JP2005293735A - レーザ加工方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 レーザ光により、加工対象物に精密マーキング行うこと。
【解決手段】 レーザ光源101により発生するパルスレーザを、光学系を介して、ステージ113上の加工対象物に照射する。照射領域をアモルファス化させることにより屈折率変化領域を形成して、書き込みを行う。また、パルスレーザをアモルファス化した領域に照射して当初の原子・分子配列状態に復帰させて、消去を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザ加工方法および装置に関し、特に、加工対象物にマーキングを施すのに好適なレーザ加工方法および装置に関する。
近年、光メモリ素子の大容量化が検討されているが、その方法の一つとして、書き込み領域を3次元化することにより、大容量化する方法が提案されている。本発明者は、以前、ガラスマトリクス中に波長532nm、パルス幅30ピコ秒以下のパルスレーザ光を照射し、光誘起屈折率変化を局所的に起こさせることにより、情報の記録を行う方法を提案している(特許文献1)。
特開平8−220688号公報
しかしながら、特許文献1記載の技術においては、ガラスマトリクスに対する高密度記録についての開示があるもの、集光領域における光誘起屈折率変化の発生状態および集光領域の改質プロセスについては開示していない。また、記録密度のさらなる高密度化、マーキングの高精度化・明確化など、記録素子としての基本性能の向上などには言及していない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、記録密度のさらなる高密度化、マーキングの高精度化・明確化など、記録素子としての基本機能の向上を図ることができるレーザ加工方法および装置を提供することを目的とする。
本発明は、パルスレーザを加工対象物に照射して加工対象物の当初の原子・分子配列状態をアモルファス状態へと相転移させるようにした。
本発明によれば、高密度・高精度のマーキング行うことができるレーザ加工方法および装置を得ることができる。
本発明は、大きく二つの方法に分かれる。本発明の実施の形態1は、高密度・高精度のマーキングに関し、多光子吸収を利用して微小な改質領域(「ピット」とも呼ばれる)を発生させマーキング精度を向上させることによりこれを実現する。また、実施の形態2は、リライタブルなマーキングに関し、加工対象物の内部にアモルファス領域を形成することによりこれを実現する。以下、順次これらについて、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
本発明者は、加工精度を向上させるためには、改質領域のサイズ・形状を制御することが必要であることを見いだした。また、改質領域のサイズ・形状を制御するためには、それが微小サイズであることを要するため、改質領域の生成を、絶縁破壊による電子なだれにより生起されるものではなく、多光子吸収により生起されるものとする必要があることを見いだした。さらに、そのためには、加工対象物に対応して、使用するパルスレーザの波長を加工対象物のバンドギャップを考慮して最適化することが必要であることを見いだしたのである。
本発明は、加工対象物のバンドギャップとの関係で多光子吸収を生起することができる波長のパルスレーザを使用して、多光子吸収により改質領域を生起させ、その改質領域サイズの微小化を図るものである。これにより、高密度・高精度のマーキングを行うものである。発生する改質領域は周囲の領域と屈折率が異なるため、これをマーキングとして利用することができる。
まず、本発明の原理を説明する。
固体における本質的なレーザ損傷機構としては、1)電子なだれ、2)多光子吸収、の2つの機構が考えられる。ここにいう「電子なだれ」とは、「電気絶縁破壊」とほぼ同義である。この絶縁破壊による加工対象物内部の改質・破壊は、領域制御に困難を伴う。すなわち、絶縁破壊によって生ずる内部改質領域は径が大きく、その周辺領域に不規則な凹凸が発生するため、精密微細な加工・改質には不適であると考えられる。
例えば、ナノ秒パルスレーザを例にとると、使用するレーザの波長が1060nmよりも長波長の場合、上記1)の「電子なだれ」による破壊理論が適用されると解される。一方、レーザの周波数が高くなり(つまり、波長が短くなり)、または、材料の禁止帯幅(バンドギャップ)Egが狭くなり、光子エネルギhνとバンドギャップEgとの関係がhν>Eg/3となると(つまり、3光子のエネルギがバンドギャップを越えると)、破壊機構は「電子なだれ」よりもむしろ「多光子吸収」による機構となると考えられる。逆に言えば、純粋な多光子過程での破壊は3光子過程以上ではほとんど重要ではなく、4光子吸収や5光子吸収は、実際はほとんど無視できるといえる。
例えば、光子エネルギhν=1.165eVである波長1064nmレーザ光を用い、加工対象物質を、シリコン(バンドギャップEg≒1.12eV)やパイレックス(R)ガラス(Eg≒4eV)とした場合には、多光子吸収は生じない。理由は、シリコンにおいては、1光子エネルギが既にバンドギャップとほぼ等しくなっているため、多光子吸収ではなく、単純な1光子吸収により損傷が誘起されていると考えられ、また、パイレックス(R)ガラスにおいては、そもそも上記の関係hν>Eg/3が成り立たないためである。光子エネルギhν=1.165eVである波長1064nmレーザ光を加工対象物のサファイア(Eg≒8eV)に照射した場合も、もちろんhν>Eg/3の関係は成り立たない。この場合、7hν≒Egであり、多光子吸収を誘起するには7光子吸収を要することとなるが、そのような多光子吸収は実際上はほとんど無視できる。すなわち、これらにおけるレーザ損傷の機構は、いずれの場合も「多光子吸収」ではなく「電子なだれ」破壊機構によるものと考えられるのである。
上記ナノ秒パルスレーザの場合は、光子エネルギhν=3.5eVである波長355nmレーザ光を用い、これを加工対象物のサファイアに照射する。サファイアのバンドギャップEgは約8eVである。この場合、hν>Eg/3の関係が成り立つ。波長355nmレーザ光をバンドギャップEgが約4eVであるパイレックス(R)ガラスに照射する場合もhν>Eg/3の関係は同様である。
波長355nmのレーザ光をサファイアに照射すると、波長1064nmのレーザ光を用いた場合と比べて、1/10以下の小さな改質領域が形成された。これは、改質領域の発生が、「多光子吸収」によって誘起されるレーザ損傷によるものであるからである。
図1は、本発明の実施の形態1に係るレーザ加工装置の構成を示すブロック図である。
このレーザ加工装置100は、上記の原理に基づき、特定のレーザ光を利用して加工対象物にマーキングする装置であって、例えば、レーザ光源101、テレスコープ光学系103、偏光板105、ダイクロイックミラー107、対物レンズ109、保護用窓プレート111、ステージ113、計測用光源115、ビーム整形器117、ハーフミラー119、光検出器121、コントローラ123、照明用光源125、CCDカメラ127、コンピュータ129、およびモニタ131を有する。
このレーザ加工装置100による加工対象物1はサファイアであるが、レーザパワを加工対象物1に応じて適宜調整することにより、ガラスや石英、シリコン、ポリマなどに対してもマーキング可能である。なお、このレーザ加工装置100は、いわゆるレーザスクライバとして使用する加工装置と同様のものである。以下、加工とマーキングとは同義として説明する。
レーザ光源101は、加工用のレーザ光を発生する。レーザ光源としては、一例として、サファイアに対して効率的に多光子吸収を起こすことができるナノ秒パルス発振のパルスレーザを用いる。例えば、レーザ光源101は、波長355nm、パルス幅10ナノ秒、発振繰り返し周波数50〜100kHzのパルスレーザ光を発生するNd:YAGレーザである。上記のように、サファイアは、355nmのレーザ光に対して透明である(つまり、吸収を持たない)。また、他の一例として、波長800nm、パルス幅150フェムト秒のチタンサファイアレーザも使用可能である。
なお、レーザ光源101に用いることができるレーザとしては、Nd:YAGレーザ以外に、Nd:YVOレーザ、Nd:YLFレーザ、チタンサファイアレーザなどがある。また、使用する波長としては、サファイアに対して3光子吸収を誘起する355nm以外に、サファイアに対して2光子吸収を誘起する266nmでもよい。また、使用するパルスレーザとしては、ナノ秒以外に、ピコ秒やフェムト秒のパルスレーザでもよい。
テレスコープ光学系103は、好ましい加工形状を得るために、レーザ光源101から出力された加工用レーザ光のビーム径を最適化する。
偏光板105は、好ましい加工形状を得るために、加工予定ラインに対して平行/垂直な直線偏光や、円偏光に、テレスコープ光学系103を通過したレーザビームを調整する。
ダイクロイックミラー107は、偏光板105を通過した加工用レーザ光をほぼ100%反射し、計測用光源115からの計測用レーザ光をほぼ100%透過するミラーである。
対物レンズ109は、顕微鏡用の対物レンズであって、ダイクロイックミラー107で反射された加工用レーザ光を集光する。対物レンズ109の開口数(NA)によって集光特性が異なる。自己収束効果を積極的に活用するレーザ加工の場合は、例えば、NA<0.4の対物レンズを用いるが、マーキングの場合は、自己収束効果を活用しないため、NA≧1の対物レンズを用いる。なお、集光位置は、加工位置に応じて加工対象物1の内部、前方表面、または後方表面である。
保護用窓プレート111は、加工対象物1の表面を加工する場合に、加工によって表面から飛散する微小な破片などから対物レンズ109を保護するために設けられる。
ステージ113は、図示しない載置台を有し、この載置台の上に、対物レンズ109によって集光されたレーザ光が照射される加工対象物1が載置される。また、ステージ113は、載置台をXYZ軸方向に移動させるとともにXYZ軸の回りに回転させることができる駆動機構(図示せず)を有する。この駆動機構によって、ステージ113は、ステージ113上の加工対象物1に対して加工予定ライン(XY軸方向)および加工予定位置(Z軸方向)に沿って改質領域が形成されるよう、XYZ軸方向に駆動(平行移動および回転)される。
具体的には、Z軸方向は加工対象物1の表面に直交する方向、つまり、加工対象物1に入射するレーザ光に対して平行な方向(加工対象物1の深さ方向)であるため、ステージ113をZ軸方向に移動させることによって加工対象物1に対するレーザ光の集光位置を所定のZ軸方向の位置に合わせることができる。また、加工対象物1に対するレーザ光の照射位置の走査は、ステージ113をXY軸方向(つまり、水平方向)に移動させることによって行う。ステージ113の傾き制御は、ステージ113をXYZ軸の回りに回転させることによって行う。このようなステージ113によって加工対象物1の位置と姿勢が三次元制御される。なお、図1には、加工対象物1の内部、前方表面、後方表面に加工を施した様子が模式的に示されている。
計測用光源115は、ステージ113上の加工対象物1の表面の位置を計測するためのレーザ光を発生する。
ビーム整形器117は、計測用レーザ光を最適化するために、計測用光源115から出力されたレーザ光のビーム形状を調整する。
ハーフミラー119は、計測用レーザ光を半透明に反射/透過するミラーである。ビーム整形器117を通過した計測用レーザ光は、ハーフミラー119、ダイクロイックミラー107、および対物レンズ109を透過して加工対象物1の表面に到達し、反射される。この反射光は、再び対物レンズ109およびダイクロイックミラー107を透過し、一部がハーフミラー119で反射されて光検出器121に到達する。
光検出器121は、加工対象物1の表面からの反射光を検出して加工対象物1の表面位置を検出する。検出結果は、コントローラ123に出力される。
コントローラ123は、フィードバック回路を有し、光検出器121によって得られた加工対象物1の表面位置の情報に基づいて、加工用レーザ光の集光位置が加工予定ライン(XY軸方向)および加工予定位置(Z軸方向)に合うように、ステージ113をフィードバック制御する。
照明用光源125は、ステージ113の下方に配置され、ステージ113上の加工対象物1の加工部位を観察するための照明光を発生する。
CCDカメラ127は、照明用光源125から放射され加工対象物1を透過した照明光を取り込んで、加工対象物1の加工部位を撮像し、撮像データをコンピュータ129に出力する。
コンピュータ129は、レーザ光源101、計測用光源115、コントローラ123、およびCCDカメラ127に接続されており、これら各部を総合的に制御する。例えば、コンピュータ129は、所定のプログラムに従って、コントローラ123によるフィードバック制御を通じてステージ113を駆動させることにより、レーザ光の集光位置を任意の加工予定ラインおよび加工予定位置に沿って走査させる。
モニタ131は、CCDカメラ127が撮像した映像を表示する。すなわち、加工対象物1の加工部位(例えば、形成された改質領域)は、CCDカメラ127およびモニタ131によって観察される。
なお、加工対象物1としては、上記のように、サファイアのほか、ガラスや石英、シリコン、ポリマなどでもよい。
次いで、上記構成を有するレーザ加工装置100を用いた加工工程について説明する。
図2は、その加工工程を示すフローチャートである。まず、ステップS1000では、加工対象物1に対するレーザ光源101の最適なレーザ強度を決定する。上記のように、355nmレーザ光は多光子吸収を効率良く誘起することができる。したがって、この場合、355nmレーザ光を用いるため、改質領域を発生させるのに、1064nmレーザ光に比べて、低いレーザ出力で済む。例えば、単位体積当たりの注入エネルギー(W/cm)を同じにしようとした場合、355nmレーザは1064nmレーザの1/10のパルスエネルギで済む。さらに、結晶性のサファイアの場合は、その結晶軸に沿って改質領域が生成し生長する効果のため、加工用レーザ光の出力はさらに低減される。
そして、ステップS1100では、加工用レーザ光の集光位置を決定する。集光位置の決定は、例えば、加工対象物1の厚さおよび屈折率に基づいて行う。このとき、集光位置は、自己収束効果を考慮して決定される。
そして、ステップS1200では、コンピュータ129に対してマーキング予定ラインのプログラミングを行う。
そして、ステップS1300では、加工対象物1をステージ113の載置台に載置して位置決めを行う。このとき、計測用光源115および照明用光源125をオンする。
そして、ステップS1400では、レーザ光源101をオンして355nmレーザ光を加工対象物1のマーキング予定ラインに照射する。そして、マーキング予定ラインに沿うようにステージ113をXYZ軸方向に三次元走査して、改質領域をマーキング予定ラインに沿うように加工対象物1に形成する。
このように、本実施の形態によれば、多光子吸収により微小改質領域を生起させ、高精密なマーキングを行うことができる。
本発明者は、本発明の効果(特許文献1に記載の発明に対する優位性)を実証するために実験を行った。
実施例1では、本発明のレーザ加工方法を用いて形成した改質領域のサイズを実験により求めた。条件は、次の通りである。
・レーザ: Nd:YAGレーザ、波長355nm、パルス幅10ナノ秒
・レーザ出力: 0.02mJ/パルス以下
・加工対象物: サファイア
・対物レンズ: 100倍率、開口数>1(集光スポットサイズは波長の大きさ程度)
・単発照射
上記条件により、サファイア内部にレーザパルスを単発照射したところ、集光位置にマイクロメートサイズの屈折率変化領域(ピット)が形成された。
上記実施例1では、パルス幅がナノ秒域のレーザを使用したため、形成可能なピットサイズを小さくするには一定の限界がある。そこで、フェムト秒域のレーザを使用して、ピットの大きさをさらに微小化することを試みた。フェムト秒レーザパルスでは、マーキングが純粋に多光子吸収のみによって引き起こされ、熱拡散、電子なだれ破壊などの効果を大きく抑制できるためにピットの微小化が期待できるため、ピットサイズの極小化、ひいては記録の超高密度を実現できる。例えば、光子エネルギhν=1.55eVである波長800nmのフェムト秒レーザの場合、単位時間当たりの光子エネルギが大きいため、5〜8光子吸収も実際に起こり得る。
実施例2では、本発明のレーザ加工方法を用いて形成した改質領域のサイズを実験により求めた。条件は、次の通りである。
・レーザ: チタンサファイアレーザ、波長800nm、パルス幅150フェムト秒
・レーザ出力: 0.05〜0.2mJ/パルス
・加工対象物: シリカガラス
・対物レンズ: 100倍率、開口数=1.3
・単発照射
図3は、上記条件によりシリカガラス上に形成されたピットを示す透過型顕微鏡写真である。(a)部に示すように、集光位置に直径250nmの球形の空洞がピットとして形成されている(但し、顕微鏡の分解能の問題のため、空洞は実際の大きさ250nmよりも大きく見えている)。すなわち、パルス幅を短くすることによってピットサイズを微小化できたのである。なお、この球形ピットの内部は「空洞」であることから、ピットは多光子吸収に引き続く原子間の化学結合の解裂(破壊)に起因すると考えられる。また、(b)部は、上記ピットの蛍光顕微鏡画像である。これにより、このピットは発光性であることから、所定条件でピットを発光させれば、発光によってもマーキング部位の識別が可能となる。
(実施の形態2)
本実施の形態は、消去可能なマーキングに言及する。
上述の実施の形態1では、いずれの場合も、原子間の化学結合の破壊により空洞の改質領域(ピット)が形成されている。このような空洞状のピットは永続性に優れ、マークの安定性の観点からは好ましい。しかし、生起されたピットは、化学結合・化学構造を破壊することにより生成されるものであるため、これを元の状態に復元することは不可能である。すなわち、上記の方法では、一度形成したピットを消去すること、消去して同一ヵ所にマーキングを施すことは不可能である。消去可能なピットを形成するためには、化学構造の破壊に基づく機構ではなく、全く新しい機構に基づくピット形成手法によらねばならない。
マーキングを消去可能にするためには、化学結合の破壊を抑制しつつ、つまり、分子構造を保持しつつ、分子の集合構造を変えて屈折率を変化させる必要があると考えられる。そのためには、加工対象物内部のレーザ集光領域において、電子が離脱する量をコントロールすることによりアモルファス状態を形成すればよいと考えられる。さらに、加工対象物内部にアモルファス領域を形成することにより、高精度高精密のレーザマーキングを実現することができると考えられる。なぜなら、多光子吸収により集光領域に改質領域が発生すると、その領域の電子離脱量が多いため周辺との境界領域に著しい凹凸が発生するが、アモルファスの場合は、その領域の電子離脱量が少ないため周辺との境界領域はナノメートルオーダのシャープな境界になると考えられるからである。
レーザ照射対象物の化学結合の破壊を抑制する方法としては、1)照射するレーザの波長を変える方法と、2)レーザパワを変える方法とが考えられる。しかし、前者はレーザ光の波長を長くすることが容易でないため、本発明者はレーザパワの出力コントロールを行うアプローチを採用した。
パワを低減したパルスレーザを加工対象物に照射することにより加工対象物の当初の原子・分子配列状態をアモルファス状態へと相転移させることができ、パルスレーザをアモルファス状態の領域に再度照射することによりアモルファス状態を当初の原子・分子配列状態へと相転移させることができる。当初の原子・分子配列状態へと相転移したその領域に、さらにもう一度レーザ光を照射すると、その領域は再びアモルファス化する。この状態遷移は、レーザスポットサイズの屈折率が変化する領域たるピットが、形成され、消失し、再形成されることを意味する。このようにして、リライタブルなレーザマーキングが可能となる。
この場合のレーザ照射条件は、例えば、以下の通りである。
・レーザ: チタンサファイアレーザ、波長800nm、パルス幅150フェムト秒
・レーザ出力: 10nJ/パルス以上(例えば、60nJ/パルス)
・加工対象物: サファイア(結晶性)
・対物レンズ: 100倍率、開口数=1.3
図4は、本実施例の条件下での集光位置における光学顕微鏡写真である。上記条件でサファイア内部にレーザパルスを照射したところ、集光位置にサブマイクロメートルサイズの屈折率変化領域が形成された。この改質されたアモルファス領域のサイズ・形状は直径500nmの球形であった。
図5は、この改質領域付近の高倍率透過型電子顕微鏡写真である。領域(a)はレーザ光未照射領域であり、この領域が結晶構造であることがわかる。領域(c)はレーザ光照射領域であり、この領域がアモルファス構造であることがわかる。レーザ光照射により、この領域で結晶→アモルファス転移型の改質が生じたことにより、屈折率変化が生じたのである。領域(b)は両者の境界領域である。この境界領域(b)は、数ナノメートルの大きさあり、極めてシャープな境界領域である。多光子吸収により焦点領域に改質領域が発生した場合と比べると、アモルファスの場合はその領域の電子離脱量が少ないため、その外縁部は凹凸のきわめて少ない状態となる。すなわち、周辺との境界領域はナノメートルオーダのシャープな境界となるため、輪郭が明確な精密マーキングが可能となる。
本発明に係るレーザ加工方法および装置は、高密度・高精度のマーキングを行うことができるレーザ加工方法および装置として有用である。
本発明の実施の形態1に係るレーザ加工装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1における加工工程を示すフローチャート 本発明の実施の形態1におけるシリカガラス上のピットの透過型顕微鏡写真 本発明の実施の形態2における集光位置における光学顕微鏡写真 本発明の実施の形態2における改質領域付近の高倍率透過型電子顕微鏡写真
符号の説明
1 加工対象物
100 レーザ加工装置
101 レーザ光源
103 テレスコープ光学系
113 ステージ

Claims (6)

  1. パルスレーザを発生する工程と、
    前記パルスレーザを加工対象物に照射して前記加工対象物の当初の原子・分子配列状態をアモルファス状態へと相転移させる工程と、を具備し、
    前記相転移により、周囲の前記原子・分子配列状態の領域と前記アモルファス状態の領域との間に、10ナノメートル以下の境界領域を形成することを特徴とするレーザ加工方法。
  2. パルスレーザを発生する工程と、
    前記パルスレーザを加工対象物に照射する工程と、
    前記パルスレーザ照射により、前記加工対象物の当初の原子・分子配列状態を、レーザ再照射により前記当初の原子・分子配列状態へと可逆的に相転移可能なアモルファス状態へと相転移させる工程と、
    を具備することを特徴とするレーザ加工方法。
  3. パルスレーザを発生する工程におけるパルスレーザはパルス幅がフェムト秒域、且つ、出力10nJ/パルス以上のパルスレーザであり、加工対象物はサファイアであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のレーザ加工方法。
  4. パルスレーザを発生するレーザ光発生手段と、
    前記パルスレーザを前記加工対象物に照射する光学系と、を具備し、
    前記パルスレーザを加工対象物に照射して前記加工対象物の当初の原子・分子配列状態をアモルファス状態へと相転移させ、前記相転移により、周囲の前記原子・分子配列状態の領域と前記アモルファス状態の領域との間に、10ナノメートル以下の境界領域を形成することを特徴とするレーザ加工装置。
  5. パルスレーザを発生するレーザ光発生手段と、
    前記パルスレーザを前記加工対象物に照射する光学系と、を具備し、
    前記パルスレーザ照射により、前記加工対象物の当初の原子・分子配列状態を、レーザ再照射により前記当初の原子・分子配列状態へと可逆的に相転移可能なアモルファス状態へと相転移させること、を具備することを特徴とするレーザ加工装置。
  6. レーザ光発生手段が発生するパルスレーザはパルス幅がフェムト秒域、且つ、出力10nJ/パルス以上のパルスレーザであり、加工対象物はサファイアであることを特徴とする請求項4または請求項5記載のレーザ加工装置。
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