JP2005283641A - 光結合方法及びコネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 集光手段を用いることなく、結合効率を向上させることが可能な光結合方法及びコネクタを提供する。
【解決手段】 コネクタ2は、POF10を保持する保持部材3と、受光光学デバイス4を保持する保持部材5とを備えている。保持部材3は、POF10の出射端面10aを前方(保持部材5側)に露出させている。また、接続部3aを接続部5aに係合させることにより、保持部材3と保持部材5とが接続させる。この時、前述の出射端面10aと受光光学デバイス4が対面して、その隙間である距離Xは、300μm程度にされている。POF10は、出射端面から出射した出射ビームは、距離が0から約300μmに亘って、ビームの外径が広がらずに平行ビームとなるので、出射端面10aと受光光学デバイス4との間に集光手段を設けなくても、結合効率の高い光結合を実現できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光通信等において用いられるプラスチック光ファイバの光結合方法、及びこの光結合に用いるコネクタに関する。
プラスチック光ファイバの特徴の1つは石英系光ファイバに比べて大口径であり、発光ダイオード(LED, Light Emitting Diode)、半導体レーザー(LD,Laser Diode )、あるいは、面発光型半導体レーザー(VCSEL, Vertical Cavity Surface Emitting Laser)等の光源との光結合が容易ということが利点である。近年、屈折率分布型プラスチック光ファイバの作製が可能となり、1Gbps (100m) 以上の広帯域光信号伝送リンクの伝送路として、前述のプラスチック光ファイバの使用が検討され始めている。1Gbps (100m) 以上の広帯域光信号伝送リンクにおいても、光源と大口径プラスチック光ファイバの光結合の優位性は、石英系光ファイバと比べて変わらないが、大口径プラスチック光ファイバから出射した光を受ける光学デバイス(例えば、フォトダイオード)との光結合においては、プラスチック光ファイバとフォトダイオード41との隙間に、光学レンズなどの集光デバイスを配置しなければ効率の良い光結合が出来ない。これは、大口径プラスチック光ファイバから出射した光が回折によって受光光デバイスの開口径以上に広がるためである。
同様の問題は、光信号伝送リンク内にあるプラスチック光ファイバ間を接続する専用コネクタにおいても存在する。プラスチック光ファイバ用のコネクタは、温度変化によるプラスチック光ファイバの伸長を考慮して、接続する光ファイバ間に約数百μmの空間があけられるよう設計されている。このため、プラスチック光ファイバから出射した光が、接続された次のプラスチック光ファイバに入射する際に、回折によってビーム径がファイバ径(開口径)以上となり光結合損失(回折損失)が生じる。従って、プラスチック光ファイバ間のコネクタにおいても効率の良い光結合を得るためには、コネクタ内にリレーレンズなどの集光デバイスを配置させる必要がある。これは、ファイバ端面を物理的に接触させる石英ファイバ間の接続にはない問題である。
さらに、プラスチック光ファイバを用いた光伝送リンクにおいて、更なる高帯域化のために、異なる数種類の波長を多重化して伝送する波長多重光伝送システムが注目されている。この様な伝送リンクでは、多重化した波長の信号を個々に取り出すための波長フィルタなどの光機能素子を伝送路に挿入する必要がある。しかしながら、光伝送路間に集光機能を持たない光学素子を挿入するための空間をつくると、回折損失が生じて光結合効率が低下する。通常は、光結合効率を低下させないために、光伝送路間にレンズで構成される光コリメーターを配置する。
以上のように、光結合に集光光学デバイスを用いることは、プラスチック光ファイバを用いた光信号伝送リンクにおいて、回折損失低減、すなわち光結合の効率を改善させる一般的な方式である。また、集光光学デバイスは光信号伝送リンクの伝送路として石英系ファイバを用いる場合よりも、出射ビーム径が大きいプラスチック光ファイバを光伝送路として用いる場合に重要となり、プラスチック光ファイバから出射した光パワーを効率良く受光デバイスに結合させるためには石英系光ファイバに比べて、集光光学デバイスの構成や設計等が非常に重要となる。
従来の技術において、具体的な集光光学デバイスとしては、光ファイバと受光光学デバイス間にレンズを介在させたもの(例えば、特許文献1参照)、屈折率分布型レンズ(graded−indexlens,GRIN lens)を介在させたもの(例えば、特許文献2参照)や、ファイバ端面を球面等の曲面やテーパ状に加工したもの(例えば、特許文献3及び特許文献4参照)などが用いられており、これらによって光ファイバからの出射光を集光することで、出射光をその他の光学デバイスに結び合わせて光結合の効率を改善させることが知られていた。
特開2000- 147294号公報 特開2001- 264592号公報 特開平8−21929号公報 特開平8―75935号公報
しかしながら、上記特許文献1〜4に記載の方式では、光ファイバ出射軸の方向に関して集光する光学部材の最適な位置(例えばレンズの焦点距離など)があるために精密な位置決めが必要であった。従って、光結合の部品点数増加、および光ファイバ/ 光学レンズ/ 受光デバイス間のアライメントが必須であり、光伝送リンクシステムのコスト増加を招くことが問題になっていた。
さらに、プラスチック光ファイバと受光素子間にレンズなどの光学要素が介在することによる、コスト増、あるいはフレネル損失によって伝送光の光パワー低下等も起きるため、より少ない光学要素を配置する光結合が求められていた。また、前述の様な出射端面と受光媒体を直接接触させる形態も用いることは可能であるが、これを簡便な構造で行おうとすると強く押しつけられて受光素子の破壊や、端面の破損などが起こるため、光出射側と受光側との間は精密な設計と堅固な固定手段が必要となってしまい、簡便な光結合としては用いることは困難であった。
本発明は、集光光学デバイスを用いずに、結合効率を向上させる光結合方法、及びこの光結合に用いるコネクタを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、鋭意検討した結果、光伝送体として、光が伝搬するコア部において、屈折率分布を有する第1のコア部と、第1のコア部の外周を覆い、実質的に屈折率分布を有さない第2のコア部との2つの領域を有する屈折率分布型プラスチック光ファイバ(以降、GI型プラスチック光ファイバとも称する。)を用いることにより、光ファイバの出射端面からの出射光の外径が一定距離維持される領域(以降、平行領域と称する。)を有する知見を得て、第1のコア部と第2コア部を設計することによって、集光光学デバイスを不要にできる本発明に至った。本発明の態様は以下の通りである。
本発明の光結合方法は、GI型プラスチック光ファイバ間、または前記GI型プラスチック光ファイバと受光光学デバイス間を光結合するGI型プラスチック光ファイバの光結合方法において、前記GI型プラスチック光ファイバの出射端面と、前記GI型プラスチック光ファイバの入射端面または前記受光光学デバイスとの距離を200μm以上とした隙間を設けて光結合することを特徴とするものである。
前記隙間に光収束機能を有さない光機能素子を配置することが好ましい。また、前記GI型プラスチック光ファイバは、光が伝搬するコア部として、屈折率分布を有する第1のコア部と、第1のコア部の外周を覆い、実質的に屈折率分布を有さない第2のコア部との2つの領域を有することが好ましい。
前記第1のコア部の屈折率分布係数gが1.5≦g≦4.0の範囲内であることが好ましい。また、前記第2のコア部の外径は、250μm≦(第2のコア外径)≦1000μmの範囲内であり、かつ、前記第1のコア部と前記第2のコア部との外径比は、0.67≦(第1のコア部の外径/ 第2のコア部の外径)≦0.87であることが好ましい。
さらに、前記GI型プラスチック光ファイバの出射NAは、0.12≦(出射NA)≦0.22の範囲内であることが好ましい。また、前記GI型プラスチック光ファイバへ光を入射させる光源として、出射NAが0.05≦(出射NA)≦0.22である発光デバイスを用いることが好ましい。また、前記発光デバイスは、面発光型半導体レーザーであることが好ましい。
本発明のコネクタは、GI型プラスチック光ファイバ間、または前記GI型プラスチック光ファイバと受光光学デバイス間を光結合するコネクタにおいて、前記GI型プラスチック光ファイバを保持する第1保持部材と、前記GI型プラスチック光ファイバまたは前記受光光学デバイスを保持する第2保持部材と、これら保持部材の一方または両方に設けられ、前記GI型プラスチック光ファイバの出射端面と、前記GI型プラスチック光ファイバの入射端面または前記受光光学デバイスとの距離が200μm以上となる隙間を保持して、前記第1保持部材及び前記第2保持部材を接続する接続手段とを有することを特徴とするものである。また、前記接続手段により前記第1保持部材と前記第2保持部材とが接続された時に、前記隙間に配置されるように、前記第1保持部材及び前記第2保持部材の少なくとも一方に、光収束機能を有さない光機能素子を設けることが好ましい。
本発明の光結合方法及びコネクタによれば、屈折率分布型のプラスチック光ファイバの出射端面から出射する出射光が、平行に放射される距離が長いため出射光を集光あるいはコリメートする手段が不要である。このため、光結合部における部品点数が少なくなり、光結合部の部品どうしの位置決めを行う調整工程を簡略化できるので、光伝送リンクシステムのコストを低減することができる。さらに光ファイバと受光光学デバイス間に波長フィルタなどの能動光素子を挿入しても回折損失を小さくできる。
図1は、本発明のコネクタの構成を示す断面図である。コネクタ2は、GI型プラスチック光ファイバ(以下、POFと称する)10を保持する保持部材(第1保持部材)3と、受光光学デバイス4を保持する保持部材(第2保持部材)5とを備えている。保持部材3は、POF10の出射端面10aを前方(保持部材5側)に露出させている。また、保持部材3には凸形状を有する接続部3aが形成されており、保持部材5には凹形状を有し、接続部3aと係合する接続部5aが形成されている。この接続部3a,5aは、弾力性を有する樹脂等で形成されており、保持部材3を出射端面10a側から保持部材5に挿入して、接続部3aを接続部5aに係合させることにより、保持部材3と保持部材5とが接続される。この時、前述の出射端面10aと受光光学デバイス4が対面して、その隙間である距離Xは、300μm程度にされる。この距離Xは、150μm以上500μm以下の範囲で用いる事ができ、200μm以上400μm以下でより好ましく用いる事ができる。なお、この距離は隙間が空気の場合であり、隙間には光収束機能を有さない物質が充填されていてもよく、そのときの距離Xは充填された物質の屈折率に比して短くなる。なお、受光光学デバイス4は、例えば、PINフォトダイオード等の受光光学素子である。
また、保持部材3と保持部材と5が接続された時に、前述の隙間に配置されるように、保持部材3及び保持部材5の少なくとも一方に、光収束機能を有さない光機能素子を設けても良い。
受光素子としてのフォトダイオード(PD)開口径は受光面積と動作性能のバランスを考慮して、1Gbps伝送用であれば300〜400μm、3Gbps伝送用であれば、100μm程度の径を好ましく選択することができる。なお、高速通信やファイバの線径が小さくなる等の要因により、狭面積のフォトダイオードを用いる必要がある場合は、感度を向上させたアバランシェ型フォトダイオードを使って狭面積のデメリットを改善することができる。また、本発明の光結合では、光軸の厳密な設定を必要としないため、パッシブアライメントでも十分な結合が得られ、量産性に優れる。特に出射光の径が受光素子の面積に対して小さい場合は、アライメントのずれに対して光量が確保できるため、より有効に作用する。
次に、本発明の光結合方法及びコネクタにて用いるGI型プラスチック光ファイバについて説明する。図2は、POF10の断面図である。POF10は、中心に配置されたコア部11と、コア部11の外周を覆うクラッド部12とを備えている。コア部11は、中心のインナーコア(第1のコア部)13と、インナーコア13の外周を覆うアウターコア(第2のコア部)14との2つの領域を備えている。インナーコア13のコア半径はa、アウターコア14のコア半径はbにされている。この態様の光ファイバは、第1のコア部(インナーコア13)が屈折率分布を有しているため高い伝送性能を有する事が知られており、このときの屈折率分布は2乗分布態様となることで最も高い伝送性能を有することが知られている。
図3は、POF10の屈折率分布を示す説明図である。図3に示すように、インナーコア13の屈折率n1は、中心軸CLから外周側(半径方向)に行くに従って漸減しており、いわゆるGI(グレーデットインデックス)型プラスチック光ファイバのg乗分布の屈折率分布態様を有している。
インナーコア13の屈折率を付与する製法としては、国際公開WO93/08488号パンフレットなどに記載される様な屈折率変化させる屈折率調整物質をモノマーに添加し、モノマーの重合において排除体積効果を利用することによって、屈折率調整物質をコア部の中央部に濃縮することで、中央部に向かって高い屈折率を与える方法や、特開2001- 215345公報に記載される様な屈折率の異なるモノマーを外周部から中央部に向かってその共重合比を調整することによって共重合体の屈折率を変化させる方法、特開平08- 334635号公報に記載される様な屈折率調整物質を熱による拡散で分布させ、その際の拡散度合いによって屈折率調整物質の存在比を分布させて屈折率を変化させる方法などが知られている。
アウターコア14の屈折率n2は、インナーコア13の外周の屈折率と略同じ値であり、屈折率は均一にされている。なお、アウターコア14の屈折率n2は、均一であることが好ましいが、高次モードが伝搬すれば屈折率の分布を有しても良い。また、クラッド部12の屈折率ncは、アウターコア14の屈折率n2より小さい。
また、アウターコア14の製法は特に規定されず、溶融したポリマーの押出しによる成形や回転する中空管内にモノマーを投入し重合させる方法など、公知のいかなる方法で作製してもよい。このときに、伝送性能が第1のコア部(インナーコア13)と第2のコア部(アウターコア14)との界面に微細な凹凸や歪みなどの不整があると散乱等による損失が発生するため界面不整がない様に注意する。第1のコア部と第2のコア部の製造に順序はなく、たとえば、第1のコア部を作成後、その周囲に第2のコア部を付与してもよく、第2のコア部となる中空管内で第1のコア部を重合もしくは別途作成した第1コア部を嵌合させてもよい。
インナーコア13の屈折率n1は、前述したように、インナーコア13の中心CLから外周(半径)方向に向かって漸減しており、距離に対してg乗分布となっている。
このg値は、屈折率分布係数と呼ばれ、光ファイバの屈折率分布形状を下式に示す、べき乗則により近似した際、屈折率分布形状を決定する指数である。aは第1のコア部の半径、屈折率が最大である第1のコア部中心の屈折率をMn1、屈折率分布の変化が始まるコア部の外周の屈折率(本発明においてはインナーコア13の外周面の屈折率、すなわち、アウターコア14の屈折率)n2、ΔはMn1とn2の差をMn1で割った値(比屈折率差)とした時に、第1のコア部の中心から半径rだけ離れた任意の位置の屈折率がn1(r)となるコア部であるとした以下の式(1)によって定義される。

n1(r)=Mn1(1−2Δ(r/a)g 1/2 ・・・・(1)
(ただし、Δ=(Mn1−n2)/Mn1)
さらに、第1のコア部と第2のコア部の径比については、第1のコア部外径/第2のコア部外径が、0.67以上0.87以下、好ましくは0.67以上0.80以下となるように配置することが好ましい。この径比が大きすぎると平行ビーム径が大きくなって好ましくなく、小さすぎると出射光の収束が行われなくなるので好ましくない。導光部位の面積、つまり第2のコア部の外径は、250μm以上1000μm以下、好ましくは300μm以上750μm以下となるようとすることが好ましい。この外径、つまりファイバ径が大きすぎると平行ビーム径が大きくなって好ましくなく、小さすぎると光の入射が困難となるので好ましくない。
インナーコア13は、この屈折率分布係数gが、1.5≦g≦4.0の範囲内に収まるようにされている。屈折率分布を有する第1のコア部であるインナーコア13の屈折率分布係数は、2.0以上2.5以下となるように配置することが好ましい。この値が大きすぎるとモード遅延が生じて伝送特性が劣化するため好ましくない。
本発明の実施態様を例にあげて説明を行う。アウターコア14の外径2bは、250μm≦2b≦1000μmの範囲内であり、かつ、インナーコア13の外径2aとアウターコア14の外径2bとの比は、0.67≦a/b≦0.87の範囲内になるように形成されている。さらに、POF10において、この出射NAは、0.12≦出射NA≦0.22の範囲内に収まるように形成されている。
次に、上記構成のPOF10の出射光特性について説明する。図4は、POF10の出射端面から出射するレーザー幅を測定する測定システム20の構成を示す説明図である。この測定システム20は、光源として面発光型レーザーであるVCSEL21を用いる。この測定に用いられるVCSEL21の発光スポット数は最大4であり、その出射NAは、0.05以上0.22以下である。また、本発明のPOF10への入射ビーム径については、コア部11への入射時の結合損失を起こさないために入射光の径がアウターコア14の外径2bよりも小さいことが好ましく、より好ましくはインナーコア13の外径2aと同等か、より小さいことが好ましい。従って、VCSEL21とPOF10の入射端面との距離は、上記最適ビーム外径になるよう可変できる構成にされている。さらに、POF10の出射端面側には、距離Z離れた位置に出射ビームの特性、つまりビーム外径を検出するCCDカメラ型検出器23が配置されている。さらに、VCSEL21とPOF10との間には、NDフィルタ22が配置されている。これは、VCSEL21とPOF10の入射端面との距離が小さいとき、POF10からの出射光パワーが強すぎることによって、検出器23のCCDカメラのパワー検出能が飽和するのを防ぐ目的で配置している。
VCSEL21から出射したビームは、NDフィルタ22を介してPOF10の入射端面から入射する。POF10は、入射したビームを導波して出射端面から空間に出射する。検出器23は、空間に出射されたビームの外径を距離Zの位置で測定する。
この測定システム20によって、POF10の出射端面から空間に出射されたビームの外径を測定した測定結果について以下に説明する。POF10として、クラッド部12の外径が475μmのものを使用して測定した結果を図5のグラフに示す。なお、このPOF10は、PVDFからなる屈折率ncが1.42、外径500μmのクラッド内部にPMMAからなる外径475μmのアウターコアを有し、さらにその内部にPMMAにジフェニルスルフィドを添加して屈折率分布を有するインナーコア13を設けた。 インナーコア13の外径2aに対するアウターコア14の外径2bの比(a/b)は、0.78となる様にした。 また、それぞれの屈折率はインナーコア13の中心部の最大屈折率n1が1.505、アウターコア14の屈折率n2が1.492であり、屈折率分布係数gが2.5であった。
また、VCSEL21は、波長780nm、発光スポット数が4個のものを用いてある。さらに、VCSEL21の出射光強度はガウシアンビーム分布であり、発散角度は18度である。ここでの発散角は一般的な規定法を用いてある。すなわち、ガウシアンビーム分布で最も光強度の高くなる中心部のパワーの1/e2になる角度で規定した。なお、POF10の長さは30mにされている。
図5のグラフから分かるように、距離Zが0から400μmまでに亘って、ビームの外径が広がらずに、ビーム径が約400μmの平行ビームになっており、距離Zが400μmを越えると、14 度の発散角度、つまりプラスチック光ファイバの出射NA0.12で空間に広がっている。この測定は、3ロットについて行い、ほぼ同じ結果が得られた。また、POF10の長さを10m、5m、2mとして同様の測定を行っても、図5と同じ結果が得られた。なお、 本発明は、受光光学デバイスとは特に限定されず、受光素子の様な半導体デバイスとの結合の他に、プラスチック光ファイバ同士、光結合器などの光学部材との接続などにも用いる事ができる。
また、同様の測定をアウターコア部14の外径が300μmのPOFについて行った。このPOFもPVDFからなる屈折率ncが1.42、外径316μmのクラッド内部にPMMAからなる外径300μmのアウターコアを有し、さらにその内部にPMMAにジフェニルスルフィドを添加して屈折率分布を有するインナーコア13を設けた。 インナーコア13の外径2aに対するアウターコア14の外径2bの比(a/b)は、0.78となる様にした。 またそれぞれの屈折率はインナーコア13の中心部の最大屈折率n1が1.505、アウターコア14の屈折率n2が1.492であり、屈折率分布係数gが2.5となるように作成した。
この結果を図6のグラフに示す。なお、その他の条件は、図5の測定と同じである。図6のグラフから分かるように、距離Zが0から320μmまでに亘って、ビームの外径が広がらずに、ビーム径が約300μmの平行ビームになっており、距離Zが320μmを越えると、24度の発散角度、つまりプラスチック光ファイバの出射NA0.21で空間に広がっている。
図7は、30mのステップインデックス型POF(以下、SI型POFと称する)を用いて、図5あるいは図6と同様の測定を行った結果を示してある。POFのクラッドの外径は750μmである。その他の条件は図5あるいは図6と同じである。図7から分かるように、SI型POFの出射光はPOFの出射端面から出射されると同時に回折によって広がっていることが分かる。
図8は、本発明で用いるGI型光ファイバとは異なるアウターコアを有しない構造を有するGI型光ファイバについて、図5あるいは図6と同様の測定を行った結果を示してある。POFのクラッドの外径は125μm、長さは30mであり、その他の条件は図5あるいは図6と同じである。図8から分かるように、本発明で用いるGI型光ファイバ(POF10)とは異なる他の構造を有するGI型光ファイバでは、その出射光が、本発明で用いるPOF10の様な明確な平行領域が見られず、かつ、出射後50〜100μm程度で出射光が広がり始める。これらの距離では光学系を介在させないでファイバ間に集光機能を持たない光学素子を配置させるには適切な距離とはいえない。
以上の結果は、POF10からの出射ビームの外径が光機能素子を配置可能な間隔まで広がらずに伝搬する現象は、従来のSI型POFあるいはGI型POFには見られず、本発明に用いるPOF10の構造によってのみ発現されるものであることが明らかであることを示す。
図9は、POF10の出射端面から出射された光と受光器(PD)との結合効率を模式的に測定した結果である。受光器の開口径は400μmであり、POFは1番目の実施例として記載したアウターコア外径は475μmであるものを用いた。POFの出射端面から出射された光は、出射端面と受光器(PD)との間隔が、300μm以内の範囲において、光結合効率は、略100%となっていることが分かる。
図10は、2本のPOF10の出射端面と入射端面とを距離Y離して対向させ、一方のPOF(A)から出射された光を、もう一方のPOF(B)の入射端面で受ける時、距離Yに対して結合効率がどのように変化するかをプロットしたものである。実験に使用したPOFのクラッド部の外径は475μmであり、POFの長さはPOF(A)、POF(B)共に30mである。光源は図4の測定に用いたVCSEL21を用いた。図10から分かるように、POF(A)の出射端面から出射された光は、POF(A)の出射端面とPOF(B)の入射端面との距離Yが、300μm以内の範囲において、光結合効率は、略100%となっておいることが分かる。これは、距離Yが300μm以内の範囲においは、POFからの出射ビーム外径が回折によって広がっていないことを示すに他ならない。
図9及び図10の実験結果より、POFと受光器(PD)との光結合、及びPOF間の光結合において、300μm以下の空間が存在しても回折損失が生じないことを示している。つまり、集光あるいはコリメートする手段が不要である。また、この空間に波長フィルタ等の光学デバイスを原理的には無損失で挿入可能である。
このような特性は、従来の石英系光ファイバやプラスチック光ファイバには見られない、全く新規な機能である。さらに、本発明のプラスチック光ファイバ同士をコネクタによって接続する際、従来の石英ファイバ用コネクタに見られるようにファイバ端面同士を物理的に接触させる(フィジカルコンタクト)必要無く低損失光結合が実現できる。また、従来のプラスチックファイバ用コネクタに見られるようにファイバの伸縮を吸収するための空間距離のバラツキを厳密にする必要なく低損失光結合が実現できる。従って、低光結合で、かつ、低コストな新規コネクタハウジング構造の設計が可能となる。
以上説明したように、本発明にて用いるPOFは、従来のプラスチック光ファイバの特徴である大口径、高受光角を維持しつつ、出射光がある空間範囲に渡って平行ビームで放出されるため、高帯域用小開口径受光器との高効率光結合をも達成できる従来の小口径ファイバの特徴をも兼ね備えている。このため、本発明の光結合において、部品の位置決め工程で高い精度が要求されないので、位置決め工程を簡略化して光伝送リンクシステムのコストを低減することができる。
また、前述の構造のPOF10から出射された光は、ある一定の距離(約300μm)を平行ビームで空間を伝搬し、その後ある一定の広がり角度をもって空間に放射される。従って、上述したような平行ビーム伝搬領域では、平行ビーム径より大きな開口径をもつ受光器との光結合効率は、光学レンズなどの集光光学デバイスを用いなくとも略100%となる。また、集光光学デバイスを用いないので、光結合における部品点数が少なくなり、光結合の部品どうしの位置決めを行う調整工程を簡略化できるので、光伝送リンクシステムのコストを低減することができる。さらに光機能素子を挿入するだけの空間を有することができる。
本発明のコネクタの構成を示す断面図である。 POFの構成を示す断面図である。 POFの屈折率の特性を示す説明図である。 測定システムの構成を示す説明図である。 アウターコア外径475μmのPOF出射端面から距離に対するビーム径の特性を示すグラフである。 アウターコア外径300μmのPOF出射端面から距離に対するビーム径の特性を示すグラフである。 アウターコア外径750μmのSI型POF出射端面から距離に対するビーム径の特性を示すグラフである。 本発明以外で用いるアウターコア外径125μmのGI型POF出射端面からの距離に対するビーム径の特性を示すグラフである。 アウターコア外径475μmPOFと受光器との距離に対する光結合効率の特性を示すグラフである。 アウターコア外径475μmPOF間の距離に対する光結合効率の特性を示すグラフである。
符号の説明
2 コネクタ
3,5 保持部材
4 受光光学デバイス
10 POF
10a 出射端面
11 コア部
12 クラッド部
13 インナーコア
14 アウターコア
21 VCSEL
22 NDフィルタ
23 検出器
a インナーコア半径
b アウターコア半径
n1,n2,nc 屈折率

Claims (10)

  1. 屈折率分布型プラスチック光ファイバ間、または前記屈折率分布型プラスチック光ファイバと受光光学デバイス間を光結合する屈折率分布型プラスチック光ファイバの光結合方法において、
    前記屈折率分布型プラスチック光ファイバの出射端面と、前記屈折率分布型プラスチック光ファイバの入射端面または前記受光光学デバイスとの距離を200μm以上とした隙間を設けて光結合することを特徴とする光結合方法。
  2. 前記隙間に光収束機能を有さない光機能素子を配置したことを特徴とする請求項1記載の光結合方法。
  3. 前記屈折率分布型プラスチック光ファイバは、光が伝搬するコア部として、屈折率分布を有する第1のコア部と、第1のコア部の外周を覆い、実質的に屈折率分布を有さない第2のコア部との2つの領域を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の光結合方法。
  4. 前記第1のコア部の屈折率分布係数が1.5以上4.0以下の範囲内であることを特徴とする請求項3記載の光結合方法。
  5. 前記第2のコア部の外径は、250μm≦(第2のコア外径)≦1000μmの範囲内であり、かつ、前記第1のコア部と前記第2のコア部との外径比は、0.67≦(第1のコア部の外径/ 第2のコア部の外径)≦0.87であることを特徴とする請求項3または請求項4記載の光結合方法。
  6. 前記屈折率分布型プラスチック光ファイバの出射NAは、0.12以上0.22以下の範囲内であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1つ記載の光結合方法。
  7. 前記屈折率分布型プラスチック光ファイバへ光を入射させる光源として、出射NAが0.05以上0.22以下である発光デバイスを用いることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1つ記載の光結合方法。
  8. 前記発光デバイスは、面発光型半導体レーザーであることを特徴とする請求項7記載の光結合方法。
  9. 屈折率分布型プラスチック光ファイバ間、または前記屈折率分布型プラスチック光ファイバと受光光学デバイス間を光結合するコネクタにおいて、
    前記屈折率分布型プラスチック光ファイバを保持する第1保持部材と、前記屈折率分布型プラスチック光ファイバまたは前記受光光学デバイスを保持する第2保持部材と、
    これら保持部材の一方または両方に設けられ、前記屈折率分布型プラスチック光ファイバの出射端面と、前記屈折率分布型プラスチック光ファイバの入射端面または前記受光光学デバイスとの距離が200μm以上となる隙間を保持して、前記第1保持部材及び前記第2保持部材を接続する接続手段とを有することを特徴とするコネクタ。
  10. 前記接続手段により前記第1保持部材と前記第2保持部材とが接続された時に、前記隙間に配置されるように、前記第1保持部材及び前記第2保持部材の少なくとも一方に、光収束機能を有さない光機能素子を設けたことを特徴とする請求項9記載のコネクタ。
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