JP2005285258A - リーダーテープおよびこれを用いた磁気テープカートリッジ並びに磁気記録再生方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体上の少なくとも一方の面に粉体と結合剤を含む塗布層を設けてなるリーダーテープにおいて、前記リーダーテープは少なくとも一方の面の中心線平均粗さ(Ra)が10〜60nmであり、長さが0.3〜3mであり、かつ塗布層の表面潤滑剤量がオージェ電子分光法にて、5〜15(C/Fe)である。
【選択図】 図2
Description
またドライブリールに生じるリーダーブロック段差がデーター記録用の磁気テープに写りドロップアウトが増加するのを防止するためにも補強を行うのが好ましく、磁気テープより強度の高いリーダーテープを磁気テープの先端に接合することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような従来のテープドライブでは、巻取面の一部を構成するリーダーブロック40の寸法精度によっては、図4(b)に示すように、端面40aがコア部41より突出した状態となることがあり、コア部41の巻取面に許容できない段差を生じさせる場合があった。
このような段差は、リーダーテープLTに折り目や変形を生じさせ、図4(c)に示すように、この折り目や変形は次層以降に巻き付けられる実質的に記録領域となる磁気テープMTの部分にも同様に生じる(いわゆるテープ写りが発生する)。このようなテープ写りは、情報の記録または再生の過程で記録再生ヘッドとの適正な距離が保たれない等の不都合を生じやすく、記録不能や情報の損失の原因となる。
磁気テープMTを綺麗な巻き姿で巻き付けるための方策としては、磁気テープMTの巻き付け強さを強くすることが挙げられる。しかしながら、そうすると、前記ような段差を生じている場合に、テープ写りが顕著となるという問題を生じる。
1)支持体上の少なくとも一方の面に粉体と結合剤を含む塗布層を設けてなるリーダーテープにおいて、前記リーダーテープは少なくとも一方の面の中心線平均粗さ(Ra)が10〜60nmであり、長さが0.3〜3mであり、かつ塗布層の表面潤滑剤量がオージェ電子分光法にて、5〜15(C/Fe)であることを特徴とするリーダーテープ。
2)カートリッジケースに磁気テープを巻装した単一若しくは複数のリールを回転可能に収容してなる磁気テープカートリッジにおいて、前記磁気テープの先端に接合され、該磁気テープを先導して磁気記録再生装置に引き出されるリーダーテープとして、請求項1に記載のリーダーテープを用いることを特徴とする磁気テープカートリッジ。
3)上記1)または2)記載のリーダーテープを、上記2)記載の磁気記録再生装置に用い、かつ0.98N(100g)以下の走行テンションにてリーダーテープの引き出し及び巻き込みを行うことを特徴とする磁気記録再生方法。
このRaは、光干渉式表面粗さ計(WYKO社製HD−2000)にて以下の条件で測定されるものを意味する。
対物レンズ:50倍、中間レンズ:0.5倍、測定範囲:242μm×184μmで円筒補正、傾き補正後にRaを算出する。
上記中心線平均粗さ(Ra)を得る手段としては、使用する支持体の表面粗さや、リーダテープを作製する工程でのカレンダー処理などの表面成形処理の線圧、ロール表面性などを選定すること等でコントロールできる。
本発明は、比(C/Fe)を5〜15、好ましくは7〜12に制御する。
この接合は、リーダーテープの一端を磁気テープの先端に突き合わせた状態で公知のスプライシングテープを貼り付けることにより実施することができる。リーダーテープの他端は、リーダーピン等の係合部材が設けられ、これは、磁気記録再生装置のドライブリールへの固定に使用される。
本発明のリーダーテープの長さは、0.3〜3m(好ましくは0.5〜2m、更に好ましくは0.8〜1.2m)である。短すぎると、リールへの巻き適性が不均一であったり、クッション効果がなく、写りヘの効果が薄れる。また、長すぎてもアクセス時間が長くなる欠点がある。
本発明では、走行テンションが従来より低く設定できるので巻き締まりを防止し、ひいてはリーダーブロックなどの写りを抑制することができる。また、テープ走行速度を上げることができ記録再生までのアクセス時間を短縮することができる。また、走行テンションを低く設定できることから、ヘッドおよび/またはスライダーとの摺動による負荷が低減され、リーダーテープ塗布層の傷付きを抑制することができ、傷により生じた粉等のヘッド付着が低減され磁気テープの記録再生においてドロップアウトが低下し、電磁変換特性が良好に維持される。また、走行テンションを小さくしたことにより、ヘッド磨耗を低減する効果もある。
本発明における走行テンションは、テンションレギュレーターにより測定される値である。
この磁気記録再生装置は、磁気テープカートリッジと磁気テープドライブとで構成されるものであれば、特に制限はない。
磁気記録再生は、本発明のリーダーテープを備えた磁気テープカートリッジを磁気記録再生装置に用いればよい。リーダーテープが接合された磁気テープに対し100kfci以上(好ましくは120kfci以上、更に好ましくは140kfci以上)の線記録密度、かつ記録トラック幅(好ましくは28μm以下、更に好ましくは25μm以下)と再生トラック幅(好ましくは14μm以下、更に好ましくは12μm以下)の差を0〜16μm(好ましくは5〜15μm、更に好ましくは5〜10μm)として記録再生が可能である。
本発明は、このように記録トラック幅が狭く、再生トラック幅との差が小さくても、トラックずれを抑え、安定した記録再生が得られるものである。
上記トラック幅で記録再生を行う記録再生装置については、特に限定されず、記録・再生ヘッドを有した公知の態様の磁気記録再生装置を用いることができる。
本発明に用いられる磁気ヘッドは記録用としてはインダクティブヘッドが、再生用としてはMRヘッドが好ましく使用できる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
支持体上に設けられる塗布層は微粒子無機粉末を結合剤で分散したものを主に用いる。前記微粒子無機粉末は非磁性物でも磁性粒子でも構わない。塗布層は単層、若しくは複数の層で構成される。塗布層は磁気ヘッドに接触する面、あるいは反対側の少なくとも一方に形成する。
塗布層を設ける目的は、支持体にない機能を必要に応じて付与するためのもので、例えば、研磨粒子を磁気ヘッドに接触する面に含有させてクリーニング効果をもたせる、導電性粒子を含有させて帯電防止機能を持たせる、磁性体を含有させて磁気信号を記録することなどが挙げられる。
塗布層はさらに潤滑剤を含むことにより、摩擦係数を制御することが可能である。好ましい塗布層としては、データーテープと同様の磁性層、若しくは、非磁性層を単独に、あるいは非磁性層(下層)上に磁性層(上層)を塗布した2層構成のものを磁気ヘッドに接触する側に設け、反対側にカーボンブラックを主体としたバックコート(バック層)を設ける。
塗布層の厚みは、単層、若しくは複数層の合計が0.1〜5.0μmが好ましく、0.5〜3.0μmが更に好ましい。支持体の厚みは、3〜17μmが好ましく、6〜15μmが更に好ましい。
上記表面電気抵抗を所定に制御する手段としては、カーボンブラックなどの導電性粉末を下層、上層及びバック層の少なくとも1層に添加することが挙げられる。例えば、各々の層の結合剤100質量部に対してカーボンブラックを1〜20質量部添加することが挙げられる。
以下、上記磁気テープをリーダーテープとしたものについて、詳述する。
<磁性層および非磁性層の結合剤等>
磁性層、非磁性層に使用される結合剤としては従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用される。熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度が−100〜150℃、数平均分子量が1000〜200000、好ましくは10000〜100000、重合度が約50〜1000程度のものが使用される。
ポリウレタン樹脂中の水酸基の含有量は、1分子あたり3〜20個であるのが好ましく、より好ましくは1分子あたり4〜5個である。1分子あたり3個未満であるとポリイソシアネート硬化剤との反応性が低下するために、塗膜強度と耐久性が低下しやすい。また、20個より多いと、溶剤への溶解性と分散性が低下しやすい。ポリウレタン樹脂中の水酸基の含有量を調整するために、ポリウレタン樹脂の合成に際し、水酸基が3官能以上の化合物を用いることができる。具体的には、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、無水トリメリット酸、グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサントリオール、特公平6−64726号に記載されるポリエステルポリオールを原料とする2塩基酸と該化合物をグリコール成分として得られる3官能以上水酸基を有する分岐ポリエステル、ポリエーテルエステル等が挙げられる。好ましいのは3官能のものであり、4官能以上になると反応過程においてゲル化しやすくなる。
磁性層に使用する強磁性粉末としては、α−Feを主成分とする強磁性合金粉末が好ましい。これらの強磁性粉末には所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ca、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子を含んでもかまわない。特に、Al、Si、Ca、Y、Ba、La、Nd、Co、Ni、Bの少なくとも1つをα−Fe以外に含むことが好ましく、Co、Y、Alの少なくとも一つを含むことがさらに好ましい。
(非磁性層)
非磁性層に用いられる無機粉末は、非磁性粉末であり、例えば、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、等の無機質化合物から選択することができる。非磁性層にカーボンブラックを混合させて公知の効果である表面電気抵抗Rsを下げること、光透過率を小さくすることができるとともに、所望のマイクロビッカース硬度を得る事ができる。また、下層にカーボンブラックを含ませることで潤滑剤貯蔵の効果をもたらすことも可能である。カーボンブラックの種類はゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック、等を用いることができる。下層のカーボンブラックは所望する効果によって、以下のような特性を最適化すべきであり、併用することでより効果が得られることがある。また非磁性層には有機質粉末を目的に応じて、添加することもできる。非磁性層の潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は磁性層に関する公知技術が適用できる。
磁性層、非磁性層等に使用される添加剤としては、ヘッド研磨効果、潤滑効果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果などをもつものが使用される。具体的にはWO98/35345号等に記載のものが挙げられる。
潤滑剤としては、例えば、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸、およびこれらの金属塩(Li、Na、K、Cuなど)または炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸と炭素数2〜12の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコールのいずれか一つとからなるモノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキルエーテルの脂肪酸エステル、炭素数8〜22の脂肪酸アミドなどが使用できる。上記脂肪酸及びアルコールは、不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない。
これらの具体例としては脂肪酸では、カプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、などが挙げられる。エステル類ではブチルステアレート、オクチルステアレート、アミルステアレート、イソオクチルステアレート、ブチルミリステート、オクチルミリステート、ブトキシエチルステアレート、ブトキシジエチルステアレート、2−エチルヘキシルステアレート、2−オクチルドデシルパルミテート、2−ヘキシルドデシルパルミテート、イソヘキサデシルステアレート、オレイルオレエート、ドデシルステアレート、トリデシルステアレート、エルカ酸オレイル、ネオペンチルグリコールジデカノエート、エチレングリコールジオレイル等が挙げられる。
バック層には、カーボンブラックと無機粉末が含有されていることが好ましい。結合剤、各種添加剤は、磁性層や非磁性層の処方が適用される。バック層の厚みは、0.1〜1.0μmが好ましく、0.4〜0.6μmが更に好ましい。
磁気テープに用いられる支持体は、非磁性可撓性支持体であることが好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリオレフィン類、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、芳香族又は脂肪族ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、ポリアラミド、ポリベンゾオキサゾールなどの公知のフィルムが使用できる。中でもポリエチレンテレフタレートフィルム又はポリイミドフィルムを用いるのが好ましい。これらの支持体にはあらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理などを行ってもよい。
支持体は、長さ方向の弾性率が3.5〜20GPa、幅方向の弾性率が3.5〜20GPa、好ましくは長さ方向及び幅方向共に弾性率が4〜15GPaとするのが好適である。
磁性層と非磁性層は、上記成分を溶媒に溶解乃至分散して各々の塗料を作製し、支持体(ウェブ)上に順じ塗布することにより作製できる。非磁性層が湿潤状態にあるうち磁性層を塗布するウエット・オン・ウエット方式でも非磁性層が乾燥した上に塗布するウエット・オン・ドライ方式でもよい。塗布乾燥されたウェブは適宜配向処理、カレンダ処理、スリットが施される。
データー記録用磁気テープは、非磁性支持体に磁性層を設け、必要に応じてバックコートを設けたものを用いる。好ましい態様は、2〜9μmの支持体に非磁性下層と磁性上層を塗布、反対面にバックコートを設けたものが好ましい。磁気テープの構成要素は高密度記録に適したもので、特開2001−250219号公報、特開2002−251710号公報に記載の磁気テープが好ましい例として挙げられる。
また本発明では、さらに磁気テープの厚みが3〜11μm、好ましくは4〜9μmであり、かつカッピングが1/2インチ幅あたり0.3〜2mm、好ましくは0.3〜1.5mmであるものを用いると、良好な巻き姿が得られ、高密度にさらに適した磁気テープカートリッジが得られる。
本発明の磁気テープカートリッジは、カートリッジケースに磁気テープを巻装した単一若しくは複数のリールを回転可能に収容してなり、前記磁気テープの先端に接合され、該磁気テープを先導して磁気記録再生装置に引き出されるリーダーテープとして、本発明のリーダーテープを用いることを特徴とする。
[磁気記録再生装置]
本発明のリーダーテープは線記録密度100kfci以上で、記録トラック幅と再生トラック幅の差が16μm以下の磁気記録再生装置で使用された場合にとくに顕著な効果が奏され、記録トラック幅と再生トラック幅の差が10μm以下の磁気記録再生装置では、更に顕著な効果がえられる。
リーダーテープLTは長尺に形成されており、本実施の形態では、磁気テープドライブ20のドライブリール21のコア部22に対して、少なくとも3巻き分だけ巻き付け可能な長さを有している。リーダーテープLTは、好ましくは0.5〜5.0m、好ましくは、0.9mの長さを有するものが用いられる。
磁気テープドライブ20は、図1に示すように、スピンドル24と、このスピンドル24を駆動するためのスピンドル駆動装置25と、磁気ヘッドHと、ドライブリール21と、このドライブリール21を駆動するための巻取リール駆動装置26と、制御装置27とを備えている。
また、磁気テープドライブ20は、前記磁気テープカートリッジ10のリーダーテープLT先端に設けられたリーダピン30(図2参照)に係合可能なリーダーブロック31を有しており、このリーダーブロック31は、引出ガイド32等を含む図示しない引出機構により、磁気テープカートリッジ10側に移送されるようになっている。
磁気テープカートリッジ10が図1に示すように磁気テープドライブ20に装着されると、引出ガイド32(図2参照)がリーダピン30を引き出して、磁気ヘッドHを介してドライブリール21まで移送し、リーダーブロック31をドライブリール21のコア部22の凹部23へ嵌入させる。なお、凹部23には、リーダーブロック31に係合し、リーダーブロック31が凹部23から飛び出すのを防止する図示しない係止部が設けられている。
[実施例1]
実施例中の「部」の表示は「質量部」を示す。
<塗布液の作製>
上層用塗料組成
強磁性金属粉末 100部
抗磁力Hc:191kA/m(2400Oe)
BET法による比表面積:62m2/g
結晶子サイズ:110Å
飽和磁化量σs:117A・m2/kg
平均長軸長:45nm
平均針状比:5
pH:9.3
Co/Fe:25原子%
Al/Fe:7原子%
Y/Fe:12原子%
塩化ビニル系共重合体(日本ゼオン社製MR−110) 5部
(−SO3Na含有量:5×10-6eq/g、重合度:350、
エポキシ基(モノマー単位で3.5質量%)
ポリエステルポリウレタン樹脂 12部
(ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI
=0.9/2.6/1(質量比)、
−SO3Na基:1×10-4eq/g含有)
αアルミナ(平均粒径:0.3μm) 10部
カーボンブラック(平均粒径:0.10μm) 1部
ブチルステアレート 1.5部
ステアリン酸 0.5部
メチルエチルケトン 150部
シクロヘキサノン 50部
トルエン 40部
非磁性粉末 針状α酸化鉄 80部
BET法による比表面積:58m2/g
平均長軸長:0.15μm
針状比:7.5
カーボンブラック 20部
平均一次粒子径:16nm
DBP吸油量:80ml/100g
pH:8.0
BET法による比表面積:250m2/g
塩化ビニル系共重合体 12部
日本ゼオン製MR−110
ポリエステルポリウレタン樹脂 5部
(ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI
=0.9/2.6/1(質量比)、
−SO3Na基:1×10-4eq/g含有)
ブチルステアレート 1.06部
ステアリン酸 1.18部
メチルエチルケトン 150部
シクロヘキサノン 50部
トルエン 40部
微粒子カーボンブラック 100部
(キャボット社製BP−800、平均粒子径:17nm)
粗粒子カーボンブラック 10部
(カーンカルプ社製サーマルブラック、平均粒子径:270nm)
αアルミナ(硬質無機粉末) 5部
(平均粒子径:200nm、モース硬度:9)
ニトロセルロース樹脂 140部
ポリウレタン樹脂 15部
ポリエステル樹脂 5部
分散剤:オレイン酸銅 5部
銅フタロシアニン 5部
硫酸バリウム(沈降性) 5部
(BF−1、平均粒子径:50nm、モース硬度:3、堺化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 1200部
酢酸ブチル 300部
トルエン 600部
得られた上層用塗料、下層用塗料を、長尺状のポリエチレンテレフタレート(PET)支持体(厚さ:14.5μm、長さ(MD)方向のヤング率:500Kg/mm2(4.9GPa)、巾(TD)方法のヤング率:500Kg/mm2(4.9GPa)、上層塗布側の中心線平均表面粗さRa:35nm、バック層側Ra:36nm)上に上層、下層の乾燥後の厚みがそれぞれ0.1μm、1.4μmとなるよう同時重層塗布した。次いで、上層がまだ湿潤状態にあるうちに300mTの磁力をもつコバルト磁石と150mTの磁力をもつソレノイドを用いて配向処理を行った。その後、乾燥させることにより上層を形成した。
その後、支持体の他方の側(上層とは反対側)に、上記バック層用塗料を乾燥後の厚さが、0.5μmとなるように塗布し、乾燥してバック層を形成した。支持体の一方の面に上層そして他方の面にバック層がそれぞれ設けられたリーダーテープ用のロールを得た。
更に、カレンダー処理機(温度:90℃)に通してカレンダー処理を行った。その後1/2インチ幅に裁断してリーダーテープを作製した。
リーダーテープは、全厚が16.5μm、磁性上層面Raが25nm、バック層面Raが30nm、表面潤滑剤量が10(C/Fe)であった。
リーダーテープに用いた上下層の塗布液、及びバック液を磁性面側Raが3nmで、厚み5.2μmのポリエチレンナフタレート(PEN)支持体に乾燥厚みが非磁性下層について1.0μ、磁性上層について0.1μになるように同時重層塗布して、上記リーダーテープと同様に磁場配向処理行った。
ついで、乾燥後の厚みが0.5μmになるようにバックコートを形成した。上記リーダーテープと同様にして1/2インチ幅のデーター記録用磁気テープを得た。
[磁気テープカートリッジの作製]
得られた1/2吋巾の磁気テープをリーダーテープに使用して、上記データー記録用磁気テープに接続し、磁気テープカートリッジを作製した。磁気テープは580m巻き込んだ。走行テンションは0.88N(90g)に設定し、後述の記録再生を行った。
実施例1のリーダーテープの作製において、下層のブチルステアレート添加量を1.06部から0.9部に変更したこと以外は、実施例1と同様である。
実施例1のリーダーテープの作製において、PET支持体の上層側Raを15nm、バック層側Raを20nmに変更し、リーダーテープの長さを0.2mにしたこと以外は、実施例1と同様である。
実施例1のリーダーテープの作製において、PET支持体の上層側Raを50nm、バック層側Raを60nmに変更し、カレンダー処理温度を70℃で実施したこと以外は、実施例1と同様である。ただし、走行テンションは1.08N(110g)とした。
実施例1のリーダーテープの作製において、下層のブチルステアレート添加量を1.06部から0.5部に変更したこと以外は、実施例1と同様である。ただし、走行テンションは1.08N(110g)とした。
実施例1のリーダーテープの作製において、リーダーテープの長さを4mにし、下層のブチルステアレート添加量を1.06部から3部に変更したこと以外は、実施例1と同様である。
得られた磁気テープカートリッジを下記の測定条件に従って評価した。結果を下記表1に示す。
(写りテスト)
磁気テープカートリッジを、LTO改造ドライブで記録トラック幅10μm、再生トラック幅4.5μm、線記録密度150kfciの信号を記録し所定の走行テンションのもと全長をドライブリールにまきとり、ドライブごと50℃に12時間保存した。保存後のテープを再生したときのテープ始端部のエラーレート測定、及び写りが発生している長さ(写り長:リーダーテープ接合部からの距離)を目視計測した。
(リーダーテープ傷テスト)
磁気テープカートリッジを上記LTO改造ドライブにて、搬送速度6m/秒で100パスさせた後のリーダーテープの傷発生を目視で観察した。
3点:傷発生なし
2点:傷僅かにあり
1点:傷多発
(リーダーテープの巻き姿、及びアクセス時間)
3点:均一/10秒以下(リーダーテープの巻き姿/アクセス時間)
2点:一部不均一/10〜15秒
1点:全体不均一/15秒以上
比較例1は、リーダーテープの長さが短いためにクッション効果が少なくなり、写りが多くなり、エラーレートが増加する。また、巻き姿も劣る。
比較例2は、実施例1のリーダーテープにおいて、表面が粗くなり且つ走行テンション増大により、写り防止効果がなくなり、かつ走行テンションが高いために更に写りが多くなる。
比較例3は、実施例1のリーダーテープにおいて、表面潤滑剤量が少なくなった場合で、崩れが多発し、エラーレートが悪化した。
比較例4は、表面潤滑剤量が多く、表面が柔らかくなり傷が多発で且つ長さが4mになり、巻き姿及びアクセス時間が劣る。
10 磁気テープカートリッジ
11 カートリッジリール(送出リール)
20 磁気テープドライブ
21 ドライブリール(巻取リール)
21a フランジ部
21b 溝部
22 コア部
23 凹部
25 スピンドル駆動装置
26 巻取リール駆動装置
27 制御装置
30 リーダピン
31 リーダーブロック
32 引出ガイド
H 磁気ヘッド
LT リーダーテープ
MT 磁気テープ
Claims (3)
- 支持体上の少なくとも一方の面に粉体と結合剤を含む塗布層を設けてなるリーダーテープにおいて、前記リーダーテープは少なくとも一方の面の中心線平均粗さ(Ra)が10〜60nmであり、長さが0.3〜3mであり、かつ塗布層の表面潤滑剤量がオージェ電子分光法にて、5〜15(C/Fe)であることを特徴とするリーダーテープ。
- カートリッジケースに磁気テープを巻装した単一若しくは複数のリールを回転可能に収容してなる磁気テープカートリッジにおいて、前記磁気テープの先端に接合され、該磁気テープを先導して磁気記録再生装置に引き出されるリーダーテープとして、請求項1に記載のリーダーテープを用いることを特徴とする磁気テープカートリッジ。
- 請求項1または2記載のリーダーテープを、請求項2記載の磁気記録再生装置に用い、かつ0.98N(100g)以下の走行テンションにてリーダーテープの引き出し及び巻き込みを行うことを特徴とする磁気記録再生方法。
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