JP2005290451A - さび止め剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被処理体に塗布したときに均一且つ十分な厚さの皮膜を形成することができ、被処理体の全面に連続した皮膜を形成してさびの発生を十分に防止することが可能なさび止め剤組成物を提供すること。
【解決手段】 組成物全量基準で、40〜99質量%のワックスと、1〜40質量%のさび止め剤とを含有し、JIS K2246.5.17蒸発量試験における蒸発量が10%以下であり、JIS K2246.5.21流下点試験における流下点が40℃以上であり、100℃における動粘度が1〜100mm/sであることを特徴とするさび止め剤組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明はさび止め剤組成物に関する。
従来、自動車用部品、冷延鋼板、熱延後半、めっき鋼板、軸受部品、建築用鋼材、精密部品等の金属性部材においては、さびの発生を防止するために、さび止め油が使用されている(例えば、特許文献1を参照)。
一般的に使用されるさび止め油には、溶剤をベースとした溶剤希釈型さび止め油及び鉱油をベースとした潤滑油型さび止め油の2種類がある。それらのさび止め油のほとんどは常温で液状のものであり、40℃における動粘度が概ね1〜30mm2/s程度のものが多い。
特開平9−279368号公報
このように従来のさび止め油が常温で液状であるのは、金属製部品等の被処理体にさび止め油を塗布する際の作業性を考慮したためである。しかし、低粘度のさび止め油を用いると、塗布された部位によって油膜厚さが不均一となりやすく、油膜切れの発生などによりさび止め油が本来的に有するさび止め性を十分に発揮できないことがある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、被処理体に塗布したときに均一且つ十分な厚さの皮膜を形成することができ、被処理体の全面に連続した皮膜を形成してさびの発生を十分に防止することが可能なさび止め剤組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のさび止め剤組成物は、組成物全量基準で、40〜99質量%のワックスと、1〜40質量%のさび止め剤とを含有し、JIS K2246.5.17蒸発量試験における蒸発量が10%以下であり、JIS K2246.5.21流下点試験における流下点が40℃以上であり、100℃における動粘度が1〜100mm/sであることを特徴とする。
本発明のさび止め剤組成物によれば、上記構成を有することで、被処理体に塗布したときに、蒸発又は流動による皮膜の膜厚の変化を十分に抑制し、均一且つ十分な厚さの皮膜を形成することができ、被処理体の全面に連続した皮膜を形成してさびの発生を十分に防止することが可能となる。
本発明によれば、被処理体に塗布したときに均一且つ十分な厚さの皮膜を形成することができ、被処理体の全面に連続した皮膜を形成してさびの発生を十分に防止することが可能なさび止め剤組成物が提供される。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明のさび止め剤組成物は、組成物全量基準で、40〜99質量%の(A)ワックスと、1〜40質量%の(B)さび止め剤とを含有し、JIS K2246.5.17蒸発量試験における蒸発量が10%以下であり、JIS K2246.5.21流下点試験における流下点が40℃以上であり、100℃における動粘度が1〜100mm/sであることを特徴とする。
本発明で用いられる(A)ワックスとしては、植物系又は動物系の天然ワックス、鉱油系ワックス、石油系ワックス、あるいは合成炭化水素ワックス、変性ワックス、水素化ワックス等の合成ワックスなどが挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
植物系天然ワックスとしては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、ホバ油などが挙げられる。また、動物系天然ワックスとしては、みつろう、ラノリン、鯨ろうなどが挙げられる。
また、鉱物系ワックスとしては、モンタンワックス、オゾケライトワックス、セレシンワックスなどが挙げられる。さらに、石油系ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムが挙げられる。
また、合成ワックスのうち、合成炭化水素ワックスとしては、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、GTLワックスなど;変性ワックスとしては、モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体など;水素化ワックスとしては、硬化ひまし油及び硬化ひまし油誘導体等の脂肪酸(例えば12−ヒドロキシステアリン酸)、脂肪酸アミド(例えば、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド)、エステル、ケトンなどがそれぞれ挙げられる。
(A)ワックス分の油分は、10質量%以下であることが好ましく、7質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらにより好ましい。油分が10質量%を超えると、組成物全体の流下点が40℃以下となりやすく、被処理体に塗布したときの皮膜量が常温で経時的に低下し、塗布部位により皮膜厚さに差が生じやすくなり、さび止め性が不十分となるおそれがある。また、油分が多いほど皮膜はベタつきやすくなり、取り扱い時に皮膜が破壊されるおそれがある。なお、ここでいうワックス分の油分とは、JIS K 2235「石油ワックス」の5.6「油分試験方法」により測定された値を意味する。
また、(A)ワックスの融点は、50〜100℃であることが好ましく、55〜85℃であることがより好ましい。融点が50℃以下であると、組成物全体の流下点が40℃未満となりやすく、被処理体に塗布したときの皮膜量が常温で経時的に低下し、塗布部位により皮膜厚さに差が生じやすくなり、さび止め性が不十分となるおそれがある。また、融点が100℃を超えると、溶融温度が高くなる、あるいは塗膜の除去性が低下するなど作業性が低下してしまう。なお、ここでいうワックスJIS K 2235「石油ワックス」の5.3「融点試験方法」により測定された値を意味する。
また、(A)ワックスの針入度(25℃ 100g/5s)は、50mm以下であることが好ましく、40mm以下であることがより好ましく、30mm以下であることがさらにより好ましい。針入度が50mmを超えると皮膜強度が低下する傾向にあり、さび止め性が不十分となるおそれがある。
本発明のさび止め剤組成物における(A)ワックス分の含有量は、組成物全量基準で、前述の通り40〜99質量%であり、好ましくは60〜90質量%、より好ましくは75〜90質量%である。ワックスの含有量が40%未満であると、組成物全体の流下点が40℃未満となりやすく、被処理体に塗布したときの皮膜量が常温で経時的に低下し、塗布部位により皮膜厚さに差が生じやすくなり、さび止め性が不十分となる。また、ワックスの含有量が99%を超えると、さび止め剤の有効濃度が低下するため、さび止め性が不十分となる。
また、本発明で用いられる(B)さび止め剤としては、特に制限されないが、スルホン酸塩、カルボン酸、カルボン酸塩、エステル、ザルコシン、アミン、ホウ素化合物が好ましく用いられる。
スルホン酸塩の好ましい例としては、スルホン酸アルカリ金属塩、スルホン酸アルカリ土類金属塩及びスルホン酸アミン塩が挙げられる。スルホン酸塩はいずれも人体や生態系に対して十分に高い安全性を有するものであり、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアミンとスルホン酸とを反応させることにより得ることができる。
スルホン酸塩を構成するアルカリ金属としてはナトリウム、カリウム等、アルカリ土類金属としてはマグネシウム、カルシウム、バリウム等、がそれぞれ挙げられ、これらの中でもナトリウム、カリウム、カルシウムが好ましい。
また、アミンとしては、モノアミン、ポリアミン、アルカノールアミン等が挙げられる。前記モノアミンとしては、具体的には、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン(全ての異性体を含む)、ジプロピルアミン(全ての異性体を含む)、トリプロピルアミン(全ての異性体を含む)、モノブチルアミン(全ての異性体を含む)、ジブチルアミン(全ての異性体を含む)、トリブチルアミン(全ての異性体を含む)、モノペンチルアミン(全ての異性体を含む)、ジペンチルアミン(全ての異性体を含む)、トリペンチルアミン(全ての異性体を含む)、モノヘキシルアミン(全ての異性体を含む)、ジヘキシルアミン(全ての異性体を含む)、モノヘプチルアミン(全ての異性体を含む)、ジヘプチルアミン(全ての異性体を含む)、モノオクチルアミン(全ての異性体を含む)、ジオクチルアミン(全ての異性体を含む)、モノノニルアミン(全ての異性体を含む)、モノデシルアミン(全ての異性体を含む)、モノウンデシル(全ての異性体を含む)、モノドデシルアミン(全ての異性体を含む)、モノトリデシルアミン(全ての異性体を含む)、モノテトラデシルアミン(全ての異性体を含む)、モノペンタデシルアミン(全ての異性体を含む)、モノヘキサデシルアミン(全ての異性体を含む)、モノヘプタデシルアミン(全ての異性体を含む)、モノオクタデシルアミン(全ての異性体を含む)、モノノナデシルアミン(全ての異性体を含む)、モノイコシルアミン(全ての異性体を含む)、モノヘンイコシルアミン(全ての異性体を含む)、モノドコシルアミン(全ての異性体を含む)、モノトリコシルアミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(エチル)アミン、ジメチル(プロピル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ブチル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ペンチル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ヘキシル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ヘプチル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(オクチル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ノニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(デシル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ウンデシル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ドデシル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(トリデシル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(テトラデシル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ペンタデシル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ヘキサデシル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ヘプタデシル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(オクタデシル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ノナデシル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(イコシル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ヘンイコシル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(トリコシル)アミン(全ての異性体を含む)等のアルキルアミン;
モノビニルアミン、ジビニルアミン、トリビニルアミン、モノプロペニルアミン(全ての異性体を含む)、ジプロペニルアミン(全ての異性体を含む)、トリプロペニルアミン(全ての異性体を含む)、モノブテニルアミン(全ての異性体を含む)、ジブテニルアミン(全ての異性体を含む)、トリブテニルアミン(全ての異性体を含む)、モノペンテニルアミン(全ての異性体を含む)、ジペンテニルアミン(全ての異性体を含む)、トリペンテニルアミン(全ての異性体を含む)、モノヘキセニルアミン(全ての異性体を含む)、ジヘキセニルアミン(全ての異性体を含む)、モノヘプテニルアミン(全ての異性体を含む)、ジヘプテニルアミン(全ての異性体を含む)、モノオクテニルアミン(全ての異性体を含む)、ジオクテニルアミン(全ての異性体を含む)、モノノネニルアミン(全ての異性体を含む)、モノデセニルアミン(全ての異性体を含む)、モノウンデセニル(全ての異性体を含む)、モノドデセニルアミン(全ての異性体を含む)、モノトリデセニルアミン(全ての異性体を含む)、モノテトラデセニルアミン(全ての異性体を含む)、モノペンタデセニルアミン(全ての異性体を含む)、モノヘキサデセニルアミン(全ての異性体を含む)、モノヘプタデセニルアミン(全ての異性体を含む)、モノオクタデセニルアミン(全ての異性体を含む)、モノノナデセニルアミン(全ての異性体を含む)、モノイコセニルアミン(全ての異性体を含む)、モノヘンイコセニルアミン(全ての異性体を含む)、モノドコセニルアミン(全ての異性体を含む)、モノトリコセニルアミン(全ての異性体を含む)等のアルケニルアミン;
ジメチル(ビニル)アミン、ジメチル(プロペニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ブテニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ペンテニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ヘキセニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ヘプテニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(オクテニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ノネニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(デセニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ウンデセニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ドデセニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(トリデセニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(テトラデセニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ペンタデセニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ヘキサデセニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ヘプタデセニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(オクタデセニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ノナデセニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(イコセニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ヘンイコセニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(トリコセニル)アミン(全ての異性体を含む)等のアルキル基及びアルケニル基を有するモノアミン;
モノベンジルアミン、(1−フェニルチル)アミン、(2−フェニルエチル)アミン(別名:モノフェネチルアミン)、ジベンジルアミン、ビス(1−フェニエチル)アミン、ビス(2−フェニルエチレン)アミン(別名:ジフェネチルアミン)等の芳香族置換アルキルアミン;
モノシクロペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、トリシクロペンチルアミン、モノシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノシクロヘプチルアミン、ジシクロヘプチルアミン等の炭素数5〜16のシクロアルキルアミン;
ジメチル(シクロペンチル)アミン、ジメチル(シクロヘキシル)アミン、ジメチル(シクロヘプチル)アミン等のアルキル基及びシクロアルキル基を有するモノアミン;
(メチルシクロペンチル)アミン(全ての置換異性体を含む)、ビス(メチルシクロペンチル)アミン(全ての置換異性体を含む)、(ジメチルシクロペンチル)アミン(全ての置換異性体を含む)、ビス(ジメチルシクロペンチル)アミン(全ての置換異性体を含む)、(エチルシクロペンチル)アミン(全ての置換異性体を含む)、ビス(エチルシクロペンチル)アミン(全ての置換異性体を含む)、(メチルエチルシクロペンチル)アミン(全ての置換異性体を含む)、ビス(メチルエチルシクロペンチル)アミン(全ての置換異性体を含む)、(ジエチルシクロペンチル)アミン(全ての置換異性体を含む)、(メチルシクロヘキシル)アミン(全ての置換異性体を含む)、ビス(メチルシクロヘキシル)アミン(全ての置換異性体を含む)、(ジメチルシクロヘキシル)アミン(全ての置換異性体を含む)、ビス(ジメチルシクロヘキシル)アミン(全ての置換異性体を含む)、(エチルシクロヘキシル)アミン(全ての置換異性体を含む)、ビス(エチルシクロヘキシル)アミン(全ての置換異性体を含む)、(メチルエチルシクロヘキシル)アミン(全ての置換異性体を含む)、(ジエチルシクロヘキシル)アミン(全ての置換異性体を含む)、(メチルシクロヘプチル)アミン(全ての置換異性体を含む)、ビス(メチルシクロヘプチル)アミン(全ての置換異性体を含む)、(ジメチルシクロヘプチル)アミン(全ての置換異性体を含む)、(エチルシクロヘプチルアミン(全ての置換異性体を含む)、(メチルエチルシクロヘプチル)アミン(全ての置換異性体を含む)、(ジエチルシクロヘプチル)アミン(全ての置換異性体を含む)等のアルキルシクロアルキルアミン、等が挙げられる。また、モノアミンには、油脂から誘導されるモノアミン(牛脂アミン等)も含まれる。
また、ポリアミンとしては、具体的には、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、プロピレンジアミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラミン、テトラプロピレンペンタミン、ペンタプロピレンヘキサミン、ブチレンジアミン、ジブチレントリアミン、トリブチレンテトラミン、テトラブチレンペンタミン、ペンタブチレンヘキサミン等のアルキレンポリアミン;
N−メチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N−プロピルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ブチルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ペンチルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ヘキシルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ヘプチルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−オクチルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ノニルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−デシルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ウンデシル(全ての異性体を含む)、N−ドデシルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−トリデシルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−テトラデシルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ペンタデシルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ヘキサデシルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ヘプタデシルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−オクタデシルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ノナデシルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−イコシルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ヘンイコシルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ドコシルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−トリコシルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)等のN−アルキルエチレンジアミン;
N−ビニルエチレンジアミン、N−プロペニルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ブテニルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ペンテニルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ヘキセニルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ヘプテニルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−オクテニルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ノネニルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−デセニルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ウンデセニル(全ての異性体を含む)、N−ドデセニルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−トリデセニルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−テトラデセニルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ペンタデセニルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ヘキサデセニルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ヘプタデセニルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−オクタデセニルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ノナデセニルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−イコセニルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ヘンイコセニルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ドコセニルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−トリコセニルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)等のN−アルケニルエチレンジアミン;
N−アルキルジエチレントリアミン、N−アルケニルジエチレントリアミン、N−アルキルトリエチレンテトラミン、N−アルケニルトリエチレンテトラミン、N−アルキルテトラエチレンペンタミン、N−アルケニルテトラエチレンペンタミン、N−アルキルペンタエチレンヘキサミン、N−アルケニルペンタエチレンヘキサミン、N−アルキルプロピレンジアミン、N−アルケニルプロピレンジアミン、N−アルキルジプロピレントリアミン、N−アルケニルジプロピレントリアミン、N−アルキルトリプロピレンテトラミン、N−アルケニルトリプロピレンテトラミン、N−アルキルテトラプロピレンペンタミン、N−アルケニルテトラプロピレンペンタミン、N−アルキルペンタプロピレンヘキサミン、N−アルケニルペンタプロピレンヘキサミン、N−アルキルブチレンジアミン、N−アルケニルブチレンジアミン、N−アルキルジブチレントリアミン、N−アルケニルジブチレントリアミン、N−アルキルトリブチレンテトラミン、N−アルケニルトリブチレンテトラミン、N−アルキルテトラブチレンペンタミン、N−アルケニルテトラブチレンペンタミン、N−アルキルペンタブチレンヘキサミン、N−アルケニルペンタブチレンヘキサミン等のN−アルキルまたはN−アルケニルアルキレンポリアミン、等が挙げられる。また、上記ポリアミンには油脂から誘導されるポリアミン(牛脂ポリアミン等)も含まれる。
さらに、アルカノールアミンとしては、具体的には、モノメタノールアミン、ジメタノールアミン、トリメタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ(n−プロパノール)アミン、ジ(n−プロパノール)アミン、トリ(n−プロパノール)アミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モノブタノールアミン(全ての異性体を含む)、ジブタノールアミン(全ての異性体を含む)、トリブタノールアミン(全ての異性体を含む)、モノペンタノールアミン(全ての異性体を含む)、ジペンタノールアミン(全ての異性体を含む)、トリペンタノールアミン(全ての異性体を含む)、モノヘキサノールアミン(全ての異性体を含む)、ジヘキサノールアミン(全ての異性体を含む)、モノヘプタノールアミン(全ての異性体を含む)、ジヘプタノールアミン(全ての異性体を含む)、モノオクタノールアミン(全ての異性体を含む)、モノノナノールアミン(全ての異性体を含む)、モノデカノールアミン(全ての異性体を含む)、モノウンデカノールアミン(全ての異性体を含む)、モノドデカノールアミン(全ての異性体を含む)、モノトリデカノールアミン(全ての異性体を含む)、モノテトラデカノールアミン(全ての異性体を含む)、モノペンタデカノールアミン(全ての異性体を含む)、モノヘキサデカノールアミン(全ての異性体を含む)、ジエチルモノエタノールアミン、ジエチルモノプロパノールアミン(全ての異性体を含む)、ジエチルモノブタノールアミン(全ての異性体を含む)、ジエチルモノペンタノールアミン(全ての異性体を含む)、ジプロピルモノエタノールアミン(全ての異性体を含む)、ジプロピルモノプロパノールアミン(全ての異性体を含む)、ジプロピルモノブタノールアミン(全ての異性体を含む)、ジプロピルモノペンタノールアミン(全ての異性体を含む)、ジブチルモノエタノールアミン(全ての異性体を含む)、ジブチルモノプロパノールアミン(全ての異性体を含む)、ジブチルモノブタノールアミン(全ての異性体を含む)、ジブチルモノペンタノールアミン(全ての異性体を含む)、モノエチルジエタノールアミン、モノエチルジプロパノールアミン(全ての異性体を含む)、モノエチルジブタノールアミン(全ての異性体を含む)、モノエチルジペンタノールアミン(全ての異性体を含む)、モノプロピルジエタノールアミン(全ての異性体を含む)、モノプロピルジプロパノールアミン(全ての異性体を含む)、モノプロピルジブタノールアミン(全ての異性体を含む)、モノプロピルジペンタノールアミン(全ての異性体を含む)、モノブチルジエタノールアミン(全ての異性体を含む)、モノブチルジプロパノールアミン(全ての異性体を含む)、モノブチルジブタノールアミン(全ての異性体を含む)、モノブチルジペンタノールアミン(全ての異性体を含む)、モノシクロヘキシルモノエタノールアミン、モノシクロヘキシルジエタノールアミン、モノシクロヘキシルモノプロパノールアミン(全ての異性体を含む)、モノシクロヘキシルジプロパノールアミン(全ての異性体を含む)等が挙げられる。
上記したアミンの中でも、モノアミンは、よりさび止め性に優れる点で好ましく、モノアミンの中でもアルキルアミン、アルキル基及びアルケニル基を有するモノアミン、アルキル基及びシクロアルキル基を有するモノアミン、シクロアルキルアミン並びにアルキルシクロアルキルアミンがより好ましい。また、アミン分子中の合計炭素数が3以上のアミンは、よりさび止め性に優れる点で好ましく、合計炭素数が5以上のアミンがより好ましい。
他方、本発明にかかるスルホン酸は、常法によって製造された従来公知のものを使用することができる。具体的には、一般に鉱油の潤滑油留分のアルキル芳香族化合物をスルホン化したものやホワイトオイル製造時に副生するいわゆるマホガニー酸等の石油スルホン酸、あるいは洗剤等の原料となるアルキルベンゼン製造プラントから副生したりポリオレフィンをベンゼンにアルキル化することにより得られる、直鎖状や分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルベンゼンをスルホン化したものやジノニルナフタレン等のアルキルナフタレンをスルホン化したもの等の合成スルホン酸等、が挙げられる。これらのスルホン酸の分子量について特に制限はないが、好ましくは100〜1500、より好ましくは200〜700のものが使用される。
上記のスルホン酸の中でも、
ナフタレン環に結合する2つのアルキル基の総炭素数が14〜30であるジアルキルナフタレンスルホン酸;
ベンゼン環に結合する2つのアルキル基がそれぞれ直鎖アルキル基又は側鎖メチル基を1個有する分岐鎖状アルキル基であり、且つ2つのアルキル基の総炭素数が14〜30であるジアルキルベンゼンスルホン酸;及び
ベンゼン環に結合するアルキルの炭素数が15以上であるモノアルキルベンゼンスルホン酸、
からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
本発明において好適に使用されるジアルキルナフタレンスルホン酸は、前述の通り、ナフタレン環に結合する2つのアルキル基の総炭素数が14〜30のものである。2つのアルキル基の総炭素数が14未満であると抗乳化性が不十分となる傾向にあり、他方30を超えると得られるさび止め剤組成物の貯蔵安定性が低下する傾向にある。なお、2つのアルキル基はそれぞれ直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。また、2つのアルキル基の総炭素数が14〜30であれば各アルキル基の炭素数について特に制限はないが、各アルキル基の炭素数はそれぞれ6〜18であることが好ましい。
また、本発明において好適に使用されるジアルキルベンゼンスルホン酸は、前述の通り、ベンゼン環に結合する2つのアルキル基がそれぞれ直鎖アルキル基又は側鎖メチル基を1個有する分岐鎖状アルキル基であり、且つ2つのアルキル基の総炭素数が14〜30のものである。モノアルキルベンゼンスルホン酸の場合は後述するようにアルキル基の炭素数が15以上であれば好適に使用することができるが、アルキル基の炭素数が15未満のモノアルキルベンゼンスルホン酸を用いるとさび止め剤組成物の貯蔵安定性が低下する傾向にある。また、3個以上のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸を用いた場合にもさび止め剤組成物の貯蔵安定性が低下する傾向にある。さらに、ジアルキルベンゼンスルホン酸のベンゼン環に結合するアルキル基が側鎖メチル基以外の分岐構造を持つ分岐鎖状アルキル基(例えば、側鎖エチル基を有する分岐鎖状アルキル基、等)や2つ以上の分岐構造を有する分岐鎖状アルキル基(例えば、プロピレンのオリゴマーから誘導される分岐鎖状アルキル基等)であると、人体又は生態系に悪影響を及ぼす恐れがあり、また、さび止め性が不十分となる傾向にある。さらにまた、ジアルキルベンゼンスルホン酸のベンゼン環に結合する2つのアルキル基の総炭素数が14未満であると抗乳化性が低下する傾向にあり、他方、30を超えるとさび止め剤組成物の貯蔵安定性が低下する傾向にある。なお、ベンゼン環に結合する2つのアルキル基の総炭素数が14〜30であれば各アルキル基の炭素数については特に限定はないが、各アルキル基の炭素数はそれぞれ6〜18であることが好ましい。
さらに、本発明において好適に使用されるモノアルキルベンゼンスルホン酸は、前述の通り、ベンゼン環に結合する1つのアルキル基の炭素数が15以上のものである。ベンゼン環に結合するアルキル基の炭素数が15未満であると、得られるさび止め剤組成物の貯蔵安定性が低下する傾向にある。また、ベンゼン環に結合するアルキル基は、その炭素数が15以上であれば直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
上記の原料を用いて得られるスルホン酸塩としては、具体的には以下のものが挙げられる。すなわち、
アルカリ金属の塩基(アルカリ金属の酸化物や水酸化物等)、アルカリ土類金属の塩基(アルカリ土類金属の酸化物や水酸化物等)又はアミン(アンモニア、アルキルアミンやアルカノールアミン等)とスルホン酸とを反応させることにより得られる中性(正塩)スルホネート;
上記の中性(正塩)スルホネートと、過剰のアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンを水の存在下で加熱することにより得られる塩基性スルホネート;
炭酸ガスの存在下で上記の中性(正塩)スルホネートをアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンと反応させることにより得られる炭酸塩過塩基性(超塩基性)スルホネート;
上記の中性(正塩)スルホネートをアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミン並びにホウ酸又は無水ホウ酸等のホウ酸化合物との反応、あるいは上記の炭酸塩過塩基性(超塩基性)スルホネートとホウ酸又は無水ホウ酸等のホウ酸化合物との反応によって得られるホウ酸塩過塩基性(超塩基性)スルフォネート、及びこれらの混合物等が挙げられる。
なお、上記の中性(正塩)スルホネートを製造する場合、反応促進剤として目的とするスルホン酸塩と同じアルカリ金属、アルカリ土類金属又はアミンの塩化物を添加したり、目的とするスルホネートと異なるアルカリ金属、アルカリ土類金属又アミンの中性(正塩)スルホネートを調製した後に目的とするスルホン酸塩と同じアルカリ金属アルカリ土類金属又はアミンの塩化物を添加して交換反応を行うことによっても目的のスルホン酸塩を得ることが可能である。しかしながら、このような方法により得られるスルホン酸塩には塩化物イオンが残存しやすいので、本発明においては、このような方法により得られるスルホン酸塩を用いないか、または、得られるスルホン酸塩に水洗などの十分な洗浄処理を行うことが好ましい。具体的には、スルホン酸塩中の塩素濃度を200質量ppm以下とすることが好ましく、100質量ppm以下とすることがより好ましく、50質量ppm以下とすることが好ましく、25質量ppm以下とすることが特に好ましい。
ナフタレン環に結合する2つのアルキル基の総炭素数が14〜30であるジアルキルナフタレンスルホン酸塩;
ベンゼン環に結合する2つのアルキル基がそれぞれ直鎖アルキル基又は側鎖メチル基を1個有する分岐鎖状アルキル基であり、且つ2つのアルキル基の総炭素数が14〜30であるジアルキルベンゼンスルホン酸塩;及び
ベンゼン環に結合するアルキルの炭素数が15以上であるモノアルキルベンゼンスルホン酸塩、
からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
カルボン酸としては、任意のものが用いられるが、好ましくは、脂肪酸、ジカルボン酸、ヒドロキシ脂肪酸、ナフテン酸、樹脂酸、酸化ワックス、ラノリン脂肪酸などが挙げられる。ここでいう脂肪酸としては、炭素数が6〜24(より好ましくは10〜22)の脂肪酸である。ここで、本発明において使用される脂肪酸は、飽和脂肪酸であっても不飽和脂肪酸であってもよく、また直鎖状脂肪酸であっても分岐鎖状脂肪酸であってもよい。このような脂肪酸としては、具体的には、ヘキサン酸(全ての異性体を含む)、ヘプタン酸(全ての異性体を含む)、オクタン酸(全ての異性体を含む)、ノナン酸(全ての異性体を含む)、デカン酸(全ての異性体を含む)、ウンデカン酸(全ての異性体を含む)、ドデカン酸(全ての異性体を含む)、トリデカン酸(全ての異性体を含む)、テトラデカン酸(全ての異性体を含む)、ペンタデカン酸(全ての異性体を含む)、ヘキサデカン酸(全ての異性体を含む)、ヘプタデカン酸(全ての異性体を含む)、オクタデカン酸(全ての異性体を含む)、ノナデカン酸(全ての異性体を含む)、イコサン酸(全ての異性体を含む)、ヘンイコサン酸(全ての異性体を含む)、ドコサン酸(全ての異性体を含む)、トリコサン酸(全ての異性体を含む)、テトラコサン酸(全ての異性体を含む)等の飽和脂肪酸;ヘキセン酸(全ての異性体を含む)、ヘプテン酸(全ての異性体を含む)、オクテン酸(全ての異性体を含む)、ノネン酸(全ての異性体を含む)、デセン酸(全ての異性体を含む)、ウンデセン酸(全ての異性体を含む)、ドデセン酸(全ての異性体を含む)、トリデセン酸(全ての異性体を含む)、テトラデセン酸(全ての異性体を含む)、ペンタデセン酸(全ての異性体を含む)、ヘキサデセン酸(全ての異性体を含む)、ヘプタデセン酸(全ての異性体を含む)、オクタデセン酸(全ての異性体を含む)、ノナデセン酸(全ての異性体を含む)、イコセン酸(全ての異性体を含む)、ヘンイコセン酸(全ての異性体を含む)、ドコセン酸(全ての異性体を含む)、トリコセン酸(全ての異性体を含む)、テトラコセン酸(全ての異性体を含む)等の不飽和脂肪酸;およびこれらの混合物等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、好ましくは炭素数2〜40のジカルボン酸、より好ましくは炭素数5〜36のジカルボン酸が用いられる。これらの中でも、炭素数6〜18の不飽和脂肪酸をダイマー化したダイマー酸、アルキル又はアルケニルコハク酸が好ましく用いられる。ダイマー酸としては、具体的には、オレイン酸のダイマー酸等が挙げられる。また、アルキル又はアルケニルコハク酸の中でも、アルケニルコハク酸が好ましく、炭素数8〜18のアルケニル基を有するアルケニルコハク酸がより好ましい。
ヒドロキシ脂肪酸としては、好ましくは炭素数6〜24のヒドロキシ脂肪酸が用いられる。また、ヒドロキシ脂肪酸が有するヒドロキシ基の個数は1個でも複数個でもよいが、1〜3個のヒドロキシ基を有するものが好ましく用いられる。このようなヒドロキシ脂肪酸としては、具体的には、リシノール酸等が挙げられる。
ナフテン酸とは、石油中のカルボン酸類であって、ナフテン環に−COOH基が結合したものをいう。
樹脂酸とは、天然樹脂中に遊離した状態又はエステルとして存在する有機酸をいう。
酸化ワックスとは、ワックスを酸化して得られるものである。原料として用いられるワックスは特に制限されないが、具体的には、石油留分の精製の際に得られるパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトラタムや合成により得られるポリオレフィンワックス等が挙げられる。
ラノリン脂肪酸とは、羊の毛に付着するろう状物質を精製(加水分解等)して得られるカルボン酸である。
また、カルボン酸塩としては、上記したカルボン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩である。ここでいうアルカリ金属、アルカリ土類金属及びアミンとしては、それぞれスルホン酸の説明において例示したアルカリ金属、アルカリ土類金属およびアミンが挙げられる。なお、バリウム塩は人体や生態系に対する安全性が不十分となるおそれがある。
また、カルボン酸塩は、その他のさび止め剤と併用可能であるが、酸化ワックス塩及びラノリン脂肪酸塩をスルホン酸ナトリウム塩と併用する場合は、酸化ワックス塩およびラノリン脂肪酸塩としてそれぞれナトリウム塩を用いることが好ましい。
また、エステルとしては、多価アルコールの部分エステル、エステル化酸化ワックス、エステル化ラノリン脂肪酸、アルキル又はアルケニルコハク酸エステルなどが挙げられる。
多価アルコールの部分エステルとは、多価アルコール中の水酸基の少なくとも1個以上がエステル化されておらず水酸基のままで残っているエステルであり、その原料である多価アルコールとしては任意のものが使用可能であるが、分子中の水酸基の数が好ましくは2〜10個(より好ましくは3〜6個)であり且つ炭素数が2〜20(より好ましくは3〜10)である多価アルコールが好適に使用される。これらの多価アルコールの中でも、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びソルビタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の多価アルコールを用いることがより好ましい。
他方、部分エステルを構成する酸としては、任意のものが用いられるが、好ましくは炭素数が6〜24(より好ましくは10〜22)の脂肪酸である。ここで、本発明において使用される脂肪酸は、飽和脂肪酸であっても不飽和脂肪酸であってもよく、また直鎖状脂肪酸であっても分岐鎖状脂肪酸であってもよい。このような脂肪酸としては、上記カルボン酸の説明において例示された脂肪酸が挙げられる。
上記の多価アルコールと酸とを用いて得られる多価アルコールの部分エステルとしては、具体的には、グリセリンモノドデカノエート(グリセリンモノラウレート)、グリセリンモノイソラウレート、グリセリンジドデカノエート(グリセリンジラウレート)、グリセリンジイソラウレート、グリセリンモノテトラデカノエート(グリセリンモノミリステート)、グリセリンモノイソミリステート、グリセリンジテトラデカノエート(グリセリンジミリステート)、グリセリンジイソミリステート、グリセリンモノヘキサデカノエート(グリセリンモノパルミテート)、グリセリンモノイソパルミテート、グリセリンジヘキサデカノエート(グリセリンジパルミテート)、グリセリンジイソパルミテート、グリセリンモノオクタデカノエート(グリセリンモノステアレート)、グリセリンモノイソステアレート、グリセリンジオクタデカノエート(グリセリンジステアレート)、グリセリンジイソステアレート、グリセリンモノオクタデセノエート(グリセリンモノオレエート)、グリセリンモノイソオレエート、グリセリンジオクタデセノエート(グリセリンジオレエート)、グリセリンジイソオレエート等のグリセリン部分エステル;
トリメチロールエタンモノドデカノエート(トリメチロールエタンモノラウレート)、トリメチロールエタンモノイソラウレート、トリメチロールエタンジドデカノエート(トリメチロールエタンジラウレート)、トリメチロールエタンジイソラウレート、トリメチロールエタンモノテトラデカノエート(トリメチロールエタンモノミリステート)、トリメチロールエタンモノイソミリステート、トリメチロールエタンジテトラデカノエート(トリメチロールエタンジミリステート)、トリメチロールエタンジイソミリステート、トリメチロールエタンモノヘキサデカノエート(トリメチロールエタンモノパルミテート)、トリメチロールエタンモノイソパルミテート、トリメチロールエタンジヘキサデカノエート(トリメチロールエタンジパルミテート)、トリメチロールエタンジイソパルミテート、トリメチロールエタンモノオクタデカノエート(トリメチロールエタンモノステアレート)、トリメチロールエタンモノイソステアレート、トリメチロールエタンジオクタデカノエート(トリメチロールエタンジステアレート)、トリメチロールエタンジイソステアレート、トリメチロールエタンモノオクタデセノエート(トリメチロールエタンモノオレエート)、トリメチロールエタンモノイソオレエート、トリメチロールエタンジオクタデセノエート(トリメチロールエタンジオレエート)、トリメチロールエタンジイソオレエート等のトリメチロールエタン部分エステル;
トリメチロールプロパンモノドデカノエート(トリメチロールプロパンモノラウレート)、トリメチロールプロパンモノイソラウレート、トリメチロールプロパンジドデカノエート(トリメチロールプロパンジラウレート)、トリメチロールプロパンジイソラウレート、トリメチロールプロパンモノテトラデカノエート(トリメチロールプロパンモノミリステート)、トリメチロールプロパンモノイソミリステート、トリメチロールプロパンジテトラデカノエート(トリメチロールプロパンジミリステート)、トリメチロールプロパンジイソミリステート、トリメチロールプロパンモノヘキサデカノエート(トリメチロールプロパンモノパルミテート)、トリメチロールプロパンモノイソパルミテート、トリメチロールプロパンジヘキサデカノエート(トリメチロールプロパンジパルミテート)、トリメチロールプロパンジイソパルミテート、トリメチロールプロパンモノオクタデカノエート(トリメチロールプロパンモノステアレート)、トリメチロールプロパンモノイソステアレート、トリメチロールプロパンジオクタデカノエート(トリメチロールプロパンジステアレート)、トリメチロールプロパンジイソステアレート、トリメチロールプロパンモノオクタデセノエート(トリメチロールプロパンモノオレエート)、トリメチロールプロパンモノイソオレエート、トリメチロールプロパンジオクタデセノエート(トリメチロールプロパンジオレエート)、トリメチロールプロパンジイソオレエート等のトリメチロールプロパン部分エステル;
ペンタエリスリトールモノドデカノエート(ペンタエリスリトールモノラウレート)、ペンタエリスリトールモノイソラウレート、ペンタエリスリトールジドデカノエート(ペンタエリスリトールジラウレート)、ペンタエリスリトールジイソラウレート、ペンタエリスリトールトリドデカノエート(ペンタエリスリトールトリラウレート)、ペンタエリスリトールトリイソラウレート、ペンタエリスリトールモノテトラデカノエート(ペンタエリスリトールモノミリステート)、ペンタエリスリトールモノイソミリステート、ペンタエリスリトールジテトラデカノエート(ペンタエリスリトールジミリステート)、ペンタエリスリトールジイソミリステート、ペンタエリスリトールトリテトラデカノエート(ペンタエリスリトールトリミリステート)、ペンタエリスリトールトリイソミリステート、ペンタエリスリトールモノヘキサデカノエート(ペンタエリスリトールモノパルミテート)、ペンタエリスリトールモノイソパルミテート、ペンタエリスリトールジヘキサデカノエート(ペンタエリスリトールジパルミテート)、ペンタエリスリトールジイソパルミテート、ペンタエリスリトールトリヘキサデカノエート(ペンタエリスリトールトリパルミテート)、ペンタエリスリトールトリイソパルミテート、ペンタエリスリトールモノオクタデカノエート(ペンタエリスリトールモノステアレート)、ペンタエリスリトールモノイソステアレート、ペンタエリスリトールジオクタデカノエート(ペンタエリスリトールジステアレート)、ペンタエリスリトールジイソステアレート、ペンタエリスリトールトリオクタデカノエート(ペンタエリスリトールトリステアレート)、ペンタエリスリトールトリイソステアレート、ペンタエリスリトールモノオクタデセノエート(ペンタエリスリトールモノオレエート)、ペンタエリスリトールモノイソオレエート、ペンタエリスリトールジオクタデセノエート(ペンタエリスリトールジオレエート)、ペンタエリスリトールジイソオレエート、ペンタエリスリトールトリオクタデセノエート(ペンタエリスリトールトリオレエート)、ペンタエリスリトールトリイソオレエート等のペンタエリスリトール部分エステル;
ソルビタンモノドデカノエート(ソルビタンモノラウレート)、ソルビタンモノイソラウレート、ソルビタンジドデカノエート(ソルビタンジラウレート)、ソルビタンジイソラウレート、ソルビタントリドデカノエート(ソルビタントリラウレート)、ソルビタントリイソラウレート、ソルビタンモノテトラデカノエート(ソルビタンモノミリステート)、ソルビタンモノイソミリステート、ソルビタンジテトラデカノエート(ソルビタンジミリステート)、ソルビタンジイソミリステート、ソルビタントリテトラデカノエート(ソルビタントリミリステート)、ソルビタントリイソミリステート、ソルビタンモノヘキサデカノエート(ソルビタンモノパルミテート)、ソルビタンモノイソパルミテート、ソルビタンジヘキサデカノエート(ソルビタンジパルミテート)、ソルビタンジイソパルミテート、ソルビタントリヘキサデカノエート(ソルビタントリパルミテート)、ソルビタントリイソパルミテート、ソルビタンモノオクタデカノエート(ソルビタンモノステアレート)、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンジオクタデカノエート(ソルビタンジステアレート)、ソルビタンジイソステアレート、ソルビタントリオクタデカノエート(ソルビタントリステアレート)、ソルビタントリイソステアレート、ソルビタンモノオクタデセノエート(ソルビタンモノオレエート)、ソルビタンモノイソオレエート、ソルビタンジオクタデセノエート(ソルビタンジオレエート)、ソルビタンジイソオレエート、ソルビタントリオクタデセノエート(ソルビタントリオレエート)、ソルビタントリイソオレエート等のソルビタン部分エステル、
又はこれらの混合物等が好ましく用いられる。これらの中でも、特にモノエステルであるグリセリンモノドデカノエート(グリセリンモノラウレート)、グリセリンモノイソラウレート、グリセリンモノテトラデカノエート(グリセリンモノミリステート)、グリセリンモノイソミリステート、グリセリンモノヘキサデカノエート(グリセリンモノパルミテート)、グリセリンモノイソパルミテート、グリセリンモノオクタデカノエート(グリセリンモノステアレート)、グリセリンモノイソステアレート、グリセリンモノオクタデセノエート(グリセリンモノオレエート)、グリセリンモノイソオレエート;トリメチロールエタンモノドデカノエート(トリメチロールエタンモノラウレート)、トリメチロールエタンモノイソラウレート、トリメチロールエタンモノテトラデカノエート(トリメチロールエタンモノミリステート)、トリメチロールエタンモノイソミリステート、トリメチロールエタンモノヘキサデカノエート(トリメチロールエタンモノパルミテート)、トリメチロールエタンモノイソパルミテート、トリメチロールエタンモノオクタデカノエート(トリメチロールエタンモノステアレート)、トリメチロールエタンモノイソステアレート、トリメチロールエタンモノオクタデセノエート(トリメチロールエタンモノオレエート)、トリメチロールエタンモノイソオレエート;トリメチロールプロパンモノドデカノエート(トリメチロールプロパンモノラウレート)、トリメチロールプロパンモノイソラウレート、トリメチロールプロパンモノテトラデカノエート(トリメチロールプロパンモノミリステート)、トリメチロールプロパンモノイソミリステート、トリメチロールプロパンモノヘキサデカノエート(トリメチロールプロパンモノパルミテート)、トリメチロールプロパンモノイソパルミテート、トリメチロールプロパンモノオクタデカノエート(トリメチロールプロパンモノステアレート)、トリメチロールプロパンモノイソステアレート、トリメチロールプロパンモノオクタデセノエート(トリメチロールプロパンモノオレエート)、トリメチロールプロパンモノイソオレエート;ペンタエリスリトールモノドデカノエート(ペンタエリスリトールモノラウレート)、ペンタエリスリトールモノイソラウレート、ペンタエリスリトールモノテトラデカノエート(ペンタエリスリトールモノミリステート)、ペンタエリスリトールモノイソミリステート、ペンタエリスリトールモノヘキサデカノエート(ペンタエリスリトールモノパルミテート)、ペンタエリスリトールモノイソパルミテート、ペンタエリスリトールモノオクタデカノエート(ペンタエリスリトールモノステアレート)、ペンタエリスリトールモノイソステアレート、ペンタエリスリトールモノオクタデセノエート(ペンタエリスリトールモノオレエート)、ペンタエリスリトールモノイソオレエート;ソルビタンモノドデカノエート(ソルビタンモノラウレート)、ソルビタンモノイソラウレート、ソルビタンモノテトラデカノエート(ソルビタンモノミリステート)、ソルビタンモノイソミリステート、ソルビタンモノヘキサデカノエート(ソルビタンモノパルミテート)、ソルビタンモノイソパルミテート、ソルビタンモノオクタデカノエート(ソルビタンモノステアレート)、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノオクタデセノエート(ソルビタンモノオレエート)、ソルビタンモノイソオレエート、又はこれらの混合物等を用いることが好ましい。
エステル化酸化ワックスとは、酸化ワックスとアルコール類とを反応させ、酸化ワックスが有する酸性基の一部または全部をエステル化させたものをいう。ここで、前記エステル化酸化ワックスの原料として使用される酸化ワックスとしては、上記カルボン酸塩の説明において例示された酸化ワックス;アルコール類としては、炭素数1〜20の直鎖状または分岐状の飽和1価アルコール、炭素数1〜20の直鎖状または分岐状の不飽和1価アルコール、上記エステルの説明において例示された多価アルコール、ラノリンの加水分解により得られるアルコール等、がそれぞれ挙げられる。
エステル化ラノリン脂肪酸とは、羊の毛に付着するろう状物質を精製(加水分解等)して得られたラノリン脂肪酸とアルコールとを反応させて得られたものを指す。ここで、エステル化ラノリン脂肪酸の原料として使用されるアルコールとしては、上記のエステル化酸化ワックスの説明において例示されたアルコールが挙げられ、中でも多価アルコールが好ましく、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ソルビタン、ペンタエリスリトール、グリセリンがより好ましい。
アルキル又はアルケニルコハク酸エステルとしては、前記したアルキル又はアルケニルコハク酸と1価アルコール又は2価以上の多価アルコールとのエステルが挙げられる。これらの中でも1価アルコール及び2価アルコールのエステルが好ましい。
ここでいう1価アルコールとしては、直鎖状のものでも分岐鎖状のものでもよく、また、飽和アルコールでも不飽和アルコールでもよい。また、1価アルコールの炭素数は特に制限されないが、炭素数8〜18の脂肪族アルコールが好ましく用いられる。
また、2価アルコールとしては、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールが好ましく用いられる。アルキレングリコールとしては、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ヘプチレングリコール、オクチレングリコール、ノニレングリコール、デシレングリコール等が挙げられる。また、ポリオキシアルキレングリコールとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のある切れの基サイドを単独重合又は共重合したものが挙げられる。なお、ポリオキシアルキレングリコールにおいて、構造の異なるアルキレンオキサイドが共重合している場合、オキシアルキレン基の重合形式は特に制限されず、ランダム共重合、ブロック共重合のいずれであってもよい。また、ポリオキシアルキレングリコールの重合度は特に制限されないが、2〜10のものが好ましく、2〜8のものがより好ましく、2〜6のものが更に好ましい。
また、アルキル又はアルケニルコハク酸エステルとしては、アルキル又はアルケニルコハク酸の2個の−COOH基の双方がエステル化されたジエステル(完全エステル)であってもよく、あるいは−COOH基の一方のみがエステル化されたモノエステル(部分エステル)であってもよいが、よりさび止め性に優れる点から、モノエステルであることが好ましい。
また、ザルコシンとしては、下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される化合物が好ましく用いられる。
1−CO−NR2−(CH2n−COOX (1)
(式中、R1は炭素数6〜30のアルキル基又は炭素数6〜30のアルケニル基、R2は炭素数1〜4のアルキル基、Xは水素、炭素数1〜30のアルキル基又は炭素数1〜30のアルケニル基、nは1〜4の整数を示す。)
[R1−CO−NR2−(CH2n−COO]mY (2)
(式中、R1は炭素数6〜30のアルキル基又は炭素数6〜30のアルケニル基、R2は炭素数1〜4のアルキル基、Yはアルカリ金属又はアルカリ土類金属、nは1〜4の整数、mはYがアルカリ金属の場合は1、アルカリ土類金属の場合は2を示す。)
[R1−CO−NR2−(CH2n−COO]m−Z−(OH)m' (3)
(式中、R1は炭素数6〜30のアルキル基又は炭素数6〜30のアルケニル基、R2は炭素数1〜4のアルキル基、Zは2価以上の多価アルコールの水酸基を除いた残基、mは1以上の整数、m’は0以上の整数、m+m’はZの価数、nは1〜4の整数を示す。)
一般式(1)〜(3)中、R1は炭素数6〜30のアルキル基又は炭素数6〜30のアルケニル基を表す。基油への溶解性などの点から、炭素数6以上のアルキル基又はアルケニル基であることが必要であり、炭素数7以上であることが好ましく、炭素数8以上であることがより好ましい。また、貯蔵安定性などの点から、炭素数30以下のアルキル基又はアルケニル基であることが必要であり、炭素数24以下であることが好ましく、炭素数20以下であることがより好ましい。このようなアルキル基及びアルケニル基としては、具体的には例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等のアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い);ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基等のアルケニル基(これらアルケニル基は直鎖状でも分枝状でも良く、また二重結合の位置も任意である)等が挙げられる。
一般式(1)〜(3)中、R2は炭素数1〜4のアルキル基を表す。貯蔵安定性などの点から、炭素数4以下のアルキル基であることが必要であり、炭素数3以下であることが好ましく、炭素数2以下であることがより好ましい。一般式(1)〜(3)中、nは1〜4の整数を表す。貯蔵安定性などの点から、4以下の整数であることが必要であり、3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましい。
一般式(1)中、Xは水素原子、炭素数1〜30のアルキル基又は炭素数1〜30のアルケニル基を表す。Xで表されるアルキル基又はアルケニル基としては、貯蔵安定性などの点から炭素数30以下であることが必要であり、炭素数20以下であることが好ましく、炭素数10以下であることがより好ましい。このようなアルキル基又はアルケニル基としては、具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い);エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基等のアルケニル基(これらアルケニル基は直鎖状でも分枝状でも良く、また二重結合の位置も任意である)等が挙げられる。また、よりさび止め性に優れるなどの点から、アルキル基であることが好ましい。Xとしては、よりさび止め性に優れるなどの点から、水素、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルケニル基であることが好ましく、水素または炭素数1〜20のアルキル基であることがより好ましく、水素または炭素数1〜10のアルキル基であることがさらにより好ましい。
一般式(2)中、Yはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表し、具体的には例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム等が挙げられる。これらの中でも、よりさび止め性に優れる点から、アルカリ土類金属が好ましい。なお、バリウムの場合、人体や生態系に対する安全性が不十分となるおそれがある。一般式(2)中、mはYがアルカリ金属の場合は1を示し、Yがアルカリ土類金属の場合は2を示す。
一般式(3)中、Zは2価以上の多価アルコールの水酸基を除いた残基を表す。このような多価アルコールとしては、具体的には例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、イソプレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ソルバイト、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ダイマージオール等の2価のアルコール;グリセリン、2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、エリスリトール、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール、ジグリセリン、ソルビタン等の4価アルコール;アドニトール、アラビトール、キシリトール、トリグリセリン等の5価アルコール;ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、イノシトール、ダルシトール、タロース、アロース等の6価アルコール;ポリグリセリン又はこれらの脱水縮合物等が挙げられる。
一般式(3)中、mは1以上の整数、m’は0以上の整数であり、かつm+m’はZの価数と同じである。つまり、Zの多価アルコールの水酸基のうち、全てが置換されていても良く、その一部のみが置換されていても良い。
上記一般式(1)〜(3)で表されるザルコシンの中でも、よりさび止め性に優れる点から、一般式(1)および(2)の中から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。また、一般式(1)〜(3)の中から選ばれる1種の化合物のみを単独で使用しても良く、2種以上の化合物の混合物を使用しても良い。
また、アミンとしては、上記スルホン酸塩の説明において例示されたアミンが挙げられる。
また、ホウ素化合物としては、ホウ酸カルシウム等が挙げられる。
なお、上記化合物を製造するに際し、脱色を目的として塩素系漂白剤が使用されることがあるが、本発明においては、漂白剤として過酸化水素等の比塩素系化合物を用いるか、あるいは脱色処理を行わないことが好ましい。また、油脂類の加水分解等で塩酸などの塩素系化合物が使用されることがあるが、この場合も、非塩素系の酸又は塩基性化合物を使用することが好ましい。更に、得られる化合物に水洗等の十分な洗浄処理を施すことが好ましい。
また、上記化合物の塩素濃度は、さび止め剤組成物の特性を損なわない限りにおいて特に制限されるものではないが、好ましくは200質量ppm以下であり、より好ましくは100質量ppm以下であり、さらに好ましくは50ppm以下であり、特に好ましくは25質量ppm以下である。
本発明のさび止め剤組成物においては、上記さび止め剤のうちの1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。しかしながら、より高いさび止め性が得られることから、スルホン酸塩と、カルボン酸、カルボン酸塩、エステル、ザルコシン、アミン及びホウ素化合物から選ばれる少なくとも1種と、を併用することが好ましい。更に、スルホン酸塩と組み合わせて用いられるさび止め剤としては、エステル、カルボン酸及びカルボン酸塩から選ばれる少なくとも1種が好ましく、エステルと、カルボン酸及び/又はカルボン酸塩とを組み合わせて用いることがより好ましい。また、ここでいうエステルとしては、多価アルコールの部分エステル及びアルケニルコハク酸の部分エステルが好ましく、カルボン酸としては、脂肪酸、ダイマー酸及びアルケニルコハク酸が好ましく、カルボン酸塩としては、脂肪酸塩、ラノリン脂肪酸塩及び酸化ワックス塩が好ましい。
本発明のさび止め組成物における(B)さび止め剤の含有量は、前述の通り1〜40質量%であることが必要であり、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは5〜25質量%である。さび止め剤の含有量が1質量%未満であると、十分なさび止め性を得ることができない。また、さび止め剤の含有量が40質量%を超えても、含有量に見合うさび止め性を得ることができない。
本発明のさび止め剤組成物は、(A)ワックスと(B)さび止め剤とからなるものであってもよいが、組成物の蒸発量、流下点及び100℃における動粘度が本発明で規定する条件を満たせば、後述する基油及び添加剤を更に含有してもよい。
本発明で用いられる基油としては、鉱油又は合成油のいずれであってもよく、あるいは鉱油と合成油との混合油であってもよい。
鉱油としては、具体的には、原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分に対して、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理の1種もしくは2種以上の精製手段を適宜組み合わせて適用して得られるパラフィン系又はナフテン系の鉱油等が挙げられる。
また、合成油としては、ポリオレフィン、アルキルベンゼン等が好適に使用される。
ポリオレフィンとしては、炭素数2〜16、好ましくは炭素数2〜12のオレフィンモノマーを単独重合又は共重合したもの、並びにこれらの重合体の水素化物等が挙げられる。なお、ポリオレフィンが構造の異なるオレフィンモノマーの共重合体である場合、その共重合体におけるモノマー比やモノマー配列には特に制限はなく、ランダム共重合体、交互共重合体及びブロック共重合体のうちのいずれであってもよい。また、前記オレフィンモノマーは、α−オレフィン、内部オレフィン、直鎖状オレフィン、分岐鎖状オレフィンのうちのいずれであってもよい。このようなオレフィンモノマーとしては、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、直鎖状又は分岐鎖状のペンテン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状又は分岐鎖状のヘキセン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状又は分岐鎖状のヘプテン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状又は分岐鎖状のオクテン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状又は分岐鎖状のノネン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状又は分岐鎖状のデセン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状又は分岐鎖状のウンデセン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状又は分岐鎖状のドデセン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状又は分岐鎖状のトリデセン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状又は分岐鎖状のテトラデセン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状又は分岐鎖状のペンタデセン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状又は分岐鎖状のヘキサデセン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらの中でも、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、炭素数5〜12のα−オレフィン及びこれらの混合物等が好ましく用いられる。さらに、炭素数5〜12のα−オレフィンの中でも、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン及びこれらの混合物等がより好ましい。
上記したポリオレフィンは従来公知の製造することができる。具体的には例えば、無触媒による熱反応によって製造することができるほか、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物触媒;塩化アルミニウム、塩化アルミニウム−多価アルコール系、塩化アルミニウム−四塩化チタン系、塩化アルミニウム−アルキル錫ハライド系、フッ化ホウ素等のフリーデルクラフツ型触媒;有機塩化アルミニウム−四塩化チタン系、有機アルミニウム−四塩化チタン系等のチーグラー型触媒;アルミノキサン−ジルコノセン系、イオン性化合物−ジルコノセン系等のメタロセン型触媒;塩化アルミニウム−塩基系、フッ化ホウ素−塩基系等のルイス酸コンプレックス型触媒、等の公知の触媒を用いて、上記のオレフィンを単独重合又は共重合させることによって目的のポリオレフィンを製造することができる。
このような方法により得られるポリオレフィンは、通常、二重結合を有しているが、本発明においてはこれらのポリオレフィン中の二重結合炭素を水素化した、いわゆるポリオレフィンの水素化物を基油として用いることが好ましい。ポリオレフィンの水素化物を用いると、得られるさび止め剤組成物の熱・酸化安定性が向上する傾向にある。なお、ポリオレフィンの水素化物は、例えば、ポリオレフィンを公知の水素化触媒の存在下で水素で水素化し、ポリオレフィン中に存在する二重結合を飽和化することによって得ることができる。また、オレフィンの重合反応を行う際に、使用する触媒を選択することによって、オレフィンの重合と重合体の水素化といった2工程を経ることなく、オレフィンの重合と重合体中に存在する二重結合の水素化を1工程で完遂させることも可能である。
本発明において基油として好適に使用されるポリオレフィンの中にあって、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン(ナフサ熱分解の際に副生するブタン−ブテン留分(1−ブテン、2−ブテン及びイソブテンの混合物)の重合によって得られる共重合体)、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー、1−ドデセンオリゴマー並びにこれらの水素化物、さらにはこれらの混合物等は熱・酸化安定性、粘度−温度特性、低温流動性に優れている点で好ましく、特にエチレン−プロピレン共重合体水素化物、ポリブテン水素化物、1−オクテンオリゴマー水素化物、1−デセンオリゴマー水素化物、1−ドデセンオリゴマー水素化物並びにこれらの混合物がより好ましい。なお、潤滑油用基油として市販されているエチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン及びポリ−α−オレフィン等の合成油は、通常、その二重結合が既に水素化されているものであり、本発明においてはこれらの市販品も基油として用いることができる。
また、本発明にかかる基油として好適に使用されるアルキルベンゼンとしては、分子中に炭素数1〜40のアルキル基を1〜4個有するものが好ましい。ここでいう炭素数1〜40のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基(すべての異性体を含む)、ブチル基(すべての異性体を含む)、ペンチル基(すべての異性体を含む)、ヘキシル基(すべての異性体を含む)、ヘプチル基(すべての異性体を含む)、オクチル基(すべての異性体を含む)、ノニル基(すべての異性体を含む)、デシル基(すべての異性体を含む)、ウンデシル基(すべての異性体を含む)、ドデシル基(すべての異性体を含む)、トリデシル基(すべての異性体を含む)、テトラデシル基(すべての異性体を含む)、ペンタデシル基(すべての異性体を含む)、ヘキサデシル基(すべての異性体を含む)、ヘプタデシル基(すべての異性体を含む)、オクタデシル基(すべての異性体を含む)、ノナデシル基(すべての異性体を含む)、イコシル基(すべての異性体を含む)、ヘンイコシル基(すべての異性体を含む)、ドコシル基(すべての異性体を含む)、トリコシル基(すべての異性体を含む)、テトラコシル基(すべての異性体を含む)、ペンタコシル基(すべての異性体を含む)、ヘキサコシル基(すべての異性体を含む)、ヘプタコシル基(すべての異性体を含む)、オクタコシル基(すべての異性体を含む)、ノナコシル基(すべての異性体を含む)、トリアコンチル基(すべての異性体を含む)、ヘントリアコンチル基(すべての異性体を含む)、ドトリアコンチル基(すべての異性体を含む)、トリトリアコンチル基(すべての異性体を含む)、テトラトリアコンチル基(すべての異性体を含む)、ペンタトリアコンチル基(すべての異性体を含む)、ヘキサトリアコンチル基(すべての異性体を含む)、ヘプタトリアコンチル基(すべての異性体を含む)、オクタトリアコンチル基(すべての異性体を含む)、ノナトリアコンチル基(すべての異性体を含む)、テトラコンチル基(すべての異性体を含む)等が挙げられる。また、本発明にかかるアルキルベンゼンのアルキル基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよいが、安定性、粘度特性等の点から分岐鎖状のアルキル基が好ましく、特に入手が容易であるという点から、プロピレン、ブテン、イソブチレン等のオレフィンのオリゴマーから誘導される分岐鎖状アルキル基がより好ましい。
本発明において使用されるアルキルベンゼン中のアルキル基の個数は1〜4個が好ましいが、安定性、入手可能性の点から1個又は2個のアルキル基を有するアルキルベンゼン、すなわちモノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン、又はこれらの混合物が最も好ましい。また、アルキルベンゼンとしては、単一の構造のアルキルベンゼンだけでなく、異なる構造を有するアルキルベンゼンの混合物であっても良い。
本発明にかかるアルキルベンゼンは、例えば、芳香族化合物を原料とし、アルキル化剤及びアルキル化触媒を用いて製造することができる。ここで、原料として使用される芳香族化合物としては、具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、ジエチルベンゼン、及びこれらの混合物等が挙げられる。またアルキル化剤としては、具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン等の低級モノオレフィン、好ましくはプロピレンの重合によって得られる炭素数6〜40の直鎖状又は分枝鎖状のオレフィン;ワックス、重質油、石油留分、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱分解によって得られる炭素数6〜40の直鎖状又は分岐鎖状のオレフィン;灯油、軽油等の石油留分からn−パラフィンを分離し、これを触媒によりオレフィン化することによって得られる炭素数9〜40の直鎖状オレフィン、及びこれらの混合物等が挙げられる。さらにまた、アルキル化の際のアルキル化触媒としては、塩化アルミニウム、塩化亜鉛等のフリーデルクラフツ型触媒;硫酸、リン酸、ケイタングステン酸、フッ化水素酸、活性白土等の酸性触媒、等の公知の触媒が挙げられる。
本発明においては、上記した各種基油を単独で用いてもよく、2種以上の基油を混合して用いてもよい。また、本発明のさび止め剤組成物における上記基油の含有量は、20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
また、本発明のさび止め剤組成物においては、必要に応じて他の添加剤を含有させてもよい。ここで、本発明において使用される他の添加剤としては、具体的には例えば、酸性雰囲気での暴露さび止め性向上効果が著しいパラフィンワックス;プレス成形性向上効果あるいは潤滑性向上効果が著しい硫化油脂、硫化エステル、長鎖アルキル亜鉛ジチオホスフェート、トリクレジルフォスフェート等のリン酸エステル、豚脂等の油脂、脂肪酸、高級アルコール、炭酸カルシウム、ホウ酸カリウム;酸化防止性能を向上させるためのフェノール系またはアミン系酸化防止剤;腐食防止性能を向上させるための腐食防止剤(ベンゾトリアゾールまたはその誘導体、チアジアゾール、ベンゾチアゾール等);ジエチレングリコールモノアルキルエーテル等の湿潤剤;アクリルポリマー、パラフィンワックス、マイクロワックス、スラックワックス、ポリオレフィンワックス、ペトロラタム等の造膜剤;メチルシリコーン、フルオロシリコーン、ポリアクリレート等の消泡剤;水溶性腐敗因子を除去するための水及び界面活性剤、及びこれらの混合物等が挙げられる。また、本発明にかかるスルホン酸塩以外のさび止め添加剤、具体的には、アルキル又はアルケニルコハク酸(無水物を含む)及びその誘導体、オレイン酸等の不飽和脂肪酸の二量体等に代表されるジカルボン酸、ヒドロキシ脂肪酸、メルカプト脂肪酸等に代表される他の極性基含有カルボン酸、酸化ワックス等のカルボン酸類;脂肪酸、ナフテン酸、樹脂酸、アルケニルコハク酸、アミノ酸誘導体等のカルボン酸の金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、鉛塩等)やアミン塩(モノアミン塩、牛脂アミン塩、ポリアミン塩、アルカノールアミン塩等)に代表されるカルボン酸塩類;高級脂肪族アルコール等に代表されるアルコール類;リン酸モノエステル、リン酸ジエステル、亜リン酸エステル、これらのアミン塩等に代表される(亜)リン酸誘導体類;ホウ素化合物等を配合することもできる。なお、上記の他の添加剤の含有量は任意であるが、これらの添加剤の含有量の総和はさび止め剤組成物全量基準で10質量%以下であることが好ましい。
また、本発明のさび止め剤組成物においては、バリウム、亜鉛、塩素及び鉛の含有量はそれぞれ元素換算で、さび止め剤組成物全量を基準として、好ましくは1000質量ppm以下、より好ましくは500質量ppm以下、更に好ましくは100質量ppm以下、更により好ましくは50質量ppm以下、一層好ましくは10質量ppm以下、特に好ましくは5質量ppm以下、最も好ましくは1質量ppm以下である。これらの元素のうちの1つでもその含有量が1000質量ppmを超える場合には、人体あるいは生態系等の環境に対する安全性が不十分となる可能性がある。
なお、本発明における元素の含有量とは、以下の方法によって測定される値をいう。すなわち、バリウム、亜鉛および鉛の含有量とは、ASTM D 5185-95 "Standard Test Method for Determination of Additive Elements, Wear Metals, and Contaminants in Used Lubricating Oils and Determination of Selected Elements in Base Oils by Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectrometry(ICP-AES)";塩素の含有量とは、"IP PRPOSED METHOD AK/81 Determination of chlorine - Microcoulometery oxidative method"、にそれぞれ準拠して測定される組成物全量を基準とした含有量[質量ppm]を意味する。上記の測定方法における各元素の検出限界は通常1質量ppmである。
本発明のさび止め剤組成物は、上記特定量の(A)ワックス及び(B)さび止め剤、並びに必要に応じて用いられる基油及び添加剤を含んで構成されるが、そのJIS K2246.5.17蒸発量試験における蒸発量は、前述の通り10%以下であることが必要であり、8%以下であることが好ましく、6%以下であることがより好ましい。なお、当該蒸発量が10%を超えると、被処理体に塗布したときに均一且つ十分な膜厚の皮膜を形成することが困難となり、また、常温において揮発成分の蒸発による経時的な膜厚の変動を抑制することができなくなる。その結果、時間の経過と共にクラックや塗膜の剥がれ等が生じ、十分なさび止め性を得ることができなくなる。
また、本発明のさび止め剤組成物のJIS K2246.5.21流下点試験における流下点は、前述の通り40℃以上であることが必要であり、50℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。なお、当該流下点が40℃未満である場合、被処理体に塗布したときの皮膜量が常温で経時的に低下し、塗布部位により皮膜厚さに差が生じやすくなり、さび止め性が不十分となるおそれがある。
また、本発明のさび止め剤組成物の100℃における動粘度は、前述の通り1〜100mm/sであることが必要であり、1〜50mm/sであることが好ましく、2〜40mm/sであることがより好ましく、3〜30mm/sであることが更に好ましい。なお、当該動粘度が1mm/s未満であると、組成物全体で40℃以上という流下点を達成することが困難となる。また、当該動粘度が100mm/sを超えると、融点が過剰に高くなり、取扱い性の点で実用に供し得なくなる。また、本発明のさび止め剤組成物が常温で固体であっても、後述するさび止め方法により容易且つ確実な被処理体への塗布が実現可能となるが、さび止め剤組成物の100℃における動粘度が100mm/sを超えると、低粘度化のためにより高温での加熱が必要となり、さび止め剤組成物の劣化が促進されてその性能が損なわれてしまう。
上記構成を有する本発明のさび止め剤組成物は、被処理体における均一且つ十分な厚さの皮膜の形成を可能とするものであり、被処理体の全面に連続した皮膜を形成してさびの発生を十分に防止することを可能とするものである。本発明のさび止め剤組成物が適用される被処理体としては特に制限はされず、自動車用部品、冷延鋼板、熱延後半、めっき鋼板、軸受部品、建築用鋼材、精密部品等の金属性部材に好適に適用することができる。
また、本発明のさび止め剤組成物の被処理体への塗布方法は特に制限されず、例えば常温で塗布してもよいが、さび止め剤組成物が常温で固体である場合には、後述するさび止め方法により塗布を行うことが好ましい。
すなわち、本発明に係る好ましいさび止め方法は、上記本発明のさび止め剤組成物を加熱してその動粘度を50mm/s以下とし、被処理体に塗布するものである。このように、本発明のさび止め剤組成物を加熱してその動粘度を50mm/s以下とすることよって、当該組成物を被処理体に容易に且つ確実に塗布することができる。
加熱後の組成物を被処理体に塗布する方法は特に制限されないが、皮膜厚さを均一とする点から、微細な霧状で塗布することが望ましい。この場合の塗布装置については、動粘度が50mm/s以下のさび止め剤を霧化できるものであれば特に制限されず、例えばエアースプレータイプ、エアレススプレータイプ、ホットメルトタイプなどのいずれも適用可能である。また、はけ塗りやローラーによる塗布も可能である。
図1は上記のさび止め方法において好適に使用される塗布装置の一例を示す説明図である。図1中、タンク1には本発明のさび止め剤組成物(以下、単に「さび止め剤」という)100が収容されている。また、タンク1にはヒーター2及び熱電対3が設けられ、ヒーター2及び熱伝対3はそれぞれ温度コントローラー4と電気的に接続されている。これにより、タンク1に収容されたさび止め剤100は動粘度が50mm/s以下となる温度まで加熱される。また、かかる加熱の際には、タンク1に設けられた攪拌子5によりさび止め剤100が十分に攪拌される。
このようにして加熱されたさび止め剤100は、ポンプ6によりラインL1に引き出され、スプレー7に供給される。そして、スプレー7のノズルに対向配置された被処理体10に向けて、霧化されたさび止め剤100を吹き付けることで、さび止め剤100の被処理体10への塗布が行われる。このとき、スプレー7においてさび止め剤100を霧化するために、必要に応じて、ラインL1、スプレー7などを加熱してさび止め剤100の動粘度を50mm/s以下に保持することが好ましい。加熱温度はさび止め剤100の種類等によっても異なるが、例えば50〜100℃の温度範囲とすることが好ましい、なお、加熱温度の上限については特に制限されないが、さび止め剤100の酸化安定性の点から過加熱は避けるべきであり、さらに、さび止め剤の引火点を超える温度まで加熱することは火災当のおそれがあるため避けるべきである。また、さび止め剤100の霧化は、タンク1とスプレー7との間における動粘度の管理だけでなく、塗布圧力、ノズルチップの選択などによる制御によっても行うことができる。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない
以下、実施例及び比較例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1〜7、比較例1〜5]
実施例1〜7及び比較例1〜5においては、それぞれ以下に示す基油、ワックス及びさび止め剤を用いて表1、2に示すさび止め剤組成物を調製した。表1、2には、JIS K2246.5.17蒸発量試験における蒸発量、JIS K2246.5.21流下点試験における流下点、及び100℃における動粘度を併せて示す。
(基油)
基油1:鉱油(40℃における動粘度:22mm/s)
(ワックス)
A1:パラフィンワックス(融点:54.3℃)
A2:マイクロクリスタリンワックス(融点:70.0℃)
A3:マイクロクリスタリンワックス(融点:83.6℃)
A4:ライスワックス(融点:78.0℃)
A5:モンタンワックス(融点:75.0℃)
A6:カルナウバワックス(融点:81.0℃)
(さび止め剤)
B1:カルシウムスルホネート
B2:ペンタエリスリトール モノオレート
B3:酸化パラフィンカルシウム塩。
次に、実施例1〜7及び比較例1〜5の各さび止め剤組成物について以下の評価試験を行った。
[塗膜のタレ性試験]
図1に示した塗布装置を用い、30mm×350mmの試験片にさび止め剤組成物を加熱塗布した。このとき、実施例1〜5及び比較例2においては、さび止め剤組成物を50mm/sとなる温度まで加熱した。また、比較例1については、加熱せずに室温でさび止め剤組成物の塗布を行った。
次に、塗布後の各試験片を垂直に保持し、風の影響を受けないように密封した状態で、40℃で24時間放置した。その後、試験片を下端から100mmごとに切断して下部試験片、中部試験片、上部試験片の3つの試験片を得、各試験片の塗油量を重量で測定した。そして、得られた測定値を用い、下記式に従って試験片各部における塗油量分布率を求めた。得られた結果を表1〜3に示す。
(試験片各部における塗油量分布率[%])=(上部、中部又は下部試験片の塗油量)/(上部・中部、下部試験片の合計の塗油量)。
[さび止め性試験]
塗膜のタレ性試験と同様にして、各さび止め剤組成物の試験片への塗布を行い、40℃で24時間放置し、試験片を切断して上部試験片、中部試験片及び下部試験片を得た。これら3つの試験片について、JIS K 2246「塩水噴霧試験方法」に準拠し、さび止め性を評価した。得られた結果を表1に示す。なお、表1中、Aは「さびなし」、Bは「ややさびあり」、Cは「さびあり」をそれぞれ意味する。
Figure 2005290451
Figure 2005290451
本発明において用いられる塗布装置の一例を示す説明図である。
符号の説明
1…タンク、2…ヒーター、3…熱電対、4…温度コントローラー、5…攪拌子、6…ポンプ、7…スプレー、10…被処理体、100…さび止め剤。

Claims (1)

  1. 組成物全量基準で、40〜99質量%のワックスと、1〜40質量%のさび止め剤とを含有し、JIS K2246.5.17蒸発量試験における蒸発量が10%以下であり、JIS K2246.5.21流下点試験における流下点が40℃以上であり、100℃における動粘度が1〜100mm/sであることを特徴とするさび止め剤組成物。

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