JP2005291857A - 超音波距離計 - Google Patents

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Abstract

【課題】計測値のばらつきを低減して距離を高精度に検出することができる超音波距離計を得る。
【解決手段】超音波センサ1から送信された超音波5を再び前記超音波センサ1により受信したときの遅延時間または位相を計測し、対象物と前記超音波センサ1との距離を求める超音波距離計であって、前記超音波センサ1で受信した信号から遅延時間または位相を計測する信号処理部2と、前記遅延時間または前記位相の計測値に移動平均処理を施す移動平均処理部3とを設けた。
【選択図】図1

Description

この発明は、計測値に対して移動平均処理もしくは加重移動平均処理を行い、計測値のばらつきを低減して検出精度を向上した超音波距離計に関するものである。
従来の超音波傾斜計は、液体を蓄える容器の底面に直線上に3個の超音波センサが設けられており、中央に位置する送信用超音波センサから送信された超音波が液面に向けて送信され、この送信用超音波センサより送信され、液面で反射した超音波を受信用超音波センサが受信する受信タイミングの時間差を検出するものである(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の変位計測装置は、送信用超音波センサ2からの送信信号を基準とすると、受信用超音波センサ3、4での受信信号と送信信号との位相差はφ1、φ2となる。この位相差φ1、φ2は送信用超音波センサ2と受信用超音波センサ3、4間の距離により変化するので、この変化を計測することで岩石1の微小な傾きを検出することができる(例えば、特許文献2参照)。
特開平4−151508号公報(第1頁、第1図) 特開平10−20017号公報(第1頁、図1)
上述したような従来の超音波傾斜計を利用し、測定対象の傾斜を計測する場合、気温、湿度、気圧、風、降雨、降雪、霧などの環境条件が超音波の伝搬に影響を及ぼすため、測定対象が同じものであっても、測定結果には、ばらつきが生じる場合がある。特に、測定対象が移動する場合や、超音波傾斜計自体が移動する場合、送信信号、受信信号ともに、環境からの影響を受けやすく、測定結果のばらつきが大きくなるという問題点があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、計測値のばらつきを低減して距離を高精度に検出することができる超音波距離計を得るものである。
この発明に係る超音波距離計は、超音波センサから送信された超音波を再び前記超音波センサにより受信したときの遅延時間または位相を計測し、対象物と前記超音波センサとの距離を求める超音波距離計であって、前記超音波センサで受信した信号から遅延時間または位相を計測する信号処理部と、前記遅延時間または前記位相の計測値に移動平均処理を施す移動平均処理部とを設けたものである。
この発明に係る超音波距離計は、計測値のばらつきを低減して距離を高精度に検出することができるという効果を奏する。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る超音波距離計について図1から図6までを参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る超音波距離計の構成を示す図である。なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1において、この実施の形態1に係る超音波距離計は、超音波5を送信、受信する超音波センサ1と、この超音波センサ1で受信した信号から遅延時間または位相を求める信号処理部2と、超音波センサ1で受信した信号の遅延時間または位相の計測値に移動平均処理を施す移動平均処理部3と、移動平均を施した超音波センサ1での遅延時間または位相から超音波センサ1と測定対象物との距離を出力する距離出力部4とが設けられている。
この実施の形態1に係る超音波距離計は、超音波センサ1から対象物へ向け超音波5を送信し、対象物によって反射された超音波5を再び超音波センサ1で受信することで、受信時の遅延時間または位相から超音波センサ1と対象物との距離を求めるものである。
なお、超音波は、人間の耳に聞こえない程度に高い周波数の音波や弾性波を示す言葉として一般的に使用されているが、この明細書では、周波数は特に規定しないものとする。すなわち、この明細書における「超音波」という文言には、人間の耳で聞こえる周波数の上限よりも高い周波数の音波や弾性波に限らず、この上限よりも低い周波数の音波や弾性波も含めた波という意味を含んでおり、人間の耳で聞こえる周波数の下限よりも低い周波数の音波や弾性波という意味も含むものとする。
つぎに、この実施の形態1に係る超音波距離計の動作について図面を参照しながら説明する。図2は、この発明の実施の形態1に係る超音波距離計における超音波の遅延時間または位相から超音波センサと対象物との距離を求める方法を説明する図である。
ここでは、超音波距離計は移動体に設置されているものとする。図1では示していないが、超音波センサ1は電源に電気的に接続されており、電気信号が与えられることにより振動して、超音波5を発生する。この超音波5は、移動体が移動する床面などの測定対象物により反射されて、超音波センサ1で受信され、それぞれ再び電気信号へと変換される。
なお、超音波センサ1は、送信センサと受信センサ一体のものとしているが、これに限定されるものではなく、超音波5の送信のみを行う送信センサと受信のみを行う受信センサが1組となった、送信センサと受信センサが別体のものを設けてもよい。
図2に示すように、超音波センサ1からほぼ鉛直方向に送信された超音波5は、測定対象物6で反射され、再び超音波センサ1へと到達する。超音波センサ1と測定対象物6間の距離をl(小文字のエル)、超音波の伝搬速度をvとすると、超音波センサ1で送信された超音波5が測定対象物6で反射され、再び超音波センサ1で受信されるまでの遅延時間τは、次の式(1)で表すことができる。
Figure 2005291857
よって、遅延時間τを計測することで、超音波センサ1と測定対象物6との距離lを求めることができる。
なお、位相をφ、周波数をfとすると、遅延時間τと位相φとは、次の式(2)の関係があり、実質的に遅延時間と同じである。
Figure 2005291857
したがって、以下では、遅延時間についてのみ述べるが、位相に関しても本発明を適用することが可能である。
上記の超音波距離計を複数利用し、複数個の超音波センサ1での距離差を求めることで、測定対象物6と超音波センサ1との傾斜角度を求めることでき、超音波傾斜計を実現することができる。超音波傾斜計において、距離誤差は傾斜角度誤差に大きく影響するため、距離誤差が抑圧できる本発明は特に有効である。よって、以下に超音波距離計を超音波傾斜計に利用した場合について説明する。
図3は、この発明の実施の形態1に係る超音波距離計を用いた超音波傾斜計の構成を示す図である。
図3において、この超音波傾斜計は、超音波5(5a、5b)を送信、受信する超音波センサ1(1a、1b)と、超音波センサ1から送信され、床面などの傾斜角度測定対象物で反射し、再び超音波センサ1で受信した信号から遅延時間を求める信号処理部2と、超音波センサ1で受信した信号の遅延時間に移動平均処理を施す移動平均処理部3と、移動平均を施した超音波センサ1での遅延時間から遅延時間差を求める遅延時間差計測部7と、遅延時間差から超音波センサ1と対象物との傾斜角度を出力する傾斜角度出力部8とから構成されている。
つぎに、超音波傾斜計の動作について図面を参照しながら説明する。図4は、超音波傾斜計における超音波の遅延時間差から対象物と超音波センサの傾斜角度を求める方法を説明する図である。
ここでは、超音波傾斜計は移動体に設置されているものとする。図3では示していないが、超音波センサ1は電源に電気的に接続されており、電気信号が与えられることにより振動して、超音波5を発生する。この超音波5は、移動体が移動する床面などの測定対象物により反射され、超音波センサ1で受信され、それぞれ再び電気信号へと変換される。超音波センサ1は、超音波センサ1aおよび1bを結ぶ直線が移動の進行方向に対して平行となるように設置されている。
なお、超音波センサ1a、1bは送信センサと受信センサ一体のものとしているが、これに限定されるものではなく、進行方向に対して垂直な方向へ超音波の送信のみを行う送信センサと受信のみを行う受信センサが1組となった、送信センサと受信センサが別体のものを前後に2組以上設けてもよい。
超音波センサ1aからほぼ鉛直方向に送信された超音波5aは、角度θ傾斜した測定対象物6で反射され、再び超音波センサ1aへと到達する。同様に、超音波センサ1bからほぼ鉛直方向に送信された超音波5bは測定対象物6で反射され、再び超音波センサ1bへと到達する。超音波センサ1aと測定対象物6間の距離をl、超音波センサ1bと測定対象物6間の距離をlとし、超音波の伝搬速度をvとすると、超音波センサ1aで送信された超音波5aが測定対象物6で反射され、再び超音波センサ1aで受信されるまでの遅延時間τは、次の式(3)で表すことができる。
Figure 2005291857
同様にして、超音波センサ1bで送信された超音波5bが測定対象物6で反射され再び超音波センサ1bで受信されるまでの遅延時間τは、次の式(4)で表すことができる。
Figure 2005291857
超音波センサ1aと超音波センサ1bから超音波5a、5bが同時刻に送信されたとすると、超音波センサ1aと超音波センサ1bでの遅延時間差Δτは、次の式(5)で表すことができる。
Figure 2005291857
超音波センサ1aと超音波センサ1b間の距離をwとすると、超音波センサ1aないし1bと測定対象物6との傾斜角度θは、次の式(6)で表すことができる。
Figure 2005291857
したがって、超音波センサ1a、1bでの遅延時間差Δτを検出することにより超音波センサ1と測定対象物6の傾斜角度θを計測することができる。
超音波センサ1で受信された受信信号は、信号処理部2で遅延時間が求められる。今、超音波傾斜計が設置されている移動体が床面上を任意の速度で移動しているとする。この移動にともなう移動体の揺れや振動、床面上に存在する細かな凹凸、傾斜計周辺の温度分布や風、測定系の雑音等により、超音波センサ1から送信された超音波5は影響をうけるため、遅延時間の瞬時値には誤差となる雑音が重畳される。よって、上記雑音が重畳した遅延時間から遅延時間差を求め、さらに傾斜角度を求めると、得られる傾斜角度にも誤差が生じ、傾斜角度計測結果はばらつきが大きくなり、検出精度が低下する。
上記の誤差の影響による計測結果のばらつきを低減するために、この実施の形態1では、任意の時間に複数回計測された遅延時間に対して、移動平均処理部3で移動平均処理が施され、遅延時間(−)τおよび(−)τが求められる。さらに、遅延時間差計測部7において、上記移動平均処理が施された遅延時間(−)τおよび(−)τから遅延時間差(−)Δτが求められる。なお、例えば(−)τは、τの上にオーバーライン(−)が付されていることを表わす。
ここで移動平均について説明を加える。一般に、不規則に変動する合成波は、大きな周期をもつ変動成分、短い周期をもつ変動成分と、周期および振幅がランダムに変動する成分の三つからなっていると考えることができる。このような不規則合成変動の中から、ランダム変動や短周期変動を除き、長周期成分変動をみる方法が移動平均法である。
図5において、x(t)を不規則に変動する曲線とする。
いま、ある長さLの区間内におけるx(t)の平均値gをとると、平均値gは区間Lにおけるx(t)の代表値である。この区間Lをt軸に沿って移動させ、その移動した点ζにおけるx(t)の平均値をそれぞれとって、これらを結ぶと、図の破線のようなカーブが得られる。gはx(t)の区間L内の平均値であるから、カーブg(ζ)はx(t)のカーブより滑らかになる。長さLを適切に選ぶと元変動x(t)の中からある周期成分を除くことができる。
移動平均法について、さらに説明を加える。今、x,x,x,・・・,xが与えられたとすると、上記系列xの代わりにそのxm+1,xm+2,・・・,xn−mに対して、
Figure 2005291857
を対応させる方法が移動平均法である。すなわち、xの値(2m+1)個の平均値をgとし、xの値を1個ずつ、ずらしながら順次gを求めていく方法である。上記移動平均法を用いると、ランダム成分や短周期成分は除かれ、これによって、変動曲線をより滑らかにすることができる。
図6は、超音波センサ1で受信され、信号処理部2で検出される遅延時間の瞬時値を任意の時間に複数回計測した場合の模式図である。
例えば、移動体が任意の速度で移動している場合、信号処理部2での遅延時間τの計測値は、図6のように大きなばらつきを持つ。すなわち、測定対象物6に存在する小さな凹凸、移動にともなう揺れや振動等の雑音成分によって計測値は影響を受け、得られる遅延時間τの計測値は誤差を生じ一定の値とはならない。
この発明の実施の形態1では、遅延時間の計測値に含まれた雑音成分を十分に除去できるように移動平均処理部3で移動平均処理を施し、遅延時間の計測値のばらつきを低減させる。
移動平均処理部3で移動平均を施された超音波センサ1での遅延時間(−)τ、(−)τから求められた遅延時間差(−)Δτは、雑音成分によるばらつきの影響が低減される。上記雑音成分が十分に低減された遅延時間差(−)Δτの信号が傾斜角度出力部8で超音波センサ1と対象物6の傾斜角度へと変換される。したがって、傾斜角度出力部8で出力される傾斜角度は、より正確な傾斜角度となり、傾斜角の検出精度が向上する。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る超音波距離計について図7及び図8を参照しながら説明する。図7は、この発明の実施の形態2に係る超音波距離計の構成を示す図である。
図7において、この実施の形態2に係る超音波距離計は、超音波5を送信、受信する超音波センサ1と、この超音波センサ1で受信した信号から遅延時間または位相を求める信号処理部2と、超音波センサ1で受信した信号の遅延時間または位相に加重移動平均処理を施す加重移動平均処理部9と、加重移動平均を施した超音波センサ1での遅延時間または位相から超音波センサ1と測定対象物との距離を出力する距離出力部4とが設けられている。
この発明の実施の形態2に係る超音波距離計は、上記実施の形態1と同様に、超音波センサ1から対象物へ向け超音波5を送信し、対象物によって反射された超音波5を再び超音波センサ1で受信することで、受信時の遅延時間または位相から超音波センサ1と対象物との距離を求めるものである。
この発明の実施の形態2に係る超音波距離計における超音波の遅延時間または位相から対象物と超音波センサの距離を求める方法は、上記実施の形態1と同じであるので、ここでは説明を省略する。
なお、位相に関しては、上記実施の形態1と同じである。したがって、以下では、遅延時間についてのみ述べるが、位相に関しても本発明を適用することが可能である。
また、上記超音波距離計を複数利用し、複数個の超音波センサでの遅延時間差または位相差から距離差を求め、上記距離差から測定対象物と超音波センサとの傾斜角度を求めることでき、超音波傾斜計を実現することができる。超音波傾斜計において、距離誤差は傾斜角度誤差に大きく影響するため、本発明は特に有効である。よって、以下に超音波距離計を超音波傾斜計に利用した場合について説明する。
図8は、この発明の実施の形態2に係る超音波距離計を用いた超音波傾斜計の構成を示す図である。
図8において、この超音波傾斜計は、超音波5(5a、5b)を送信、受信する超音波センサ1(1a、1b)と、超音波センサ1から送信され、床面などの傾斜角度測定対象物で反射し、再び超音波センサ1で受信した信号から遅延時間を求める信号処理部2と、上記超音波センサ1で受信した信号の遅延時間に加重移動平均処理を施す加重移動平均処理部9と、加重移動平均を施した超音波センサ1の遅延時間から遅延時間差を求める遅延時間差計測部7と、遅延時間差から超音波センサ1と対象物との傾斜角度を出力する傾斜角度出力部8とから構成されている。
つぎに、この超音波傾斜計の動作について図面を参照しながら説明する。
ここでは、超音波傾斜計は移動体に設置されているものとする。図8では示していないが、超音波センサ1は、電源に電気的に接続されており、電気信号が与えられることにより振動して、超音波5を発生する。この超音波5は、移動体が走行する床面などの測定対象物により反射され再び超音波センサ1で受信され、それぞれ電気信号へと変換される。
なお、超音波センサ1は送信センサと受信センサ一体のものとしているが、これに限定されるものではなく、進行方向に対して垂直な方向に超音波の送信のみを行う送信センサと受信のみを行う受信センサが1組となった、送信センサと受信センサが別体のものを前後に2組以上設けてもよい。
この超音波傾斜計における超音波の遅延時間差から対象物と超音波センサの傾斜角度を求める方法は、上記実施の形態1と同じであるので、ここでは説明を省略する。
超音波センサ1(1a、1b)で受信された受信信号は、信号処理部2で遅延時間が求められる。今、超音波傾斜計が設置されている移動体が床面上を任意の速度で移動しているとする。この移動にともなう移動体の揺れや振動、床面上に存在する細かな凹凸、傾斜計周辺の温度分布や風、測定系の雑音等により、超音波センサ1から送信された超音波5は影響をうけるため、遅延時間の瞬時値には誤差となる雑音が重畳される。よって、上記雑音が重畳した遅延時間から遅延時間差を求め、さらに傾斜角度を求めると、得られる傾斜角度にも誤差が生じ、傾斜角度計測結果のばらつきが大きくなり、検出精度が低下する。
上記の誤差の影響を低減するために、この実施の形態2では、任意の時間に複数回計測された遅延時間に対して、加重移動平均処理部9で加重移動平均処理が施され、遅延時間
(=)τおよび(=)τが求められる。さらに、上記加重移動平均処理が施された遅延時間(=)τおよび(=)τから遅延時間差(=)Δτが求められる。なお、例えば(=)τは、τの上にオーバーダブルライン(=)が付されていることを表わす。
ここで加重移動平均について説明を加える。ある変動xについて、第一移動平均を求めると、
Figure 2005291857
となり、このX,X,X,・・・の第一移動平均系列に対して、さらに第二移動平均を施して、
Figure 2005291857
とすると、g系列は、変動xに対して、次の式(10)のような移動平均を施したことになる。
Figure 2005291857
上記のように、gは変動xに対して2回移動平均を施したことになる。このとき、変動xのそれぞれの値には、2、3、4などの重み付けが行われる。上記のような移動平均を加重移動平均と呼び、元変動の長周期成分の形をひずませることなく、短周期成分を消去することができる。
例えば、移動体が任意の速度で移動している場合、図6のように、信号処理部3での遅延時間τの計測値は、大きな変動を持つ。すなわち、測定対象物が同じでも、移動体が移動することで、得られる遅延時間τの計測値には誤差が生じ一定の値とはならない。
この発明の実施の形態2では、遅延時間の計測値に含まれた雑音成分を十分に除去できるように加重移動平均処理部9で加重移動平均処理を施し、遅延時間の計測値のばらつきを低減させる。
加重移動平均処理部9で加重移動平均を施された超音波センサ1での遅延時間(=)τ、(=)τから求められた遅延時間差(=)Δτは、雑音成分によるばらつきが低減される。上記雑音成分が十分に低減された遅延時間差(=)Δτの信号が傾斜角度出力部8で超音波センサ1と対象物の傾斜角度へと変換される。したがって、傾斜角度出力部8で出力される傾斜角度は、より正確な傾斜角度となり、傾斜角の検出精度が向上する。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る超音波距離計について図9から図11までを参照しながら説明する。この発明の実施の形態3に係る超音波距離計の構成は、上記実施の形態1あるいは2と同様である。
この発明の実施の形態3では、移動平均処理部3もしくは加重移動平均処理部9が、上記実施の形態1もしくは2の移動平均処理もしくは加重移動平均処理を施す区間(以下、簡単のため平均処理区間と呼ぶ)を、距離計または傾斜計を設置した移動体の移動速度により変化させることを特徴とする。移動体の移動速度は、移動体に設置された移動速度メータから参照することができる。
例えば、移動体が低速で移動している場合、信号処理部2で検出される遅延時間τまたはτの信号波形は、図9のようになるとする。
一方、移動体が高速で移動している場合、遅延時間τまたはτの信号波形は、図10のように、雑音成分が乗り、短周期のリップルが生じるため、ばらつきが大きくなる。
このように、測定対象物が同じでも、移動体の速度が異なることで、得られる遅延時間の波形が異なる。波形の異なる遅延時間の信号に対して、同じ平均処理区間を設定し、移動平均処理もしくは、加重移動平均処理を施しても、雑音成分を十分に除去することができず、ばらつきを低減できない場合がある。
すなわち、高速で移動している場合には、雑音成分である短周期のリップルが生じ、ばらつきが大きくなる。したがって、平均処理区間を大きく設定することで、ばらつきを低減することができるが、低速で移動している場合にはばらつきは小さく、平均処理区間を大きく設定する必要がない。一方、低速で移動している場合には、ばらつきが小さいため、平均処理区間を小さくしても、十分に雑音成分を除去でき、ばらつきを低減できるが、高速で移動している場合は、ばらつきが大きいため、平均処理区間が小さければ、雑音成分の除去が十分に行えず、ばらつきを低減できない。
さらに、図11を用いて説明を加える。図11は、移動速度と平均処理区間の関係を模式的に表した図である。
図11では、例えば、移動速度vがv1≦v<v2のとき、平均処理区間LはL=L1となることを示している。
図11では、移動速度を4つの区間に分割しているが、分割する区間は4つより少なくても、多くてもよい。また、区間に分割することなく、移動速度の変化とともに平均処理区間を変化させても構わない。
以上のように、移動速度の変化に対して、平均処理区間を変化させることにより、走行条件に適した雑音除去を行うことができる。したがって、平均処理を施し、雑音成分を十分に除去し、ばらつきを低減した遅延時間から遅延時間差を求めることで、ばらつきの小さい遅延時間差を得ることができる。よって、傾斜角度出力部8で出力される傾斜角度の検出精度も向上する。
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係る超音波距離計について図12を参照しながら説明する。この発明の実施の形態4に係る超音波距離計の構成は、上記実施の形態1あるいは2と同様である。
この発明の実施の形態4では、移動平均処理部3もしくは加重移動平均処理部9が、上記実施の形態1もしくは2の平均処理区間を、床面等の測定対象物からの反射強度により変化させることを特徴とする。
対象物からの反射強度は、対象物の状態により変化する。対象物が平滑な状態では、反射強度は強くなるため、雑音成分が減少し、超音波センサ1における受信信号は、図9のような安定したものとなり、ばらつきは小さい。
一方、表面に凹凸が多数存在する対象物では、反射強度が弱くなるため、不要な周波数成分が広い周波数範囲にわたって増加し、超音波センサ1での受信信号は図10のような不安定なものとなり、ばらつきが大きい。
したがって、反射強度が異なることで、得られる遅延時間の波形が異なる。波形の異なる遅延時間の信号に対して、同じ平均処理区間を設定し、移動平均処理もしくは、加重移動平均処理を施しても、雑音成分を十分に除去することができない場合がある。
すなわち、反射強度が弱い場合には、雑音成分である短周期のリップルが生じ、ばらつきが大きいため、平均処理区間を大きく設定することで、雑音成分を除去することができ、ばらつきを低減できるが、反射強度が強い場合にはばらつきが小さいため、平均処理区間を大きく設定する必要がない。一方、反射強度が強い場合には、ばらつきが小さいため、平均処理区間を小さくしても、十分に雑音成分を除去でき、ばらつきを低減できるが、反射強度が弱い場合は、ばらつきが大きいため、平均処理区間が小さければ、雑音成分の除去が十分に行えず、ばらつきを低減できない。
このように、反射強度の変化にしたがって、平均処理区間を変化させる。平均処理区間の設定は、床面からの反射強度を一定区間に分割し、上記反射強度の一定区間に対応した平均処理区間を設定する。したがって、反射強度がある区間から別の区間に変化した場合に、平均処理区間を変化させる。
さらに、図12を用いて説明を加える。図12は、測定対象物からの反射強度と平均処理区間の関係を模式的に表した図である。
図12では、例えば、対象物からの反射強度φがφ1≦φ<φ2のとき、平均処理区間LはL=L4となることを示している。
ここでは、反射強度の区間を4つに分割しているが、分割する区間は4つより少なくても、多くてもかまわない。また、区間に分割することがなく、反射強度の変化とともにフィルタの通過帯域幅を変化させてもよい。
上記のように、測定対象物の状態により超音波の受信状態が変化するため、測定対象物からの反射強度の変化に対して、平均処理区間を変化させることにより、測定対象物に適した雑音除去を行うことができる。したがって、平均処理を施し、ばらつきを低減した遅延時間から遅延時間差を求めることで、ばらつきの小さい遅延時間差を得ることができる。よって、傾斜角度出力部8で出力される傾斜角度の検出精度も向上する。
実施の形態5.
この発明の実施の形態5に係る超音波距離計について図13を参照しながら説明する。この発明の実施の形態5に係る超音波距離計の構成は、上記実施の形態1あるいは2と同様である。
この発明の実施の形態5では、移動平均処理部3もしくは加重移動平均処理部9が、風速の変化にしたがって、上記実施の形態1もしくは2の平均処理区間を変化させる。風速を一定区間に分割し、上記風速の一定区間に対応した平均処理区間を設定する。したがって、風速がある区間から別の区間に変化した場合に、平均処理区間を変化させる。風速は、移動体に設置された風速計から参照することができる。
さらに、図13を用いて説明を加える。図13は、風速と平均処理区間の関係を模式的に表した図である。
図13では、例えば、風速uがu1≦u<u2のとき、平均処理区間LはL=L1となることを示している。
ここでは、風速を4つの区間に分割しているが、分割する区間は4つより少なくても、多くてもかまわない。また、区間に分割することなく、風速の変化とともに、平均処理区間を変化させてもよい。
超音波センサ1で送信された超音波5は、測定対象物で反射し、再び超音波センサ1で受信されるが、その過程で風の影響を受け、受信状態が変化する。すなわち、風速が小さな場合、風の影響をあまり受けないため、遅延時間差τまたはτは雑音成分が少なくなる。
一方、風速が大きな場合、風の影響は大きくなり、遅延時間差τまたはτは広い範囲にわたって雑音成分が大きくなる。
上記のように、風の状態により、受信状態が変化するため、風の状態に対応した、平均処理区間を設定する必要がある。そして、適切な平均処理区間を設定することで、遅延時間時間τまたはτから不要な雑音成分を十分に除去することができ、傾斜角度出力部8での傾斜角度をより精度よく検出することができる。
実施の形態6.
この発明の実施の形態6に係る超音波距離計について図14を参照しながら説明する。この発明の実施の形態6に係る超音波距離計の構成は、上記実施の形態1あるいは2と同様である。
この発明の実施の形態6では、移動平均処理部3もしくは加重移動平均処理部9が、上記実施の形態1もしくは2の移動平均処理もしくは加重移動平均処理を施す区間を、計測値のばらつきの大きさにより変化させることを特徴とする。
平均処理区間の設定は、ばらつきの大きさを区間に分割し、上記ばらつきの大きさの一定区間に対応した平均処理区間を設定する。したがって、計測値のばらつきの大きさが、ある区間から別の区間に変化した場合に、平均処理区間を変化させる。
さらに、図14を用いて説明を加える。図14は、計測値のばらつきの大きさと平均処理の区間の関係を模式的に表した図である。
図14では、例えば、計測値のばらつきの大きさがσ1≦σ<σ2のとき、平均処理の区間LはL=L1となることを示している。
ここでは、計測値のばらつきの大きさを4つの区間に分割しているが、分割する区間は4つより少なくても、多くてもよい。また、区間に分割することなく、計測値のばらつきの大きさの変化とともに平均処理の区間が変化しても構わない。
計測値のばらつきが小さな場合は、遅延時間τまたはτの雑音成分に起因する誤差が小さく、計測値が一定の値を示す。
一方、計測値のばらつきが大きな場合は、遅延時間τまたはτの雑音成分に起因する誤差が大きく、計測値のばらつきが一定の値を示さない場合である。
すなわち、計測値のばらつきが小さな場合は、平均処理の区間が小さな場合でも、十分に雑音成分を除去することができる。一方、計測値のばらつきが大きい場合は平均処理の区間を広くすることで、雑音成分を除去することができる。上述のように、計測値のばらつきによって、平均処理の区間を変化させることで、環境条件に適した平均処理を行うことができるため、平均処理を施した距離差の信号から雑音成分が十分に除去され、より誤差の小さい距離差を得ることができ、で出力される傾斜角度の検出精度も向上する。
この発明の実施の形態1に係る超音波距離計の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る超音波距離計の動作を説明するための図である。 この発明の実施の形態1に係る超音波距離計を用いた超音波傾斜計の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る超音波距離計を用いた超音波傾斜計の動作を説明するための図である。 この発明の実施の形態1に係る超音波距離計の移動平均法を説明するための図である。 この発明の実施の形態1に係る超音波距離計の遅延時間を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る超音波距離計の構成を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る超音波距離計を用いた超音波傾斜計の構成を示す図である。 この発明の実施の形態3に係る超音波距離計の遅延時間を示す図である。 この発明の実施の形態3に係る超音波距離計の遅延時間を示す図である。 この発明の実施の形態3に係る超音波距離計の移動速度と平均処理区間の関係を示す図である。 この発明の実施の形態4に係る超音波距離計の反射強度と平均処理区間の関係を示す図である。 この発明の実施の形態5に係る超音波距離計の風速と平均処理区間の関係を示す図である。 この発明の実施の形態6に係る超音波距離計のばらつきと平均処理区間の関係を示す図である。
符号の説明
1 超音波センサ、2 信号処理部、3 移動平均処理部、4 距離出力部、5 超音波、6 測定対象物、7 遅延時間差計測部、8 傾斜角度出力部、9 加重移動平均処理部。

Claims (10)

  1. 超音波センサから送信された超音波を再び前記超音波センサにより受信したときの遅延時間または位相を計測し、対象物と前記超音波センサとの距離を求める超音波距離計であって、
    前記超音波センサで受信した信号から遅延時間または位相を計測する信号処理部と、
    前記遅延時間または前記位相の計測値に移動平均処理を施す移動平均処理部と
    を備えたことを特徴とする超音波距離計。
  2. 移動体に設置された超音波距離計であって、
    前記移動平均処理部は、前記移動体の移動速度に基づいて前記移動平均処理を施す平均処理区間を変化させる
    ことを特徴とする請求項1記載の超音波距離計。
  3. 前記移動平均処理部は、前記対象物からの反射強度に基づいて前記移動平均処理を施す平均処理区間を変化させる
    ことを特徴とする請求項1記載の超音波距離計。
  4. 前記移動平均処理部は、風速に基づいて前記移動平均処理を施す平均処理区間を変化させる
    ことを特徴とする請求項1記載の超音波距離計。
  5. 前記移動平均処理部は、前記計測値のばらつきに基づいて前記移動平均処理を施す平均処理区間を変化させる
    ことを特徴とする請求項1記載の超音波距離計。
  6. 超音波センサから送信された超音波を再び前記超音波センサにより受信したときの遅延時間または位相を計測し、対象物と前記超音波センサとの距離を求める超音波距離計であって、
    前記超音波センサで受信した信号から遅延時間または位相を計測する信号処理部と、
    前記遅延時間または前記位相の計測値に加重移動平均処理を施す加重移動平均処理部と
    を備えたことを特徴とする超音波距離計。
  7. 移動体に設置された超音波距離計であって、
    前記加重移動平均処理部は、前記移動体の移動速度に基づいて前記加重移動平均処理を施す平均処理区間を変化させる
    ことを特徴とする請求項6記載の超音波距離計。
  8. 前記加重移動平均処理部は、前記対象物からの反射強度に基づいて前記加重移動平均処理を施す平均処理区間を変化させる
    ことを特徴とする請求項6記載の超音波距離計。
  9. 前記加重移動平均処理部は、風速に基づいて前記加重移動平均処理を施す平均処理区間を変化させる
    ことを特徴とする請求項6記載の超音波距離計。
  10. 前記加重移動平均処理部は、前記計測値のばらつきに基づいて前記加重移動平均処理を施す平均処理区間を変化させる
    ことを特徴とする請求項6記載の超音波距離計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009216440A (ja) * 2008-03-07 2009-09-24 Ngk Spark Plug Co Ltd 弾性表面波素子を用いた変位センサ、変位測定方法及び変位測定装置。
CN112407648A (zh) * 2020-12-02 2021-02-26 中铁十一局集团第二工程有限公司 一种物料测量设备及料仓

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