JP2005287833A - トレーニング用椅子 - Google Patents

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Abstract

【課題】腰痛者であっても、座ることで姿勢が良くなる椅子を提供する。
【解決手段】ベース部材2上に、下向きに凸となす球面を有する球面体11を球面運動が可能に配置した。そして、その球面体11には、球心Cを通って上向きに延びるように支持軸21を設け、支持軸21の上端に腰掛可能のサドル31を設けた。支持軸21が球面体11による球面運動に対応して揺動する際に、その水平方向の移動範囲を所定の領域に規制するように、支持軸21の周囲に、内周面43が円環状の移動規制ガイド41を設けた。使用者がこの椅子のサドル31に腰掛けるためには、その不安定さから、意識してその支持軸21に沿って体重がかかるようにしないといけないため、上半身を真っ直ぐ伸ばし、その状態を保持して座ることになるため、結果として姿勢が良くなる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、上半身の骨格バランス或いは姿勢を正しく維持したり、背筋を伸ばすのに好適なトレーニング用椅子に関する。
腰痛は、上半身の骨格バランスの悪さ、或いは猫背等の姿勢の悪さに起因していることが多いということが整体或いは整骨の分野ではよく知られている。このような姿勢の悪さを解消するためには、頚椎、胸椎、及び腰椎を含む背骨を正しく伸ばして座ることが効果的である。腰痛者にとっては立つことさえ苦痛である場合が多いが、座る場合にはそれが幾分かは緩和されるためである。このため、整体、整骨治療の分野では、このような腰痛者に対し、日常生活において座る場合には、常に、意識的に背筋を伸ばして正しい姿勢を保って座るように指導する。ところが、正しい姿勢ということ自体があいまいなこともあって、このような口頭による指導だけでは、腰痛者自身が正しい姿勢を保って座るということは容易でない。
一方、本願発明者の整体、整骨に関する治療経験等からすると、背筋を正しく伸ばして座るときの姿勢は、一輪車に乗って静止しようとするときの姿勢に近いことが判明した。すなわち、一輪車に乗って静止しようとするときには、ペダルの踏み込みだけでなく、腰から上の上半身を顎を引いて背筋を真っ直ぐに伸ばすことに加えて、上半身を腰を中心として前後左右に、或いは円錐運動のような微妙な動きを繰り返すことで、常にバランスを保つことが要求されることから、意識してその上半身の姿勢の保持に努めることになる。このため、一輪車に乗るようなトレーニングをすれば、上半身の骨格バランスがよくなり、或いは姿勢も良くなるのである。とはいえ、このようなトレーニングはそれを行う適切な場所も一般にはなく、簡易に行えない。しかも、腰痛者に一輪車に乗ることを薦めることは、安全面からして適切でない。
こうした中、本願発明者においては、一輪車でなくとも、下端が自在継手のようなもので支持された棒の上端のように、不安定ではあるが意識しながらその棒の軸にまっすぐに体重をかけるように背筋を伸ばして座るように努めれば、少なくとも上半身については一輪車に乗るのに類似したトレーニングになると考えた。このような棒の上端に座るためには、上半身を伸ばし、腰を中心として前後左右に、或いは円錐運動のような微妙な動きを繰り返して、常にバランスを保つように意識し、その姿勢の保持に努める必要があるためである。そこで、このような構成を持つトレーニング器具の有無を調査してみたが、本願発明者の調べた限りにおいてはそのようなトレーニング器具は存在しないし、そのような器具の先行技術文献も存在しない。このため、本願発明者において、このような器具を作り、実際に、その上端に座部(サドル)を取付けて、多数の腰痛者にて座ってもらってその効果を確認したところ、結果として、例えば猫背の人ではそれが改善されるなど、姿勢の改善がみられることが判明した。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたもので、腰痛者であっても、時、場所を選ばず簡易、安全に一輪車に乗るのに類似したトレーニングのできるトレーニング用椅子、又は、上半身の骨格バランス或いは姿勢を正しく維持し、背筋を伸ばすのに好適なトレーニング用椅子を提供することにある。
前記の目的を達成するための請求項1に記載の発明は、ベース部材上に、下向きに凸となす球面を有する球面体を球面運動が可能に配置し、その球面体には、その球心を通って上向きに延びるように支持軸を設け、該支持軸の上端に腰掛可能の座部を設けたことを特徴とするトレーニング用椅子である。
請求項2に記載の発明は、ベース部材上に、下向きに凸となす球面を有する球面体を球面運動が可能に配置し、その球面体には、その球心を通って上向きに延びるように支持軸を設け、該支持軸の上端に腰掛可能の座部を設けるとともに、該支持軸が、前記球面体による球面運動に対応して揺動する際の水平方向の移動範囲を所定の領域に規制するように、前記支持軸の周囲に移動規制ガイドを設けたことを特徴とするトレーニング用椅子である。
請求項3に記載の発明は、ベース部材上に、自在継手を配置すると共にその自在継手を介して上向きに延びかつ該自在継手を中心として揺動可能の支持軸を設け、該支持軸の上端に腰掛可能の座部を設けたことを特徴とするトレーニング用椅子である。
請求項4に記載の発明は、ベース部材上に、自在継手を配置すると共にその自在継手を介して上向きに延びかつ該自在継手を中心として揺動可能の支持軸を設け、該支持軸の上端に腰掛可能の座部を設け、前記支持軸が揺動する際の水平方向の移動範囲を所定の領域に規制するように、前記支持軸の周囲に移動規制ガイドを設けたことを特徴とするトレーニング用椅子である。
請求項5に記載の発明は、前記移動規制ガイドの前記支持軸側の内周面を円環状に形成したことを特徴とする請求項2又は4に記載のトレーニング用椅子である。
請求項6に記載の発明は、前記移動規制ガイドの前記支持軸側の内周面を、前記支持軸が鉛直に保持された状態を基準として、該支持軸と同心で円環状に形成したことを特徴とする請求項2又は4に記載のトレーニング用椅子である。
請求項7に記載の発明は、前記移動規制ガイドが、その高さを調節可能としたことを特徴とする請求項2、4、5又は6のいずれか1項に記載のトレーニング用椅子である。
請求項8に記載の発明は、前記支持軸が、その長さを調節可能とされていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のトレーニング用椅子である。
本発明に係る請求項1又は3に記載のトレーニング用椅子は、その支持軸が球心(又は自在継手の中心)を中心として揺動する。したがって、腰痛者(以下、使用者ともいう)が、このトレーニング用椅子の座部(腰かけ台)に腰掛るときは、その者自身がその球心(又は自在継手の中心)と座部における上半身の重心位置とを結ぶ直線を鉛直に近い状態に保持するように意識して座るようにしなければバランスが崩れてうまく座れない。したがって、使用者は、そのバランスをとるために上半身を意識的に伸ばして微妙に前後左右に、又は円錐状に動かす。このように本発明に係るトレーニング用椅子によれば、腰痛者であっても、時、場所を選ばず、簡易に一輪車に乗るのに類似したトレーニング(以下、単にトレーニングとも言う)ができるため、このトレーニング用椅子に座ることで、いわば自然に背筋が伸び、姿勢が良くなる。かくして、姿勢の悪さに起因している腰痛の緩和、或いは解消も期待される。しかも、このような着座状態を続けるためには、接地する左右の足の踏ん張りを要することから、体全体の鍛錬にもなる。
そして、本発明に係る請求項2又は4に記載のトレーニング用椅子においては、支持軸の周囲に移動規制ガイドが設けられているため、座部に着座している使用者がバランスを崩したとしても、過度の揺動を防止できるため、使用者が転倒することも防止され、したがって、安全にトレーニングを行うことができる。
さらに、本発明に係る請求項5に記載のトレーニング用椅子においては、その構成により支持軸が円錐(逆円錐)の範囲内において動くことができることから、安定した揺動が得られるので、より安全性の高いトレーニングができる。とくに、請求項6に記載のトレーニング用椅子においては、移動規制ガイドが支持軸の周囲に同心円状に設けられているため、さらに安全性の高いトレーニングができる。そして、請求項7に記載のトレーニング用椅子においては、移動規制ガイドが、その高さを調節可能とされていることから、支持軸が揺動できる角度(頂角の大きさ)範囲を調節できる。したがって、慣れに応じて、安定又は不安定な着座状態を設定できるため、体全体の鍛錬にも極めて効果的である。なお、請求項8に記載のトレーニング用椅子のように、支持軸の長さを調節可能としておくことで、座部を体格差(脚部の長さ)に応じて適切高さとすることができるために便利である。
本発明の第1の実施の形態を図1〜図3に基いて詳細に説明する。図1は、本発明の請求項1に記載のトレーニング用椅子1の実施の形態を示す一部破断正面図であり、次のように構成されている。図中、2は、床面F上に配置された平板状(正方形平板状)をなすベース部材(基板)である。ベース部材2は、例えば硬質の合成樹脂(又は金属板)からなり、その上面3の中央には半球面より浅く凹設された凹球面部5を備えている。この凹球面部5には、その凹球半径と、略同一半径(又は若干大きめの半径)を有する球面体である円球体11が載置状に配置されており、凹球面部5において自由に球面すべり運動できるように配置されている。この円球体11は、例えば、半径が100mm程度の硬質の合成樹脂からなるものである。そして、この円球体11の上部には、球心(円球体11の中心)Cを通って上に延びる形で金属パイプ(円管)からなる支持軸21が固定されている。この支持軸21の上端には座部の一例としてサドル31が固定されている。なお、本形態においてサドル31は、一輪車のサドル又は自転車のサドルのようなものでもよいが、本形態では使用者の股ぐらになじむように、上面中央が高い山形とされ、適度のクッション性が付与されている。このような本形態のトレーニング椅子1は、使用者がそのサドル31に座るときには、円球体11が凹球面部5において自由に球面すべり運動できるため、その運動に応じてサドル31は動き、不安定であるため、使用者Sは自身の足で床Fを踏ん張ることで、その体勢を保持するように構成されている。
なお、本形態では支持軸21は、図3に示したような構造で、その長さが調節できるようにされており、それによってサドル31の高さが調節できるように構成されている。すなわち、本形態における支持軸21は、円球体11の上部から上に太めの金属パイプ23を立設するとともに、その上端部にメスねじを有するナット部材24を溶接などによって固定しておく一方、サドル31の下面にボルト状の雄ネジ部材25を下向きに固定しておき、この雄ネジ部材25をナット部材24に螺合してある。このため、その雄ネジ部材25(又はサドル)回転してを同雄ネジ部材25を螺進又は螺退させることで、支持軸21の長さ又はサドル31の高さを調節できる。なお、雄ネジ部材25には別途、図中、2点差線で示したようにロックナット27を螺合しておき、その長さ調節後に下向きに締め込むようにしておくと、雄ネジ部材25が固定されるためにサドル31が安定するので好ましい。
このような本形態のトレーニング用椅子1によれば、サドル31に人が着座し、そのサドル31から支持軸21の軸方向に下向きに上半身部分の体重がかかるようにするときは、一応は座ることができる。しかし、サドル31を介して円球体11に横方向の力がかかると、円球体11はその球心Cを中心として、ベース部材2の凹球面部5に対して球面すべり運動をする。したがって、サドル31は不安定な状態にあるため、使用者Sは自身の足を単に床Fに着地させたとしても、このトレーニング用椅子1のサドル31に腰掛るときは、その者自身が球面体11の球心Cとサドル31における体重の中心とを結ぶ直線を鉛直に近い状態にしなければバランスが崩れて不安定となる。すなわち使用者Sは、背筋を上に伸ばした正しい姿勢を保持するように意識して座るようにしなければバランスが崩れて不安定となる。これにより、使用者Sは、自身の上半身を上に伸ばし、微妙に、前後左右に、又は円錐状に上半身を動かすことになる。そして、このような動きは、一輪車に乗って静止するときに必要なバランスと似ている。かくして、このトレーニング用椅子1によれば、腰痛者であっても、時、場所を選ばず、簡易に一輪車に乗るのに類似したトレーニングができる。このため、このトレーニング用椅子1にある時間継続して座ることで、背筋が伸び、姿勢が良くなる。
本形態では、球面体として、球体をなす円球体11を用いたが、球面体はその動きからして、半球体、或いはそれより小さい割球であってもよい。ただし、凹球面部5の深さは安定した球面運動ができるように設定すればよい。また、ベース部材2は、本形態ではその上面3に凹球面部5を設けたものとしたが、球面体が球面運動できるものであれば良く、したがって、必ずしもその全面が凹球面部5となっていなくとも良い。さらに、球面体と球面対偶をなす凹球面部5などとの間には、円滑な球面運動ができるように、ベアリングを介在させておいても良い。
なお、本形態では、支持軸21を長さが調節できるものとしたため、体格差に応じて座部であるサドル31の高さを調節できるので便利である。また、このような調節は、詳しくは図示しないが、支持軸の一方として、例えば円球体11に太い金属パイプを固定しておき、サドルの下にはその太い金属パイプ内にスライド状に内挿される細い金属パイプ(又は金属棒)を支持軸の他方として固定しておき、この細い金属パイプを太い金属パイプ内に内挿しておき、サドルと共に適量引き出すか押し下げることで調節するようにしても良い。この場合、太い金属パイプにネジ孔を設けておき、このネジ孔に外側から止めネジをねじ込んで、内挿されている細いパイプの外周面を締付けるなどの固定手段によってその高さを固定するようにしてもよい。
さて次に、請求項2に記載のトレーニング用椅子である第2の実施の形態について、図4及び図5に基づいて説明する。ただし、このトレーニング用椅子1bは前記した図1の実施の形態のものに対し、支持軸21が、球面体である円球体11による球面運動に対応して揺動する際に、その水平方向の移動範囲を所定の領域に規制するように、支持軸21の周囲に移動規制ガイド41を付加した点が相違するだけであるので、同一部位には同一の符号を付し、その相違点についてのみ説明する。すなわち、本形態においては、ベース部材2の外周寄りの四隅の上面3に4本の円管又は丸棒からなる脚部6が鉛直上向きに立設されている。脚部6は、同一高さとされ、かつその上端部が円球体11の頂部(上端部)と、サドル31との間にある支持軸21の略中間又は間の部位となるように設定されている。そして、その脚部6の上端部には、鉛直状態にある支持軸21を同心円状に包囲するように形成された内周面(内周)43を有する内側が円環状の移動規制ガイド41が取付けられている。本形態では、この移動規制ガイド41は、例えば、正方形板の中央を円形に切除してなるものであり、その内周面43にて、円球体11がベース部材2の凹球面部5において球面すべり運動することで揺動する支持軸21の揺動範囲を規制するようにしている。なお、この移動規制ガイド41は、円形板の中央を円形に切除してなるものでもよい。
すなわち、本形態では、支持軸21は揺動するとしても、この移動規制ガイド41の円環状の内周面43の内側において最大限円錐状に揺動するようにされており、その揺動範囲が限られている。なお、揺動角度の最大は円錐の頂角θで、例えば60度〜30度の範囲内となるように設定されている。しかして、支持軸21はその角度内にて揺動するものの、横倒しとなるような転倒が起きないようにされているため、安全にトレーニングができる。しかも、本形態では支持軸21がいわば直円錐状に動くように設定されているため、使用者Sにおいては極めて安全性の高いトレーニングができる。
なお、移動規制ガイド41の円環状の内周面43の直径は、使用者に応じて、支持軸21が適度の頂角θとなるように設定しておけば良いが、このような移動規制ガイド41の高さを調節可能としておくことよい。このようにしておけば、同一の移動規制ガイド41を用いるとしても支持軸21が揺動する頂角θを変更できるため、好みの頂角θの下でトレーニングできるためである。すなわち、移動規制ガイド41の高さを調節可能としておくことで、使用者に応じて適度の不安定性を設定できるためである。なお、移動規制ガイド21の高さ調節手段としては、これが取付けられている4本の脚部6について、その長さ(高さ)を調節できるようにしておけばよい。例えば、上記もしたが、図6に示したように、ベース部材2に太い金属パイプ7を立設、固定しておき、その太い金属パイプ7内に細い金属パイプ(又は金属棒)8をスライド状に内挿しておき、この細い金属パイプ8の上端に移動規制ガイド41を固定又は横ずれしないように載せておき、この細い金属パイプ8を適量引き上げるか押し下げることで、その高さを調節するようにしておけばよい。この場合、太い金属パイプ7にネジ孔9を設けておき、このネジ孔9に外側から止めネジ10をねじ込んで、内挿されている細いパイプ8の外周面を締付けるなどの固定手段によってその高さを固定するようにすればよい。
次に、図7に基いて請求項3に記載のトレーニング用椅子51である第3の実施の形態について詳細に説明する。ただし、図1に示したトレーニング用椅子1と共通する部位には、共通の符号を付し、適宜その説明を省略する。図中2は、床面F上に配置され、方形板状に形成されたベース部材(基板)であり、その上面3の中央には下側の支持軸61が鉛直に立設固定されている。この下側の支持軸61の上端には、上側の支持軸62の下端が、例えば球面すべり軸受け構造からなる自在継手65を介して接続されている。これにより、上側の支持軸62は鉛直線に対して、その自在継手65により例えば頂角θが60度〜30度の範囲にある円錐の範囲内で自在に揺動できるように構成されている。そして、この上側の支持軸62の上端には座部であるサドル31が固定されている。
しかして、このような本形態のトレーニング用椅子51においては、上の支持軸62を鉛直に近い状態に保持して、サドル31に使用者が着座するときは、サドル31から、上の支持軸62の軸方向下向きに上半身の体重がかかるため、不安定ではあるが一応は座ることができる。しかし、サドル31に横方向の力がかかると、自在継手65の球面運動により、上の支持軸62は自在継手65の球心Cを中心として揺動する。このため、使用者は、足を床Fに着地させたとしても、このトレーニング用椅子51のサドル31に腰掛るときは、その者自身が自在継手65の球心Cの上に、上の支持軸62を鉛直に近い状態に保持するように意識して座るようにしなければバランスが崩れて不安定となる。このため、本形態のトレーニング用椅子51においても、使用者は、自身の上半身を上に伸ばし、微妙に、前後左右に、又は円錐状に上半身を動かすことになるから、簡易に一輪車に乗るのに類似したトレーニングができる。このため、このトレーニング用椅子51にある時間継続して座ることで、背筋が伸び、姿勢が良くなる。なお、自在継手65の位置(高さ)は、上の支持軸62に適度の揺動角が得られるように設定すればよい。
なお、本形態のトレーニング用椅子51においても、例えば、図1に示したトレーニング用椅子と同様、少なくとも上又は下の一方の支持軸61,62の長さを調節できるようにしておき、サドル31の高さの調節ができるようにしておくと良い。なお、長さの調節は、例えば図3又は図6に示した調節構造とすればよい。また、自在継手65は、本形態では球面すべり軸受け構造のものとしたが、もちろんこれに限定されるものではない。2つの軸がその各端部で接続されかつその軸が互いに角度をなして交わり、自在にその角度が変わるものであれば良い。
次に、図8に基いて請求項4に記載のトレーニング用椅子51bである第4の実施の形態について詳細に説明する。ただし、このものは、図7に示したトレーニング用椅子51に対し、上の支持軸62が揺動する際に、その水平方向の移動範囲を所定の領域に規制するように、その支持軸62の周囲に、図4〜6に示したトレーニング用椅子におけるのと同様の移動規制ガイド41を設けたものであるため、共通する部位には、共通の符号を付すに止め、詳細な説明は省略する。すなわち、図8に示したトレーニング用椅子51bは、前記した図7に示した自在継手65を用いたトレーニング用椅子において、上の支持軸62が揺動する際に、その水平方向の移動範囲を所定の領域に規制するように、その支持軸62の周囲に、図4〜6に示したトレーニング用椅子におけるのと同様の移動規制ガイド41を設けたものである。このようにすれば、図4〜6に示したトレーニング用椅子と同様に、上の支持軸62が揺動する際に、その水平方向の移動範囲が所定の領域に規制される。例えば、上の支持軸62が鉛直に保持された際に、その周囲に、同支持軸62を同心円状に包囲するように形成された内周面43を有する内側が円環状の移動規制ガイド41を設けた場合には、それによって揺動が規制されるため、横倒しとなるような転倒もなく、安全にトレーニングができる。なお、この場合においても、移動規制ガイド41は、上記したのと同様にしてその高さが調節できるようにしておくのが好ましい。
本発明は、上記した内容のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜に変更して具体化できる。例えば、移動規制ガイドの支持軸側の内周面(内周)の形状は上記においては、鉛直状態の支持軸に対して同心で円環状になるものとしたが、これに限定されるものではない。鉛直状態の支持軸に対して同心でなく、又は、円環状でなくとも、支持軸の転倒防止は図られるためである。なお、本発明に係るトレーニング用椅子(トレーニング器具)は、その効果からして、一輪車に乗るのに必要なバランス感覚の習得のためのトレーニング器具としても極めて有効である。
本発明に係るトレーニング用椅子の第1の実施形態を示す一部破断正面図。 図1の一部破断平面図。 支持軸の長さ調節機構の説明用拡大断面図。 本発明に係るトレーニング用椅子の第2の実施形態を示す正面破断面図。 図4におけるA−A線断面矢視図。 図4において移動規制ガイドの高さ調節機構を説明する一部破断拡大正面図。 本発明に係るトレーニング用椅子の第3の実施形態を示す一部破断正面図。 本発明に係るトレーニング用椅子の第4の実施形態を示す一部破断正面図。
符号の説明
1、1b、51、51b トレーニング用椅子
2 ベース部材
11 球面体
21 支持軸
31 サドル(座部)
41 移動規制ガイド
43 移動規制ガイドの支持軸側の内周面
61、62 支持軸
65 自在継手
C 球心

Claims (8)

  1. ベース部材上に、下向きに凸となす球面を有する球面体を球面運動が可能に配置し、その球面体には、その球心を通って上向きに延びるように支持軸を設け、該支持軸の上端に腰掛可能の座部を設けたことを特徴とするトレーニング用椅子。
  2. ベース部材上に、下向きに凸となす球面を有する球面体を球面運動が可能に配置し、その球面体には、その球心を通って上向きに延びるように支持軸を設け、該支持軸の上端に腰掛可能の座部を設けるとともに、該支持軸が、前記球面体による球面運動に対応して揺動する際の水平方向の移動範囲を所定の領域に規制するように、前記支持軸の周囲に移動規制ガイドを設けたことを特徴とするトレーニング用椅子。
  3. ベース部材上に、自在継手を配置すると共にその自在継手を介して上向きに延びかつ該自在継手を中心として揺動可能の支持軸を設け、該支持軸の上端に腰掛可能の座部を設けたことを特徴とするトレーニング用椅子。
  4. ベース部材上に、自在継手を配置すると共にその自在継手を介して上向きに延びかつ該自在継手を中心として揺動可能の支持軸を設け、該支持軸の上端に腰掛可能の座部を設け、前記支持軸が揺動する際の水平方向の移動範囲を所定の領域に規制するように、前記支持軸の周囲に移動規制ガイドを設けたことを特徴とするトレーニング用椅子。
  5. 前記移動規制ガイドの前記支持軸側の内周面を円環状に形成したことを特徴とする請求項2又は4に記載のトレーニング用椅子。
  6. 前記移動規制ガイドの前記支持軸側の内周面を、前記支持軸が鉛直に保持された状態を基準として、該支持軸と同心で円環状に形成したことを特徴とする請求項2又は4に記載のトレーニング用椅子。
  7. 前記移動規制ガイドが、その高さを調節可能としたことを特徴とする請求項2、4、5又は6のいずれか1項に記載のトレーニング用椅子。
  8. 前記支持軸が、その長さを調節可能とされていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のトレーニング用椅子。
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