JP2006107598A - クリーニングテープ - Google Patents

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宗治 武田
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Abstract

【課題】 十分なクリーニング力を有するとともに、ヘッド磨耗も抑制することのできる、とくに磁気抵抗効果型(MR)ヘックリーニングに好適な、クリーニングテープを提供すること。
【解決手段】 支持体上の少なくとも一方の面に粉体および結合剤を含む塗布層を設け、前記塗布層と磁気ヘッドとを接触させるクリーニングテープであって、前記塗布層の表面微小硬度が294〜784MPa(30〜80kg/mm)であり、かつ前記塗布層表面に25nm以上の高さの突起が60〜1700個/10μm2存在することを特徴とするクリーニングテープ。
【選択図】 なし

Description

本発明は、磁気ヘッド用のクリーニングテープに関するものである。より詳しくは、コンピューター用磁気記録再生装置に使用されている磁気抵抗型(MR)ヘッドの清浄に使用されるクリーニングテープに関するものである。
一般にビデオ用、コンピュータ用の磁気記録装置の記録・再生は、磁気ヘッドと磁気テープをお互いに摺動させて行われる。この時、磁気ヘッドの表面に磁気テープの削れ粉や装置周辺の塵埃が付着すると再生出力が低くなり、さらには出力が全く得られなくなる。この様に低下した再生出力を回復するために、磁気ヘッドの表面に付着した汚れをクリーニングして再生出力を復元するクリーニングテープが用いられる(例えば下記特許文献1〜4参照)。
一方、磁気記録は年々高密度化が進んでおり、磁気ヘッド先端と磁気テープとの接触を良好にしなければ、十分な記録再生が出来ないことが多くなってきた。いわゆる「ヘッド当たり」を良好に保つために、クリーニングテープは磁気ヘッドの汚れを取り、かつある程度ヘッドの形状を整えることも必要になってきている。特に、近年は最短記録波長が1μm以下となるような高密度記録を行う磁気ヘッドも使用され、わずかなヘッド汚れも記録再生性能に支障をきたすようになってきた。
また、高密度化の進行とともに、使用するヘッドの材質がかつてのフェライトから、センダスト等の硬質金属、さらに近年では硬度の低いパーマロイ等を素材としたMR素子に変化してきている。さらに、従来はヘリカルスキャンで用いられるような先端の尖ったヘッドチップが用いられてきたが、リニアテープの場合、ヘッドはテープ全幅に当たるフラットヘッドの使用が進んでいる。これらのヘッドは、高硬度のセラミックに深さ数十nm程度の微小な陥没部を設け、そこにMR素子をはさみ込む構成となっている。
この様な、高密度磁気記録で用いられるMRヘッドを均一にかつ効率良くクリーニングするためには、クリーニングテープがMRヘッドのテープ摺動面に均一に当たること、前記の微小な陥没部に設置されるMR素子表面もクリーニングできること、さらに軟らかいMR素子を摩滅させない様な適度な研磨力を持つことが要求される。
従来、LTOシステムなどのクリーニングテープは、未使用のデータ記録テープが転用されているが、このようなデータ記録テープは、表面が平滑すぎるため、強固な汚れを除去するには何回もクリーニング操作が必要であり、またMR素子表面の汚れを取ることが困難であった。さらに、平坦なヘッドのテープ摺動面に不均一に接触するためにクリーニングのむらが生じた。
特開平6−139531号公報 特開2003−281706号公報 特開2004−95182号公報 特開2002−230727号公報
本発明の目的は、十分なクリーニング力を有するとともに、ヘッド磨耗も抑制することのできる、とくに高密度磁気記録再生装置等の磁気抵抗効果型(MR)ヘッドのクリーニングに好適な、クリーニングテープを提供することである。
本発明の課題は、以下の手段により解決することができる。
1)支持体上の少なくとも一方の面に粉体および結合剤を含む塗布層を設け、前記塗布層と磁気ヘッドとを接触させるクリーニングテープであって、前記塗布層の表面微小硬度が294〜784MPa(30〜80kg/mm)であり、かつ前記塗布層表面に25nm以上の高さの突起が60〜1700個/10μm2存在することを特徴とするクリーニングテープ。
2)前記塗布層が、前記支持体上に設けられた非磁性層と、前記非磁性層上に設けられた磁性層とを有することを特徴とする上記1)に記載のクリーニングテープ。
3)前記塗布層の中心線平均粗さRaが5〜25nmであることを特徴とする上記1)または2)に記載のクリーニングテープ。
4)磁気抵抗効果型ヘッドをクリーニングするために用いられることを特徴とする上記1)〜3)のいずれかに記載のクリーニングテープ。
本発明によれば、クリーニングテープの塗布層の表面微小硬度と突起数を特定化したことにより、十分なクリーニング力を有するとともに、ヘッド磨耗も抑制することのできる、とくに磁気抵抗効果型(MR)ヘッドのクリーニングに好適な、クリーニングテープを提供することができる。すなわち、本発明で規定した塗布層の表面微小硬度と突起数によって、例えばMRヘッドを構成する高硬度のセラミック表面の汚れが効率的に除去されるとともに、微小な陥没部に設置されたMR素子の表面の汚れも効率的に除去される。この際、クリーニングテープ表面は、前記セラミック表面に随時接触するが、MR素子には突起が断続的に接触するので、MR素子の摩滅を防止することが出来る。
また本発明のクリーニングテープでは、塗布層として、支持体上に非磁性層を設け、さらにその上に磁性層を設けることで、クリーニング効果を増大させることができる。また上層を磁性層にしたため、必要に応じて情報記録も同時に行える。
さらに塗布層の中心線平均粗さRaを5〜25nmに設定した本発明のクリーニングテープは、クリーニング力およびヘッド磨耗について一層優れた効果を奏する。
以下、本発明をさらに具体的に説明する。
本発明のクリーニングテープは、支持体上の少なくとも一方の面に粉体および結合剤を含む塗布層が設けられている。この塗布層の表面微小硬度は、294〜784MPa(30〜80kg/mm)である必要がある。好ましくは、392〜784MPa(40〜80kg/mm)であり、さらに好ましくは、490〜686MPa(50〜70kg/mm)である。表面微小硬度が294MPa(30kg/mm)よりも小さい場合、ヘッドとの接触で塗布層が傷つき、ヘッド表面に付着物を付け、出力低下となる。表面微小硬度が784MPa(80kg/mm)よりも大きい場合、クリーニング力が大きくなりすぎて、ヘッド磨耗が過剰に大きくなり、またヘッドを傷つけ易い。
また本発明のクリーニングテープは、塗布層表面に25nm以上の高さの突起が60〜1700個/10μm2存在することが必要である。好ましくは、100〜1600個/10μm2であり、さらに好ましくは500〜1500個/10μm2である。25nm以上の高さの突起が60個/10μm2未満であると、充分なクリーニング効果が得られず、逆に1700個/10μm2を超えるとヘッド磨耗が大きく、ヘッドを傷つけてしまう。
また本発明において、塗布層の中心線平均粗さ(Ra)は、5〜25nmであるのが好ましい。さらに好ましくは10〜20nm、最も好ましくは12〜18nmである。Raが5nm以上であることにより、クリーニング力を一層高めることができ、25nm以下であることにより、ヘッド磨耗およびヘッドの傷つけをさらに抑制することができる。
ここで上記本発明の微小硬度の測定方法について説明する。
図1に示すように、三角錐状で、尖端部aの曲率半径が100nm、刃角度(α)が65°、稜間角(β)が115°の形状を有するダイヤモンド圧子を用い、荷重5mgfで測定した際の塑性変形量を求める。なお、上記形状を有する圧子は、バーコビッチ(Verkovich)圧子として知られており、このバーコビッチ圧子を備え、荷重5mgfで測定できる測定装置としては、(株)エリオニクス製超微小押し込み硬度測定機(型番:ENT−1100a)等を使用することができる。また、塑性変形量は、以下のようにして求められる。
図2は、荷重を連続的に増加させてバーコビッチ圧子を試料に押し込み、荷重5mgfに達した時点で除荷した時のバーコビッチ圧子の変位量の変化を示した図である。図示されるように、曲線Aに示すように、荷重が増加するのに従って変位量も増加し、5mgfにて最大変位量(Hmax)を示す。そして、除荷すると、曲線Bに示すように徐々に変位量が減少するが、荷重がゼロになっても変位量はある値を示す。このとき、曲線Bの最大変位量(Hmax)における接線bを荷重ゼロ(即ち、横軸)に外挿することにより、塑性変形量(H1)が得られる。微小硬度(DH)は、上記において求められた最大変位量(Hmax)と最大荷重(Pmax=5mgf)とから、下記(1)式により算出される。
DH=3.7926×10-2{Pmax/(Hmax)2}・・・(1)
また本発明においてRaは、光干渉式表面粗さ計(ZYGO社製NV−5000)にて以下の条件で測定されるものを意味する。
対物レンズ:20倍、中間レンズ:1.0倍、測定範囲:345μm×257μmで円筒補正、傾き補正後にRaを算出する。
本発明において、塗布層表面の突起密度は、前出の光干渉式表面粗さ計にて測定された突起と窪みの体積が等しくなる面を基準面とし、基準面から25nm以上の高さ突起をカウントした値である。
塗布層の表面微小硬度および突起を本発明で規定した範囲に制御するには、種々の方法が可能である。例えば、カレンダー処理条件を選定すること等が挙げられる。さらに具体的に述べると、加熱金属ロールと熱硬化性樹脂を芯金に被覆した弾性ロールから構成される7段のカレンダー処理機にクリーニングテープを通し、カレンダー処理を行う。なお、金属ロール同士で処理することも出来る。処理温度は50〜100℃が好ましく、80〜100℃が更に好ましい。線圧は98〜490kN/m(100〜500kg/cm)が好ましく、196〜392kN/m(200〜400kg/cm)が更に好ましい。速度は50〜400m/分が好ましく、100〜300m/分が更に好ましい。また、支持体に添加するフィラーの量を増減することによっても、突起数を制御することができる。
Raを本発明における好ましい範囲に制御するには、種々の方法が可能である。例えば、支持体の粗さを選定する、カレンダー処理条件を選定すること等が挙げられる。なお、クリーニングテープの表面粗さRaは表裏同程度でも、異なっていても構わない。
本発明のクリーニングテープは、再生用としてMR素子を用いた磁気ヘッドのクリーニングに好適に用いられる。特に、Al/TiC等のセラミックに深さ10〜50nmの微小な陥没部を設け、そこにMR素子をはさみ込む構成のMRヘッドにおいて好ましい効果が発揮される。
また、MRヘッドで記録再生する信号の記録波長は高密度記録の点で1μm以下、好ましくは0.2〜0.7μm、より好ましくは0.2〜0.5μmである。さらに本発明のクリーニングテープは、記録トラック幅が30μm以下、好ましくは1〜20μmであり、再生トラック幅との差が0〜16μm、好ましくは0〜10μmである磁気記録再生装置で使用されるのが好ましい。記録波長およびトラック幅が前記範囲になると、ヘッド汚れによるスペーシングロスが大きいからである。
以下、本発明のクリーニングテープの構成について更に詳細に説明する。なお、下記は、本発明のクリーニングテープをMRヘッド用に用いる場合について説明する。
[クリーニングテープ]
支持体上に設けられる塗布層は微粒子無機粉末のような粉体を結合剤で分散したものを主に用いる。前記微粒子無機粉末は非磁性物でも磁性粒子でも構わない。塗布層は単層、若しくは複数の層で構成される。塗布層はMRヘッドに接触する面に形成する。
塗布層を設ける目的は、支持体にない機能を必要に応じて付与するためのもので、例えば、研磨粒子としての非磁性粒子をMRヘッドに接触する面に含有させてクリーニング効果をもたせる、導電性粒子を含有させて帯電防止機能を持たせる、磁性体を含有させて磁気信号を記録することなどが挙げられる。
塗布層はさらに潤滑剤を含むことにより、摩擦係数を制御することが可能である。好ましい塗布層としては、データーテープと同様の磁性層、若しくは、非磁性層を単独に、あるいは非磁性層(下層)上に磁性層(上層)を塗布した2層構成のものをMRヘッドに接触する側に設け、反対側にカーボンブラックを主体としたバックコート(バック層)を設ける。
クリーニングテープの総厚は、5〜30μmが好ましく、8〜20μmが更に好ましい。
塗布層の厚みは、単層、若しくは複数層の合計が0.1〜5.0μmが好ましく、0.5〜3.0μmが更に好ましい。支持体の厚みは、3〜25μmが好ましく、6〜20μmが更に好ましい。非磁性層上に磁性層を設けた構成の場合は、非磁性層厚み0.5〜4.5μm、好ましくは0.5〜2.5μm、磁性層厚みは0.03〜0.2μm、好ましくは0.05〜0.15μm、より好ましくは0.05〜0.10μmである。
クリーニングテープのカッピングは1/2インチ幅あたり0〜1mmであり、0〜0.6mmがさらに好ましい。このことにより、テープ幅方向のヘッド当たりがさらに均一になる。
カッピングは、以下により測定される値である。
テープを1m切り出し、測定環境(23℃、50%RH)に24時間保持する。長手方向中央部300mmを切り出し、塗布層を上にした状態(磁性層を設けた場合は磁性層を上にした状態)で平板上に3時間静置する。しかるのち、前記300mmの中央部100mm長のテープ幅(W2)をコンパレータで測定する。さらに同じサンプルにスライドグラスをかぶせた時のテープ幅(W1)を測定する。
カッピングは、次式の近似式にて求められる値を言う。
カッピング=(W2/2)tan(S1/2
ただし、S=10×{1−(1.2W2/W1−0.2)1/2
また、クリーニングテープの表面電気抵抗は1010Ω/sq以下が好ましく、109Ω/sq以下が更に好ましい。このことにより、クリーニングテープの帯電防止を行いMRヘッドの静電気よるダメージを受けないようにできる。
上記表面電気抵抗を所定に制御する手段としては、カーボンブラックなどの導電性粉末を例えば下層、上層及びバック層の少なくとも1層に添加することが挙げられる。例えば、各々の層の結合剤100質量部に対してカーボンブラックを1〜20質量部添加することが挙げられる。
上記クリーニングテープとしては、下層が非磁性無機粉末と結合剤を含む非磁性層で、上層が強磁性粉末と結合剤を含む磁性層で、それらの反対側にバック層が形成された磁気テープが好ましい。
以下、上記磁気テープをクリーニングテープとしたものについて、詳述する。
(磁性層)
<磁性層および非磁性層の結合剤等>
磁性層、非磁性層に使用される結合剤としては従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用される。熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度が−100〜150℃、数平均分子量が1000〜200000、好ましくは10000〜100000、重合度が約50〜1000程度のものが使用される。
このような例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエーテル、等を構成単位として含む重合体または共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂がある。また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンとポリイソシアネートの混合物等があげられる。これらの樹脂については朝倉書店発行の「プラスチックハンドブック」に詳細に記載されている。また、公知の電子線硬化型樹脂を各層に使用することも可能である。これらの例とその製造方法については特開昭62−256219号公報に詳細に記載されている。
以上の樹脂は単独または組合せで使用できるが、本発明において好ましいものとして、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニルビニルアルコール共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル無水マレイン酸共重合体、から選ばれる少なくとも1種とポリウレタン樹脂およびポリイソシアネートを組み合わせたものがあげられる。
ポリウレタン樹脂の構造はポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、ポリカプロラクトンポリウレタンなど公知のものが使用できる。ここに示したすべての結合剤について、より優れた分散性と耐久性を得るためには必要に応じ、COOM、SO3 M、OSO3M、P=O(OM)2 、O−P=O(OM)2、(以上につきMは水素原子、またはアルカリ金属塩基)、OH、N(R)2、N+(R)3 (Rは炭化水素基)、エポキシ基、SH、CN、などから選ばれる少なくともひとつ以上の極性基を共重合または付加反応で導入したものをもちいることが好ましい。このような極性基の量は10-1〜10-8モル/gであり、好ましくは10-2〜10-6モル/gである。
ポリウレタン樹脂中の水酸基の含有量は、1分子あたり3〜20個であるのが好ましく、より好ましくは1分子あたり4〜5個である。1分子あたり3個未満であるとポリイソシアネート硬化剤との反応性が低下するために、塗膜強度と耐久性が低下しやすい。また、20個より多いと、溶剤への溶解性と分散性が低下しやすい。ポリウレタン樹脂中の水酸基の含有量を調整するために、ポリウレタン樹脂の合成に際し、水酸基が3官能以上の化合物を用いることができる。具体的には、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、無水トリメリット酸、グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサントリオール、特公平6−64726号に記載されるポリエステルポリオールを原料とする2塩基酸と該化合物をグリコール成分として得られる3官能以上水酸基を有する分岐ポリエステル、ポリエーテルエステル等が挙げられる。好ましいのは3官能のものであり、4官能以上になると反応過程においてゲル化しやすくなる。
ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレンー1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート等を使用することができる。
磁性層に用いられる結合剤は強磁性粉末に対し、また非磁性層に用いられる結合剤は非磁性無機粉末に対し、各々通常、5〜50質量%の範囲、好ましくは10〜30質量%の範囲で用いられる。塩化ビニル系樹脂を用いる場合は5〜30質量%、ポリウレタン樹脂を用いる場合は2〜20質量%、ポリイソシアネートは2〜20質量%の範囲でこれらを組み合わせて用いることが好ましいが、例えば、微量の脱塩素によりヘッド腐食が起こる場合は、ポリウレタンとイソシアネートのみを使用することも可能である。
このような磁気テープでは、結合剤量、結合剤中に占める塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネート、あるいはそれら以外の樹脂の量、磁性層を形成する各樹脂の分子量、極性基量、あるいは先に述べた樹脂の物理特性などを必要に応じ非磁性層、各磁性層とで変えることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきであり、多層磁性層に関する公知技術を適用できる。例えば、各層で結合剤量を変更する場合、磁性層表面の擦傷を減らすためには磁性層の結合剤量を増量することが有効であり、ヘッドに対するヘッドタッチを良好にするためには、非磁性層の結合剤量を多くして柔軟性を持たせることができる。
<強磁性粉末>
磁性層に使用する強磁性粉末としては、α−Feを主成分とする強磁性合金粉末、磁性酸化鉄、六方晶フェライト等が用いられるが、α―Feを主成分とする強磁性合金粉末が特に好ましい。強磁性粉末の平均粒子サイズは針状の場合、長軸長が20〜200nm、好ましくは30〜150nm、より好ましくは30〜100nmである。板状粒子の場合は板径が15〜50nm、好ましくは20〜45nmである。これらの強磁性粉末には所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ca、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子を含んでもかまわない。特に、Al、Si、Ca、Y、Ba、La、Nd、Co、Ni、Bの少なくとも1つをα−Fe以外に含むことが好ましく、Co、Y、Alの少なくとも一つを含むことがさらに好ましい。
強磁性合金微粉末には少量の水酸化物、または酸化物が含まれてもよい。強磁性合金微粉末の公知の製造方法により得られたものを用いることができ、下記の方法を挙げることができる。複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)と水素などの還元性気体で還元する方法、酸化鉄を水素などの還元性気体で還元してFeあるいはFe−Co粒子などを得る方法、金属カルボニル化合物を熱分解する方法、強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還元剤を添加して還元する方法、金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて微粉末を得る方法などである。このようにして得られた強磁性合金粉末は公知の徐酸化処理、すなわち有機溶剤に浸漬したのち乾燥させる方法、有機溶剤に浸漬したのち酸素含有ガスを送り込んで表面に酸化膜を形成したのち乾燥させる方法、有機溶剤を用いず酸素ガスと不活性ガスの分圧を調整して表面に酸化皮膜を形成する方法のいずれを施したものでも用いることができる。
磁性層に使用する強磁性粉末としては六方晶フェライト微粉末も使用できる。六方晶フェライトとしてバリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライト、これらの各置換体、例えば、Co置換体等がある。具体的にはマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネトプランバイト型フェライト、更に一部スピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト等が挙げられ、その他所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んでもかまわない。一般にはCo−Ti、Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn、Nb−Zn−Co、Sb−Zn−Co、Nb−Zn等の元素を添加した物を使用することができる。
また磁性層は、平均粒径0.3μm以下、好ましくは0.03〜0.3μmであり、かつモース硬度6以上の非磁性粒子を含むのが好ましい。
このような非磁性粒子としては、α化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダイアモンド、窒化珪素、炭化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素などの公知の材料が単独または組合せで使用される。また、これらの非磁性粒子どうしの複合体(非磁性粒子を他の非磁性粒子で表面処理したもの)を使用してもよい。これらの非磁性粒子には主成分以外の化合物または元素が含まれる場合もあるが主成分が90%以上であれば効果にかわりはない。タップ密度は0.3〜2g/cc、含水率は0.1〜5重量%、pHは2〜11、比表面積は1〜30m2 /g、が好ましい。本発明に用いられる非磁性粒子の形状は針状、球状、サイコロ状、のいずれでも良いが、形状の一部に角を有するものが研磨性が高く好ましい。
本発明に用いられる非磁性粒子の具体的な例としては、住友化学社製:AKP−20、AKP−30、AKP−50、HIT−50、日本化学工業社製:G5、G7、S−1、戸田工業社製:TF−100、TF−140、100ED、140EDなどがあげられる。本発明に用いられる非磁性粒子は磁性層のほかに、非磁性層にも種類、量および組合せを変えて添加することもできる。これらの非磁性粒子はあらかじめ結合剤で分散処理したのち磁性塗料中に添加してもかまわない。
非磁性粒子の添加量は、強磁性粉末に対して5〜30質量%、好ましくは10〜20質量%である。
また、非磁性粒子の平均粒径は、磁性層の厚みを考慮して決定するのが好ましい。これにより、非磁性粒子が磁性層表面に最適な高さの凸部を形成し、クリーニング効果が増大する。例えば、磁性層の厚みに対し、非磁性粒子の平均粒径は、50〜200%の範囲が好ましい。
(非磁性層)
非磁性層に用いられる無機粉末は、非磁性粉末であり、例えば、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、等の無機質化合物から選択することができる。非磁性層にカーボンブラックを混合させて公知の効果である表面電気抵抗Rsを下げること、光透過率を小さくすることができるとともに、所望のマイクロビッカース硬度を得る事ができる。また、下層にカーボンブラックを含ませることで潤滑剤貯蔵の効果をもたらすことも可能である。カーボンブラックの種類はゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック、等を用いることができる。下層のカーボンブラックは所望する効果によって、上記のような特性を最適化すべきであり、併用することでより効果が得られることがある。また非磁性層には有機質粉末を目的に応じて、添加することもできる。非磁性層の潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は磁性層に関する公知技術が適用できる。
(添加剤)
磁性層、非磁性層等に使用される添加剤としては、ヘッド研磨効果、潤滑効果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果などをもつものが使用される。具体的にはWO98/35345号等に記載のものが挙げられる。
潤滑剤としては、例えば、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸、およびこれらの金属塩(Li、Na、K、Cuなど)または炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸と炭素数2〜12の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコールのいずれか一つとからなるモノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキルエーテルの脂肪酸エステル、炭素数8〜22の脂肪酸アミドなどが使用できる。上記脂肪酸及びアルコールは、不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない。
これらの具体例としては脂肪酸では、カプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、などが挙げられる。エステル類ではブチルステアレート、オクチルステアレート、アミルステアレート、イソオクチルステアレート、ブチルミリステート、オクチルミリステート、ブトキシエチルステアレート、ブトキシジエチルステアレート、2−エチルヘキシルステアレート、2−オクチルドデシルパルミテート、2−ヘキシルドデシルパルミテート、イソヘキサデシルステアレート、オレイルオレエート、ドデシルステアレート、トリデシルステアレート、エルカ酸オレイル、ネオペンチルグリコールジデカノエート、エチレングリコールジオレイル等が挙げられる。
(バック層)
バック層には、カーボンブラックと無機粉末が含有されていることが好ましい。結合剤、各種添加剤は、磁性層や非磁性層の処方が適用される。バック層の厚みは、0.1〜1.0μmが好ましく、0.4〜0.6μmが更に好ましい。
(支持体)
磁気テープに用いられる支持体は、非磁性可撓性支持体であることが好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリオレフィン類、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、芳香族又は脂肪族ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、ポリアラミド、ポリベンゾオキサゾールなどの公知のフィルムが使用できる。中でもポリエチレンテレフタレートフィルム又はポリイミドフィルムを用いるのが好ましい。これらの支持体にはあらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理などを行ってもよい。支持体は、長さ方向の弾性率が3.5〜20GPa、幅方向の弾性率が3.5〜20GPa、好ましくは長さ方向及び幅方向共に弾性率が4〜15GPaとするのが好適である。なお、支持体に含まれるフィラー量を調節して、本発明で規定する突起数を制御できることは前述のとおりであり、例えばフィラーとしては、Si0、CaCO等が挙げられ、その添加量は、例えば樹脂に対して0.1〜3質量%である。
(製造法)
磁性層と非磁性層は、上記成分を溶媒に溶解乃至分散して各々の塗料を作製し、支持体(ウェブ)上に順じ塗布することにより作製できる。非磁性層が湿潤状態にあるうち磁性層を塗布するウエット・オン・ウエット方式でも非磁性層が乾燥した上に塗布するウエット・オン・ドライ方式でもよい。塗布乾燥されたウェブは適宜配向処理、カレンダ処理、スリットが施される。
以下に本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
[実施例1]
実施例中の「部」の表示は「質量部」を示す。
クリーニングテープの作製
<塗布液の作製>
上層用塗料組成
強磁性金属粉末 100部
抗磁力Hc:191kA/m(2400Oe)
BET法による比表面積:62m2/g
結晶子サイズ:110Å
飽和磁化量σs:117A・m2/kg
平均長軸長:45nm
平均針状比:5
pH:9.3
Co/Fe:25原子%
Al/Fe:7原子%
Y/Fe:12原子%
塩化ビニル系共重合体(日本ゼオン社製MR−110) 10部
(−SO3Na含有量:5×10-6eq/g、重合度:350、
エポキシ基(モノマー単位で3.5質量%)
ポリエステルポリウレタン樹脂 10部
(ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI
=0.9/2.6/1(質量比)、
−SO3Na基:1×10-4eq/g含有)
αアルミナ(平均粒径:0.2μm) 10部
カーボンブラック(平均粒径:0.10μm) 1部
ブチルステアレート 1.5部
ステアリン酸 0.5部
メチルエチルケトン 150部
シクロヘキサノン 50部
トルエン 40部
下層用塗料組成
非磁性粉末 針状α酸化鉄 80部
BET法による比表面積:58m2/g
平均長軸長:0.15μm
平均針状比:7.5
カーボンブラック 20部
平均一次粒子径:16nm
DBP吸油量:80ml/100g
pH:8.0
BET法による比表面積:250m2/g
塩化ビニル系共重合体 12部
日本ゼオン製MR−110
ポリエステルポリウレタン樹脂 5部
(ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI
=0.9/2.6/1(質量比)、
−SO3Na基:1×10-4eq/g含有)
ブチルステアレート 1.06部
ステアリン酸 1.18部
メチルエチルケトン 150部
シクロヘキサノン 50部
トルエン 40部
上記の上層用塗料及び下層用塗料のそれぞれについて、各成分を連続ニーダで混練した後、サンドミルを用いて分散させた。得られたそれぞれの分散液にポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製コロネートL)を5部加え、更にそれぞれにメチルエチルケトン40部を加え、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、上層用塗料と下層用塗料をそれぞれ調製した。
バック層形成用塗料組成
微粒子カーボンブラック 100部
(平均粒子径:40nm)
粗粒子カーボンブラック 100部
(平均粒子径:90nm)
αアルミナ(硬質無機粉末) 5部
(平均粒子径:200nm、モース硬度:9)
ニトロセルロース樹脂 90部
ポリウレタン樹脂 50部
ポリエステル樹脂 5部
分散剤:オレイン酸銅 5部
銅フタロシアニン 5部
硫酸バリウム(沈降性) 5部
(BF−1、平均粒子径:50nm、モース硬度:3、堺化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 800部
トルエン 800部
上記のバック層を形成する成分を連続ニーダで混練した後、サンドミルを用いて分散させた。得られた分散液にポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製コロネートL)を40部、メチルエチルケトン1000部を添加した後、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、バック層用塗料を調製した。
クリーニングテープの作製
得られた上層用塗料、下層用塗料を、ポリエチレンテレフタレート(PET)支持体A(厚さ:14.5μm、長さ(MD)方向のヤング率:500Kg/mm2(4.9GPa)、巾(TD)方法のヤング率:500Kg/mm2(4.9GPa)、上層塗布面の中心線平均表面粗さRa:35nm、バック面側Ra:36nm)上に上層、下層の乾燥後の厚みがそれぞれ0.1μm、1.4μmとなるよう同時重層塗布した。次いで、上層がまだ湿潤状態にあるうちに300mTの磁力をもつコバルト磁石と150mTの磁力をもつソレノイドを用いて配向処理を行った。その後、乾燥させることにより上層を形成した。
その後、支持体の他方の側(上層とは反対側)に、上記バック層用塗料を乾燥後の厚さが、0.5μmとなるように塗布し、乾燥してバック層を形成した。支持体の一方の面に上層そして他方の面にバック層がそれぞれ設けられたクリーニングテープ用のロールを得た。更に、加熱処理後のロールを加熱金属ロールと熱硬化性樹脂を芯金に被覆した弾性ロールから構成されるカレンダー処理機(温度:90℃、線圧:300Kg/cm(294kN/m))に通してカレンダー処理を行った。
得られたロールを50℃48時間、加熱処理を行った。その後1/2インチ幅に裁断してクリーニングテープを作製した。
[実施例2]
実施例1に対してカレンダー条件を変更した以外は実施例1と同様にクリーニングテープを作製した。
[実施例3]
支持体Aに対して支持体のフィラーの練り込み量を増加させて突起数を増加させた支持体Bを使用した以外は実施例1と同一条件でクリーニングテープを作製した。
[実施例4]
支持体Aに対して支持体のフィラーの練り込み量を減少させて突起数を減少させた支持体Cを使用した以外は実施例1と同一条件でクリーニングテープを作製した。
[比較例1]
実施例3に対してカレンダー処理を変更した以外は実施例2と同一条件でクリーニングテープを作製した。
[比較例2]
実施例1に対して支持体Dを使用した以外は実施例1と同一条件でクリーニングテープを作製した。
本実施例で使用した支持体A〜Dを以下の表1に示す。
Figure 2006107598
上記クリーニングテープを用いてクリーニングテープカートリッジを以下により作製した。
[クリーニングテープカートリッジの作製]
得られた1/2吋巾のクリーニングテープをUltrium−2カートリッジに300m巻き込んだ。
上記試料を以下により評価し、表2に示した。
<評価法>
[クリーニングテープカートリッジの評価]
得られたクリーニングテープカートリッジを下記の測定条件に従って評価した。
(1)クリーニング力:富士写真フイルム(株)製Ultrium−2磁気テープカートリッジAを、MRヘッドを有するIBM社製Ultrium−2ドライブにセットし、記録波長0.4μmの信号を記録・再生させ、そのときの再生出力を0chと7ch(ヘッドモジュールの最上部と最下部)で測定する(初期出力)。しかる後にヘッド汚れ発生用カートリッジBを1往復走行させてヘッド汚れを発生させ、前記の記録済みUltrium−2磁気テープカートリッジAを再生させ出力を測定する(クリーニング前出力)。
次に本発明のクリーニングテープカートリッジCを1往復走行させた後、前記カートリッジAを再生させて出力を測定する(クリーニング後出力)。初期出力とクリーニング後出力の比(dB換算)をクリーニング力とした(0dBが理想:−1dB以上が許容範囲)。
<ヘッド汚れ発生カートリッジBの作製方法>
前記クリーニングテープ用の組成物のうち磁性層中の研磨剤を添加しないものを作製して、Ra5nm、厚み6.8μmのPENベース上に非磁性層・磁性層・バック層を塗布後、前記クリーニングテープと同様の工程でカレンダー・裁断して、Ultrium−2カートリッジに609m巻き込んだ磁気テープカートリッジ。
(2)ヘッド摩耗:IBM社製Ultrium−2ドライブを用い、23℃70%RHで10分間、当該クリーニングテープを走行させ、その前後のMRヘッドの高さをAFMで測定し、ヘッド摩耗を算出した。(50nm/10分が許容範囲)
(塗布層の表面微小硬度)
微小硬度:前記の微小硬度の測定方法の定義に従い、(株)エリオニクス製超微小押し込み硬度測定機(型番:ENT−1100a)を用い測定した。主な装置仕様は下記の通りである。
・荷重発生方式:電磁力式
・圧子:三角錐圧子、刃角度65°、稜間角115゜、ダイヤモンド製
・荷重範囲:2mgf〜100gf(20μN〜1N)
・荷重分解能:0.2μN
・変位測定方式:圧子の動きを静電容量式に検知
・変位範囲:〜20μm
・変位読取分解能:0.3nm
測定条件は以下の通りである。
上記各テープを5mm×5mmにカットし、アルミニウム製の、専用の測定試料台に接着剤で固定し、乾燥固定後、測定環境に約30分放置して馴染ませた後測定した。
・試験荷重:5mgf
・分割数:100
・ステップインタ−バル:100msec
・負荷のかけ方:10秒かけて5mgfまで連続的に増加させた後、5mgfにて1秒間保持し、その 後10秒かけて除荷した。
・測定環境:温度28±0.1℃
・測定n数:磁性層の7箇所について測定し、測定値の中心からn=5の値を測定値として使用した。
・塑性変形量:上記測定装置を用いて各磁気テープの荷重−変位量曲線(図2参照)を作製し、除荷曲 線の最大変位量(Hmax)における接線を荷重0に外挿して求める。
・微小硬度:最大変位量(Hmax)と、最大荷重(Pmax)とから上記(1)式を用いて算出する 。
Figure 2006107598
実施例1〜4のクリーニングテープは、短時間で優れたクリーニング力を発揮できヘッド摩耗も十分小さいことが分かる。
これに対し、比較例1のクリーニングテープは、突起数が本発明の範囲を超えているため、ヘッド摩耗が増大している。また、比較例2のクリーニングテープは、クリーニング力が極端に低下していることが分かる。
本発明で用いる圧子の形状を説明するための図である。 塑性変形量の定義を説明するための図である。

Claims (4)

  1. 支持体上の少なくとも一方の面に粉体および結合剤を含む塗布層を設け、前記塗布層と磁気ヘッドとを接触させるクリーニングテープであって、前記塗布層の表面微小硬度が294〜784MPa(30〜80kg/mm)であり、かつ前記塗布層表面に25nm以上の高さの突起が60〜1700個/10μm2存在することを特徴とするクリーニングテープ。
  2. 前記塗布層が、前記支持体上に設けられた非磁性層と、前記非磁性層上に設けられた磁性層とを有することを特徴とする請求項1に記載のクリーニングテープ。
  3. 前記塗布層の中心線平均粗さRaが5〜25nmであることを特徴とする請求項1または2に記載のクリーニングテープ。
  4. 磁気抵抗効果型ヘッドをクリーニングするために用いられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のクリーニングテープ。
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