、磁気抵抗効果素子5の両端を含むリード端子形成領域に窓22aを有するパターンを形成する。
次に、窓22aから露出した無機膜21をイオンミリングによってエッチングすると、無機膜21にはリード端子の形状の開口部21aが形成される。開口部21aを形成した後に第二のレジスト膜22を除去すると、図7(a)のような断面が得られる。続いて、有機膜21の開口部21aにレジスト用の現像液を供給して、開口部21aの下のフォトレジスト膜20を現像液によって等方エッチングする。この場合、図7(b)に示すように、フォトレジスト膜20を開口部21aよりも0.2〜1.5μm程度側方に後退させて、フォトレジスト膜20の縁が無機膜21の開口部21aの縁よりも0.2〜1.5μm程度広がった形状にする。無機膜21の縁に対するフォトレジスト膜20の縁の後退量Wは、フォトレジスト膜20のパターンの周縁に沿ってほぼ均一になった。
以上でレジスト膜20と無機膜21よりなるリフトオフ用のマスクMの形成が終了する。次に、図7(c)に示すように、膜厚30nmのMnFeよりなる反強磁性層23と膜厚100nmのAuよりなる金属膜24をスパッタにより形成した後に、図7(d)に示すように、現像液によって有機膜20を除去することにより、その上の無機膜21、反強磁性層23及び金属膜24をリフトオフした。この結果、反強磁性層23と金属膜24は2つのリード端子形成領域にのみ残り、反強磁性層23はBCS膜23a,23bとして、金属膜24はリード端子24a,24bとして使用される。一対のリード端子24a,24bの間がセンス領域Sとなる。センス領域Sのうちリード端子24a,24b間の距離がコア幅である。
無機膜20の内側に0.2〜1.5μm後退して存在しているレジスト膜21の側部には、反強磁性層23及び金属膜24の粒子が付着せず、バリの発生は見られなかった。しかも、センス領域Sのコア幅のバラツキはコア幅3μmに対して誤差が±0.1μmとなり、リード端子24a,24bを高精度に形成できた。
そのバリを発生させないためには、第1実施形態で示したように、リフトオフ用のマスクMの下層側のフォトレジスト膜20厚さを0.05〜1.0μmにすることが好ましい。また、マスクMの上層側の無機膜21の厚さは0.05〜0.5μmにすることが好ましい。ところで、本実施形態では、マスクMの上層側を無機膜21としたので、無機膜を薄く、かつその下のフォトレジスト膜20の後退量(食い込み量)Wを大きくしてもマスクMが湾曲することがなく、バリの発生をより確実に防止して歩留りが向上することができる。しかも、無機膜21によればレジストに比べて均一且つ薄く膜を形成することができ、下層材料と混合することもないので、その無機膜21のパターン精度が向上するとともにマスクMのパターン精度も向上する。
また、無機膜21を光透過可能な厚さに形成すると、その下の有機膜20の顕微鏡による観察が容易になる。なお、フォトレジスト膜20をエッチングするためにはレジスト用現像液の他に有機溶剤を使用してもよいし、或いは、第3実施形態で説明したように、酸素プラズマなどのドライエッチング法を用いてもよい。
無機膜21は絶縁材の他に金属を用いてもよい。また、無機膜21の上側を金属層、下側をAl2 O3 、SiO2 などの絶縁層とした2層構造を採用してもよい。無機膜21の少なくとも上層部を金属で形成する場合には、その金属の厚さを例えば20〜40nmとして光を透過させるようにすると、有機膜26の平面形状の顕微鏡による観察が可能になるからである。この場合、有機膜26を反射防止材料から形成すると、有機膜26のパターンとその周辺の層との区別が明確になるのでパターン観察がさらに容易になる。
(第8実施形態)
図8(a)〜(d)及び図9(a)〜(d)は、本発明の膜パターニング方法を適用したハードマグネット膜バイアス磁気抵抗効果型ヘッドの製造工程を示す断面図である。
図8(a)〜(d)及び図9(a)〜(d)は、本発明の膜パターニング方法を適用したハードマグネット膜バイアス磁気抵抗効果型ヘッドの製造工程を示す断面図である。
まず、第1実施形態と同様に、非磁性絶縁層2、下側磁気シールド層3及び下側ギャップ層4が形成された基板1を用いる。そして、図8(a)に示すように、下側ギャップ層4の上にSAL10a、非磁性層10b及びMR層10cをスパッタにより順に形成する。続いて、MR層10c上に感光性の有機膜25を0.05〜0.2μmの厚さにスピンコートした後に、有機膜25をベークする。有機膜25は、フォトレジスト用現像液又は有機溶剤によって溶解可能な状態にしておく。ポジ型の感光性有機膜を使用することについては第12実施形態でさらに説明する。
次に、図8(b)に示すように、Al2 O3 、SiO2 、Ta2 O5 のような無機膜26をスパッタ又は蒸着により0.05〜0.2μmの厚さに形成する。続いて、レジスト膜29を塗布し、これを露光、現像してリード端子形成領域に図8(c)に示すような窓29aを形成する。なお、リード端子形成領域に挟まれる領域がセンス領域Sとなる。
次に、窓29aから露出した無機膜26をイオンミリングによってエッチングすると、無機膜26にはリード端子の形状の開口部26aが形成される。開口部26aを形成した後にレジスト膜29を除去すると、図8(d)のような断面となる。その後、有機溶媒又はフォトレジスト用現像液によって有機膜25を等方性エッチングした。この結果、図9(a)に示すように、有機膜25は無機膜26の下に残存し、しかも、有機膜25の周縁部は、無機膜26の縁から内部に0.2〜1.5μm程度後退したことが光学顕微鏡によって確認された。その後退量(食い込み寸法)は、有機膜25の周縁について均一であった。また、有機膜25の縁部はほぼ垂直形状になった。
次に、無機膜26及び有機膜25をマスクMに使用してSAL10aからMR層10cまでをアルゴンガス(Ar)を用いるイオンミリングによってエッチングし、図9(b)に示すように、それらの層をリード端子領域以外の領域にのみ残した。このエッチングは、図10に示すように、基板1を回転させながら斜め方向からイオンを照射してSAL10aからMR層10cの側面の傾斜角度θ1 を基板1上面に対して10〜40度とする。その傾斜角度θ1 が10度より小さいとその側面の面積が広くなって微細化に支障をきたしたり、形状の不均一性が増すといった不都合がある。また、その傾斜角度θ1 が40度以上になると、後述するリード端子との接触面積が小さくなってリード端子とのコンタクト抵抗が増す。
SAL10aからMR層10cの側面を最適値で傾斜させるためには、経験上有機膜27の膜厚を0.05〜0.2μm、無機膜28の膜厚を0.05〜0.2μmとするとともに、無機膜28の縁に対する有機膜27の後退量を0.2〜1.5μm程度にする必要がある。さらに、アルゴンイオンの進行する角度θ0 を10〜40度にすればよい。
SAL10aからMR層10cは、後の工程でさらにパターニングされてセンス領域Sで矩形状の磁気抵抗効果素子10となる。MR層10cなどのイオンミリングの際には磁気抵抗効果素子10の表面は殆ど汚染されない。これは、レジストを用いる従来技術に比べて無機膜26のエッチング耐性が大きくてイオンミリングによるマスクM構成物質の飛散量が半減するからである。
この後に、図9(c)に示すように、膜厚30nmのCoCrPtよりなる硬磁性膜27と膜厚150nmのAuよりなる金属膜28をスパッタにより形成した。この場合、無機膜26の下の有機膜25の側部には硬磁性膜27及び金属膜28は付着しなかった。ついで、有機溶剤又はフォトレジスト用現像液を使用して有機膜27を完全に除去してその上の無機膜26、硬磁性膜27及び金属膜28をリフトオフした。
この結果、図9(d)に示すように、硬磁性膜27及び金属膜28は、磁気抵抗効果素子10の両端に接してセンス領域Sの外方に残り、少なくとも硬磁性膜27は磁気抵抗効果素子10の両端に接している。硬磁性膜27は磁気抵抗効果素子10によって2分割され、その上の金属膜28は一対のリード端子28a,28bとなる。
この後に、特に図示しないが、フォトリソグラフィーによって磁気抵抗効果素子10、硬磁性膜27、金属膜28を所定の形状にパターニングして不要な部分を除去すると同時に、磁気抵抗効果素子10を矩形状にパターニングする。ついで、下側シールド膜4をフォトリソグラフィーによりパターニングする。以上のような工程により形成される一対のリード端子28a,28b間の距離(以下、コア幅という)を3μmに設定した場合に、そのコア幅のバラツキは±0.1μmとなり、しかもリード端子28a,28bはバリのない良好な形状となった。
以上述べたように本実施形態によれば、リフトオフ用の断面略T字形のマスクMの上層側をAl2 O3 のような無機膜26としたので、その下の有機膜25の後退量(食い込み量)Wを大きくしてもマスクMが湾曲することがなく、バリの発生をより確実に防止して歩留りが向上することができる。しかも、無機膜26を使用すると、マスクMの上層と下層の材料が混合することはなく、第4実施形態と同様にマスクMのパターン精度が向上する。さらに、無機膜26はレジストに比べて均一且つ薄く形成し易いので、パターン精度が向上する。無機膜26が光透過性材料により形成される場合には顕微鏡による有機膜20のパターンの観察が可能になる。
ところで、無機膜26を全て絶縁材料から構成するのではなく、少なくとも上層部を金属から形成する方が好ましい。無機膜26をマスクMに使用してSAL10aからMR層10cまでをパターニングする際に、無機膜26の上層部の構成材料がエッチングにより飛散して磁気抵抗効果素子10に付着するので、その上層部が硬磁性材のような金属であれば、その飛散物によって硬磁性層13と磁気抵抗効果素子10とのコンタクト不良は生じることがなくなる。
無機膜26の少なくとも上層部を金属で形成する場合には、その金属の厚さを20〜40nmとして光を透過させるようにするのが好ましい。即ち、無機膜26を光透過性にすると、有機膜25の平面形状の顕微鏡による観察が可能になるからである。さらに、有機膜25を反射防止材料から構成すると有機膜25とその周囲との区別が明確になり、観察がさらにし易くなる。
なお、有機膜27をエッチングするためには現像液の他に有機溶剤を使用してもよいし、或いは、酸素プラズマなどの等方性のドライエッチングを用いてもよい。
(第9実施形態)
上記したBCSバイアス磁気抵抗効果型ヘッドの下側ギャップ層4と下側磁気シールド層3は、最終的には図11(a)に示されるように、磁気抵抗効果素子5のパターニングと別工程で所定の大きさにパターニングされる。このパターニングは、上記したリフトオフの後に行うのが好ましい。なぜなら、下側ギャップ層4と下側磁気シールド層3のパターンによって生じる段差は、リフトオフ用のマスクMの平坦性、膜厚制御を阻害してマスクMのパターン精度を低下させるからである。
上記したBCSバイアス磁気抵抗効果型ヘッドの下側ギャップ層4と下側磁気シールド層3は、最終的には図11(a)に示されるように、磁気抵抗効果素子5のパターニングと別工程で所定の大きさにパターニングされる。このパターニングは、上記したリフトオフの後に行うのが好ましい。なぜなら、下側ギャップ層4と下側磁気シールド層3のパターンによって生じる段差は、リフトオフ用のマスクMの平坦性、膜厚制御を阻害してマスクMのパターン精度を低下させるからである。
また、図11(b)に示すように、磁気抵抗効果素子5をスパッタにより形成する前に、下側磁気シールド層3の最終的形状よりも広くなるように下側ギャップ層から下側磁気シールド層3までの各層をパターニングしておいてもよい。このことは、上記したハードマグネット膜バイアス磁気抵抗効果型ヘッドの非磁性絶縁層2と下側磁気シールド層3のパターニングについて同様なことがいえる。
(第10実施形態)
上記した第8実施形態のマスクを用いたパターン形成方法では、リフトオフ用のマスクMの上部を無機膜により構成している。その無機膜が酸化物である場合には、イオンミリングによりマスクMから飛散した無機材料が磁気抵抗効果素子10を汚染してしまうことは避けられない。
上記した第8実施形態のマスクを用いたパターン形成方法では、リフトオフ用のマスクMの上部を無機膜により構成している。その無機膜が酸化物である場合には、イオンミリングによりマスクMから飛散した無機材料が磁気抵抗効果素子10を汚染してしまうことは避けられない。
そこで、その汚染をさらに低減する方法を以下に説明する。この実施形態では、基板上1に、非磁性絶縁層2、下側磁気シールド層3、下側ギャップ層4、SAL10a、非磁性層10b及びMR層10cを順に形成した後に、有機膜25を塗布する工程までは図8(a)と同じである。その後に、図12に示すように、有機膜25の上にAl2 O3 よりなる第1の無機膜26aを100nmの厚さに形成し、ついで、Al2 O3 よりなる第2の無機膜26bを50nmの厚さに形成する。
第1及び第2の無機膜26a,26bはともにスパッタ又は真空蒸着によって形成するが、成長雰囲気の圧力は第1の無機膜26aの成長時よりも第2の無機膜26bの成長時の方を低くする。この結果、第2の無機膜26bには、第1の無機膜26aより大きさな圧縮応力が存在する。Al2 O3 のような無機膜は、成長雰囲気の圧力が小さくなるほど圧縮応力が大きくなる。
この後に、図8(c)、図8(d)で既に示した方法により、有機膜25と第1及び第2の無機膜26a,26bをパターニングして図13(a)に示すようなマスクMを形成する。このマスクMの有機膜25は、その縁部が第1及び第2の無機膜26a,26bのパターンの縁からその内側に後退した形状であり、しかも第1及び第2の無機膜26a,26bは有機膜25の両側で湾曲した断面形状となっている。
この状態で、図9(b)と同様に、マスクMに覆われない領域のSAL10a、非磁性層10b及びMR層10cをイオンミリングによりエッチングする。その際、第2の無機膜26bがイオンミリングによって図13(b)に示すように薄層化され、そのエッチングが終了した時点では第1の無機膜26bは図13(c)に示すように完全に除去されるか或いは僅かに残った状態となっている。
エッチングされた第1の無機膜26bの構成材料はエッチング雰囲気に飛散してその一部がMR層10cの表面に付着する。しかし、本実施形態ではイオンミリングの過程において、第1及び第2の無機膜26a,26bが膜応力分布により湾曲してMR層10cに近づいているので、飛散した無機材料のMR層10cへの付着は妨げられるので、その付着物26sの量は極めて少ない。
例えば、第1及び第2の無機膜26a,26bを湾曲させない場合のMR層10c表面での無機材料(Al2 O3 )の付着物26sの厚さは約5nmあったが、第1及び第2の無機膜26a,26bを湾曲させた場合の付着物26sの厚さは約1nmとなった。このような工程によりパターニングされたSAL10a、非磁性層10b及びMR層10cは、磁気抵抗効果素子10となる。
この後に、図13(d)に示すように、硬磁性層27及び金属層28を順にスパッタにより形成し、さらにマスクMを剥離して硬磁性層27及び金属層28をパターニングする。その詳細は第2実施形態と同じであるので省略する。ところで、上記した説明では、第1の無機膜26aと第2の無機膜26bを同一材料により構成しているが、膜の応力の異なる異種の膜により形成して図14(a)に示すように湾曲させてもよい。この場合にも、第2の無機膜26bの膜厚は、図14(b)に示すように、SAL10a、非磁性層10b及びMR層10cのパターニング終了後に無くなるような厚さに予め形成しておく。
上記した説明では、第2の無機膜26bをAl2 O3 から構成しているが、SiO2 、Ta2 O5 のようなその他の酸化物、或いはTa、Ti、Wのような金属材料から構成してもよい。第1及び第2の無機膜26aを酸化膜から形成する場合にそれらの材料を変えてもよく、第1の無機膜26aを膜厚100nmのSiO2 、第2の無機膜26bを膜厚50nmのAl2 O3 から形成してもよい。
さらに、上記した例では、無機膜の成長条件を変えて2層形成したが、3層以上であってもよい。また、無機膜の成長条件を連続して変化させて層厚が増すにつれて圧縮応力が大きくなるようにしてもよい。このような成長条件を連続的に変化させた無機膜を用いたマスクMは図15(a)に示すように湾曲し、SAL10a、非磁性層10b及びMR層10cのエッチングが進むにつれて図15(b)に示すように湾曲が小さくなる。
成長条件を連続的に変える方法は、第2の無機膜26bを形成する際に適用してもよい。この場合、例えば第1の無機膜26aを20nmの厚さ、第2の無機膜26bを180nmの厚さに形成する。第2の無機膜26bの成長雰囲気圧力を徐々に小さくすると、SAL10a、非磁性層10b及びMR層10cをパターニングする際に第2の無機膜26bが完全に除去されない場合でも湾曲が少ない状態でマスクMを残すことができる。これにより、リフトオフに悪影響を与えることはない。
(第11実施形態)
第10実施形態では、マスクMの上層の無機膜を始めに基板側に湾曲させ、リフトオフの時にはその湾曲を無くすことについて説明した。リフトオフ時に湾曲を無くすのは次のような理由による。
第10実施形態では、マスクMの上層の無機膜を始めに基板側に湾曲させ、リフトオフの時にはその湾曲を無くすことについて説明した。リフトオフ時に湾曲を無くすのは次のような理由による。
即ち、図16に示すように、マスクMの無機膜26dの湾曲を大きくしてその縁部を基板側に近づけた状態で、マスクM及び下側ギャップ層4の上に硬磁性層27及び金属層28を形成すると、マスクM上の硬磁性層27及び金属膜28と下側ギャップ層4上の硬磁性層27及び金属膜28が部分的に接続される。その部分的な接続はリード端子にバリが生じる原因になる。
これは、リフトオフのマスクMの縁部が基板側に近づくほど、マスクMの断面を略T字形にした効果が失われるからである。これに対して、図17に示すように、内部に大きな引張応力が生じる条件で無機膜26eを形成すると、マスクMの無機膜26eは上向きに湾曲するために、リフトオフ後にリード端子にバリが生じるおそれはない。しかし、マスクMを構成する無機膜26eを上向きに湾曲させると、オーバーハング状態の無機膜26eの下方に硬磁性層27及び金属層28が入り込み易くなり、硬磁性層27及び金属膜28のパターンによって画定されるセンス領域Sのコア幅の精度が低下する。
従って、図13(d)のような湾曲のない無機膜26bを形成することが望ましいが、無機膜26bの応力を常時零に保持することは難しい。応力の調整は、膜形成の雰囲気の圧力調整によって行う。そこで、図18(a)に示すように、マスクMにおける有機膜上の無機膜26fを極めて僅かに下方に湾曲させる程度に圧縮応力が生じる条件でその無機膜26fを成長するとよい。
図18(a)において、他の実施形態で説明したように、下側ギャップ層4上にはSAL10a、非磁性層10b及びMR層10cが形成され、その上には膜厚0.10μmの有機膜25が形成され、その上には有機膜25の両側に500nm程度オーバーハングした膜厚0.10μmの無機膜26fが形成され、有機膜25と無機膜26fによってマスクMが構成される。また、無機膜26fは、内部応力が0dyn/cm2 以上で−20.0×109 dyn/cm2 となっている。その内部応力が負であることは、内部応力が圧縮応力であることを意味する。
このような内部応力の値のマージンをもって無機膜26fを形成することは容易であり、500nmのオーバーハングを有する無機膜26fの縁部とMR層10cの間隔が0.08〜0.10μmとなる。このような無機膜26fを有するマスクMに覆われないSAL10a、非磁性層10b及びMR層10cをイオンミリングによってパターニングして磁気抵抗効果素子10を形成した後に、図18(b)に示すように、マスクMの上と下地ギャップ層4の上に硬磁性層27と金属層28を形成する。この結果、マスクM上の硬磁性層27及び金属膜28と下側ギャップ層4上の硬磁性層27及び金属膜28が完全に分離したので、リフトオフによって形成されるリード端子にはバリは生じなかった。
(第12実施形態)
上記した第7実施形態では、絶縁体又は金属の無機膜26を有機膜25の上にスパッタ又は蒸着によって形成し、これらをパターニングしてマスクMを形成するようにしている。スパッタで無機材料を有機膜25の上に堆積する場合には、有機膜25が無機材料の分子の運動エネルギーを得て加熱される。その有機膜25がポジ型のフォトレジストである場合には、そのフォトレジストの表面及び内部がその加熱によって化学反応を起こして感光性を失うので、その後の現像ができなくなってマスク形成に支障をきたす。
上記した第7実施形態では、絶縁体又は金属の無機膜26を有機膜25の上にスパッタ又は蒸着によって形成し、これらをパターニングしてマスクMを形成するようにしている。スパッタで無機材料を有機膜25の上に堆積する場合には、有機膜25が無機材料の分子の運動エネルギーを得て加熱される。その有機膜25がポジ型のフォトレジストである場合には、そのフォトレジストの表面及び内部がその加熱によって化学反応を起こして感光性を失うので、その後の現像ができなくなってマスク形成に支障をきたす。
そこで、マスクを構成する有機膜としてポジ型フォトレジストを使用する場合には次のような方法による。まず、第1実施形態と同様に、非磁性絶縁層2、下側磁気シールド層3及び下側ギャップ層4が形成された基板1を用いる。そして、図19(a)に示すように下側ギャップ層4の上にSAL10a、非磁性層10b及びMR層10cをスパッタにより順に形成する。
続いて、MR層10c上に有機膜としてポジ型の第1のフォトレジスト31を0.05〜0.2μmの厚さにスピンコートした後に、第1のフォトレジスト31を全面露光する。次に、図19(b)に示すように、Al2 O3 、SiO2 、Ta2 O5 のような酸化物又はTi、Alのような金属からなる無機膜32をスパッタ又は蒸着により0.05〜0.2μmの厚さに形成する。この場合、既に第1のフォトレジスト31は露光されているので、現像液によって可溶の状態であり、無機材料が第1のフォトレジスト31の表面に付着する際の加熱による感光性異常が生じにくい。
続いて、第2のフォトレジスト33を塗布し、これを露光、現像してリード端子形成領域に図19(c)に示すような窓33aを形成する。なお、リード端子形成領域に挟まれる領域がセンス領域Sとなる。次に、窓33aから露出した無機膜32をイオンミリングによってエッチングすると、無機膜32にはリード端子の形状の開口部32aが形成される。開口部32aを形成した後に第2のフォトレジスト膜33を除去すると、図19(d)のような断面が得られる。
その後、現像液によって第1のフォトレジスト31を現像して、図20(a)に示すように第1のフォトレジスト31を無機膜32の下に残存させる。第1のフォトレジスト31の周縁部は、無機膜32の縁から内部に0.2〜1.5μm程度後退した。次に、無機膜32及び第1のフォトレジスト31をマスクMに使用してSAL10aからMR層10cまでをイオンミリングによってエッチングし、図20(b)に示すように、それらの層をリード端子領域以外の領域にのみ残した。センス領域SのSAL10a、非磁性層10b及びMR層10cは磁気抵抗効果素子10となる。
この後に、図20(c)に示すように、膜厚30nmのCoCrPtよりなる硬磁性膜27と膜厚150nmのAuよりなる金属膜28をスパッタにより形成した。この場合、無機膜31の下の第1のフォトレジスト31の側部には硬磁性膜27及び金属膜28は付着しなかった。ついで、有機溶剤を使用して第1のフォトレジスト31を除去してその上の無機膜32、硬磁性膜27及び金属膜28をリフトオフした。
この結果、図20(d)に示すように、硬磁性膜27及び金属膜28は、磁気抵抗効果素子10の両端に接してセンス領域Sの外方に残り、少なくとも硬磁性膜27は磁気抵抗効果素子10の両端に接している。硬磁性膜27は磁気抵抗効果素子10によって2分割され、その上の金属膜28は一対のリード端子28a,28bとなる。
この後に、特に図示しないが、フォトリソグラフィーによって磁気抵抗効果素子10、硬磁性膜27、金属膜28を所定の形状にパターニングして不要な部分を除去すると同時に、磁気抵抗効果素子10を矩形状にパターニングする。ついで、下側シールド膜4をフォトリソグラフィーによりパターニングする。以上のように、第1のフォトレジスト31を全面露光してからその上に無機膜32を形成すると、マスクMのパターン精度が高くなり、しかも歩留りが向上した。
(第13実施形態)
上記したハードマグネット膜バイアス磁気抵抗効果型ヘッドの製造工程において、上述した断面略T字形のマスクMを上から見ると図21のようになる。マスクMは2つの開口部29を有し、それらの開口部29を併せた平面形状は略Y字となる。2つの開口部29はマスクMの細い領域Aで仕切られており、その細い領域Aの一部は磁気抵抗効果素子形成領域となる。なお、上記した複数の実施形態の図面は、図21のI−I線から見た断面を示している。
上記したハードマグネット膜バイアス磁気抵抗効果型ヘッドの製造工程において、上述した断面略T字形のマスクMを上から見ると図21のようになる。マスクMは2つの開口部29を有し、それらの開口部29を併せた平面形状は略Y字となる。2つの開口部29はマスクMの細い領域Aで仕切られており、その細い領域Aの一部は磁気抵抗効果素子形成領域となる。なお、上記した複数の実施形態の図面は、図21のI−I線から見た断面を示している。
ところで、マスクMの細い領域Aは、磁気記録媒体の高密度化の要求に伴ってさらに狭くすることが要求されている。しかし、マスクの細い領域Aを1.5μm程度に狭くすると、例えば図8(d)から図9(a)に示すような二層構造のマスクMの形成過程で、領域Aでは有機膜25が現像液又は有機溶媒により無くなってしまい、無機膜26が垂れ下がって図22に示すようにMR層10cに接触してしまう。無機膜26がMR層10cに接触するとマスクMの断面は実質的に矩形状になるので、リフトオフにより形成されるリード端子にバリが発生することは避けられない。
そこで、図23(a)及び(b)に示すように、マスクMの領域Aの幅を広くするとともに、その領域Aのうち磁気抵抗効果素子の少なくともセンス部分が形成される領域Bのみを狭くするような開口部30を無機膜26に予めパターニグしておく。これにより、センス領域Bの有機膜25が喪失しても、その周囲の領域Aには幅の広い有機膜25が残っているので、その有機膜25によってセンス領域Bの無機膜26を支持しているので、センス領域Bでは図24(a)の断面図に示すように無機膜26がMR層10cから間隔をおいて浮き上がった状態となる。
この後に、センス領域Bの両側では、図24(b)に示すように、無機膜26をマスクにしてSAL10a、非磁性層10b及びMR層10cをイオンミリングして除去する。さらに、図24(c)に示すように、下地ギャップ層4と無機膜26の上に硬磁性層27及び金属層28を順に形成した後に、有機膜25を除去するとセンス領域Bでは無機膜26、硬磁性層27及び金属層28が同時にリフトオフされて剥離されて図25(a)に示すような平面形状が得られる。
この後に、SAL10a、非磁性層10b、MR層10c、硬磁性層27及び金属層28をフォトリソグラフィーによって連続的にパターニングして、SAL10a、非磁性層10b、MR層10cをセンス領域Bだけに残すとともに、硬磁性層27及び金属層28をリード端子の形状にする。このパターニングは既に述べた実施形態にも適用される。
センス領域Bに残ったSAL10a、非磁性層10b、MR層10cは磁気抵抗効果素子10となる。その平面形状は図25(b)のようになり、そのIII-III 線断面は図24(d)のようになる。なお、無機膜26や有機膜25の材料は、第7実施形態で示した酸化物や金属を使用する。
また、無機膜26の代わりに、第2実施形態で示したようなレジスト膜を使用してもよく、この場合にもセンス領域BのマスクMの幅を他の領域Aよりも狭くし、その領域Bでの有機膜が無くなるようにしてもよい。
(その他の実施形態)
また、上記した実施形態では、BCS型MRヘッドと、ハードマグネット型MRヘッドの製造に適用するパターン形成方法を説明したが、これを巨大磁気抵抗効果型ヘッドの製造に適用してもよい。
また、上記した実施形態では、BCS型MRヘッドと、ハードマグネット型MRヘッドの製造に適用するパターン形成方法を説明したが、これを巨大磁気抵抗効果型ヘッドの製造に適用してもよい。
M…マスク、1…基板、2…非磁性絶縁層、3…下側磁気シールド層、4…下側ギャップ層、5…磁気抵抗効果素子、5a…SAL、5b…非磁性層、5c…MR層、6…有機膜、7…レジスト膜、8…反強磁性層、9…金属膜、8a,8b…BCS膜、9a,9b…リード端子、10…磁気抵抗効果素子、10a…SAL、10b…非磁性層、10c…MR層、11…有機膜、12…レジスト膜、13…硬磁性膜、14…金属膜、15,16…中間層、20…第1のレジスト、21…無機膜、22…第2のレジスト、23…硬磁性膜、24…金属膜、25…有機膜、26,26a〜26f…無機膜、27…硬磁性膜、28…金属、29…レジスト、31…レジスト、32…無機膜、33…レジスト。
Claims (8)
- 絶縁性の非磁性層上に多層膜を形成する工程と、
前記多層膜上に有機膜を形成する工程と、
未露光状態の前記有機膜の上に、レジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜を露光、現像して前記レジスト膜の所定領域に開口部を形成する工程と、
前記開口部の下の前記有機膜を除去することにより、前記レジスト膜の下に前記有機膜のパターンを形成し、前記有機膜のパターンの縁を前記レジスト膜のパターンの縁から内方に食い込ませる工程とを有し、
前記レジスト膜は架橋型化学増幅ネガレジストからなり、前記有機膜はポジ型感光性樹脂からなり、前記レジスト膜に前記開口部を形成した後に、前記レジスト膜と前記有機膜に紫外線を照射して前記有機膜を露光するとともに前記レジスト膜を硬化する工程を有することを特徴とするマスクを用いたパターン形成方法。 - 前記有機膜のパターンを形成する工程の後に、前記レジスト膜の上と前記開口部の下の前記多層膜の上に薄膜を形成する工程と、
前記有機膜と前記レジスト膜を剥離して前記レジスト膜上の前記薄膜をリフトオフする工程と
を有することを特徴とする請求項1に記載のマスクを用いたパターン形成方法。 - 前記レジスト膜のパターンと前記有機膜のパターンとをマスクに使用して前記多層膜をエッチングすることにより、前記多層膜をパターニングする工程を有することを特徴とする請求項1に記載のマスクを用いたパターン形成方法。
- 前記薄膜は、リード端子となる金属膜であることを特徴とする請求項2に記載のマスクを用いたパターン形成方法。
- 前記薄膜は、センス領域を挟む領域に形成される硬磁性膜、又はセンス領域を挟む領域に形成される交換相互作用膜のいずれかであることを特徴とする請求項2に記載のマスクを用いたパターン形成方法。
- 前記レジスト膜の下の前記有機膜は感光性樹脂からなり、前記レジスト膜の形成前に前面露光によって前記有機膜のエッチング速度を調整する工程を有することを特徴とする請求項1に記載のマスクを用いたパターン形成方法。
- 前記有機膜と前記レジストの間に、前記有機膜と前記レジスト膜の混合を防止するための有機材からなる中間層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のマスクを用いたパターン形成方法。
- 前記レジスト膜及び前記有機膜を剥離する剥離液として、溶解性パラメータδが9.0〜12の有機溶剤か、水又はアルカリ水溶液か、n−メチルピロリドンを少なくとも30重量部含む溶液か、アミン類を少なくとも30重量部含む溶液のいずれかを使用することを特徴とする請求項1に記載のマスクを用いたパターン形成方法。
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- 2005-03-30 JP JP2005097551A patent/JP2005293828A/ja active Pending
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