JP2005287507A - カチオン性金ナノ粒子及びポリエチレングリコール修飾カチオン性金ナノ粒子並びにそれらの核酸との複合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 核酸の生分解の抑制、臓器あるいは組織選択性の高い体内動態、及び高い遺伝子発現効率の3要素を備えた遺伝子キャリアーや、かかる遺伝子キャリアーを利用した遺伝子デリバリー技術を提供すること。
【解決手段】 塩化金酸をホウ素化水素ナトリウム等を用いて還元する際に、それと同時にシステアミン、あるいはシステアミンとポリエチレングリコール(PEG)を共存させ、金ナノ粒子が成長すると同時に表面をアミノ基で修飾させ、カチオン性表面をもつ金ナノ粒子やPEG修飾カチオン性金ナノ粒子を作製する。次いで、これら金ナノ粒子とプラスミドDNA等の核酸とを結合させ、細胞内や生体組織内に前記核酸をデリバリーすることができる金ナノ粒子−核酸複合体や、PEG修飾カチオン性金ナノ粒子−核酸複合体を作製する。この複合体は、光ピンセットにより補足することができ、細胞内あるいはリポソーム内に移動させることができる。
【解決手段】 塩化金酸をホウ素化水素ナトリウム等を用いて還元する際に、それと同時にシステアミン、あるいはシステアミンとポリエチレングリコール(PEG)を共存させ、金ナノ粒子が成長すると同時に表面をアミノ基で修飾させ、カチオン性表面をもつ金ナノ粒子やPEG修飾カチオン性金ナノ粒子を作製する。次いで、これら金ナノ粒子とプラスミドDNA等の核酸とを結合させ、細胞内や生体組織内に前記核酸をデリバリーすることができる金ナノ粒子−核酸複合体や、PEG修飾カチオン性金ナノ粒子−核酸複合体を作製する。この複合体は、光ピンセットにより補足することができ、細胞内あるいはリポソーム内に移動させることができる。
Description
本発明は、カチオン性表面をもつ金ナノ粒子や、ポリエチレングリコール(PEG)で表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子の作製方法や、該作製方法により得られるカチオン性金ナノ粒子や、PEG修飾カチオン性金ナノ粒子や、これら金ナノ粒子と核酸との複合体に関する。カチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体や、PEG修飾カチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体を用いると、前記核酸を細胞内又は生体組織内に効率よくデリバリーすることができる。
従来、遺伝子キャリアーには塩基性脂質や塩基性ポリマーが主に用いられてきた。しかし、その遺伝子デリバリー効率は非常に悪く、動物体内あるいは細胞内での挙動がその構造に大きく左右され、かつ、未だにそれら構造と実際の挙動の相関について不明な点が多い(例えば、非特許文献1参照)。一方、無機材料からなるナノ粒子を遺伝子キャリアーとして用いる方法が報告されている。シリカ表面をアミン修飾したナノ粒子はプラスミドDNAと複合体を形成し、さらに、培養細胞へ添加すると、そのプラスミドDNAからの遺伝子発現が確認された(例えば、非特許文献2参照)。また、金ナノ粒子の利用も試みられている。米澤らはチオコリン(HS-CH2-CH2-N+(CH3)3)で表面修飾した金ナノ粒子のDNAとの結合を確認している(例えば、非特許文献3参照)。
さらに、Sandhuらは金ナノ粒子を長鎖アルキル鎖の先に4級アミンをもつチオール化合物で金ナノ粒子を作製し、そのDNA結合能を確認し、その複合体を培養細胞に添加することによって、遺伝子発現が起こることを明らかにしている(例えば、非特許文献5参照)。しかし、金ナノ粒子に関するこれら手法はその粒子の調製法が複雑であったり、再現性が悪く、さらに、修飾試薬自体が市販されておらず、入手困難であるという点で一般性に欠ける。また、これまで使われている4級アミンはその分子の嵩が大きく、常にカチオン性を持つため、修飾する際、その静電的反発が起こり、修飾密度が予想以上に低くなる場合がある。
金ナノ粒子表面をカチオン修飾する際に共有結合ではなく、カチオン性ポリマーや界面活性剤で静電的な相互作用で修飾することも可能である。しかし、これらの修飾法では修飾剤と金ナノ粒子との結合が強固ではなく、そのため、過剰のカチオン性ポリマーや界面活性剤を除去する際に、金ナノ粒子表面からの修飾剤が失われ、金粒子同士の凝集・沈澱が起こることが多い。
その他、トリス(ヒドロキシメチル)ホスフィン(THP)と金との複合体粒子(THP−Au粒子)の溶液を作製し、次に、このTHP−Au粒子溶液を核酸の固定化された基板に滴下することによって、THP−Au粒子と核酸とを結合させた後、THP−Au粒子と核酸との複合体に対して無電界めっき処理を施すことにより、金ナノ粒子の大きさを制御する、生体外(ex-situ)で作製された金属ナノ粒子を用いて核酸を効率的に金属化する方法も知られている(例えば、特許文献1参照)。
他方、溶液中で不規則に動き回る粒子を捕捉する有効な手法としてレーザートラッピングが知られている。溶液中に分散している微粒子に、対物レンズで集光したレーザー光を照射すると、微粒子には常に集光位置に向く力(光圧)が働き、最終的に微粒子は集光位置に安定に捕捉される。この捕捉方法は光ピンセット(Optical tweezers)、あるいはレーザートラッピング(Laser trapping)と呼ばれており、この光ピンセットによりナノメーターからマイクロメーターサイズの粒子を捕捉することができることが知られている(例えば、非特許文献5参照)。レーザートラッピングでは、集光レーザー光のつくり出すポテンシャル(光圧ポテンシャル)中に粒子を捕捉するため、不規則運動する粒子を捕捉する際に都合がよく、また顕微鏡下で粒子を観測しつつ、リアルタイムで非接触に捕捉、移動させることができるといった優れた特徴を有する。
また、レーザートラップ技術による光ピンセットを用いて、細胞に損傷やストレスを与えることなく、無修飾、無欠損でDNAを安全に且つ簡便に細胞に導入する方法を本発明者らは既に報告している。例えば、遺伝子を含むDNA若しくはRNA又はこれらを表面に吸着させた無機粒子等の微小物体及び細胞を浮遊させた液状媒質中にレンズを用いてレーザー光を集光させ、該微小物体を捕捉したまま該レーザーの焦点を該細胞内に移動させることにより細胞内へ遺伝子を導入する方法を報告している(例えば、特許文献2参照)。
前述のような問題点を抱える無機材料をベースとする遺伝子デリバリー技術は、その成功が強く期待されているにもかかわらず、大きなブレークスルーは未だ成し遂げられてはいないのが現状である。遺伝子デリバリー技術に用いられる遺伝子キャリアーには、核酸の生分解の抑制、臓器あるいは組織選択性の高い体内動態、及び高い遺伝子発現効率の3つの要素が要求される。3つの要素を同時に高いレベルで実現する遺伝子キャリアーの構築は、遺伝子治療および分子生物学一般に広く用いられる基盤技術の開発につながる。本発明の課題は、核酸の生分解の抑制、臓器あるいは組織選択性の高い体内動態、及び高い遺伝子発現効率の3要素を備えた遺伝子キャリアーや、かかる遺伝子キャリアーを利用した遺伝子デリバリー技術を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究し、表面にアミノ基を有するカチオン性の金ナノ粒子を安価かつ簡便に作製する方法を確立した。すなわち、塩化金酸を還元する際に、それと同時にチオール基とアミノ基の両方を有する化合物を共存させ、金ナノ粒子が成長すると同時に表面がアミノ基で修飾されることを見い出した。この修飾法は再現性もよく、スケールアップも簡単である。さらに、この溶液はそのままDNA複合体作製に利用でき、これまでのカチオン性金ナノ粒子のように精製する必要がない。さらに、一級アミンの利用によって、そのエンドソーム内でのプロトンスポンジ効果(V型−ATPaseによって、エンドソーム内にプロトンが流入するが、アミノ基のバッファー効果によって、pHが低下せず、プロトンが流入し続けると同時に水も同時に流入して、最終的にエンドソーム膜が壊されること)が期待され、より高い遺伝子発現が得られることを見い出した。また、得られた金ナノ粒子は核酸と複合体を形成し、その複合体は生理的塩濃度においても安定に分散した。そして、それを培養細胞に添加すると、金ナノ粒子−核酸複合体は細胞内に取り込まれ、その遺伝子からのタンパク質発現が認められた。さらに、動物個体へ静脈投与した場合においても、金ナノ粒子の肝臓中での存在が認められ、核酸の肝臓への輸送のためのキャリアー分子として利用できることも見い出した。さらに、金ナノ粒子−DNA複合体は光ピンセットにより強く捕捉され、DNA一分子マニュピュレーションの可能性を広げ、かつ、細胞内あるいはリポソーム内にこの複合体を押し込むことが可能となった。
また、本発明者らは、ポリエチレングリコール(PEG)で表面修飾したカチオン性金ナノ粒子の作製に成功した。すなわち、塩化金酸を還元する際に、それと同時にチオール基とアミノ基の両方を有する化合物とPEGを共存させ、金ナノ粒子が成長すると同時にPEGで表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子が得られることを見い出した。このPEG修飾カチオン性金ナノ粒子はプラスミドDNAと複合体を形成し、ステルス性が向上した。また、このDNA複合体を静脈投与し、エレクトロポレーションと併用することで、遺伝子導入能の向上がみられた。作製したPEG修飾カチオン性金ナノ粒子はエレクトロポレーションによる遺伝子導入の促進剤として有用である。
本発明は、上記の知見に基づき完成するに至ったものである。すなわち本発明は、チオール基とアミノ基を有する化合物の共存下で塩化金酸を還元することを特徴とするカチオン性表面をもつ金ナノ粒子の作製方法(請求項1)や、塩化金酸をホウ素化水素ナトリウムで還元することを特徴とする請求項1記載のカチオン性表面をもつ金ナノ粒子の作製方法(請求項2)や、チオール基とアミノ基を有する化合物として、システアミンを用いることを特徴とする請求項1又は2記載のカチオン性表面をもつ金ナノ粒子の作製方法(請求項3)や、請求1〜3のいずれか記載のカチオン性表面をもつ金ナノ粒子の作製方法により得られることを特徴とするカチオン性表面をもつ金ナノ粒子の作製方法により得られるカチオン性金ナノ粒子(請求項4)や、透過型電子顕微鏡による粒径が5〜100nmであることを特徴とする請求項4記載のカチオン性金ナノ粒子(請求項5)や、ゼータポテンシャル計で測定した表面電荷が+5〜70mVであることを特徴とする請求項4又は5記載のカチオン性金ナノ粒子(請求項6)に関する。
また本発明は、請求項4〜6のいずれか記載のカチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体(請求項7)や、細胞内へ核酸をデリバリーすることができることを特徴とする請求項7記載のカチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体(請求項8)や、動物個体に投与し、組織内に核酸をデリバリーすることができることを特徴とする請求項7記載のカチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体(請求項9)や、核酸が、遺伝子治療用の核酸であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか記載のカチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体(請求項10)や、核酸が、プラスミドDNAであることを特徴とする請求項7〜10のいずれか記載のカチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体(請求項11)や、直径が15nm〜1μm程度であることを特徴とする請求項7〜11のいずれか記載のカチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体(請求項12)や、直径が8μm以上であることを特徴とする請求項7〜11のいずれか記載のカチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体(請求項13)や、光ピンセットで捕捉することができることを特徴とする請求項7〜13のいずれか記載のカチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体(請求項14)や、光ピンセットによって細胞内あるいはリポソーム内に移動させることができることを特徴とする請求項7〜14のいずれか記載のカチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体(請求項15)に関する。
本発明はまた、ポリエチレングリコール(PEG)及びチオール基とアミノ基を有する化合物の共存下で塩化金酸を還元することを特徴とするPEGで表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子の作製方法(請求項16)や、塩化金酸をホウ素化水素ナトリウムで還元することを特徴とする請求項16記載のPEGで表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子の作製方法(請求項17)や、チオール基とアミノ基を有する化合物として、システアミンを用いることを特徴とする請求項16又は17記載のPEGで表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子の作製方法(請求項18)に関する。
さらに本発明は、ポリエチレングリコール(PEG)で表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子(請求項19)や、透過型電子顕微鏡による粒径が20〜80nmであることを特徴とする請求項19記載のPEGで表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子(請求項20)や、ゼータポテンシャル計で測定した表面電荷がほぼ−5〜5mVであることを特徴とする請求項19又は20記載のPEGで表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子(請求項21)や、請求項19〜21のいずれか記載のポリエチレングリコール(PEG)で表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子と核酸との複合体(請求項22)や、細胞内へ核酸をデリバリーすることができることを特徴とする請求項22記載のPEGで表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子と核酸との複合体(請求項23)や、動物個体に投与し、組織内に核酸をデリバリーすることができることを特徴とする請求項23記載のPEGで表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子と核酸との複合体(請求項24)や、核酸が、遺伝子治療用の核酸であることを特徴とする請求項22〜24のいずれか記載のPEGで表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子と核酸との複合体(請求項25)や、核酸が、プラスミドDNAであることを特徴とする請求項22〜25のいずれか記載のPEGで表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子と核酸との複合体(請求項26)や、直径が50nm〜1μm程度であることを特徴とする請求項22〜26のいずれか記載のPEGで表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子と核酸との複合体(請求項27)や、直径が8μm以上であることを特徴とする請求項22〜26のいずれか記載のPEGで表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子と核酸との複合体(請求項28)や、光ピンセットで捕捉することができることを特徴とする請求項22〜28のいずれか記載のPEGで表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子と核酸との複合体(請求項29)や、光ピンセットによって細胞内あるいはリポソーム内に移動させることができることを特徴とする請求項22〜29のいずれか記載のカチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体(請求項30)や、エレクトロポレーションによって細胞内に移動させることができることを特徴とする請求項22〜30のいずれか記載のカチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体(請求項31)に関する。
本発明によると、チオール基とアミノ基を有する化合物の共存下塩化金酸を還元することにより得られるカチオン性表面を持つ金ナノ粒子や、ポリエチレングリコール(PEG)及びチオール基とアミノ基を有する化合物の共存下で塩化金酸を還元することにより得られるPEGで表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子(PEG修飾カチオン性金ナノ粒子)は、核酸の生分解の抑制、臓器あるいは組織選択性の高い体内動態、及び高い遺伝子発現効率の3要素を備えた遺伝子キャリアーとして有用であり、かかる遺伝子キャリアーをDNA、RNA、オリゴヌクレオチドなどと反応させ核酸複合体を作製すれば、細胞内へのデリバリーを実現できる。上記のアミノ基で修飾した金ナノ粒子の利用はその基礎的技術基盤をつくるための、有望な素材であり、従来にない高機能性遺伝子キャリアーの実用化につながるものである。
本発明のカチオン性表面をもつ金ナノ粒子の作製方法としては、チオール基とアミノ基を有する化合物の共存下で塩化金酸を還元する方法であれば特に制限されるものではなく、ここで、カチオン性表面をもつ金ナノ粒子とは、ゼータポテンシャル計で測定した表面電荷が正(+)、好ましくは+5〜+100mV、より好ましくは+20〜+70mV、さらに好ましくは+25〜+60mV、中でも+30.9〜51.5mVの表面電荷をもつ金ナノ粒子をいう。一般にゼータポテンシャルが30mV以下の粒子は静電的反発力のみによっては溶液中に安定分散できない。一方、70mVを超えるゼータポテンシャルを示す粒子は、核酸と非常に強固な静電的相互作用によって結合し、核酸の構造を損ねる場合がある。本発明の目的には、DNAと金ナノ粒子が適切な静電相互作用で結合するゼータポテンシャルを示す粒子が好ましい。また、金ナノ粒子の粒径としては特に制限されないが、1〜250nm、好ましくは5〜150nm、より好ましくは20〜80nm、さらに好ましくは30〜40nm、中でも33.3〜33.9nmの粒径をもつ金ナノ粒子を好適に例示することができる。粒径が1nmより小さい場合は核酸のサイズよりも小さいため適切な複合体形成が困難である。また、粒径が250nmを超える場合は細胞への取り込み効率が低下することが知られている。本発明に好適な粒子サイズは核酸との複合体の安定性と細胞への取り込み効率によって決定される。さらに、金ナノ粒子表面に対する各種化学修飾(糖鎖など)によっても、最適な粒子サイズは影響を受ける。
上記チオール基とアミノ基を有する化合物としては、システアミン(2−アミノメルカプタン,アミノエタンチオール)、システイン、イソシステイン、6−アミノ−1−ヘキサンチオール、11−アミノ−1−アンデカンチオール、メルカプトアデニン、アミノチオフェノールを挙げることができるが、これらの他、メルカプトテトラゾール、メルカプトヒポキサンチン、メルカプトピリジン、2−メルカプトピリジン、メルカプトプリン、フェニレンチオ尿素等を便宜的に例示することができる。これらの中でも、システアミンが、容易に入手しうる点、核酸の構造に影響を与えにくい点、化学的に安定である点で特に好ましい。
また、塩化金酸を還元するのに使用される還元剤としては、従来公知の還元剤であれば特に制限されないが、ホウ素化水素ナトリウム、ヒドキシアミン等の無機物やその塩、クエン酸、アスコルビン酸、酒石酸、シュウ酸、EDTA、タンニン酸等の有機酸やその塩、さらにトリエタノールアミン、システイン、チオシアネート、黄リン等の酸化分解性有機物等を挙げることができる。さらに、紫外線や可視光照射による光触媒反応、あるいはX線あるいはガンマ線照射による放射光反応も塩化金酸の還元に有用である。これらの中でも、ホウ素化水素ナトリウムやクエン酸還元が、容易に入手しうる点、再現性が高い点、反応の制御性が高く粒径制御が可能である点、作業上安全である点、反応生成物が無害である点で特に好ましい。
本発明の金ナノ粒子の作製方法は再現性に優れ、スケールアップも簡単であり、さらに、反応液はそのままDNA複合体作製に利用でき、これまでのカチオン性金ナノ粒子のように精製する必要がない上に、一級アミンの利用によって、そのエンドソーム内でのプロトンスポンジ効果が期待され、より高い遺伝子発現を得ることができる。
本発明のカチオン性金ナノ粒子としては、本発明のカチオン性表面をもつ金ナノ粒子の作製方法により得られる金ナノ粒子であれば特に制限されるものではなく、透過型電子顕微鏡による粒径が1〜250nm、好ましくは5〜100nm、より好ましくは20〜80nm、さらに好ましくは30〜40nm、中でも33.3〜33.9nmの粒径をもつ金ナノ粒子、及び/又は、ゼータポテンシャル計で測定した表面電荷が正(+)、好ましくは+5〜+100mV、より好ましくは+20〜+70mV、さらに好ましくは+25〜+60mV、中でも+30.9〜51.5mVの表面電荷をもつ金ナノ粒子を好適に例示することができる。また、本発明のカチオン性金ナノ粒子としては、核酸と容易にかつ効率よく複合体を形成しうるものが好ましく、特に、核酸と複合体を形成することにより、核酸を細胞内へデリバリーすることができるもの、あるいは動物個体に投与したときに核酸を組織内にデリバリーすることができるものや、中でも、核酸の生分解の抑制、臓器あるいは組織選択性の高い体内動態、及び高い遺伝子発現効率の3要素を備えた遺伝子キャリアーとして有用なものが特に好ましい。さらに、本発明のカチオン性金ナノ粒子を用いると、本発明のカチオン性金ナノ粒子と複合体を形成することができる核酸以外の酸性ポリマー、酸性抗がん剤(強引にこのようなものを挙げました)等の成分を細胞内や生体組織内にデリバリーすることができる。
本発明のPEG修飾カチオン性金ナノ粒子の作製方法としては、PEG及びチオール基とアミノ基を有する化合物の共存下で塩化金酸を還元する方法であれば特に制限されるものではなく、PEGとしては、分子量120〜1,000,000、好ましくは4000〜6000を有利に用いることができ、また、チオール基とアミノ基を有する化合物や、塩化金酸を還元するのに使用される還元剤としては、上記ものを用いることができる。
また、本発明のPEG修飾カチオン性金ナノ粒子としては、例えば、本発明のPEG修飾カチオン性金ナノ粒子の作製方法のより得られるものを例示することができ、透過型電子顕微鏡による粒径が5〜200nm、好ましくは10〜100nm、より好ましくは20〜80nm、さらに好ましくは43〜52nm、中でも47.5nmの粒径をもつ金ナノ粒子、及び/又は、ゼータポテンシャル計で測定した表面電荷が−10〜10mV、好ましくは−8〜8mV、より好ましくは−5〜5mV、さらに好ましくは−0.1〜0.3mV、中でも0.1mVの表面電荷をもつ金ナノ粒子を好適に例示することができる。PEG鎖は水和の度合いが高く、分子の運動性も高い。この自由エネルギーの高い状態は、鎖間が相互作用を起こして自由度を低くするよりも、有利である。また、分極の度合いも極めて低いため、ファンデアワールス力も低く、相互作用は小さい。したがって、PEG修飾すれば分子間の相互作用が大幅に低下し、粒子の場合では粒子間での凝集が起こらなくなる。このため、ゼータ電位がニュートラルでも溶液中に安定に分散できる。また、本発明のPEG修飾カチオン性金ナノ粒子としては、核酸と容易にかつ効率よく複合体を形成しうるものが好ましく、特に、核酸と複合体を形成することにより、核酸を細胞内へデリバリーすることができるもの、あるいは動物個体に投与したときに核酸を組織内にデリバリーすることができるものや、中でも、核酸の生分解の抑制、臓器あるいは組織選択性の高い体内動態、及び高い遺伝子発現効率の3要素を備えた遺伝子キャリアーとして有用なものが特に好ましい。さらに、本発明のカチオン性金ナノ粒子を用いると、本発明のカチオン性金ナノ粒子と複合体を形成することができる核酸以外の酸性ポリマー、酸性抗がん剤(強引にこのようなものを挙げました)等の成分を細胞内や生体組織内にデリバリーすることができる。
本発明のカチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体や、PEG修飾カチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体としては、上記本発明のカチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体であれば特に制限されるものではなく、細胞内へ核酸をデリバリーすることができるもの、あるいは動物個体に投与し、組織内に核酸をデリバリーすることができるものが好ましく、上記核酸としては、1本鎖若しくは2本鎖DNA、RNA、オリゴヌクレオチド、ウイルスDNA、ウイルスRNA、プラスミドDNA等を挙げることができるが、これら核酸の中でも、遺伝子治療用の核酸はドラッグデリバリーシステムとして有用であり、この点からして、遺伝子治療に用いられるプラスミドDNAやウイルスDNAが好ましい。
本発明のカチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体や、PEG修飾カチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体は、カチオン性金ナノ粒子やPEG修飾カチオン性金ナノ粒子と核酸を、低イオン強度の水中で混合することによって得られる。緩衝液や培養液中でも静電的な相互作用がシールドされて複合体の形成が起こらない。金ナノ粒子核酸複合体は、pH6〜8、温度10〜40℃下の緩衝溶液や液中で、沈殿や孤立粒子へのかい離を起こさず、安定に分散する。この場合、カチオン性金ナノ粒子表面のアミノ基と核酸におけるリン酸基が結合することにより、カチオン性金ナノ粒子表面に核酸が強固に結合することが安定な複合体形成の要因である。また、カチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体や、PEG修飾カチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体の大きさは、核酸分子の大きさや、核酸に対するこれら金ナノ粒子の混合比等に依存するが、例えば、直径が1μm程度のものは、細胞内へのデリバリーおよび光ピンセットで容易に捕捉される点で好ましく、直径が8μm以上のものは、細胞内へのデリバリーの点で好ましい。
さらに、本発明のカチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体や、PEG修飾カチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体としては、光ピンセットで捕捉することができるものや、光ピンセットによって細胞内あるいはリポソーム内に移動させることができるものが好ましい。例えば、細胞内に移動させるには、生きた細胞を、その生命が維持できる環境を持つバッファー中に置き、1〜10000個、好ましくは100〜1000個(各複合体の大きさに比例する)のカチオン性金ナノ粒子−核酸複合体に、予め蛍光顕微鏡観察が可能なような量の蛍光色素を吸着させ、経時的に観察しながら、任意のカチオン性金ナノ粒子−核酸複合体や、PEG修飾カチオン性金ナノ粒子−核酸複合体を光りピンセットで捕捉し、3次元的に移動させながら任意の1つの細胞に近接させ、そのまま穏やかに細胞壁や細胞膜等を貫通させることにより、カチオン性金ナノ粒子−核酸複合体を非接触的な細胞内へ導入することができる。
本発明のPEG修飾カチオン性金ナノ粒子−核酸複合体を静脈投与し、エレクトロポレーションと併用することで、遺伝子導入能の向上がみられる。PEG修飾カチオン性金ナノ粒子−核酸複合体は、一般的ポリカチオンとの複合体に比べ弱く、そのため、パルスを照射することにより遺伝子が解離しやすいと考えられる。また、金ナノ粒子の導電性という性質もエレクトロポレーションの効果を促進している可能性もある。作製したPEG修飾カチオン性金ナノ粒子はエレクトロポレーションによる遺伝子導入の促進剤として有利に用いることができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
[カチオン性金ナノ粒子の調製]
塩化金酸とホウ素化水素ナトリウムで還元する際、システアミンを共存させることにより、表面がカチオン修飾された金ナノ粒子を得た。詳しくは、1.42mMの塩化金酸(和光純薬工業株式会社製)水溶液2mLと213mMのシステアミン(東京化成工業株式会社製)20μLを混合し、室温で20分攪拌した。その後、10mMの水素化ホウ素ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)水溶液0.5μLを添加し、さらに、室温で15分攪拌した。得られたカチオン性金ナノ粒子の透過型電子顕微鏡(日本電子社製 JEM-100S型))写真を図1に示す。この透過型電子顕微鏡写真によると、粒径は33.6±0.3nmだった。また、得られた金ナノ粒子の表面電荷をゼータポテンシャル計(Malvern Instruments社製Zetasizer Nano ZS)で測定した結果、+36.2±15.3mVだった。
塩化金酸とホウ素化水素ナトリウムで還元する際、システアミンを共存させることにより、表面がカチオン修飾された金ナノ粒子を得た。詳しくは、1.42mMの塩化金酸(和光純薬工業株式会社製)水溶液2mLと213mMのシステアミン(東京化成工業株式会社製)20μLを混合し、室温で20分攪拌した。その後、10mMの水素化ホウ素ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)水溶液0.5μLを添加し、さらに、室温で15分攪拌した。得られたカチオン性金ナノ粒子の透過型電子顕微鏡(日本電子社製 JEM-100S型))写真を図1に示す。この透過型電子顕微鏡写真によると、粒径は33.6±0.3nmだった。また、得られた金ナノ粒子の表面電荷をゼータポテンシャル計(Malvern Instruments社製Zetasizer Nano ZS)で測定した結果、+36.2±15.3mVだった。
[金ナノ粒子−プラスミドDNA複合体の形成]
6μgのプラスミドDNAに対して、実施例1で調製したカチオン性金ナノ粒子を水中、さまざまな量比(0〜1.8)で室温で2分間混合し、その結合をアガロースゲル電気泳動で解析した。結果を図2に示す。その結果、金ナノ粒子/プラスミドDNAの重量比が0.7以上でプラスミドDNAの泳動に影響が現れ始め、金ナノ粒子とプラスミドDNAとが相互作用していることがわかった。
6μgのプラスミドDNAに対して、実施例1で調製したカチオン性金ナノ粒子を水中、さまざまな量比(0〜1.8)で室温で2分間混合し、その結合をアガロースゲル電気泳動で解析した。結果を図2に示す。その結果、金ナノ粒子/プラスミドDNAの重量比が0.7以上でプラスミドDNAの泳動に影響が現れ始め、金ナノ粒子とプラスミドDNAとが相互作用していることがわかった。
使用したプラスミドDNAは次のように作製したものを用いた。pGL3−コントロールベクター(Promega, Madison, WI, USA)のルシフェラーゼcDNAを制限酵素HindIII/XbaIで切り出し、その断片をpcDNA3ベクター(Invitrogen, Carlsbad, CA, USA)のマルチクローニングサイトに組み込んだ。このプラスミド(pCMV−Luc)を大腸菌DH5alphaにより増殖させ、キアゲン・プラスミド・ギガ・キット(QIAGEN GmbH, Hilden, Germany)にて精製した。
金ナノ粒子とプラスミドDNAが結合することによるDNA鎖の折り畳みの程度について、エチジウムブロミドのインターカレーション阻害を指標に評価した。結果を図3に示す。その結果、金ナノ粒子を添加するに従いエチジウムブロミドの蛍光が低下し、重量比11.2でゼロとなった。
金ナノ粒子とプラスミドDNAの複合体を形成させるときにDAPI(4’,6-diamidino-2-phenylindole dihydrochloride)をプラスミドDNAの染色剤として添加し、蛍光顕微鏡(Nikon社製ECLIPSE TE300)にてその複合体を観察した。その際、6μgのプラスミドDNAに対して、カチオン性金ナノ粒子をさまざまな量比(0〜1.8)で混合する条件下で複合体を形成させた。結果を図4に示す。その結果、重量比5.6〜8.4で混合したとき、1μm程度の複合体が観察され、重量比11.2で混合したときは、8μm以上の大きな凝集体が形成されることがわかった。
[金ナノ粒子−プラスミドDNA複合体の細胞内取込み]
2.5μgのプラスミドDNAに対して、14.0μgの金ナノ粒子を250μLのPBS中で混合し、作製した金ナノ粒子−プラスミドDNA複合体を培養細胞(チャイニーズハムスター卵巣由来細胞;CHO細胞)培地中(ダルベッコ改変イーグル培地)に添加し、24時間後の細胞内に取り込まれたプラスミドDNAからの遺伝子(ルシフェラーゼ)発現を評価した。結果を図5に示す。その結果、プラスミドDNA単独の場合と比べて10倍の遺伝子発現が認められ、それは、高効率なトランスフェクション試薬として知られているデンドリティックポリリジン第6世代(KG6:M. Ohsaki et al., Bioconjugate Chem. 13, 510-517 (2002))と比べても遜色のないものだった。
2.5μgのプラスミドDNAに対して、14.0μgの金ナノ粒子を250μLのPBS中で混合し、作製した金ナノ粒子−プラスミドDNA複合体を培養細胞(チャイニーズハムスター卵巣由来細胞;CHO細胞)培地中(ダルベッコ改変イーグル培地)に添加し、24時間後の細胞内に取り込まれたプラスミドDNAからの遺伝子(ルシフェラーゼ)発現を評価した。結果を図5に示す。その結果、プラスミドDNA単独の場合と比べて10倍の遺伝子発現が認められ、それは、高効率なトランスフェクション試薬として知られているデンドリティックポリリジン第6世代(KG6:M. Ohsaki et al., Bioconjugate Chem. 13, 510-517 (2002))と比べても遜色のないものだった。
[金ナノ粒子−プラスミドDNA複合体のインビボでの挙動]
25μgDNAに対して、53μgの金ナノ粒子を200μLのPBS中で混合し、作製した金ナノ粒子−DNA複合体をマウス(ddYマウス、雄、29〜31g)に尾静脈より投与し、30分後に各臓器を摘出した。それぞれの臓器を約5mlの王水に浸漬してホットプレート上で加熱した。各臓器を完全に溶解させた後、溶液の量が1/5程度になるまでホットプレート上で加熱した。これに0.5N塩酸を約5ml加え、遠心分離(10,000G×10分)によって、少量の沈殿物を取り除いた。次に、この溶液をエバポレーターによって乾固させた。それぞれ2mlの塩酸に溶かし、測定用試料とした。ポアサイズ0.45mマイクロmのフィルターを通し、ICP−MS(Agilent社製 7500c)による溶液の金濃度測定から定量を行った。結果を図6に示す。その結果、全投与量の79%の金が肝臓から検出された。
25μgDNAに対して、53μgの金ナノ粒子を200μLのPBS中で混合し、作製した金ナノ粒子−DNA複合体をマウス(ddYマウス、雄、29〜31g)に尾静脈より投与し、30分後に各臓器を摘出した。それぞれの臓器を約5mlの王水に浸漬してホットプレート上で加熱した。各臓器を完全に溶解させた後、溶液の量が1/5程度になるまでホットプレート上で加熱した。これに0.5N塩酸を約5ml加え、遠心分離(10,000G×10分)によって、少量の沈殿物を取り除いた。次に、この溶液をエバポレーターによって乾固させた。それぞれ2mlの塩酸に溶かし、測定用試料とした。ポアサイズ0.45mマイクロmのフィルターを通し、ICP−MS(Agilent社製 7500c)による溶液の金濃度測定から定量を行った。結果を図6に示す。その結果、全投与量の79%の金が肝臓から検出された。
[金ナノ粒子−プラスミドDNA複合体の光ピンセット捕捉性]
実施例2記載のように作製した金ナノ粒子−DNA複合体(w/w ratio = 5.6)をレーザートラップ技術による光ピンセットによりマニュピュレートできるかどうか検討した。手法は文献(K. Kubo et al., Appl. Phys. Lett., 83, 2468-2470, 2002、特開2003−70468号公報、細胞への遺伝子導入方法)にしたがって行った。結果を図7に示す。その結果、金ナノ粒子−プラスミドDNA複合体は容易に光ピンセットで捕捉することが可能で(図7A)、また、50ヘルツで水平方向18μmの振幅で振動(図7B)、あるいは、直径18μmの回転運動(図7C)させても、複合体は安定にトラップされたままであった。このトラップ力は一般的なスペルミンなどのポリアミンから作られるDNA複合体と比べて強いものであった。
実施例2記載のように作製した金ナノ粒子−DNA複合体(w/w ratio = 5.6)をレーザートラップ技術による光ピンセットによりマニュピュレートできるかどうか検討した。手法は文献(K. Kubo et al., Appl. Phys. Lett., 83, 2468-2470, 2002、特開2003−70468号公報、細胞への遺伝子導入方法)にしたがって行った。結果を図7に示す。その結果、金ナノ粒子−プラスミドDNA複合体は容易に光ピンセットで捕捉することが可能で(図7A)、また、50ヘルツで水平方向18μmの振幅で振動(図7B)、あるいは、直径18μmの回転運動(図7C)させても、複合体は安定にトラップされたままであった。このトラップ力は一般的なスペルミンなどのポリアミンから作られるDNA複合体と比べて強いものであった。
[PEG修飾カチオン性金ナノ粒子の作製法]
塩化金酸とホウ素化水素ナトリウムで還元する際、システアミンとポリエチレングリコール(PEG)を共存させることにより、表面がPEGされたカチオン性金ナノ粒子を得た。42mM塩化金酸(和光純薬工業)溶液2mLに、213mMアミノエタンチオール(Sigma)溶液20μL、100mMのmPEG−SH(Nektar,Mw:5000)水溶液42.6μLを混合し、室温で20分放置した。その後、100mM水素化ホウ素ナトリウム1μLを添加し、30分撹拌し、PEG修飾カチオン性金ナノ粒子を得た。
塩化金酸とホウ素化水素ナトリウムで還元する際、システアミンとポリエチレングリコール(PEG)を共存させることにより、表面がPEGされたカチオン性金ナノ粒子を得た。42mM塩化金酸(和光純薬工業)溶液2mLに、213mMアミノエタンチオール(Sigma)溶液20μL、100mMのmPEG−SH(Nektar,Mw:5000)水溶液42.6μLを混合し、室温で20分放置した。その後、100mM水素化ホウ素ナトリウム1μLを添加し、30分撹拌し、PEG修飾カチオン性金ナノ粒子を得た。
[PEG修飾カチオン性金ナノ粒子−プラスミドDNA複合体の形成]
0.5μgのプラスミドDNAに対して、実施例6で調製したPEG修飾カチオン性金ナノ粒子をPBS中で混合し10分間放置した後、アガロース電気泳動でDNA結合能を評価した。また比較としてPEG修飾なしカチオン性金ナノ粒子も同様に行った。蛍光で観察した結果を図8A,可視光で観察した結果を図8Bに示す。その結果、PEG修飾なしカチオン性金ナノ粒子はAu/DNA質量比5.6以上で複合体を形成した。PEG修飾カチオン性金ナノ粒子は、蛍光観察ではAu/DNA質量比が上がるとともにDNAのバンドが薄くなり、可視光観察ではDNAと同様に金ナノ粒子も泳動され、プラスミドDNAと相互作用していることがわかった。
0.5μgのプラスミドDNAに対して、実施例6で調製したPEG修飾カチオン性金ナノ粒子をPBS中で混合し10分間放置した後、アガロース電気泳動でDNA結合能を評価した。また比較としてPEG修飾なしカチオン性金ナノ粒子も同様に行った。蛍光で観察した結果を図8A,可視光で観察した結果を図8Bに示す。その結果、PEG修飾なしカチオン性金ナノ粒子はAu/DNA質量比5.6以上で複合体を形成した。PEG修飾カチオン性金ナノ粒子は、蛍光観察ではAu/DNA質量比が上がるとともにDNAのバンドが薄くなり、可視光観察ではDNAと同様に金ナノ粒子も泳動され、プラスミドDNAと相互作用していることがわかった。
[PEG修飾カチオン性金ナノ粒子−プラスミドDNA複合体の粒径・表面電荷測定]
PEG修飾カチオン性金ナノ粒子の粒径と表面電荷をゼータポテンシャル計(Malvern社製 Zetasizer Nano ZS)で測定した。結果を表1、図9に示す。表1は混合してから10分後の結果である。PEG修飾カチオン性金ナノ粒子は47.5±4.5nm、0.1±0.2mVであった。プラスミドDNAとの複合体は質量比8.4,16.8では粒径がそれぞれ89.0±3.1nm、106.5±6.0nmであり、表面電荷は−8.4±0.8mV、−4.1±0.9mVであり、ゼロに近い値であった。また、図9はその複合体の粒径を時間経過でみた結果であり、質量比8.4(●)で混合すると1時間近く経過しても100nm以下の安定な複合体を保持していた。
PEG修飾カチオン性金ナノ粒子の粒径と表面電荷をゼータポテンシャル計(Malvern社製 Zetasizer Nano ZS)で測定した。結果を表1、図9に示す。表1は混合してから10分後の結果である。PEG修飾カチオン性金ナノ粒子は47.5±4.5nm、0.1±0.2mVであった。プラスミドDNAとの複合体は質量比8.4,16.8では粒径がそれぞれ89.0±3.1nm、106.5±6.0nmであり、表面電荷は−8.4±0.8mV、−4.1±0.9mVであり、ゼロに近い値であった。また、図9はその複合体の粒径を時間経過でみた結果であり、質量比8.4(●)で混合すると1時間近く経過しても100nm以下の安定な複合体を保持していた。
[PEG修飾カチオン性金ナノ粒子及びプラスミドDNAのマウス体内動態]
40μgのPEG修飾カチオン性金ナノ粒子をPBSで全量を200μLに調整し、マウス(ddYマウス、雄、20〜30g)に尾静脈投与し、5、30、120分ごとに血液、肝臓、肺を摘出した。それらの臓器を2〜5mLの王水に溶解させ、遠心分離(1000G,5min)によって沈殿物を取り除いた。次にエバポレータによって乾固させた。2mLの酸に溶かし、ICP−MS(Agilent社製 7500c)により金濃度を測定した。その結果を図10に示す。PEG修飾カチオン性金ナノ粒子は血液中で120分経過しても20%存在し、安定にマウス体内を安定に滞留していた。
40μgのPEG修飾カチオン性金ナノ粒子をPBSで全量を200μLに調整し、マウス(ddYマウス、雄、20〜30g)に尾静脈投与し、5、30、120分ごとに血液、肝臓、肺を摘出した。それらの臓器を2〜5mLの王水に溶解させ、遠心分離(1000G,5min)によって沈殿物を取り除いた。次にエバポレータによって乾固させた。2mLの酸に溶かし、ICP−MS(Agilent社製 7500c)により金濃度を測定した。その結果を図10に示す。PEG修飾カチオン性金ナノ粒子は血液中で120分経過しても20%存在し、安定にマウス体内を安定に滞留していた。
また、25μgのプラスミドDNAに対して、PEG修飾カチオン性金ナノ粒子を質量比8.4になるように混合し、マウス尾静脈より投与し、1、5、10、30分ごとに血液、肝臓、肺を摘出し、Dneasy(Qiagen)を用いてDNAを抽出した。このDNA溶液を、リアルタイムPCR(BioFlux社製 LineGene)により投与したプラスミドDNAを定量した。その結果を図11に示す。その結果、プラスミドDNAが血液中に5分まで5%、肝臓内では5分まで12%存在していた。
[PEG修飾カチオン性金ナノ粒子−プラスミドDNA複合体のエレクトロポレーション併用における遺伝子導入]
50μgのプラスミドDNAに対して、PEG修飾カチオン性金ナノ粒子を質量比8.4になるように混合し、マウスに尾静脈投与し、その1分後に開腹し、肝臓左葉部位にエレクトロポレーター(Nepagene社製 CUY21)を用いて電気パルス(250mV/cm,20msec,8pulse,1Hz)をかけた。閉腹し、6時間後に肝臓の左葉(Left Lobe)、右葉(Right Lobe)、方形葉(Median Lobe)、尾状葉(Caudate Lobe)部位を摘出し、1mLの細胞溶解液中で組織を破砕し、遠心分離(10000G,10分)し、プラスミドDNAの遺伝子(ルシフェラーゼ)発現を評価した。結果を図12Aに示す。この結果から電気パルスをかけた部位だけ発現がみられ、プラスミドDNA単独と比較して10倍の遺伝子発現の向上がみられた。
50μgのプラスミドDNAに対して、PEG修飾カチオン性金ナノ粒子を質量比8.4になるように混合し、マウスに尾静脈投与し、その1分後に開腹し、肝臓左葉部位にエレクトロポレーター(Nepagene社製 CUY21)を用いて電気パルス(250mV/cm,20msec,8pulse,1Hz)をかけた。閉腹し、6時間後に肝臓の左葉(Left Lobe)、右葉(Right Lobe)、方形葉(Median Lobe)、尾状葉(Caudate Lobe)部位を摘出し、1mLの細胞溶解液中で組織を破砕し、遠心分離(10000G,10分)し、プラスミドDNAの遺伝子(ルシフェラーゼ)発現を評価した。結果を図12Aに示す。この結果から電気パルスをかけた部位だけ発現がみられ、プラスミドDNA単独と比較して10倍の遺伝子発現の向上がみられた。
また同様に投与し1、5、10、30分後に肝臓左葉部位に電気パルスをかけて遺伝子発現を評価した。その結果を図12Bに示す。5分後では、プラスミドDNA単独では発現がみられないが、PEG修飾カチオン性金ナノ粒子では100倍もの発現の向上がみられた。
その他の遺伝子キャリーと比較した結果を図12Cに示した。この結果は投与後5分後に電気パルスをかけた結果である。PEG修飾なしカチオン性金ナノ粒子(cationic Au)、ポリエチレンイミン(PEA,Sigma,Mw:20000)では発現の向上は全くみられないが、PEG修飾カチオン性金ナノ粒子ではエレクトロポレーションの遺伝子導入を向上させた。
Claims (31)
- チオール基とアミノ基を有する化合物の共存下で塩化金酸を還元することを特徴とするカチオン性表面をもつ金ナノ粒子の作製方法。
- 塩化金酸をホウ素化水素ナトリウムで還元することを特徴とする請求項1記載のカチオン性表面をもつ金ナノ粒子の作製方法。
- チオール基とアミノ基を有する化合物として、システアミンを用いることを特徴とする請求項1又は2記載のカチオン性表面をもつ金ナノ粒子の作製方法。
- 請求1〜3のいずれか記載のカチオン性表面をもつ金ナノ粒子の作製方法により得られることを特徴とするカチオン性表面をもつ金ナノ粒子の作製方法により得られるカチオン性金ナノ粒子。
- 透過型電子顕微鏡による粒径が5〜100nmであることを特徴とする請求項4記載のカチオン性金ナノ粒子。
- ゼータポテンシャル計で測定した表面電荷が+5〜70mVであることを特徴とする請求項4又は5記載のカチオン性金ナノ粒子。
- 請求項4〜6のいずれか記載のカチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体。
- 細胞内へ核酸をデリバリーすることができることを特徴とする請求項7記載のカチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体。
- 動物個体に投与し、組織内に核酸をデリバリーすることができることを特徴とする請求項7記載のカチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体。
- 核酸が、遺伝子治療用の核酸であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか記載のカチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体。
- 核酸が、プラスミドDNAであることを特徴とする請求項7〜10のいずれか記載のカチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体。
- 直径が15nm〜1μm程度であることを特徴とする請求項7〜11のいずれか記載のカチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体。
- 直径が8μm以上であることを特徴とする請求項7〜11のいずれか記載のカチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体。
- 光ピンセットで捕捉することができることを特徴とする請求項7〜13のいずれか記載のカチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体。
- 光ピンセットによって細胞内あるいはリポソーム内に移動させることができることを特徴とする請求項7〜14のいずれか記載のカチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体。
- ポリエチレングリコール(PEG)及びチオール基とアミノ基を有する化合物の共存下で塩化金酸を還元することを特徴とするPEGで表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子の作製方法。
- 塩化金酸をホウ素化水素ナトリウムで還元することを特徴とする請求項16記載のPEGで表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子の作製方法。
- チオール基とアミノ基を有する化合物として、システアミンを用いることを特徴とする請求項16又は17記載のPEGで表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子の作製方法。
- ポリエチレングリコール(PEG)で表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子。
- 透過型電子顕微鏡による粒径が20〜80nmであることを特徴とする請求項19記載のPEGで表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子。
- ゼータポテンシャル計で測定した表面電荷がほぼ−5〜5mVであることを特徴とする請求項19又は20記載のPEGで表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子。
- 請求項19〜21のいずれか記載のポリエチレングリコール(PEG)で表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子と核酸との複合体。
- 細胞内へ核酸をデリバリーすることができることを特徴とする請求項22記載のPEGで表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子と核酸との複合体。
- 動物個体に投与し、組織内に核酸をデリバリーすることができることを特徴とする請求項23記載のPEGで表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子と核酸との複合体。
- 核酸が、遺伝子治療用の核酸であることを特徴とする請求項22〜24のいずれか記載のPEGで表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子と核酸との複合体。
- 核酸が、プラスミドDNAであることを特徴とする請求項22〜25のいずれか記載のPEGで表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子と核酸との複合体。
- 直径が50nm〜1μm程度であることを特徴とする請求項22〜26のいずれか記載のPEGで表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子と核酸との複合体。
- 直径が8μm以上であることを特徴とする請求項22〜26のいずれか記載のPEGで表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子と核酸との複合体。
- 光ピンセットで捕捉することができることを特徴とする請求項22〜28のいずれか記載のPEGで表面修飾したカチオン性表面をもつ金ナノ粒子と核酸との複合体。
- 光ピンセットによって細胞内あるいはリポソーム内に移動させることができることを特徴とする請求項22〜29のいずれか記載のカチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体。
- エレクトロポレーションによって細胞内に移動させることができることを特徴とする請求項22〜30のいずれか記載のカチオン性金ナノ粒子と核酸との複合体。
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