JP2005285261A - リーダーテープ、及び磁気テープカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 支持体上の少なくとも一方の面に粉体と結合剤を含む塗布層を設けてなるリーダーテープにおいて、前記リーダーテープの少なくとも一方の面の中心線平均粗さ(Ra)が10〜60nmであり、かつスライダー材料の磨耗量がリーダーテープ1m当り0.1〜0.25μm2であること特徴とするリーダーテープ。カートリッジケースに磁気テープを巻装した単一若しくは複数のリールを回転可能に収容してなる磁気テープカートリッジにおいて、前記磁気テープの先端に接合され、該磁気テープを先導して磁気記録再生装置に引き出されるリーダーテープとして、上記リーダーテープを用いること。
【選択図】 図2
Description
またドライブリールに生じるリーダーブロック段差がデーター記録用の磁気テープに写りドロップアウトが増加するのを防止するためにも補強を行うのが好ましく、磁気テープより強度の高いリーダーテープを磁気テープの先端に接合することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような従来のテープドライブでは、巻取面の一部を構成するリーダーブロック40の寸法精度によっては、図4(b)に示すように、端面40aがコア部41より突出した状態となることがあり、コア部41の巻取面に許容できない段差を生じさせる場合があった。
このような段差は、リーダーテープLTに折り目や変形を生じさせ、図4(c)に示すように、この折り目や変形は次層以降に巻き付けられる実質的に記録領域となる磁気テープMTの部分にも同様に生じる(いわゆるテープ写りが発生する)。このようなテープ写りは、情報の記録または再生の過程で記録再生ヘッドとの適正な距離が保たれない等の不都合を生じやすく、記録不能や情報の損失の原因となる。
磁気テープMTを綺麗な巻き姿で巻き付けるための方策としては、磁気テープMTの巻き付け強さを強くすることが挙げられる。しかしながら、そうすると、前記ような段差を生じている場合に、テープ写りが顕著となるという問題を生じる。
1)支持体上の少なくとも一方の面に粉体と結合剤を含む塗布層を設けてなるリーダーテープにおいて、前記リーダーテープの少なくとも一方の面の中心線平均粗さ(Ra)が10〜60nmであり、かつスライダー材料の磨耗量がリーダーテープ1m当り0.1〜0.25μm2であること特徴とするリーダーテープ。
2)前記リーダーテープの厚みが5〜20μmであることを特徴とする上記1)に記載のリーダーテープ。
3)カートリッジケースに磁気テープを巻装した単一若しくは複数のリールを回転可能に収容してなる磁気テープカートリッジにおいて、前記磁気テープの先端に接合され、該磁気テープを先導して磁気記録再生装置に引き出されるリーダーテープとして、上記1)または2)記載のリーダーテープを用いることを特徴とする磁気テープカートリッジ。
対物レンズ:50倍、中間レンズ:0.5倍、測定範囲:242μm×184μmで円筒補正、傾き補正後にRaを算出する。
上記中心線平均粗さ(Ra)を得る手段としては、使用する支持体の表面粗さや、リーダテープを作成する工程でのカレンダー処理などの表面成形処理の線圧、ロール表面性などを選定すること等がでコントロールできる。またスライダー材料の磨耗量については、支持体Raの選定、塗布層に使用する無機粉体のモース硬度、粒径、形状や添加量を適宜選定すること、結合剤(Tg)、潤滑剤の種類、添加量の選定及び前記カレンダー処理などの表面成形処理の条件の変更等にて所望の磨耗量を得ることできる。
スライダー材料としてアルフェシルバー(Alfesilバー)を用い、リーダーテープの塗布面とアルフェシルバーを100gの張力(T1)で図5に示すようにラップ角12度として接触させ、リーダーテープを4m/秒の速度で走行させる。走行長20mを往復50回繰り返した後、図6に示すようにの磨耗したアルフェシルバーの(磨耗長さ×テープ幅)を測定して磨耗量とする。この磨耗量を20mで除すことによりリーダーテープ1m当りの磨耗量を求めることができる。
上記スライダー材料の磨耗量を満足する塗布層は、少なくとも磁気ヘッドと接触する側の支持体面に設けられることが好ましく、これによりヘッドクリーングが適正に行われるのでヘッド付着物が低減され、ひいてはドロップアウトが低減される。
この接合は、リーダーテープの一端を磁気テープの先端に突き合わせた状態で公知のスプライシングテープを貼り付けることにより実施することができる。リーダーテープの他端は、リーダーピン等の係合部材が設けられ、これは、磁気記録再生装置のドライブリールへの固定に使用される。
この磁気記録再生装置は、磁気テープカートリッジと磁気テープドライブとで構成されるものであれば、特に制限はない。
本発明は、このように記録トラック幅が狭く、再生トラック幅との差が小さくても、トラックずれを抑え、安定した記録再生が得られるものである。
上記トラック幅で記録再生を行う記録再生装置については、特に限定されず、記録・再生ヘッドを有した公知の態様の磁気記録再生装置を用いることができる。
本発明に用いられる磁気ヘッドは記録用としてはインダクティブヘッドが、再生用としてはMRヘッドが好ましく使用できる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
支持体上に設けられる塗布層は、結合剤及び粉体を少なくとも含有するが、好ましくは、粉体としては微粒子無機粉末を結合剤で分散したものを主に用い、潤滑剤を含有することが好ましい。前記微粒子無機粉末は非磁性物でも磁性粒子でも構わない。塗布層は単層、若しくは複数の層で構成される。バック層は、塗布層と同じ材料から構成することもできるし、別の材料から構成することもできる。
塗布層を設ける目的は、支持体にない機能を必要に応じて付与するためのもので、例えば、研磨粒子を磁気ヘッドに接触する面に含有させてクリーニング効果をもたせる、導電性粒子を含有させて帯電防止機能を持たせる、磁性体を含有させて磁気信号を記録することなどが挙げられる。
塗布層はさらに潤滑剤を含むことにより、摩擦係数を制御することが可能である。塗布層としては、磁気テープ(データーテープ)と同様の磁性層、若しくは、非磁性層を単独に、あるいは非磁性層上に磁性層を塗布した2層構成のものを磁気ヘッドに接触する側に設けることが好ましく、反対側にカーボンブラックを主体としたバック層を設けることが好ましい。
リーダーテープの塗布層の厚みは、0.1〜3.0μmであることが好ましく、0.5〜2.0μmであることが更に好ましい。
支持体の厚みは、3〜17μmが好ましく、6〜15μmが更に好ましい。
上記表面電気抵抗を所定に制御する手段としては、カーボンブラックなどの導電性粉末を塗布層及びバック層の少なくとも1層に添加することが挙げられる。例えば、各々の層の結合剤100質量部に対してカーボンブラックを1〜20質量部添加することが挙げられる。
<磁性層および非磁性層の結合剤等>
磁性層、非磁性層に使用される結合剤としては従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用される。熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度が−100〜150℃、数平均分子量が1000〜200000、好ましくは10000〜100000、重合度が約50〜1000程度のものが使用される。
ポリウレタン樹脂中の水酸基の含有量は、1分子あたり3〜20個であるのが好ましく、より好ましくは1分子あたり4〜5個である。1分子あたり3個未満であるとポリイソシアネート硬化剤との反応性が低下するために、塗膜強度と耐久性が低下しやすい。また、20個より多いと、溶剤への溶解性と分散性が低下しやすい。ポリウレタン樹脂中の水酸基の含有量を調整するために、ポリウレタン樹脂の合成に際し、水酸基が3官能以上の化合物を用いることができる。具体的には、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、無水トリメリット酸、グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサントリオール、特公平6−64726号に記載されるポリエステルポリオールを原料とする2塩基酸と該化合物をグリコール成分として得られる3官能以上水酸基を有する分岐ポリエステル、ポリエーテルエステル等が挙げられる。好ましいのは3官能のものであり、4官能以上になると反応過程においてゲル化しやすくなる。
磁性層に使用する強磁性粉末としては、α−Feを主成分とする強磁性合金粉末が好ましい。これらの強磁性粉末には所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ca、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子を含んでもかまわない。特に、Al、Si、Ca、Y、Ba、La、Nd、Co、Ni、Bの少なくとも1つをα−Fe以外に含むことが好ましく、Co、Y、Alの少なくとも一つを含むことがさらに好ましい。
(非磁性層)
非磁性層に用いられる無機粉末は、非磁性粉末であり、例えば、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、等の無機質化合物から選択することができる。非磁性層にカーボンブラックを混合させて公知の効果である表面電気抵抗Rsを下げること、光透過率を小さくすることができるとともに、所望のマイクロビッカース硬度を得る事ができる。また、下層にカーボンブラックを含ませることで潤滑剤貯蔵の効果をもたらすことも可能である。カーボンブラックの種類はゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック、等を用いることができる。下層のカーボンブラックは所望する効果によって、以下のような特性を最適化すべきであり、併用することでより効果が得られることがある。また非磁性層には有機質粉末を目的に応じて、添加することもできる。非磁性層の潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は磁性層に関する公知技術が適用できる。
磁性層、非磁性層等に使用される添加剤としては、ヘッド研磨効果、潤滑効果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果などをもつものが使用される。具体的にはWO98/35345号等に記載のものが挙げられる。
潤滑剤としては、例えば、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸、およびこれらの金属塩(Li、Na、K、Cuなど)または炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸と炭素数2〜12の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコールのいずれか一つとからなるモノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキルエーテルの脂肪酸エステル、炭素数8〜22の脂肪酸アミドなどが使用できる。上記脂肪酸及びアルコールは、不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない。
これらの具体例としては脂肪酸では、カプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、などが挙げられる。エステル類ではブチルステアレート、オクチルステアレート、アミルステアレート、イソオクチルステアレート、ブチルミリステート、オクチルミリステート、ブトキシエチルステアレート、ブトキシジエチルステアレート、2−エチルヘキシルステアレート、2−オクチルドデシルパルミテート、2−ヘキシルドデシルパルミテート、イソヘキサデシルステアレート、オレイルオレエート、ドデシルステアレート、トリデシルステアレート、エルカ酸オレイル、ネオペンチルグリコールジデカノエート、エチレングリコールジオレイル等が挙げられる。
バック層には、カーボンブラックと無機粉末が含有されていることが好ましい。結合剤、各種添加剤は、磁性層や非磁性層の処方が適用される。バック層の厚みは、0.1〜1.0μmが好ましく、0.4〜0.6μmが更に好ましい。
磁気テープに用いられる支持体は、非磁性可撓性支持体であることが好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリオレフィン類、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、芳香族又は脂肪族ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、ポリアラミド、ポリベンゾオキサゾールなどの公知のフィルムが使用できる。中でもポリエチレンテレフタレートフィルム又はポリイミドフィルムを用いるのが好ましい。これらの支持体にはあらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理などを行ってもよい。
支持体は、長さ方向の弾性率が3.5〜20GPa、幅方向の弾性率が3.5〜20GPa、好ましくは長さ方向及び幅方向共に弾性率が4〜15GPaとするのが好適である。
磁性層と非磁性層は、上記成分を溶媒に溶解乃至分散して各々の塗料を作製し、支持体(ウェブ)上に順じ塗布することにより作製できる。非磁性層が湿潤状態にあるうち磁性層を塗布するウエット・オン・ウエット方式でも非磁性層が乾燥した上に塗布するウエット・オン・ドライ方式でもよい。塗布乾燥されたウェブは適宜配向処理、カレンダ処理、スリットが施される。
データー記録用磁気テープは、非磁性支持体に磁性層を設け、必要に応じてバック層を設けたものを用いる。好ましい態様は、2〜9μmの支持体に非磁性下層と磁性上層を塗布、反対面にバック層を設けたものが好ましい。磁気テープの構成要素は高密度記録に適したもので、特開2001−250219号公報、特開2002−251710号公報に記載の磁気テープが好ましい例として挙げられる。
本発明では、さらに磁気テープの厚みが3〜11μm、好ましくは4〜9μmにすることで、高容量化に適した磁気テープカートリッジが得られる。
本発明の磁気テープカートリッジは、カートリッジケースに磁気テープを巻装した単一若しくは複数のリールを回転可能に収容してなり、前記磁気テープの先端に接合され、該磁気テープを先導して磁気記録再生装置に引き出されるリーダーテープとして、本発明のリーダーテープを用いることを特徴とする。
[磁気記録再生装置及び磁気記録再生方法]
本発明のリーダーテープは線記録密度100kfci以上で、記録トラック幅と再生トラック幅の差が16μm以下の磁気記録再生装置で効果が見られ、記録トラック幅と再生トラック幅の差が10μm以下の磁気記録再生装置では、更に顕著な効果がえられることを特徴とする。
リーダーテープLTは長尺に形成されており、本実施の形態では、磁気テープドライブ20のドライブリール21のコア部22に対して、少なくとも3巻き分だけ巻き付け可能な長さを有している。リーダーテープLTは、好ましくは0.5〜5.0m、好ましくは、0.9mの長さを有するものが用いられる。
磁気テープドライブ20は、図1に示すように、スピンドル24と、このスピンドル24を駆動するためのスピンドル駆動装置25と、磁気ヘッドHと、ドライブリール21と、このドライブリール21を駆動するための巻取リール駆動装置26と、制御装置27とを備えている。
また、磁気テープドライブ20は、前記磁気テープカートリッジ10のリーダーテープLT先端に設けられたリーダーピン30(図2参照)に係合可能なリーダーブロック31を有しており、このリーダーブロック31は、引出ガイド32等を含む図示しない引出機構により、磁気テープカートリッジ10側に移送されるようになっている。
磁気テープカートリッジ10が図1に示すように磁気テープドライブ20に装着されると、引出ガイド32(図2参照)がリーダーピン30を引き出して、磁気ヘッドHを介してドライブリール21まで移送し、リーダーブロック31をドライブリール21のコア部22の凹部23へ嵌入させる。なお、凹部23には、リーダーブロック31に係合し、リーダーブロック31が凹部23から飛び出すのを防止する図示しない係止部が設けられている。
[実施例1]
実施例中の「部」の表示は「質量部」を示す。
<塗布液の作製>
塗布層用塗料組成
強磁性金属粉末 100部
抗磁力Hc:128kA/m(2400Oe)
BET法による比表面積:53m2/g
結晶子サイズ:160Å
飽和磁化量σs:130A・m2/kg
平均長軸長:130nm
平均針状比:6.5
pH:9.3
Co/Fe:5原子%
Al/Fe:7原子%
Y/Fe:2原子%
水溶性Na:5ppm
水溶性Ca:1ppm
水溶性Fe:1ppm
塩化ビニル系共重合体(日本ゼオン社製MR−110) 10部
(−SO3Na含有量:5×10-6eq/g、重合度:350、
エポキシ基(モノマー単位で3.5質量%)
ポリエステルポリウレタン樹脂 2.5部
(ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI
=0.9/2.6/1(質量比)、
−SO3Na基:1×10-4eq/g含有)
αアルミナ(平均粒径:0.3μm) 10部
カーボンブラック(平均粒径:0.10μm) 1部
ブチルステアレート 1.5部
ステアリン酸 0.5部
メチルエチルケトン 150部
シクロヘキサノン 50部
トルエン 40部
微粒子カーボンブラック 100部
(キャボット社製BP−800、平均粒子径:17nm)
粗粒子カーボンブラック 10部
(カーンカルプ社製サーマルブラック、平均粒子径:270nm)
αアルミナ(硬質無機粉末) 5部
(平均粒子径:200nm、モース硬度:9)
ニトロセルロース樹脂 140部
ポリウレタン樹脂 15部
ポリエステル樹脂 5部
分散剤:オレイン酸銅 5部
銅フタロシアニン 5部
硫酸バリウム(沈降性) 5部
(BF−1、平均粒子径:50nm、モース硬度:3、堺化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 1200部
酢酸ブチル 300部
トルエン 600部
得られた塗布層塗料を、長尺状のポリエチレンテレフタレート(PET)支持体(厚さ:15.0μm、長さ(MD)方向の破断強度:30Kg/mm2(294MPa)、巾(TD)方法の破断強度:30Kg/mm2(294MPa)、塗布面の中心線平均表面粗さRa(カットオフ値:0.25mm):30nm)上に塗布層の乾燥後の厚みが1.0μmとなるよう塗布した。次いで、塗布層がまだ湿潤状態にあるうちに300mTの磁力をもつコバルト磁石と150mTの磁力をもつソレノイドを用いて配向処理を行った。その後、乾燥させることにより塗布層を形成した。
その後、支持体の他方の側(塗布層とは反対側)に、上記バック層用塗料を乾燥後の厚さが、0.5μmとなるように塗布し、乾燥してバック層を形成した。支持体の一方の面に塗布層そして他方の面にバック層がそれぞれ設けられたリーダーテープ用のロールを得た。
更に、加熱処理後のロールを加熱金属ロールと熱硬化性樹脂を芯金に被覆した弾性ロールから構成される7段のカレンダー処理機(温度:90℃、線圧:300Kg/cm(294kN/m))に通してカレンダー処理を行い、テンション5Kg/m(49N/m)で巻き取った。
得られたロールを50℃48時間、加熱処理を行った。次いで該ロールを1/2吋巾にスリットした後、300mTの磁束密度を持つソレノイド中を通過させて消磁した。
得られた1/2吋巾の磁気テープをリーダーテープに使用して、市販のLTOテープに接続し、磁気テープカートリッジを作製した。磁気テープは609m巻き込んだ。
実施例1のリーダーテープの作製において、塗布層側の中心線平均表面粗さRaが45nm、バック層側の中心線平均表面粗さRaが50nmであるPET支持体を用いた以外は実施例1と同様にして本発明の磁気テープカートリッジを作製した。
[比較例1]
実施例1のリーダーテープの作製において、塗布層側及びバック層側の中心線平均表面粗さRaが70nmのPETベースを用い、カレンダー処理温度を80℃した以外は、実施例1と同じようにして磁気テープカートリッジを作製した。
[比較例2]
実施例1のリーダーテープの作製において、塗布層側及びバック層側の中心線平均表面粗さRaが5nmであるPET支持体を用いた以外は実施例1と同様にして磁気テープカートリッジを作製した。
[比較例3]
実施例1のリーダーテープの作製において、支持体の厚みが50μmのPET支持体を用いた以外は実施例1と同様にして磁気テープカートリッジを作製した。
<塗布液の作製>
上層用塗料組成
強磁性金属粉末 100部
抗磁力Hc:128kA/m(1600Oe)
BET法による比表面積:53m2/g
結晶子サイズ:160Å
飽和磁化量σs:130A・m2/kg
平均長軸長:130nm
平均針状比:6.5
pH:9.3
Co/Fe:5原子%
Al/Fe:7原子%
Y/Fe:2原子%
水溶性Na:5ppm
水溶性Ca:1ppm
水溶性Fe:1ppm
塩化ビニル系共重合体(日本ゼオン社製MR−110) 10部
(−SO3Na含有量:5×10-6eq/g、重合度:350、
エポキシ基(モノマー単位で3.5質量%)
ポリエステルポリウレタン樹脂 2.5部
(ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI
=0.9/2.6/1(質量比)、
−SO3Na基:1×10-4eq/g含有)
αアルミナ(平均粒径:0.3μm) 10部
カーボンブラック(平均粒径:0.10μm) 1部
ブチルステアレート 1.5部
ステアリン酸 0.5部
メチルエチルケトン 150部
シクロヘキサノン 50部
トルエン 40部
非磁性粉末 TiO2 90部
BET法による比表面積:45m2/g
平均粒径:0.1μm
pH:6.5
水溶性Na:5ppm
水溶性Ca:1ppm
カーボンブラック(三菱カーボン(株)製) 10部
平均一次粒子径:16nm
DBP吸油量:80ml/100g
pH:8.0
BET法による比表面積:250m2/g
塩化ビニル系共重合体 12部
日本ゼオン製MR−110
ポリエステルポリウレタン樹脂 5部
(ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI
=0.9/2.6/1(質量比)、
−SO3Na基:1×10-4eq/g含有)
ブチルステアレート 1.06部
ステアリン酸 1.18部
メチルエチルケトン 150部
シクロヘキサノン 50部
トルエン 40部
微粒子カーボンブラック 100部
(キャボット社製BP−800、平均粒子径:17nm)
粗粒子カーボンブラック 10部
(カーンカルプ社製サーマルブラック、平均粒子径:270nm)
αアルミナ(硬質無機粉末) 5部
(平均粒子径:200nm、モース硬度:9)
ニトロセルロース樹脂 140部
ポリウレタン樹脂 15部
ポリエステル樹脂 5部
分散剤:オレイン酸銅 5部
銅フタロシアニン 5部
硫酸バリウム(沈降性) 5部
(BF−1、平均粒子径:50nm、モース硬度:3、堺化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 1200部
酢酸ブチル 300部
トルエン 600部
その他は、実施例1と同じようにリーダーテープ及び磁気テープカートリッジを作製した。ただし、上層厚みを0.1μm、下層厚みを1.0μmとした。
得られた磁気テープカートリッジを下記の測定条件に従って評価した。評価環境は23±2℃、40〜60%RHである。
(1)リーダーテープ傷付き
ロード/アンロードを1万回繰り返した後のリーダーテープ表面を観察し、傷付き程度を3点法で採点した。
3点・・・・・傷付き無し
2点・・・・・局部的に傷付き有り
1点・・・・・全面に傷付き有り
(2)ヘッド部の粉付着
磁気ヘッド部表面を観察し、粉の付着量を3点法で採点した。
3点・・・・・粉付着無し
2点・・・・・局部的な粉付着有り
1点・・・・・ヘッド部全面に粉付着有り
(3)ドロップアウト数
LTO改造ドライブで1万回のロード/アンロードを行った後、全長を1往復走行させて、信号を記録した。
リーダーテープに接合されている磁気テープの信号記録部分10mを磁気現像し、顕微鏡観察により記録ヌケ部分をカウントしてドロップアウト数とした。
なお、記録トラック幅10μm、再生トラック幅20μm、線記録密度190kfciの信号を用いた。
(4)スライダーの磨耗量
前記方法によった。
比較例1は、スライダー材料の磨耗量が大きいリーダテープを用いているため、この影響でヘッド自体とヘッドスライダーとに大きな段差が発生し、このためリーダテープの傷付き及び磁気テープ表面を傷付けてしまう。その結果、ヘッドへの粉付着が多くなり、ドロップアウトを増やしている。
比較例2は、スライダー材料の磨耗量が小さいリーダテープを用いているため、ヘッドに付着した粉付着を除去できずにドロップアウトを増やしている。
比較例3はリーダテープの厚みが厚いため、ヘッドとの接触圧力が強く、このため層面は傷付きやすくなっており、ドロップアウトを増やしている。
10 磁気テープカートリッジ
11 カートリッジリール(送出リール)
20 磁気テープドライブ
21 ドライブリール(巻取リール)
21a フランジ部
21b 溝部
22 コア部
23 凹部
25 スピンドル駆動装置
26 巻取リール駆動装置
27 制御装置
30 リーダーピン
31 リーダーブロック
32 引出ガイド
H 磁気ヘッド
LT リーダーテープ
MT 磁気テープ
Claims (3)
- 支持体上の少なくとも一方の面に粉体と結合剤を含む塗布層を設けてなるリーダーテープにおいて、前記リーダーテープの少なくとも一方の面の中心線平均粗さ(Ra)が10〜60nmであり、かつスライダー材料の磨耗量がリーダーテープ1m当り0.1〜0.25μm2であること特徴とするリーダーテープ。
- 前記リーダーテープの厚みが5〜20μmであることを特徴とする請求項1に記載のリーダーテープ。
- カートリッジケースに磁気テープを巻装した単一若しくは複数のリールを回転可能に収容してなる磁気テープカートリッジにおいて、前記磁気テープの先端に接合され、該磁気テープを先導して磁気記録再生装置に引き出されるリーダーテープとして、請求項1または2記載のリーダーテープを用いることを特徴とする磁気テープカートリッジ。
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JP2004100156A Pending JP2005285261A (ja) | 2004-03-30 | 2004-03-30 | リーダーテープ、及び磁気テープカートリッジ |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005285261A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7398940B2 (en) * | 2004-06-17 | 2008-07-15 | Fujifilm Corporation | Leader tape, method for manufacturing the same, and magnetic tape cartridge |
-
2004
- 2004-03-30 JP JP2004100156A patent/JP2005285261A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7398940B2 (en) * | 2004-06-17 | 2008-07-15 | Fujifilm Corporation | Leader tape, method for manufacturing the same, and magnetic tape cartridge |
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