JP2005293788A - 磁気ヘッド装置の調整方法及び磁気ヘッド装置の調整装置 - Google Patents

磁気ヘッド装置の調整方法及び磁気ヘッド装置の調整装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005293788A
JP2005293788A JP2004110925A JP2004110925A JP2005293788A JP 2005293788 A JP2005293788 A JP 2005293788A JP 2004110925 A JP2004110925 A JP 2004110925A JP 2004110925 A JP2004110925 A JP 2004110925A JP 2005293788 A JP2005293788 A JP 2005293788A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic head
load beam
head device
flying height
load
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004110925A
Other languages
English (en)
Inventor
Michiharu Motonishi
道治 本西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP2004110925A priority Critical patent/JP2005293788A/ja
Priority to CNB200510064009XA priority patent/CN1327411C/zh
Publication of JP2005293788A publication Critical patent/JP2005293788A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Supporting Of Heads In Record-Carrier Devices (AREA)

Abstract

【課題】 特に数nm程度の低浮上量で浮上する磁気ヘッドにおいて、浮上量を左右する主要な要因を解析し、その解析を基に従来と異なる調整方法を用いた磁気ヘッド装置の調整方法及び磁気ヘッド装置の調整装置を提供することを目的としている。
【解決手段】 本発明では、フレキシャ圧が浮上量特性に大きく起因していることを見出し、静的姿勢角θの調整を、前記ロードビーム23の高剛性部23dを基準として行うことで、様々な歪みパラメータを考慮することなくフレキシャ24のばね圧を適切に調整でき、これによって数nm程度の低浮上の磁気ヘッドにおいて、磁気ヘッドが浮上した状態での浮上量のばらつきを小さくすることが出来る。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ハードディスク装置などに搭載される磁気ヘッド装置に係り、特に数nm程度の低浮上量で浮上する磁気ヘッド装置において、浮上量を左右する主要な要因を解析し、その解析を基に従来と異なる調整方法を用いた磁気ヘッド装置の調整方法及び磁気ヘッド装置の調整装置に関する。
ハードディスク装置等に搭載される磁気ヘッド装置は、スライダとこれを支持する支持部材とを有して構成される。
前記支持部材はロードビームとフレキシャとから構成されており、前記ロードビームは先部側から基部側にかけて高剛性部、弾性変形部及び支持部の順に各部位が設けられている。前記フレキシャは前記ロードビームの先部に取り付けられ、前記ロードビームの先部付近からは前記フレキシャ方向に向けてピボットが突出形成されている。そして、このピボットに前記フレキシャの支持片を介してスライダが当接される。
ある所定の浮上量を得るために、磁気ヘッド装置ごとに、前記磁気ヘッド装置が実際にディスク面上を浮上したときに必要とされるロード圧は予めシュミレーション等で測定されており、所定のロード圧が得られるように、前記ロードビームの支持部を基準として前記ロードビームの前記弾性変形部の曲げ量が調整される。
また、このとき、前記スライダに外力が作用していない状態で、前記フレキシャの支持片のピッチ方向に対する静的姿勢角θ(前記ロードビームの高剛性部と前記フレキシャの支持片間の角度)も、前記ロードビームの支持部を基準にして所定角度となるように調整される。
このように従来では、前記静的姿勢角θの調整は、前記ロードビームの支持部を基準にして行われていた。
ところで、下記特許文献1には、ジンバル角(フレキシャの姿勢角度)の調整方法について開示されている。しかし特許文献1における前記ジンバル角の調整はロール方向におけるものであり、ピッチ方向に関するジンバル角の調整方法については開示されていない。
また特許文献1では、まず実際に磁気ヘッドをガラス円板上に浮上させ、その浮上バランスを検査し、浮上バランスの変動量に対応して、スプリングアーム(ロードビーム)を固定しジンバル角を調整するが、この手法では、各磁気ヘッド装置をその都度、ディスク上に浮上させ、その浮上状態での浮上バラスの変動量を測定するといった非常に煩雑な作業が必要となる。
また下記特許文献2では、サスペンション1を治具24に固定した状態で、フレキシャに対し、熱変位を与えて、フレキシャーヘッド部の姿勢角度を修正する方法が開示されているが、前記サスペンション1のどの部位を基準として前記フレキシャーヘッド部の姿勢角度を調整するのかに関し詳しい説明がない。
特開昭61−177692号公報 特開2002−74630号公報
従来において、磁気ヘッドの浮上量の調整には、実際に前記磁気ヘッドを浮上させたときにかかるロード圧が重要であると考えられていた。また前記フレキシャの静的姿勢角θは前記ロードビームの支持部を基準として調整されていた。
しかし従来の調整方法では、磁気ヘッドの浮上量にばらつきが生じることがわかった。
実験では、同じ製品で、静的姿勢角θが異なる複数の磁気ヘッド装置を用い、図19に示すように、前記ロードビームの基部側に位置する支持部を固定し、スライダが実際にディスクに対向していることを想定して、前記スライダの対向面を前記ディスクと平行またはほぼ平行に維持した状態で、前記対向面を前記ディスクに対向しているのと同じか、またはほぼ同じ距離となるように、支持部とピボット間の距離Hを変位させ、その変位に要する荷重を測定した。
次に前記磁気ヘッド装置を、磁気ディスク装置内のディスク上に対向させ、前記ディスクを所定回転数だけ回転させて、前記スライダを前記ディスク表面から浮上させ、その浮上量を前記磁気ヘッドごとに測定した。
前記荷重と浮上量との関係を図11に示す。図11に示すように、荷重に対する浮上量にはばらつきが見られた。通常、荷重が大きくなれば浮上量は一次関数的に低下していくものと思われるが、図11ではそのような傾向が見られなかった。
次に、実験では、図20に示すように、ロードビームの基部側に位置する支持部を固定し、前記支持部とピボット間の距離Hが図19の場合と同じになるように、前記スライダの高剛性部を矢印方向に上方に持上げ、その状態での前記フレキシャの静的姿勢角θを測定した。
次に前記磁気ヘッド装置を、磁気ディスク装置内のディスク上に対向させ、前記ディスクを所定回転数だけ回転させて、前記スライダを前記ディスク表面から浮上させ、その浮上量を前記磁気ヘッドごとに測定した。前記静的姿勢角θと前記浮上量との関係を図12に示す。
図12に示すように、静的姿勢角θに対する浮上量にはばらつきが見られた。
このように、荷重や静的姿勢角θに対する浮上量のばらつきが見られるのは、浮上量が数nm程度の低浮上の磁気ヘッドにおいては、ロードビームの支持部を基準として調整されたロード圧は、磁気ヘッドの浮上量にさほど大きな影響を与えておらず、それ以外に浮上量を大きく左右する要因があるのではないかと考えられる。
以上のように従来のように、ロードビームの支持部を基準としてロード圧及び静的姿勢角θを調整していた従来の調整方法では、各磁気ヘッド装置を同じように調整しても、数nm程度で浮上する磁気ヘッドの浮上量には、ばらつきが見られた。
そこで本発明は上記問題点を解決するためのものであり、特に数nm程度の低浮上量で浮上する磁気ヘッドにおいて、浮上量を左右する主要な要因を解析し、その解析を基に従来と異なる調整方法を用いた磁気ヘッド装置の調整方法及び磁気ヘッド装置の調整装置を提供することを目的としている。
本発明は、所定の曲げ弾性係数を有するロードビームと、前記ロードビームの先部に固定された板ばね材料で形成されたフレキシャと、前記フレキシャに固定されたスライダとを有し、前記スライダに記録要素と再生要素の少なくとも一方が搭載されている磁気ヘッド装置に対する調整方法において、
前記ロードビームの長手方向を縦方向、ロードビームの幅方向を横方向とし、前記縦方向において前記スライダが設けられた側を先部側、ロードビームの支持側を基部側としたときに、
前記ロードビームは、曲げ変形可能な弾性変形部と、この弾性変形部よりも先部側に位置し前記弾性変形部よりも剛性の高い高剛性部とを有し、
前記フレキシャは、前記ロードビームの前記高剛性部に固定された固定片と、前記固定片から折り返されてその自由端が前記基部側に向けられた支持片とを有して、前記支持片は、前記ロードビームから突出するピボットを支点として変形可能とされており、
前記スライダに外力が作用していない状態を前記横方向から見たときに、前記ロードビームと前記支持片との間には、前記基部側に向けて開く静的姿勢角θが設けられており、前記静的姿勢角θを、前記ロードビームの前記高剛性部を基準として、前記高剛性部に対して所定の開き角度となるように調整することを特徴とするものである。
本発明は、ピッチ方向におけるフレキシャの支持片とロードビーム間の静的姿勢角θを調整するものである。
ところで後述する実験結果から、ばね圧をフレキシャのばね圧成分(以下では「フレキシャ圧」と呼ぶ場合がある)とロードビームのばね圧成分(以下では、「ロード圧」と呼ぶ場合がある)に分けると、浮上量が数nm程度の磁気ヘッドにおいては、前記フレキシャのばね圧成分が支配的であることがわかった。このためフレキシャのばね圧の調整が非常に重要になる。
従来では、前記フレキシャのばね圧は考慮しておらず、ロード圧を重要視して、ロード圧の調整を適正化すべくロードビームの支持部を基準として前記ロード圧の調整を行っていた。また前記フレキシャの静的姿勢角θの調整は、前記ロードビームの支持部を基準として行っていたが、これは前記フレキシャのばね圧を考慮したものではなく、どの製品においても前記ロードビームの支持部から見て前記フレキシャの静的姿勢角θがある所定範囲内の角度を有するように調整しているだけであった。
しかし、前記ロードビームの支持部を基準として前記静的姿勢角θを調整した場合は、最も浮上に寄与する各種磁気ヘッドのフレキシャ圧を適切に調整できない。前記支持部を基準にすると、前記ロードビームの支持部から前記ロードビームの高剛性部等までの様々な歪みパラメータが積算されてしまうので、このような歪みパラメータを考慮して前記静的姿勢角θを調整しなければならないが、実際に前記歪みパラメータをすべて考慮して前記静的姿勢角θを調整するのは煩雑で不可能に近い。
このように従来の手法では、フレキシャ圧を適切に調整できないので、所定の浮上量を得ることができず、浮上量にばらつきが生じやすくなってしまう。
またフレキシャ圧を考慮した場合、例えばピボットの突出寸法によって静的姿勢角θを変える必要性があるが、従来の手法では、このような要因を考慮せず、ただロードビームの支持部を基準として前記静的姿勢角θを調整しているだけであった。
前記フレキシャ圧が加わるのは、前記ロードビームの先部であるから、本発明では、前記フレキシャ圧の調整(すなわち静的姿勢角θの調整)を、もっとロードビームの先部近傍で、浮上時に弾性変形の生じない前記ロードビームの高剛性部を基準として行うことで、上記した様々な歪みパラメータを考慮することなくフレキシャのばね圧を適切に調整でき、これによって数nm程度の低浮上の磁気ヘッドにおいて、フレキシャ圧を適切に調整でき、よって磁気ヘッドが浮上した状態での浮上量のばらつきを小さくすることが出来る。
本発明では、前記ピボットの前記ロードビームからの突出寸法を測定し、前記静的姿勢角θを調整する際に、前記突出寸法に応じて、前記開き角度を変更することが好ましい。
また本発明では、前記磁気ヘッド装置の特性は、
(1)同じ製品で且つ前記静的姿勢角θを変化させた複数の磁気ヘッド装置を用意し、個々の前記磁気ヘッド装置について、それぞれ前記静的姿勢角θを測定し、
(2)前記(1)の測定に用いたそれぞれの磁気ヘッド装置について、ロードビームの基部側に位置する支持部を固定し、前記スライダが実際にディスクに対向していることを想定して、前記スライダの対向面を前記ディスクと平行またはほぼ並行に維持した状態で、前記対向面を前記ディスクに対向しているのと同じかまたはほぼ同じ距離だけ変位させたときに、その変位に要する荷重を測定し、
(3)前記(1)および(2)の測定で使用したのと同じ磁気ヘッドを、それぞれの磁気ヘッド装置が磁気ディスク装置に実装されることを想定してスライダをディスクに対向させ、このディスクを回転させたときの、スライダの前記ディスク表面からの浮上量を、それぞれの磁気ヘッド装置ごとに測定したときに、
前記(1)で測定した静的姿勢角θのばらつきに対する前記(3)で測定した浮上量の変動特性(A)が、前記(2)で測定した荷重のばらつきに対する前記(3)で測定した浮上量の変動特性(B)と同種であることが好ましい。
そして、前記変動特性(A)は、個々の磁気ヘッド装置について測定した浮上量を複数の範囲に区分して、それぞれの区分における静的姿勢角θの平均値および、それぞれの区分内での浮上量の平均値を求めたときの、前記静的姿勢角θの平均値の変化に対する前記浮上量の平均値の特性で、
前記変動特性(B)は、個々の磁気ヘッド装置について測定した浮上量を複数の範囲に区分して、それぞれの区分における前記荷重の平均値および、それぞれの区分内での浮上量の平均値を求めたときの、前記荷重の平均値の変化に対する前記浮上量の平均値の特性であることが好ましい。
さらに、前記変動特性(A)では、前記静的姿勢角θの平均値が増大するにしたがって前記浮上量の平均値がほぼ一次関数的に減少するものであり、
前記変動特性(B)では、前記荷重の平均値が増大するにしたがって前記浮上量の平均値がほぼ一次関数的に減少するものであることが好ましい。
また本発明では、前記静的姿勢角θを、前記ロードビームの前記高剛性部を基準として、前記高剛性部に対して所定の開き角度となるように調整し、その後に前記ロードビームの前記弾性変形部の曲げ量を調整することが好ましい。
あるいは、前記ロードビームの前記弾性変形部の曲げ量を調整し、その後に、前記静的姿勢角θを、前記ロードビームの前記高剛性部を基準として、前記高剛性部に対して所定の開き角度となるように調整してもよい。
また本発明は、所定の曲げ弾性係数を有するロードビームと、前記ロードビームの先部に固定された板ばね材料で形成されたフレキシャと、前記フレキシャに固定されたスライダとを有し、前記スライダに記録要素と再生要素の少なくとも一方が搭載されている磁気ヘッド装置に対する調整装置において、
前記ロードビームの長手方向を縦方向、ロードビームの幅方向を横方向とし、前記縦方向において前記スライダが設けられた側を先部側、ロードビームの支持側を基部側としたときに、
前記ロードビームは、曲げ変形可能な弾性変形部と、この弾性変形部よりも先部側に位置し前記弾性変形部よりも剛性の高い高剛性部とを有し、
前記フレキシャは、前記ロードビームの前記高剛性部に固定された固定片と、前記固定片から折り返されてその自由端が前記基部側に向けられた支持片とを有して、前記支持片は、前記ロードビームから突出するピボットを支点として変形可能とされており、
前記スライダに外力が作用していない状態を前記横方向から見たときに、前記ロードビームと前記支持片との間には、前記基部側に向けて開く静的姿勢角θが設けられており、
前記静的姿勢角度度θを測定値を得る測定手段と、前記静的姿勢角θの適正値を記憶する手段と、前記測定値と前記適正値との差に応じて、前記フレキシャの前記支持片の曲げ矯正量を求める演算手段と、前記矯正量に基づいて、前記支持片の曲げ量を矯正する矯正手段とを有することを特徴とするものである。
本発明では、前記静的姿勢角θを、ロードビームの高剛性部を基準として調整でき、浮上量のばらつきの小さい磁気ヘッド装置を得ることが出来る。
また本発明では、前記ロードビームからの前記ピボットの突出量を測定する突出量測定手段を有し、前記記憶手段には、前記突出量に対応した前記曲げ適正値が記憶されており、前記演算手段は、前記突出量測定手段で測定されたピボットの突出量に応じて前記曲げ矯正量を求めることが好ましい。
本発明では、フレキシャ圧が浮上量特性に大きく起因していることを見出し、静的姿勢角θの調整を、前記ロードビームの高剛性部を基準として行うことで、様々な歪みパラメータを考慮することなくフレキシャのばね圧を適切に調整でき、これによって数nm程度の低浮上の磁気ヘッドにおいて、磁気ヘッドが浮上した状態での浮上量のばらつきを小さくすることが出来る。
図1は、本発明の磁気ヘッド装置の全体構造を示す部分斜視図、図2はディスク上に浮上した状態での前記磁気ヘッド装置の先端付近のみを拡大した前記磁気ヘッド装置の部分拡大側面図である。
図1に示すように前記磁気ヘッド装置20は、スライダ21と前記スライダ21を支持する支持部材22とを有して構成される。
前記支持部材22は、所定の曲げ弾性係数を有する、ステンレス等の板ばね材からなるロードビーム23と、その先部に固定された薄いステンレス等の板ばね材からなるフレキシャ24とを有して構成される。
前記ロードビーム23の長手方向(図示Y方向)を縦方向、前記ロードビーム23の幅方向(図示X方向)を横方向とし、前記縦方向において前記スライダ21が設けられた側を先部側A、前記ロードビーム23の支持側を基部側Bとしたとき、前記ロードビーム23は、前記基部側Bから前記先部側Aに向けて、支持部23c、曲げ変形可能な弾性変形部23b、及び前記弾性変形部23bよりも剛性の高い高剛性部23dを有して構成されている。
図1に示すように、前記高剛性部23dでは、前記ロードビーム23の両側に折曲部23a,23aが形成され、これによって前記弾性変形部23bよりも高い剛性を有するようになっている。
前記ロードビーム23の支持部23cは、所定のディスク装置側の取付面に取り付けられることによって、前記磁気ヘッド装置20が前記ディスク装置内に搭載される。
前記フレキシャ24は、前記ロードビーム23の前記高剛性部23dに固定された固定片24bと、前記固定片24bから折り返されてその自由端が、前記基部側Bに向けられた支持片(舌片)24aとを有して構成される。
図2に示すように、前記ロードビーム23からはピボット26が前記支持片24a方向に突出しており、前記支持片24aは前記ピボット26を支点として変形可能とされている。
前記フレキシャ24の支持片24aの下面にはスライダ21が取り付けられている。前記スライダ21は例えばアルミナチタンカーバイト(Al−TiC)などのセラミック材料で形成されている。
図2に示すように前記スライダ21のトレーリング側には、例えば再生要素である磁気抵抗効果を利用した薄膜再生素子、及び/または記録要素であるインダクティブ型の薄膜記録素子を有する薄膜素子25が設けられている。
図1及び図2に示す磁気ヘッド装置20は、例えばCSS(コンタクト・スタート・ストップ)方式のハードディスク装置に使用される。CSS方式では、最初、前記スライダ21は、前記支持部材22によりディスクDの記録面に対して弱い弾性力で付勢されている。すなわちスタート時にスライダ21がディスクD上に接触しており、前記ディスクDの始動と同時にディスクD表面に生じる空気流によりスライダ21に浮上力が作用し、前記スライダ21はリーディング側がトレーリング側よりディスクD表面から持ち上げられるとともに、前記トレーリング側がディスクDからわずかに浮上した傾斜姿勢となりディスクD表面を走査する(図2)。
図3に示すように、前記スライダ21の浮上姿勢においては、前記スライダ21には、前記スライダ21のディスク対向面21aの凹凸形状に起因する正圧、負圧、前記ロードビーム23からのばね圧(ロード圧)、さらにはフレキシャ24からのばね圧(フレキシャ圧)が作用して、図3に示すように、前記スライダ21のトレーリング側がリーディング側よりも低く浮上する浮上姿勢が保たれる。また図1ないし図3に示す磁気ヘッドでの浮上量は数nm程度に維持される。
従来、前記フレキシャ圧は前記スライダ21の浮上姿勢及び浮上量にさほど重要ではないと考えられ、考慮されていなかった。すなわち従来では、図3に示す正圧、負圧、及びロード圧のバランスを制御してスライダ21の浮上姿勢及び浮上量を調整しようとしていたが、今回、本発明者の実験によって、浮上量が数nm程度と低浮上の磁気ヘッド装置において、前記フレキシャ圧が浮上姿勢や浮上量に非常に重要であることを見出し、本発明は、前記フレキシャ圧の調整を適正化して、スライダ21の浮上姿勢や浮上量のばらつきを小さくするものである。
以下に本発明の特徴的部分を説明する。図4〜図7の各図は本発明における磁気ヘッド装置の調整方法を示す各工程図、及び調整装置の概略図を示している。
本発明における磁気ヘッド装置の調整方法は、まず図4に示すように、前記ロードビーム23の弾性変形部23bを所定量曲げる工程の前に、角度測定用カメラ等の測定手段30を用いて、前記ロードビーム23の高剛性部23dの下面の所定の測定ポイントの画像を撮影し、その画像を画像処理部31にて解析して、その解析結果(A)をCPU32に送る。
次に、前記測定手段30を、前記ピボット26の下面に位置するフレキシャ24の支持片24aの下面まで移動させ、前記測定手段30により前記支持片24aの下面の所定の測定ポイントの画像を撮影し、その画像を画像処理部31にて解析し、その解析結果(B)をCPU32に送る。
前記CPU32にて前記解析結果(A)(B)から、前記フレキシャ24の支持片24aが、前記ロードビーム23の高剛性部23dを基準としたときに、どの程度、傾いているかを算出し、前記ロードビーム23の高剛性部23dと前記支持片24a間に設けられた静的姿勢角θ(測定値)を求める。
図4に示すROMデータ部33には、前記静的姿勢角θの適正値が記憶されている。前記適正値は、図6に示すように、前記ロードビーム23からの前記ピボット26の突出量H2に対応した前記静的姿勢角θの適正値が記憶されている。
図4には図示しないが前記ロードビーム23からの前記ピボット26の突出量H2を測定する突出量測定手段が設けられていてもよい。そして、突出量測定手段から突出量の測定値が前記CPU32に送られ、前記ROMデータ部33から前記突出量に見合った静的姿勢角θの適正値が前記CPU32に送られる。
前記CPU32は、前記測定手段30によって得られた静的姿勢角θ(測定値)と、前記ROMデータ部33に記憶された前記ピボット26の突出量に対応した静的姿勢角θ(適正値)との差に基づいて、どの程度、前記フレキシャ24の支持片24aを図4の状態から曲げるかを求める演算手段を有する。
図5に示すように、前記CPU32によって演算された支持片24aの曲げ矯正量の信号が、矯正手段34に送られ、ドライバ35によって矯正部36を動作させ、前記曲げ矯正量に基づいて、前記フレキシャ24の支持片24aの曲げ量を矯正する。
前記矯正部36は前記支持片24aの例えば自由端側を挟持して機械的に曲げ量を矯正する。あるいは前記矯正部36はレーザ部であり、レーザ照射によって前記支持片24aの曲げ量を矯正しても良い。
前記曲げ量の矯正後、前記測定手段30によって前記支持片24aの静的姿勢角θを測定し、前記静的姿勢角θが適正値になっているか否かをCPU32にて判断し、依然として静的姿勢角θが適正値になっていなければ、再び、CPU32にて曲げ矯正量を算出して、前記矯正手段34によって前記支持片24aが所定の静的姿勢角θになるまで矯正する。
なお図5に示すように、前記矯正手段34によって前記フレキシャ24の支持片24aの曲げ量を矯正しているときに、前記ロードビーム23の高剛性部23dを例えば上下から挟持する挟持手段37を用いて、前記高剛性部23dを固定しておいてもよい。
次に、図7に示すように、前記ロードビーム23の支持部23cを基準にしてロードビーム23の弾性変形部23bの曲げ量を調整すべく、前記ロードビーム23の支持部23cを固定手段40によって固定した状態で、前記弾性変形部23bの上下を挟持手段38によって挟持し、前記弾性変形部23bを所定量だけ下方向に向けて折り曲げる。この曲げ量は、主としてロード圧との関係から求められる。図3に示す浮上バランスから、実際に磁気ヘッド装置をディスクD上に浮上させたときに、ある所定の浮上量を得るには、どの程度のロード圧が必要かが予め決められており、ロード圧が所定範囲内に収まるように、前記曲げ量を調整する。ただし、本発明では、前記ロード圧が、浮上量にさほど大きな影響を与えないことがわかったので、前記ロード圧の調整は従来に比べて重要ではなくなり、図7工程における前記弾性変形部23bの曲げ量の調整も従来に比べてラフに行うことが出来る。
図7工程後、前記フレキシャ24の支持片24aの下面にスライダ21が取り付けられる。
なお前記スライダ21は図4の工程時に既に前記支持片24aの下面に取り付けられていても良い。
図8ないし図10は、図4ないし図7とは異なる手法を用いた調整方法である。
図8工程では、図7工程と同じように、まず前記ロードビーム23の支持部23cを基準にしてロードビーム23の弾性変形部23bの曲げ量を調整すべく、前記ロードビーム23の支持部23cを固定手段40によって固定した状態で、前記弾性変形部23bの上下を挟持手段38によって挟持し、前記弾性変形部23bを所定量だけ下方向に向けて折り曲げる。
次に図9工程では、図4工程と同じように、角度測定用カメラ等の測定手段30を用いて、前記ロードビーム23の高剛性部23dの下面の所定の測定ポイントの画像を撮影し、その画像を画像処理部31にて解析して、その解析結果(C)をCPU32に送る。さらに前記測定手段30を、前記ピボット26の下面に位置するフレキシャ24の支持片24aの下面まで移動させ、前記測定手段30により前記支持片24aの下面の所定の測定ポイントの画像を撮影し、その画像を画像処理部31にて解析し、その解析結果(D)をCPU32に送る。
そして前記CPU32にて前記解析結果(C)(D)から、前記フレキシャ24の支持片24aが、前記ロードビーム23の高剛性部23dを基準としたときに、どの程度、傾いているかを算出し、前記ロードビーム23の高剛性部23dと前記支持片24a間に設けられた静的姿勢角θ(測定値)を求める。
図9に示すROMデータ部33には、前記静的姿勢角θの適正値が記憶されている。前記適正値は、図6に示す前記ロードビーム23からの前記ピボット26の突出量H2に対応した適正値が記憶されている。
前記CPU32によって、測定手段30によって得られた静的姿勢角θ(測定値)と、前記ROMデータ部33に記憶された前記ピボット26の突出量に対応した静的姿勢角θ(適正値)との差に基づいて、どの程度、前記フレキシャ24の支持片24aを図8の状態から曲げるかが算出される。
そして図10に示すように、前記CPU32によって演算された支持片24aの曲げ矯正量の信号が、矯正手段34に送られ、ドライバ35によって矯正部36を動作させ、前記曲げ矯正量に基づいて、前記フレキシャ24の支持片24aの曲げ量が矯正される。
前記曲げ量の矯正後、前記測定手段30によって前記支持片24aとロードビーム23の高剛性部23d間の静的姿勢角θを測定し、前記静的姿勢角θが適正値になっているか否かをCPU32で判断し、依然として静的姿勢角θが適正値になっていなければ、再び、曲げ矯正量を算出して、前記矯正手段34によって前記支持片24aが所定の静的姿勢角θになるまで矯正する。
図4及び図9では、同じ測定手段30を移動させて、前記ロードビーム23の高剛性部23d下面の測定ポイントの画像と、前記フレキシャ24の支持片24a下面の測定ポイントの画像を得るが、別々に前記測定手段30を用意し、前記ロードビーム23の高剛性部23d下面の測定ポイントの画像と、前記フレキシャ24の支持片24a下面の測定ポイントの画像とを別々の測定手段30を用いて撮影してもよい。
なお図4ないし図7の調整方法の方が図8ないし図10の調整方法に比べて、測定手段30で前記ロードビーム23の高剛性部23dの測定ポイントの傾きを測定するときに、測定ポイント面に対して前記測定手段30をほぼ垂直方向に対向させることが出来るので、CPU32にて前記ロードビーム23の高剛性部23dを基準にして、前記フレキシャ24の支持部24bの静的姿勢角θがどの程度傾いているかを算出しやすく、誤差も小さく出来る。
本発明では、スライダ21に外力が作用していない状態を横方向から見たときに、前記ロードビーム23と前記フレキシャ24の支持片24aとの間には、前記ロードビーム23の支持側(基部側)に向けて開く静的姿勢角θが設けられており、前記静的姿勢角θを、前記ロードビーム23の前記高剛性部23dを基準にして、前記高剛性部23dに対して所定の開き角度となるように調整するものである。
本発明のように数nm程度の低浮上する磁気ヘッド装置においては、後述する実験の結果、浮上量のばらつきを小さくするには、ロード圧の調整よりもフレキシャ圧の調整の方が重要であることを見出した。
従来、ロード圧が重要であるとの観点から、前記ロードビーム23の支持部23cを基準にして前記ロード圧の調整を行うと共に、前記支持部23cを基準にして静的姿勢角θの調整も行っていた。
しかし、前記支持部23cを基準とした場合は、前記ロードビーム23の支持部23cから前記ロードビーム23の高剛性部23dまでの間等に生じる様々な歪みパラメータが積算されてしまうので、このような歪みパラメータを考慮して前記静的姿勢角θを調整するのは不可能に近い。
そこで本発明では、前記静的姿勢角θの調整を行う基準を前記支持部23cから変更し、特に上記した歪みパラメータを考慮する必要性のない位置、すなわちロードビームの先部近傍の、前記ロードビーム23の高剛性部23dを基準として行うことで、数nm程度の低浮上の磁気ヘッドにおいて、従来のようにロードビーム23の支持部23cを基準とした場合に生じる様々な歪みパラメータを考慮することなく、フレキシャのばね圧を適切に調整でき、よって磁気ヘッドが浮上した状態での浮上姿勢にばらつきが生じるのを小さくでき、浮上量のばらつきを小さくすることが出来る。
ところで前記磁気ヘッド装置の特性として下記に説明する特性が得られる磁気ヘッド装置であると、上記した本発明の調整方法を行うことが有効な手段となる。
磁気ヘッド装置の特性評価は次のようにして行われる。
(1)同じ製品で且つ前記静的姿勢角θを変化させた複数の磁気ヘッド装置を用意し、個々の前記磁気ヘッド装置について、それぞれ前記静的姿勢角θを測定する。
(2)前記(1)の測定に用いたそれぞれの磁気ヘッド装置について、ロードビーム23の基部側に位置する支持部23cを固定し、前記スライダ21が実際にディスクDに対向していることを想定して、前記スライダ21の対向面を前記ディスクDと平行またはほぼ並行に維持した状態で、前記対向面を前記ディスクDに対向しているのと同じかまたはほぼ同じ距離だけ変位させたときに、その変位に要する荷重を測定する。
(3)前記(1)および(2)の測定で使用したのと同じ磁気ヘッド装置を、それぞれの磁気ヘッド装置が磁気ディスク装置に実装されることを想定してスライダ21をディスクDに対向させ、このディスクDを回転させたときの、スライダ21の前記ディスク表面からの浮上量を、それぞれの磁気ヘッド装置ごとに測定する。
(4)前記(1)で測定した静的姿勢角θのばらつきに対する前記(3)で測定した浮上量の変動特性(A)と、前記(2)で測定した荷重のばらつきに対する前記(3)で測定した浮上量の変動特性(B)とが、同種か否かを判断する。
そして前記変動特性(A)と変動特性(B)とが同種であれば、図4ないし図10で説明した調整方法を用いて、前記フレキシャ24の支持片24aの静的姿勢角θを前記ロードビーム23の高剛性部23dを基準にして調整する。
ここで上記(4)で言う、変動特性(A)と変動特性(B)とが同種か否かの判断は具体的には以下のように行われる。
すなわち、前記変動特性(A)は、個々の磁気ヘッド装置について測定した浮上量を複数の範囲に区分して、それぞれの区分における静的姿勢角θの平均値および、それぞれの区分内での浮上量の平均値を求めたときの、前記静的姿勢角θの平均値の変化に対する前記浮上量の平均値の特性であり、前記変動特性(B)は、個々の磁気ヘッド装置について測定した浮上量を複数の範囲に区分して、それぞれの区分における前記荷重の平均値および、それぞれの区分内での浮上量の平均値を求めたときの、前記荷重の平均値の変化に対する前記浮上量の平均値の特性であり、例えば前記変動特性(A)では、前記静的姿勢角θの平均値が増大するにしたがって前記浮上量の平均値がほぼ一次関数的に減少するものであり、一方、前記変動特性(B)では、前記荷重の平均値が増大するにしたがって前記浮上量の平均値がほぼ一次関数的に減少するものであれば、変動特性(A)と変動特性(B)とが同種であると判断できる。
上記に説明した磁気ヘッド装置の特性評価の判断は、次に説明する実験結果に基づくものである。
実験では、まず複数の同じ製品の磁気ヘッド装置を用意した。各磁気ヘッド装置は、ロードビームの高剛性部を基準としたときの前記高剛性部と前記フレキシャの支持片間の角度、すなわち静的姿勢角θが種々異なっている。なお静的姿勢角θとはスライダをディスクD上に浮上させず外力が作用していない状態での姿勢角度である。
実験では、図19に示すように、各磁気ヘッド装置において、ロードビームの基部側に位置する支持部を固定部材によって固定し、前記スライダが実際にディスクに対向していることを想定して、前記スライダの対向面を前記ディスクと平行またはほぼ平行に維持した状態で、調整部材によって上方に持上げ、前記対向面を前記ディスクに対向しているのと同じかまたはほぼ同じ距離だけ変位させる。そのときの前記支持部からピボットまでの距離はHである。各磁気ヘッド装置において前記距離がHとなるのに必要な荷重を求める。
また図20に示すように、各磁気ヘッド装置において、ロードビームの基部側に位置する支持部を固定部材によって固定し、前記支持部からピボットまでの距離がHとなるように、前記ロードビームの高剛性部を矢印方向に上方に持上げ、このときの前記ロードビームの高剛性部と前記フレキシャの支持片間に設けられた静的姿勢角θを求める。
次に、各磁気ヘッド装置が磁気ディスク装置に実装されることを想定してスライダをディスクDに対向させ、前記ディスクDを回転させたときの、前記スライダの前記ディスク表面からの浮上量を、それぞれの磁気ヘッド装置ごとに測定する。
図11は、荷重と浮上量との関係を示すグラフであり、図12は、静的姿勢角θと浮上量との関係を示すグラフである。図11及び図12に示すように荷重に対する浮上量及び、静的姿勢角θに対する浮上量にばらつきが見られた。
このような浮上量のばらつきが、荷重や静的姿勢角θとどのような関連性があるのかを調べるべく、下記に示す手法によって変動特性を導き出した。
図11に示す浮上量を1nm毎の範囲に区分し(すなわち4〜5nm、5〜6nm、6〜7nm、7〜8nm、8〜9nm、9〜10nmと区分する)それぞれの区分における荷重の平均値及び、それぞれの区分内での浮上量の平均値を求め、前記荷重の平均値の変化に対する前記浮上量の平均値の変化をグラフに表わしたのが図13である(本発明において、この変動特性を変動特性(B)という)。
図13に示すように、荷重の平均値が増大するに従って前記浮上量の平均値がほぼ一次関数的に減少していることがわかった。
次に、図12に示す浮上量を1nm毎の範囲に区分し(すなわち4〜5nm、5〜6nm、6〜7nm、7〜8nm、8〜9nm、9〜10nmと区分する)それぞれの区分における静的姿勢角θの平均値及び、それぞれの区分内での浮上量の平均値を求め、前記静的姿勢角θの平均値の変化に対する前記浮上量の平均値の変化をグラフに表わしたのが図14である(本発明において、この変動特性を変動特性(A)という)。
図14に示すように、静的姿勢角θの平均値が増大するに従って前記浮上量の平均値がほぼ一次関数的に減少していることがわかった。
このように、変動特性(A)と変動特性(B)は共に同種の特性(すなわち共に一次関数的に減少していくという特性)であることがわかった。
次に図11に示す荷重と浮上量とのグラフを用い、図11に表れた荷重を、ロードビームからの荷重(ロード圧)と、フレキシャからの荷重(フレキシャ圧)とに分けた場合、それぞれの荷重成分が浮上量との関係で、どのように分布されるかを調べてみた。
実験では、各磁気ヘッド装置から、フレキシャ、及びスライダを取り外し、ロードビームに対し、図19で説明したのと同じ手法を用いて各磁気ヘッド装置の荷重を測定してみた。そしてさきほど測定した浮上量と、ロード圧との関係についてグラフ化してみた。それが図16である。
そして図16に示す浮上量を1nm毎の範囲に区分し(すなわち4〜5nm、5〜6nm、6〜7nm、7〜8nm、8〜9nm、9〜10nmと区分する)それぞれの区分におけるロード圧の平均値及び、それぞれの区分内での浮上量の平均値を求め、前記ロード圧の平均値の変化に対する前記浮上量の平均値の変化をグラフに表わしたのが図18である。
図18に示すように、浮上量(平均値)が異なるのに、ロード圧(平均値)は、各区分においてほぼ同じになっていることがわかった。このことから前記ロード圧は前記浮上量にさほど大きな影響を与えていないことがわかった。
一方、図11で測定した荷重と図16で測定したロード圧から、フレキシャ圧がわかるので、各磁気ヘッド装置におけるフレキシャ圧を算出し、前記フレキシャ圧と浮上量との関係を示すのが図15である。
そして、図15に示す浮上量を1nm毎の範囲に区分し(すなわち4〜5nm、5〜6nm、6〜7nm、7〜8nm、8〜9nm、9〜10nmと区分する)それぞれの区分におけるフレキシャ圧の平均値及び、それぞれの区分内での浮上量の平均値を求め、前記フレキシャ圧の平均値の変化に対する前記浮上量の平均値の変化をグラフに表わしたのが図17である。
図17に示すように、フレキシャ圧(平均値)が大きくなると浮上量(平均値)が徐々に小さくなっていく傾向を示し、この傾向は図13や図14で説明した変動特性と同じ傾向であることがわかった。従って図13や図14で説明した一次関数的な変動特性となるのは、ロード圧よりフレキシャ圧の変動が大きく左右していることがわかった。
よって上記した実験結果から、特に浮上量が数nm程度と低浮上の磁気ヘッド装置においては、浮上量を大きく左右するのは、ロード圧ではなくフレキシャ圧であることがわかった。
図13及び図14に示す変動特性(A)(B)を示す磁気ヘッド装置であれば、図15ないし図18を用いて説明したように、浮上量に大きく寄与するのはフレキシャ圧であり、前記静的姿勢角θを前記ロードビームの高剛性部を基準として適正化すれば、浮上量のばらつきを抑えることができ、また安定した浮上姿勢を得られることが、図11ないし図18に示す実験結果から導くことができた。
本発明の磁気ヘッド装置の部分斜視図、 図1に示す磁気ヘッド装置の先部付近を拡大した部分拡大側面図(浮上状態)、 浮上状態における磁気ヘッド装置に作用する力を説明するための説明図、 本発明における磁気ヘッド装置の調整方法を説明するための説明図(磁気ヘッド装置の側面図と調整装置のブロック図)、 図4の次に行われる磁気ヘッド装置の調整方法を説明するための説明図(磁気ヘッド装置の側面図と調整装置のブロック図)、 前記磁気ヘッド装置の先部付近を拡大した部分拡大側面図、 図5の次に行われる磁気ヘッド装置の調整方法を説明するための説明図(磁気ヘッド装置の側面図)、 図4ないし図7とは異なる手法による、行われる磁気ヘッド装置の調整方法を説明するための説明図(磁気ヘッド装置の側面図)、 図8の次に行われる磁気ヘッド装置の調整方法を説明するための説明図(磁気ヘッド装置の側面図と調整装置のブロック図)、 図9の次に行われる磁気ヘッド装置の調整方法を説明するための説明図(磁気ヘッド装置の側面図と調整装置のブロック図)、 同じ製品で、且つ静的姿勢角θが異なる複数の磁気ヘッド装置を用意し、各磁気ヘッド装置を図19に示す手法を用いて荷重を測定するとともに、実際にディスク上に浮上させたときの浮上量を測定したときの、前記荷重と浮上量との関係を示すグラフ、 同じ製品で、且つ静的姿勢角θが異なる複数の磁気ヘッド装置を用意し、各磁気ヘッド装置を図20に示す手法を用いて静的姿勢角θを測定するとともに、実際にディスク上に浮上させたときの浮上量を測定したときの、前記静的姿勢角θと浮上量との関係を示すグラフ、 図11に示す実験結果を基に、荷重及び浮上量を所定条件で平均値化したときの、前記荷重(平均値)と浮上量(平均値)との関係を示すグラフ、 図12に示す実験結果を基に、静的姿勢角θ及び浮上量を所定条件で平均値化したときの、前記静的姿勢角θ(平均値)と浮上量(平均値)との関係を示すグラフ、 図11及び図16に示す実験結果を基にして算出したフレキシャ圧と、浮上量との関係を示すグラフ、 図11に示す実験結果を基にして、測定されたロード圧と浮上量との関係を示すグラフ、 図15に示す実験結果を基に、フレキシャ圧と浮上量を所定条件で平均値化したときの、前記フレキシャ圧(平均値)と浮上量(平均値)との関係を示すグラフ、 図16に示す実験結果を基に、ロード圧と浮上量を所定条件で平均値化したときの、前記ロード圧(平均値)と浮上量(平均値)との関係を示すグラフ、 荷重を測定するための測定方法を説明するための説明図(磁気ヘッド装置の部分側面図)、 静的姿勢角θを測定するための測定方法を説明するための説明図(磁気ヘッド装置の部分側面図)、
符号の説明
20 磁気ヘッド装置
21 スライダ
22 支持部材
23 ロードビーム
23b 弾性変形部
23c 支持部
23d 高剛性部
24 フレキシャ
24a 支持片
24b 固定片
25 薄膜素子
26 ピボット
30 測定手段
31 画像処理部
32 CPU
33 ROMデータ部
34 矯正手段
35 ドライバ
36 挟持部
37、38 挟持手段
40 固定手段

Claims (9)

  1. 所定の曲げ弾性係数を有するロードビームと、前記ロードビームの先部に固定された板ばね材料で形成されたフレキシャと、前記フレキシャに固定されたスライダとを有し、前記スライダに記録要素と再生要素の少なくとも一方が搭載されている磁気ヘッド装置に対する調整方法において、
    前記ロードビームの長手方向を縦方向、ロードビームの幅方向を横方向とし、前記縦方向において前記スライダが設けられた側を先部側、ロードビームの支持側を基部側としたときに、
    前記ロードビームは、曲げ変形可能な弾性変形部と、この弾性変形部よりも先部側に位置し前記弾性変形部よりも剛性の高い高剛性部とを有し、
    前記フレキシャは、前記ロードビームの前記高剛性部に固定された固定片と、前記固定片から折り返されてその自由端が前記基部側に向けられた支持片とを有して、前記支持片は、前記ロードビームから突出するピボットを支点として変形可能とされており、
    前記スライダに外力が作用していない状態を前記横方向から見たときに、前記ロードビームと前記支持片との間には、前記基部側に向けて開く静的姿勢角θが設けられており、前記静的姿勢角θを、前記ロードビームの前記高剛性部を基準として、前記高剛性部に対して所定の開き角度となるように調整することを特徴とする磁気ヘッド装置の調整方法。
  2. 前記ピボットの前記ロードビームからの突出寸法を測定し、前記静的姿勢角θを調整する際に、前記突出寸法に応じて、前記開き角度を変更する請求項1記載の磁気ヘッド装置の調整方法。
  3. 前記磁気ヘッド装置の特性は、
    (1)同じ製品で且つ前記静的姿勢角θを変化させた複数の磁気ヘッド装置を用意し、個々の前記磁気ヘッド装置について、それぞれ前記静的姿勢角θを測定し、
    (2)前記(1)の測定に用いたそれぞれの磁気ヘッド装置について、ロードビームの基部側に位置する支持部を固定し、前記スライダが実際にディスクに対向していることを想定して、前記スライダの対向面を前記ディスクと平行またはほぼ並行に維持した状態で、前記対向面を前記ディスクに対向しているのと同じかまたはほぼ同じ距離だけ変位させたときに、その変位に要する荷重を測定し、
    (3)前記(1)および(2)の測定で使用したのと同じ磁気ヘッドを、それぞれの磁気ヘッド装置が磁気ディスク装置に実装されることを想定してスライダをディスクに対向させ、このディスクを回転させたときの、スライダの前記ディスク表面からの浮上量を、それぞれの磁気ヘッド装置ごとに測定したときに、
    前記(1)で測定した静的姿勢角θのばらつきに対する前記(3)で測定した浮上量の変動特性(A)が、前記(2)で測定した荷重のばらつきに対する前記(3)で測定した浮上量の変動特性(B)と同種である請求項1または2記載の磁気ヘッド装置の調整方法。
  4. 前記変動特性(A)は、個々の磁気ヘッド装置について測定した浮上量を複数の範囲に区分して、それぞれの区分における静的姿勢角θの平均値および、それぞれの区分内での浮上量の平均値を求めたときの、前記静的姿勢角θの平均値の変化に対する前記浮上量の平均値の特性で、
    前記変動特性(B)は、個々の磁気ヘッド装置について測定した浮上量を複数の範囲に区分して、それぞれの区分における前記荷重の平均値および、それぞれの区分内での浮上量の平均値を求めたときの、前記荷重の平均値の変化に対する前記浮上量の平均値の特性である請求項3記載の磁気ヘッド装置の調整方法。
  5. 前記変動特性(A)では、前記静的姿勢角θの平均値が増大するにしたがって前記浮上量の平均値がほぼ一次関数的に減少するものであり、
    前記変動特性(B)では、前記荷重の平均値が増大するにしたがって前記浮上量の平均値がほぼ一次関数的に減少するものである請求項4記載の磁気ヘッド装置の調整方法。
  6. 前記静的姿勢角θを、前記ロードビームの前記高剛性部を基準として、前記高剛性部に対して所定の開き角度となるように調整し、その後に前記ロードビームの前記弾性変形部の曲げ量を調整する請求項1ないし5のいずれかに記載の磁気ヘッド装置の調整方法。
  7. 前記ロードビームの前記弾性変形部の曲げ量を調整し、その後に、前記静的姿勢角θを、前記ロードビームの前記高剛性部を基準として、前記高剛性部に対して所定の開き角度となるように調整する請求項1ないし5のいずれかに記載の磁気ヘッド装置の調整方法。
  8. 所定の曲げ弾性係数を有するロードビームと、前記ロードビームの先部に固定された板ばね材料で形成されたフレキシャと、前記フレキシャに固定されたスライダとを有し、前記スライダに記録要素と再生要素の少なくとも一方が搭載されている磁気ヘッド装置に対する調整装置において、
    前記ロードビームの長手方向を縦方向、ロードビームの幅方向を横方向とし、前記縦方向において前記スライダが設けられた側を先部側、ロードビームの支持側を基部側としたときに、
    前記ロードビームは、曲げ変形可能な弾性変形部と、この弾性変形部よりも先部側に位置し前記弾性変形部よりも剛性の高い高剛性部とを有し、
    前記フレキシャは、前記ロードビームの前記高剛性部に固定された固定片と、前記固定片から折り返されてその自由端が前記基部側に向けられた支持片とを有して、前記支持片は、前記ロードビームから突出するピボットを支点として変形可能とされており、
    前記スライダに外力が作用していない状態を前記横方向から見たときに、前記ロードビームと前記支持片との間には、前記基部側に向けて開く静的姿勢角θが設けられており、
    前記静的姿勢角度度θを測定値を得る測定手段と、前記静的姿勢角θの適正値を記憶する手段と、前記測定値と前記適正値との差に応じて、前記フレキシャの前記支持片の曲げ矯正量を求める演算手段と、前記矯正量に基づいて、前記支持片の曲げ量を矯正する矯正手段とを有することを特徴とする磁気ヘッド装置の調整装置。
  9. 前記ロードビームからの前記ピボットの突出量を測定する突出量測定手段を有し、前記記憶手段には、前記突出量に対応した前記曲げ適正値が記憶されており、前記演算手段は、前記突出量測定手段で測定されたピボットの突出量に応じて前記曲げ矯正量を求める請求項8記載の磁気ヘッド装置の調整装置。
JP2004110925A 2004-04-05 2004-04-05 磁気ヘッド装置の調整方法及び磁気ヘッド装置の調整装置 Pending JP2005293788A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004110925A JP2005293788A (ja) 2004-04-05 2004-04-05 磁気ヘッド装置の調整方法及び磁気ヘッド装置の調整装置
CNB200510064009XA CN1327411C (zh) 2004-04-05 2005-04-05 磁头装置的调整方法和磁头装置的调整装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004110925A JP2005293788A (ja) 2004-04-05 2004-04-05 磁気ヘッド装置の調整方法及び磁気ヘッド装置の調整装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005293788A true JP2005293788A (ja) 2005-10-20

Family

ID=35067568

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004110925A Pending JP2005293788A (ja) 2004-04-05 2004-04-05 磁気ヘッド装置の調整方法及び磁気ヘッド装置の調整装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2005293788A (ja)
CN (1) CN1327411C (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016087611A (ja) * 2014-10-30 2016-05-23 日本発條株式会社 板状ワークの反り矯正装置と、反り矯正方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102017113419A1 (de) * 2017-06-19 2018-12-20 Keba Ag Vorrichtung und Verfahren zum Bestimmen eines Winkels zwischen zwei Werkstückflächen

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0652628B2 (ja) * 1985-01-31 1994-07-06 富士通株式会社 磁気ヘツドの浮上バランス調整方法
US5712463A (en) * 1995-09-19 1998-01-27 International Business Machines Corporation Laser apparatus and method for adjusting the gram load static attitude and flying height of a slider in a head suspension assembly
JP2001357644A (ja) * 2000-06-13 2001-12-26 Tdk Corp 磁気ヘッド装置の姿勢角調整方法及び装置
JP2002074630A (ja) * 2000-08-24 2002-03-15 Takeshiba Electric Co Ltd ディスク駆動装置用のサスペンションにおけるフレキシャーヘッド部等の姿勢角度修正システム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016087611A (ja) * 2014-10-30 2016-05-23 日本発條株式会社 板状ワークの反り矯正装置と、反り矯正方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN1681007A (zh) 2005-10-12
CN1327411C (zh) 2007-07-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7069156B2 (en) Method for adjusting the pitch and roll static torques in a disk drive head suspension assembly
US7617737B2 (en) Adjustment of pitch and roll static torques in a disk drive head gimbal assembly
JP2002260358A (ja) サスペンション荷重調整方法および装置
US5383073A (en) Magnetic head supporting apparatus having a fulcrum point of load support offset from a slider center in an air upstream direction
JP2007003336A (ja) 表面形状測定用触針式段差計及びその針圧補正方法
US6977788B2 (en) Method and apparatus for adjusting angular position of magnetic head unit
JP2005293788A (ja) 磁気ヘッド装置の調整方法及び磁気ヘッド装置の調整装置
US10332552B2 (en) Disk drive suspension having stamped base plate distal tip
US6741425B1 (en) Minimizing flexure pitch static attitude angle change with dimple height change
JP4633340B2 (ja) ばね荷重修正方法
US7550695B2 (en) Method for manufacturing a magnetic disk device with improved head gimbal assembly
KR100265985B1 (ko) 헤드 유닛의 검사 방법 및 검사 장치
JPH06309636A (ja) 磁気ヘッドおよび磁気ディスクの検査方法
US7724477B2 (en) Method for correcting floating type magnetic head device
CN100514449C (zh) 磁头的静止姿势角校正方法及装置
JP4131836B2 (ja) ばね荷重測定方法、装置、及びシステム
US20080055782A1 (en) Method for correcting floating-type magnetic head device mounted in hard disk device
US20100146673A1 (en) Apparatus and Method for Investigating Biological Systems and Solid Systems
JP2008215930A (ja) 試料表面の測定方法及び測定装置
US7545606B2 (en) Head element support apparatus with elastic material
JP2577240Y2 (ja) 磁気ヘッド用の取付アーム
JPH02252179A (ja) 磁気ヘッドの浮上量調整装置
KR102645994B1 (ko) 원자간력 현미경용 틸트 스테이지
US20030142323A1 (en) Method for regulating shape of floatation surface of slider floating above record carrier
JP2963565B2 (ja) 磁気ヘッド用の取付アームの調整方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20060904

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20080108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080111

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20080111

A977 Report on retrieval

Effective date: 20080415

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20080422

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080819