JP2005291467A - 走行車両の伝動装置 - Google Patents

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Fumio Shigematsu
文雄 重松
Kenichiro Sakata
賢一郎 阪田
Takashi Okamoto
傑 岡元
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Abstract

【課題】HST式無段変速装置を備える走行車両において、車両の安全停止を確保する。
【解決手段】走行車両には、エンジン2の回転動力を受けて駆動するHSTの油圧ポンプ12と、これとは異なる第二の油圧ポンプ13を設ける。前記HSTの油圧モータ14の出力軸23に、前記第二油圧ポンプ13の油圧力により操作され、且つ前記モータ出力軸23に対しピストンを貫通して同軸23の回転を停止させる状態と、前記モータ出力軸23からピストンを退避して回転を許容する状態とに切り替え操作する油圧ロック装置27を設ける。また前記油圧ロック装置は、前記HSTのポートブロックと一体に構成する。
【選択図】 図3

Description

この発明は、走行伝動経路にHST式無段変速装置を備えた走行車両の伝動装置に関するものである。
従来、農業用トラクタ等では、エンジンから前後輪への走行系動力伝達経路中にHST式無段変速装置を備えるものが知られている。例えば、特開2002−274202号公報には、HSTの変速操作軸(トラニオン軸)を、変速レバーとなるクルーズコントロールレバーの前後回動操作で回転操作し車速を変速する構成としている。
特開2002-274202号
しかしながら、前記従来装置にあっては、車両を傾斜地にて走行させる際、クルーズコントロールレバーを操作して車両を停止した状態でエンジンを停止すると、HSTのモータ側に圧油が送られなくなるので、車両は不意に傾斜に沿って下り出すという課題が有った。
そこで、この発明はHSTの油圧モータの出力軸に対して油圧ポンプの停止時には接近移動して出力軸の回転を固定し、油圧ポンプの駆動時には待避して出力軸の回転を許容するように作動する油圧ロック装置を設けることにより、簡単な構成でモータ出力軸をロックをし走行停止を確実にしようとするものである。
前記問題点を解決するために、この発明は次のような技術的手段を講じた。
即ち、請求項1の発明では、エンジン(2)から走行車輪(11)への走行系動力伝達経路中にHST式無段変速装置(9)を備える走行車両において、
前記車両には前記エンジン(2)の回転動力を受けて駆動する油圧ポンプ(13)を設けると共に、前記HSTの油圧モータ(14)の出力軸(23)に、前記油圧ポンプ(13)の油圧力により操作され、且つ前記出力軸(23)に対し接近移動して同軸(23)の回転を停止させる状態と、前記出力軸(23)から退避して回転を許容する状態とに切り替え操作される油圧ロック装置(27)を設けたことを特徴とする走行車両の伝動装置とした。
(請求項1の作用)
以上のように構成した請求項1の発明では、前記油圧ポンプ(13)の停止時、即ちエンジン停止時では、前記油圧ロック装置(27)は、油圧モータ(14)の出力軸(23)に接近移動して回転停止状態とし、前記第二油圧ポンプ(13)の回転時には出力軸(23)から退避移動して同軸(23)を回転可能な状態とする。
また請求項2の発明では、前記油圧ロック装置(27)は、前記HSTの油圧モータ(14)を支持するポートブロック(9a)に一体的に構成したことを特徴とする請求項1に記載の走行車両の伝動装置とした。
(請求項2の作用)
以上のように構成した請求項2の発明では、前記HSTの油圧モータ(14)と油圧ロック装置(27)はポートブロック(9a)を介して一体的に構成される。
これにより、請求項1の発明では、エンジン停止時、即ちHST(9)の油圧ポンプ(12)の停止時には油圧モータ(14)の出力軸(23)の回転を停止することができ、坂道で走行車両を停車しても、走行車両が坂道を転がるようなこともなく安全である。
また請求項2の発明では、前記油圧ロック装置(27)をHSTのポートブロック(9a)と一体的に構成したので、配管を短縮化することができる上、これら装置を単体として取り扱いが可能となり、生産時の組付け作業や、メンテナンス、調整作業が行い易い。
この発明は、エンジン2から走行車輪となる左右後輪8F,8Rへの走行系伝動経路中にHST式無段変速装置を有する走行車両において、HSTの油圧モータ14の出力軸23に対して油圧ポンプ13の停止時には接近移動して回転停止状態とし、油圧ポンプ13の回転時には退避移動して回転を許容する状態に切り替えるできるロック装置を設けたことを特徴とする。
以下、この発明を備えた乗用芝刈機について説明する。
乗用芝刈機は、図1に示すように、車体前部のエンジン2と、車体中間部のHSTケース4及びミッションケース5を車体フレーム1を介して一体的に構成すると共に、車体前部のフロントアクスルケース6にはステアリングハンドル7によって操舵できる左右の前輪8F,8Fを設けている。
また前記HSTケース4には、HST式無段変速装置9を内装し、エンジン2の回転動力がユニバーサルジョイントを経てHST入力軸19に伝達され、トラニオン軸P1を回転操作することにより、可変容量型の油圧ポンプ12内の斜板が中立位置から前進、若しくは後進位置に操作され、油圧モータ14の出力回転を変速すると共に、次いでこの出力された回転動力は、ミッションケース5内の副変速装置、差動ギヤ機構等を経て後輪8R,8Rへ伝達する構成となっている。
また車体後部には操縦席Sを設け、この操縦席S前方にはアクセルペダルや左右後輪8R,8Rを制動するブレーキペダル3を設け、操縦席S側方には、回動基部にブレーキ材を備えて操作位置を保持可能なHST変速レバー(クルーズコントロールレバー)10を突設し、このレバー10の回動操作をロッドやワイヤー等の機械的連動機構を介して前記トラニオン軸P1へ伝達し、同軸P1の回転位置を変更保持する構成としている。
また前記操縦席Sの下方には、昇降用油圧シリンダ11を設け、同シリンダ11のピストン伸縮駆動により、車体に連結する作業部となるモア(図示省略)を昇降する構成となっている。
また前記HST9は、油圧回路図で示すと図2のように構成されている。
即ち、HST9は、可変容量型の油圧ポンプ12、HST9の油圧モータ14、一対のニュートラル弁15,15、一対の逆止弁16,16、リリーフ弁17、低圧リリーフ弁17a、油圧ポンプ12及び油圧モータ14を環路状に接続する環路18a及び環路18b等により構成されている。また前記HST9のポンプ12には、駆動軸を共通として前記エンジン2からの回転動力を受けて一体回転するモア昇降用油圧ポンプ13(第二油圧ポンプ)を設けている。
また前記HSTの油圧ポンプ12からの油圧が環路18a、環路18bを経て油圧モータ14に流れ、油圧モータ14が駆動されて後輪8R,8Rが駆動される。
図3はHST9の切断側面図を示している。HST9は基盤部となるポートブロック9a及びケース部9bを有し、前記ケース部9bの内部空間に可変容量型の油圧ポンプ12及び油圧モータ14が組み込まれている。前記油圧ポンプ12は、HST入力軸19、プランジャブロック20、可動斜板21、この可動斜板21を調節自在に支持する軸受ガイド面部22等から構成されている。可動斜板21を図3の矢印方向に回動調節して、エンジン2により入力軸19を回転させると、プランジャブロック20が入力軸19と共に回転し、可動斜板21の傾斜角度に応じてプランジャブロック20内のプランジャがシリンダ内を前後に摺動する構成である。
また、前記HST9の油圧モータ14は出力軸23、プランジャブロック24及び固定斜板25等から構成されている。前記HST9の油圧ポンプ12から油圧が供給されると、プランジャブロック24内のプランジャが前後に摺動し、プランジャブロック24が出力軸23と共に回転し、出力軸23に伝動連結されている後輪8R,8Rが回転する。
また前記ポートブロック9a、ケース部9b、油圧ポンプ12及び油圧モータ14で囲まれる内部空間は、油溜り26になっており、ポートブロック9aの上部から下部にかけて管路18a及び管路18bが構成されている。
そして前記ポートブロック9aの後面で且つモータ出力軸23突出部にこの発明の油圧ロック装置27を備える構成となっている。
詳しくは、前記モータ出力軸23には、前記ポートブロック9aからの突出部にロック穴23aを開口すると共に、ポートブロック9aの後面に前記出力軸23と直交する位置にロックシリンダ27bを取り付ける構成となっている。また前記ロックシリンダ27b内にはロックピストン27aを往復摺動自在に内装し、このピストン27aの上側にスプリング29を内装して同ピストン27aを前記モータ出力軸23側へ付勢する構成としている。
またポートブロック9aの下部には、前記モア昇降用油圧ポンプ13と連通する油路28を設け、同油路28の一端側をリリーフ弁Rを介して前記油溜り26へ接続し、他端側をロックシリンダ27bへ接続している。尚、ロックスプリング29aは、この付勢力を調整可能に構成しても良い。
以上のように構成した油圧ロック装置27では、前記エンジン2の停止時には、前記ロックピストン27aが出力軸23のロック穴23aに挿通されて同軸23の回転をロックしている。
そしてエンジン2を駆動するとモア昇降用油圧ポンプ13が駆動され、前記油路28に油圧が流れ、この油圧によって前記ロックシリンダ27b内のスプリング29が圧縮されて、ロックピストン27aは押し上げられ、即ち前記モータ出力軸23のロックを解除する。また同時にHST9の油圧ポンプ12が駆動されて、この斜板角度に応じて油圧が管路18a,18bに流れ還流が開始すると、油圧モータ14が回転を始める。
これにより、乗用芝刈機1が坂道において停車しエンジン2を停止状態としても、後輪8Rが固定されているので坂道を転げ落ちるようなこともなく安全である。また前記油圧ロック装置27は、HST9のポートブロック9aに取り付ける構成としたので、配管を短縮化することができる上、HSTと共に単体として取り扱いが可能となり、生産時の組付け作業や、メンテナンス、調整作業が行い易い。
尚、前記発明の別形態としては、油圧ロック装置27を、前記モータ出力軸23に制動をかけるブレーキ式としても良い。また前記HST9の可変容量型の油圧ポンプ12は、前記モア昇降用油圧ポンプ13の動力下手側、或いは一体で駆動される位置、即ちモア昇降用油圧ポンプ13が駆動されている条件で、同ポンプ12が駆動できる位置であれば良く、この接地位置は前記HSTケース4或いはミッションケース5内に限るものでは無い。また、前記HST9の可変容量型油圧ポンプ12とモア昇降用油圧ポンプ13とを共用とし、同ポンプの油を一部分流して、この油圧を前記ロックシリンダ27bへ連通する構成としても良い。この場合、可動斜板21が完全に中立位置に復帰せず、油圧ポンプ12から僅かに油圧が流出しているような場合にも、ロックスプリング29の押圧力によりロックピストン27aを前記出力軸23のロック穴23aに挿通させることができ、同HST9において中立位置、即ち出力回転を確実に停止することができる。
次に、図4に基づき前記HST9の油圧ポンプ12の可動斜板21の保持構成について説明する。
前記HST9の油圧ポンプ12は、HST入力軸19、プランジャブロック20、可動斜板21、可動斜板21を調節自在に支持する軸受ガイド面22、軸受ガイド面22と可動斜板21との間に介在しているニードルベアリング30等により構成されている。また、先端部に支持環31aのある保持ピン31を構成し、ケース部9bの軸受ガイド面22上方に保持穴32を構成し、保持穴32の底部中途部にリング33をかしめて固着している。
そして、可動斜板21の側部に突設しているピン部34に前記保持ピン31の支持環31aを嵌合連結し、保持ピン31の他端側を保持穴32の底部にかしめたリング33により保持すると共に、保持ピン31の先端部をリング33を通り越して穴底まで延長している。
しかして、可動斜板21を傾動調節しても保持ピン31の先端部が保持穴32のリング33から離脱することがなく、可動斜板21を保持することができる。
また前記可動斜板21の保持構成は、図5に示すように構成しても良い。即ち、保持ピン31の両端部にボール部35,36を設け、前記可動斜板21のピン部34に凹部37を形成し、この凹部37に前記保持ピン31の支持環31a側に位置するボール部35を嵌合保持し、他端側のボール部36を前記保持穴32の底部に嵌合保持した構成とする。このように構成することにより、保持ピン31の支持構成を簡易なものとすることができる。
次に図6に基づき前記後輪8R,8Rへの動力伝達用のリヤー走行伝動ケース38について説明する。
ミッションケース5の後方には、リヤーアクスルハウジング39を設け、リヤーアクスルハウジング39の左右両端部には左右の走行伝動軸40,40を突出するように軸架し、リヤー走行伝動ケース38の上端部内側に取り付けた連結筒41で走行伝動軸40,40を覆うようにしてリヤーアクスルハウジング39に連結筒41をボルト・ナットで固着している。
また、リヤー走行伝動ケース38,38は、左右ケース半体38a,38bをボルト・ナットで接合固着する構成で、分解状態で左ケース半体38aの上下部に軸受を介して上・下スプロケット42,43を支架することができ、リヤー走行伝動ケース38に走行伝動軸40を軸架していない状態で上・下スプロケット42,43を取り付け、上下スプロケット42,43にチエン44を巻き掛けできるようにしている。そして、左ケース半体38aにおける右ケース半体38bへの接合面をチエン44の内幅面よりも低くし、テンショナ(図示省略)の装着を容易にしている。
そして、右ケース半体38bの下部に後車軸45をベアリングを介して軸架し、後車軸45に後輪8Rを取り付け、この状態で右ケース半体38bを左ケース半体38aにボルト・ナットで接合固着する構成である。
前記構成とすることにより、リヤー走行伝動ケース38への上下スプロケット42,43及びチエン44の組み付けを容易にしながらリヤー走行伝動ケース38の小型化を図ることができる。
全体の側面図。 油圧ブロック図。 要部の切断側面図。 (A)斜板部を上下断面した側面図。(B)保持ピン基部の拡大図。(C)斜板部を水平方向に断面した平面図。 (A)斜板部を上下断面した側面図。(B)保持ピン係止部の側面図。(C)保持ピンの平面図。 リヤー走行伝動ケースの切断正面図。
符号の説明
1 車体フレーム
2 エンジン
9 HST
8R後輪
12 可変容量型の油圧ポンプ
13 モア昇降用油圧ポンプ(第二油圧ポンプ)
14 油圧モータ
18a環路
18b環路
23 モータ出力軸
27 油圧ロック装置
27bロックシリンダ
27aロックピストン
28 油路
29 スプリング

Claims (2)

  1. エンジン(2)から走行車輪(11)への走行系動力伝達経路中にHST式無段変速装置(9)を備える走行車両において、
    前記車両には前記エンジン(2)の回転動力を受けて駆動する油圧ポンプ(13)を設けると共に、前記HSTの油圧モータ(14)の出力軸(23)に、前記油圧ポンプ(13)の油圧力により操作され、且つ前記出力軸(23)に対し接近移動して同軸(23)の回転を停止させる状態と、前記出力軸(23)から退避して回転を許容する状態とに切り替え操作される油圧ロック装置(27)を設けたことを特徴とする走行車両の伝動装置。
  2. 前記油圧ロック装置(27)は、前記HSTの油圧モータ(14)を支持するポートブロック(9a)に一体的に構成したことを特徴とする請求項1に記載の走行車両の伝動装置。
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