JP2005290192A - 有機高分子膜形成用の前駆体溶液及び有機高分子膜の形成方法 - Google Patents

有機高分子膜形成用の前駆体溶液及び有機高分子膜の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 比誘電率が低く機械的強度及び密着性の高い有機高分子膜を形成するため、均一且つ微細な分子サイズの空孔を有すると共に高架橋密度である有機高分子膜を形成することができる前駆体溶液と、該前駆体溶液を用いた有機高分子膜の形成方法を提供する。
【解決手段】 本発明の有機高分子膜の前駆体溶液は、ルイス酸である第1のモノマーAと、第1のモノマーとルイス酸塩基反応するルイス塩基である第2のモノマーBと、極性基を有する犠牲有機分子Cとを含む。該前駆体溶液を用いて有機高分子膜を形成するには、基板上に塗布した前駆体溶液の内部において、第1のモノマーAと第2のモノマーBとに犠牲有機分子Cを内包する超分子構造を形成させる。次に、第1のモノマーAと第2のモノマーBとを共重合させた後に、犠牲有機分子Cを除去して空孔を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機高分子膜及びその形成方法に関するものであり、特に、低比誘電率且つ高機械的強度である層間絶縁膜及びその形成方法に関する。
従来から、超LSI等の層間絶縁膜として、耐熱性の向上のため芳香族系分子を重合した高分子からなる有機高分子膜が使用されている。具体的には、ポリイミド誘導体、ポリアリルエーテル誘導体、ポリキノリン誘導体、ポリパラキシレン誘導体などが知られている。これらの高分子は炭素を主成分とするため、SiO2 系の層間絶縁膜に比べて構成分子の分極率が低く、低誘電率層間絶縁膜として注目されている。
具体的には、炭素を主成分とする有機高分子の比誘電率は例えば2.4〜3.0程度であり、SiO2 系層間絶縁膜の誘電率が3.3〜4.5程度であるのに比べて低い。但し、SiO2 系の材料においても、有機成分を導入した有機SOG(Spin On Glass )では2.9程度の比誘電率の層間絶縁膜が知られている。
これらの従来の有機高分子膜について、更に比誘電率を下げる目的で多孔質化することが検討されており、1手法として架橋密度を低下させることで多孔質化が実現されている。しかし、このようにした場合、有機高分子膜の機械的強度及び密着性は架橋密度が高いほど大きいため、架橋密度低下に伴って機械的強度及び密着性が低下する。また、架橋密度を低下させるとガラス転移温度が低下し、有機高分子膜を層間絶縁膜として形成した後に行なう熱処理工程において、層間絶縁膜の軟化の原因となる。その結果、多層配線構造の変形及び破壊が起こりやすくなる。
これに対し、密着性及び機械的強度の低下を招くことなく有機高分子の低誘電率化を実現するために、内部に空孔を有する構造の分子を合成し、該分子を重合することによって空孔のある高分子構造体を形成する方法が知られている。
また、3次元空孔を内包する3次元重合高分子構造を有する低誘電率有機高分子を利用することが提案されている(特許文献1)。
このような有機高分子として、例えば、図12(a)に示すようにして得られるユニットからなる高分子構造体がある。つまり、4つの官能基群を有し且つ3次元構造を持つ第1の架橋分子と、前記官能基と化学結合する2つの官能基群を有し且つ直鎖状(2次元構造)である第2の架橋分子とを共重合することによって、ダイヤモンド構造を有し且つ分子サイズの3次元空孔を含有する高分子構造体が形成できる。これを図12(b)に示す。図12(b)において、図12(a)に示したユニットの1つを一点鎖線で囲って例示している。
これについて、以下に具体例を挙げて更に説明する。
3次元架橋分子として、図13(a)に示した、4つのアミノ基を有するテトラアミノアダマンタン誘導体使用する。また、2次元架橋分子として、図13(b)に示した、カルボキシル基を有するベンゼンテトラカルボン酸誘導体を使用する。これらの物質を基板上に塗布して熱処理を行なうと、例えば10個のテトラアミノアダマンタン誘導体と12個のベンゼンテトラカルボン酸誘導体とが互いに共重合し、図14に示すような、ダイヤモンド構造を有する重合高分子膜(かご状の重合高分子膜)が形成される。ここで、図14中のaはテトラアミノアダマンタン誘導体部分を示し、bはベンゼンテトラカルボン酸誘導体部分を示す。また、cは空孔を示す。
この場合、重合高分子膜の内部には多数の分子レベルの空孔cが形成されている。空孔cが分子レベルのサイズを有すると共に網目状の重合高分子膜の内部に均一に分散しているため、該重合高分子膜の比誘電率は極めて小さくなる。
しかし、このようにして合成される高い架橋密度を有する有機高分子膜は、高度な3次元ネットワークを有するので、ゲル化する傾向が強い。ここで、ゲルとは、重合反応が進むと共に架橋が進行するにつれて大量の溶媒がネットワーク中に取り込まれ、不溶化した湿潤固体である。
ゲルから成形体を形成すること及び薄膜化に適した原材料を調製することは非常に困難であるし、ゲルを基板上に塗布することは不可能である。このようなゲル化の問題があるため、膜中に分子レベルのサイズを持つ空孔を有し且つ高い架橋密度を有する有機高分子膜を形成することは困難であった。
本願発明者は、前記のゲル化の問題を解決するための技術として、ルイス(Lewis )酸とルイス塩基とを酸塩基相互作用により自己組織化させることによって、3次元重合高分子構造を形成する方法を見出した(特願2003−099904)。例えば、ルイス酸としてベンゼンテトラカルボン酸誘導体モノマーを、ルイス塩基としてテトラアミノアダマンタン誘導体モノマーを用い、これらを溶液中でルイス酸塩基反応させる。このようにすると、ルイス酸とルイス塩基とが電気的相互作用で結合し、溶液中にモノマー付加体が形成される。このモノマー付加体が含まれている溶液から溶媒を揮発させると、3次元構造である超分子構造が得られる。該構造は、図12(a)及び(b)に示した構造である。但し、モノマー同士は電気的相互作用で結合している。
特開2001−332543号公報
しかしながら、前記の自己組織化による分子内空孔形成方法では、以下のような課題が存在する。
つまり、前記の自己組織化による分子内空孔形成方法では、合成のために要求される条件が厳しく、高度に制御された反応雰囲気が必要とされることが課題であった。
更に、高度に制御された反応雰囲気においても、熱振動が高分子の構造の乱雑さを招くため、自己組織化が阻害されやすいという課題があった。つまり、溶液中においてルイス酸塩基反応に基づく水素結合により形成された超分子構造は、熱などの揺らぎによって簡単に壊れてしまう。このため、重合の際の加熱により超分子構造が壊れた結果、大部分がランダムな構造となった有機高分子膜しか得られない場合がある。このようにして自己組織化が阻害された場合の影響として、比誘電率の上昇及び機械強度の低下などがある。
上記に鑑み、本発明の目的は、ダイヤモンド構造を有しており、このことによって大きさと分布とが均一であり且つ微細な多数の分子サイズ空孔を有すると共に高架橋密度である有機高分子膜を形成するため、有機高分子膜の前駆体溶液と、該前駆体溶液を利用する有機高分子膜の形成方法とを提供することである。
上記の目的を達成するため、本発明に係る有機高分子膜形成用の前駆体溶液は、ルイス酸である第1のモノマーと、第1のモノマーとルイス酸塩基反応を生じるルイス塩基である第2のモノマーと、極性基を有する犠牲有機分子とを含む。
このような前駆体溶液を使用すると、溶媒を揮発させることにより、第1のモノマーと第2のモノマーとが犠牲有機分子を鋳型としてルイス酸塩基反応により緩やかに結合し、超分子構造を形成することができる。このため、第1のモノマーと第2のモノマーとを共重合することにより、均一且つ分子サイズの空孔を有する有機高分子膜の形成に使用できる。鋳型として機能していた犠牲有機分子を熱処理又はプラズマ処理等によって分解した上で揮発させることにより、空孔とすることができるのである。
ここで、ルイス酸塩基及びルイス酸塩基反応について説明する。
ルイス酸塩基とは、ルイスによって定義された酸塩基である。該定義によると、電子対を与えて相手と化学結合を形成するもの(電子対供与体と言う)が塩基であり、電子対を受け取って相手と化学結合するもの(電子対受容体と言う)が酸である。また、ルイス酸塩基反応とはルイス酸とルイス塩基との反応であり、電子対授受とそれに伴う結合の再編成として理解される。このため、水素イオンの関与しない反応であっても電子対の授受が伴えば酸塩基反応として説明される。例えば、配位結合を形成する場合などである。
また、犠牲有機分子とは、超分子構造が形成される際に内包されることによって超分子構造の安定化の役割を果たし、第1のモノマーと第2のモノマーとが共重合された後に分解除去されて空孔を残す有機分子である。
また、第1のモノマーはルイス酸であり且つ第2のモノマーはルイス塩基であるから、いずれも極性を有している。このため、第1のモノマー及び第2のモノマーと極性基を有する犠牲有機分子とは相互作用が強く、このことから相溶性も高い。よって、犠牲有機分子の凝集を防ぐことができるため、犠牲有機分子は均一且つ微細な粒子として前駆体溶液中に存在する。このような犠牲有機分子を鋳型とすることができることから、均一且つ微細な空孔を形成することができる。
このことについて以下に説明する。
従来の多孔質有機高分子膜では、モノマーが無極性の有機分子からなっているために、極性基を有する犠牲有機分子とモノマーとの相溶性が悪い。犠牲有機分子が犠牲有機分子として使用可能であるためには比較的低温(400℃程度以下)で熱分解することが条件として挙げられるが、このような物性を有する有機分子は一般に極性基を有しているのである。
このようにモノマーと犠牲有機分子との相溶性が悪い場合、溶液中で、犠牲有機分子同士及びモノマー同士の凝集が促進されてしまう。犠牲有機分子が凝集すると、犠牲有機分子の分散性が悪くなり、これを鋳型として空孔を形成する際に空孔径の拡大を招く。したがって、犠牲有機分子の凝集は、多孔質有機高分子膜を形成する上での大きな課題となっていた。
しかしながら、本発明に係る有機高分子膜形成用の前駆体溶液では、ルイス酸である第1のモノマー及びルイス塩基である第2のモノマーは、どちらも極性を有している。このため、第1のモノマー及び第2のモノマーと、極性基を有する犠牲有機分子との相互作用が大きく、相溶性が高い。この結果、犠牲有機分子が凝集を起こすことが無い。
以上のことから、本発明の有機高分子膜形成用の前駆体溶液は、サイズと分布とが均一であり且つ微細な空孔を有する有機高分子膜の実現に使用できる。また、前駆体溶液中で形成された超分子構造を維持して共重合されているため、高い架橋密度を有する有機高分子膜となっている。
尚、第1のモノマー及び第2のモノマーのうち、いずれか一方が3次元架橋分子であると共に他方が2次元架橋分子であることが好ましい。
ここで、3次元架橋分子とは、3個以上の官能基群を有する分子であり、2次元架橋分子とは、2個の官能基群を有する直鎖状分子を言う。
また、官能基群とは、1個又は複数個の官能基からなり且つ分子と分子とが結合することができる箇所を意味し、官能基の化学的な数を問わないものとする。例えば、1つのカルボキシル基(官能基)は、2つのアミノ基(官能基)と結合して1つのイミダゾールを形成する。この際、1つのカルボキシル基と2つのアミノ基とが1つの結合部位を形成するため、1つのカルボキシル基及び2つのアミノ基をそれぞれ1つの官能基群と呼ぶ。
このようにすると、形成される超分子構造が3次元的な結合を有する構造となるため、均一且つ微細な空孔を有すると共に機械的強度の高い有機高分子膜を形成することができる。
また、本発明の前駆体溶液において、第1のモノマーと第2のモノマーとは、犠牲有機分子を内包するモノマー付加体をルイス酸塩基相互作用によって形成することが好ましい。
このようにすると、前駆体溶液中で第1のモノマーと第2のモノマーとが犠牲有機分子を内包したモノマー付加体を形成するため、前駆体溶液から溶媒を揮発させることにより、大きさと分布とが均一で且つ微細な空孔を有する超分子構造を確実に形成できる。ここで、モノマー付加体は、ルイス酸である第1のモノマーとルイス塩基である第2のモノマーとがルイス酸塩基反応を生じ、電気的相互作用によって結合することから形成される。
また、モノマー付加体は、ダイヤモンド構造を取ると共に、該ダイヤモンド構造の空孔に犠牲有機分子を内包することが好ましい。
ダイヤモンド構造は高架橋密度の3次元的な架橋構造であると共に、大きさと分布とが均一であり且つ微細な多数の分子サイズ空孔を持つ。このため、ダイヤモンド構造のモノマー付加体が形成される前駆体溶液を用いると、高機械的強度且つ低誘電率の有機高分子膜を確実に実現できる。
更に、モノマー付加体の空孔部分に犠牲有機分子を内包していることから、溶媒の揮発により、犠牲有機分子を鋳型とする安定な超分子構造を形成することができる。このことから、ダイヤモンド構造を取っており、そのために均一且つ微細な空孔を有すると共に高架橋密度である有機高分子膜が確実に実現できる。
また、本発明の有機高分子膜形成用の前駆体溶液において、第1のモノマーは、カルボン酸誘導体、アルコール誘導体、ケトン誘導体、アルデヒド誘導体又は酸無水物誘導体のうちのいずれかの物質であると共に、第2のモノマーはアミン誘導体であることが好ましい。
このようにすると、前駆体溶液中において、ルイス酸である第1のモノマーとルイス塩基である第2のモノマーとのルイス酸塩基反応を確実に行なわせることができる。この結果、超分子構造を確実に生成できる有機高分子膜形成用の前駆体溶液を確実に調製できる。
また、本発明の有機高分子膜形成用の前駆体溶液において、第1のモノマーは、少なくとも1つ以上のカルボキシル基を有するアダマンタン誘導体であり、第2のモノマーは、少なくとも1つ以上のアミノ基を有する芳香族炭化水素誘導体であることがより好ましい。
このようにすると、前駆体溶液中において、ルイス酸である第1のモノマーのカルボキシル基と、ルイス塩基である第2のモノマーのアミノ基とによって、ルイス酸塩基反応を確実に行なわせることができる。このため、超分子構造を確実に生成できる機高分子膜形成用の前駆体溶液をより確実に調製できる。
また、このような前駆体溶液を用いると、カルボキシル基とアミノ基とによる共重合によって、ポリイミダゾール骨格が形成できる。イミダゾール骨格が有するN−H結合は極性基であるため、膜の密着性を高めることが可能となる。
また、本発明の有機高分子膜形成用の前駆体溶液において、第1のモノマーは、少なくとも1つ以上のカルボキシル基を有するアダマンタン誘導体であり、第2のモノマーは、少なくとも1つ以上のアミノ基及び少なくとも1つ以上のヒドロキシル基を有する芳香族炭化水素誘導体であることがより好ましい。
このようにすると、前駆体溶液中において、ルイス酸である第1のモノマーのカルボキシル基と、ルイス塩基である第2のモノマーのアミノ基及びヒドロキシル基とによって、ルイス酸塩基反応をより確実に行なわせることができる。このため、超分子構造を確実に生成できる有機高分子膜形成用の前駆体溶液をより確実に調製できる。
また、このような前駆体溶液を用いると、カルボキシル基とアミノ基及びヒドロキシル基とによる共重合によって、ポリオキシゾール骨格が形成でき、極性、吸湿性及び比誘電率の低い膜が得られる。
また、本発明の有機高分子膜形成用の前駆体溶液において、第1のモノマーは、少なくとも1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族炭化水素誘導体であり、第2のモノマーは、少なくとも1つ以上のアミノ基を有するアダマンタン誘導体であることが好ましい。
このようにすると、前駆体溶液中において、ルイス酸である第1のモノマーのカルボキシル基と、ルイス塩基である第2のモノマーのアミノ基とによって、ルイス酸塩基反応をより確実に行なわせることができる。このため、超分子構造を確実に生成できる有機高分子膜形成用の前駆体溶液をより確実に調製できる。
また、このような前駆体溶液を用いると、カルボキシル基とアミノ基とによる共重合によって、ポリイミド骨格が形成できる。この場合、重合し易いため、犠牲有機分子を内包するオリゴマーを短時間で定量的に形成することが可能である。
また、本発明の有機高分子膜形成用の前駆体溶液において、犠牲有機分子は、シクロデキストリン誘導体又はデンドリマー誘導体であることが好ましい。
このようにすると、シクロデキストリン誘導体又はデンドリマー誘導体を、ダイヤモンド構造の空孔部とほぼ等しい大きさを有する犠牲有機分子として利用できるため、犠牲有機分子を鋳型とする超分子構造を一層確実に生成できる。
また、本発明の有機高分子膜形成用の前駆体溶液は、第1のモノマーの一部と第2のモノマーの一部とが、犠牲有機分子の一部を内包するオリゴマーを形成していることが好ましい。
このようにすると、犠牲有機分子を内包したオリゴマーが形成されることから、該前駆体溶液を用いて重合を行なうと、更に確実に均一且つ微細な空孔を有すると共に高架橋密度である有機高分子膜が実現できる。
前記課題を解決するための本発明に係る第1の有機高分子膜の形成方法は、本発明に係る有機高分子膜形成用の前駆体溶液のいずれか1つを基板上に塗布する工程と、基板に塗布された前駆体溶液中の第1のモノマーと第2のモノマーとを共重合させて共重合体を得る工程と、共重合体から犠牲有機分子を除去することによって有機高分子膜を形成する工程とを備えている。
このようにすると、基板上に塗布した前駆体溶液から溶媒を揮発させることにより、第1のモノマーと第2のモノマーとが犠牲有機分子を鋳型として超分子構造を構成することができる。この後、第1のモノマーと第2のモノマーとを共重合させると、3次元的な構造を持つ高分子が得られる。続いて、鋳型として内包されていた犠牲有機分子を除去すると、大きさと分布とが均一であり且つ微細な多数の分子サイズ空孔を有すると共に高架橋密度である有機高分子膜を形成することができる。ここで、前駆体溶液からの溶媒の揮発及び鋳型として内包されていた犠牲有機分子の除去は、熱処理又はプラズマ処理等によって行う。
ここで、第1のモノマー及び第2のモノマーは、それぞれ極性基を有していることから極性基を有する犠牲有機分子との相互作用が強く、この結果第1のモノマー及び第2のモノマーと犠牲有機分子との相溶性も高い。このことから犠牲有機分子の凝集を防ぐことができるため、犠牲有機分子は均一且つ微細な大きさの粒子として前駆体溶液中に存在する。このような犠牲有機分子を鋳型とすることができることから、大きさと分布とが均一であり且つ微細な空孔を形成することができる。
尚、共重合体を得る工程及び有機高分子膜を形成する工程において、熱処理を行うことが好ましい。また、プラズマ処理を行なうことも好ましい。
このようにすると、前駆体溶液からの溶媒の揮発及び鋳型として内包されていた犠牲有機分子の除去を確実に行うことができ、本発明の有機高分子膜を確実に形成できる。
本発明に係る第2の有機高分子膜の形成方法は、本発明に係る有機高分子膜形成用の前駆体溶液のいずれか1つの前駆体溶液(但し、第1のモノマーの一部と前記第2のモノマーの一部とから形成され且つ前記犠牲有機分子の一部を内包するオリゴマーを含む前駆体溶液を除く)に対して加熱処理を行なうことによって、前駆体溶液中に、第1のモノマーの一部と第2のモノマーの一部とから形成され且つ犠牲有機分子の一部を内包するオリゴマーを形成する工程と、該オリゴマーを含む前駆体溶液を基板上に塗布する工程と、基板に塗布されたオリゴマーを含む前駆体溶液中の第1のモノマーと第2のモノマーとオリゴマーとを共重合させて共重合体を得る工程と、共重合体から犠牲有機分子を除去することによって有機高分子膜を形成する工程とを備えている
このようにすると、第1の有機高分子膜形成膜の形成方法と同様の効果に加え、前駆体溶液中に第1のモノマーと第2のモノマーとから形成され且つ犠牲有機分子を内包するオリゴマーを形成することによって、確実に超分子構造を形成することができる。この結果、均一且つ微細な空孔を有すると共に高架橋密度且つ低誘電率の有機高分子膜をより確実に形成できる。
尚、共重合体を得る工程及び有機高分子膜を形成する工程において、熱処理を行うことが好ましい。また、プラズマ処理を行なうことも好ましい。
このようにすると、前駆体溶液からの溶媒の揮発及び鋳型として内包されていた犠牲有機分子の除去を確実に行うことができ、本発明の有機高分子膜を確実に形成できる。
本発明に係る有機高分子膜形成用の前駆体溶液及び有機高分子膜の形成方法によると、均一且つ微細な空孔を有すると共に高架橋密度の有機高分子膜が形成できる。例えば、ダイヤモンド構造を取る有機高分子膜等である。このようにして形成される有機高分子膜は、低誘電率であると共に機械的強度及び密着性の高い有機高分子膜となっている。
以下、本発明の一実施形態に係る有機高分子膜形成用の前駆体溶液について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係る有機高分子膜形成用の前駆体溶液は、ルイス酸である第1のモノマーAと、ルイス塩基である第2のモノマーBと、極性基を有する犠牲有機分子Cとを含む。
例えば、第1のモノマーAが4つの官能基群を有するルイス酸(3次元架橋分子)であり且つ第2のモノマーBが2つの官能基群を有するルイス塩基(2次元架橋分子)である場合を考える。このとき、第1のモノマーAと第2のモノマーBとは、図1(a)に示したようにルイス酸塩基反応を生じ、電気的相互作用で結合したモノマー付加体を形成する。
この結果、第1のモノマーA及び第2のモノマーBは犠牲有機分子Cを内包して図1(c)に示すユニットからなる超分子構造を形成する。ここで、Aは第1のモノマーAを示し、Bは第2のモノマーBを示し、Cは超分子構造の空孔に内包された犠牲有機分子Cを示す。また、ルイス酸である第1のモノマーAとルイス塩基である第2のモノマーBとが電気的相互作用で結合している部位をdで示している。
前記のようにして形成される超分子構造は、図1(d)に示すように、ダイヤモンド構造を有する。但し、図1(d)では犠牲有機分子Cの図示は省略しており、また、図1(c)のユニット1つに相当する部分を一点鎖線で囲って例示している。
本実施形態の前駆体溶液には極性基を有する犠牲有機分子Cが含まれており且つ第1のモノマーA及び第2のモノマーBと犠牲有機分子とは相互作用が大きい。これは、ルイス酸である第1のモノマーA及びルイス塩基である第2のモノマーBはいずれも極性を有するためである。このことから、図1(c)に示すように、超分子構造は、空孔に犠牲有機分子Cを内包する構成となる。このため、本実施形態の前駆体溶液から得られる超分子構造は、犠牲有機分子Cが無い場合に比べて安定して形成される。以上から、該超分子構造は熱などに起因する揺らぎに対して形状を安定して保つことができる。
また、第1のモノマーA及び第2のモノマーBは極性基を有するため、極性基を有する犠牲有機分子Cとの相溶性が高く、犠牲有機分子Cが凝縮することが無い。このことから、大きさと分布とが均一であり且つ微細な多数の分子サイズ空孔を有する超分子構造を形成できる。
以上のように、本実施形態に係る有機高分子膜形成用の前駆体溶液は、均一で微細な空孔を有し且つ架橋密度の高い有機高分子膜を形成するために有用である。
また、別の例として、第1のモノマーAが2つの官能基群を有するルイス酸であり且つ第2のモノマーBが4つの官能基群を有するルイス塩基である場合を考える。このとき、モノマーAとモノマーBとは、図1(b)に示したようにルイス酸塩基反応を生じ、電気的相互作用で結合したモノマー付加体を形成する。この場合も図1(c)及び(d)に示したような超分子構造が形成される。但し、図1(c)において、Aが第2のモノマーBを示すと共にBが第1のモノマーAを示すものと読み替える。
また、前記2つの例以外の第1のモノマー及び第2のモノマーを使用した場合にも、第1のモノマーと第2のモノマーとが結合したモノマー付加体を形成し、超分子構造を形成することができる。例えば第1のモノマーAが4つの官能基群を有するルイス酸と3つの官能基を有するルイス酸の混合物であり且つ第2のモノマーBが2つの官能基群を有するルイス塩基である場合などである。
また、前駆体溶液を加熱処理することにより一部重合を進行させ、前駆体溶液中に形成されているモノマー付加体の一部をオリゴマーとすることも好ましい。このようにすると、犠牲有機分子を内包するオリゴマーが形成されるため、超分子構造の形成をさらに容易にすることができる。この結果、本実施形態に係る有機高分子膜形成用の前駆体溶液は、均一で微細な空孔を有し且つ架橋密度の高い有機高分子膜が確実に形成できる前駆体溶液となっている。
次に、本実施形態に係る有機高分子膜の形成方法について、図面を参照しながら説明する。
まず、本実施形態に係る有機高分子膜形成用の前駆体溶液を、半導体素子又は配線構造等が形成されている基板上に塗布する。次に、該基板に対して熱処理を行ない、前駆体溶液中から溶剤を揮発させることによって、超分子構造を形成する。この後、更に加熱すると、超分子構造を構成するモノマー同士の重合が進行し、更に犠牲有機分子が熱分解して揮発する。このようにすると、例えば図2(a)に示すユニットからなり且つ図2(b)に示すようなダイヤモンド構造を有する有機高分子膜が形成される。該有機高分子膜において、犠牲有機分子が抜けた跡には空孔が形成されている。図2(b)において、図2(a)に示すユニットの1つを一点鎖線で囲って例示している。
このようにして有機高分子膜を形成すると、該有機高分子中には均一且つ微細なサイズの空孔が多数均一に分布する。この結果、比誘電率を確実に低下させることができると共に、架橋密度が高いことから、高機械的強度且つ高密着性を実現できる。
但し、本実施形態では熱処理によって前駆体溶液中からの溶剤の揮発及び犠牲有機分子の分解等を行なうことにより、有機高分子膜を形成しているが、熱処理に限るものではなく、例えばプラズマ処理等の他の処理によっても良い。
次に、本実施形態において第1のモノマーとして用いられるルイス酸及び第2のモノマーとして用いられるルイス塩基について説明する。
まず、ルイス酸である第1のモノマーとしては、カルボン酸誘導体、アルコール誘導体、ケトン誘導体、アルデヒド誘導体又は酸無水物誘導体等を用いることができる。これらの誘導体の例を図3(a)〜(d)に示す。図3(a)及び(c)において、Xa は芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素の誘導体又は脂肪族炭化水素の誘導体である。
また、図3(a)〜(d)に示した第1のモノマーとして使用できる物質の例においては、いずれも官能基としてカルボキシル基を有しているが、これらカルボキシル基の一部又は全部に代えて、水酸基、ケトン基、アルデヒド基等を有していても良い。
第1のモノマーが、カルボン酸誘導体、アルコール誘導体、ケトン誘導体、アルデヒド誘導体又は酸無水物誘導体である場合は、ルイス塩基としては、アミン誘導体が好ましい。アミン誘導体の例を、図4(a)〜(d)及び図5(a)〜(d)に例示する。尚、図4(a)〜(d)及び図5(a)〜(d)において、X1 及びX2 のうちの少なくとも1つはNH2 基であり且つX1 及びX2 のうちNH2 基でないものはOH基である。これと共に、X3 及びX4 のうちの少なくとも1つはNH2 基であり且つX3 及びX4 のうちNH2 基でないものはOH基である。
また、本実施形態の第1のモノマーとしては、少なくとも1つ以上のカルボキシル基を有するアダマンタン誘導体を使用することが好ましい。
このような場合には、第2のモノマーとしては、少なくとも1つ以上のアミノ基を有する芳香族炭化水素誘導体であるか又は少なくとも1つ以上のアミノ基と少なくとも1つ以上のヒドロキシル基とを有する芳香族炭化水素誘導体を使用することが特に好ましい。
尚、少なくとも1つ以上のカルボキシル基を有するアダマンタン誘導体の例としては、1−カルボキシルアダマンタン誘導体、1,3−ジカルボキシルアダマンタン誘導体、1,3,5,−トリカルボキシルアダマンタン誘導体又は1,3,5,7−テトラカルボキシルアダマンタン誘導体等が挙げられる。更に、これらの混合物であっても良い。
また、本実施形態における第1のモノマーとしては、カルボキシル基を有する芳香族炭化水素誘導体を用いることができる。このような芳香族炭化水素誘導体としては、カルボキシル基を有するベンゼン誘導体、カルボキシル基を有するベンジジン誘導体、カルボキシル基を有するナフタレン誘導体、カルボキシル基を有するアンスラセン誘導体又はカルボキシル基を有するテトラセン誘導体を用いることができる。これらの誘導体の具体例を、図6(a)〜(d)及び図7(a)〜(d)に示す。なお、図6(a)〜(d)及び図7(a)〜(d)において、X5 及びX6 は両者で〔化1〕又は〔化2〕に示す基を構成すると共に、X7 及びX8 は両者で〔化1〕又は〔化2〕に示す基を構成する。
Figure 2005290192
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第1のモノマーが、カルボキシル基を有する芳香族炭化水素誘導体である場合には、第2のモノマーとしては、少なくとも1つ以上のアミノ基を有するアミン誘導体であることが好ましい。そのようなアミン誘導体の具体例を、図8(a)〜(d)に示す。尚、図8(a)、(c)において、Xb は芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、又は芳香族炭化水素の誘導体である。
また、第2のモノマーとしては、少なくとも1つ以上のアミノ基を有するアダマンタン誘導体が更に好ましい。このようなアダマンタン誘導体の例としては、1−アミノアダマンタン誘導体、1,3−ジアミノアダマンタン誘導体、1,3,5,−トリアミノアダマンタン誘導体又は1,3,5,7−テトラアミン誘導体が挙げられる。
以上、本実施形態において第1のモノマー及び第2のモノマーについて具体例を挙げたが、本実施形態において使用されるモノマーは前記の物質に限られない。
本実施形態に係る有機高分子膜形成用の前駆体溶液に使用する、極性基を有する犠牲有機分子は、本実施形態において形成されるダイヤモンド構造が有する空孔とほぼ等しい大きさであり且つ極性基を有する有機分子であれば、特に限定されない。
例えば、ヒドロキシル基を極性基として有するシクロデキストリン誘導体あるいはアミノ基を極性基として有するデンドリマー誘導体を使用できる。これらは、第1のモノマーがカルボキシル基を有するアダマンタン誘導体であり且つ第2のモノマーがアミノ基を有する芳香族炭化水素誘導体又はアミノ基とヒドロキシル基とを有する芳香族炭化水素誘導体であるような場合に好ましい。また、第1のモノマーがカルボキシル基を有する芳香族炭化水素誘導体であり且つ第2のモノマーがアミノ基を有するアダマンタン誘導体であるような場合にも好ましい。
ここで、シクロデキストリンとは、グルコース分子がα−1,4グルコシド結合で結合している環状オリゴ糖である。シクロデキストリン誘導体の例としては、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン又はγ−シクロデキストリンが挙げられる。これらは、環状に結合したグルコースの個数が順にそれぞれ6個、7個及び8個となっている。シクロデキストリン誘導体の一例であるβ−シクロデキストリンを図9(a)に示す。
また、デンドリマーとは、樹木のように規則的に枝分かれした構造を持つ三次元の多分岐高分子である。デンドリマー誘導体の一例である、ポリアミドアミンデンドリマーを、図9(b)に示す。
シクロデキストリン及びデンドリマーに限られず、極性を有する犠牲有機分子は、第1のモノマー及び第2のモノマーに応じて適宜選択すればよい。
次に、本実施形態に係る有機高分子膜が形成される際にの化学反応について図面を参照して説明する。
図10(a)〜(c)は、第1のモノマーAと第2のモノマーBとの間で化学結合が形成される際の化学反応を示している。以下に個別に説明する。
図10(a)は、カルボキシル基を有する第1のモノマーAと、2つのアミノ基を有する第2のモノマーBとから、ポリイミダゾール系のポリマーを生成する場合の化学反応を示している。但し、第1のモノマーAについてはカルボキシル基のみが示されており、第1のモノマーAの他の部分は図示が省略されている。
図10(b)は、カルボキシル基を有する第1のモノマーAと、アミノ基及びヒドロキシル基を有する第2のモノマーBとから、ポリオキサゾール系のポリマーを生成する場合の化学反応を示している。但し、第1のモノマーAについてはカルボキシル基のみが示されており、第1のモノマーAの他の部分は図示が省略されている。
図10(c)は、アミノ基を有する第1のモノマーAと、2つのカルボキシル基を有する第2のモノマーBとから、ポリイミド系のポリマーを生成する場合の化学反応を示している。但し、第1のモノマーAについてはアミノ基のみが示されており、第1のモノマーAの他の部分は図示が省略されている。
以下、本発明の一実施形態を具体化する実施例1について、図面を参照しながら説明する。
実施例1においては、ルイス酸である第1のモノマーとしては、4つの官能基群としてカルボキシル基を有するアダマンタンである1,3,5,7−テトラカルボキシルアダマンタンを用いる。該物質は図3(b)の化学式で表される3次元架橋分子である。また、ルイス塩基である第2のモノマーとしては、2つの官能基群としてアミノ基を有するベンゼンであるテトラアミノベンゼンを用いる。テトラアミノベンゼンは、図4(a)においてX1 、X2 、X3 及びX4 の全てがNH2 基である化学式を有する2次元架橋分子である。また、極性基を有する犠牲有機分子としては、α−シクロデキストリンを用いる。α−シクロデキストリンは、図9(a)と同様の構造であるが、グルコースの数が6個であるシクロデキストリンである。
まず、0.019molの1,3,5,7−テトラカルボキシルアダマンタン(6g)と0.038molのテトラアミノベンゼン(5.3g)と0.002molのα−シクロデキストリン(2g)とをシクロヘキサノン100 mlに溶解し、前駆体溶液を調製する。ここで、1,3,5,7−テトラカルボキシルアダマンタンとテトラアミノベンゼンのモル比を2:1とすることにより、混合溶液中においてダイヤモンド構造に相似する構造を有するモノマー付加体が形成される。
このとき、60℃程度に加熱して溶液を調製し、1,3,5,7−テトラカルボキシルアダマンタンとテトラアミノベンゼンとα−シクロデキストリンの溶解性を高めることで、前駆体溶液を短時間で調製することも可能である。
以上のようにすると、実施例1に係る有機高分子膜形成用の前駆体溶液が得られる。
このようにして得られた前駆体溶液中では、3次元架橋分子である第1のモノマーと、2次元架橋分子である第2のモノマーとがルイス酸塩基反応する。具体的には、四面体の各頂点にそれぞれ官能基群を有する(つまり4つの官能基群を有する)ルイス酸であるテトラカルボキシルアダマンタン(第1のモノマー)と、直線の両端にそれぞれ官能基群を有する(つまり2つの官能基群を有する)ルイス塩基であるテトラアミノベンジン(第2のモノマー)とが反応する。この反応により、第1のモノマーの4つの官能基群が、それぞれ別々の第2のモノマーの2つの官能基群のどちらか1つと電気的相互作用により結合する。また、第2のモノマーの2つの官能基群は、それぞれ別々の第1のモノマーの4つの官能基群のいずれか1つと電気的相互作用により結合する。このような結合により、ダイヤモンド構造を有するモノマー付加体である、図11に示すようなルイス酸塩基付加体が形成される。
また、ダイヤモンド構造を有するモノマー付加体の空孔部には、α−シクロデキストリン分子が内包されている。
1,3,5,7−テトラカルボキシルアダマンタンはカルボキシル基を有し、またテトラアミノベンゼンはアミノ基を有する。つまり、第1のモノマー及び第2のモノマーは、いずれも極性基を有する。更に、α−シクロデキストリンは極性基であるヒドロキシル基を有する。これらのことから、実施例1において、第1のモノマー及び第2のモノマーと犠牲有機分子とは相溶性が高いため、犠牲有機分子であるα−シクロデキストリンが凝縮することが無い。この結果、犠牲有機分子は本実施例のモノマー付加体に凝集することなく内包され、ダイヤモンド構造を形成及び保持する鋳型として働く。このような構成を取ることから、本実施例のモノマー付加体は極めて安定である。
また、実施例1の前駆体溶液中において、第1のモノマーと第2のモノマーから形成されるモノマー付加体の一部を重合させることにより、オリゴマーを形成することもできる。これには、例えば有機高分子膜形成用の前駆体溶液を窒素雰囲気下において、約100 ℃で攪拌しながら6時間程度反応すればよい。
このようにすると、犠牲有機分子としてシクロデキストリンを取り込んだオリゴマーを形成することで、ダイヤモンド構造の形成をさらに容易にすることが可能となる。
次に、前記溶液をシリコン基板に回転塗布した後、ホットプレート等を用いて160 ℃で1分間加熱し、溶剤であるシクロヘキサノンを揮発させる。この後、窒素雰囲気下又は真空下において、電気炉等を用いて350 ℃で30分加熱する。該350 ℃の加熱により、第1のモノマーと第2のモノマーの重合が進行する。この反応は図10(a)に示す反応である。
この後、約400 ℃に昇温して更に30分加熱すると、シクロデキストリンが熱分解され、揮発する。このようして、有機膜中にシクロデキストリンが抜けた後に空孔が形成される。
重合により形成される高分子は、図10(a)に示すポリイミダゾール骨格を有するポリイミダゾール系のポリマーである。得られた膜の比誘電率は、2.3であった。犠牲有機分子であるシクロデキストリンを添加しない場合には、比誘電率は2.9であり、犠牲有機分子による空孔形成が有効であることが分かった。
尚、本実施例では加熱による処理によってシクロヘキサンの揮発、重合及びシクロデキストリンの分解を行なっているが、加熱による処理に限らず、例えばプラズマ処理等によって行なっても良い。
以下、本発明の一実施形態を具体化する実施例2について説明する。
実施例2が実施例1と異なる点は、ルイス塩基である第2のモノマーとして使用する物質である。
実施例2において、ルイス酸である第1のモノマーとしては、4つの官能基群としてカルボキシル基を有する3次元架橋分子である1,3,5,7−テトラカルボキシルアダマンタンを用いる。この点は実施例1と同じであり、該物質は図3(b)の化学式で表される3次元架橋分子である。しかし、ルイス塩基である第2のモノマーとしては、2つの官能基群としてアミノ基とシドロキシル基を有するベンゼンであるジアミノジヒドロキシルベンゼンを用いる。この点が、実施例1とは異なる。
ジアミノジヒドロキシルベンゼンは、図4(a)においてX1 及びX2 のうちの1つがNH2 基であり、残りがOH基であると共に、X3 及びX4 のうちの1つがNH2 基であり、残りがOH基である化学式を有している2次元架橋分子である。
まず、0.019molの1,3,5,7−テトラカルボキシルアダマンタン(6g)と、0.038molのジアミノジヒドロキシルベンゼン(5.3g)と、0.002molのα−シクロデキストリン(2g)とをシクロヘキサノン100 mlに溶解し、前駆体溶液を調製する。このとき、例えば60℃程度に加熱して溶液を調製することで、1,3,5,7−テトラカルボキシルアダマンタンとジアミノジヒドロキシルベンゼンとα−シクロデキストリンの溶解性を高めることができ、前駆体溶液を短時間で調製することも可能である。
このようにすると、実施例2に係る有機高分子膜形成用の前駆体溶液が得られる。
該前駆体溶液中では、3次元架橋分子である第1のモノマーと、2次元架橋分子である第2のモノマーとがルイス酸塩基反応を生じる。具体的には、四面体の各頂点にそれぞれ官能基群を有するルイス酸であるテトラカルボキシルアダマンタン(第1のモノマー)と、直線の両端にそれぞれ官能基群を有するルイス塩基であるジアミノジヒドロキシルベンゼン(第2のモノマー)が反応する。この結果、実施例1と同様に、電気的相互作用によって結合し、ダイヤモンド構造を取るモノマー付加体(ルイス酸塩基付加体)が形成される。
また、ダイヤモンド構造を有するモノマー付加体の空孔部には、α−シクロデキストリン分子が内包されている。
1,3,5,7−テトラカルボキシルアダマンタンはカルボキシル基を有すると共に、ジアミノジヒドロキシルベンゼンはアミノ基及びヒドロキシル基を有する。つまり、第1のモノマー及び第2のモノマーは、いずれも極性基を有する。更に、α−シクロデキストリンは極性基であるヒドロキシル基を有する。これらのことから、実施例2においても実施例1と同様に、第1のモノマー及び第2のモノマーと犠牲有機分子とは相溶性が高いため、犠牲有機分子であるα−シクロデキストリンが凝縮することが無い。この結果、犠牲有機分子は本実施例のモノマー付加体に凝集することなく内包され、ダイヤモンド構造を形成及び保持する鋳型として働く。このような構成を取ることから、本実施例のモノマー付加体は極めて安定である。
また、実施例2においても、実施例1と同様に、前駆体溶液中でオリゴマーを形成しても良い。
実施例2の有機高分子膜形成用の前駆体溶液を用いて有機高分子膜を形成する方法は、実施例1と同様である。但し、第1のモノマーと第2のモノマーの重合により形成される高分子が、図10(b)に示す、ポリオキサゾール骨格を有するポリオキサゾール系のポリマーである点が実施例1とは異なる。重合反応は図10(b)に示した通りである。
ポリオキサゾールは、ポリイミダゾールに比べて極性、吸湿性及び比誘電率の低い膜が得られるという利点がある。得られた膜の比誘電率は、2.2であり、膜の比誘電率が2.3であった実施例1よりも低い誘電率となった。
犠牲有機分子であるシクロデキストリンを添加しない場合には、比誘電率は2.9であり、犠牲有機分子による空孔形成が有効であることが分かった。
以下、本発明の一実施形態を具体化する実施例3について説明する。
実施例3が実施例1と異なる点は、ルイス酸である第1のモノマー及びルイス塩基である第2のモノマーとして使用する物質である。また、実施例3においては、ルイス酸である第1のモノマーが2次元架橋分子であり且つルイス塩基である第2のモノマーが3次元架橋分子である点が、実施例1及び実施例2と大きく異なる。
具体的には、ルイス酸である第1のモノマーとしては、2つの官能基群としてカルボキシル基を有する芳香族炭化水素誘導体である無水テトラカルボキシルベンゼンを用いる。該物質は、図6(a)において、X5 、X6 、X7 及びX8 の全てがカルボキシル基である化学式を有している2次元架橋分子である。
また、ルイス塩基である第2のモノマーとしては、4つの官能基群としてアミノ基を有するアダマンタンである1,3,5,7−テトラアミノアダマンタンを用いる。該物質は、図8(b)の化学式で表される3次元架橋分子である。
まず、0.019molの1,3,5,7−テトラアミノアダマンタン(6g)と、0.038molの無水テトラカルボキシルベンゼン(5.3g)と、0.002molのα−シクロデキストリン(2g)とをシクロヘキサノン100 mlに溶解し、前駆体溶液を調製する。このとき、例えば60℃程度に加熱して溶液を調製することで、1,3,5,7−テトラアミノアダマンタンと無水テトラカルボキシルベンゼンとα−シクロデキストリンの溶解性を高めることができ、溶液を短時間で調製することも可能である。
このようにすると、実施例3に係る有機高分子膜形成用の前駆体溶液が得られる。
該前駆体溶液中では、3次元架橋分子である第2のモノマーと、2次元架橋分子である第1のモノマーとがルイス酸塩基反応を生じる。具体的には、前駆体溶液中において、四面体の各頂点にそれぞれ官能基群を有する(つまり4つの官能基群を有する)ルイス塩基であるテトラアミノアダマンタン(第2のモノマー)と、直線の両端にそれぞれ官能基群を有する(つまり2つの官能基群を有する)ルイス酸である無水テトラカルボキシルベンゼン(第1のモノマー)とが反応する。この反応により、第2のモノマーの4つの官能基群が、それぞれ別々の第1のモノマーの2つの官能基群のどちらか1つと電気的相互作用により結合する。また、第1のモノマーの2つの官能基群は、それぞれ別々の第2のモノマーの4つの官能基群のいずれか1つと電気的相互作用により結合する。このような結合により、ダイヤモンド構造を有するモノマー付加体が形成される。
また、ダイヤモンド構造を有するモノマー付加体の空孔部には、α−シクロデキストリン分子が内包されている。
1,3,5,7−テトラアミノアダマンタンはアミノ基を有し且つ無水テトラカルボキシルベンゼンはカルボキシル基を有する。つまり、第1のモノマー及び第2のモノマーは、いずれも極性基を有する。更に、α−シクロデキストリンは極性基であるヒドロキシル基を有する。これらのことから、実施例3において、第1のモノマー及び第2のモノマーと犠牲有機分子とは相溶性が高いため、犠牲有機分子であるα−シクロデキストリンが凝縮することが無い。この結果、犠牲有機分子は本実施例のモノマー付加体に凝集することなく内包され、ダイヤモンド構造を形成及び保持する鋳型として働く。このような構成を取ることから、本実施例のモノマー付加体は極めて安定である。
また、実施例3においても、実施例1と同様に、前駆体溶液中でオリゴマーを形成しても良い。
実施例3の有機高分子膜形成用の前駆体溶液を用いて有機高分子膜を形成する方法は、実施例1と同様である。但し、第1のモノマーと第2のモノマーの重合により形成される高分子が、図10(c)に示す、ポリイミド骨格を有するポリイミド系のポリマーである点が実施例1とは異なる。重合反応は図10(c)に示した通りである。
ポリイミドは、ポリイミダゾールやポリオキサゾールに比べて重合し易いため、短時間で犠牲有機分子を内包するオリゴマーを定量的に形成することが可能である。
得られた膜の比誘電率は、2.3であった。犠牲有機分子であるシクロデキストリンを添加しない場合には、比誘電率は4.2であり、犠牲有機分子による空孔形成が有効であることがわかった。
尚、実施例1、実施例2及び実施例3において、極性基を有する犠牲有機分子として、α−シクロデキストリンを用いている。しかし、α−シクロデキストリンに代えて、β−シクロデキストリン又はγ−シクロデキストリン等の極性基を有するシクロデキストリン誘導体を用いることもできる。また、シクロデキストリン誘導体の替わりに、極性基を有するデンドリマー誘導体を用いても良い。
また、実施例1、実施例2及び実施例3において、前記した前駆体溶液の濃度、反応温度、反応時間等は、いずれも好ましい値ではあるが、特に限定するものではない。使用するモノマーや、形成したい有機高分子膜の特性等に応じて適宜選べばよい。
以上説明したように、本発明に係る有機高分子膜形成用の前駆体溶液及び有機高分子膜の形成方法は、均一且つ微細な空孔を有すると共に高架橋密度の有機高分子膜を形成する効果を有し、低誘電率且つ機械的強度及び密着性の高い層間絶縁膜等として有用である。
(a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る前駆体溶液と該前駆体溶液を用いて形成される超分子構造について説明する図である。(a)及び(b)はルイス酸とルイス塩基との電気的相互作用による結合を示す概念図であり、(c)はルイス酸とルイス塩基とからなる犠牲有機分子を内包したモノマー付加体のユニットの模式図であり、(d)は(c)のユニットからなる超分子構造を示す図である。 (a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る前駆体溶液を用いて形成される有機高分子について説明する図である。(a)はルイス酸である第1のモノマーとルイス塩基である第2のモノマーとが重合してなる高分子のユニット1つの模式図であり、(b)は(a)のユニットからなる高分子の構造の模式図である。 (a)〜(d)は、本発明における一実施形態に係るルイス酸である第1のモノマーの具体例を示す化学式である。 (a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る前駆体溶液に含まれるルイス塩基である第2のモノマーの具体例を示す化学式である。 (a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る前駆体溶液に含まれるルイス塩基である第2のモノマーの具体例を示す化学式である。 (a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る前駆体溶液に含まれるルイス酸である第1のモノマーの具体例を示す化学式である。 (a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る前駆体溶液に含まれるルイス酸である第1のモノマーの具体例を示す化学式である。 (a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る前駆体溶液に含まれるルイス塩基である第2のモノマーの具体例を示す化学式である。 (a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る前駆体溶液に含まれる犠牲有機分子の例を示しており、(a)はβシクロデキストリンの化学式の一例であり、(b)はポリアミドアミンデンドリマーの化学式の一例である。 (a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る前駆体溶液に含まれるポリマーの生成過程を示す化学反応式であり、(a)はポリイミダゾール系ポリマー、(b)はポリオキサゾール系ポリマー、(c)はポリイミド系ポリマーの生成過程をそれぞれ示す化学反応式である。 本発明の実施例1により得られるモノマー付加体の模式図である。 (a)は3次元架橋分子と2次元架橋分子とを共重合することによってダイヤモンド構造の高分子ユニットが得られることを示す図であり、(b)はそのようなユニットからなる高分子構造を示す図である。 (a)は3次元架橋分子であるテトラアミノアダマンタン誘導体を示す図であり、(b)はベンゼンテトラカルボン酸誘導体を示す図である。 従来の3次元重合高分子構造である超構造分子を示す図である。
符号の説明
A 第1のモノマー
B 第2のモノマー
C 犠牲有機分子
d 第1のモノマーと第2のモノマーとの電気的相互作用による結合部位

Claims (14)

  1. ルイス酸である第1のモノマーと、
    前記第1のモノマーとルイス酸塩基反応を生じるルイス塩基である第2のモノマーと、
    極性基を有する犠牲有機分子とを含むことを特徴とする有機高分子膜形成用の前駆体溶液。
  2. 前記第1のモノマー及び前記第2のモノマーのうち、いずれか一方が3次元架橋分子であると共に他方が2次元架橋分子であることを特徴とする請求項1に記載の前駆体溶液。
  3. 前記第1のモノマーと前記第2のモノマーとは、前記犠牲有機分子を内包するモノマー付加体をルイス酸塩基相互作用によって形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の前駆体溶液。
  4. 前記モノマー付加体は、ダイヤモンド構造を取ると共に、該ダイヤモンド構造の空孔に前記犠牲有機分子を内包することを特徴とする請求項3に記載の前駆体溶液。
  5. 前記第1のモノマーは、カルボン酸誘導体、アルコール誘導体、ケトン誘導体、アルデヒド誘導体又は酸無水物誘導体のうちのいずれかの物質であると共に、
    前記第2のモノマーはアミン誘導体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の前駆体溶液。
  6. 前記第1のモノマーは、少なくとも1つ以上のカルボキシル基を有するアダマンタン誘導体であり、
    前記第2のモノマーは、少なくとも1つ以上のアミノ基を有する芳香族炭化水素誘導体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の前駆体溶液。
  7. 前記第1のモノマーは、少なくとも1つ以上のカルボキシル基を有するアダマンタン誘導体であり、
    前記第2のモノマーは、少なくとも1つ以上のアミノ基及び少なくとも1つ以上のヒドロキシル基を有する芳香族炭化水素誘導体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の前駆体溶液。
  8. 前記第1のモノマーは、少なくとも1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族炭化水素誘導体であり、
    前記第2のモノマーは、少なくとも1つ以上のアミノ基を有するアダマンタン誘導体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の前駆体溶液。
  9. 前記犠牲有機分子は、シクロデキストリン誘導体又はデンドリマー誘導体であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の前駆体溶液。
  10. 前記第1のモノマーの一部と前記第2のモノマーの一部とが、前記犠牲有機分子の一部を内包するオリゴマーを形成していることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の前駆体溶液。
  11. 請求項1〜10のいずれか1つに記載の前駆体溶液を基板上に塗布する工程と、
    前記基板に塗布された前記前駆体溶液中の前記第1のモノマーと前記第2のモノマーとを共重合させて共重合体を得る工程と、
    前記共重合体から前記犠牲有機分子を除去することによって有機高分子膜を形成する工程とを備えていることを特徴とする有機高分子膜の形成方法。
  12. 前記共重合体を得る工程及び前記有機高分子膜を形成する工程において、熱処理を行うことを特徴とする請求項11に記載の有機高分子膜の形成方法。
  13. 請求項1〜9のいずれか1つに記載の前駆体溶液に対して加熱処理を行なうことによって、前記前駆体溶液中に、前記第1のモノマーの一部と前記第2のモノマーの一部とから形成され且つ前記犠牲有機分子の一部を内包するオリゴマーを形成する工程と、
    前記オリゴマーを含む前記前駆体溶液を基板上に塗布する工程と、
    前記基板に塗布された前記オリゴマーを含む前記前駆体溶液中の前記第1のモノマーと前記第2のモノマーと前記オリゴマーとを共重合させて共重合体を得る工程と、
    前記共重合体から前記犠牲有機分子を除去することによって有機高分子膜を形成する工程とを備えていることを特徴とする有機高分子膜の形成方法。
  14. 前記共重合体を得る工程及び前記有機高分子膜を形成する工程において、熱処理を行うことを特徴とする請求項13に記載の有機高分子膜の形成方法。
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