JP2005285905A - SiC基板表面の平坦化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】短い時間でSiC基板表面を高精度に平坦化する。
【解決手段】エッチング速度がそれぞれ異なる2種類のエッチング効果を持ったガスクラスターイオンビームを段階的に照射してSiC基板表面をエッチングしつつ平坦化した後、酸素ガスを主成分としたガスクラスターイオンビームを照射する。
【選択図】図5

Description

本発明は、パワー半導体デバイスの材料、半導体製造プロセスにおけるダミーウエハなど種々の用途に用いられるSiC基板表面を高精度に平坦化する、SiC基板表面の平坦化方法に関する。
SiC(シリコンカーバイド;Siicon Carbide)結晶は非常に高い硬度を有しており、金属や半導体および非金属物質の表面の研磨に用いる研磨剤(砥粒)として広く用いられている。また、耐食性(耐酸性など)および耐熱性に優れており、半導体製造装置部品などのコーティング膜材料としても用いられている。
また、SiCの物性値は、Siと比較して、許容電界強度が約10倍、動作温度が約4倍と高いこと、また、Si半導体プロセスにもよく適応し従来の半導体製造技術が利用できるなどの特徴を有している。この特徴から、SiC結晶は、高電圧、大容量の次世代パワー半導体としても期待されており、SiC半導体素子の材料として、3C−SiC基板や4H−SiC基板など、ポリタイプの異なる種々のSiC基板(SiCウエハ)が開発・製造されている。
またSiC基板は、その耐食性および耐熱性から、Si半導体デバイスにおける、半導体製造装置の状態や各プロセスの実行結果のチェックのためのモニタウエハとしても使用されている。
高電圧、大容量のSiC半導体素子を製造するためには、現行のSi半導体デバイスのデザインルールに準じた微小なデザインルールでSiC基板を微細加工する必要がある。そのためには、SiC基板の表面は高精度に平坦化されている必要がある。
また、現行のSi半導体デバイスにおけるモニタウエハとして使用する際にも、SiCウエハ基板の表面は高精度に平坦化されている必要がある。これは、半導体製造装置の状態や各プロセスの実行結果のチェックのためにウエハ表面の非常に微細なパーティクルを検出する場合など、表面の平坦度が低ければ(表面粗さが大きければ)微細なパーティクルを検出することができないためである。
しかし、SiC結晶は、ダイヤモンドに次ぐといわれる非常に高い硬度を有するため、機械研磨やCMP(Chemo Mechanical Polishing)のみで超平坦な表面を作り出すのは困難である。これら研磨においては、ダイヤモンド砥粒を用いて研磨を行うが、砥粒、または脱離したSiC自身により、ウエハ表面にスクラッチ損傷を与え易いためである。
これまでのSiC研磨技術では、ダイヤモンド砥粒を用いた機械研磨のみ、または機械研磨とCMP(Chemo Mechanical Polishing)との併用によってSiC基板を研磨してきた。例えば、デザインルール0.13μmのSi半導体デバイスにおいては、モニタウエハ上の少なくとも0.1μmのパーティクル(ゴミ)を検出する必要がある。しかし、現状の量産対応のSiC基板研磨技術では、SiC基板表面の平均粗さがRa=20nm程度であるので、この表面粗さのモニタウエハでは0.1μmのパーティクル検出が出来ないことが確認されている。
少なくとも0.1μmのパーティクルを検出することができるレベルにまでSiC表面を平坦化するには、機械研磨とCMPのみでは、砥粒や薬品の種類、研磨条件を変更しつつ、段階的に非常に多くの回数を繰り返して研磨を行う必要があり、平坦な表面が得られるまでに非常に多くの時間がかかっていた。また、微小なスクラッチ傷を完全に除去することは出来ないままであった。
下記特許文献1には、高精度に平坦化された表面を有するSiC基板を短い時間で作製することができる、SiCモニタウエハの製造方法が開示されている。特許文献1では、機械研磨およびCMP研磨と併せてGCIB(Gas Cluster Ion Beam)をSiCウエハ基板表面に照射している。これにより、機械研磨とCMPのみでSiCウエハ基板表面を研磨する場合に比べて、短時間で高精度に平坦化された表面を有するSiC基板(SiCモニタウエハ)を得ることを可能にしている。
特開2003−249426号公報
図11は、特許文献1におけるSiCモニタウエハの製造方法の概略を示すフロー図である。特許文献1では、黒鉛基板にCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって、(111)結晶面を表面とする3C−SiC結晶を配向成長させ(図11中のステップ200)、SiC結晶を黒鉛基板から脱離(図11中のステップ202)する。そしてこの基板状SiC結晶の表面を機械研磨を行い、次にCMP研磨を行い、最後にGCIB照射をすることで、高精度に平坦化された表面を有するSiC基板を短い時間で作製している。このGCIBの照射は、第1段階目の照射としてCF4、SF6、NF3、CHF3などを主成分とするガスのガスクラスターイオンビーム照射を行い、更に第2段階の照射としてArガスを主成分とするガスクラスターイオンビームによって照射を行うことで、表面が高精度に平坦化されたSiC基板を短い時間で得られるとしている。
しかし、このような平坦化方法でも平坦化に要する時間は充分短いとはいえず、製造コストが高い。モニタウエハや半導体材料ウエハ製造の量産化においては、SiC基板の表面を高精度に平坦化させるのに要する時間を更に短縮し、一枚当たりのコストを低減させることが必要である。
本発明は、上記従来の問題点に着目してなされたもので、短い時間でSiC基板表面を高精度に平坦化することのできる、SiC基板表面の平坦化方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、ガスクラスターをイオン化し、ガスクラスターイオンビームとしてSiC基板表面に照射してSiC基板表面を平坦化する方法であって、第1のガスのガスクラスターイオンビームを、前記SiC基板の表面に照射して前記SiC基板の表面をエッチングする第1の照射工程と、第1のガスと異なる第2のガスを選択し、この第2のガスのガスクラスターイオンビームを、前記SiC基板のエッチングされた表面に照射して前記SiC基板の表面をさらにエッチングすることで、第1の照射工程で得られた前記SiC基板の表面粗さをさらに低減する第2の照射工程と、酸素ガスを主成分としたガスのガスクラスターイオンビームを前記SiC基板表面の一方の面に照射し、第2の照射工程で得られた前記SiC基板の表面粗さをさらに低減する仕上げ照射工程と、を有することを特徴とするSiC基板表面の平坦化方法を提供する。
前記第1のガスは、反応性ガスまたは反応性ガスを少なくとも含む混合ガスであり、前記反応性ガスとSiCとの化学反応によってSiC基板表面をエッチングすることが好ましい。
前記第2のガスは不活性ガス、好ましくはArであり、イオン衝撃による物理エッチングによってSiC基板表面をエッチングすることが好ましい。
なお、前記SiC基板は、結晶系3CのSiC基板であるとよい。
本発明のSiC基板表面の平坦化方法によると、エッチング速度がそれぞれ異なる2種類のエッチング効果を持ったガスクラスターイオンビームを段階的に照射してSiC基板表面をエッチングしつつ平坦化した後、酸素ガスを主成分としたガスクラスターイオンビームを照射することで、短い時間で高精度にSiC基板の表面を平坦化することができる。
本発明によって高精度に表面が平坦化されたSiC基板を、半導体デバイスの材料として用いることで微細加工精度が上昇し、高機能な半導体デバイスが作製できる。
また、Si半導体製造プロセスにおけるモニタウエハとして用いることで、Si半導体プロセスにおいて発生したサブミクロンレベル以下の非常に微細なパーティクルを検出することができる。
以下、本発明のSiC基板の平坦化方法について説明する。
図1は本発明によって表面を平坦化するSiC基板の利用形態の一例を説明する図であり、縦型LPCVD装置10を用いた成膜プロセスにおけるモニタウエハとして使用する際のSiC基板の配置を説明する図である。
Si単結晶を基板とする半導体デバイスは、シリコン基板(シリコンウエハ)の表面に酸化膜を形成する酸化工程や不純物を拡散する拡散工程、さらには減圧下で窒化ケイ素膜、多結晶シリコン膜(ポリシリコン膜)などを形成する減圧CVD(LPCVD)工程等を経て、シリコンウエハ上に微細な回路が形成される。これらの工程には、拡散装置、LPCVD装置などの半導体製造装置が使用される。そして、これらの装置は、いずれも複数のシリコンウエハを炉内に挿入し、シリコンウエハ本体を高温に加熱する炉体部分と、反応性ガスを炉内に供給するガス導入部、排気部などからなっており、多数枚のシリコンウエハを同時処理(バッチ処理)できるようになっている。
図1において、縦型LPCVD装置10は、炉本体12の内周面に図示しないヒータが配設してあって内部を高温に加熱、維持できるようになっているとともに、図示しない真空ポンプに接続してあり、内部を1.3kPa以下に減圧できるようにしてある。また、炉本体12の内部には、高純度石英によって形成したプロセスチューブ14が設けてある。
プロセスチューブ14によって覆われるベース16の中央部には、ボート受け18が設けてあって、このボート受け18上に石英から形成した縦型ラック状のウエハボート20が配置してある。そして、ウエハボート20の上下方向には、大規模集積回路(LSI)などの半導デバイスを形成するための多数のシリコンウエハ22が適宜の間隔をあけて保持させてある。また、ウエハボート20の側部には、反応ガスを炉内に導入するためのガス導入管24が配設してあるとともに、炉内温度を測定する熱電対を内蔵した熱電対保護管26が設けてある。
このように構成したLPCVD装置10は、ウエハボート20を介して多数のシリコンウエハ22が炉内に配置される。そして、炉内を13kPa以下に減圧するとともに、例えば800〜1200℃の高温に加熱し、ガス導入管24を介してH2などのキャリアガスとともにSiCl4などの反応性ガス(原料ガス)を炉内に導入し、シリコンウエハ22の表面に多結晶シリコン膜(ポリシリコン膜)やシリコン酸化膜(SiO2)の形成などが行われる。
LPCVD装置10において、SiC基板は、炉内のガスの流れや温度の均一性を保持するために、上下方向に並んだウエハボートの最上部および最下部に配置されるダミーウエハ28や、シリコンウエハ22に付着するパーティクルの状態や、シリコンウエハ22に所定の膜厚が形成されているか等を調べるためのモニタウエハ30として、ウエハボート20の上下方向の適宜位置に複数枚配置される。このダミーウエハ28やモニタウエハ30は、装置10による成膜作業毎に必ず配置されるため、再使用できることが望まれており、形成された膜を酸などによって洗い流すことが可能(洗い流す際にモニタウエハまでエッチングされない)であることが望まれている。
SiC基板は、耐熱性に優れてアウトガスの発生もほとんどなく、またSiN、Poly−Si膜などとの熱膨張係数の差が小さくパーティクルの発生もほとんどない。また、硝弗酸などに対する耐触性に優れ、エッチングによる付着物のみの除去が容易に行え、長期間の繰返し使用が可能である。このような点からSiC基板は、半導体製造プロセスにおけるダミーウエハやモニタウエハとして適している。
ダミーウエハ28のもつべき特性としては、例えば、成膜工程における高温(1000℃程度)かつ真空状態においても不純物のアウトガスがない、表面に成膜された膜が剥がれることで生じるパーティクルの発生がない等の特性が求められている。
また、モニタウエハ30のもつべき特性としては、微細なパーティクルの検出を可能とするためには、基板表面(ウエハ表面)が高精度に平坦化されていることなどが必要とされている。例えば、デザインルール0.13μmを想定した場合など、0.1μm以下の大きさのパーティクル(ゴミ)を検出する必要があり、この程度まで微細なパーティクルを検出するため、モニタウエハの表面は表面粗さが0.5nm(Ra値)以下となるまで高精度に平坦化されていることが必要とされている。本発明によると、このように表面が高精度に平坦化されたSiC基板からなるモニタウエハを短い時間で作製することができる。
図2は、本発明のSiC基板の平坦化方法を用いて行われる、3C−SiC基板からなるモニタウエハ(以降、SiCモニタウエハとする)の作製方法について説明するフローチャート図である。
本実施形態において表面を平坦化する3C−SiC基板は、SiC結晶のポリタイプの1つである3C−SiC結晶の基板であり、(111)結晶面を表面としている。この基板は、後述のように、一方の表面層がSi原子のみで構成されており、成膜工程における酸化膜厚のチェックを高精度に行うことが可能であり、モニタウエハとして適している。
なお、本実施形態では、半導体製造プロセスにおけるモニタウエハを作製する際の3C−SiC基板の平坦化方法について示すが、表面を平坦化する基板はモニタウエハとして用いられる基板に限らず、半導体デバイスの材料用の基板として用いられるものであってもよく、特に限定されない。SiC結晶のポリタイプについても、例えば4H−SiCであってもよく特に限定されない。
本実施形態におけるモニタウエハの平坦化方法では、まず、図2に示すように3C−SiC単結晶を、表面が(111)結晶面となるようにCVDにより黒鉛基材面上に成長させて3C−SiC基板を作製し(ステップ100)、基材を燃焼させて3C−SiC基板を脱離させ(ステップ102)、3C−SiC基板を作製する。この3C−SiC基板の一方の表面(後述するC面)を機械研磨し、次にCMP研磨を行い(ステップ104)、最後にガスクラスターイオンビーム(GCIB)を照射することで(ステップ106)、高精度に表面が平坦化されたSiCモニタウエハを作製する。各ステップの詳細については後述する。
図3(a)〜(d)は本実施形体における3C−SiC基板(以降、SiC基板とする)の作製方法の概略を説明する図である。
図3に示すように、まず、製造するSi基板の寸法に合わせた、高純度黒鉛からなる所定寸法の円板状黒鉛基材40を製作する(図3(a))。その後、円板状黒鉛基材40をCVD装置に入れ、装置(炉)内を所定の温度(例えば、1000〜1600℃)に加熱、保持するとともに、炉内を所定の圧力(例えば、1.3kPa)に制御する。そして、キャリアガスである水素ガス(H2)とともに、SiCの原料となるSiCl4、C38などを体積%で5〜20%供給し、黒鉛基材40の表面にSiCの層42を0.3〜1mm成膜する(図3(b))。(以上、図2中のステップ100)
その後、黒鉛基材40をCVD装置から取り出し、機械加工によってSiC層42の周面を研削して切除し、黒鉛基材40の周面を露出させる(図3(c))。そして、SiC層42に挟まれた状態の黒鉛基材40を900〜1400℃の炉に入れて酸素を供給し、黒鉛基材40を燃焼させて除去して2枚のSiC基板50を得る(図3(d))。(図2中のステップ102)
図4は、このようにして得られたSiC基板50におけるSiCの結晶構造の概略を説明する図である。SiC基板50におけるSiC結晶構造は3C−SiC結晶であり、図4に示すように、結晶構造が閃亜鉛構造の結晶であって、炭素原子Cとケイ素原子Siとが六角形の格子を形成しているとともに[111]軸の方向(図4中の矢印12で示す方向)に沿って炭素原子Cの配列された層と、ケイ素原子Siの配列された層とが、交互に配置された構造をしている。そしてこの層同士の結合は、Si層とC層の各原子それぞれが3本のダングリングボンドによって隣り合う層の3つの原子と結合されている結合部Aと、Si層とC層の各原子それぞれが1本のダングリングボンドによって隣り合う層の1つの原子と結合されている結合部Bとが交互に繰り返されている。結合部Bの1本のダングリングボンドによる結合は、結合部Aの3本のダングリングボンドによる結合に比べて非常に弱く、ウエハの劈開など結晶を分割する際には常に3C−SiC結晶のこの結合部Bが切断されることになる。これにより、例えば図4中の破線14で結合が切断されることで(111)面と平行な方向に切断されて、(111)面を表面とする3C−SiC基板が得られ、常に一方の面がケイ素原子Siの層が現れているいわゆるSi面となり、他方の面は炭素原子Cの層が現れるいわゆるC面となる。これは、研磨を行った場合にも同様であって、(111)面を研磨すると、一方の表面にはケイ素原子Siの層が現れ、反対側の面を研磨した場合には炭素原子Cの層が現れる。
本実施形態においては、このようにして得られたSiC基板50のC面について平坦化する研磨処理を行う。なお、研磨する面はC面であることに限らず、Si面であってもよい。SiC基板のC面は、機械研磨、CMP研磨およびガスクラスターイオンビームの照射、のいずれにおいてもSi面に比べてエッチング速度が高く、加工性が高いことから、短い時間で高精度に平坦化できることが知られている(上述の特許文献1参照)。このC面を平坦化することで、高い生産性で微細なパーティクルを検出するためのモニタウエハが量産できるという利点をもつ。
本実施形態では、このようにして形成されたSiC基板50の表面は、以下のように平坦化される。
まず、この3C−SiC基板50のC面を機械研磨を行う(図2中のステップ104)。この機械研磨は例えばダイヤモンド砥粒を用いて行われ表面粗さが例えばRa=0.02μmとなるまで研磨される。
この後、CMP研磨を行う(図2中のステップ106)。このCMPは、例えば研磨剤にコロイダルシリカ(粒径70nm)を用いて、アルカリ添加によりスラリーのpHを10ないし11に調整しつつ行われる。このCMP研磨では、SiC基板50のC面の表面粗さが例えばRa=1.5nm程度となるまで行われる。このCMPにおける基板表面のエッチング速度は、スラリー温度55℃でのエッチング速度はpH10で0.1μm/h、pH11で0.2μm/hである。スラリー温度が室温程度では、エッチング速度が更に小さくなる。また、Si面では、そのエッチング速度がC面に比較し半分以下となる。
このように機械研磨とCMPを実施したSiC基板50のC面を、本発明のSiC基板の平坦化方法によって平坦化する。本発明のSiC基板の平坦化方法は、ガスクラスターイオンビームを段階的にSiC基板表面に照射することで行われる(図2中のステップ108)。
図5は、本発明のSiC基板表面の平坦化方法の実施形態の1つの概略を示すフローチャート図を示す。
本実施形態では、図5に示すように、まず、第1の照射として反応性ガスを含んだ混合ガスのガスクラスターイオンビーム(以降、反応性ガスGCIBとする)をSiC基板50のC面に照射し、次に第2の照射として不活性ガスのガスクラスターイオンビーム(以降、不活性ガスGCIBとする)を照射する。
ここで、酸素ガスを主成分としたガスとは、O2又はCO、CO2、NO、NO2などの酸素化合物を50%〜100%含み、He、Ar、N等の不活性ガスを0%〜50%含むガスである。また、これに限らず、酸素ガスを主成分としたガスとは、O2又は酸素化合物は単独で50%以上とし、O2と酸素化合物を2種以上混ぜて50%以上としてもよい。また、He、Ar、N2等の不活性ガスは、単独でO2又は酸素化合物に50%以下混合させても良いし、2種以上を混ぜて50%以上混合させてもよい。
この後、更に、仕上げ照射である第3の照射として酸素ガスを主成分としたガスのガスクラスターイオンビーム(以降、酸素ガスGCIB)を照射する。本発明では、このように、3段階のガスクラスターイオンビームの照射が行われることで短い時間で高精度に平坦なSiC基板表面が形成できる。
図6は、本実施形態のSiC基板表面の平坦化方法を実施する、ガスクラスターイオンビーム照射装置70(以降、装置70とする)の概略について説明する図である。装置70は、拡散チャンバー72とソースチャンバー74とメインチャンバー76の3つの真空チャンバーを有して構成されている。
拡散チャンバー72はガスクラスターの生成・選別を行う部位であり、真空状態の拡散チャンバー内にガスを噴出することでガスクラスターを生成するノズル78、および生成されたガスクラスターを選別するスキマー80を有している。
また、ソースチャンバー74は、ガスクラスターをイオン化するイオン化部82と、イオン化されたガスクラスター(ガスクラスターイオン)を電界によって加速する第1加速部84と、第1の加速部84でガスクラスターイオンの飛翔経路内に加えた電界と逆方向の電界によってガスクラスターイオンの大きさを選別する減速電界部86と、ガスクラスターイオンビームの単位面積当たりのイオン密度である照射ドーズ量をモニタするファラデーカップ88とを有している。
また、メインチャンバー76は、電界によってガスクラスターイオンを加速する第2加速部90と、電界によってガスクラスターイオンの飛翔方向を制御するデフレクター電極92と、表面を平坦化する対象であるSiC基板50を保持するためのターゲットステージ94とを有している。
装置70においてガスクラスターイオンビームの照射は次のように行われる。
まず、拡散チャンバー72のノズル78に、ガスボンベなどから供給されたソースガスが数気圧に加圧されて供給される。このノズル78に供給されたガスが、超音速でノズル78から真空状態の拡散チャンバー72内に噴出されて、断熱膨張によって急激に冷却される。冷却されたガス原子またはガス分子は、非常に弱い原子・分子間の結合によってクラスター分子となって一定の方向に進んでいく。この際、すべてのガス原子または分子が、クラスター分子になるわけではなく、単原子・分子(モノマー)から数千個の原子が固まったクラスター分子が混在している。クラスター分子流は中心部が重くクラスター数の多いクラスター分子が存在し、周辺に行くにしたがってクラスター数の少ないクラスター分子が分布している。
そこでスキマー80によってクラスター分子流の中心部分にあるクラスター数の多いクラスター分子を取り出して、モノマーあるいはクラスター数の少ないものをできる限り除去する。
スキマー80を通過したクラスター分子はイオン化領域82を通過する。イオン化領域82では、たとえばフィラメントに電流を流し、熱電子放出により、クラスタ分子の通過する中心部に電子を供給している。この電子によりクラスター分子は1価のイオンとしてイオン化され、クラスターイオンビームが生成される。イオン化されたガスクラスターは、加速部84において電界により加速される。
加速されたクラスターイオンビームは、減速電界部86での減速電界によりクラスターの大きさが選別される。これは、断熱膨張により生成されたクラスター分子のエネルギーは、クラスター数(クラスター内の原子の数)に応じてエネルギーの幅をもっていることを利用している。例えば、アルゴンガスの場合には、65meVにクラスター数(クラスター内の原子の数)を乗じたものが、そのクラスター分子のエネルギーになることが知られている。したがって、単原子イオンに比べて1000個のアルゴン原子からなるクラスターイオンは65eVの高いエネルギーを持っていることになる。よって、減速電界部86にイオン源の出口より65V高い電圧を印加することにより、クラスター数が1000以上のクラスターイオンのみが減速電界部86を通過することができるようになる。
減速電界部86で大きさが選別されたクラスターは、さらに、第2加速部90において加速される。減速電界部86と第2加速部90との間には、ファラデーカップ88がクラスターイオンの飛翔経路に出し入れ可能に配置されており、試料に照射されるガスクラスターイオンビームの照射ドーズ量が測定可能となっている。装置70では、ファラデーカップ88によってドーズ量をモニタしつつ、ノズル78からのガスの噴出条件や、イオン化部82のフィラメント電流値などを調整することで、所望のドーズ量のイオンビームとすることができる。
第2加速部90を通過して試料に照射されるイオンビームは、第2加速部90と3C−SiC基板との間に設けられた、互いに直交して配置されたデフレクター電極92により照射位置を任意に変えることが可能となっている。このようにしてガスクラスターイオンビームをターゲットステージ94上に配置されたSiC基板50の任意の位置へ照射する。
本発明におけるガスクラスターイオンビームの照射はこのような装置によって行われ、種々のソースガスのガスクラスターイオンを、所望のドーズ量、加速電圧でSiC基板50表面に照射することができる。本発明で用いられるガスクラスターイオンビーム照射装置は、上記構成のものに限定されず公知のものを使用すればよい。
このような装置70により、本発明のSiC基板表面の平坦化方法が実施される。図7(a)〜(c)は、本実施形態におけるSiC基板50の平坦化方法について説明する図で、ガスクラスターイオンビームが照射されるSiC基板50の断面の概略図である。
まず、第1の照射として、機械研磨およびCMP研磨されたSiC基板50の表面に、第1のガスである、SF6ガスやCF4ガスなどの反応性ガスまたはこれら反応性ガスを少なくとも含む混合ガスのガスクラスターイオンビームを、例えば照射エネルギー(ガスクラスターイオン加速電圧)5〜20keV、照射ドーズ量1.00E+15〜1.00E+16(ions/cm2)で20分間照射する(図5中のステップ108a)。
ガスクラスターイオンビームを固体表面に照射すると、多体衝突効果のために、入射原子は基板に平行な運動成分を得てSiC基板50の表面を横方向に運動する。ガスクラスターイオンビームの照射では、このような横方向の運動成分をもつ入射原子が、基板表面の凸部に主に衝突して凸部の基板表面原子を放出させることで、基板表面を平坦化させつつ入射方向にもエッチングが進む(ラテラルスパッタ効果)ことが知られている。
第1の照射のような反応性ガスのガスクラスターイオンビームの照射では、例えばSF6ガスのガスクラスターイオンビームの場合を例にとると、SF6がSiC基板50に衝突した際にSF6クラスターの崩壊とともにSFxを生じ、それら揮発性反応生成物を基板から離脱する化学スパッタ反応が生じる。これにより、後述するArガスなどの不活性ガスのガスクラスターイオンビームを照射した場合に比べて、比較的速いエッチングレートが得られることが知られている。
機械研磨やCMP研磨処理の後では、SiC基板50の表面にはダイヤモンド砥粒またはSiC自身によるスクラッチ傷98(図7(a)参照)が発生している。このスクラッチ傷は巨視的な表面粗さの凹み具合(凹部の深さ)に比べて深く、SiC基板50表面に溝状に形成されている。
反応性ガスのガスクラスターイオンビームの照射のように、平坦化効果を有しつつ比較的速いエッチングレートのガスクラスターイオンビームの照射を行うことで、短い時間でスクラッチ傷のような局所的に深い傷を無くすことができる(図7(a))。
次に、第2の照射として、第1の照射によって表面のスクラッチ傷を消失させたSiC基板50の表面に、例えばArガスやN2ガスなどの不活性ガスのガスクラスターイオンビームを主成分とするガスクラスターイオンビームを、例えば照射エネルギー(ガスクラスターイオン加速電圧)5〜30keV、照射ドーズ量5.00E+15〜3.00E+16(ions/cm)で20分間照射する(図5中のステップ108b)。
このような不活性ガスを主成分とするクラスターイオンビームの照射では、主にクラスターの衝突によって表面をスパッタする物理スパッタが行われる。
このような不活性ガスのガスクラスターイオンビームの照射では、第1の照射における反応性ガスを含むガスクラスターイオンビームの照射に比べて、エッチングレートは低くなっている。このような比較的低いエッチングレートのエッチングでは、ガスクラスターの衝突による基板垂直方向のエッチングに対して基板表面水平方向へのエッチング効果が高くなっている。このため、第1の照射において表面の凸部を選択的に削って平坦化した後の表面に残った、さらに微小な凸部まで選択的に削ることができる。このような第2の照射によって、第1の照射で得られたSiC基板50の表面粗さを低減する(より平坦化する)ことができる(図7(b)参照)。
次に、第3の照射として、第2の照射によって表面が平坦化されたSiC基板50の表面に、例えば酸素ガスを主成分としたガスのガスクラスターイオンビームを、例えば照射エネルギー(ガスクラスターイオン加速電圧)5〜20keV、照射ドーズ量1.00E+15〜2.00E+16(ions/cm)で20分間照射する(図5中のステップ108c)。
この酸素ガスを主成分としたガスクラスターイオンビームの照射によると、SiC基板表面はほとんどエッチングされることなく平坦化される(図7(c))。O2ガスを主成分とするガスクラスターイオンビーム照射における基板表面の平坦化の態様は、基板表面の薄膜の形成によるものである。
ガスクラスターイオンビームの照射における効果の1つとして、表面改質特性が知られている。この効果の一例として、Si表面へのO2ガスクラスターイオンを照射すると、Si基板表面には平坦なSiO2層が形成されることが知られている。酸素モノマーイオンを表面に同条件で照射しても、表面には酸素注入による損傷層しか形成されないことが知られており、SiO2層の形成は、ガスクラスターイオンが有する高い化学反応性によるものであることがわかる。
SiC表面が平坦化され、かつエッチングがされていない(または極端にエッチングレートが低い)点からも、SiCの表面がガスクラスターイオンによって改質されており、酸化膜などの何らかの薄膜が形成されていると判断できる。
上述の第2のガスクラスターイオンビームの照射においても、照射エネルギーを下げたり、クラスターサイズを大きくするなど、基板に対するエッチングレートが全体的に小さくなる方向に条件をふると、基板垂直方向のエッチングに対する基板水平方向のエッチングの効果が相対的に大きくなり(ラテラルスパッタ効果が大きくなり)照射後の平坦化精度が向上することが知られている。しかし、高精度に平坦化された表面を得るには、基板垂直方向のエッチングレートと基板水平方向のエッチングレートが全体的に非常に小さい条件でガスクラスターイオンビームを照射する必要があるため、基板表面の平坦化には多くの時間がかかってしまう。
第3の照射によれば、第2の照射工程で得られた表面粗さを、短い時間でより低減する(より平坦化する)ことが可能である。
本発明のガスクラスターイオンビームの照射によるSiC基板の平坦化方法では、このように、SiC基板表面の巨視的な表面粗さや局所的な傷の状態に応じて、それぞれガス種の異なる第1の照射、第2の照射、第3の照射の3段階のガスクラスターイオンビームの照射を行い、短い時間で高精度に平坦化されたSiC基板表面を得るものである。
本実施形態においては、第1の照射に用いるガス(第1のガス)として、反応性ガスまたは反応性ガスを少なくとも含む混合ガスを用い、第2の照射に用いるガス(第2のガス)として不活性ガスを用いた。本発明によるSiC基板表面の平坦化方法では、第1の照射に比べ第2の照射の方が、基板表面の微細な凹凸に対する表面平坦化効果が高ければよく、第1のガスおよび第2のガスの種類は特に限定されない。
このような3C−SiC基板表面の平坦化方法を実施した結果の一例を以下に示す。
下記表1は、上述の実施形態に示すSiC基板の平坦化方法を実施した結果の一例について示す表である。本実施例では、上述の実施形態の通りCVD成長によって3C−SiC基板を作製し、C面を機械研磨およびCMP研磨行ったSiC基板のC面に、段階的にガスクラスターイオンビームを照射した際の、各ガスクラスターイオンビームの照射条件と照射後の3C−SiC基板表面の平均粗さのデータである。
本実施例では、第1の照射においてSF6(10%)+He(90%)である混合ガスのガスクラスターイオンビームを照射し、第2の照射においてArガスのガスクラスターイオンビームを照射し、第3の照射においてO2(70%)+He(30%)である混合ガスのガスクラスターイオンビームを照射した。
Figure 2005285905
表面粗さは、ガスクラスターイオンビームが照射された表面をAFM(原子間力顕微鏡)で走査して得られた3C−SiC基板表面のプロファイルから求められた算術平均粗さ(Ra)の値である。
表1から分かるように、第1の照射の前後では、Raの値は低減しておらず、精密に行われたCMP研磨面と比べて、表面粗さの数値(Raの値)は増加している。
図8は、本実施例における第1の照射前(CMP研磨後)のSiC基板表面の所定の1μm四方の領域をAFM(原子間力顕微鏡)で走査して得られたSiC基板表面のプロファイル評価結果の図であり、基板表面の凹凸の程度を色濃度の違いによって表した図である。図8に示す評価結果から、CMP研磨後には3C−SiC基板表面には線状に伸びた深い溝状の凹部が多数発生していることがわかる。これら溝状の凹部はダイヤモンド砥粒またはSiC自身によるスクラッチ傷である。
図9は、本実施例における第2の照射後(不活性ガスのガスクラスターイオンビーム照射後)のSiC基板表面の表面の凹凸の程度を色濃度の違いによって表した図であり、図8に示す領域とほぼ同じ1μm四方の領域をAFM(原子間力顕微鏡)で走査して得られたプロファイル評価結果の図である。図8と図9に示すプロファイル評価結果の図における凹凸のスケールは、図8および図9ともに同一のスケールである。図9に示す評価結果から分かるように、第1の照射および第2の照射によって、CMP研磨によって形成されたSiC基板表面のスクラッチ傷が消失し、平坦な表面が得られていることが確認できる。
表1および図8および図9に示すように、本実施例では、CMP研磨後の第1の照射によって局所的に深いスクラッチ傷を消失させ、第2の照射によって第1の照射によって得られた表面粗さを低減(5nmから1.3nmへ低減)し、第3の照射によって第2の照射によって得られた表面粗さを更に低減し(1.3nmから0.5nmへ低減)、非常に高精度に基板表面を平坦化している。
表2は、上述の実施例において使用したそれぞれのガスを単独で用い、CMP研磨後のSiC基板表面に照射した際の、SiC基板表面の平坦化の結果をそれぞれ示す表である。表2に示す例において、ガスクラスターイオンビーム照射装置およびSiC基板の平坦度の評価方法は表1に示す例と同様の装置および方法を用いている。
Figure 2005285905
また、図10は、表1および表2に示すSiC基板表面の平坦化の際の、ガスクラスターイオンビームの照射時間と、SiC基板表面の表面粗さにの関係について示すグラフである。図10(a)は、表2に示すSF6(10%)+He(90%)である混合ガスのガスクラスターイオンビームのみを単独で照射してSiC基板表面を平坦化させた際のグラフであり、また、図10(b)は、表2に示すArガスのガスクラスターイオンビームのみを単独で照射してSiC基板表面を平坦化させた際のグラフであり、また、図10(c)は、O2(70%)+He(30%)である混合ガスのガスクラスターイオンビームのみを単独で照射してSiC基板表面を平坦化させた際のグラフである。
そして、図10(d)は、表1に示す、第1の照射においてSF6(10%)+He(90%)である混合ガスのガスクラスターイオンビームを照射し、第2の照射においてArガスのガスクラスターイオンビームを照射し、第3の照射においてO2(70%)+He(30%)である混合ガスのガスクラスターイオンビームを照射してSiC基板表面を平坦化させた際のグラフである。
このグラフから判断されるように、目標表面粗さを0.5(nm)と設定すると(図10(a)〜(d)のグラフそれぞれに破線で示す)、SF6(10%)+He(90%)である混合ガスのガスクラスターイオンビームのみを単独で照射してSiC基板表面を平坦化させた場合(図10(a)のグラフ)、表面粗さは上昇するのみであり、目標表面粗さに到達することはできない。また、Arガスのガスクラスターイオンビームのみを単独で照射した場合(図10(b)のグラフ)、目標表面粗さに到達するには5(h)程度の長い時間がかかってしまう。また、O2(70%)+He(30%)である混合ガスのガスクラスターイオンビームのみを照射した場合(図10(c)のグラフ)も、目標表面粗さに到達するには5(h)以上と非常に長い時間がかかってしまう。
これに対し、本発明のSiC基板表面の平坦化方法を用いた場合(図10(d)のグラフ)、1時間程度の短い時間で目標表面粗さ(0.5(nm))に到達することができる。
本発明ではこのように、エッチング速度がそれぞれ異なる2種類のエッチング効果を持ったガスクラスターイオンビームを段階的に照射してSiC基板表面をエッチングしつつ平坦化した後、酸素ガスを主成分としたガスクラスターイオンビームを照射することで、短い時間でSiC基板表面を高精度に平坦化することを可能としている。
以上、本発明のSiC基板の平坦化方法について説明したが、本発明のSiC基板の平坦化方法は上記実施例に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
本発明のSiC基板表面の平坦化方法で表面が平坦化されたSiC基板の利用形態の一例を説明する図である。 本発明のSiC基板表面の平坦化方法を用いた、モニタウエハの作製方法について説明するフローチャート図である。 図3(a)〜(d)は本発明のSiC基板表面の平坦化方法を用いた、SiC基板の作製方法の概略を説明する図である。 SiC基板の結晶構造の概略を説明する図である。 本発明のSiC基板表面の平坦化方法の一例の概略を示すフローチャート図である。 本発明のSiC基板表面の平坦化方法を実施する、ガスクラスターイオンビーム照射装置の一例について説明する図である。 (a)〜(c)は、本発明のSiC基板表面の平坦化方法について説明する、SiC基板の断面図である。 本発明のSiC基板表面の平坦化方法における、第1のガスクラスターイオンビーム照射前のSiC基板表面のプロファイル評価結果を示す図である。 本発明のSiC基板表面の平坦化方法における、第2のガスクラスターイオンビーム照射後のSiC基板表面のプロファイル評価結果を示す図である。 (a)〜(d)は、SiC基板表面の平坦化の際のガスクラスターイオンビームの照射時間と、SiC基板表面の表面粗さの関係について示すグラフである。 従来のSiC基板表面の平坦化方法を用いた、SiC基板の作製方法の概略を説明する図である。
符号の説明
10 縦型LPCVD装置
12 炉本体
14 プロセスチューブ
16 ベース
18 ボート受け
20 ウエハボート
22 シリコンウエハ
24 ガス導入間
28 ダミーウエハ
30 モニタウエハ
40 黒鉛基材
50 SiC基板
70 ガスクラスターイオン照射装置
72 拡散チャンバー
74 ソースチャンバー
76 メインチャンバー
78 ノズル
80 スキマー
82 イオン化部
84 第1加速部
86 減速電界部
88 ファラデーカップ
90 第2加速部
98 スクラッチ傷

Claims (6)

  1. ガスクラスターをイオン化し、ガスクラスターイオンビームとしてSiC基板表面に照射してSiC基板表面を平坦化する方法であって、
    第1のガスのガスクラスターイオンビームを、前記SiC基板の表面に照射して前記SiC基板の表面をエッチングする第1の照射工程と、
    第1のガスと異なる第2のガスを選択し、この第2のガスのガスクラスターイオンビームを、前記SiC基板のエッチングされた表面に照射して前記SiC基板の表面をさらにエッチングすることで、第1の照射工程で得られた前記SiC基板の表面粗さをさらに低減する第2の照射工程と、
    酸素ガスを主成分としたガスのガスクラスターイオンビームを前記SiC基板表面の一方の面に照射し、第2の照射工程で得られた前記SiC基板の表面粗さをさらに低減する仕上げ照射工程と、を有することを特徴とするSiC基板表面の平坦化方法。
  2. 前記第1のガスは、反応性ガスまたは反応性ガスを少なくとも含む混合ガスであり、前記反応性ガスとSiCとの化学反応によってSiC基板表面をエッチングすることを特徴とする請求項1に記載のSiC基板表面の平坦化方法。
  3. 前記反応性ガスは、SF6またはCF4からなるガスであることを特徴とする請求項2に記載のSiC基板表面の平坦化方法。
  4. 前記第2のガスは不活性ガスであり、イオン衝撃によりSiC基板表面をエッチングすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のSiC基板表面の平坦化方法。
  5. 前記第2のガスは、Arガスであることを特徴とする請求項4に記載のSiC基板表面の平坦化方法。
  6. 前記SiC基板は、結晶系3CのSiC基板であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のSiC基板表面の平坦化方法。
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