JP2005293188A - トレース方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】流体の処理の履歴をトレースすることができるトレース方法および装置を提供する。
【解決手段】履歴管理システム1は、移送イメージから、トレースの方向、検索モード、ラインの設定等の各設定に応じてトレースを行う。ここで、トレースの方向には、製品から原料を検索する「正順」トレースと、原料から製品を検索する「逆順」トレースとがある。また、ロット検索モードには、タンクが空の状態を区切りとして検索を行う空モードと、タンク洗浄を区切りとする洗浄モードがある。さらに、ラインには、受け入れた流体を払い出すまでに時間がかかるという特性がある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の装置により処理が行われる生産工程において、その処理の履歴をトレースする方法および装置に関するものである。
従来、飲食品等の生産工程では、最終工程を終えた製品に異常が検出されると、各製品に付与されたトレース情報に基づいて、その異常の原因を特定している。このトレース情報は、製品単体またはロットを処理した装置に関する装置情報、処理を行った時間等に関する時間情報、ロット番号などのIDから構成されている。
このようなトレース情報を生成する方法には、原材料のロットをキーに製造プロセスの入り口から出口までの流れを記録していく方法や、原材料のロットに対して材料が混じり合う度に中間ロットを生成し、この中間ロットの構成の履歴を記録していく方法などが挙げられる(例えば、特許文献1,2参照。)。
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
特許第3355366号公報 特開2002−49660号公報
しかしながら、従来の方法は、原材料や製品または中間ロットが固体等の独立して認識できる形態を有し、IDを付与することを前提としている。したがって、原材料や製品等が気体や液体などの流体の場合には、決まった形がなく、分量が連続的に変化するので、IDを付与することが困難である。
仮に、何らかの形でIDを付与できたとしても、原材料のロットをキーにして製造プロセスの入り口から出口までの流れを記録する方法では、複数の原材料が混じり合った状態のロットに対してそのロット含まれる全ての原材料のIDの記録を行わなければならない。したがって、その記録作業が煩雑になってしまう。
また、中間ロットにIDを付与できたとしても、例えば計画段階になかった新たな工程を追加するといった処理工程の変更が生じると、この変更した工程より下流の中間ロットのデータを全て作り直さなければならなくなる。この修正作業は、とても複雑なため現実的ではない。その上、この修正作業はマニュアルで行われるので、修正し忘れる可能性があり、ロット情報の信頼性が損なわれてしまう恐れがある。
このように、従来では、流体の処理の履歴を管理することが困難であったので、当然その履歴をトレースするのも困難であった。
そこで、本発明は上述したような課題を解決するためになされたものであり、流体の処理の履歴をトレースすることができるトレース方法および装置を提供することを目的とする。
上述したような課題を解決するために、本発明にかかるトレース方法は、設備を構成する要素間を移送される流体の処理の履歴から任意の流体に関する処理の履歴を検索するトレース方法であって、第1の要素から第2の要素へ流体の移送を開始した時刻および終了した時刻を第1および第2の要素と関連づけた移送履歴に基づいて任意の流体に関する処理の履歴を検索することを特徴とする。
上記トレース方法において、要素は、プロセス機器とラインから構成され、プロセス機器間の流体の移送は、少なくとも1つのラインを介して行われるようにしてもよい。
上記トレース方法において、ラインに受け入れられた流体がラインから払い出されるまでの時間に関する遅延時間を設定し、遅延時間に基づいて任意の流体がラインに受け入れられた時刻およびラインから払い出された時刻のうち少なくとも一方を算出するようにしてもよい。
上記トレース方法において、プロセス機器が洗浄された時刻を区切りとする洗浄モード、または、プロセス機器が空になった時刻を区切りとする空モードの何れか一方を選択して任意の流体に関する処理の履歴を検索するようにしてもよい。
上記トレース方法において、ラインに受け入れられた受入流体とラインから払い出された払出流体とが対応しない場合、受入流体または払出流体の前後にラインに受け入れられた流体またはラインから払い出された流体を検索する滞留ありモード、または、受入流体または払出流体に対応する流体を検索しない滞留なしモードの何れか一方を選択して任意の流体に関する処理の履歴を検索するようにしてもよい。
上記トレース方法において、ラインに受け入れられた流体またはラインから払い出された流体の検索範囲が、所定の範囲に遅延時間が設定された通常モード、または、所定の範囲より広くなるよう遅延時間が設定された高精度モードの何れか一方を選択して任意の流体に関する処理の履歴を検索するようにしてもよい。
本発明にかかるトレース装置は、設備を構成する要素間を移送される流体の処理の履歴から任意の流体に関する処理の履歴を検索するトレース装置であって、第1の要素から第2の要素へ流体の移送を開始した時刻および終了した時刻を第1および第2の要素と関連づけた移送履歴に基づいて任意の流体に関する処理の履歴を検索する検索手段を有することを特徴とする。
上記トレース装置において、要素は、プロセス機器とラインから構成されるようにし、プロセス機器間の流体の移送は、少なくとも1つのラインを介して行われるようにしてもよい。
上記トレース装置において、ラインに受け入れられた流体がラインから払い出されるまでの時間に関する遅延時間を設定する設定手段をさらに備え、検索手段は、遅延時間に基づいて任意の流体がラインに受け入れられた時刻およびラインから払い出された時刻のうち少なくとも一方を算出するようにしてもよい。
上記トレース装置において、検索手段は、プロセス機器が洗浄された時刻を区切りとする洗浄モードまたはプロセス機器が空になった時刻を区切りとする空モードの何れか一方を選択して任意の流体に関する処理の履歴を検索するようにしてもよい。
上記トレース装置において、検索手段は、ラインに受け入れられた受入流体とラインから払い出された払出流体とが対応しない場合、受入流体または払出流体の前後にラインに受け入れられた流体またはラインから払い出された流体を検索する滞留ありモード、または、受入流体または払出流体に対応する流体を検索しない滞留なしモードの何れか一方を選択して任意の流体に関する処理の履歴を検索するようにしてもよい。
上記トレース装置において、検索手段は、ラインに受け入れられた流体またはラインから払い出された流体の検索範囲が、所定の範囲に遅延時間が設定された通常モード、または、所定の範囲より広くなるよう遅延時間が設定された高精度モードの何れか一方を選択して任意の流体に関する処理の履歴を検索するようにしてもよい。
本発明によれば、第1の要素から第2の要素へ任意の流体の移送を開始した時刻および終了した時刻を第1および第2の要素と関連づけた移送履歴に基づいて任意の流体を検索することにより、IDを付与することが困難な流体であっても、その処理の履歴をトレースすることが可能となる。
また、本発明によれば、要素としてプロセス機器のみならずラインも採用し、プロセス機器間の流体の移送が少なくとも1つのラインを介して行われるようにすることにより、流体の処理の履歴をトレースすることが可能となる。
また、本発明によれば、遅延時間に基づいて任意の流体がラインに受け入れられた時刻およびラインから払い出された時刻のうち少なくとも一方を算出してトレースを行うことにより、ラインが流体を連続して移送する場合に、その流体が混じる部分が含まれるか否かの可能性を確実にトレース結果に反映させることが可能となる。
また、本発明によれば、プロセス機器が洗浄された時刻または空になった時刻を区切りとしてトレースを行うことにより、目的にかなったトレースが可能となる。
さらに本発明によれば、ラインの検索を行う際に、通常モードまたは高精度モードの何れかを選択することにより、目的に応じて精度の異なるトレースを実現することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明のトレース方法が使用される履歴管理システムの構成を示す図である。
履歴管理システム1は、履歴管理システム1全体の動作を管理する管理装置10と、履歴管理システム1の動作を記録するサーバ20と、履歴管理システム1が適用されたプラントにおいて製品製造のための各処理を行うタンクやパイプなどの構成要素の信号を取り込むコントローラ30とを有し、それぞれは公知の通信回線40によって接続されている。
管理装置10は、CPU、メモリやハードディスク等の記憶装置、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等の表示装置、キーボードやマウス等の入力装置等を有する公知のコンピュータ等からなり、通信回線40を介して接続されたサーバ20およびコントローラ30を含むプラントが有する各構成要素と制御信号の送受信を行うことにより、履歴管理システム1が適用されたプラント全体の動作管理を行う。また、管理装置10は、サーバ20に記憶された移送履歴に基づいて移送イメージを作成し、この移送イメージおよび移送履歴に基づいて、トレースを行う。このような移送イメージ作成動作やトレース動作は、管理装置10のハードウェア資源とソフトウェアが協働することにより検索手段や設定手段を実現することにより行われる。
なお、作成した移送イメージおよびトレース結果は、表示装置に表示するようにしてもよい。
サーバ20は、CPU、メモリやハードディスク等の記憶装置、LCDやCRT等の表示装置、キーボードやマウス等の入力装置等を有する公知のコンピュータ等からなり、管理装置10の制御信号に基づいて、履歴管理システム1が適用されたプラントの各要素の信号を取り込むコントローラ30から受信するプラントの各要素間を移送された流体に関する移送情報に基づいて移送履歴を作成し、記憶する。
コントローラ30は、履歴管理システム1が適用されたプラントの各要素の信号を取り込み、他の要素から移送されてきた流体の受け入れ開始時刻および終了時刻、または、他の要素へ移送する流体の払い出し開始時刻および終了時刻等に関する情報(以下、移送情報という)を、通信回線40を介してサーバ20へ送出する。例えば、コントローラ30には、タンクから流体を外部に払い出すポンプの信号が取り込まれ、このポンプの駆動を開始した時刻および駆動を終了した時刻を移送情報としてサーバ20へ送出する。
なお、コントローラ30には、全ての要素の信号が取り込まれていなくてもよい。コントローラ30に信号が取り込まれていない要素では、移送情報をユーザの手入力でサーバ20に記録するようにしてもよい。この移送情報のサーバ20への記録は、管理装置10を介して行う、すなわちユーザが管理装置10の入力装置を操作することで行うようにしてもよい。
次に、本実施の形態にかかる履歴管理システム1で実施されるトレース方法に用いる履歴管理方法ついて説明する。本実施の形態にかかる履歴管理システム1は、例えば乳製品製造プラントなどの飲食品の製造設備に適用することができる。
ここで、流体や固体等のものの移動を把握する際、プラント等の設備をモデル化すると、その移動がわかりやすくなる。設備を後述する図2に示すようにモデル化したものを設備モデルという。ここで、設備を構成する要素は、大きくプロセス機器とラインとに分類することができる。
プロセス機器とは、例えば乳製品製造プラントにおいては、タンク、調整乳タンク、中継点、一時容器、バッファタンク、ミックスタンク、端点等の流体の移動の出発点と終着点として認識できる要素を意味する。
ラインとは、プロセス機器とプロセス機器とを結ぶパイプ等の要素を意味する。
図2は、設備モデルの1構成例を示す模式図、図3は、図2の設備モデルの移送履歴の模式図、図4は、図2の設備モデルの移送イメージの模式図である。
図2に示す設備モデルは、タンクT1とタンクT2とがラインL1で接続された設備をモデル化したものである。
本実施の形態にかかる履歴管理システム1では、プロセス機器からプロセス機器への流体の移送は、必ずラインを経由して行われるものとする。したがって、例えば図2の場合、タンクT1からタンクT2への流体の移送は、タンクT1とタンクT2との間に存在するラインL1を経由して行われ、タンクT1からラインL1(図2中の矢印a)、ラインL1からタンクT2(図2中の矢印b)へという形で流体が移送されると捉える。
図2に示すようにモデル化された設備で流体の移送が行われた場合、この移送履歴は図3に示すように記録される。図3に示すように、移送履歴には、流体を他のプラント機器に払い出す払出設備、この払出設備から払い出された流体を受け入れる受入設備、払出設備から受入設備への流体の移送を開始した時刻に関する移送開始時刻、払出設備から受入設備への流体の移送を終了した時刻に関する移送終了時刻などが記録される。
図2の設備モデルにおいて、タンクT1のポンプを、10時10分に駆動を開始し、10時30分に駆動を終了したとする。すると、図3に示すように、払出設備T1、受入設備L1および払出設備L1、受入設備T2の移送開始時刻および移送終了時刻がそれぞれ10時10分および10時30分と記録される。
このような移送履歴は、サーバ20により、コントローラ30から受信する移送情報に基づいて作成され、記憶される。例えば、図2において、タンクT1およびタンクT2とラインL1とを中継するバルブを開放し、タンクT1から流体を払い出すポンプを駆動することによりタンクT1からラインL1およびラインL1からタンクT2へ流体の払い出しが制御される場合、タンクT1の流体を払い出すポンプの信号を取り込むコントローラ30は、そのポンプが駆動を開始した時刻および終了した時刻を移送情報としてサーバ20に送信する。サーバ20は、その移送情報に基づきポンプが駆動を開始した時刻と駆動を終了した時刻をそれぞれ移送開始時刻と移送終了時刻として記録する。
なお、移送情報は、上述したようにユーザの手入力によりサーバ20に記録するようにしてもよい。これにより、計画段階で予定されていない製造工程を追加や変更をする場合でも、これに適宜対応することが可能となる。また、コントローラ30に全ての要素の信号が取り込まれていない場合でも、ポンプの駆動を開始した時刻と終了した時刻のみを記録するだけという非常に簡単な作業だけで移送履歴を作成することが可能となる。
図2に示す設備モデルに対応する設備で流体の移送が行われると、管理装置10は、図3の移送履歴に基づいて図4に示すような移送イメージを作成し、管理装置10の表示装置に表示するとともに管理装置10の記憶装置に記録する。
図4に示す移送イメージは、流体を払い出す払出設備と、この払出設備から払い出された流体を受け入れる受入設備との間の流体の移送履歴を、縦軸が払出設備と移送先設備との対応関係、横軸が時間を示すグラフで2次元的に可視化したものである。このような移送イメージは、管理装置10のハードウェア資源とソフトウェアが協働することにより作成される。
なお、この管理装置10により作成された移送イメージは、サーバ20に記録するようにしてもよい。
ここで、図2中の矢印aで示すタンクT1からラインL1への流体の移送は、図4中の範囲aに対応する。同様に、図2中の矢印bで示すラインL1からタンクT2への流体の移送は、図4中の範囲bに対応する。
図4において、タンクT1は、10時10分からラインL1への流体の払い出しを開始し、10時30分にラインL1への流体の払い出しを終了したことを意味する。
ラインL1は、10時10分からタンクT1から払い出された流体の受け入れを開始し、10時30分にタンクT1から払い出された流体の受け入れを終了したことを意味する。また、ラインL1は、10時10分からタンクT2への流体の払い出しを開始し、10時30分にタンクT2への流体の払い出しを終了したことを意味する。
タンクT2は、10時10分からラインL1から払い出された流体の受け入れを開始し、10時30分にラインL1から払い出された流体の受け入れを終了したことを意味する。
したがって、図4からは、10時10分から10時30分までタンクT1から払い出された流体は、ラインL1を経由して、タンクT2へ移送されたことがわかる。
本実施の形態によれば、移送開始時刻と移送終了時刻と関連づけて記録することにより、IDを付与することが困難な流体であっても、IDを付与することなく、その処理の履歴を管理することができる。
また、本実施の形態によれば、移送イメージを移送履歴に基づいて作成して表示することにより、流体のようなIDを付与することが困難なものでも、IDを付与することなく、どのような処理を経ているのかが容易に識別可能となる。
また、本実施の形態によれば、要素としてプロセス機器のみならずラインも採用し、プロセス機器間の流体の移送が少なくとも1つのラインを介して行われるようにすることにより、流体の処理の履歴をより正確に管理することが可能となる。
複数のラインを経由してプロセス機器からプロセス機器へ流体を移送する場合は、次のように移送イメージが作成される。図5は、複数のラインを経由して流体の移送を行う設備をモデル化した模式図、図6は、図5の設備モデルの移送履歴の模式図、図7は、図5の設備モデルの移送イメージの模式図である。
図5に示す設備モデルは、タンクT1とタンクT2とに接続されたラインL1が、タンクT11とタンクT12に接続されたラインL10およびタンクT21とタンクT22に接続されたラインL20に接続された設備をモデル化したものである。
このようにモデル化される設備でタンクT2からタンクT12へ流体が移送される場合について考える。この場合、タンクT2からラインL1(図5中の矢印a)、ラインL1からラインL10(図5中の矢印b)、ラインL10からタンクT12(図5中の矢印c)という形で流体が移送されると捉える。
図5に示すようにモデル化された設備において、10時10分から10時30分までタンクT2からタンクT12へ流体の移送が行われた場合、この移送履歴は図6に示すように記録される。
すなわち、払出設備T2、受入設備L1の移送開始時刻および移送終了時刻は、10時10分および10時30分と記録される。同様に、払出設備L1、受入設備L10および払出設備L10、受入設備T12の移送開始時刻および移送終了時刻も、それぞれ10時10分および10時30分と記録される。
ここで、少なくとも、タンクT2から流体を払い出すポンプが10時10分に駆動を開始して10時30分に駆動を終了したことが移送情報としてサーバ20へ送出される。この移送情報に基づいて、サーバ20は、移送履歴を作成する。
なお、タンクT2、ラインL1、ラインL10およびタンクT12というタンクT2の流体をタンクT12に移送するための流路を形成するのに必要な各ラインと各タンクとを中継するバルブの開閉時刻等に関する情報を移送情報としてサーバ20に記録するようにしてもよい。この場合、バルブの信号をコントローラ30に取り込み、自動的にサーバ20へ移送記録を送信するようにしてもよい。また、ユーザによる手入力でサーバ20に記録するようにしてもよい。
図6に示すように記録された移送履歴に基づいて、管理装置10は、図7に示す移送イメージを作成する。
ここで、図5中の矢印aで示すタンクT2からラインL1への流体の移送は、図7中の範囲aに対応する。また、図5中の矢印bで示すラインL1からラインL10への流体の移送は、図7中の範囲bに対応する。さらに、図5中の矢印cで示すラインL10からタンクT12への流体の移送は、図7中の範囲cに対応する。
図7において、タンクT2は、10時10分からラインL1への流体の払出を開始し、10時30分にラインL1への払出を終了したことを意味する。
ラインL1は、10時10分からタンクT2から払い出された流体の受け入れを開始し、10時30分にタンクT2から払い出された流体の受け入れを終了したことを意味する。また、ラインL1は、10時10分からラインL10への流体の払い出しを開始し、10時30分にラインL10への流体の払い出しを終了したことを意味する。
ラインL10は、10時10分からラインL1から払い出された流体の受け入れを開始し、10時30分にラインL1から払い出された流体の受け入れを終了したことを意味する。また、ラインL10は、10時10分からタンクT12への流体の払い出しを開始し、10時30分にタンクT12への流体の払い出しを終了したことを意味する。
タンクT12は、10時10分からラインL10から払い出された流体の受け入れを開始し、10時30分にラインL10から払い出された流体の受け入れを終了したことを意味する。
したがって、図7からは、10時10分から10時30分までタンクT2から払い出された流体は、ラインL1およびラインL10を経由して、タンクT12へ移送されたことがわかる。
このように、複数のラインを経由して流体を移送する場合は、ラインからラインへの移送も記録する。例えば、上述した図5の場合、タンクT2からタンクT12への流体の移送は、タンクT2からラインL1、ラインL1からラインL10、ラインL10からタンクT12と3つに分けて記録される。
流体を受け入れる受入設備となるプロセス機器の切り替えがあった場合は、次のように移送履歴が記録される。図8は、受入設備となるタンクの切り替えがある設備をモデル化した模式図、図9は、図8の設備モデルの移送履歴の模式図、図10は、図8の設備モデルの移送イメージの模式図である。
図8に示す設備モデルは、タンクT1とタンクT2およびタンクT3とがラインL1で接続された設備をモデル化したものである。
図8のようにモデル化される設備において、タンクT1からタンクT2へ流体が移送されているときに、途中から流体の受入設備がタンクT2からタンクT3へと切り替わった場合について考える。この場合、まず、タンクT1からラインL1(図8中の矢印a)、ラインL1からタンクT2(図8中の矢印b)という形で流体が移送されると捉える。次いで、流体の移送先が切り替わる、すなわちタンクT1からラインL1(図8中の矢印a)、ラインL1からタンクT3(図8中の矢印c)という形で流体が移送されると捉える。
図8に示すようにモデル化された設備において、10時10分から10時20分まではタンクT1からタンクT2へ流体の移送が行われ、10時20分から10時35分まではタンクT1からタンクT3へ流体の移送が行われた場合、移送履歴は図9に示すように記録される。
すなわち、払出設備T1、受入設備L1の移送開始時刻および移送終了時刻は、10時10分および10時35分と記録される。払出設備L1、受入設備T2の移送開始時刻および移送終了時刻は、10時10分および10時20分と記録される。払出設備L1、受入設備T3の移送開始時刻および移送終了時刻は、10時20分および10時35分と記録される。
ここで、少なくともタンクT1から流体を払い出すポンプが10時10分に駆動を開始して10時35分に駆動を終了したこと、ラインL1から払い出す流体の払い出し先(タンクT2またはタンクT3)を制御するバルブが10時20分に払い出し先がタンクT2からタンクT3に切り替わったことが移送情報としてサーバ20に送出される。このような移送情報に基づいて、サーバ20は、移送履歴を作成する。この移送履歴に基づいて、管理装置10は、図10に示すような移送イメージを作成する。
なお、タンクT1、ラインL1、タンクT2およびタンクT3というタンクT1の流体をタンクT2またはタンクT3に移送するための流路を形成するのに必要な各ラインと各タンクとを中継するバルブの開閉時刻等に関する情報を移送情報としてサーバ20に記録するようにしてもよい。この場合、バルブの信号をコントローラ30に取り込み、自動的にサーバ20へ移送記録を送信するようにしてもよい。また、ユーザによる手入力でサーバ20に記録するようにしてもよい。
図10に示す移送イメージにおいて、図8中の矢印aで示すタンクT1からラインL1への流体の移送は、範囲aに対応する。また、図8中の矢印bで示すラインL1からタンクT2への流体の移送は、図10中の範囲bに対応する。さらに、図8中の矢印cで示すラインL1からタンクT3への流体の移送は、図10中の範囲cに対応する。
図10において、タンクT1は、10時10分からラインL1への流体の払出を開始し、10時35分にラインL1への払出を終了したことを意味する。
ラインL1は、10時10分からタンクT1から払い出された流体の受入を開始し、10時35分にタンクT1から払い出された流体の受入を終了したことを意味する。また、ラインL1は、10時10分からタンクT2への流体の払出を開始し、10時20分にタンクT2への流体の払出を終了するとともにタンクT3への流体の払出を開始し、10時35分にタンクT3への流体の払出を終了したことを意味する。
タンクT2は、10時10分からラインL1から払い出された流体の受け入れを開始し、10時20分にラインL1から払い出された流体の受け入れを終了したことを意味する。
タンクT3は、10時20分からラインL1から払い出された流体の受け入れを開始し、10時35分にラインL1から払い出された流体の受け入れを終了したことを意味する。
したがって、図10からは、10時10分から10時20分までタンクT1から払い出された流体は、ラインL1を経由して、タンクT2へ移送されたことがわかる。また、10時20分から10時35分まではタンクT1から払い出された流体は、ラインL1を経由して、タンクT3へ移送されたことがわかる。
このように、流体を払い出すプロセス機器の切り替えがある場合は、プロセス機器からライン、ラインから第1のプロセス機器、ラインから第2のプロセス機器というように、払い出し先のプロセス機器を切り替えて記録する。
次に、複数のラインを経由し、かつ、流体の払出先のプロセス機器が切り替わる場合は、次のように移送履歴が記録される。図11は、複数のラインを経由し、かつ、払い出し先タンクの切り替えがある設備をモデル化した模式図、図12は、図11の設備モデルの移送履歴の模式図、図13は、図11の設備モデルの移送イメージの模式図である。
図11に示す設備モデルは、図5の場合と同様、タンクT1とタンクT2とに接続されたラインL1が、タンクT11とタンクT12に接続されたラインL10およびタンクT21とタンクT22に接続されたラインL20に接続された設備をモデル化したものである。
このようにモデル化される設備でタンクT2からタンクT12へ流体が移送されているときに、途中からタンクT12からタンクT22へと流体の移送先が切り替わった場合について考える。この場合、まず、タンクT2からラインL1(図11中の矢印a)、ラインL1からラインL10(図11中の矢印b)、ラインL10からタンクT12(図11中の矢印c)という形で流体が移送されると捉える。次いで、流体の移送が切り替わる、すなわちタンクT2からラインL1(図11中の矢印a)、ラインL1からラインL20(図11中の矢印d)、ラインL20からタンクT22(図11中の矢印e)という形で流体が移送されると捉える。
図11に示すようにモデル化された設備において、10時10分から10時30分まではタンクT2からタンクT12へ流体の移送が行われ、10時30分から10時45分まではタンクT2からタンクT22へ流体の移送が行われた場合、この移送履歴は図12に示すように記録される。
すなわち、払出設備T2、受入設備L1の移送開始時刻および移送終了時刻は、10時10分および10時45分と記録される。払出設備L1、受入設備L10の移送開始時刻および移送終了時刻は、10時10分および10時30分と記録される。払出設備L1、受入設備L20の移送開始時刻および移送終了時刻は、10時30分および10時45分と記録される。払出設備L10、受入設備T12の移送開始時刻および移送終了時刻は、10時10分および10時30分と記録される。払出設備L20、受入設備T22の移送開始時刻および移送終了時刻は、10時30分および10時45分と記録される。
ここで、少なくともタンクT2から流体を払い出すポンプが10時10分に駆動を開始して10時45分に駆動を終了したこと、ラインL1から払い出す流体の払い出し先(ラインL10またはラインL20)を制御するバルブが10時30分に払い出し先がラインL10からラインL20に切り替わったことが移送情報としてサーバ20に送出される。このような移送情報に基づいて、サーバ20は、移送履歴を作成する。この移送履歴に基づいて、管理装置10は、図13に示すような移送イメージを作成する。
なお、タンクT2、ラインL1、ラインL10、ラインL20、タンクT12およびタンクT22というタンクT2の流体をタンクT12またはタンクT22に移送するための流路を形成するのに必要な各ラインと各タンクとを中継するバルブの開閉時刻等に関する情報を移送情報としてサーバ20に記録するようにしてもよい。この場合、バルブの信号をコントローラ30に取り込み、自動的にサーバ20へ移送記録を送信するようにしてもよい。また、ユーザによる手入力でサーバ20に記録するようにしてもよい。
図13に示す移送イメージにおいて、図11中の矢印aで示すタンクT2からラインL1への流体の移送は、範囲aに対応する。また、図11中の矢印bで示すラインL2からラインL10への流体の移送は、図13中の範囲bに対応する。また、図11中の矢印cで示すラインL10からタンクT12への流体の移送は、図13中の範囲cに対応する。また、図11中の矢印dで示すラインL1からラインL20への流体の移送は、図13中の範囲dに対応する。また、図11中の矢印eで示すラインL20からタンクT22への流体の移送は、図13中の範囲eに対応する。
図13において、タンクT2は、10時10分からラインL1への流体の払出を開始し、10時45分にラインL1への払出を終了したことを意味する。
ラインL1は、10時10分からタンクT2から払い出された流体の受入を開始し、10時45分にタンクT2から払い出された流体の受入を終了したことを意味する。また、ラインL1は、10時10分からラインL10への流体の払出を開始し、10時30分にラインL10への流体の払出を終了するとともにラインL20への流体の払出を開始し、10時45分にラインL20への流体の払出を終了したことを意味する。
ラインL10は、10時10分からラインL1から払い出された流体の受入を開始し、10時30分にラインL1から払い出された流体の受入を終了したことを意味する。また、ラインL10は、10時10分からタンクT12への流体の払い出しを開始し、10時30分にタンクT12への流体の払い出しを終了したことを意味する。
タンクT12は、10時10分からラインL10から払い出された流体の受け入れを開始し、10時30分にラインL10から払い出された流体の受け入れを終了したことを意味する。
ラインL20は、10時30分からラインL1から払い出された流体の受入を開始し、10時45分にラインL1から払い出された流体の受入を終了したことを意味する。また、ラインL20は、10時30分からタンクT22への流体の払い出しを開始し、10時45分にタンクT22への流体の払い出しを終了したことを意味する。
タンクT22は、10時30分からラインL20から払い出された流体の受け入れを開始し、10時45分にラインL20から払い出された流体の受け入れを終了したことを意味する。
したがって、図13からは、10時10分から10時30分までタンクT2から払い出された流体は、ラインL1およびラインL10を経由して、タンクT12へ移送されたことがわかる。また、10時30分から10時45分までタンクT2から払い出された流体は、ラインL1およびラインL20を経由して、タンクT22へ移送されたことがわかる。
このように、複数のラインを経由し、かつ、流体の払い出し先のプロセス機器が切り替わる場合は、ラインからラインへの移送を記録するとともに、ラインからラインへの移送および受入設備となるプロセス機器を切り替えて記録する。
上述したように、本実施の形態によれば、移送イメージは、流体を払い出す払出設備と、この払出設備から払い出された流体を受け入れる受入設備との間の流体の移送を、縦軸が払出設備と移送先設備との対応関係、横軸が時間を示すグラフで2次元的に可視化する。これにより、流体のようなIDを付与することが困難なものでも、IDを付与することなく、どのような処理工程を経ているのかが一目瞭然である。このような移送イメージは、移送履歴、すなわち払出設備から受入設備への流体の移送を開始した時刻に関する移送開始時刻と、払出設備から受入設備への流体の移送を終了した時刻に関する移送終了時刻とに基づいて作成される。したがって、流体の処理の履歴を、受入時間と払出時間を記録するだけで、容易に管理することが可能となる。
次に、本実施の形態にかかる履歴管理システム1におけるトレース方法について説明する。
履歴管理システム1は、例えば上述した図13に示すような移送イメージから、トレースの方向、検索モード、ラインの設定等の各設定に応じてトレースを行う。以下に、各設定について説明する。
[トレースの方向]
トレースには、製品から原料を検索する「正順」トレースと、原料から製品を検索する「逆順」トレースとがある。図14は、トレースの方向を説明するための移送イメージの模式図である。
例えば、図14に示す移送イメージの場合、図中の矢印aで示すように、タンクT4等の製品側からタンクT1側(原料側)の方向にトレースするのが「正順」トレースである。一方、図14中の矢印bで示すように、タンクT1側(原料側)からタンクT4側(製品側)の方向にトレースするのが「逆順」トレースである。
[ロット検索モード]
プロセス機器にタンクが含まれる場合、トレースの目的に応じて検索対象が異なる2つのモードが存在する。
まず、タンクが空の状態を区切りとして検索を行う空モードである。これは、正順でトレースしているときに任意のタンクから払い出されたものに何が入っているかを調べる場合、払い出しが終了した時刻から遡って、タンクの空が検出されたとき、または、タンクが洗浄されたときまでに受け入れたものをトレースするモードである。
もう一つは、タンク洗浄を区切りとする洗浄モードである。これは、正順でトレースしているときに任意のタンクから払い出しているものに何が入っているかを調べる場合、払い出しが終了した時刻から遡って、タンクの洗浄が検出されたときまでに受け入れたものをトレースするモードある。
図15は、ロット検索モードを説明するための移送イメージの一例である。例えば、図15に示す移送イメージにおいて、符号aで示す範囲a、すなわちタンクT11から払い出される流体には何が含まれているかを検索する場合、各検索モード毎に以下に説明するようにトレースされる。なお、図15において、符号dで示す範囲dは、タンクT11を洗浄したことを示している。
空モードで検索する場合、タンクT11において、タンクT11から範囲aの流体が払い出された時点から時間軸を遡ると、符号bで示す範囲bの流体がタンクT11から払い出されたことが分かる。この範囲bの流体の払い出しによりタンクT11が空になったので、空モードの場合は、符号cで示す範囲c、すなわちタンクT1およびタンクT2からラインL1を経由してタンクT11に受け入れられた流体がトレースの対象となる。
一方、洗浄モードで検索する場合、タンクT11において、タンクT11から範囲aの流体が払い出された時点から時間軸を遡ると、符号dで示す範囲dの時点でタンクT11が洗浄されたことが分かる。したがって、洗浄モードの場合は、符号eで示す範囲eの流体、すなわちタンクT1〜T3からラインL1を経由してタンクT11に受け入れられた流体がトレースの対象となる。
このように本実施の形態によれば、ロット検索モードとして空モードか洗浄モードかを選択して設定することにより、プロセス機器内の流体をトレースする際に、目的にかなったトレースが可能となる。例えば、空モードの場合は、プロセス機器内が空になったときを区切りとしてトレースを行うので、プロセス機器内に含まれる流体の種類を単純にトレースすることができる。また、洗浄モードの場合は、プロセス機器が洗浄されたときを区切りとしてトレースを行うので、汚れ等の異常が発生した製品をトレースする際に、検索範囲を特定することが可能となる。
[ラインの設定]
まず、ラインの特性について図16を参照して説明する。図16は、ラインの特性を説明するための模式図であり、(a)は移送開始時の模式図、(b)は移送中の模式図である。図16において、ラインL1はタンクT1とタンクT2とを接続している。ここで、タンクT1から流体aをラインL1を介してタンクT2に移送するとする。なお、この流体aの移送の前に、タンクT1から流体bをラインL1を介してタンクT2に移送したものとする。
まず、ラインには、受け入れた流体を払い出すまでに時間がかかるという特性がある。
例えば、図16(a)に示すように、ラインL1は、離間した要素間を接続して、流体を任意の要素(タンクT1)から他の任意の要素(タンクT2)へ移送するものである。ラインL1は長さを有するため、タンクT1から受け入れた流体aをタンクT2に払い出すには、ラインの長さや直径等に応じた時間がかかる。したがって、ラインをトレースする際には、受け入れた流体を払い出すまでに時間がかかることに対応させなければ、正確にトレースすることができない。
また、ラインには、前に移送した流体が残っているという特性がある。
例えば、図16(a)に示すように、ラインL1は、流体aを移送する前に流体bを移送したとする。すると、ラインL1内には流体bが滞留しているので、今回タンクT1からラインL1に払い出される流体aは、流体bをタンクT2へ押し出しながらラインL1中を移動する。したがって、ラインL1に流体aを払い出し始めても、タンクT2に払い出される流体は、最初のうちは流体bであり、即座に流体aが払い出されるわけではない。このようにラインには前に移送した流体が残っている滞留という現象に対応したトレースを行わなければ、ラインを正確にトレースすることはできない。
さらに、ラインには、2つの流体が連続して流れると、その2つの流体の接点で2つの流体が混じるという特性がある。
例えば、図16(a)に示すように、ラインL1は、流体bの後に連続して流体aを移送した場合、図16(b)に示すように、流体aと流体bとの接点で流体aと流体bが混ざった流体cが発生する。この流体cのような2つの流体が混ざった部分が存在するという現象に対応したトレースを行わなければ、ラインを正確にトレースすることはできない。
上述したような特性をラインは有するので、正確にラインをトレースするのは困難である。正確なトレースを追求するのであれば、ラインに流量計を取り付けてライン内部を流れている流体の流量を計測することにより、ライン内に何が入っているか調べることも可能である。しかしながら、乳製品等の食品プラントでは、ライン内部に気泡等が発生しやすいので正確な流量の計測が困難なため、ラインに流量計が取り付けてられていることはまれである。
そこで、本実施の形態では、ものが流れる速度はほぼ一定であることに着目して、必ず計測ができる時間というパラメータを使用してトレースを行う。この時間を用いたラインのトレース方法について、以下に具体的に説明する。
まず、正順でラインをトレースする方法について、図17を参照して説明する。図17は、正順のラインのトレースを説明する移送イメージの模式図である。
図17に示す滞留ありライン、すなわちライン内部に以前に移送した流体が残っていると設定したラインは、任意の払出設備から範囲aの流体を受け入れ、この受け入れた流体(受入流体)に対応する範囲bの流体(払出流体)を任意の受入設備に払い出したことを示している。ここで、払出流体b中の範囲cに対応する払出流体をトレースする場合、上述したラインには受け入れた流体を払い出すまでに時間がかかるという特性に対応させた遅延時間を設定する。正順トレースの場合には、正順トレース開始遅延時間と正順トレース終了遅延時間を設定する。
本実施の形態では、正順でトレースする場合、任意の受入設備へ払い出す流体は任意の払出設備から受け入れてからライン内を通過して任意の受入設備へ払い出すまで時間がかかることに対応し、受入設備に払い出す任意の払出流体に対応する受入流体を検索する際に所定の時間だけ遡って検索する。この遡る所定の時間のことを遅延時間という。この遅延時間において、払出流体の払出開始時刻からその遅延時間分だけ遡る時間を正順トレース開始遅延時間といい、払出流体の払出終了時刻からその遅延時間分だけ遡る時間を正順トレース終了遅延時間という。
なお、正順トレース開始遅延時間および正順トレース終了遅延時間に設定する遅延時間は、それぞれ異なるようにしてもよい。
このような遅延時間を用いて図17の払出流体cに対応する受入流体を検索すると、払出流体cの払出開始時刻t2から正順トレース開始遅延時間だけ遡った時刻t1と、払出流体cの払出終了時刻t4から正順トレース終了遅延時間だけ遡った時刻t3とを算出し、受入流体aのうち時刻t1と時刻t3との間の受入流体、すなわち受入流体dが払出流体cに対応する受入流体として検索される。
逆順でトレースする方法について、図18を参照して説明する。図18は、逆順のラインのトレースを説明する移送イメージの模式図である。
図18に示す滞留ありラインは、任意の払出設備から範囲aの流体を受け入れ、この受け入れた流体(受入流体)に対応する範囲bの流体(払出流体)を任意の受入設備に払い出したことを示している。ここで、受入流体a中の範囲cに対応する受入流体をトレースする場合、正順の場合と同様に遅延時間を設定し、逆順トレース開始遅延時間と逆順トレース終了遅延時間を用いて検索を行う。逆順トレース開始遅延時間とは、受入流体の受入開始時刻から遅延時間分だけ経過させる時間、逆順トレース終了遅延時間とは、受入流体の受入終了時刻から遅延時間分だけ経過させる時間のことを意味する。
なお、逆順トレース開始遅延時間および逆順トレース終了遅延時間に設定する遅延時間は、それぞれ異なるようにしてもよい。
このような遅延時間を用いて図18の受入流体cに対応する払出流体を検索すると、受入流体cの受入開始時刻t1から逆順トレース開始遅延時間だけ経過させた時刻t2と、受入流体cの受入終了時刻t3から逆順トレース終了遅延時間だけ経過させた時刻t4とを算出し、払出流体bのうち時刻t2と時刻t4との間の払出流体、すなわち払出流体dが受入流体cに対応する払出流体として検索される。
上述したような遅延時間は、適宜自由に設定することができる。この設定方法の一例について、図19を参照して説明する。図19は、遅延時間の設定方法を説明するための移送イメージの模式図である。
図19に示す滞留ありラインは、任意の払出設備から受入流体aを受け入れ、この受入流体aに対応する払出流体bを任意の受入設備に払い出したことを示している。ここで、払出流体b中の範囲cに対応する受入流体を正順でトレースする場合について説明する。図19において、払出流体cに対応する実際の受入流体を受入流体a中の範囲dとし、この払出流体dの実際の移動時間を、移送開始時においては受入開始時刻t2から払出開始時刻t3まで、移送終了時においては受入終了時刻t4から払出終了時刻t6までとする。
本実施の形態では、正順トレース開始遅延時間を実際の移動時間よりも長くなるように設定する。図19に示すように、実際の移動時間が受入開始時刻t2から払出開始時刻t3までの場合、正順トレース開始遅延時間は受入開始時刻t2よりも任意の時間遡った時刻t1から払出開始時刻t3までとする。その遡る任意の時間、すなわち図19における時刻t1から受入終了時刻t2までの時間を正順開始設定差という。例えば、シミュレーションにより実際の移動時間が30秒と検出された場合、正順トレース開始遅延時間は、実際の移動時間よりも10秒の正順開始設定差を設けて40秒とする。
一方、正順トレース終了遅延時間は、実際の移動時間よりも短くなるように設定する。図19に示すように、実際の移動時間が受入終了時刻t4から払出終了時刻t6までの場合、正順トレース終了遅延時間は受入終了時刻t4よりの任意の時間経過させた時刻t5から払出終了時刻t6までとする。その経過させる時間、すなわち図19における受入終了時刻t4から時刻t5までの時間を正順終了設定差という。例えば、シミュレーションにより実際の移動時間が30秒と検出された場合、正順トレース終了遅延時間は、実際の移動時間よりも10秒の正順終了設定差を設けて20秒とする。
このように、本実施の形態では、正順トレース開始遅延時間は実際の移動時間よりも長く、正順トレース終了遅延時間は実際の移動時間よりも短く設定することにより、正順トレース検索範囲が実際の受入流体の範囲よりも大きくする。これにより、ラインが流体を連続して移送する場合に、その流体が混じる部分が含まれるか否かの可能性を確実にトレース結果に反映させることが可能となる。
なお、逆順でトレースする場合は、逆順トレース開始遅延時間は実際の移動時間よりも短く、逆順トレース終了遅延時間は実際の移動時間よりも長くなるよう、それぞれに対応する逆順開始設定差と逆順終了設定差を設定する。これにより、逆順トレース検索範囲が実際の払出流体の範囲よりも大きくなるので、ラインが流体を連続して移送する場合に、その流体が混じる部分が含まれるか否かの可能性をより確実にトレース結果に反映させることが可能となる。
上述した正順開始設定差、正順終了設定差、逆順開始設定差および逆順終了設定差は、適宜自由に設定することができる。この設定方法の一例について、図20を参照して正順開始設定差の設定方法の場合を例に説明する。図20は、正順開始設定差の設定方法を説明するための移送イメージの模式図である。
図20に示す滞留ありラインは、任意の払出設備から受入流体aを受け入れ、この受入流体aに対応する払出流体bを任意の受入設備に払い出した後、連続して任意の払出設備から受入流体cを受け入れ、この受入流体cに対応する払出流体dを任意の受入設備に払い出したことを示している。ここで、払出流体d中の範囲eに対応する払出流体を正順でトレースする場合について説明する。
図20において、払出流体eに対応する実際の受入流体を受入流体c中の範囲fとし、この払出流体fの移送開始時における実際の移動時間を、受入開始時刻t3から払出開始時刻t4までとする。ここで、通常モードとして、時刻t2から受入開始時刻t3までを正順開始設定差とした正順トレース開始遅延時間を設定した場合、本実施の形態では、通常モードに加えて、高精度モードを設定するようにしてもよい。この高精度モードは、正順開始設定差を通常モードの場合よりも長く設定する。図20に示すように、高精度モードにおける正順開始設定差は、時刻t2よりも時間を遡った時刻t1から受入開始時刻t3までと設定している。このように、高精度モードの場合には、正順開始設定差を通常モードの場合よりもさらに大きくし、これに伴って正順トレース開始遅延時間を大きくすることにより、正順トレース検索範囲が通常モードの場合よりも大きくする。
すると、図20に示すように、通常モードの場合には、払出流体eに対応する受入流体は受入流体cの範囲内であると検索されるが、高精度モードの場合には、払出流体eに対応する受入流体は受入流体cのみならず受入流体aをも含むと検索される。
このように、通常モードよりも検索範囲が大きい高精度モードを設けることにより、ラインが流体を連続して移送する場合に、その流体が混じる部分が含まれるか否かの可能性をより確実にトレース結果に反映させることが可能となる。
なお、正順終了設定差、逆順開始設定差および逆順終了設定差の設定については、正順開始設定差の場合と同様、通常モードに加えて高精度モードを設定するようにしてもよい。この場合、それぞれは次のように設定される。
正順終了設定差は、高精度モードの場合、通常モードの場合よりも短くなるように設定する。これにより、高精度モードの正順トレース終了遅延時間は、通常モードの場合よりも短くなるので、正順トレース検索範囲は、通常モードの場合よりも大きくなる。
逆順開始設定差は、高精度モードの場合、通常モードの場合よりも短くなるように設定する。これにより、高精度モードの逆順トレース開始遅延時間は、通常モードの場合よりも短くなるので、逆順トレース検索範囲は、通常モードの場合よりも大きくなる。
逆順終了設定差は、高精度モードの場合、通常モードの場合よりも長くなるように設定する。これにより、高精度モードの逆順トレース終了遅延時間は、通常モードの場合よりも長くなるので、逆順トレース検索範囲は、通常モードの場合よりも大きくなる。
また、このように設定した通常モードと高精度モードそれぞれにおける設定値、すなわち、正順開始設定差(通常モード)、正順開始設定差(高精度モード)、逆順開始設定差(通常モード)、逆順開始設定差(高精度モード)等を全て保持し、通常モードか高精度モードかというライン検索モードをトレース時に選択することにより、目的に応じて精度の異なるトレースを実現することが可能となる。
上述した正順トレース検索範囲と逆順トレース検索範囲において、その検索範囲はラインの滞留の有無で異なってくる。まず、滞留があると設定した場合の検索範囲について説明する。図21は、滞留ありのラインの正順トレース検索範囲を説明するための移送イメージの模式図、図22は、滞留ありのラインの逆順トレース検索範囲を説明するための移送イメージの模式図である。
図21に示す滞留ありラインは、任意の払出設備から受入流体aを受け入れ、この受入流体aに対応する払出流体bを任意の受入設備に払い出し、所定の時間の経過後、任意の払出設備から受入流体cを受け入れ、この受入流体cに対応する払出流体dを任意の受入設備に払い出したことを示している。ここで、払出流体dに対応する受入流体を正順でトレースする場合について説明する。
上述してきたように、正順トレースの場合、払出流体の払出開始時刻から正順トレース開始遅延時間だけ遡った時刻から、払出流体の払出終了時刻から正順トレース終了遅延時間だけ遡った時刻までが、正順トレース検索範囲となる。
しかしながら、図21の場合、受入流体aを受け入れた後に所定時間経過してから受入流体cを受け入れているため、払出流体dの払出開始時刻t4から正順トレース開始遅延時間だけ遡った時刻t3の間には、受入流体が存在しない。このような場合、図21に示すラインは滞留があると設定しているので、受入流体aの受け入れを終了した後から受入流体cの受け入れを開始するまでには、ライン内に受入流体aが流れたと考える。つまり、受入流体aの受け入れを開始した時刻は、受入流体aに対応する払出流体bの払出終了時刻t2から正順トレースの開始遅延時間だけ遡った時刻t1であると考える。したがって、正順トレース検索範囲は、受入流体aに対応する払出流体bの払出終了時刻t2から正順トレース開始遅延時間だけ遡った時刻t1から、払出流体dの払出終了時刻t6から正順トレース終了遅延時間だけ遡った時刻t5までとなる。
図22に示す滞留ありラインは、任意の払出設備から受入流体aを受け入れ、この受入流体aに対応する払出流体bを任意の受入設備に払い出し、所定の時間の経過後、任意の払出設備から受入流体cを受け入れ、この受入流体cに対応する払出流体dを任意の受入設備に払い出したことを示している。ここで、受入流体aに対応する払出流体を逆順でトレースする場合について説明する。
上述してきたように、逆順トレースの場合、受入流体の受入開始時刻から逆順トレース開始遅延時間だけ経過した時刻から、受入流体の受入終了時刻から逆順トレース終了遅延時間だけ経過した時刻までが、逆順トレース検索範囲となる。
しかしながら、図22の場合、受入流体aを受け入れた後に所定時間経過してから受入流体cを受け入れているため、受入流体aの受入終了時刻t3から逆順トレース開始遅延時間だけ経過した時刻t4の間には、払出流体が存在しない。このような場合、図22に示すラインは滞留があると設定しているので、受入流体aの受け入れを終了した後から受入流体cの受け入れを開始するまでには、ライン内に受入流体aが流れたと考える。つまり、受入流体aの払い出しを終了した時刻は、受入流体cに対応する払出流体dの払出開始時刻t5から逆順トレースの終了遅延時間だけ経過した時刻t6であると考える。したがって、逆順トレース検索範囲は、受入流体aの受入開始時刻t1から逆順トレース開始遅延時間だけ経過した時刻t2から、払出流体dの払出開始時刻t5から逆順トレース終了遅延時間だけ経過した時刻t6までとなる。
滞留がないと設定した場合の検索範囲について、図23と図24を参照して説明する。図23は、滞留なしのラインの正順トレース検索範囲を説明するための移送イメージの模式図、図24は、滞留なしのラインの逆順トレース検索範囲を説明するための移送イメージの模式図である。
図23に示す滞留なしラインは、任意の払出設備から受入流体aを受け入れ、この受入流体aに対応する払出流体bを任意の受入設備に払い出し、所定の時間の経過後、任意の払出設備から受入流体cを受け入れ、この受入流体cに対応する払出流体dを任意の受入設備に払い出したことを示している。ここで、払出流体dに対応する受入流体を正順でトレースする場合について説明する。
図21の場合と同様、図23に示すラインでは、受入流体aを受け入れた後に所定時間経過してから受入流体cを受け入れているため、払出流体dの払出開始時刻t2から正順トレース開始遅延時間だけ遡った時刻t1の間には、受入流体が存在しない。このような場合、図23に示すラインは滞留がないと設定しているので、受入流体aの受け入れを終了した後から受入流体cの受け入れを開始するまでには、ライン内には何の受入流体も存在しないと考える。したがって、正順トレース検索範囲は、払出流体dの払出開始時刻t2から正順トレース開始遅延時間だけ遡った時刻t1から、払出流体dの払出終了時刻t4から正順トレース終了遅延時間だけ遡った時刻t3までとなる。
図24に示す滞留なしラインは、任意の払出設備から受入流体aを受け入れ、この受入流体aに対応する払出流体bを任意の受入設備に払い出し、所定の時間の経過後、任意の払出設備から受入流体cを受け入れ、この受入流体cに対応する払出流体dを任意の受入設備に払い出したことを示している。ここで、受入流体aに対応する払出流体を逆順でトレースする場合について説明する。
図22の場合と同様、図24に示すラインでは、受入流体aを受け入れた後に所定時間経過してから受入流体cを受け入れているため、受入流体aの受入終了時刻t3から逆順トレース終了遅延時間だけ経過した時刻t4の間には、払出流体が存在しない。このような場合、図24に示すラインは滞留がないと設定しているので、受入流体aの受け入れを終了した後から受入流体cの受け入れを開始するまでには、ライン内には何の受入流体も存在しないと考える。したがって、逆順トレース検索範囲は、受入流体aの受入開始時刻t1から逆順トレース開始遅延時間だけ経過した時刻t2から、受入流体aの受入終了時刻t3から逆順トレース終了遅延時間だけ経過した時刻t4までとなる。
このように本実施の形態によれば、ラインについて滞留がある場合と滞留がない場合の2つのライン属性モードを設けることにより、ラインの性格やトレースの目的に応じて滞留に対応したトレースを行うことが可能となるので、より正確なトレースを実現することができる。
以上、図14〜24を参照して説明したように、本実施の形態によれば、(1)ロットを区切りとして空モードまたは洗浄モードの何れかのロット検索モードを選択し、(2)ラインの遅延時間設定に基づいた検索において、標準的な検索を行う通常モード、または、より厳密な検索を行う高精度モードかの何れかのライン検索モードを選択し、(3)ライン内の流体の滞留を考慮するか否かのライン属性モードの選択を行う。これにより、本実施の形態では、それぞれの検索モードやライン設定を検索時に個別に設定してトレースすることができるので、目的に応じたより正確なトレースを実現することが可能となる。
次に、上述したトレースの方向、検索モード、ラインの設定等の各設定に応じて行われるトレースの具体例について、図25、26を参照して説明する。図25は、トレースを行う設備モデルの模式図、図26は、図27に示す設備モデルの移送イメージの模式図である。
ここで、図25に示すモデル化された設備は、乳製品製造プラントを想定している。
図25中の矢印1〜10の処理は、それぞれ図26の移送イメージ中の縦の列1〜10に対応する。便宜上、図14中の矢印1〜10の処理およびこれに対応する図26の列1〜10の処理を、それぞれ第1〜第10の処理という。以下に第1〜第10の処理の説明を行う。
第1の処理は、配乳タンクT1に貯留されている生乳を、ラインL1を経由して殺菌機の手前にある水抜きN1へ移送する処理である。この処理では、ラインL1内に滞留しているラインL1の洗浄などに用いられた水等を、水抜きN1から排出する。
第2の処理は、配乳タンクT1に貯留されている生乳を、ラインL1およびラインL2を経由して水抜きN2へ移送する処理である。この処理では、ラインL1およびラインL2内に滞留しているラインL1やラインL2の洗浄などに用いられた水等を、水抜きN2から排出する。
第3の処理は、配乳タンクT1に貯留されている生乳を、ラインL1およびラインL2を経由して調整乳タンクI1に移送する処理である。この処理では、ラインL1およびラインL2内に滞留している生乳混じりの水を、調整乳タンクI1に排出する。
第4の処理は、配乳タンクT1に貯留されている生乳を、ラインL1およびラインL2を経由してサージタンクT3に移送する処理である。この処理では、配乳タンクT1に貯留されている生乳を殺菌機により殺菌してサージタンクT3に貯留する。
第5の処理は、配乳タンクT2に貯留されている生乳を、サージタンクT3へ移送する処理である。この処理では、サージタンクT3へ移送する配乳タンクがT1からT2に切り替わり、この配乳タンクT2に貯留されている生乳を殺菌機により殺菌してサージタンクT3に貯留する。
第6の処理は、配乳タンクT2に貯留されている生乳を、ラインL1およびラインL2を経由してサージタンクT4へ移送する処理である。この処理では、配乳タンクT2の生乳を移送するサージタンクをT3からT4に切り替え、配乳タンクT2に貯留されている生乳を殺菌機により殺菌してサージタンクT4に貯留する。
第7の処理は、水W1の水を、ラインL1およびラインL2を経由してサージタンクT4に移送する処理である。この処理では、ラインL1に滞留している生乳を、水W1からの水で水押ししてサージタンクT4に送出する。
第8の処理は、水W2の水を、ラインL2を経由してサージタンクT4に移送する処理である。この処理では、ラインL2に滞留している生乳を水W2からの水で水押ししてサージタンクT4に送出する。
第9の処理は、水W2の水を、ラインL2を経由して調整乳タンクI1へ移送する処理である。この処理では、ラインL2に滞留している生乳混じりの水を、水W2からの水で水押しして調整乳タンクI1に送出する。
第10の処理は、水W2の水を、ラインL2を経由して水抜きN2へ移送する。この処理では、水W2からの水でラインL2を洗浄する。
第1〜第10の処理に基づいて図26に示すような移送イメージが作成されたとする。ここで、サージタンクT4の貯留物について正順のトレースを行うと、範囲aに対応する部分からサージタンクT4の貯留物が生成されていることが分かる。すなわち、サージタンクT4の貯留物は、配乳タンクT1の時刻t1から時刻t2の間に払い出された成分と、配乳タンクT2の時刻t2から時刻t4の間に払い出された成分とから構成されている。
このように、本実施の形態によれば、指定された対象物についてトレースを行うと、その対象物が何から構成されているかをより正確に検出することができる。
次に、図27〜図29を参照して、本実施の形態にかかる履歴管理システム1によるトレースの動作について説明する。図27は、履歴管理システム1の正順トレースの動作を示すフローチャート、図28は、移送履歴の具体例の模式図、図29は、検索結果の具体例の模式図である。
履歴管理システム1において、トレースは管理装置10により行われる。図3や図28に示すような移送履歴や図14に示すような移送イメージを表示装置に表示し、この表示に基づいて任意のプロセス機器等のトレースを行う対象の指定と各モードの設定をユーザが入力装置を介して行うと、管理装置10は、表示装置に表示した移送イメージやこの移送イメージを作成するのに用いた移送履歴に基づいて、トレースを行う。
入力装置が、トレース対象の指定、各モードの設定を検出すると(ステップS11)、管理装置10は、その対象に流体を払い出した設備を検索する(ステップS12)。
ここで、各モードとは、ロットを区切りとして空モードか洗浄モードかを指定するロット検索モード、ラインの遅延時間設定を基にした検索における検索対象範囲を通常とするか高精度とするかを指定するライン検索モード、ライン内の流体の滞留を考慮するか否かを指定するライン属性モードなどを言う。
払出設備がプロセス機器の場合(ステップS12:プロセス機器)、管理装置10は、そのプロセス機器で洗浄が行われた時刻、または、そのプロセス機器が空になった時刻を検索する(ステップS13)。ここで、洗浄または空になった時刻が検出されると、管理装置10は、そのプロセス機器の移送履歴を検索し(ステップS14)、洗浄または空になった時刻と、設定された検索モードと、検出した移送履歴に基づいてプロセス機器に貯留された流体を検出し、トレースを行う(ステップS15)。
払出設備がラインの場合(ステップS12:ライン)、管理装置10は、そのラインの移送履歴と遅延時間の設定値を検索する(ステップS21)。なお、この遅延時間、すなわち正順トレース開始遅延時間および正順トレース終了遅延時間は、ライン毎に予め設定されている。
続いて、管理装置10は、当該ラインが滞留ありと設定されている場合(ステップS22:YES)、次の払出設備の移送履歴を検索し(ステップS23)、この履歴と当該ラインの移送履歴および遅延時間とに基づいてトレースを行う(ステップS15)。
当該ラインが滞留なしと設定されている場合(ステップS22:NO)、管理装置10は、当該ラインの移送履歴および遅延時間に基づいてトレースを行う(ステップS15)。
ステップS15においてトレースを行った払出設備が終端の設備ではない場合(ステップS16:NO)、管理装置10は、ステップS12の処理に戻る。
ステップS15においてトレースを行った払出設備が終端の設備の場合(ステップS16:YES)、管理装置10は、ユーザにより指定された対象のトレース結果を表示装置に表示する(ステップS17)。例えば、図29に示すような検索結果を表示するようにしてもよい。
図29において、符号aで示す部分は、検索する対象物が示される。
また、符号bで示す部分は、検索経過を示す。この検索経過はツリー構造として表示されている。
また、符号cで示す部分は、検索結果を示す。検索の対象物が何から構成されているかが表示されている。
図29のように検索結果を表示することにより、ユーザはトレースの結果を容易に理解することが可能となる。
本発明の履歴管理方法を適用した履歴管理システムの構成を示す図である。 設備モデルの1構成例を示す模式図である。 図2の設備モデルの移送履歴の模式図である。 図2の設備モデルの移送イメージの模式図である。 複数のラインを経由して流体の移送を行う設備モデルの1構成例を示す模式図である。 図5の設備モデルの移送履歴の模式図である。 図5の設備モデルの移送イメージの模式図である。 受入設備となるタンクの切り替えがある設備モデルの1構成例を示す模式図である。 図8の設備モデルの移送履歴の模式図である。 図8の設備モデルの移送イメージの模式図である。 複数のラインを経由し、かつ、払い出し先タンクの切り替えがある設備モデルの1構成例を示す模式図である。 図11の設備モデルの移送履歴の模式図である。 図11の設備モデルの移送イメージの模式図である。 トレースの方向を説明するための移送イメージの模式図である。 検索モードを説明するための移送イメージの一例である。 (a)移送開始時の模式図、(b)移送中の模式図である。 正順のラインのトレースを説明する移送イメージの模式図である。 逆順のラインのトレースを説明する移送イメージの模式図である。 遅延時間の設定方法を説明するための移送イメージの模式図である。 正順開始設定差の設定方法を説明するための移送イメージの模式図である。 滞留ありのラインの正順トレース検索範囲を説明するための移送イメージの模式図である。 滞留ありのラインの逆順トレース検索範囲を説明するための移送イメージの模式図である。 滞留なしのラインの正順トレース検索範囲を説明するための移送イメージの模式図である。 滞留なしのラインの逆順トレース検索範囲を説明するための移送イメージの模式図である。 トレースを行う設備モデルの模式図である。 図26の設備モデルの移送イメージの模式図である。 履歴管理システム1の正順トレースの動作を示すフローチャートである。 移送履歴の具体例の模式図である。 検索結果の具体例の模式図である
符号の説明
1…履歴管理システム、10…管理装置、20…サーバ、30…コントローラ、40…通信回線、T1〜T6,T11,T12,T21,T22…タンク、L1,L2,L10,L20…ライン、W1,W2…水、N1,N2…水抜き、I1,I2…調整乳タンク、

Claims (12)

  1. 設備を構成する要素間を移送される流体の処理の履歴から任意の流体に関する処理の履歴を検索するトレース方法であって、
    第1の要素から第2の要素へ前記流体の移送を開始した時刻および終了した時刻を前記第1および第2の要素と関連づけた移送履歴に基づいて前記任意の流体に関する処理の履歴を検索する
    ことを特徴とするトレース方法。
  2. 前記要素は、プロセス機器とラインから構成され、
    前記プロセス機器間の流体の移送は、少なくとも1つの前記ラインを介して行われる
    ことを特徴とする請求項1記載のトレース方法。
  3. 前記ラインに受け入れられた流体が前記ラインから払い出されるまでの時間に関する遅延時間を設定し、
    前記遅延時間に基づいて前記任意の流体が前記ラインに受け入れられた時刻および前記ラインから払い出された時刻のうち少なくとも一方を算出する
    ことを特徴とする請求項2記載のトレース方法。
  4. 前記プロセス機器が洗浄された時刻を区切りとする洗浄モード、または、前記プロセス機器が空になった時刻を区切りとする空モードの何れか一方を選択して前記任意の流体に関する処理の履歴を検索する
    ことを特徴とする請求項2または3記載のトレース方法。
  5. 前記ラインに受け入れられた受入流体と前記ラインから払い出された払出流体とが対応しない場合、
    前記受入流体または前記払出流体の前後に前記ラインに受け入れられた流体または前記ラインから払い出された流体を検索する滞留ありモード、または、前記前記受入流体または前記払出流体に対応する流体を検索しない滞留なしモードの何れか一方を選択して前記任意の流体に関する処理の履歴を検索する
    ことを特徴とする請求項3記載のトレース方法。
  6. 前記ラインに受け入れられた流体または前記ラインから払い出された流体の検索範囲が、所定の範囲に前記遅延時間が設定された通常モード、または、前記所定の範囲より広くなるよう前記遅延時間が設定された高精度モードの何れか一方を選択して前記任意の流体に関する処理の履歴を検索する
    ことを特徴とする請求項3記載のトレース方法。
  7. 設備を構成する要素間を移送される流体の処理の履歴から任意の流体に関する処理の履歴を検索するトレース装置であって、
    第1の要素から第2の要素へ前記流体の移送を開始した時刻および終了した時刻を前記第1および第2の要素と関連づけた移送履歴に基づいて前記任意の流体に関する処理の履歴を検索する検索手段を有する
    ことを特徴とするトレース装置。
  8. 前記要素は、プロセス機器とラインから構成され、
    前記プロセス機器間の流体の移送は、少なくとも1つの前記ラインを介して行われる
    ことを特徴とする請求項7記載のトレース装置。
  9. 前記ラインに受け入れられた流体が前記ラインから払い出されるまでの時間に関する遅延時間を設定する設定手段をさらに備え、
    前記検索手段は、前記遅延時間に基づいて前記任意の流体が前記ラインに受け入れられた時刻および前記ラインから払い出された時刻のうち少なくとも一方を算出する
    ことを特徴とする請求項8記載のトレース装置。
  10. 前記検索手段は、前記プロセス機器が洗浄された時刻を区切りとする洗浄モードまたは前記プロセス機器が空になった時刻を区切りとする空モードの何れか一方を選択して前記任意の流体に関する処理の履歴を検索する
    ことを特徴とする請求項8または9記載のトレース装置。
  11. 前記検索手段は、
    前記ラインに受け入れられた受入流体と前記ラインから払い出された払出流体とが対応しない場合、
    前記受入流体または前記払出流体の前後に前記ラインに受け入れられた流体または前記ラインから払い出された流体を検索する滞留ありモード、または、前記前記受入流体または前記払出流体に対応する流体を検索しない滞留なしモードの何れか一方を選択して前記任意の流体に関する処理の履歴を検索する
    ことを特徴とする請求項9記載のトレース装置。
  12. 前記検索手段は、前記ラインに受け入れられた流体または前記ラインから払い出された流体の検索範囲が、所定の範囲に前記遅延時間が設定された通常モード、または、前記所定の範囲より広くなるよう前記遅延時間が設定された高精度モードの何れか一方を選択して前記任意の流体に関する処理の履歴を検索する
    ことを特徴とする請求項9記載のトレース方法。
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