JP2005286013A - 太陽電池セルの製造方法及び太陽電池セル - Google Patents

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Abstract

【課題】反りが低減された割れの発生の少ない太陽電池セルを、基板にダメージを与えず、且つ生産性高く、低コストで製造する方法及び太陽電池セルを提供する。
【解決手段】半導体基板から太陽電池セルを製造する方法であって、少なくとも、前記基板の表面に光を受光するためのpn接合を形成し、裏面に電力取出し用の裏面電極を形成した後、前記太陽電池セル基板に生じた反りを打消すように該太陽電池セル基板を支持台に保持し、前記裏面電極に複数の溝を形成することを特徴とする太陽電池セルの製造方法、及び少なくとも半導体基板の表面に光を受光するためのpn接合が形成され、裏面に電力取出し用の裏面電極が形成された太陽電池セルであって、前記裏面電極は複数の溝が形成されたものであり、該溝は、長手方向が前記太陽電池セルの反りの曲率が最大である方向に対して70〜110度の角度をなすように形成されたものであることを特徴とする太陽電池セル。
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽電池セルの製造方法及び太陽電池セルに関するものであり、特に反りが低減された割れの発生の少ない太陽電池セルの製造方法及び太陽電池セルに関する。
太陽電池セルは、シリコン等の半導体基板の表面(受光面)に光を受光するためのpn接合が形成され、その上には電力取り出し用の電極が互いに平行に複数形成されており、裏面には電力取り出しと入射光の反射を目的として、裏面電極がほぼ全面に作製されている。これらの電極作製方法には主に次の2種類の方法が用いられている。
1)真空蒸着、スパッタ
2)スクリーン印刷
真空蒸着やスパッタでは、真空雰囲気中で金属粒子を基板に付着させ金属膜を作製する。また、スクリーン印刷では、導電性ペーストを基板に印刷し、その後の焼成によって導電性ペーストを固化、接着させる。
しかし、前記の方法では、次のような問題点がある。
すなわち、前記の方法により作製された裏面電極と基板との間の熱収縮率の違いから、裏面電極作製工程後に裏面電極内に残留応力が生じ、太陽電池セル基板に反りが発生する。この反りは、電極材料の方が成膜後の冷却過程で基板よりも大きな収縮をすることから、裏面が凹形状になるように発生する。さらに、この反りは、基板厚が薄い場合や大面積の基板を用いた場合により大きく現れる。この基板の反りの出現により、太陽電池セルの製造工程において太陽電池セル基板のハンドリング作業が困難となるため、太陽電池セル基板の割れが誘発され、太陽電池セルの歩留まりが低下する。
この反りの低減のために、裏面電極を厚み方向に一部除去する技術が開示されている(特許文献1参照)。裏面電極の除去方法としてブラスト法と反応性イオンエッチング法が開示されている。
しかし、ブラスト法では基板にダメージを与えるおそれがあり、反応性イオンエッチング法では除去速度が遅く生産コストが高いといった問題点がある。
また、金属ペーストで裏面電極を形成する場合に、電極を形成しない部分に切り欠き部を形成したり、金属ペーストの塗布時や焼成後の冷却前に裏面電極に溝を形成し、反りを防止する技術が開示されている(例えば特許文献2参照)。
特開2002−353476号公報 特開2000−114556号公報
本発明は、反りが低減された割れの発生の少ない太陽電池セルを、基板にダメージを与えず、且つ生産性高く、低コストで製造する方法及び太陽電池セルを提供することを目的とする。
上記目的達成のため、本発明は、半導体基板から太陽電池セルを製造する方法であって、少なくとも、前記基板の表面に光を受光するためのpn接合を形成し、裏面に電力取り出し用の裏面電極を形成した後、前記太陽電池セル基板に生じた反りを打ち消すように該太陽電池セル基板を支持台に保持し、前記裏面電極に複数の溝を形成することを特徴とする太陽電池セルの製造方法を提供する(請求項1)。
このように、裏面電極を形成した後、太陽電池セル基板に生じた反りを打ち消すように太陽電池セル基板を支持台に保持すると、反りによりある程度緩和していた裏面電極内の残留応力が再び発現するので、この状態で裏面電極に複数の溝を形成すれば、溝によって裏面電極内の残留応力が緩和するので、残留応力を効果的に低減でき、反りの少ない太陽電池セルを製造できる。
この場合、前記太陽電池セル基板を、前記裏面電極が凸となるように前記支持台に保持することが好ましい(請求項2)。
このように、太陽電池セル基板を、裏面電極が凸となるように支持台に保持すれば、確実に反りを打ち消すように保持でき、溝形成による裏面電極内の残留応力の低減効果をより高いものとできる。
また、前記支持台を、凸状支持台、または少なくとも前記太陽電池セル基板の中央部と両端部の3ケ所を支持できるローラ群からなるものとすることが好ましい(請求項3)。
このように、支持台を凸状支持台とすれば、太陽電池セル基板を裏面電極が凸となるように支持台に保持することが容易にできる。また、支持台を少なくとも太陽電池セル基板の中央部と両端部の3ケ所を支持できるローラ群からなるものとすれば、太陽電池セル基板を裏面電極側が凸となった状態で保持し、ローラ群のころがりにより基板を移動させながら溝を形成することができ、また基板の搬送もできるので、溝形成加工の連続処理が可能となり、大量生産に対応することができる。
また、前記太陽電池セル基板を、真空吸着または前記セル両端部の押圧により前記凸状支持台に保持することが好ましい(請求項4)。
このように、太陽電池セル基板を真空吸着またはセル両端部の押圧により凸状支持台に保持すれば、太陽電池セル基板を裏面電極側が凸となるように支持台に保持することが容易にでき、効果的に反りを打ち消すことができる。
また、前記複数の溝を形成する際に、前記太陽電池セル基板を50〜500℃に加熱することが好ましい(請求項5)。
このように、複数の溝を形成する際に、太陽電池セル基板を50〜500℃に加熱すれば、太陽電池セル基板に生じた反りを打ち消すように太陽電池セル基板を支持台に保持した時に、太陽電池セル基板に応力が掛かって割れが発生するというおそれがないものとできる。
また、前記複数の溝を、前記基板に達する深さまで形成することが好ましい(請求項6)。
このように、複数の溝を基板に達する深さまで形成すれば、裏面電極内の厚さ方向全体にわたって残留応力の低減効果を高いものとできる。
また、前記複数の溝を、レーザ加工または研削加工により形成することが好ましい(請求項7)。
このように、複数の溝をレーザ加工または研削加工により形成すれば、基板にダメージを与えず、低コストで溝を形成できる。
また、前記複数の溝を、該溝の長手方向と前記太陽電池セル基板の反りの曲率が最大である方向とのなす角度が70〜110度となるように形成することが好ましい(請求項8)。
このように、複数の溝を、該溝の長手方向と太陽電池セル基板の反りの曲率が最大である方向とのなす角度が70〜110度、すなわち90±20度となるように形成すれば、ほぼ反りが最大で残留応力が最も強い方向に垂直に溝を形成することになるので、残留応力の低減効果をより高いものとできる。
また、本発明は、前記のいずれかの方法により製造されたものであることを特徴とする太陽電池セルを提供する(請求項9)。
このように、前記のいずれかの方法により製造された太陽電池セルであれば、基板にダメージがなく、反りが十分に低減され、割れの発生確率も十分に低減した、生産性の高い低コストな太陽電池セルとできる。
また、本発明は、少なくとも半導体基板の表面に光を受光するためのpn接合が形成され、裏面に電力取り出し用の裏面電極が形成された太陽電池セルであって、前記裏面電極は複数の溝が形成されたものであり、該溝は、長手方向が前記太陽電池セルの反りの曲率が最大である方向に対して70〜110度の角度をなすように形成されたものであることを特徴とする太陽電池セルを提供する(請求項10)。
このように、裏面電極が複数の溝が形成されたものであり、該溝が、長手方向が前記太陽電池セルの反りの曲率が最大である方向に対して70〜110度の角度をなすように形成された太陽電池セルであれば、反りが最大で残留応力が最も強い方向に対して垂直方向に溝が形成されているので、反りが十分に低減され、割れの発生確率も十分に低減した太陽電池セルとできる。
本発明に従う太陽電池セルの製造方法であれば、反りが低減された割れの発生の少ない太陽電池セルを、基板にダメージを与えず、且つ生産性高く、低コストで製造できる。また、本発明に従う太陽電池セルであれば、反りが十分に低減され、割れの発生確率も十分に低減した太陽電池セルとできる。このように反りが低減された太陽電池セルは、製造工程におけるハンドリングが容易になり、歩留まりの大幅な向上がはかられ、安価なものになる。
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は、本発明に係る方法により製造された太陽電池セルの断面構造の一例を概略的に示す断面概略図である。以下ではその製造方法について説明する。
まず、太陽電池セル20を製造する半導体基板として、例えばIII族元素のガリウムをp型の不純物元素として所定量ドープした太陽電池用のp型シリコン単結晶ウエハ1(例えば10cm角、面方位{100}、基板厚300μm、抵抗率0.5Ω・cmのものであるが、特にこれに限定されない)を用意し、水酸化カリウム水溶液によりエッチングして表面のダメージ層を取り除く。
さらにIPA(イソプロピルアルコール)を混合した水酸化カリウム水溶液により、反射防止構造であるテクスチャ構造を表面に形成する。
次に、熱酸化によりウエハ1の表面(図1において上側の面)及び裏面(図1において下側の面)に所定の厚さの酸化膜4を形成する。もしくは、受光面となる表面側にのみLPCVD(Laser Physical Vapor Deposition)法により窒化膜を形成しても良い。その後、受光面側の酸化膜をフッ酸水溶液によって除去する。
次に、POCl液体ソースを利用した熱拡散によって例えばV族元素であるリンをn型の不純物元素としたn拡散層5を受光面側に作製する。また、この工程は塗布拡散、もしくはイオン注入法によって行うこともできる。
このように、p型ウエハとその上に作製したn拡散層により、ウエハ1の表面に光を受光し起電するためのpn接合を形成する。
次に、裏面にレーザ加工、もしくは研削加工を施し、酸化膜4の一部を除去して酸化膜開口部6を設ける。
そして、裏面に対しアルミニウム等の金属の真空蒸着を施し、例えば厚さ5μmの裏面電極2を裏面のほぼ全面に形成する。この裏面電極2は、スパッタ等の成膜法によって形成されてもよい。また、従来のアルミニウムや銀等を含む導電性ペーストのスクリーン印刷、焼成法により裏面電極2を形成することも可能である。
このように形成された裏面電極2とウエハ1との間の熱収縮率の違いから、裏面電極作製工程後の冷却過程において裏面電極2の内部には残留応力が生じ、ウエハ1には裏面側が凹形状になるように反りが発生している。
次に、アルミニウム等の金属の真空蒸着により、受光面に複数の表面フィンガ電極7を互いに平行に形成する。このフィンガ電極も、スクリーン印刷法やスパッタによって形成してもよい。
なお、太陽電池セルとしてOECO(Obliquely Evaporated Contact)セルを製造する場合は、例えばテクスチャ構造を形成する前にダイサ等により表面に複数の凸条部を互いに平行に形成し、裏面電極形成後、アルミニウム等の金属を、ウエハに対して斜め方向から電子ビーム真空蒸着を行い、凸条部側面に金属を蒸着してフィンガ電極を形成する。
次に、入射光の反射防止と表面保護を兼ねて、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法等によって例えば膜厚70nmのシリコンナイトライド(Si)からなる反射防止膜8を受光面上に形成する。この反射防止膜8の成膜には、PVD法を用いてもよい。
最後に、裏面電極作製工程後に発生したウエハ1の反り低減のため、ウエハ1に生じた反りを打ち消すようにウエハ1を支持台に保持し、裏面電極2に複数の溝を形成する。
このように、ウエハ1を反りを打ち消すように支持台に保持すると、反りの発生によりある程度緩和していた裏面電極2内の残留応力が再び発現する。この状態で複数の溝を形成すれば、溝によって裏面電極2の残留応力が緩和するので、残留応力が効果的に低減され、ウエハ1を支持台から取り外しても反りが低減された状態となる。
図2から図4は、上記の保持方法、溝形成方法の例を示す断面概略図であり、図2は、ウエハを真空吸着して凸状支持台に保持し、レーザ加工により溝を形成する場合を示す断面概略図である。
このように、ウエハ1を、裏面電極2の方が凸となるように凸状の太陽電池セル支持台9に保持するので、容易且つ確実に反りを打ち消すように保持することができる。この場合、支持台9に具備した真空吸着装置(不図示)を用いて真空吸着によりウエハ1を保持しているので、ウエハを均一に保持でき、所定の溝を正確に形成することができ、裏面電極内の残留応力の低減効果をより高いものとできる。
そして、この状態で太陽電池セル基板にレーザ光10を照射して溝をレーザー加工により形成するので、ウエハにダメージを与えず、生産性高く低コストで溝を形成できる。またこのようにウエハにダメージを与えないので、太陽電池セルを高品質、高信頼性のものとできる。レーザ加工には、例えば炭酸ガスレーザ、エキシマレーザ、アルゴンレーザ、YAGレーザ等が用いられる。ここでは、取り扱い易い固体レーザであり、設備を小型化、低コスト化できる点から、特にYAGレーザが望ましい。
このとき形成する溝の幅は0.05〜1mm、深さは0.005〜0.05mmとできる。また、溝は長手方向に連続していなくても良く、例えば不連続な破線状であってもよい。また、溝の長手方向となるレーザ加工痕列がウエハのへき開方向と一致しない方向となるように溝を形成することが望ましい。これらの方向が一致しないように溝を形成すれば、ウエハの割れ確率を一層低減することが出来る。
一方、図3はウエハを凸状支持台に押さえ板でウエハ両端部を押圧して保持し、研削加工により溝を形成する場合を示す断面概略図である。
押圧は、例えばこのように溝形成のための開口部をもち、支持台9の形状に合うような曲線形状をもつ押さえ板12により施すことができる。この場合も、ウエハを均一に保持できるので所定の溝を正確に形成することができる。研削加工は研削砥石11により行なうことができ、研削砥石11としては、従来の基板加工用のダイサを用いることができ、ウエハにダメージを与えず、生産性高く低コストで溝を形成できる。
また図4は、ウエハの中央部と両端部をローラ群で保持し、レーザ加工により溝を形成する場合を示す断面概略図である。
この太陽電池セル保持・搬送用ローラ13は、ウエハ1の中央部と両端部を支持するローラ群からなるものであり、ローラにより裏面電極2の方が凸となった状態で保持し、ウエハ1を移動させながら溝を形成し、搬送することができるので、溝加工の連続処理が可能となり、大量生産に対応することができる。
上記でウエハの保持方法、溝形成方法を例示したが、保持方法、溝形成方法及びこれらの組み合わせは上記のものに限らず、任意に選択、組み合わせすることができる。
また、このように反りを打ち消すようにウエハを支持台に保持する際にウエハに応力が掛かり、割れが発生するおそれがあるが、溝を形成する際に、ウエハを50〜500℃に加熱すれば、割れが発生するおそれがなくなるので好ましい。
また、溝の長手方向と太陽電池セル基板の反りの曲率が最大である方向とのなす角度が70〜110度、すなわち90±20度となるように形成すれば、ほぼ反りが最大で残留応力が最も強い方向に対して垂直な方向に溝を形成することになるので、残留応力の低減効果を最も高いものとできる。図5は、レーザ加工によって溝を形成した太陽電池セルの断面構造と反りの曲率が最大である方向を示す概略図である。なお、90度であれば最も効果が高いが、20度程度ずれても応力の低減効果は十分にある。本発明では反りが生じた後に溝3を形成することができるので、反りの曲率が最大である方向を確認してから溝を形成することができ、確実に反りを低減することができる。
なお、例えばOECCセルの場合は、受光面側に複数の凸状部が形成されており、反りの曲率が最大である方向は凸状部の長手方向に垂直となる場合が多いので、溝と凸状部の長手方向が一致するように溝を形成すればよい。その他のウエハでは、例えば基板の外形等が反りの曲率が最大となる方向に影響を及ぼすと考えられるが、いずれにせよ反りの方向に応じて溝の長手方向を決めることができる。また、特にウエハが円板状である場合、反りは一方向のみに生じるとは限らず、いろいろな方向の反りが複合して生じる場合があるが、その中で曲率が最大の反りの方向と溝の長手方向とのなす角度が70〜110度となるように溝を形成すれば、反り減少の効果を最も高くすることができる。
この場合、溝をウエハに達する深さまで形成してもよい。図6は、レーザ加工によって溝を形成した太陽電池セルの断面構造を示す概略図であって、溝がウエハに達する深さまで形成された場合を示す概略図である。このように溝3をウエハに達する深さまで形成すれば、裏面電極内の厚さ方向全体にわたって残留応力の低減効果を高いものとできる。溝の深さは反りの大きさの程度等に応じて適宜決定すればよい。
上記のような方法で製造された本発明の太陽電池セル20は、ウエハにダメージがなく高品質、高信頼性であり、反りが十分に低減され、割れの発生確率も十分に低減した、生産性の高い低コストな太陽電池セルである。
特に、本発明の太陽電池セル20は、ウエハの表面にpn接合が形成され、裏面に裏面電極が形成された太陽電池セルであって、裏面電極は複数の溝が形成されたものであり、該溝は、長手方向が前記太陽電池セルの反りの曲率が最大で残留応力が最も強い方向に対して70〜110度の角度をなすように形成されたものである。従って、該太陽電池セルは、反りの大きさが溝を形成する前よりも大幅に低減されたものであり、割れの発生確率も大幅に低減した、生産性の高い太陽電池セルとなる。
以下に本発明の実施例および比較例をあげてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1、比較例1)
10cm角、面方位{100}、厚さ300μm、抵抗率0.5Ω・cmのガリウム添加p型シリコン単結晶ウエハに、熱拡散によりリンを添加した厚さ0.4μmのn拡散層を形成してpn接合を形成し、裏面にアルミニウムの真空蒸着を施して厚さ5μmの裏面電極を裏面の全面に形成した。そしてアルミニウムの真空蒸着により受光面にフィンガ電極を形成し、この上にさらにプラズマCVDにより膜厚70nmのシリコンナイトライドの反射防止膜を形成し、太陽電池セルを200枚作製した。これらの太陽電池セルには裏面が凹となった反りが発生していた。
次に、このように作製した太陽電池セルのうちの100枚を、反りを打ち消す方向で裏面側が凸になるように曲率半径2.5mの台の上に載せ、真空吸着を用いて台に全面を密着させた。
そして、YAGレーザを用いたレーザ加工により、裏面電極に連続する長さ10cm程度の溝を、裏面電極の反りの曲率が最大の方向と垂直の方向に20本形成した。
次に、ソーラーシミュレータ(光強度:1kW/m、スペクトル:AM(エアマス)1.5グローバル)を用いて、溝を形成した太陽電池セル(実施例1)と溝を形成しない太陽電池セル(比較例1)について出力特性を測定した。得られた出力特性の平均値を表1に示す。また、反りの大きさと太陽電池セル製作過程における歩留まりも示す。この結果から、実施例1の太陽電池セルは、比較例1の太陽電池セルに比べて出力が0.2W減少するのみである。一方、反りは減少し、歩留まりは16%向上した。
Figure 2005286013
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的思想に包含される。
本発明に係る方法により製造された太陽電池セルの断面構造の一例を概略的に示す断面概略図である。 ウエハを真空吸着して凸状支持台に保持し、レーザ加工により溝を形成する場合を示す概略断面図である。 ウエハを凸状支持台に押さえ板でウエハ両端部を押圧して保持し、研削加工により溝を形成する場合を示す概略断面図である。 ウエハの中央部と両端部をローラ群で保持し、レーザ加工により溝を形成する場合を示す概略断面図である。 レーザ加工によって溝を形成した太陽電池セルの断面構造と反りの曲率が最大である方向を示す概略図である。 レーザ加工によって溝を形成した太陽電池セルの断面構造を示す概略図であって、溝がウエハに達する深さまで形成された場合を示す概略図である。
符号の説明
1…シリコン単結晶ウエハ、 2…裏面電極、 3…溝、
4…酸化膜、 5…n拡散層、
6…酸化膜開口部、 7…表面フィンガ電極、
8…反射防止膜、 9…太陽電池セル支持台、
10…レーザ光、 11…研削砥石、
12…押さえ板、 13…太陽電池セル保持・搬送用ローラ、
20…太陽電池セル。

Claims (10)

  1. 半導体基板から太陽電池セルを製造する方法であって、少なくとも、前記基板の表面に光を受光するためのpn接合を形成し、裏面に電力取り出し用の裏面電極を形成した後、前記太陽電池セル基板に生じた反りを打ち消すように該太陽電池セル基板を支持台に保持し、前記裏面電極に複数の溝を形成することを特徴とする太陽電池セルの製造方法。
  2. 前記太陽電池セル基板を、前記裏面電極が凸となるように前記支持台に保持することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池セルの製造方法。
  3. 前記支持台を、凸状支持台、または少なくとも前記太陽電池セル基板の中央部と両端部の3ケ所を支持できるローラ群からなるものとすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の太陽電池セルの製造方法。
  4. 前記太陽電池セル基板を、真空吸着または前記セル両端部の押圧により前記凸状支持台に保持することを特徴とする請求項3に記載の太陽電池セルの製造方法。
  5. 前記複数の溝を形成する際に、前記太陽電池セル基板を50〜500℃に加熱することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の太陽電池セルの製造方法。
  6. 前記複数の溝を、前記基板に達する深さまで形成することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の太陽電池セルの製造方法。
  7. 前記複数の溝を、レーザ加工または研削加工により形成することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の太陽電池セルの製造方法。
  8. 前記複数の溝を、該溝の長手方向と前記太陽電池セル基板の反りの曲率が最大である方向とのなす角度が70〜110度となるように形成することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の太陽電池セルの製造方法。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の方法により製造されたものであることを特徴とする太陽電池セル。
  10. 少なくとも半導体基板の表面に光を受光するためのpn接合が形成され、裏面に電力取り出し用の裏面電極が形成された太陽電池セルであって、前記裏面電極は複数の溝が形成されたものであり、該溝は、長手方向が前記太陽電池セルの反りの曲率が最大である方向に対して70〜110度の角度をなすように形成されたものであることを特徴とする太陽電池セル。
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