JP2005285811A - 熱発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発電効率をよくすることにより発電力を大きくすることのできる熱発電装置を提供すること。
【解決手段】 下基板16と上基板17を備えた熱電モジュール13と、熱電モジュール13に熱を供給して発電させるヒータ11とを備えた熱発電装置10の最大発電力を、熱発電装置10を構成する各部分の熱抵抗の関係から求めた。そして、発電力Pが最大になるときの熱電モジュール13の熱経路の熱抵抗R3が、他の熱抵抗R1,R2,R4の和になる関係に基づいて各熱抵抗を設定することにより、熱発電装置10の発電力Pを決定した。また、熱発電装置10が、最大発電力の50%以上の発電力Pを発生する場合を発電力の良好な範囲として設定した。また、熱電モジュール13の個数を変更することにより熱抵抗R3を調節可能にした。
【選択図】 図4

Description

本発明は、発熱部と、発熱部から供給される熱によって発電する熱電モジュールとを備えた熱発電装置に関する。
従来から、ゼーベック効果を利用して熱電変換を行う熱電モジュールで発電を行い、その電力を電子機器の内部の冷却に利用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような熱発電装置等に用いられる熱電モジュールは、一対の絶縁基板における相対向する内側の面の所定箇所に電極を形成し、この相対向する電極にそれぞれ熱電素子の上下の端面を固定して、一対の絶縁基板間に複数の熱電素子を組み付けることにより構成されている。また、前述した熱電モジュールから絶縁基板を除いて、電極と熱電素子とで構成された熱電モジュールも使用されている。
特許第3107299号公報
しかしながら、従来の熱電モジュールを備えた熱発電装置等では、発電力を最大にする熱電モジュールの熱抵抗を考慮していないため、発電力が十分でないという問題があった。また、熱電モジュールの熱抵抗と発電力との関係を考慮していないため、熱電モジュールを数多く設置して発電力を増加させようとすると、逆に発電力が低下してしまうことがあるという問題が生じていた。
本発明は、前述した問題に対処するためになされたもので、その目的は、発電効率をよくすることにより発電力を大きくすることのできる熱発電装置を提供することである。
前述した目的を達成するため、本発明にかかる熱発電装置の構成上の特徴は、対向させて配置した一対の板状の絶縁基板における対向する両面の所定箇所に電極を形成し、対向する電極の所定の部分にそれぞれ熱電素子の端面を固定して構成される熱電モジュール、または熱電モジュールから少なくとも一方の絶縁基板を除いて構成される熱電モジュールと、これらの熱電モジュールの一方の端面に熱を供給して熱電素子の両端面に温度差を生じさせることにより熱電モジュールに発電させる発熱部とを備えた熱発電装置であって、熱発電装置の発電力を最大にする構成を、熱電素子の集合の高温側の端面と低温側の端面との間の熱経路の熱抵抗に対する発熱部から熱電モジュールを介さずに外気に通じる熱経路の熱抵抗と、発熱部から熱電素子の集合の高温側の端面までの熱経路のうち熱電モジュールを介さない熱経路の熱抵抗と、熱電素子の集合の低温側の端面から外気に通じる熱経路のうち熱電モジュールを介さない熱経路の熱抵抗との関係から求め、発電力が最大になるように、熱電素子の集合の高温側の端面と低温側の端面との間の熱経路の熱抵抗と、他の熱抵抗とを所定の関係に設定したことにある。
熱電モジュールを備えた熱発電装置が発生する発電力の大きさには、熱電モジュールを構成する材料、形状、大きさ等の種々の要素が影響するが、中でも熱発電装置を構成する各部分の熱抵抗による影響が大きい。また、熱発電装置における熱抵抗の分布は非常に複雑なものになっているが、本発明の発明者は、これを、発熱部から熱電モジュールを介さずに外気に通じる熱経路の熱抵抗と、発熱部から熱電素子の集合の高温側の端面までの熱経路のうち熱電モジュールを介さない熱経路の熱抵抗と、熱電素子の集合の高温側の端面と低温側の端面との間の熱経路の熱抵抗と、熱電素子の集合の低温側の端面から外気に通じる熱経路のうち熱電モジュールを介さない熱経路の熱抵抗との4つの熱抵抗に簡略化して検討した。
そして、これらの熱抵抗を適宜変更して組み合わせたときに熱発電装置の発電力が最大になる各熱抵抗間の関係を導き出し、その最大値に基づいて熱発電装置として適正な状態で使用できる発電力の範囲を設定するようにした。その場合の発電力の範囲の下限値は、例えば、熱電素子の集合の高温側の端面と低温側の端面との間の熱経路の熱抵抗、すなわち、各熱電素子の両端の熱抵抗の合計値を、一定に設定した他の各熱抵抗に対して変更していき、この関係をグラフで表してグラフから適正な範囲を求めることによって設定することができる。これによって、熱発電装置の発電効率を良好にするための各熱抵抗の範囲設定が可能になる。
この場合、熱電モジュールが一対の絶縁基板を備えたもので構成されていれば、一方の絶縁基板の熱抵抗は、発熱部から熱電素子の集合の高温側の端面までの熱経路のうち熱電モジュールを介さない熱経路の熱抵抗の中に含まれ、他方の絶縁基板の熱抵抗は、熱電素子の集合の低温側の端面から外気に通じる熱経路のうち熱電モジュールを介さない熱経路の熱抵抗の中に含まれる。
また、本発明にかかる熱発電装置の他の構成上の特徴は、発熱部から熱電モジュールを介さずに外気に通じる熱経路の熱抵抗をR1、発熱部から熱電素子の集合の高温側の端面までの熱経路のうち熱電モジュールを介さない熱経路の熱抵抗をR2、熱電素子の集合の高温側の端面と低温側の端面との間の熱経路の熱抵抗をR3、熱電素子の集合の低温側の端面から外気に通じる熱経路のうち熱電モジュールを介さない熱経路の熱抵抗をR4としたときに、各熱抵抗の関係を式1に示した関係に設定したことにある。
Figure 2005285811
熱発電装置の発電力を大きくするためには、発熱部から熱電モジュールを介さずに外気に通じる熱経路の熱抵抗をできるだけ大きくして、発熱部から放出される熱のできるだけ多くを熱電モジュールに伝達させることが有効である。また、発熱部から熱電素子の集合の高温側の端面までの熱経路のうち熱電モジュールを介さない熱経路の熱抵抗と、熱電素子の集合の低温側の端面から外気に通じる熱経路のうち熱電モジュールを介さない熱経路の熱抵抗とはできるだけ小さくして、多くの熱が熱電モジュールに伝達されるように設定することが有効である。
これに対し、熱電素子の集合の高温側の端面と低温側の端面との間の熱経路の熱抵抗が大きすぎると、熱電モジュールに伝播される熱量は少なくなる。また、熱電素子の集合の高温側の端面と低温側の端面との間の熱経路の熱抵抗が小さすぎると、熱電素子の両端に生じる温度差が小さくなる。また、熱電モジュールに発生する発電力は、熱電素子を通過する熱量の値と、熱電素子の両端に生じる温度差との積に比例することが知られている。
したがって、熱発電装置の発電力を最大にするために最適な熱電素子の集合の高温側の端面と低温側の端面との間の熱経路の熱抵抗の値が存在し、その最適な熱抵抗の熱電モジュールを用いることにより発電力の大きな熱発電装置が得られることを見出した。その最適な熱電素子の集合の高温側の端面と低温側の端面との間の熱経路の熱抵抗の値が、式1に示した関係である。すなわち、熱電素子の集合の高温側の端面と低温側の端面との間の熱経路の熱抵抗R3が、発熱部から熱電モジュールを介さずに外気に通じる熱経路の熱抵抗R1と、発熱部から熱電素子の集合の高温側の端面までの熱経路のうち熱電モジュールを介さない熱経路の熱抵抗R2と、熱電素子の集合の低温側の端面から外気に通じる熱経路のうち熱電モジュールを介さない熱経路の熱抵抗をR4との和と等しくなる関係である。
また、本発明にかかる熱発電装置のさらに他の構成上の特徴は、発熱部から熱電モジュールを介さずに外気に通じる熱経路の熱抵抗をR1、発熱部から熱電素子の集合の高温側の端面までの熱経路のうち熱電モジュールを介さない熱経路の熱抵抗をR2、熱電素子の集合の高温側の端面と低温側の端面との間の熱経路の熱抵抗をR3、熱電素子の集合の低温側の端面から外気に通じる熱経路のうち熱電モジュールを介さない熱経路の熱抵抗をR4、最大発電力に対する発電力の割合をCとしたときに、各熱抵抗の関係を式2および式3に示した関係に設定したことにある。
Figure 2005285811
Figure 2005285811
この熱発電装置における各部分の熱抵抗の関係は、実験および演算によってより好ましい値を求めたものであり、これによって、この熱発電装置は、最大発電力の50%以上の発電を行うことができる。この結果、効率よく大きな発電力を発生することができる熱発電装置を得ることができる。
また、本発明にかかる熱発電装置のさらに他の構成上の特徴は、熱電モジュールの個数を適宜設定することにより熱電モジュールの高温側の端面と低温側の端面との間の熱経路の熱抵抗を調節可能にしたことにある。
例えば、熱発電装置に設置する熱電モジュールを複数個の同一のもので構成する場合、熱電モジュールの数が少なすぎると熱発電装置の発電力は小さいが、熱電モジュールの数を増加させることによって、徐々に熱発電装置の発電力も増加していく。そして、さらに、熱電モジュールを増加させても熱発電装置の発電力は増加しなかったり、逆に低下して行ったりする。このため、熱電モジュールの個数を最適にすることにより、最小個数の熱電モジュールを用いて発電効率のよい熱発電装置を得ることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る熱発電装置10の概略を示している。この熱発電装置10は、本発明の発熱部としてのヒータ11と、熱伝導板12と、2個の熱電モジュール13,13と、放熱用のフィン14と、ファン15とを備えている。ヒータ11は、セラミックヒータからなっており、縦横の長さがともに100mmで厚みが2mmの板状に形成されている。熱伝導板12は、ヒータ11の下面に密接した状態で取り付けられた銅板からなっており、縦横の長さがともに100mmで厚みが5mmに設定されている。
熱電モジュール13は、図2および図3に示したように、アルミナからなる四角板状の下基板16と上基板17とからなる一対の絶縁基板を備えており、互いに間隔を保った状態で、それぞれの上基板17が熱伝導板12の下面に固定されている。また、下基板16の上面には、一定間隔を保って複数の銅パターンからなる下部電極16aが取り付けられ、上基板17の下面には、一定間隔を保って複数の銅パターンからなる上部電極17aが取り付けられている。
そして、直方体に形成されたビスマス・テルル系の合金からなる複数の熱電素子18が、それぞれ下端面を下部電極16aの所定部分にハンダ付けにより固定され、上端面を上部電極17aの所定部分にハンダ付けにより固定されて下基板16と上基板17とを一体的に連結している。また、下基板16の四隅に設けられた下部電極16aのうちの所定の2個の下部電極16aには、リード線19a,19bが接続されて外部に通電可能になっている。
また、2個の熱電モジュール13は、同一の構成に設定されており、縦方向の長さが10mm、横方向の長さが5mmに設定され、全体の厚みが3.0mmに設定されている。また、熱電モジュール13の熱抵抗は、100℃/Wで、室温27℃での性能指数Zは2.5であった。この性能指数Zは、熱電材料の発電能力を示す指数である。
フィン14は、表面積が0.2m2のアルミニウム製のピンフィンで構成されており、上面が2個の熱電モジュール13の下基板16の下面に接着されて熱発電装置10に組み込まれている。このフィン14は熱電モジュール13の下基板16から熱を吸収することにより、熱電モジュール13の下基板16側部分を冷却する。また、ファン15は、フィン14の下面に取り付けられた軸流冷却ファンで構成されており、送風によってフィン14を空冷することにより、フィン14を介して熱電モジュール13の下基板16を冷却する。
つぎに、以上のように構成された熱発電装置10の各部分における熱抵抗を変更することにより得られる発電力の最大値を求めるためのテストを行った。ヒータ11には100Wの電力を投入した。このテストは、下記の表1に示したように、熱電素子18の集合における上面から下面までの熱経路の熱抵抗R3を10段階に変更することによって行った。
その際、ヒータ11の発熱量Qを100W、ヒータ11から熱伝導板12および熱電モジュール13を介さずに外気に放熱される熱経路(この場合、熱発電装置10内の空気層)の熱抵抗R1を1℃/W、ヒータ11から熱伝導板12をおよび上基板17通過して熱電素子18の上面に達するまでの熱経路の熱抵抗R2を1℃/W、熱電素子18の下面から下基板16、フィン14およびファン15を介して外気に通じる熱経路の熱抵抗R4を1℃/Wにそれぞれ設定した。
Figure 2005285811
熱電素子18の集合における上面から下面までの熱経路の熱抵抗R3は、0〜100℃/Wの範囲で10段階に変更し、そのときに、熱電モジュール13を通過せずに外気に放出される熱量Qout、熱電モジュール13を通過する熱量Qin、熱電モジュール13の熱電素子18の集合の上面と下面との間に生じる温度差ΔT、熱発電装置10が発生する発電力Pをそれぞれ測定または演算により算出した。その結果を、図4にグラフで示している。
図4から、熱電モジュール13を通過する熱量Qinは、熱抵抗R3が0のときに最大で、熱抵抗R3が増加するにしたがって大きな減少率で減少していく。そして、熱抵抗R3が4〜8を超えてからは、減少率を小さくしながら徐々に減少していくことが分かる。また、熱電モジュール13の熱電素子18の集合の上面と下面との間に生じる温度差ΔTは、熱抵抗R3が0のときに最小(0)で、熱抵抗R3が増加するにしたがって大きな増加率で増加していき、熱抵抗R3が4〜8を超えてからは、増加率を小さくしながら徐々に増加していくことが分かる。
熱発電装置10が発生する発電力Pは、熱抵抗R3が0のときに最小(0)で、熱抵抗R3が増加するにしたがって大きな増加率で増加していく。そして、熱抵抗R3が2を超えたあたりから増加率を小さくしながらさらに増加して、熱抵抗R3が3になったときに最大値に達する。そして、熱抵抗R3が3を超えてからは、小さな減少率で徐々に減少していくことが分かる。この発電力Pは、熱抵抗R3が、熱抵抗R1,R2,R4の和と等しい関係にあるときに最大値を示した。また、発電力Pは、熱量Qinと温度差ΔTとの積に比例する関係にあった。
また、前述した熱抵抗R1,R2,R3,R4、発熱量Q、熱量Qout,Qin、温度差ΔTおよび発電力Pの関係は、下記の式4,5,6の関係にあることは公知である。
Figure 2005285811
Figure 2005285811
Figure 2005285811
熱抵抗R3が、熱抵抗R1,R2,R4の和と等しい関係にあるときに発電力Pが最大になることや、前述した各式に基づいて、発電力Pが最大値の50%以上になるときの熱抵抗R1,R2,R3,R4の関係を実験や理論式に基づいて求めたところ、下記の式2および式3の関係が見出された。
Figure 2005285811
Figure 2005285811
したがって、熱抵抗R1,R2,R3,R4が式2および式3の関係を満たしていれば、発電力Pは最大値の50%以上になる。この発電力Pが最大値から最大値の50%になる範囲で、熱発電装置10は効率のよい発電を行える。
つぎに、熱発電装置10を備える熱電モジュール13の数を変更して構成した実施例1,2,3と、比較例1,2による熱発電装置とに対して発電力の比較テストを行った結果について説明する。この発電力の比較テストは、前述したテストの結果に基づいて行われ、熱電モジュール13の数を変更することにより熱抵抗R3の値を適宜変更して設定した。この場合、ヒータ11には、70Wの電力を投入した。
すなわち、下記の表2に示したように、このテストで用いた実施例1〜3および比較例1,2の熱発電装置では、すべて、熱抵抗R1を3℃/W、熱抵抗R2を0.00125℃/W、熱抵抗R4を0.3℃/Wとした。このため熱抵抗R1,R2,R4の和は、3.30125℃/Wであり、熱抵抗R3が、3.30125℃/Wのときに最大の発電力を発生する。また、発電力が最大発電力の50%以上になる熱抵抗R3の範囲は、0.6〜19.2℃/Wである。このテストでは、熱抵抗R3の範囲が、0.6〜19.2℃/Wの範囲に入るものを実施例1〜3とし、入らないものを比較例1,2とした。
Figure 2005285811
また、下記の表3に示したように、実施例1の熱発電装置10では、熱電モジュール13を20個用いて熱抵抗R3を5℃/Wにした。その結果、発電力Pは2.10Wであった。実施例2の熱発電装置では、熱電モジュール13を30個用いて熱抵抗を3.3℃/Wにした。その結果、発電力Pは2.14Wであった。実施例3の熱発電装置では、熱電モジュール13を50個用いて熱抵抗を2℃/Wにした。その結果、発電力Pは1.91Wであった。
Figure 2005285811
また、比較例1の熱発電装置では、熱電モジュール13を1個用いて熱抵抗を100℃/Wにした。その結果、発電力Pは0.16Wであった。比較例2の熱発電装置では、熱電モジュール13を200個用いて熱抵抗を0.5℃/Wにした。その結果、発電力Pは0.85Wであった。この結果を図5にグラフで示している。このように、熱抵抗R3を、熱抵抗R1,R2,R4の和である3.30125℃/Wに最も近い3.3℃/Wにした実施例2(中央の黒丸)で最も大きな発電力Pを得ることができた。また、熱抵抗R3の範囲が、0.6〜19.2℃/Wの範囲に入る実施例1,3(両端の黒丸で示した部分)でも大きな発電力を得ることができ、熱抵抗R3の範囲が、0.6〜19.2℃/Wの範囲に入らない比較例1,2(四角で示した部分)では発電力が僅かであった。
また、図5における熱抵抗R3の範囲が0.6〜19.2℃/Wの範囲に入り、発電効率が良好であると判定できる実施例1〜3が含まれる部分を、図6に拡大して示している。このように、この熱発電装置においては、熱抵抗R3の範囲が0.6〜19.2℃/Wであるときに、すべて発電力Pが1.0W以上となる良好な結果を示した。また、図5および図6における破線aは、計算値に基づく曲線を示している。
つぎに、熱発電装置10からファン15を取り除いた熱発電装置を実施例4として、この熱発電装置が備える熱電モジュール13の数をそれぞれ変更して構成した実施例5,6と、比較例3,4による熱発電装置とに対して、前述したテストと同じテストを行った。表2に示したように、このテストで用いた実施例4〜6および比較例3,4の熱発電装置では、すべて、熱抵抗R1を3℃/W、熱抵抗R2を0.00125℃/W、熱抵抗R4を1.5℃/Wとした。この場合、熱抵抗R1と熱抵抗R2は、前述したテストで用いた熱発電装置と同一であったが、熱抵抗R4は、ファン15を除いたため、前述の熱発電装置よりも大きな値になった。
このため熱抵抗R1,R2,R4の和は、4.50125℃/Wとなり、熱抵抗R3が、4.50125℃/Wのときに各熱発電装置は最大の発電力を発生する。また、各熱発電装置の発電力が最大発電力の50%以上になる熱抵抗R3の範囲は、0.8〜26.2℃/Wである。このテストでは、熱抵抗R3の範囲が、0.8〜26.2℃/Wの範囲に入るものを実施例4〜6とし、入らないものを比較例3,4とした。
下記の表4に示したように、実施例4の熱発電装置では、熱電モジュール13を20個用いて熱抵抗R3を5℃/Wにした。その結果、発電力Pは1.58Wであった。実施例5の熱発電装置では、熱電モジュール13を30個用いて熱抵抗R3を3.3℃/Wにした。その結果、発電力Pは1.54Wであった。実施例6の熱発電装置では、熱電モジュール13を50個用いて熱抵抗R3を2℃/Wにした。その結果、発電力Pは1.25Wであった。
Figure 2005285811
また、比較例3の熱発電装置では、熱電モジュール13を1個用いて熱抵抗R3を100℃/Wにした。その結果、発電力Pは0.15Wであった。比較例4の熱発電装置では、熱電モジュール13を200個用いて熱抵抗R3を0.5℃/Wにした。その結果、発電力Pは0.45Wであった。この結果を図7にグラフで示している。このように、ファン15を備えていない熱発電装置においても、熱抵抗R3を、熱抵抗R1,R2,R4の和である4.50125℃/Wに最も近い5℃/Wにした実施例4で最も大きな発電力Pを得ることができた。また、熱抵抗R3の範囲が、0.8〜26.2℃/Wの範囲に入る実施例5,6でも大きな発電力を得ることができ、熱抵抗R3の範囲が、0.8〜26.2℃/Wの範囲に入らない比較例3,4では発電力が僅かであった。また、図7における破線bは、計算値に基づく曲線である
このように、本発明の発明者は、熱発電装置の発電力に影響する複雑な要素の中で、特に熱発電装置を構成する各部分の熱抵抗に注目し、この熱抵抗が所定の関係にあるときに熱発電装置の発電力が最大になることを見出した。そして、本発明に係る熱発電装置は、発電力が最大になる熱抵抗R3が、熱抵抗R1,R2,R4の和になる関係に基づいて製造されている。このため、発電効率のよい熱発電装置が得られる。
また、図8に本発明に係る他の実施形態に係る熱発電装置20を示している。この熱発電装置20では、熱電モジュール23が図9に示したように構成されている。すなわち、この熱電モジュール23は、直方体に形成された複数の熱電素子28を一定間隔で配置し、その下端面に下部電極26aの所定部分をハンダ付けにより固定するとともに、上端面に上部電極27aの所定部分をハンダ付けにより固定して構成されている。このため、すべての熱電素子28は、下部電極26aと上部電極27aとを介して接続されている。
また、熱伝導板22の下面には、熱伝導板22と略等しい面積を有する上絶縁板27が固定され、フィン24の上面には、フィン24の上面の面積と略等しい面積を有する下絶縁基板26が固定されている。そして、下絶縁基板26の上面に、熱電モジュール23の下部電極26aが固定され、上絶縁板27の下面に熱電モジュール23の上部電極27aが固定されて熱発電装置20が構成されている。この熱発電装置20のそれ以外の部分の構成については、前述した熱発電装置10と同一である。したがって、同一部分に同一符号を記している。
この熱発電装置20も、発電力が最大になる熱抵抗R3が、熱抵抗R1,R2,R4の和になる関係に基づいて製造されている。このため、発電効率がよくなる。また、この熱発電装置20における作用効果は、前述した熱発電装置10と同様である。
また、本発明に係る熱発電装置は、前述した実施形態に限定するものでなく、適宜変更して実施することができる。例えば、ヒータ11は、同様の機能を有する他の装置に代えることができ、熱伝導板12,22、フィン14,24およびファン15は、同様の機能を有する他のものに代えたり取り除いたりすることができる。また、熱電モジュール13,23も他の形状や材料で構成されるものに代えることができる。また、前述した実施形態では、熱発電装置の発電力が最大値の50%以上であるときを好ましい範囲としているが、この範囲は、他の条件等によって適宜変更することができる。
本発明の一実施形態に係る熱発電装置の概略を示す正面図である。 図1に示した熱発電装置が備える熱電モジュールの斜視図である。 図2に示した熱電モジュールの正面図である。 熱電モジュールの熱抵抗と発電力等との関係を示したグラフである。 実施例1〜3および比較例1,2による熱電モジュールの熱抵抗と発電力との関係を示したグラフである。 図5における良好な範囲を拡大したグラフである。 実施例4〜6および比較例3,4による熱電モジュールの熱抵抗と発電力との関係を示したグラフである。 本発明の他の実施形態に係る熱発電装置の概略を示す正面図である。 図8に示した熱発電装置が備える熱電モジュールの正面図である。
符号の説明
10,20…熱発電装置、11…ヒータ、12,22…熱伝導板、13,23…熱電モジュール、14,24…フィン、15…ファン、16…下基板、16a,26a…下部電極、17…上基板、17a,27a…上部電極、18,28…熱電素子、P…発電力、Q…発熱量、Qout,Qin…熱量、R1,R2,R3,R4…熱抵抗、ΔT…温度差。

Claims (4)

  1. 対向させて配置した一対の板状の絶縁基板における対向する両面の所定箇所に電極を形成し、前記対向する電極の所定の部分にそれぞれ熱電素子の端面を固定して構成される熱電モジュール、または前記熱電モジュールから少なくとも一方の絶縁基板を除いて構成される熱電モジュールと、これらの熱電モジュールの一方の端面に熱を供給して前記熱電素子の両端面に温度差を生じさせることにより前記熱電モジュールに発電させる発熱部とを備えた熱発電装置であって、
    前記熱発電装置の発電力を最大にする構成を、前記熱電素子の集合の高温側の端面と低温側の端面との間の熱経路の熱抵抗に対する前記発熱部から前記熱電モジュールを介さずに外気に通じる熱経路の熱抵抗と、前記発熱部から前記熱電素子の集合の高温側の端面までの熱経路のうち熱電モジュールを介さない熱経路の熱抵抗と、前記熱電素子の集合の低温側の端面から外気に通じる熱経路のうち熱電モジュールを介さない熱経路の熱抵抗との関係から求め、前記発電力が最大になるように、前記熱電素子の集合の高温側の端面と低温側の端面との間の熱経路の熱抵抗と、他の熱抵抗とを所定の関係に設定したことを特徴とする熱発電装置。
  2. 前記発熱部から前記熱電モジュールを介さずに外気に通じる熱経路の熱抵抗をR1、前記発熱部から前記熱電素子の集合の高温側の端面までの熱経路のうち熱電モジュールを介さない熱経路の熱抵抗をR2、前記熱電素子の集合の高温側の端面と低温側の端面との間の熱経路の熱抵抗をR3、前記熱電素子の集合の低温側の端面から外気に通じる熱経路のうち熱電モジュールを介さない熱経路の熱抵抗をR4としたときに、前記各熱抵抗の関係を数1に示した関係に設定した請求項1に記載の熱発電装置。
    Figure 2005285811
  3. 前記発熱部から前記熱電モジュールを介さずに外気に通じる熱経路の熱抵抗をR1、前記発熱部から前記熱電素子の集合の高温側の端面までの熱経路のうち熱電モジュールを介さない熱経路の熱抵抗をR2、前記熱電素子の集合の高温側の端面と低温側の端面との間の熱経路の熱抵抗をR3、前記熱電素子の集合の低温側の端面から外気に通じる熱経路のうち熱電モジュールを介さない熱経路の熱抵抗をR4、最大発電力に対する発電力の割合をCとしたときに、前記各熱抵抗の関係を数2および数3に示した関係に設定した請求項1または2に記載の熱発電装置。
    Figure 2005285811
    Figure 2005285811
  4. 前記熱電モジュールの個数を適宜設定することにより前記熱電モジュールの高温側の端面と低温側の端面との間の熱経路の熱抵抗を調節可能にした請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載の熱発電装置。
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