JP2005292575A - 光反射板 - Google Patents

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修 鈴木
Yoshiyuki Yoshimune
良幸 能宗
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Abstract

【課題】 合成樹脂製の反射板を立体的な形状に加工した光反射板の変形を良好に防止することができ、また、変形しやすい折り曲げ箇所が生じ、この折り曲げ箇所が変形して光反射板全体が反るようなことを防ぐことができる技術を提供する。
【解決手段】 光を反射するプラスチックのフィルムまたはシート2に、切断部または凹部を直線に沿って連続的もしくは間欠的に形成した折り曲げ線の複数本6a、6bを互いに近接させて平行に配置することにより、フィルムまたはシートに折り曲げ帯域6を形成する。そして、この折り曲げ帯域に沿ってフィルムまたはシートを折り曲げる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電飾看板、液晶表示装置、照明器具などのバックライトや照明ボックスを、より明るく、より薄型化して、効率的に発光させるための立体的な光反射板に関する。
従来、電飾看板、液晶表示装置、照明器具などに使用される光反射板として、合成樹脂製の反射板を立体的な形状に加工した光反射板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−122863号公報
前述した合成樹脂製の反射板を立体的な形状に加工した光反射板は、成形時のひずみや成形後の収縮により作製後に変形が引き起こされる。そこで、上記光反射板の変形を防止する手段として、本発明者は、光反射板に形状保持用の粘接着テープを貼り付けることを提案した。この光反射板では、粘接着テープの作用によって変形を防止し、その形状を保持する。
しかし、後述するように、上述した形状保持用の粘接着テープを貼り付けた光反射板は、光反射板の形状によっては変形しやすい箇所が生じることがあり、そのため上記変形しやすい箇所が変形して光反射板全体が反ることがあった。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたもので、合成樹脂製の反射板を立体的な形状に加工した光反射板の変形を良好に防止することができ、また、変形しやすい箇所が生じ、この変形しやすい箇所が変形して光反射板全体が反るようなことを防ぐことができる技術を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するため、光を反射するプラスチックのフィルムまたはシートを立体的な形状に加工した光反射板であって、前記フィルムまたはシートは、切断部または凹部を直線に沿って連続的もしくは間欠的に形成した折り曲げ線の複数本を互いに近接させて平行に配置してなる折り曲げ帯域を有し、該折り曲げ帯域に沿って前記フィルムまたはシートが折り曲げられていることを特徴とする光反射板を提供する。
上述した折り曲げ帯域に沿ってフィルムまたはシートを折り曲げた場合、この折り曲げ帯域には複数本の折り曲げ線が存在し、各折り曲げ線に沿ってフィルムまたはシートが少しずつ折り曲げられるため、1つの折り曲げ線に加わるひずみや収縮が緩和され、その結果、折り曲げ帯域に沿って折り曲げられた折り曲げ箇所の変形が効果的に防止される。したがって、本発明では、折り曲げ箇所のすべて、あるいは変形しやすい箇所を上記折り曲げ帯域によって形成することにより、光反射板の変形を良好に防止することができる。
本発明において、光を反射するプラスチックのフィルムまたはシートの材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビフェニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコールなどの汎用樹脂、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、超高分子量ポリエチレン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、液晶ポリマー、フッ素樹脂などのエンジニアリングプラスチック、またはこれらの共重合体もしくは混合物などが挙げられる。これらのうちでも、耐熱性、耐衝撃性などが良好であることから、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリプロピレン、シクロポリオレフィンが好ましい。なお、上記光を反射するプラスチックのフィルムまたはシートに用いられる樹脂中には、酸化防止剤、紫外線防止剤、滑剤、顔料、強化剤などを適宜添加することができる。また、これらの添加剤を含有した塗布層を塗布して形成してもよい。
より具体的には、光を反射するプラスチックのフィルムまたはシートの好ましい例として、内部に平均気泡径が50μm以下の微細な気泡もしくは気孔を多数有する熱可塑性樹脂のフィルムまたはシートや、フィラーを含有する熱可塑性樹脂のフィルムまたはシートであって、フィラーを核として多数のボイドが形成されているフィルムまたはシートが挙げられる。この場合、後者のフィルムまたはシートにおいて、フィラーを含有する熱可塑性樹脂のフィルムまたはシートは、フィラーを含有する未延伸フィルムまたはシートを成形し、この未廷伸フィルムまたはシートを延伸することにより、フィラーを核として多数のボイドを形成した多孔性延伸フィルムまたはシートであることが好ましい。
本発明では、光を反射するプラスチックのフィルムまたはシートを立体的な形状に形成するに当たり、切断部または凹部を直線に沿って連続的もしくは間欠的に形成した折り曲げ線の複数本を互いに近接させて平行に配置してなる折り曲げ帯域をフィルムまたはシートに設け、この折り曲げ帯域に沿ってフィルムまたはシートを折り曲げる。この場合、上記切断部としては、例えば、フィルムまたはシートの片側表面から反対側表面へ貫通する幅の狭い切り込みを挙げることができる。また、上記凹部としては、例えば、フィルムまたはシートに切削加工あるいは押圧加工によって形成した凹部を挙げることができる。折り曲げ帯域の複数の折り曲げ線は、例えば、切断部を直線に沿って間欠的に形成した折り曲げ線、凹部を直線に沿って連続的に形成した折り曲げ線、凹部を直線に沿って間欠的に形成した折り曲げ線などを適宜組み合わせることができる。また、1本の折り曲げ線の中で切断部と凹部を組み合わせてもよい。1つの折り曲げ帯域における折り曲げ線の本数に限定はないが、通常は2〜4本程度である。
また、本発明では、後述する実施形態に示すように、光反射板に山形突起を設け、この山形突起の裾部分の折り曲げ箇所を前述した折り曲げ帯域を用いて形成するとともに、光反射板に形状保持用の粘接着テープ貼り付ける構成とすることができる。この場合、粘接着テープ12の基材の材質としては、立体的な形状に加工された光反射板の変形を防止することができる力学特性を有しているものが好ましい。さらに、粘接着テープの基材の材質としては、130℃の耐熱性を有することが望ましい。粘接着テープの基材の材質に限定はないが、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、シクロポリオレフィン、ポリアミド、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリメチルペンテン、液晶ポリマー等が挙げられる。これらのうちでも、耐熱性、耐衝撃性などが良好であることから、ポリエステル、ポリプロピレンまたはシクロポリオレフィンが特に好ましい。さらに、粘接着テープは無色あるいは白色であることが好ましい。粘接着テープが他の色に着色されていると、光反射板を液晶表示装置に使用したときに、色目が画面に出てしまうことがある。なお、粘接着テープの粘接着剤の材質は上記の点を考慮して適宜選定することができる。
本発明によれば、合成樹脂製の反射板を立体的な形状に加工した光反射板の変形を良好に防止することができ、また、変形しやすい箇所が生じて光反射板全体が反るようなことを防ぐことができる。
次に、図面を参照して本発明に係る光反射板の一例を示すが、本発明は下記例に限定されるものではない。熱可塑性ポリエステルの押出シートに炭酸ガスを高圧下で含浸させた後、加熱し発泡させたシートで、厚さが1mmで内部の気泡径が50μm以下である発泡プラスチック製光反射シートがある(例えば古河電気工業製のMCPET(登録商標)等)。また、厚さが0.5mmで内部の気泡径が50μm以下であるシクロポリオレフィンからなる発泡プラスチック製光反射フィルムがある。これらの光反射シートやフィルムを液晶表示装置のバックライト用反射板として組み込む場合に、バックライトの光源(例えば蛍光灯)の後ろ側の立体的な光反射板を製造する例として以下の例を挙げる。
図1に示すように、平均気泡径が50μm以下で厚さが1mmの約4倍に発泡したポリエチレンテレフタレートの発泡シート2(前記のMCPET)に、帯刃状のプレス抜き刃を用いて、直線状のミシン目4を形成するとともに、各ミシン目4の両側に折り曲げ帯域6を形成した。折り曲げ帯域6は、長さの長い切断部を直線に沿って間欠的に形成した折り曲げ線6aの両側に、長さの短い切断部を直線に沿って間欠的に形成した折り曲げ線6b、6bを配置したものである。
その後、図2に示すように、直線の山形状になるように発泡シート2をミシン目4および折り曲げ帯域6で山谷に折り曲げて光反射板8を得た。折り曲げる山形状のピッチは、図3に示すように、バックライトの光源10のピッチpに合わせて、山の頂上部が光源10間のほぼ中間位置p/2になるよう設計した。折り曲げ加工は金型を使用せず、山谷の形状に沿った形の冶具を使って一山ずつ折り曲げた。
次に、図2〜図4に示すように、光反射板8の裏面(光源10側と反対側の面)に、ミシン目4および折り曲げ帯域6と直交する3本の粘接着テープ12を、光反射板8の幅方向一端部から他端部にかけて所定間隔を開けて貼り付けた。この場合、粘接着テープ12は、張力をかけずにたるまないように光反射板8に貼り付けた。
本例の光反射板では、山形突起14の頂上部分の折り曲げ箇所の形状(具体的には図3の角度A)は粘接着テープ12によって保持されるものの、裾部分の折り曲げ箇所の形状(具体的には図3の角度B)は粘接着テープ12によって保持されないため、角度Bがひずみや収縮によって変化した場合、光反射板全体が反ってしまう。そこで、本例の光反射板では、山形突起14の裾部分の折り曲げ箇所を折り曲げ帯域6によって形成することにより、上記折り曲げ箇所の角度Bがひずみや収縮によって変化することを防ぎ、光反射板全体が反ることを防止している。
なお、折り曲げ帯域の構成は上記例に限れるものではなく、例えば図5に示す構成とすることができる。図5(a)は長さの長い切断部を直線に沿って間欠的に形成した折り曲げ線20aの両側に、長さの短い凹部を直線に沿って間欠的に形成した折り曲げ線20b、20bを配置したもの、(b)は凹部を直線に沿って間欠的に形成した折り曲げ線21aの両側に、ほぼ同じ長さの切断部を直線に沿って間欠的に形成した折り曲げ線21b、21bを配置したもの、(c)は長さの長い切断部を直線に沿って間欠的に形成した折り曲げ線22aの両側に、長さの短い凹部を直線に沿って間欠的に形成した折り曲げ線22b、22bを配置し、さらにその両側に長さの短い凹部を直線に沿って間欠的に形成した折り曲げ線22c、22cを配置したもの、(d)は切断部を直線に沿って間欠的に形成した折り曲げ線23aを2本平行に配置したもの、(e)は凹部を直線に沿って連続的に形成した折り曲げ線24aを2本平行に配置したもの、(f)は切断部を直線に沿って間欠的に形成した折り曲げ線25aの両側に、凹部を直線に沿って連続的に形成した折り曲げ線25b、25bを配置したものである。
また、上記例では3本の粘接着テープを反射板の幅方向一端部から他端部にかけて所定間隔を開けて貼り付けたが、粘接着テープの本数や貼り付け態様は適宜設定することができる。
シートの折り曲げ前の加工状態を示す図である。 図1のシートを用いた光反射板の斜視図である。 図2の光反射板の側面形状と蛍光灯の位置を示す図である。 図2の光反射板の裏面図である。 折り曲げ帯域の構成例を示す図である。
符号の説明
2 発泡シート
4 ミシン目
6 折り曲げ帯域
8 光反射板
12 粘接着テープ
14 山形突起

Claims (4)

  1. 光を反射するプラスチックのフィルムまたはシートを立体的な形状に加工した光反射板であって、前記フィルムまたはシートは、切断部または凹部を直線に沿って連続的もしくは間欠的に形成した折り曲げ線の複数本を互いに近接させて平行に配置してなる折り曲げ帯域を有し、該折り曲げ帯域に沿って前記フィルムまたはシートが折り曲げられていることを特徴とする光反射板。
  2. 前記光を反射するプラスチックのフィルムまたはシートは、内部に平均気泡径が50μm以下の微細な気泡もしくは気孔を多数有する熱可塑性樹脂のフィルムまたはシートであることを特徴とする請求項1に記載の光反射板。
  3. 前記光を反射するプラスチックのフィルムまたはシートは、フィラーを含有する熱可塑性樹脂のフィルムまたはシートであって、前記フィラーを核として多数のボイドが形成されているフィルムまたはシートであることを特徴とする請求項1に記載の光反射板。
  4. 前記光反射板は山形突起を有し、該山形突起の裾部分の折り曲げ箇所は、前記フィルムまたはシートを前記折り曲げ帯域に沿って折り曲げることにより形成されているとともに、該光反射板に形状保持用の粘接着テープが貼り付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光反射板。
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