JP2005288573A - 移動ロボット - Google Patents

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Abstract

【課題】 人との可変な距離および可変な方向をリアルタイムに特定して、特定した方向に向かって特定した距離まで移動して、目的の人のところまで移動可能な移動ロボットを提供すること目的とする。
【解決手段】 移動ロボットRは、電波を移動ロボットRの周辺領域に発信すると共に、移動ロボットRを基準として移動ロボットRの周囲において設定された探索域に向けて光を照射する。そして、移動ロボットRから発せられた電波と光の両方を受信した旨の信号が検知用タグTから返信された場合に、受信報告信号の電界強度から、移動ロボットRから検知対象Dまでの距離を求めると共に、検知対象Dにより受光された光の発光方向を検知対象Dの存在する方向とみなすことで、検知対象Dの検知、および検知対象Dの位置の特定を行い、特定した位置まで移動し、検知用タグTを所持する検知対象Dとしての人と対話を行うものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、周辺領域へ向けて電波を送信すると共に所定の指向性の光信号を照射し、電波または光信号の少なくとも一方を受けた検知用タグからの受信報告信号を電波として受信することによって、検知用タグまでの距離および方向を特定して、特定した方向に向かって特定した距離まで移動する移動ロボットに関するものである。
従来から自律的に移動する移動ロボットの研究開発が盛んに行われている。特に、近年の研究開発では、いわゆる2足歩行型の移動ロボットが注目されている。また、人の音声を認識してテキスト文に変換する音声認識装置やテキスト文を音声合成して合成音声を出力する音声合成装置の研究開発が行われ、音声認識装置や音声合成装置は様々な機器に搭載されてきている。そして、このような音声認識装置や音声合成装置を移動ロボットに搭載し、人との対話を行うようにした移動ロボットの研究開発が盛んになってきている。
この種の移動ロボットが自律的に人と対話するためには、自ら人を探索して認識し、認識した人に向かって移動するように制御する必要がある。そこで、この種の移動ロボットが人を探索して認識する技術としては、ある特定の領域内に人(検知対象)が存在するか否か、そして、検知対象が存在する場合に、前記特定の領域内のどこに検知対象が位置するのかを検知する装置およびその方法として数多く提案されている。
たとえば、この種の従来の技術としては、特許文献1〜特許文献3のようなものがある。
特許文献1に記載された発明の場合、検知対象から輻射される赤外線が、赤外線センサ(人感センサ)で検出されるか否かにより、検知対象の存在の有無を確認している。
特許文献2に記載された発明の場合、ある特定の領域内に複数設置された検出器で検知対象を検出し、前記検知対象を検出した検出器の位置を、検知対象の位置としている。
また、特許文献3に記載された発明の場合、ある特定の領域内に設置された複数の発信器と、検知対象が備える発信器とから発信された電波の電界強度をそれぞれ求め、求めた電界強度に基づいて検知対象の位置を検出している。
特開2002−307338号公報(段落0060、図5) 特開2003−91678号公報(段落0037、図1) 特開2002−98749号公報(段落0007、図2)
しかしながら、特許文献1に記載の発明の場合、検知対象が人感センサの検知範囲内に位置しないと、検知対象の存在を検知することができない。よって、検知対象が、人感センサの検知範囲外である場合、検知対象を検出できないという問題があった。
また、特許文献2および特許文献3に記載の発明の場合、検知対象を検知するために複数の検出器や発信器を設けなければならないこと、検知対象が広範囲に亘って移動する場合、検知対象が検出器や発信器が設けられた特定の領域を外れてしまうと、検知対象を検知できないこと、そして、検知対象の大まかな位置は把握できるが、検知対象が、検出器や発信器を基準として、どの方向に、かつ、どの位離れた距離に位置するのかを知ることができないという問題があった。
特に、検知対象が人のように移動体である場合や、検知装置自身もまた移動ロボットのように移動体である場合のように、人を検出するために移動ロボットを用いる場所が、絶えず変化する場合には、複数の検出器や発信器を予め用意することができないので、これら特許文献1ないし3に記載された発明は、有効性を欠くものであった。
そこで、本発明は、人との可変な距離および可変な方向をリアルタイムに特定して、特定した方向に向かって特定した距離まで移動して、目的の人のところまで可能な移動ロボットを提供することを目的とする。
本発明は、周辺領域へ向けて電波を送信すると共に所定の指向性の光信号を照射し、電波または光信号の少なくとも一方を受けた検知用タグからの受信報告信号を電波として受信することによって、検知用タグまでの距離および方向を特定して、特定した方向に向かって特定した距離まで移動する移動ロボットに関するものである。
この移動ロボットは、周辺領域へ向けて距離を特定する検索信号を電波として送信する電波発信手段と、周辺の探索域毎に方向検査信号を所定の指向性の光信号として照射する発光手段と、電波または光信号の少なくとも一方を受けた検知用タグからの受信報告信号を電波として受信する電波受信手段と、前記電波受信手段により受信された電波の電界強度に基づいて前記検知用タグまでの距離を算出し、前記電波受信手段により電波として受信された受信報告信号に基づいて、前記検知用タグの受光時に前記発光手段により照射されていた光信号の方向を前記検知用タグの存在する方向と判断し、算出した距離および判断した方向により位置を特定する位置特定手段と、前記電波発信手段、前記電波受信手段および前記発光手段の動作を制御する制御手段と、自らを移動させる移動手段と、前記位置特定手段により特定された方向に向かって、特定された距離まで移動を制御するように前記移動手段を制御する移動制御手段と、を備えて構成される。
この移動ロボットは、前記移動制御手段により移動した方向および距離で特定される位置に存在する前記検知用タグを所持する人との対話を制御する対話制御手段を備えることが好ましい。対話制御手段は、人の発する声を認識する音声認識装置やテキストを音声合成して合成音声として出力する音声合成装置を制御して、人との対話を成立させることが可能になる。なお、人に対するメッセージの出力は、合成音声として行う場合に限らず、表示画面上に文字キャラクタとして表示して出力させる場合であってもよい。
さらに、この移動ロボットにおいて、前記制御手段が、前記電波発信手段による電波の発信および前記電波受信手段による前記検知用タグから送信される電波の受信後に、前記発光手段による光信号の照射を実行するのが好ましい。
この移動ロボットは、前記電波受信手段により前記検知用タグに記憶されているIDを受信し、このIDに基づいて個人情報を取得する個人情報取得手段と、前記個人情報取得手段により取得した個人情報に基づいて前記検知用タグを所持する人との対話または動作を決定する動作判断手段とを備えることが好ましい。
したがって、本発明に係る移動ロボットでは、制御手段の制御により、電波発信手段が、周辺領域へ向けて距離を特定する検索信号を電波として送信すると共に、発光手段が周辺の探索域毎に方向検査信号を所定の指向性の光信号として照射する。そして、移動ロボットの所定距離までの範囲に検知用タグが存在する場合には、検知用タグは、電波または光信号の少なくも一方を受けると、受信報告信号を移動ロボットに送信する。
そして、移動ロボットでは、制御手段の制御により、電波受信手段が、電波または光信号の少なくとも一方を受けた検知用タグからの受信報告信号を電波として受信すると、位置特定手段が、電波受信手段により受信された電波の電界強度に基づいて検知用タグまでの距離を算出し、電波受信手段により電波として受信された受信報告信号に基づいて、検知用タグの受光時に前記発光手段により照射されていた光信号の方向を検知用タグの存在する方向と判断し、算出した距離および判断した方向により位置を特定する。これによって、移動ロボットは、移動制御手段により、移動手段を制御して、前記検知用タグを所持する人に向かって移動する。
そのため、本発明の移動ロボットによれば、位置特定手段により人までの距離および方向の位置を特定することにより、その位置に向かって移動することで検知用タグを所持する人に近づいていくことができるようになる。したがって、本発明の移動ロボットは、人に近づいて対話を行うことが可能になる。
また、特に、制御手段が、電波発信手段による電波の発信および発光手段による光信号の照射を所定周期で繰り返して行い、電波や光信号を受けた前記検知用タグからの受信報告信号を電波受信手段により電波として受信することによって、時々刻々と互いに位置が変化するような場合でも、位置特定手段により時々刻々と変化する方向および距離を特定し、変化した方向に移動方向を修正しつつ変化した距離まで移動するように制御することができるようになる。そのため、本発明の移動ロボットによれば、途中に障害物を回避(たとえば、検知用タグを持たない子供やペットの回避)したとしても、距離および方向をその都度修正して、知用タグを所持する人に向かって移動することができるようになる。
したがって、本発明によれば、人との可変な距離および可変な方向をリアルタイムに特定して、特定した方向に向かって特定した距離まで移動して、目的の人のところまで移動可能な移動ロボットを提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の移動ロボット(以下「ロボット」という。)について説明する。このロボットは、検知対象である人が装着した検知用タグを検知するための各手段を備え、検知用タグと共に検知対象検知システムを構成する。まず、本発明に係る検知対象検知システムAの全体構成について図1を参照して説明する。
(検知対象検知システムAの構成)
図1は、本発明の実施形態に係る検知対象検知システムAのシステム構成図である。
この検知対象検知システムAは、検知装置であるロボットRの周辺領域に、検知対象D、たとえば、検知用タグTを装着した人が検知されるかを確認すると共に、検知対象Dが検知された場合には、検知対象Dが、ロボットRを基準として、どの方向に、そして、どの位離れた位置に存在するのかを特定する、すなわち、検知対象Dの位置を特定するものである。
図1に示すように、検知対象検知システムAは、ロボットRと、このロボットRと無線通信によって接続された基地局1と、この基地局1とロボット専用ネットワーク2を介して接続された管理用コンピュータ3と、この管理用コンピュータ3にネットワーク4を介して接続された端末5と、検知対象Dが備える検知用タグTとから構成される。
ここで、本実施の形態では、検知用タグTを装着した人が、検知対象Dとして規定されている。
この検知対象検知システムAにおいて、ロボットRは、前記ロボットRの周辺領域に、検知対象D、たとえば、検知用タグTを装着した人が存在するか否かを検知し、検知した検知対象Dの位置を特定すると共に、必要に応じて、検知対象Dが誰であるのかという個人識別を行うものである。
管理用コンピュータ3は、基地局1、ロボット専用ネットワーク2を介してロボットRの移動・発話などの各種制御を行うと共に、ロボットRに対して必要な情報を提供するものである。ここで、必要な情報とは、検知された検知対象Dの氏名や、ロボットRの周辺の地図などがこれに相当し、これらの情報は、前記管理用コンピュータ3に設けられた記憶手段(図示せず)に記憶されている。
ロボット専用ネットワーク2は、基地局1と、管理用コンピュータ3と、ネットワーク4とを接続するものであり、LANなどにより実現されるものである。
端末5は、ネットワーク4を介して管理用コンピュータ3に接続し、前記管理用コンピュータ3の記憶手段(図示せず)に、検知用タグTに関する情報および前記検知用タグTを装着した人物(検知対象D)に関する情報などを登録する、もしくは登録されたこれらの情報を修正するものである。
そして、検知用タグTとは、たとえば、ICタグがこれに相当する。
以下、ロボットR、そして、検知対象Dの構成についてそれぞれ詳細に説明する。
[ロボットR]
本発明に係る検知対象検知システムAの検知装置であるロボットRは、自律移動型の2足歩行ロボットである。
このロボットRは、電波を前記ロボットRの周辺領域に発信すると共に、ロボットRを基準として前記ロボットRの周囲において設定された探索域に向けて光信号を照射する。
そして、ロボットRから発せられた電波と光信号の両方を受信した旨の信号(受信報告信号)が検知対象D(検知用タグT)から返信された場合に、受信報告信号の電界強度から、ロボットRから検知対象Dまでの距離を求めると共に、検知対象Dにより受光された光信号の発光方向を検知対象Dの存在する方向とみなすことで、検知対象Dの検知、および検知対象Dの位置の特定を行うものである。
図1に示すように、このロボットRは、頭部R1、腕部R2、脚部R3を有しており、頭部R1、腕部R2、脚部R3は、それぞれアクチュエータにより駆動され、自律移動制御部50(図2参照)により2足歩行の制御がなされる。この2足歩行についての詳細は、たとえば、特開2001−62760号公報に開示されている。
図2は、ロボットRのブロック構成図である。
図2に示すように、ロボットRは、頭部R1、腕部R2、脚部R3に加えて、カメラC,C、スピーカS、マイクMC、画像処理部10、音声処理部20、画像送信部30、制御部40、自律移動制御部50、無線通信部60、および対象検知部70を有する。
さらに、ロボットRの位置を検出するため、ジャイロセンサSR1や、GPS受信器SR2を有している。
[カメラ]
カメラC,Cは、映像をデジタルデータとして取り込むことができるものであり、たとえば、カラーCCD(Charge-Coupled Device)カメラが使用される。カメラC,Cは、左右に平行に並んで配置され、撮影した画像は画像処理部10と、画像送信部30に出力される。このカメラC,Cと、スピーカSおよびマイクMCは、いずれも頭部R1の内部に配設される。
[画像処理部]
画像処理部10は、カメラC,Cが撮影した画像を処理して、撮影された画像からロボットRの周囲の状況を把握するため、周囲の障害物や人物の認識を行う部分である。この画像処理部10は、ステレオ処理部11a、移動体抽出部11b、および顔認識部11cを含んで構成される。
ステレオ処理部11aは、左右のカメラC,Cが撮影した2枚の画像の一方を基準としてパターンマッチングを行い、左右の画像中の対応する各画素の視差を計算して視差画像を生成し、生成した視差画像および元の画像を移動体抽出部11bに出力する。なお、この視差は、ロボットRから撮影された物体までの距離を表すものである。
移動体抽出部11bは、ステレオ処理部11aから出力されたデータに基づき、撮影した画像中の移動体を抽出するものである。移動する物体(移動体)を抽出するのは、移動する物体は人物であると推定して、人物の認識をするためである。
移動体の抽出をするために、移動体抽出部11bは、過去の数フレーム(コマ)の画像を記憶しており、最も新しいフレーム(画像)と、過去のフレーム(画像)を比較して、パターンマッチングを行い、各画素の移動量を計算し、移動量画像を生成する。そして、視差画像と、移動量画像とから、カメラC,Cから所定の距離範囲内で、移動量の多い画素がある場合に、人物があると推定し、その所定距離範囲のみの視差画像として、移動体を抽出し、顔認識部11cへ移動体の画像を出力する。
顔認識部11cは、抽出した移動体から肌色の部分を抽出して、その大きさ、形状などから顔の位置を認識する。なお、同様にして、肌色の領域と、大きさ、形状などから手の位置も認識される。
認識された顔の位置は、ロボットRが移動するときの情報として、また、その人とのコミュニケーションを取るため、制御部40に出力されると共に、無線通信部60に出力されて、基地局1を介して、管理用コンピュータ3に送信される。
[音声処理部]
音声処理部20は、音声合成部21aと、音声認識部21bとを有する。
音声合成部21aは、制御部40が決定し、出力してきた発話行動の指令に基づき、文字情報から音声データを生成し、スピーカSに音声を出力する部分である。音声データの生成には、予め記憶している文字情報と音声データとの対応関係を利用する。
音声認識部21bは、マイクMCから音声データが入力され、予め記憶している音声データと文字情報との対応関係に基づき、音声データから文字情報を生成し、制御部40に出力するものである。
[画像送信部]
画像送信部30は、無線通信部60を介してカメラC,Cから入力された画像データを管理用コンピュータ3へ出力する部分である。
[制御部40]
図3は、ロボットRを制御する制御部40のブロック図である。
この制御部40は、ロボットRの全体を制御するものであり、人識別手段40aと、対話制御手段40bと、動作判断手段40cと、移動先経路決定手段40dと、地図情報取得手段40eと、運搬制御手段40fと、移動制御手段40gと、個人情報取得手段40hと、特定情報取得手段40iと、移動方向特定手段40jとを含んで構成される。
(人識別手段)
人識別手段40aは、検知用タグTから送られたタグ識別番号を基に検知用タグTを所持する人が誰なのかを識別するものである。人識別手段40aは、検知用タグTに割り当てられた固有の識別番号(タグ識別番号)に対応させた個人情報を、管理用コンピュータ3(図1参照)の図示しない記憶部から取得することによって、人を識別する。これにより、ロボットRは、個人情報に基づいて人と対話することが可能になる。個人情報としては、たとえば、所有するタグ識別番号、氏名、年齢、性別、趣味、予定がある。
個人情報は、管理用コンピュータ3(図1参照)の図示しない記憶部に記憶させておけばよい。この場合には、人識別手段40aは、検知用タグTからタグ識別番号を取得したときに、管理用コンピュータ3にタグ識別番号を送信し、そのタグ識別番号をキーとして、管理用コンピュータ3の図示しない記憶部内を検索させ、対応するタグ識別番号を含む個人情報を抽出させて、抽出された個人情報を受信することで、タグ識別番号に対応する個人情報を取得して、人を識別する。
なお、個人情報は、ロボットRの図示しない記憶部に記憶させておくようにしてもよい。この場合には、人識別手段40aは、検知用タグTから送られたタグ識別番号をキーとして、図示しない記憶部内を検索し、対応するタグ識別番号を含む個人情報を抽出することで、タグ識別番号に対応する個人情報を取得する。
また、人識別手段40aは、検知対象の人の顔情報を取得して、登録してある顔情報と比較して、人を識別するのが好ましい。顔情報は、予め対象者に断って、登録させる必要があるため、全ての人のものを取得することができないことが考えられる。そのため、顔情報を取得することができない場合には、個人情報によって人を識別することができる。また、顔情報と個人情報とが得られた場合には、二つの情報を用いることで検知用タグTを所持する人を高い確度で識別することができる。
(対話制御手段)
対話制御手段40bは、発話するテキストを生成して音声処理部20に送り、音声合成部21aによって合成音声を出力させたり、音声認識部21bで認識されて得たテキストを音声処理部20から受け取り、意味を解釈して、返答用のテキストを生成させたり、種々の動作を決定するものである。
(動作判断手段)
動作判断手段40cは、種々の動作をするように判断して各部に指令を出すものである。その動作指令としては、たとえば、検知用タグTを検知して、その存在する方向および距離を特定した場合に、特定した方向に向けて特定した距離まで移動するように、自律移動制御部50に指令を出すものである。
(移動先経路決定手段)
移動先経路決定手段40dは、対象検知部70が検知した方向および距離の位置を、地図情報取得手段40eが取得する地図情報上に重畳し、対象検知部70が検知する方向および距離の位置を設定し、ロボットRの現在位置から設定した位置までの移動経路を決定するものである。
(地図情報取得手段)
地図情報取得手段40eは、特定した方向および距離により決定される地図情報を取得するものである。
この地図情報は、管理用コンピュータ3(図1参照)の図示しない記憶部に記憶させておけばよい。
(運搬制御手段)
運搬制御手段40fは、動作判断手段40cに決定された運搬動作を制御するものである。この運搬動作は、たとえば、人との対話により所定の荷物を別の場所に運搬するような場合に基準となることを明記する。
(移動制御手段)
移動制御手段40gは、脚部R3を制御して、ロボットR自らを移動させるものである。なお、移動制御手段40gは、自律移動制御部50に指令を出し、自律移動制御部50により、脚部R3のみの制御ではなく、頭部51a、腕部51bを制御させ、重心移動を制御する。
(個人情報取得手段)
個人情報取得手段40hは、前記個人情報を取得するものである。
個人情報取得手段40hは、地図情報取得手段は40eが、検知用タグTからタグ識別番号を取得したときに、管理用コンピュータ3にタグ識別番号を送信し、そのタグ識別番号をキーとして、管理用コンピュータ3の図示しない記憶部内を検索させ、対応するタグ識別番号を含む個人情報を抽出させて、抽出された個人情報を受信することで、タグ識別番号に対応する個人情報を取得する。
(特定情報取得手段)
特定情報取得手段40iは、特定情報を取得するものである。ここでは、特定情報とは、特定の動作を指定するための情報である。ここで、特定情報は、個人情報に伴って対話に必要になる情報であり、個人情報が予定の場合には予定の行動に必要な情報である。たとえば、来週の日曜日にゴルフの予定がある場合、開催場所として栃木県にある某ゴルフ場を指定しているときには、特定情報として某ゴルフ場近郊の気象情報(天気予報)が挙げられる。
(移動方向特定手段)
移動方向特定手段40jは、任意の時刻に対象検知部70により検知された検知用タグTの方向および距離と、その任意の時刻と異なる時刻に対象検知部70により検知された方向および距離との関係から移動方向および移動距離を算出して、移動方向を特定するものである。
たとえば、ロボットRの正面方向を+x軸方向、右方向を+y軸方向としたx−y空間上において、移動方向特定手段40jは、対象検知部70により検知された検知用タグTの方向および距離から決定される位置にプロットすることにより、x−y空間上にプロットされた2点から移動方向および移動距離を算出することができる。
そのため、移動方向特定手段40jは、移動方向特定手段40jにより、対象検知部70からリアルタイムに入力されてくる方向および距離とから前後の移動方向および移動距離を算出することによって、算出された移動方向に向かってロボットRを移動させることができる。
[自律移動制御部]
図2に戻って、自律移動制御部50は、頭部制御部51a、腕部制御部51b、脚部制御部51cを有する。
頭部制御部51aは、制御部40の指示に従い頭部R1を駆動し、腕部制御部51bは、制御部40の指示に従い腕部R2を駆動し、脚部制御部51cは、制御部40の指示に従い脚部R3を駆動する。
また、ジャイロセンサSR1、およびGPS受信器SR2が検出したデータは、制御部40に出力され、ロボットRの行動を決定するのに利用されると共に、制御部40から無線通信部60を介して管理用コンピュータ3に送信される。
[無線通信部]
無線通信部60は、管理用コンピュータ3とデータの送受信を行う通信装置である。無線通信部60は、公衆回線通信装置61aおよび無線通信装置61bを有する。
公衆回線通信装置61aは、携帯電話回線やPHS(Personal Handyphone System)回線などの公衆回線を利用した無線通信手段である。一方、無線通信装置61bは、IEEE802.11b規格に準拠するワイヤレスLANなどの、近距離無線通信による無線通信手段である。
無線通信部60は、管理用コンピュータ3からの接続要求に従い、公衆回線通信装置61aまたは無線通信装置61bを選択して管理用コンピュータ3とデータ通信を行う。
[対象検知部]
対象検知部70は、ロボットRの周囲に検知用タグTを備える検知対象Dが存在するか否かを検知すると共に、検知対象Dの存在が検知された場合、前記検知対象Dの位置を特定するものである。
検知範囲内に複数個のタグが存在する場合、同時に電波を送信すると、衝突してしまい、正常なデータの読み取りができない。
そこで、電波を送信するときに、送信スロット(時間枠)をランダムに選ぶことで、検知範囲内に複数個のタグが存在する場合でも、送信電波が衝突する確率を軽減している。
検知範囲内に複数個のタグが存在する場合、同時に電波を送信すると、衝突してしまい、正常なデータの読み取りができない。
電波を送信するときに、送信スロット(時間枠)をランダムに選ぶことで、検知範囲内に複数個のタグが存在する場合でも、送信電波が衝突する確率を軽減している。
図4に示すように、この対象検知部70は、制御手段80と、電波送受信手段90と、発光手段100と、記憶手段110とを含んで構成される。
(制御手段80)
制御手段80は、後記する電波送受信手段90から無線送信される検索信号と、後記する発光手段100から赤外光として出力される方向検査信号を生成すると共に、検索信号を受信した検知用タグTから送信された受信報告信号を基に、検知対象Dの位置を特定するものである。
ここで、検索信号とは、ロボットRの周囲に検知対象Dが存在するか否かを検知するための信号であり、方向検査信号とは、検知対象DがロボットRを基準としてどの方向に位置するのかを検知するための信号である。
また、受信報告信号とは、検知用タグTが、少なくとも検索信号を受信したことを示す信号である。
この制御手段80は、データ処理部81と、暗号化部82と、時分割部83と、復号化部84と、電界強度検出部85とを含んで構成される。
データ処理部81は、検索信号と方向検査信号を生成すると共に、検知対象Dの位置を特定するものであり、信号生成部81aと、位置特定部81bとを含んで構成される。
(信号生成部81a)
このデータ処理部81の信号生成部81aは、所定時間毎に、もしくはロボットRの制御部40から電波の発信を命令する信号(発信命令信号)が入力されるたびに、記憶手段110を参照して、対象検知部70が設けられたロボットRに固有の識別番号(以下、ロボットIDという)を取得する。
そして、信号生成部81aは、前記ロボットIDと、受信報告要求信号とを含んで構成される検索信号を生成する。
ここで、受信報告要求信号とは、検索信号を受信した検知対象D(検知用タグT)に対して、前記検索信号を受信した旨を示す信号(受信報告信号)を生成するように要求する信号である。
さらに、信号生成部81aは、この検索信号を生成する際に、後記する発光手段100から赤外線信号として照射される方向検査信号もまた生成する。
方向検査信号は、発光手段100に設けられた発光部(LED1〜LED8)の総てについて、個別に生成されるものであり、前記ロボットIDと、発光部を特定する識別子(発光部ID)を含んで構成される。
なお、この方向検査信号は、後記する復号化部84から入力される受信報告信号に発光要求信号が含まれている場合にも生成される。
本実施の形態の場合、発光部が合計8つ設けられているので、データ処理部81は、ロボットIDと発光部IDとから構成される方向検査信号を、合計8つ生成する。
たとえば、ロボットIDが「02」であり、発光部(LED1〜LED8)の発光部IDが「L1〜L8」である場合、発光部LED1について生成される方向検索信号は、ロボットID=「02」と、発光部ID=「L1」とを含み、発光部LED2について生成される方向検査信号は、ロボットID=「02」と、発光部ID=「L2」とを含むことになる。
そして、信号生成部81aは、方向検査信号と前記検索信号とを、暗号化部82に出力する。
なお、このデータ処理部81の位置特定部81bは、検索信号を受信した検知用タグTから送信された受信報告信号をもとに、検知対象Dの位置を特定するものであるが、その際に、この位置特定部81bで行われる処理は、制御手段80に含まれる復号化部84と電界強度検出部85における処理と共に、後に詳細に説明する。
(暗号化部82)
暗号化部82は、データ処理部81から入力された検索信号を暗号化した後、その検索信号(暗号化検索信号)を後記する電波送受信手段90に出力するものである。
これにより、暗号化検索信号は、変調されたのち、電波送受信手段90から無線送信されることになる。
一方、暗号化部82は、データ処理部81から入力された方向検査信号を暗号化した後、その方向検査信号(暗号化方向検査信号)を後記する時分割部83に出力する。
本実施の形態の場合、方向検査信号は、データ処理部81において発光手段100の発光部ごとに一つずつ生成される。
よって、図3に示すように、発光手段100には合計8つの発光部が設けられているので、暗号化部82には、合計8つの方向検査信号がデータ処理部81から入力される。
その結果、合計8つの暗号化方向検査信号がこの暗号化部82において生成され、時分割部83に出力されることになる。
(時分割部83)
時分割部83は、発光手段100の各発光部(LED1〜LED8)の発光順序と、発光タイミングを設定するものである。
具体的には、暗号化部82から暗号化方向検査信号が入力されると、時分割部83は、各発光部(LED1〜LED8)の発光順序および発光タイミングを決定し、決定した発光順序および発光タイミングで、暗号化方向検査信号を発光手段100に出力する。
たとえば、発光部LED1、発光部LED4、発光部LED7、発光部LED2、発光部LED5、発光部LED8、発光部LED3、そして、発光部LED6の順番で、各発光部を0.5秒間隔で発光させる場合、時分割部83は、暗号化方向検査信号を0.5秒間隔で、発光部LED1の変調部、発光部LED4の変調部、発光部LED7の変調部、発光部LED2の変調部、発光部LED5の変調部、発光部LED8の変調部、発光部LED3の変調部、そして、発光部LED6の変調部という順番で出力する。
本実施の形態の場合、合計8つの暗号化方向検査信号が時分割部83に入力される。そして、これら暗号化方向検査信号は、データ処理部81において、出力される発光部が予め決められている。
したがって、時分割部83は、暗号化方向検査信号が入力されると、暗号化方向検査信号に含まれる発光部IDを確認し、発光部IDにより特定される発光部に隣接する変調部に向けて、決められた順序およびタイミングで、暗号化方向検査信号を出力する。
たとえば、発光部(LED1〜LED8)の発光部IDが「L1〜L8」で規定される場合、時分割部83は、発光部IDが「L1」である暗号化方向検査信号を、発光部LED1に隣接する変調部に出力し、発光部IDが「L2」である暗号化方向検査信号を、発光部LED2に隣接する変調部に出力することになる。
(発光手段100)
発光手段100は、ロボットRを基準として前記ロボットRの周囲において予め設定された探索域に向けて光を照射するものである。
図4および図5(a)に示すように、この発光手段100は、複数の発光部(LED1〜LED8)と、各発光部に対応させて設けられた変調部とを含んで構成されている。
変調部は、時分割部83から入力された暗号化方向検査信号を、所定の変調方式で変調し、所定の波長の赤外線信号とするものである。
発光部は、赤外線信号、すなわち、赤外光を予め決められた探索域に向けて照射するものである。
本実施の形態では、検知対象Dの位置を特定するために、ロボットRの周囲の領域が複数の探索域に区分されている(図5(a)参照)。そして、この探索域に向けて赤外光を発光する発光部として、発光ダイオードが探索域毎に一つずつ用意されている。
具体的には、図5(a)に示す例の場合、ロボットRを中心として、全周方向、すなわち、360度方向に、合計8つの探索域(第1領域〜第8領域)が設定されている。
言い換えると、ロボットRを中心として、ほぼ扇形の探索域(第1領域〜第8領域)がロボットRを取り囲むように複数設定されており、ロボットRは、これら扇形の探索域で囲まれた領域のほぼ中心に位置している。
したがって、図5(a)に示す例の場合、各探索域に向けて赤外光の照射が可能となるように、ロボットRの頭部には、その外周に沿って合計8つの発光部が、それぞれ対応する探索域に向けて設けられている。
また、図5(a)から明らかなように、ロボットRの正面側の探索域(第1領域〜第3領域)は、他の探索域(第4領域〜第8領域)に比べて狭くなるように設定されている。
具体的には、第1領域から第3領域に関しては、発光ダイオードから照射される赤外光の幅方向における範囲は、θaに設定されており、第3領域から第8領域に関しては、θbに設定されている。
ロボットRが探索手段によって検知対象Dを検知し、その方向に顔を向ける動作を行う時、ロボットRの顔の正面(これを視線の方向という)と、検知対象Dの位置とのズレが生じることで、検知対象DがロボットRの視線に違和感を感じる問題がある。この問題を解決するために、探索域の数を多くするという方法が考えられる。しかし、必ずしも全周の探索域を増やす必要はなく、前方のみの探索域を増やし、検知対象Dの位置の方向にロボットRが向くことで、発光部の数を少なく構成することができる。
そのため、本実施の形態の場合、ロボットRの正面側の各領域(第1領域〜第3領域)の赤外光の照射範囲を狭くすることで、ロボットRの正面側にある各領域(第1領域〜第3領域)内における検知対象Dの位置をより正確に特定できるようにするためである。
なぜならば、検知対象Dが人であり、かつ、ロボットRのカメラC,Cで人の顔の撮像を行う場合を想定すると、ロボットRのカメラC,Cを、検知対象Dである人の顔の正面にきちんと位置させる必要があり、そのためには、ロボットRの正面側における検知対象Dの位置特定をより正確に行って、ロボットRの移動制御やカメラC,Cの画角の調整に反映させる必要があるからである。
また、本実施の形態では、探索域に含まれない領域、すなわち、探索域の死角を最小限にするために、隣接する探索域は、その幅方向の端部において互いに重なるように設定されている(図5(a))。そのため、隣接する探索域に対して、同時もしくは連続して赤外光が照射されると、探索域の重なる部分において干渉が生じてしまうことがある。
そこで、本実施の形態では、隣接する探索域に対して赤外光が連続して照射されることで干渉が生じないように、制御手段80の時分割部83において、暗号化方向検査信号を出力する順序とタイミングを調整しているのである。
ここで、図6を参照して説明すると、本実施の形態の場合、第1領域(図中、符号1で示す)、第4領域(図中、符号4で示す)、第7領域(図中、符号7で示す)、第2領域(図中、符号2で示す)、第5領域(図中、符号5で示す)、第8領域(図中、符号8で示す)、第3領域(図中、符号3で示す)、そして、第6領域(図中、符号6で示す)というような順番で赤外光が照射されるように、時分割部83が、暗号化方向検査信号を変調部91に向けて出力する順序とタイミングを調整している。
また、本実施の形態では、赤外光が照射される高さ方向の範囲は、人と人とが向かい合って話をする場合の平均的な距離(対人距離)Xにおいて、子供から大人までその存在を検知できる範囲に設定されている。
具体的には、図5(b)に示すように、ロボットRから距離X離れた位置において、大人の胸の高さYの位置と、子供の胸の高さZの位置とが、赤外光により確実に照射されるように設定されている。赤外光が照射される高さ方向の角度範囲をφとすることにより、前記設定を満たす。
(電波送受信手段)
図4を参照して、電波送受信手段90は、ロボットRの周辺領域に向けて電波を発信すると共に、前記電波を受信した検知対象から送信された受信報告信号を受信するものである。
この電波送受信手段90は、変調部91と、復調部92と、送受信アンテナ93とから構成される。
変調部91は、データ処理部81から入力された検索信号(実際には、暗号化検索信号)を所定の変調方式で変調して変調信号とした後、これを、送受信アンテナ93を介して無線送信するものである。
また、復調部92は、検知対象Dの検知用タグTから無線送信された変調信号を、送受信アンテナ93を介して受信し、受信した変調信号の復調により、受信報告信号(実際には、暗号化受信報告信号)を取得するものである。
そして、この復調部92は、取得した受信報告信号を、制御手段80の復号化部84と電界強度検出部85に出力するものである。
(復号化部)
復号化部84は、暗号化された受信報告信号である暗号化受信報告信号を復号化して、受信報告信号を取得し、取得した受信報告信号を、データ処理部81に出力するものである。
本実施の形態の場合、受信報告信号には、後に詳細に説明するが、発光部IDとロボットIDとタグ識別番号とが少なくとも含まれているので、復号化部84は、これらをデータ処理部81に出力することになる。
なお、受信報告信号に発光要求信号が含まれていた場合、この発光要求信号もまたデータ処理部81に出力されることになる。
(電界強度検出部)
電界強度検出部85は、検知対象Dの検知用タグTから送信された変調信号を電波送受信手段90が受信した際に、前記変調信号の強度を求めるものである。
具体的には、電界強度検出部85は、電波送受信手段90の復調部92から入力された、暗号化受信報告信号の電力を検波し、この検波された電力の平均値を電界強度として求め、この求めた電界強度をデータ処理部81に出力する。
(位置特定部)
データ処理部81の位置特定部81bは、検知対象Dの位置を特定するものである。
具体的には、検知対象Dの検知用タグTから送信された変調信号を電波送受信手段90において受信した際の、前記変調信号の電界強度から、ロボットRから検知対象Dまでの距離を求める。さらに、位置特定部81bは、受信報告信号に含まれる発光部IDを参照して、検知対象Dから受信した光が、どの発光部から発光されたのかを特定し、特定された発光部の発光方向を、すなわち、前記発光部に対応する探索域の方向を検知対象Dの存在する方向とみなし、検知対象Dの位置を特定するものである。
本実施の形態の場合、はじめに、位置特定部81bは、復号化部84から入力された受信報告信号の中からロボットIDを取得する。そして、取得したロボットIDと記憶手段110に記憶されたロボットIDを比較し、両ロボットIDが一致した場合、位置特定部81bは、検知対象Dの位置の特定を開始する。
また、本実施の形態の場合、図7に示すように、ロボットRの周辺領域は、ロボットRからの距離に応じて4つのエリアに区分されている。すなわち、この区分は、ロボットRからの距離が短い順にエリア1、エリア2、エリア3、エリア4と定義する。
この各エリアと電界強度とは、電界強度の大きさを基準として予め関連づけられており、この関連づけを示すテーブル(距離テーブル)が、記憶手段110に記憶されている。
したがって、位置特定部81bは、電界強度検出部85から入力された電界強度をもとに、記憶手段110に記憶された距離テーブルを参照し、受信報告信号を発信した検知対象がどのエリアにいるのかを示す情報(エリア情報)を取得する。
たとえば、電界強度検出部85から入力された電界強度αが、エリア3を規定する閾値βとγ(βは下限、γは上限)との間の値である場合、位置特定部81bは、エリア3を示す情報(エリア情報)を取得する。
さらに、位置特定部81bは、復号化部84から入力された受信報告信号に含まれる発光部IDを参照して、受信報告信号を送信した検知対象Dが、ロボットRの発光手段100のどの発光部から発光された光を受信したのかを特定し、特定された発光部の発光方向を示す情報(方向情報)を取得する。
本実施の形態の場合、図8に示すように、ロボットRの周辺領域には、ロボットRを基準として合計8つの探索域(第1領域〜第8領域)が設定されている。
そして、記憶手段110には、各発光部がどの探索域(第1領域から第8領域)に向けて設置されているのかを示すテーブル(方向テーブル)が記憶されている。
したがって、データ処理部81は、発光部IDをもとに記憶手段110に記憶された方向テーブルを参照し、前記発光部IDを持つ発光部から発せられる赤外光が、予め設定された探索域(第1領域〜第8領域)のうち、どの領域に照射されるのかを確認する。そして、データ処理部81は、確認された探索域を示す情報を、検知対象Dが存在する方向を示す情報(方向情報)として取得する。
なお、図8において、本来ならば各探索域の端部は隣接する探索域の端部と重なっている(図5(a)参照)のであるが、この図8では、説明の便宜上、探索域が重なっている部分は省略してある。また、図9についても同様である。
そして、位置特定部81bは、取得したエリア情報と方向情報とから検知対象Dの位置を示す情報(位置情報)を生成する。
この位置情報について、図9を用いて具体的に説明する。この図9は、図7と図8とを重ねて表示したものに該当する。
ここで、エリア情報が「エリア3」を示し、方向情報が「第2領域」を示す場合、データ処理部81は、ロボットRの周囲において「エリア3」と「第2領域」とが重なる範囲(図中において、符号P1で示す範囲)を検知対象が存在する位置と見なし、この範囲を示す情報(位置情報)を生成する。
これにより、図7に示すように、ロボットRが受信した受信報告信号の強度と、この受信報告信号に含まれる発光部IDとから、ロボットRと検知対象Dとの位置関係が特定される。言い換えれば、検知対象Dが、ロボットRを基準としてどの方向に、どれだけ離れた位置に存在するのか、すなわち、検知対象Dの位置が特定される。
そして、位置特定部81bは、位置情報を、復号化部84から入力された受信報告信号に含まれるタグ識別番号と共に、ロボットRの制御部40に出力する。
これにより、ロボットRの制御部40は、自律移動制御部50を制御して、ロボットRを検知対象Dの正面に移動させることや、検知対象Dが人である場合、カメラCの仰角や向きを修正して、前記検知対象Dの顔の撮像を行うことが可能となる。
なお、受信報告信号に発光要求信号が含まれている場合、信号生成部81aは方向検査信号を生成し、暗号化部82に出力する。これにより、発光手段100の各発光部から赤外線信号が発光されることになる。
さらに、ロボットRの制御部40は、タグ識別番号を管理用コンピュータ3に送信する。これにより、管理用コンピュータ3は、タグ識別番号をもとに記憶手段(図示せず)を参照し、前記タグ識別番号の付された検知用タグを装着した検知対象(人)の特定を行うと共に、特定された検知対象(人)の情報と共に、必要な動作命令などをロボットRに送信する。
したがって、この動作命令などにしたがって、ロボットRの制御部40は、ロボットRの各部を制御することになる。
[管理用コンピュータ]
図10は、図1に示した管理用コンピュータの機能を説明するブロック図である。
管理用コンピュータ3は、通信手段3a、制御手段3b、特定情報取得手段3c、地図情報データベース(DB)3d、データベース(DB)管理手段3e、特定情報データベース(DB)3f、および個人情報データベース(DB)3gを有する。
(通信手段)
通信手段3aは、基地局1(図1参照)を介してロボットRとの間の通信を行うものである。
(制御手段)
制御手段3bは、管理用コンピュータ3の全体の処理を統括して制御するものである。
(特定情報取得手段)
特定情報取得手段3cは、ロボットRの制御部40の特定情報取得手段40i(図3参照)と同様に、特定情報を抽出するものである。この特定情報取得手段3cは、タグ識別番号がロボットRから転送されてきたときに、DB管理手段3eによりタグ識別番号に基づいて個人情報DB3gから抽出した個人情報にしたがって特定情報を取得するものである。
(地図情報データベース)
地図情報データベース(DB)3dは、地図情報を管理するものである。
(データベース管理手段)
データベース(DB)管理手段3eは、地図情報DB3d、特定情報DB3f、個人情報DB3gを管理し、各DBへのデータの書込み、読み出しを行うものである。
(特定情報データベース)
特定情報データベース(DB)3fは、特定情報を管理するものである。この特定情報は、制御手段3bの制御により、たとえば、他のネットワーク上のコンピュータから特定情報を定期的にダウンロードしておくのが好ましい。このように定期的にダウンロードしておくのが好ましい特定情報としては、たとえば、定期的に主な地域の催し情報や全国各地の天気予報がある。
(個人情報データベース)
個人情報データベース(DB)3gは、個人情報を記憶するものである。この個人情報は、前記したように、タグ識別番号に対応させて登録してある。そのため、ここでは、個人情報DB3gを検索する検索キーとして、タグ識別番号を用いるものとして説明するが、これに限らず、識別番号とは別に通し番号を付与して、これを用いてもよく、また、氏名や住所等の個人情報の一部を検知用タグTに記憶させておき、これらの個人情報の一部を用いてもよい。
[検知用タグ]
検知用タグは、ロボットRから送信された電波と、照射された光とを受信し、これらを受信したことを示す受信報告信号を、ロボットRに送信するものである。
本実施の形態では、検知用タグTが取り付けられた人が検知対象Dであるので、ロボットRから送信された電波と照射された光は、この検知用タグTにおいて受信される。よって、この検知用タグTについて以下に説明する。
図11に示すように、この検知用タグTは、電波送受信手段140と、受光手段150と、受信報告信号生成手段160と、記憶手段170とを備えて構成される。
(電波送受信手段)
電波送受信手段140は、ロボットRから無線送信された変調信号を受信すると共に、後記する受信報告信号生成手段160において生成された受信報告信号を、変調した後、ロボットRに向けて無線送信するものである。
この電波送受信手段140は、送受信アンテナ141と、復調部142と、変調部143とを含んで構成される。
復調部142は、ロボットRから発信されると共に、送受信アンテナ141を介して受信した変調信号を復調し、検索信号(実際には、暗号化検索信号)を取得し、取得した検索信号を後記する受信報告信号生成手段160に出力するものである。
変調部143は、後記する受信報告信号生成手段160の暗号化部163から入力された暗号化後の受信報告信号(暗号化受信報告信号)を変調して変調信号を生成すると共に、前記変調信号を、送受信アンテナ141を介して、無線送信するものである。
(受光手段)
受光手段150は、ロボットRから照射された赤外光を受光するものである。
この受光手段150は、受光部151と、光復調部152とから構成される。
受光部151は、ロボットRから照射された赤外光(赤外線信号)を直接受光するものである。光復調部152は、受光部151において受光した赤外線信号を復調して、方向検査信号(実際には、暗号化方向検査信号)を取得するものである。
具体的には、受光手段150は、ロボットRから照射された赤外光を受光部151で受光すると、受光した赤外線信号を光復調部152において復調して、暗号化方向検査信号を取得する。そして、取得した暗号化方向検査信号を受信報告信号生成手段160に出力する。
(受信報告信号生成手段)
受信報告信号生成手段160は、ロボットRから発信された検索信号を電波送受信手段140で受信した場合、この検索信号に含まれる受信報告要求信号にしたがって、ロボットRから発信された検索信号を受信したことを示す信号(受信報告信号)を生成するものである。
図11に示すように、この受信報告信号生成手段160は、復号化部161と、データ処理部162と、暗号化部163とを含んで構成される。
復号化部161は、入力された暗号化信号を復号化して、信号を取得するものである。
この復号化部161は、電波送受信手段140から入力された暗号化検索信号と、受光手段150から入力された暗号化方向検査信号とを復号化して、検索信号と方向検査信号とを取得する。そして、復号化部161は、取得した検索信号と方向検査信号とを後段のデータ処理部162に出力する。
データ処理部162は、受信報告信号を生成するものである。
ここで、本実施の形態の場合、検索信号には、検索信号を発信したロボットRを特定する識別子であるロボットIDと、前記電波を受信した検知対象Dに対し、所定の処理を命ずる受信報告要求信号とが含まれている。
また、方向検査信号には、方向検査信号を発信したロボットを特定する識別子であるロボットIDと、方向検査信号を発信した発光部を特定する発光部IDとが含まれている。
したがって、データ処理部162は、検索信号が入力されると、この検索信号に含まれる受信報告要求信号にしたがって、この検知用タグTの受光手段150を待機状態から起動状態にする。
そして、受光手段150を起動状態にした後、所定時間経過するまでの間に方向検査信号が入力された場合、データ処理部162は、方向検査信号に含まれるロボットIDと、検査信号に含まれるロボットIDとを比較する。
データ処理部162は、両ロボットIDが一致した場合、記憶手段170を参照し、検知用タグTに割り当てられた固有の識別番号(タグ識別番号)を取得する。
続いて、データ処理部162は、タグ識別番号と、検索信号に含まれていたロボットIDと、そして、方向検査信号に含まれていた発光部IDとを含んで構成される受信報告信号を生成し、生成した受信報告信号を暗号化部163に出力する。
一方、検知用タグTの受光手段150を起動状態にした後、所定時間経過しても方向検査信号が入力されない場合、または検索信号に含まれていたロボットIDと方向検査信号に含まれていたロボットIDとが異なる場合、データ処理部162は、発光要求信号をさらに含む受信報告信号を生成し、生成した受信報告信号を、暗号化部163に出力する。
ここで、発光要求信号とは、検知装置であるロボットRに対して、赤外光を発光するように命令する信号である。
暗号化部163は、入力された受信報告信号を暗号化した後、その受信報告信号(暗号化受信報告信号)を電波送受信手段140に出力する。
これにより、暗号化受信報告信号は、電波送受信手段140の変調部143において変調された後、送受信アンテナ141を介して、無線送信されることになる。
次に、図4に示すブロック図、そして、図12ないし図14に示すフローチャートを参照して、検知対象検知システムAにおいて行われる処理について説明する。
(対象検知部の動作)
はじめに、図12を参照して、ロボットRの対象検知部70で行われる処理について説明する。
制御手段80の信号生成部81aは、所定時間間隔毎に、記憶手段110を参照して、対象検知部70が設けられたロボットRに固有の識別番号(ロボットID)を取得する(ステップS1)。
そして、信号生成部81aは、前記ロボットIDと、受信報告要求信号とを含んで構成される検索信号を生成する(ステップS2)と共に、発光手段100の各発光部から赤外線信号として照射される方向検査信号を、発光部毎に個別に生成する(ステップS3)。
ここで、この方向検査信号は、ステップS1において取得されたロボットIDと、前記方向検査信号が発信される発光部を特定する発光部IDとを含んで構成される。
制御手段80の暗号化部82は、信号生成部81aで生成された検索信号を暗号化した後、電波送受信手段90に出力する。これにより、電波送受信手段90は、暗号化された検索信号(暗号化検索信号)を所定の変調方式で変調して変調信号とした後、送受信アンテナ93を介して無線送信する(ステップS4)。
さらに、制御手段80の暗号化部82は、信号生成部81aで生成された方向検査信号を暗号化した後、時分割部83に出力する。
制御手段80の時分割部83は、暗号化された方向検査信号(暗号化方向検査信号)が入力されると、発光手段100の各発光部(LED1〜LED6)の発光順序および発光タイミングを決定し(ステップS5)、決定した発光順序および発光タイミングで、発光部(LED1〜LED6)毎に用意された暗号化方向検査信号を、対応する発光部(LED1〜LED6)の変調部に出力する(ステップS6)。
発光手段100の各発光部に設けられた変調部は、入力された暗号化方向検査信号を所定の変調方式で変調し、所定の波長の赤外線信号とする。そして、前記赤外線信号は、変調部に隣接する発光部から、対応する探索域に向けて照射される(ステップS7)。
これにより、ロボットRの周囲に設けられた各探索域に対し、時分割部83で決定された順序かつタイミングで、赤外光が照射されることになる。
電波送受信手段90の送受信アンテナ93から発信された検索信号(変調信号)を検知用タグTが受信すると、検知用タグTは、受信報告信号(変調信号)を生成し、これを無線送信する。
電波送受信手段90の復調部92は、検知用タグTから無線送信された受信報告信号(変調信号)を、送受信アンテナを介して受信する(ステップS8、Yes)と、前記変調信号を復調して暗号化された受信報告信号(暗号化受信報告信号)を取得する。
そして、復調部92は、取得した暗号化受信報告信号を制御手段80の復号化部84と電界強度検出部85に出力する。
制御手段80の復号化部84は、暗号化受信報告信号を復号化して、受信報告信号を取得し、取得した受信報告信号をデータ処理部81に出力する。
制御手段80の電界強度検出部85は、電波送受信手段90の復調部92から入力された、暗号化受信報告信号の電力を検波し、この検波された平均電力を電界強度として求め、この求めた電界強度をデータ処理部81に出力する。
データ処理部81の位置特定部81bは、電界強度検出部85から入力された電界強度をもとに、記憶手段110に記憶された距離テーブルを参照し、受信報告信号を発信した検知用タグTがどのエリアにいるのかを示す情報(エリア情報)を取得する(ステップS9)。
さらに、位置特定部81bは、復号化部84から入力された受信報告信号に含まれる発光部IDをもとに、記憶手段110に記憶された方向テーブルを参照し、受信報告信号を送信した検知用タグTが、ロボットRのどの発光部から発光された赤外光を受信したのかを示す情報(方向情報)を取得する(ステップS10)。
そして、位置特定部81bは、エリア情報と方向情報とから検知対象Dの位置を特定し、特定した位置を示す位置情報を生成する(ステップS11)。
なお、電波送受信手段90の復調部92は、前記ステップS8において、検知用タグTから無線送信された受信報告信号(変調信号)を受信しない場合(ステップS8、No)は、受信報告信号を受信するまで待機状態を維持することになる。
(検知用タグT側の動作)
次に、図11に示すブロック図、そして、図13に示すフローチャートを参照して、検知対象Dである検知用タグT側で行われる処理について説明する。
電波送受信手段140の復調部142は、送受信アンテナ141を介して受信したロボットRから発信された電波(変調信号)を受信する(ステップS20、Yes)と、受信した変調信号を復調して暗号化検索信号とし、前記暗号化検索信号を後記する受信報告信号生成手段160に出力する。
受信報告信号生成手段160の復号化部161は、電波送受信手段140から入力された暗号化検索信号を復号化して、検索信号を取得する。そして、取得した検索信号をデータ処理部162に出力する。
受信報告信号生成手段160のデータ処理部162は、検索信号に含まれる受信報告要求信号にしたがって、この検知用タグTの受光手段150を待機状態から起動状態にする(ステップS21)。
起動状態にした後、所定時間経過するまでの間に、ロボットRから照射された赤外線信号が、受光手段150の受光部151で受光されると(ステップS22、Yes)、受光手段150の光復調部152は、受光した赤外線信号を復調して、暗号化方向検査信号を取得する。そして、取得した暗号化方向検査信号を受信報告信号生成手段160に出力する。
その後、受信報告信号生成手段160の復号化部161は、受光手段150から入力された暗号化方向検査信号を復号化して、方向検査信号を取得する。そして、取得した方向検査信号をデータ処理部162に出力する。
受信報告信号生成手段160のデータ処理部162は、方向検査信号に含まれるロボットIDと、検索信号に含まれるロボットIDとを比較する。
そして、データ処理部162は、両ロボットIDが一致した場合に(ステップS23、Yes)、受信報告信号を生成する。この際、データ処理部162は、記憶手段170を参照し、前記検知用タグTに割り当てられた固有の識別番号(タグ識別番号)を取得する。
続いて、データ処理部162は、タグ識別番号と、検索信号に含まれていたロボットIDと、そして、方向検査信号に含まれていた発光部IDとを含んで構成される受信報告信号を生成し、生成した受信報告信号を暗号化部163に出力する(ステップS24)。
一方、検知用タグTの受光手段150を起動状態にした後、所定時間経過しても受光手段150から、方向検査信号が入力されない場合(ステップS22、No)、または検索信号に含まれていたロボットIDと方向検査信号に含まれていたロボットIDとが異なる場合(ステップS23、No)、受信報告信号生成手段160のデータ処理部162は、発光要求信号をさらに含む受信報告信号を生成し、生成した受信報告信号を、暗号化部163に出力する(ステップS25)。
電波送受信手段140の変調部143は、暗号化部163から入力された暗号化後の受信報告信号(暗号化受信報告信号)を変調して変調信号を生成すると共に、前記変調信号を、送受信アンテナ141を介して、無線送信する(ステップS26)。
(検知対象検知システムAの全体動作)
最後に、図1、図4、図11に示すブロック図、そして、図14に示すフローチャートを参照して、検知対象検知システムAが会社来訪者の検知に応用された場合を例に挙げて、検知対象検知システムAの動作について説明する。
会社来訪者が、たとえば、受付において検知用タグTを受け取り、受付に設けられた端末5から、前記来訪者の情報(氏名、訪問先部署名など)が入力される(ステップS50)。
その後、端末5において入力された情報が、端末5にネットワーク4を介して接続された管理用コンピュータ3の記憶手段(図示せず)に登録される(ステップS51)。
来訪者は、端末5における入力が完了した後、検知用タグTを身につけ、訪問先に向かって移動を開始する。
ロボットRの制御手段80は、所定間隔毎に検索信号と方向検査信号を生成し(ステップS52)、生成された検索信号は、電波送受信手段90が無線送信する(ステップS53)。
一方、生成された方向検査信号は、発光手段100において変調され、赤外線信号として予め決められた探索域に照射される。(ステップS54)。
来訪者の検知用タグTは、検索信号と共に方向検査信号を受信した場合(ステップS55、Yes)、受信報告信号を生成し(ステップS56)、これを無線送信する(ステップS57)。
ロボットRの制御手段80は、検知用タグTから無線送信された受信報告信号を受信すると、受信した受信報告信号の電界強度から、ロボットRから検知対象までの距離を求め(ステップS58)、検知用タグTが受信した光を発光した発光部を特定し、特定された発光部の発光方向を、検知対象Dの存在する方向とする(ステップS59)。これにより、検知対象Dの位置が特定される(ステップS60)。
そして、ロボットRの制御手段80は、特定された位置を示す位置情報と、受信報告信号から取得したタグ識別番号をロボットRの制御部40に出力する。
ロボットRの制御部40は、タグ識別番号を管理用コンピュータ3に送信する(ステップS61)。これにより、管理用コンピュータ3は、タグ識別番号をもとに記憶手段(図示せず)を参照し、前記タグ識別番号の付された検知用タグTを装着した検知対象D(人)の特定を行う(ステップS62)と共に、特定された検知対象D(人)の情報と共に、必要な動作命令などをロボットRに出力する(ステップS63)。
そして、ロボットRでは、管理用コンピュータ3からの命令に基づいて、移動し、発話や音声認識を伴う人との対話などを行う(ステップS64)。
たとえば、1)検知用タグTを装着した検知対象D(人)の正面に移動し、検知対象Dの顔をカメラCで撮像する。2)検知対象D(人)に、「おはようございます」と声をかける。3)検知対象D(人)用に予め用意されていたメッセージを伝える、などの動作を行う。
最後に、ロボットRが、対話を伴って動作する対話動作パターン1ないし3について説明する。なお、いずれの対話動作パターン1についても、ロボットRが、前記した場合と同様に、会社内で稼動するものとして説明するが、稼動場所はこれに限らず、たとえば、病院や役所であってもよい。また、稼動場所は、屋内または屋外のいずれであってもよく、さらに、地図情報を取得して経路を決定し、移動可能な範囲であれば、稼動範囲の限定もない。
<対話動作パターン1>
以下、図16に示すフローチャートに従い、適宜図1ないし図4および図15を参照して、対話動作パターン1の処理を説明する。
図15は、対話動作パターン1の概念を説明する図であり、(a)は運搬依頼時の対話例を説明する図、(b)は運搬先人物探索時の対話例を説明する図、(c)は運搬時の対話例を説明する図である。図16は、対話動作パターン1のロボットRの動作を説明するフローチャートである。
この対話動作パターン1は、ロボットRが、人D1から預かった荷物Xを人D2に届ける場合に、ロボットRが、人D1または人D2と言葉を交わして対話し、対話により派生した動作を行うものである。
ロボットRは、人D1に呼ばれる場合(ステップS100)には、マイクMCが人D1の音声をピックアップして、空気信号である音声を電気信号に変換し、音声処理部20の音声認識部21bに渡す。音声認識部21bでは、各種辞書を参照して音声データをテキストデータに変換し、制御部40に渡す。
そして、制御部40の対話制御手段40bは、音声認識部21bから入力されたテキストデータを意味解釈する。
なお、このように音声を入力してテキストデータに変換し、意味解釈されるまでの一連の処理は、いずれの音声に対しても同様であるため、以下の説明(対話動作パターン1ないし3での説明)において、「音声入力処理」と総称し、説明を省略するものとする。
制御部40では、音声入力処理により得られた音声の意味に応じて、人D1に呼ばれたことを認識すると、動作判断手段40cは、対象検知部70に人D1の検知用タグTを検知させ、検知用タグTの方向および距離を取得させる。動作判断手段40cは、取得した方向および距離の位置にいる人D1に向かって移動するように移動制御手段40gに指令を出す。
なお、ロボットRが、取得した距離よりも若干短い距離まで移動するように制御するのが好ましい。ここで、若干短い距離は、ロボットRと人D1との対話に際して、人D1に心理的な違和感や威圧感を与えない範囲の距離であればよい。以上のように、ロボットRは、所定の距離まで人D1に近づいた後に、対話を開始する。
次に、図15(a)に示すように、人D1が、ロボットRに対して、「これ、D2さんへの届け物なんだけど、お願いするね」のように発話して依頼をすると、制御部40では、音声入力処理により得られた音声の意味に応じて、動作判断手段40cが運搬依頼であると判断する(ステップS101)。その後、制御部40では、対話制御手段40bにより返答用のテキストを生成させ、音声処理部20の音声合成部21aにより音声合成して、「わかりました。D2さんにお届けします。」のような意味の合成音声をスピーカSから出力させる(ステップS102)。
なお、このように返答用のテキストを生成し音声合成して合成音声として出力する一連の処理は、いずれの発話の際でも同様であるため、以下の説明(対話動作パターン1ないし3での説明)において、音声出力処理と総称し、詳細を省略するものとする。
そして、制御部40の運搬制御手段40fが、自律移動制御部50の腕部制御部51bにより腕部R2を駆動し、人D1から荷物Xを受け取る(ステップS103)。
次に、制御部40の地図情報取得手段40eは、ロボットRの現在位置(人D1の席)から人D2の席までを表示可能な地図情報を管理用コンピュータ3に要求する。管理用コンピュータ3では、DB管理手段3eが地図情報DB3dを検索し、通信手段40aによりロボットRに地図情報を送信する。ロボットRでは、制御部40の地図情報取得手段40eにより地図情報を取得すると、移動先経路決定手段40dにより、地図情報を参照して、一番近道となる経路を選択して、その経路を移動先までの経路として決定する(ステップS104)。
そして、移動先経路決定手段40cは、決定した経路にしたがって人D2まで移動するための移動制御指令を自律移動制御部50に渡す。この自律移動制御部50では、動作判断手段40cからの指令にしたがって、脚部制御部51cにより経路にしたがってロボットRが前進するように脚部R3を稼動させ、かつ、頭部制御部51a、腕部制御部51bおよび脚部制御部51cの制御により頭部R1、腕部R2および腕部R3を稼動させて重心移動を制御することによって、人D2の席へ向かってロボットRを移動させる(ステップS105)。
その移動の間、対象検知部70は、前記したように、ロボットRの周囲に検知用タグTを備える検知対象Dが存在するか否かを検知すると共に、検知対象Dの位置を特定するように周囲を探索する。特に、対象検知部70では、人D2の検知用タグTを検出するか否かによって、人D2の席につくまでの間に、人D2とすれ違ったか否かを確認する(ステップS106でNo、ステップS107でNo)。
そして、対象検知部70は、途中で人D2の検知用タグTを検知して人D2とすれ違ったことを判断したら(ステップS106でYes)、光の状態を確認する(ステップS110)。検知用タグTの受信報告信号生成手段160が、受光手段150により受光した光の明るさに応じて、受信報告信号に直射光もしくは壁などの障害物によって反射された反射光を受けたかまたは所定時間内に受光しなかったかを区別するための光の状態を受信報告信号に含めてロボットRに返信することによって、ロボットRの動作判断手段40cが、光の状態を判断する(ステップS110)。
動作判断手段40cは、直射光であったと判断すると(ステップS110で直射光)、処理をステップS115に移す。また、動作判断手段40cは、反射光または受光しなかったと判断すると(ステップS110で反射光or受光せず)、自律移動制御部50の頭部制御部51aにより頭部R1を駆動させて、ロボットRがきょろきょろと周りを見て、人を探すような動きをさせる(ステップS111)。
そして、動作判断手段40cは、このように人を探すような動きと共に、対話制御手段40bにより音声出力処理を行わせ、たとえば、「D2さんどちらにいらっしゃいますか?」というような意味を合成音声として発話させる(ステップS112)。
また、対象検知部70は、前記したように、人D2の検知用タグTを検出するか否かによって、前記ステップS106においてすれ違ったと判断したときから人D2が検知範囲内にいるか否かを判断する(ステップS113)。つまり、ロボットRに近づいてきた人D2が、検知範囲内にいないことになれば(ステップS113でNo)、一旦検知範囲内に入ったけれども検知範囲から出て、ロボットRから遠ざかっていったことになる。
そのため、動作判断手段40cは、「人D2さんは何らかの用事があるため、席を離れており、また、ロボットRとの対話を行うための時間もない」と判断し、人D2の席に向かって移動する。そして、動作判断手段40cは、その席に到着した場合には、人D2の机の上に、人D1から預かっている届け物を置き、処理を終了する(ステップS109)。なお、動作判断手段40は、人D2の机の上に届け物を置く前までの間に、人D2の検知用タグTを検知した場合には、ステップS110ないしS113の処理を繰り返すのが好ましい。
また、動作判断手段40cは、前記ステップS107で人D2の机に到着したときに人D2さんが席にいない場合(ステップS108でNo)には、人D2の机の上に、人D1から預かっている届け物を置き、処理を終了し(ステップS109)、人D2が席にいる場合には前記ステップS110ないしS113に処理を移す(ステップS108でYes)。
一方、前記ステップ113において、動作判断手段40cが、検知範囲内に人D2の存在を認識した場合には(ステップS113でYes)、前記ステップS110と同様に、人D2の検知用タグTに直接光の入射等の光の状態に応じて、ロボットRが人D2の検知用タグTの正面(人D2の正面)に来ているか否かを判断する(ステップS114)。
そして、ロボットRが検知用タグTの正面に来ていない場合には(ステップS114でNo)、前記ステップS111に戻って人D2を探す動作を繰り返す。また、ロボットRが検知用タグTの正面に来ている場合には(ステップS114でYes)、動作判断手段40cは、人D2の検知用タグTの方向にロボットRの正面を向けるように、自律移動制御部50の脚部制御部51cにより脚部R3を稼動させる(ステップS115)。このとき、脚部制御部51aによる脚部R3の制御は、腕部制御部51bによる腕部R2の制御と共に重心移動の制御を伴う。
ロボットRでは、前記音声出力処理により、「D2さんD1さんからお届け物です」の意味を発話させ、腕部R2が持っている荷物を人D2に渡して、対話動作パターン1の動作を終了する。
<対話動作パターン2>
以下、図17に示すフローチャートに従い、適宜図1ないし図4を参照して、対話動作パターン2の処理を説明する。
図17は、対話動作パターン2のロボットRの動作を説明するフローチャートである。図18は、対話動作パターン2のロボットRの動作を説明するフローチャートである。図19は、対話動作パターン2のロボットRの動作を説明するフローチャートである。
この対話動作パターン2は、ロボットRが、人D3に預かった荷物Xを人D4に届ける場合に、人D5とすれ違ったときに、人D5への対応処理を含めた点が対話動作パターン1と相違する。したがって、対話動作パターン2の人D3から預かった荷物を人D2へ届ける処理は、対話動作パターン1の場合の人D1から預かった荷物を人D2へ届ける処理と同一である。
ロボットRが人D3に呼ばれる場合(ステップS200)には、制御部40では、前記音声入力処理により得られた音声の意味に応じて、人D3に呼ばれたことを認識すると、動作判断手段40cは、対象検知部70に人D3の検知用タグTを検知させ、検知用タグTの方向および距離を取得させる。動作判断手段40cは、取得した方向および距離の位置にいる人D3に向かって移動するように移動制御手段40gに指令を出す。なお、ロボットRが、取得した距離よりも若干短い距離まで移動するように制御するのが好ましい。以上のように、ロボットRは、所定の距離まで人D3に近づいた後に、対話を開始する。
そして、対話動作パターン1の同様に、制御部40では、音声入力処理により運搬依頼であると判断すると(ステップS201)、音声出力処理により依頼を受けた旨の合成音声を出力する(ステップS202)。続けて、制御部40の運搬制御手段40fが、自律移動制御部50の腕部制御部51bにより腕部R2を駆動し、人D3から荷物Xを受け取る(ステップS203)。
次に、制御部40の地図情報取得手段40eは、ロボットRの現在位置(人D3の席)から人D4の席までを表示可能な地図情報を管理用コンピュータ3に要求する。管理用コンピュータ3では、DB管理手段3eが地図情報DB3dを検索し、通信手段40aによりロボットRに地図情報を送信する。ロボットRでは、制御部40の地図情報取得手段40eにより地図情報を取得すると、移動先経路決定手段40dにより、地図情報を参照して、一番近道となる経路を選択して、その経路を移動先までの経路として決定する(ステップS204)。
そして、移動先経路決定手段40dは、決定した経路にしたがって人D4まで移動するための移動制御指令を自律移動制御部50に渡す。この自律移動制御部50では、動作判断手段40cからの指令にしたがって、自律移動制御部50の制御により、重心移動を制御しつつ、脚部R3を稼動させて、人D4の席へ向かってロボットRを移動させる(ステップS205)。
その移動の間、対象検知部70は、前記したように、ロボットRの周囲に検知用タグTを備える検知対象Dが存在するか否かを検知すると共に、検知対象Dの位置を特定するように周囲を探索する。
特に、対象検知部70では、人D4の検知用タグTを検出するか否かによって、人D4の席につくまでの間に、人D4とすれ違ったか否かを確認する(ステップS206でNo、ステップS207でNo)。
そして、対話動作パターン1のステップS110ないしS117の動作と同様に、ステップS210ないしS217の動作を行う。したがって、ステップS210ないしS217の処理は、ステップS110ないしステップS117において、人D1を人D3と、人D2を人D4と読み返ることにより、同様の処理となるため、ここでは説明を省略する。
一方、動作判断手段40cは、前記ステップS207で人D4の机に到着したときに人D4さんが席にいない場合(ステップS208でNo)には、人D4の机の上に、人D3から預かっている届け物を置き、処理を終了し(ステップS209)、人D4が席にいる場合には前記ステップS210ないしS213に処理を移す(ステップS208でYes)。
一方、前記ステップ207において、動作判断手段40cが、人D4の机に到着する前に(ステップS207でNo)、専務である人D5の検出用タグTを検出した場合には(ステップS208でYes)、ステップS310の割り込みサブルーチンに処理を移す。
まず、動作判断手段40cは、前記したのと同様に、自律移動制御部50により脚部R3等を稼動させて、ロボットRの正面を人D5に向かせ(ステップS300)、前記音声出力処理により「D5さん、こんにちは」のように挨拶対話処理を行い(ステップS301)、自律移動制御部50により頭部R1、腕部R2、脚部R3を稼動させて、人D5に会釈して(ステップS302)、ステップS205に処理を戻す。
ここでは、割り込みサブルーチンとして、専務である人D5の検知用タグTを検出する場合を挙げたが、これに限らず、特定の人の検知用タグTを検出する場合に特定の割り込みサブルーチンへ移行するものとして登録しておけばよい。また、ここでは、特定の人を対象にしたが、検知用タグTを所持する全ての人を対象にしても構わない。
また、動作判断手段40cは、人D5とも届け物を頼まれた人D3とも出会わなかった場合(ステップS218でNo、ステップS219でNo)には、ステップS205に処理を戻す。一方、動作判断手段40cは、人D3に出会った場合(ステップS219でYes)には、ステップS410の割り込みサブルーチンに処理を移す。
まず、動作判断手段40cは、前記したのと同様に、自律移動制御部50により脚部R3等を稼動させて、ロボットRの正面を人D3に向かせ(ステップS400)、届け物を届け終わっているか否かを判断する(ステップS401)。動作判断手段40cは、届け終わっている場合に(ステップS401でYes)、人D4に直接渡してあるとき(ステップS403でYes)には、前記音声出力処理により「D3さん、先ほどのお届け物は、D4さんに確かにお渡ししました」のような意味を発話させる(ステップS403)。
また、動作判断手段40cは、人D4に直接渡していない場合(ステップS402でNo)であって、人D4の机の上に置いてある場合(ステップS404でYes)には、音声出力処理によって「D3さん、先ほどのお届け物は、D4さんがいらっしゃらなかったのでD4さんの机の上に置いておきました」のような意味を発話させる(ステップS405)。
なお、動作判断手段40cは、人D4に直接渡していない場合(ステップS402でNo)であって、人D4の机の上に置いていない場合(ステップS404でNo)には、たとえば、音声出力処理により「D3さん、先ほどのお届け物は、D4さんがいらっしゃらなかったのでD20さんにあずけました」のような意味を発話させる(ステップS406)。
また、動作判断手段40cは、前記ステップS401で届け終わっていないと判断した場合には(ステップS401でNo)、届け物をまだ持っているとき(ステップS407でYes)には、音声出力処理により「D3さん、先ほどのお届け物は、D4さんに届けることができませんでしたのでお返しします」のような意味を発話させる(ステップS408)。また、動作判断手段40cは、届け物を持っていないとき(ステップS407)には、たとえば、音声出力処理により、「D3さん、先ほどのお届け物を、D4さんに届けることができませんでしたので、D3さんの机に返却しておきました」のような意味を発話させる(ステップS409)。そして、動作判断手段40cは、ステップS403、S405、S406、S408またはS409の発話を行った後は、ステップS205に処理を戻す。
<対話動作パターン3>
以下、図21に示すフローチャートに従い、適宜図1ないし図4および図20を参照して、対話動作パターン3の処理を説明する。
図20は、対話動作パターン3の概念を説明する図であり、(a)は個人情報に基づく動作の判断例を説明する図、(b)は個人情報に基づく動作による対話例を説明する図である。図21は、対話動作パターン3のロボットRの動作を説明するフローチャートである。
この対話動作パターン3は、ロボットRが移動中または移動していない時に人とすれ違った場合に、その人を認識して、対話を行い、何らかのアクションを行うときの処理である。ここでは、ロボットRは移動中であるものとする。また、ここでは、対話動作パターン1または2のように、何らかのタスクを処理中の動作を伴わない場合として説明するが、何らかのタスクを伴っているときに優先順位を判断して処理するようにしてもよい。
まず、ロボットRは、移動制御手段40gの指令による自律移動制御部50の制御で、特に、脚部R3を稼動させて、任意の経路を移動して(ステップS500)、対象検知部70によって検知用タグTの有無を探索している(ステップS501でNo)。
そのとき、動作判断手段40cは、対象検知部70が検知用タグTを検知すると(ステップS501でYes)、その検知用タグTのタグ識別番号から人D6であることを識別する(ステップS502)。
そして、図20(a)に示すように、動作判断手段40cは、その検知用タグTのタグ識別番号を管理用コンピュータ3に送って、個人情報DB3gを検索させ、管理用コンピュータ3から人D6に関する個人情報をダウンロードする(ステップS503)。動作判断手段40cは、個人情報のうちから予定に関する項目を認識して、何か行える動作の有無を判断する。たとえば、「D6さんは、午後から栃木に出張」という予定の情報D61があった場合には(ステップS504)、動作判断手段40cは、管理用コンピュータ3の特定情報DB3fを検索させて、栃木に関する情報をダウンロードする(ステップS505)。
動作判断手段40cは、ダウンロードした特定情報が、情報D62の「午後の栃木の天気予報:雨」および情報D63の「道路情報:東北道通行止め」と認識すると(ステップS506)、情報62をもとに、傘置き場に傘を取りに行く動作を移動制御手段40gに指令する(ステップS507)。また、動作判断手段40cは、情報D63をもとに、東北道を通らない別ルート等の情報の要求を管理用コンピュータ3に出す(ステップS508)。動作判断手段40cは、前記したような準備作業と情報検索とを終了すると、人D6に対するアクションを開始する(ステップS509)。
なお、動作判断手段40cは、対話動作パターン1のステップS110ないしS115の動作と同様に、ステップS510ないしS515の動作を行う。したがって、ステップS510ないしS515の処理は、ステップS110ないしステップS115において、人D1を人D6と読み返え、人D2に関することを削除することにより、同様の処理となるため、ここでは説明を省略する。
そして、動作判断手段40cは、図20(b)のように、人D6に向いて、音声出力処理により「D6さん、栃木は雨になるようですから、傘をお持ちください」と発話して、腕部制御部51bの制御により腕部R2を稼動させて、傘X1をD6に渡す(ステップ516)。また、動作判断手段40cは、音声出力処理により「また、東北道が通行止めになっていますから、○○インターから国道4号線を通ってください」のような意味を発話して、人D6の予定を補助する動作を行い(ステップS518)、アクションを終了する(ステップS518)。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。
また、本発明に係る移動ロボットでは、検知対象との位置関係を知ることができるので、自動車などの種々の人以外の移動体への応用も可能であり、たとえば、交通管制システムへの応用も可能である。また、対話動作パターンは、前記したパターンに限られるものではなく、動作に応じて、判断するようにすればよい。
本発明の実施形態に係る検知対象検知システムAのシステム構成図である。 ロボットRのブロック図である。 ロボットRを制御する制御部40のブロック図である。 ロボットRの対象検知部70のブロック図である。 (a)は、ロボットRの周囲に設定された探索域を説明する説明図である。 (b)は、発光手段100の発光部から照射される赤外線の高さ方向の照射範囲を説明する図である。 ロボットRに設けられた発光部の発光順序を説明する説明図である。 電界強度を基に、ロボットRと検知対象Dとの離間距離を求めるために、検知対象Dがどのエリアにいるのかを示す情報(エリア情報)を取得する方法を説明する説明図である。 検知対象Dが、ロボットRを基準としてどちらの方向に存在するのかを求めるために、検知対象がどの方向に存在するのかを示す情報(方向情報)を取得する方法を説明する説明図である。 取得した、エリア情報と方向情報とから、検知対象Dの位置を特定する方法を説明する説明図である。 図1に示した管理用コンピュータの機能を説明するブロック図である。 検知対象Dである検知用タグTの構成を示すブロック図である。 ロボットRの対象検知部70で行われる処理について説明するフローチャートである。 検知対象Dである検知用タグT側で行われる処理について説明するフローチャートである。 検知対象検知システムが会社来訪者の検知に応用された場合の、検知対象検知システムの動作を説明するフローチャートである。 対話動作パターン1の概念を説明する図であり、(a)は運搬依頼時の対話例を説明する図、(b)は運搬先人物探索時の対話例を説明する図、(c)は運搬時の対話例を説明する図である。 対話動作パターン1のロボットRの動作を説明するフローチャートである。 対話動作パターン2のロボットRの動作を説明するフローチャートである。 対話動作パターン2のロボットRの動作を説明するフローチャートである。 対話動作パターン2のロボットRの動作を説明するフローチャートである。 対話動作パターン3の概念を説明する図であり、(a)は個人情報に基づく動作の判断例を説明する図、(b)は個人情報に基づく動作による対話例を説明する図である。 対話動作パターン3のロボットRの動作を説明するフローチャートである。
符号の説明
A 検知対象検知システム
C カメラ
D 検知対象
R ロボット
T 検知用タグ
1 基地局
2 ロボット専用ネットワーク
3 管理用コンピュータ
3a 通信手段
3b 制御手段
3c 特定情報取得手段
3d 地図情報データベース(DB)
3e データベース(DB)管理手段
3f 特定情報データベース(DB)
3g 個人情報データベース(DB)
4 ネットワーク
5 端末
10 画像処理部
20 音声処理部
30 画像送信部
40 制御部
40a 人識別手段
40b 対話制御手段
40c 動作判断手段
40d 移動先経路決定手段
40e 地図情報取得手段
40f 移動方向特定手段
40g 移動制御手段
40h 個人情報取得手段
40i 特定情報取得手段
40j 移動方向特定手段
50 自律移動制御部
60 無線通信部
70 対象検知部
80 制御手段
90 電波送受信手段
100 発光手段
110 記憶手段
140 電波送受信手段
150 受光手段
160 受信報告信号生成手段
170 記憶手段

Claims (4)

  1. 周辺領域へ向けて電波を送信するとともに所定の指向性の光信号を照射し、電波または光信号の少なくとも一方を受けた検知用タグからの受信報告信号を電波として受信することによって、前記検知用タグまでの距離および方向を特定して、特定した方向に向かって特定した距離まで移動する移動ロボットであって、
    周辺領域へ向けて距離を特定する検索信号を電波として送信する電波発信手段と、
    周辺の探索域毎に方向検査信号を所定の指向性の光信号として照射する発光手段と、
    電波または光信号の少なくとも一方を受けた検知用タグからの受信報告信号を電波として受信する電波受信手段と、
    前記電波受信手段により受信された電波の電界強度に基づいて前記検知用タグまでの距離を算出し、前記電波受信手段により電波として受信された受信報告信号に基づいて、前記検知用タグの受光時に前記発光手段により照射されていた光信号の方向を前記検知用タグの存在する方向と判断し、算出した距離および判断した方向により位置を特定する位置特定手段と、
    前記電波発信手段、前記電波受信手段および前記発光手段の動作を制御する制御手段と、
    自らを移動させる移動手段と、
    前記位置特定手段により特定された方向に向かって、特定された距離まで移動するように前記移動手段を制御する移動制御手段と、
    を備えることを特徴とする移動ロボット。
  2. 前記移動制御手段により移動した方向および距離で特定される位置に存在する前記検知用タグを所持する人との対話を制御する対話制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の移動ロボット。
  3. 前記制御手段が、前記電波発信手段による電波の発信および前記電波受信手段による前記検知用タグから送信される電波の受信後に、前記発光手段による光信号の照射を実行することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の移動ロボット。
  4. 前記電波受信手段により前記検知用タグに記憶されているIDを受信し、このIDに基づいて個人情報を取得する個人情報取得手段と、
    前記個人情報取得手段により取得した個人情報に基づいて前記検知用タグを所持する人との対話または動作を決定する動作判断手段と、
    を備えることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の移動ロボット。
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