以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
先ず、図1は、本発明の本発明を実施するための最良の形態に係る通信端末装置としてのファクシミリ装置1のブロック構成を示している。
同図において、ファクシミリ装置1は、システム制御部2、ROM3、RAM4、スキャナ5、プロッタ6、時計回路7、蓄積メモリ8、操作表示部9、符号化復号化部10、モデム11、網制御部12、及び、システムバス13により構成されている。
システム制御部2は、ROM3に書き込まれた制御プログラムに従って、RAM4を作業領域として使用しながら、装置各部を制御するものである。
ROM3は、前述したように、システム制御部2が装置各部を制御するための制御プログラムが記憶されているリードオンリメモリである。また、ROM3には、各文字コードにフォントデータを対応付けたフォントテーブル3aが記憶されていて、システム制御部2は、文字列を画情報に変換する場合には、フォントテーブル3aを参照する。
RAM4は、前述したようにシステム制御部2の作業領域として使用されるランダムアクセスメモリである。なお、RAM4は、図示しないバックアップ用回路によりバックアップされており、装置電源遮断時にも記憶内容は保持される。
また、RAM4には、図2に示すように、通信管理情報記憶手段としての通信管理テーブル4bが記憶されると共に、文書識別情報となる文書番号を生成する文書番号カウンタC1及び文書番号カウンタC2、並びに、フラグ設定情報のためにそれぞれ記憶領域4b、4c及び4dが確保されている。
図1に戻って、スキャナ5は、3.85本/mm、7.7本/mm、15.4本/mm等の所定の読み取り線密度で原稿文書を読み取って文書データとしての画情報を得るためのものである。プロッタ6は、受信した文書データとしての画情報を、その線密度に応じて記録出力したり、スキャナ5で読み取った画情報を、その線密度に応じて記録出力(コピー動作)するためのものである。
時計回路7は、現在の日付及び時刻を計時するためのもので、システム制御部2は、時計回路7を読み出すことで、現在の日付及び時刻を得ることができる。
蓄積メモリ8は、送受信文書データの一時蓄積のために使用されるものである。
操作表示部9は、相手先ファクシミリ番号を指定するためのテンキー、スタートキー、ワンタッチダイヤルキー、及び、その他各種キーが配設される一方、液晶表示装置等の表示器を備え、ユーザに知らせるべき装置の動作状態や、各種メッセージを表示するものである。
図3に、本本発明を実施するための最良の形態と直接関係する部分以外は、図示を省略した操作表示部9の配置構成例を示す。
同図において、テンキー9aは、送信相手先ファックス番号等を直接指定したりする際の番号入力のために用いられるものである。[Yes]キー9b及び[No]キー9cは、ユーザに決定または取消の各種選択をさせるためのキーである。[ストップ]キー9dは、各種動作の強制的な停止を指示するためのものである。[スタート]キー9eは、ファクシミリ送信動作の開始や、コピー動作の開始を指示するためのものである。[ファンクション]キー9fは、ワンタッチダイヤルの登録機能、短縮ダイヤルの登録機能、ユーザパラメータの設定機能や、ファクシミリ装置1の標準的なファクシミリ装置としての機能以外の、時刻指定送信、部門コード指定送信、親展送信等の拡張的な機能を呼び出すためのもので、この[ファンクション]キー9fを押下して、テンキー9aにより、各機能に対応した番号を入力することで、各機能を呼び出して実行することができる。
カーソルキー群9gは、[下矢印]キー9gd、[左矢印]キー9gl、[右矢印]キー9gr、及び、[上矢印]キー9guにより構成されている。[下矢印]キー9gd及び[上矢印]キー9guは、各キーの押下に応じて、表示器9hの表示内容を変更したり、表示内容を上下にスクロールしたりするものである。また、[左矢印]キー9gl及び[右矢印]キー9grは、各キーの押下に応じて、表示器8hに表示された項目や機能等を選択するものである。表示器9hは、ユーザに知らせるべき装置の動作状態や、各種メッセージを表示するものである。
図1に戻って、符号化復号化部10は、送信文書データを、G3ファクシミリに適合する、MH符号化方式、MR符号化方式、MMR符号化方式等の所定の符号化方式で符号化圧縮する一方、受信文書データをMH符号化方式、MR符号化方式、MMR符号化方式等に対応する所定の復号化方式で復号伸長するものである。モデム11は、G3ファクシミリモデムであり、網制御部12を介して公衆網に送信するデータを変調する一方、網制御部12を介して公衆網から受信した信号を復調するものである。また、モデム11は、入力されたダイヤル番号に対応してDTMF信号の送出も行う。網制御部12は、公衆網に接続されて、回線の直流ループの閉結・解放や、回線の極性反転の検出、回線解放の検出、発信音の検出、ビジートーン等のトーン信号の検出、呼出信号の検出等の回線との接続制御や、ダイヤルパルスの生成を行うものである。システムバス13は、上記各部がデータをやり取りするための信号ラインである。
次に、ファクシミリ装置1における文書番号印字モード設定処理手順ついて図4を参照して説明する。
同図において、システム制御部2は、[ファンクション]キー9fの押下と、テンキー9aによる番号「10」の入力の組み合わせ操作により、文書識別情報可視出力モードとしての文書番号印字モードの設定モードが起動されるかを監視していて(判断101のNoループ)、受信文書印字モード設定モードが起動されると(判断101のYes)、表示器9hに、図5に示す表示D10を表示し、受信文書に、文書番号を印字「する」か「しない」かを[←]キー9glまたは[→]キー9grの押下により選択して[Yes]キー9bを押下するように促す(処理102)。
そして、ユーザにより[←]キー9glまたは[→]キー9grが押下されるごとに、表示D10においてカーソル(下線)を文字列「する」または「しない」に移動させると共に、現在のカーソル位置を記憶するカーソル制御を行いつつ(処理103)、[Yes]キー9bが押下されるまで待つ(判断104のNoループ)。
[Yes]キー9bが押下されると(判断104のYes)、現在のカーソル位置を判断し(判断105)、「する」である場合には、文書番号印字モード設定フラグFiを1にセットし(処理106)、「しない」である場合には、フラグFiを0にリセットする(処理107)。なお、フラグFiは、RAM4のフラグ設定情報の記憶領域4dに記憶される。
これにより、後述する受信ファイル処理において、文書番号を受信文書に付加して印字するか否かをユーザの所望することろに応じて任意に設定することができる。
次に、ファクシミリ装置1における文書番号割当モード設定処理手順ついて図6を参照して説明する。
同図において、システム制御部2は、[ファンクション]キー9fの押下と、テンキー9aによる番号「20」の入力の組み合わせ操作により、文書識別情報生成モードとしての文書番号割当モードの設定モードが起動されるかを監視していて(判断201のNoループ)、受信文書印字モード設定モードが起動されると(判断201のYes)、表示器9hに、図7に示す表示D20を表示し、受信番号の割り当てを、「送受信共に」行うか、「受信のみ」について行うか、または、「送受信別に」行うかを[←]キー9glまたは[→]キー9grの押下により選択して[Yes]キー9bを押下するように促す(処理202)。
そして、ユーザにより[←]キー9glまたは[→]キー9grが押下されるごとに、表示D20においてカーソル(下線)を文字列「送受信共に」、「受信のみ」、または、「送受信別に」に移動させると共に、現在のカーソル位置を記憶するカーソル制御を行いつつ(処理203)、[Yes]キー9bが押下されるまで待つ(判断204のNoループ)。
[Yes]キー9bが押下されると(判断204のYes)、現在のカーソル位置を判断し(判断205)、「送受信共に」である場合には、文書番号割当モード設定フラグFwを0にセットし(処理206)、「受信のみ」である場合には、フラグFwを1にセットし(処理207)、「送受信別に」である場合には、フラグFwを2にセットする(処理208)。なお、フラグFwは、RAM4のフラグ設定情報の記憶領域4dに記憶される。
これにより、後述する送受信処理における文書番号の割り当ての態様をユーザの所望することろに応じて任意に設定することができる。
次に、ファクシミリ装置1における送受信処理手順について、図8及び図9を参照して説明する。
それらの図において、システム制御部2は、公衆網を介した着信があるか、または、スキャナ5に原稿がセットされるかを監視する(判断301のNo、判断302のNoループ)。
そして、着信があった場合は(判断301のYes)、回線を閉結して、送信元装置との間で、公衆網を介した回線を確立することにより応答した後(処理303)、文書番号カウンタC1をインクリメントすることにより、今回着信した文書データ受信に係る通信について、文書番号を新たに生成する(処理304)。
そして、時計回路7から現在日時(日付と時刻)を通信開始日時として読み出し(処理305)、通信時間の計時を開始して(処理306)、着信に応答してG3ファクシミリプロトコルに基づいた伝送前手順を実行する(処理307)。その処理307の伝送前手順では、送信端末識別信号TSIとして送信元識別情報が通知される。また、処理307の伝送前手順では、各メーカ独自の仕様の送信元名称等の情報が通知が非標準の制御信号により通知される場合もある。
処理307の後もG3ファクシミリプロトコルに基づく伝送制御手順を継続してファクシミリメッセージとして文書データを受信・記憶するファクシミリ受信処理を行う(処理308)。
なお、本発明を実施するための最良の形態では、受信文書データを受信と並行してプロッタ6により記録紙に印字出力する、いわゆる直接受信ではなく、いったん蓄積メモリ8に受信文書データを受信・蓄積して、文書データ受信に係る通信の終了後にプロッタ6により記録紙に印字力する、いわゆるメモリ受信により、受信文書データを受信・印字する。なお、処理308のファクシミリ受信処理は、通信エラー等が発生することなく正常に終了することもあるし、通信エラー等が発生したために異常終了することもある。
メモリ受信された文書データは、図11に示すように、文書ファイルとして蓄積メモリ8に蓄積・記憶される。蓄積メモリ8に蓄積される受信文書ファイルは、図12に示すように、処理304で生成された文書番号カウンタC1の計数値が文書番号として付されたファイルで、符号化方式、線密度等の受信文書データをプロッタ6により印字出力際に必要となる属性情報が文書データに付加された構成となっている。
さて、処理308が完了して、文書データ受信に係る通信が終了すると、当該通信についての通信管理情報を作成して、文書番号としてのカウンタC1の計数値と対応付けて通信管理テーブル4aに登録する(処理309)。
判断302において、原稿がセットされると(判断302のYes)、図9の判断401に移行し、操作表示部9を介した宛先の指定入力があるかを監視し(判断401のNoループ)、宛先の指定入力がなされると(判断401のYes)、更に、送信開始を指示する[スタート]キー9bが押下されるかを監視し(判断402のNoループ)、[スタート]キー9bが押下されて送信開始が指示されると(判断402のYes)、フラグFwの値を確認する(判断403)。
そして、フラグFwの値が「0」の場合、すなわち、文書番号を「送受信共に」割り当る設定になっている場合には、文書番号カウンタC1をインクリメントして(処理404)、処理406に移行する。なお、文書番号カウンタC1は、文書データ受信に係る通信についても、図8の処理304によりインクリメントされる、兼用のものであるため、フラグFwの値が「0」に設定されている場合には、各通信に係る文書データには、受信に係るものかまたは送信に係るものかによらず、共通の番号系列の文書番号が付されることになる。
フラグFwの値が「1」の場合、すなわち、文書番号を「受信のみ」に割り当る設定になっている場合には、文書番号カウンタC1もC2もインクリメントすることなく、処理406に移行する(処理404)。なお、フラグFwの値が「1」の場合は、文書番号カウンタC1のみが、文書データ受信に係る通信について図8の処理304によりインクリメントされるため、受信に係る文書データについてのみ、単一の番号系列の文書番号が連番で付されることになる。
フラグFwの値が「2」の場合、すなわち、文書番号を「送受信別に」割り当る設定になっている場合には、文書番号カウンタC2をインクリメントして(処理404)、処理406に移行する。なお、フラグFwの値が「2」の場合は、文書番号カウンタC2が、文書データ受信に係る通信についてのみ図8の処理304によりインクリメントされる文書番号カウンタC1とは独立に、文書データ送信に係る通信についてのみインクリメントされるため、受信に係る文書データについては単一の番号系列の文書番号が連番で付されることになる一方、送信に係る文書データについても、受信に係る文書データとは別系列の文書番号が連番で付されることになる。
処理406では、判断302においてスキャナ5にセットされた原稿を読み取り、得られた送信文書データを蓄積メモリ8にいったん蓄積する(処理406)。その場合の送信文書データの蓄積形式は、図11及び図12に示すような受信文書データの場合と同様の形式であるが、判断403において、フラグFwの値が「2」の場合には、受信専用となるカウンタC1と、送信専用となるカウンタC2の計数値とが一致してしまう場合もあるため、その場合には、送受信の別を示す識別情報を文書ファイルに追加して互いに識別できるようにする必要がある。また、本発明を実施するための最良の形態では、送信文書データをスキャナ5による読み取りと並行して送信する、いわゆる直接送信ではなく、いったん蓄積メモリ8に送信文書データを読取・蓄積してから送信するいわゆるメモリ送信により、文書データを読取・送信する。
さて、処理406の後は、判断401で指定された送信宛先に発呼し(処理407)、図10の処理501に移行する。
図10の処理501では、時計回路7から現在日時(日付と時刻)を通信開始日時として読み出し(処理501)、通信時間の計時を開始して(処理502)、G3ファクシミリプロトコルに基づいた伝送前手順を実行する(処理503)。その処理503の伝送前手順では、図8の処理307において相手先から送信元識別情報の通知を受けたように、送信端末識別信号TSIとして、RAM4に予め登録記憶しておいた自局識別情報が送信される。
処理502後もG3ファクシミリプロトコルに基づく伝送制御手順を継続して処理406で読取・蓄積した文書データの画情報をファクシミリメッセージとして送信するファクシミリ送信処理を行う(処理504)。なお、処理504のファクシミリ送信処理は、通信エラー等が発生することなく正常に終了することもあるし、通信エラー等が発生したために異常終了することもある。
さて、処理504が完了して、文書データ送信に係る通信が終了すると、当該通信についての通信管理情報を作成して(処理505)、フラグFwの値を確認する(判断506)。
そして、フラグFwの値が「0」の場合、すなわち、文書番号を「送受信共に」割り当る設定になっている場合には、処理404でインクリメントした、文書番号としてのカウンタC1の計数値と対応付けて、処理505で作成した通信管理情報を、通信管理テーブル4aに登録して(処理507)、処理510に移行する。
フラグFwの値が「1」の場合、すなわち、文書番号を「受信のみ」に割り当る設定になっている場合には、文書番号との対応付けなしに、処理505で作成した通信管理情報を、通信管理テーブル4aに登録して(処理508)、処理510に移行する。
フラグFwの値が「2」の場合、すなわち、文書番号を「送受信別に」割り当る設定になっている場合には、処理405でインクリメントした、文書番号としてのカウンタC2の計数値と対応付けて、処理505で作成した通信管理情報を、通信管理テーブル4aに登録して(処理509)、処理510に移行する。
処理510では、処理504においてファクシミリ送信処理を行った送信文書ファイルを蓄積メモリ8から削除する(処理510)。
このように、送信または受信に係る通信が行われることに、当該通信に関して得られた通信管理情報に、設定された文書番号割当モードに応じて、文書番号が生成され対応付けられて、通信管理テーブル4aに登録されることになる。
ここで、図8ないし図10に示した送受信処理において、文書データ送信または受信に係る各通信について作成された通信管理情報が登録された通信管理テーブル4bの具体的な内容例を、図13、図14及び図15にそれぞれ示す。
なお、図13に示すものは、文書番号割当フラグFwが「送受信共に」を示す「0」に設定されている場合のものであり、図14に示すものは、文書番号割当フラグFwが「受信のみ」を示す「1」に設定されている場合のものであり、図15に示すものは、文書番号割当フラグFwが「送受信別に」を示す「2」に設定されている場合のものである。
それらの各図に示す通信管理テーブル4aは、各通信に対応するレコード番号に対応した通信管理情報及び文書番号のレコードの集まりとして構成されている点は共通であるが、各通信管理情報に対応する文書番号の付与形態が異なる。
各図の通信管理テーブル4aにおいて、各レコード番号に対応する通信管理情報は、通信の種別が送信または受信のいずれであるかを示す「送受信」、各通信を行ったときの日付を示す「通信日付」、各通信を開始した時点の時刻を示す「通信開始時刻」、G3ファクシミリプロトコルの被呼端末識別信号CSI、発呼端末識別信号CIG、送信端末識別信号TSI等により得られる通信相手先の識別情報を示す「通信相手先」、相手先と通信した際の交信モードを示す「交信モード」、通信に要した時間を示す「通信時間」、通信した画情報のページ数を示す「通信枚数」、通信結果が正常終了したか(OK)、または、正常終了しなかったか(E)を示す「通信結果」の各フィールドから構成されている。
なお、「交信モード」のフィールドの文字列「G3」は、G3ファクシミリプロトコルで交信したことを示し、文字「E」は、G3ファクシミリプロトコルの付加機能であるECM(Error Correcting Mode)機能を併用して交信したことを示し、文字「S」、「D」「F」は、それぞれ、送受信された画情報の線密度が3.85本/mm(ふつう字)、7.7本/mm(小さな字)、15.4本/mm(細かい字)の各線密度であったことを示し、文字「M」は、メモリ送信またはメモリ受信が行われたことを示すものである。
それらの各通信管理情報に付与される「文書番号」は、図13に示すものについては、通信の種別が送信または受信に関わらず、通信が行われた順に、「0000」、「0001」、…、「9998」、「9999」、「0000」というように循環的にインクリメントされる4桁の番号であり、「文書番号」の順番が、通信が行われた順を示すが、送信のみに限れば、「0111」の次は「0114」というように、間に受信に割り当てられた番号が存在するためにとびとびの番号となる一方、受信のみに限れば、「0113」の次は「0115」というように、間に送信に割り当てられた番号が存在するためにとびとびの番号となることがある。
また、図14に示すものについては、各通信管理情報に付与される「文書番号」は、通信の種別が受信のものについてのみ、通信が行われた順に、「0000」、「0001」、…、「9998」、「9999」、「0000」というように循環的にインクリメントされる4桁の番号であり、「文書番号」の順番が、受信が行われた順を示すが、送信のみに限れば、文書番号は付与されない一方、受信のみに限れば、「0111」の次は必ず「0112」というように、間の番号が送信に割り当てられることがなく必ず連番となる。
また、図15に示すものについては、各通信管理情報に付与される「文書番号」は、通信の種別が受信のものについては、通信が行われた順に、「0000」、「0001」、…、「9998」、「9999」、「0000」というように循環的にインクリメントされる4桁の番号であり、「文書番号」の順番が、受信が行われた順を示すと共に、「0111」の次は必ず「0112」というように、間の番号が送信に割り当てられることがなく必ず連番となり、通信の種別が送信のものについても、通信が行われた順に、「0000」、「0001」、…、「9998」、「9999」、「0000」というように循環的にインクリメントされる4桁の番号であり、「文書番号」の順番が、送信が行われた順を示すと共に、「0110」の次は必ず「0111」というように、間の番号が受信に割り当てられることがなく必ず連番となる。
それらの各レコード番号に対応する通信管理情報のうち「送受信」のフィールドが「受信」のものは、図8の処理309により登録されたもので、「通信日付」として、処理305で読み出した通信開始日付が登録される。また、「通信開始時刻」として、処理305で読み出した通信開始時刻が登録される。また、「通信相手先」として、処理307の伝送前手順で受信した送信元識別情報が登録される。また、「交信モード」としては、処理308のファクシミリ受信処理が行われた際に設定された交信モードが登録される。また、「通信時間」としては、処理306で計時を開始した通信時間の、回線を切断するまでの累積計時時間が登録される。また、「通信枚数」としては、受信した文書データ画情報のページ数が登録される。また、「通信結果」としては、処理308のファクシミリ受信処理が正常終了したか否かに応じて「OK」または「E」が登録される。
また、それらの各レコード番号に対応する通信管理情報のうち「送受信」のフィールドが「送信」のものは、図10の処理507、処理508または処理509により登録されたもので、「通信日付」として、処理501で読み出した通信開始日付が登録される。また、「通信開始時刻」として、処理501で読み出した通信開始時刻が登録される。また、「通信相手先」として、処理503の伝送前手順で被呼端末識別信号CSI等により通知された送信先識別情報が登録される。また、「交信モード」としては、処理504のファクシミリ送信処理が行われた際に設定された交信モードが登録される。また、「通信時間」としては、処理502で計時を開始した通信時間の、回線を切断するまでの累積計時時間が登録される。また、「通信枚数」としては、送信した文書データ画情報のページ数が登録される。また、「通信結果」としては、処理504のファクシミリ送信処理が正常終了したか否かに応じて「OK」または「E」が登録される。
次に、図8の処理308により蓄積メモリ8に受信蓄積された受信文書ファイルに関する処理手順について、図16を参照して説明する。
同図において、システム制御部2は、蓄積メモリ8にまだ未処理の受信文書ファイルがあるかを確認し(判断601のNoループ)、未処理の受信文書ファイルが1つまたは複数ある場合には(判断601のYes)、未処理の受信文書ファイルのうちの1つを処理対象のファイルとして選択する(処理602)。
そして、文書番号印字モード設定フラグFiの値が1か否か、すなわち、文書番号を受信文書に付加して印字するモードに設定されているか否かを確認する(判断603)。
フラグFiの値が1の場合には、処理602において選択した受信文書ファイルの文書番号、すなわち、当該受信文書の受信に係る通信について登録された通信管理情報に対応する文書番号が、処理602で選択した受信文書に付加された態様で、当該受信文書をプロッタ6により記録紙に印字することにより可視出力して(処理604)、処理606に移行する。処理604は、具体的には、文書番号印字用の文字コード列を作成して、フォントテーブル3aを参照しつつフォント展開して得られたビットデータを、受信文書の画情報中の挿入部分のビットデータと置換して印字するか、または、受信文書の画情報に付加して印字することにより行う。
フラグFiの値が1ではなく0の場合には、処理602において選択した受信文書のみをプロッタ6により記録紙に印字することにより可視出力して(処理605)、処理606に移行する。
処理606では、印字済みの受信文書ファイルを削除する(処理606)。
このように、文書番号印字モードの設定に応じて、文書番号を受信文書に付加して、または、付加しないで印字することができる。なお、メモリ受信ではなく直接受信の場合でも、文書データの受信と同時に文書番号の付加印字処理を行うことで、メモリ受信の場合と同様に、文書番号印字モードの設定に応じて、文書番号を受信文書に付加して、または、付加しないで印字することができるのはいうまでもない。
図17に、処理604により文書番号が付加した受信文書の印字例を示す。
同図に示す印字された受信文書は、文書番号割当モードが「送受信別」に設定されていて、図15に示したように、各通信について、送受信独立した系列の文書番号が割り当てられる場合のもので、同一の文書番号が、送信及び受信に付されてしまうこともあって単に文書番号のみを印字したのでは紛らわしいため、「受信」を示す識別文字「R」を正味の4桁の文書番号の先頭に付加するようにしている。文書番号割当モードが「送受信共に」または「送受信別に」の場合には、同一の文書番号が、送信及び受信に付されることはないため、「受信」を示す識別文字を特に付す必要はないが、付すようにして、ユーザが容易に識別できるようにしてもよい。
そのように、文書番号が受信文書と一体的に印字されるため、手元に受信文書があれば対応する文書番号をすぐに確認できるため、印字された受信文書に対して発行された文書番号を容易に確認することができる。
なお、図17においては、受信文書の先頭のページの上端の余白部分のうちの、送信側において送信日時や送信元のファックス番号等が埋め込まれてくることが多い上端の1行分を避けて、2行目の位置に文書番号を印字して、送信側が埋め込む情報と重ならないようにしている。
また、文書番号を付加する位置としては、ページ下端等のその他の位置でもよく、また、受信文書の先頭ページの印字に先だって、文書番号付加用の行を印字後に、受信文書を印字するようにしてもよい。
また、受信文書データが画情報である場合に限らず、例えばG3ファクシミリの拡張機能であるBFT(Binary File Transfer)機能により、テキスト形式の文書データを受信したような場合には、文書番号の文字コード列を、文字コードレベルで、受信文書データの文字コード列に埋め込んだり、受信文書データの文字コード列に付加した後に、全体をフォント展開して印字したりすることで、文書番号を受信文書データに付加して印字することができる。
また、本発明を実施するための最良の形態では、受信文書の可視出力形態がプロッタ6による記録紙への印字の場合に本発明を適用しているが、本発明は、それに限らず、受信文書を、例えば表示器9hに表示したりするような受信文書の可視出力形態である場合にも適用可能である。また、ファックスモデムとパーソナルコンピュータとにより構成されるようなファクシミリシステムにおいて、受信文書をパーソナルコンピュータのディスプレイモニタに表示出力したりするような受信文書の可視出力形態である場合にも適用可能である。
さて、そのように、印字される各受信文書に文書番号が付加される一方で、ファクシミリ装置1においは、図18に示す通信管理レポート出力処理手順が行われる。
同図において、システム制御部2は、操作表示部9を介して[ファンクション]キー9fの押下と、テンキー9aによる番号「50」の入力の組合せ操作があるか、すなわち、通信管理レポート出力モードが起動されるか、または、通信管理テーブル4aに、登録可能件数の上限の一定件数(例えば50件)の通信管理情報が蓄積されたかを監視し監視する(判断701のNo、判断702のNoループ)。
そして、通信管理レポート出力モードが起動されると(判断701のYes)、通信管理テーブル4aの登録内容に基づいてレポート画情報を作成し(処理703)、その作成したレポート画情報をプロッタ6により記録紙に記録出力することにより可視出力する(処理704)。して、なお、その場合のレポート画情報の可視出力形態としては、操作表示部9の表示器9gへの表示によるものであってもよい。
一定件数の通信管理情報が蓄積されると(判断702のYes)、通信管理テーブル4aの登録内容に基づいてレポート画情報を作成し(処理705)、その作成したレポート画情報をプロッタ6により記録紙に記録出力することにより可視出力する(処理706)。そして、出力済みの通信管理テーブル4aの登録内容をクリアする(処理707)。
図19、図20及び、図21に、処理703または処理706により記録出力される通信管理レポート例について示す。
それらの通信管理レポートのうち、図19に示すものは、文書番号割当モード設定フラグFwが0に設定されている場合に、図13に示す通信管理テーブル4aに基づいて作成・出力されたものである。
図19では、送受信共用の単一の番号系列で生成された文書番号が各通信管理情報に対応付けて記されている。なお、図19においては、図20及び図21についても同様であるが、送信に係る通信と、受信に係る通信とを分けて記載しているが、分けないで、通信順に送受信混在で記載する形態もある。
図19に示すような、互いに異なる文書番号がそれぞれの通信管理情報と対応付けられて通信管理レポート記載される一方、印字された受信文書には、図17に示したように文書番号が付加されるため、文書番号を介して、通信管理レポートに記載された各通信管理情報に対応する受信文書を厳密に対応付けることができる。
また、通信管理レポート中の受信に係る通信管理情報に付される文書番号の順番は、受信が行われた順番を反映しているため、受信文書の受信順の管理も容易に行うことができる。
図20に示すものは、文書番号割当モード設定フラグFwが1に設定されいる場合に、図14に示す通信管理テーブル4aに基づいて作成・出力されたものである。
図20では、受信専用の単一の番号系列で生成された文書番号が受信に係る各通信管理情報に対応付けて記されている。
図20に示すような、互いに異なる文書番号がそれぞれの通信管理情報と対応付けられて通信管理レポート記載される一方、印字された受信文書には、図17に示したように文書番号が付加されるため、文書番号を介して、通信管理レポートに記載された各通信管理情報に対応する受信文書を厳密に対応付けることができる。
また、通信管理レポート中の受信に係る通信管理情報に付される文書番号の順番は、受信が行われた順番を反映しているばかりでなく、一部の番号が送信に係る通信に割り当てられることもないため欠番がない。そのため、受信文書の受信順の管理を容易に行うことができるばかりでなく、通信管理レポートに文書番号が記載されているのに手元にない受信文書の有無を容易に確認でき、重要な受信文書の紛失の防止に役立てることができる。
図21に示すものは、文書番号割当モード設定フラグFwが2に設定されいる場合に、図15に示す通信管理テーブル4aに基づいて作成・出力されたものである。
図21では、受信及び送信について互いに独立した番号系列で生成された文書番号が受信及び送信にそれぞれ係る各通信管理情報に対応付けて記されている。また、受信及び送信で同一の文書番号が生じても識別できるように、受信に係る文書番号については識別文字「R」を付加し、送信に係る文書番号については識別文字「T」を付加している。
図21に示すような、互いに異なる文書番号がそれぞれの通信管理情報と対応付けられて通信管理レポート記載される一方、印字された受信文書には、図17に示したように文書番号が付加されるため、文書番号を介して、通信管理レポートに記載された各通信管理情報に対応する受信文書を厳密に対応付けることができる。
また、通信管理レポート中の受信に係る通信管理情報に付される文書番号の順番は、受信が行われた順番を反映しているばかりでなく、一部の番号が送信に係る通信に割り当てられることもないため欠番がない。そのため、受信文書の受信順の管理を容易に行うことができるばかりでなく、通信管理レポートに文書番号が記載されているのに手元にない受信文書の有無を容易に確認でき、重要な受信文書の紛失の防止に役立てることができる。
また、送信に係る通信管理情報についても文書番号が付され、その付される文書番号の順番は、送信が行われた順番を反映しているばかりでなく、一部の番号が受信に係る通信に割り当てられることもないため欠番がないため、送信に係る通信管理情報を送信に係るものと独立して管理することができるようになる。
なお、以上説明した本発明を実施するための最良の形態においては、本発明を通信端末装置の1つであるファクシミリ装置に適用したが、本発明はそれに限らず、画情報やテキストデータ等の文書データの通信を行う通信端末装置であれば、同様に適用可能なものである。また、本発明は、通信端末装置が文書データの通信を行う媒体やプロトコルにより限定されるものではなく、インターネット等を介して文書データの通信を行うようなその他の通信端末装置に対しても同様に適用可能なものである。