JP2005283534A - 垂直配向液晶パネルのセル厚測定方法、及び測定装置 - Google Patents

垂直配向液晶パネルのセル厚測定方法、及び測定装置 Download PDF

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Abstract


【課題】 垂直配向液晶パネルに斜めから光を入射させたときに生じるリターデーションを表す式として、液晶表示パネルを通過する常光と異常光の屈折角を考慮して厳密に計算して求めた式を用いることによって、精度の高い垂直配向液晶パネルのセル厚測定方法、及びそれに用いるセル厚測定装置を提供する。
【解決手段】 液晶の封入された垂直配向液晶パネルに前記垂直配向液晶パネルの法
線に対して角度θ傾けた方向から波長λの光を入射させてリターデーションRを測定し、前記リターデーションRと前記光の入射角θと前記液晶に固有の異常光屈折率n及び常光屈折率nとの値に基づいて、前記垂直配向液晶パネルのセル厚を求める方法において、以下に示す式により前記垂直配向液晶パネルのセル厚を求めることを特徴とする。
【数1】
Figure 2005283534

【選択図】 図1

Description

本発明は、垂直配向液晶パネルのセル厚測定方法、及び測定装置に関する。
液晶表示パネルは、TFTアレイ基板とこの基板に対向する対向基板とに液晶が挟持されて構成される。この液晶表示パネルの液晶層の厚さ、いわゆるセル厚の正確な値を知ることは、液晶表示装置の設計や評価、並びに製造時の品質管理において非常に重要である。液晶の封入された液晶表示パネルのセル厚の測定方法としては、液晶の複屈折性を利用してリターデーションを測定し、この測定値から液晶表示パネルのセル厚を求める方法が知られている。しかしながら、この方法は、液晶軸の方法がパネル面と平行な方向にある液晶についてのみ有効である。従って、近年、広視角を目的とした液晶表示パネルに用いられている分子の長軸方向がパネル面と直角である垂直配向液晶表示パネルには適用することが困難であり、精度の高いセル厚の測定が困難であった。
そこで、特許文献1及び特許文献2には、垂直配向液晶のセル厚測定を可能とする測定方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、液晶パネル面内でリターデーションが10nm〜50nmを有する一軸性の位相差板を用いて、斜め入射光のリターデーション偏光光の透過光強度の測定のもとに、拡張ジョーンズマトリックス法により計算を行い、多項式近似式から垂直配向液晶表示パネルのリターデーションとセル厚とを測定する方法が提案されている。
また、特許文献2には、光源の光から一定の偏光成分を取り出し、この偏光成分の光を垂直配向液晶表示パネルに、光の方向が垂直配向液晶表示パネルの光学軸に斜めになるようにして当て、垂直配向液晶表示パネルを透過した光の特定の偏光成分の透過強度を測定する。そして、この透過強度に基づいて垂直配向液晶表示パネルの複屈折位相差を求め、この複屈折位相差と、垂直配向液晶表示パネルの正常屈折率及び異常屈折率のデータとから、垂直配向液晶表示パネルのセル厚を測定する方法が提案されている。
特開平2000−321546号公報 国際公開第01/022029号パンフレット
しかしながら、特許文献1では、用いる位相差板の屈折率の値によって得られるリターデーション値が影響を受けるので、位相差板のリターデーションを予め精度よく求めておく必要があり、かつ近似計算を行っているので高精度のセル厚測定が困難であった。
また、特許文献2では、リターデーションの計算が正確でなかったために、高精度のセル厚測定が困難であった。すなわち、液晶は複屈折体であるので異常光屈折率n、常光屈折率nを有し、垂直配向液晶表示パネルを通過するときの屈折角は常光と異常光で異なるにも関わらず、同じ屈折角として計算しているため点に不正確さを生じ、高精度のセル厚測定が困難であった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、垂直配向液晶パネルに斜めから光を入射させたときに生じるリターデーションを表す式として、液晶表示パネルを通過する常光と異常光の屈折角を考慮して厳密に計算して求めた式を用いることによって、精度の高い垂直配向液晶パネルのセル厚測定方法、及びそれに用いるセル厚測定装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、液晶の封入された垂直配向液晶パネルに前記
垂直配向液晶パネルの法線に対して角度θ傾けた方向から波長λの光を入射させてリターデーションRを測定し、前記リターデーションRと前記光の入射角θと前記液晶に固有の異常光屈折率n及び常光屈折率nとの値に基づいて、前記垂直配向液晶パネルのセル厚を求める方法において、以下に示す式により前記垂直配向液晶パネルのセル厚を求めることを特徴とする。
Figure 2005283534
このような構成によれば、垂直配向液晶表示パネルのに封入された液晶の複屈折性に
よる常光屈折率及び異常光屈折率を考慮して、垂直配向液晶表示パネルを通過する常光と異常光とのリターデーションを算出することが可能となる。この結果、精度の高い垂直配向液晶表示パネルのセル厚を測定することが可能となる。
また、本発明は、光源と、前記光源から射出された光を偏光させる偏光子と、前記偏
光子を通過した前記偏光を垂直配向液晶パネルの法線に対して入射角θで入射させるとともに、前記入射角θを変化させる傾斜手段と、前記偏光子に対して相対的に回転可能とされ、前記垂直配向液晶パネルを通過した前記偏光を検出する検光子と、前記検光子を通過した前記偏光の透過強度を測定する受光器と、前記受光器によって測定された透過強度からリターデーションRを算出し、さらに前記リターデーションRと前記垂直配向液晶パネルに入射する前記光の波長λと入射角θと前記液晶に固有の異常光屈折率nと常光屈折率nとの値に基づいて、前記垂直配向液晶パネルのセル厚を算出するデータ処理手段と、を備え、前記データ処理手段は、前記垂直配向液晶パネルのセル厚を以下の式から算出することを特徴とする。
Figure 2005283534
このような構成によれば、垂直配向液晶表示パネルに封入された液晶の複屈折性によ
る常光屈折率及び異常光屈折率を考慮して、垂直配向液晶表示パネルを通過する常光と異常光とのリターデーションを算出することが可能となる。この結果、精度の高い垂直配向液晶表示パネルのセル厚を測定することが可能となる。
また、本発明は、光源と、前記光源から射出された光を偏光させる偏光子と、前記偏
光子を通過した前記偏光を垂直配向液晶パネルの法線に対して入射角θで入射させるとともに、前記入射角θを変化させる傾斜手段と、前記垂直配向液晶パネルを通過した前記偏光をさらに偏光させる1/4波長補板と、前記偏光子に対して相対的に回転可能とされ、前記垂直配向液晶パネルを通過した前記偏光を検出する検光子と、前記検光子を通過した前記偏光の透過強度を測定する受光器と、前記受光器によって測定された透過強度からリターデーションRを算出し、さらに前記リターデーションRと前記垂直配向液晶パネルに入射する前記光の波長λと入射角θと前記液晶に固有の異常光屈折率nと常光屈折率nとの値に基づいて、前記垂直配向液晶パネルのセル厚を算出するデータ処理手段と、を備え、前記データ処理手段は、前記垂直配向液晶パネルのセル厚を以下の式から算出することを特徴とする。
Figure 2005283534
本発明は、1/4波補償板と偏光子とを組み合わせたセナルモン補償板を用いるため、垂直配向液晶表示パネルを通過した常光及び異常光からなる楕円偏光は直線偏光に変換される。従って、このような構成によれば、偏光子を回転させて直線偏光を制御することによって、偏光子の回転角度から垂直配向液晶表示パネルのリターデーションを測定することが可能となる。そのため、小さいリターデーションであっても高精度のリターデーションを測定することが可能となる。
(第1の実施の形態)
以下、本実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明に用いた各図においては、各部材等を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材等毎に縮尺を異ならせてある。
図1は、垂直配向液晶パネルのセル厚測定装置の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、セル厚測定装置30は、光源10と、偏光子12と、垂直配向液晶表示パネル14と、傾斜装置16と、検光子18と、受光器20と、データ処理装置22と、を備える。
光源10は、単一波長又は非常に狭い領域の波長から成るレーザー光等の単色光を使用する。なお、上記レーザー光等の単色光を利用しない場合であっても、光源10の先端にモノクロメータ(不図示)を配置して、光源10から射出される光のスペクトルの狭い波長帯を選択し、単色光を得ることも好ましい。また、モノクロメータを使用する場合には、精度よく単色光を得るために、二つのモノクロメータを対向して配置させることも好ましい。
偏光子12は、光源10の前方に配置され、光源10から射光された単色光の直線偏光成分のみを通過させる。また、偏光子12は、後述するデータ処理装置22の制御により駆動されるモーター(不図示)に接続され、このモーターの駆動により偏光子12は偏光子12の中心の法線を軸として回転可能となり、単色光の偏光成分を選択することができるようになっている。
垂直配向液晶表示パネル14は、偏光子12と後述する検光子18との間に配置されている。この垂直配向液晶表示パネル14は、TFTアレイ基板とこれに対向する対向基板とに液晶が挟持された構成となっている。また、垂直配向液晶表示パネル14は、データ処理装置22の制御により駆動される傾斜装置16上面に固定され、この傾斜装置16が傾斜装置16の中心の法線を軸として回転する。これに伴い、傾斜装置16の上面に固定されている垂直配向液晶表示パネル14が上記傾斜装置16の中心の法線を軸として回転するため、偏光子12を通過した光を垂直液晶表示パネル14の法線に対して所定の入角度θに傾斜させて入射させることが可能となっている。
検光子18は、垂直配向液晶表示パネル14の前方に配置され、垂直配向液晶表示パネル14を通過した直線偏光を検出する。また、検光子18は、後述するデータ処理装置22の制御により駆動するモーター(不図示)に接続され、このモーターの駆動により検光子18は検光子18の中心の法線を軸として回転可能となり、単色光の偏光成分を選択することができるようになっている。
受光器20は、検光子18を通過した直線偏光成分の光の透過強度を計測し、この得られた光の透過強度を所定の電気信号に変換し、データ処理装置22に供給する。光の透過強度としては、常光屈折率nの偏光成分と異常光屈折率nの偏光成分とのそれぞれの光の透過強度がある。そのため、受光器20は、このそれぞれの光の透過強度を測定し、電気信号に変換するようになっている。
データ処理装置22は、偏光子12と検光子18とに接続されるモーター及び受光器20にそれぞれ接続されている。また、データ処理装置22は、上記受光器20から供給された光の透過強度から垂直配向液晶表示パネル14のリターデーションを算出する。さらに、データ処理装置22は、予め入力されている常光屈折率n、異常光屈折率n、また、上記傾斜装置16の回転角度θ及び上記算出したリターデーションから垂直配向液晶表示パネル14のセル厚を算出する。この算出する方法については後述において詳細に説明する。
本実施の形態においては、液晶の有する固有の常光屈折率n及び異常光屈折率nにより生じる複屈折性を考慮して常光と異常光のリターデーションを求める式を算出する。続けて、常光及び異常光を屈折率楕円体を用いた式でそれぞれ表し、これらの式から垂直配向液晶表示パネル14のセル厚を算出する方程式を導く。
図2は、図1に示した垂直配向液晶表示パネル14の液晶層15部分を拡大した部分拡大断面図であり、偏光子12を通過した直線偏光が垂直配向液晶表示パネル14に入射し、通過する様子を示したものである。なお、この垂直配向液晶表示パネル14の断面の短辺方向(垂直配向液晶表示パネル14のセル厚方向又は法線方向)をZ軸とし、長辺方向をX軸とする。また、Y軸はZ軸とX軸とにそれぞれ直交するものとする。
図2に示すように、液晶層15は異方性物質であり複屈折性を有する。そのため、偏光子12を通過した光が液晶層15に入射した場合、この入射した光は二つに分離され、それぞれが異なる屈折率をもつ。すなわち、この二つの屈折光は以下の式で与えられるスネルの法則にしたがって、液晶層15の法線に対して屈折率θ及びθで液晶層15を通過する。図2では液晶層15を挟持する基板を無視して描かれているが、基板は等方性物質であるため議論の本質には影響しない。
Figure 2005283534
この二つの屈折光のうち、垂直配向液晶表示パネル14の法線に対して、角度θで垂直配向液晶表示パネル14を通過する光をP偏光と称し、角度θで垂直配向液晶表示パネル14を通過する光をS偏光と称する。また、後述するように、P偏光は異常光であり、S偏光は常光である。
図2に示すように、垂直配向液晶表示パネル14を配置しない場合の偏光子12及び検光子18間の領域を通過する直線偏光の軌跡を基準とすると、P偏光はこの基準となる軌跡に対して位相が遅れている。この遅れ位相Rの式は以下の式で与えられる。
Figure 2005283534
なお、dは垂直配向液晶表示パネル14のセル厚、θは垂直配向液晶表示パネル14への入射角、nはP偏光の屈折率である。
S偏光に対しても同様に考えると、遅れ位相Rは以下の式で与えられる。
Figure 2005283534
なお、dは垂直配向液晶表示パネル14のセル厚、θは垂直配向液晶表示パネル14への入射角、nはS偏光の屈折率である。
さらに、このP偏光とS偏光とリターデーションは、上記式によって与えられたP偏光とS偏光と位相の差によって与えられる。従って、リターデーションRは以下の式で与えられる。
Figure 2005283534
このようにして、P偏光とS偏光とをそれぞれ考慮することによって精度の高いリターデーションを得ることができる。
次に、屈折率楕円体から常光屈折率n及び異常光屈折率nを導く。すなわち、垂直配向液晶パネル14を通過するS偏光とP偏光とのベクトルを垂直配向液晶パネルの法線側から観察した場合の上記ベクトルが描く軌跡(楕円体)から常光屈折率n及び異常光屈折率nを算出する。常光屈折率n及び異常光屈折率nは屈折率楕円体の以下の式で与えられる。
Figure 2005283534
Figure 2005283534
また、上記(4)式と上記(8)式から以下の式が与えられる。
Figure 2005283534
また、上記(4)式と上記(9)式から以下の式が与えられる。
Figure 2005283534
また、上記(4)式と上記(9)式から以下の式が与えられる。
Figure 2005283534
このようにして得られた上記(8)、(10)、(11)及び(12)式を上記(7)式に代入すると、以下のリターデーションを示す式が与えられる。
Figure 2005283534
このようにして、常光屈折率n及び異常光屈折率nをそれぞれ考慮したリターデーションの厳密解を導き出すことが可能な式を求めることができる。なお、上記(13)式におけるΔneffは斜め入射光に対する液晶の有効屈折率であるとみなすことができる。
また、上記(13)式を垂直配向液晶表示パネル14のセル厚dに変換すると、以下の式が与えられる。
Figure 2005283534
本実施の形態によれば、垂直配向液晶表示パネル14に封入された液晶の有する固有の常光屈折率n及び異常光屈折率nをそれぞれ考慮して厳密に計算して求めた式を用いることによって、精度の高い垂直配向液晶表示パネル14のセル厚を算出することが可能である。
次に、上述した垂直配向液晶パネルのセル厚測定装置30を用いて、実際に検光子18によって検出された光の透過強度からリターデーションを算出する方法について説明する。
まず、データ処理装置22は、偏光子12の偏光方向を、X軸とY軸とを含む平面内(X−Y平面)で、Y軸から時計方向に45度回転させる。続けて、データ処理装置22は、検光子18の偏光方向を、X軸とY軸とを含む平面内(X−Y平面)で、Y軸から時計方向に45度回転させ、平行ニコルの状態で透過強度Tを測定する。ここで、透過強度Tは以下の式で与えられる。なお、Tは偏光子12と検光子18の透過率によって決まる測定系の強度因子である。
Figure 2005283534
次に、データ処理装置22は、検光子18をさらに90度回転させて直交ニコルの状態で光の透過強度Tを測定する。ここで透過強度Tは以下の式で与えられる。なお、Tは偏光子12と検光子18の透過率によって決まる測定系の強度因子である。
Figure 2005283534
また、上記透過強度Tと透過強度Tとの比(T/T)をとって、求めるリターデーションRが、以下の式で与えられる。
Figure 2005283534
このようにして与えられたリターデーションを算出する式に、データ処理装置22が実際に測定した光の透過強度T及びTを代入することにより、リターデーションを算出することができる。
続いて、データ処理装置22が上記式(14)及び光の透過強度の測定により算出したリターデーション等から垂直配向液晶表示パネル14のセル厚を算出する動作について以下に説明する。
データ処理装置22は、予め各垂直配向液晶表示パネル14に対応した常光屈折率n及び異常光屈折率nの値を記憶手段に格納する。また、データ処理装置22は、上述したように偏光子12を通過した光を垂直配向晶表示パネル14に対して斜めに入射させるため、傾斜装置16を角度θ回転させる。すなわち、データ処理装置22は、垂直配向液晶表示パネル14に入射する光の入射角θを制御する。このときにデータ処理装置22は、上記垂直配向液晶表示パネル14に入射する光の入角度θ(例えば、入射角30度)の値を記憶手段に格納する。次に、データ処理装置22は、受光器20によって検出された透過強度Tと透過強度Tとの値からリターデーションを算出し、この値を記憶手段に格納する。
そして、データ処理装置22は、記憶手段に格納されている垂直配向液晶表示パネル14の常光屈折率n及び異常光屈折率nの値、入射角度θ及びリターデーションを読み出し、上記(14)式にそれぞれの値を入力し、演算手段により垂直配向液晶表示パネル14のセル厚を算出する。
このようにしてデータ処理装置22は、入射角30度の場合の垂直配向液晶表示パネル14のセル厚を算出した後、入射角θを30度から40度、50度、60度へと変更し、上述したような動作を繰り返し行い、それぞれの入射角θの垂直配向液晶表示パネル14のセル厚を算出する。
このように本実施の形態によれば、垂直配向液晶表示パネル14に封入された液晶の
複屈折性による常光屈折率n及び異常光屈折率nを考慮して、垂直配向液晶表示パネル14を通過する常光と異常光とのリターデーションを算出することが可能となる。この結果、精度の高い垂直配向液晶表示パネル14のセル厚を測定することが可能となる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、上記第1の実施の形態において説明した垂直配向液晶表示パネル14のセル厚測定装置30の垂直配向液晶表示パネル14と検光子18との間に1/4波長板24を配置する。図3は、垂直配向液晶パネルのセル厚測定装置の概略構成を示すブロック図である。図3に示すように、セル厚測定装置30は、光源10と、偏光子12と、垂直配向液晶表示パネル14と、傾斜装置16と、1/4波長板24と、検光子18と、受光器20と、データ処理装置22とを備える。なお、本実施の形態において、上述した第1の実施の形態と同様の構成要素を使用している場合には説明を省略する。
1/4波長板24は、図3に示すように、垂直配向液晶表示パネル14と検光子18との間に配置されている。まず、偏光子12は、光源10から射出された光の直線偏光を通過させる。そして、この直線偏光は、リターデーションが未知数の垂直配向液晶表示パネル14に所定の角度θで入射する。ここで、リターデーションをΓとする。直線偏光は、この垂直配向液晶表示パネル14を通過後、偏光状態が直線偏光の状態から水平及び垂直偏光の状態に変換される。
続けて、この変換された水平及び垂直偏光は、1/4波長板24を通過すると水平偏光と角度Γ/2からなる直線偏光に変換される。そして、データ処理装置22は、検光子18を回転させて、1/4波長板24を通過した光が検光子18に吸収され、消光する回転角度を求める。この回転角度は、1/4波長板24を通過した水平偏光と角度Γ/2とからなる直線偏光に直交する角度となっている。従って、上記求められた回転角度θから90度を引くことにより、角度Γ/2を算出することが可能となり、垂直配向液晶表示パネル14のリターデーションΓを算出することができる。続けて、このリターデーションΓを上記式(14)に代入することにより、垂直配向液晶表示パネル14のセル厚を算出することができる
このようにして、検光子18の回転角度から垂直配向液晶表示パネル14のリターデーションΓを算出することができ、小さなリターデーションΓの場合でも高精度のリターデーションの測定が可能となる。
(実施例1)
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
上記第1又は第2の実施の形態の垂直配向液晶表示パネル14を高さが3μmのフォトスペーサによってセル厚をコントロールした。また、光源10から射出される単色光の波長として波長589nmのものを用い、さらに、異常光屈折率がn=1.6064であり、常光屈折率がn=1.4849であるネガ型液晶15(液晶層)を封入した垂直配向液晶パネル14を用意した。
上記条件の下で、波長589nmの光を垂直配向液晶表示パネル14の法線に対して角度30度〜60度の範囲で入射させて、リターデーションを測定した。
図4は、垂直配向液晶表示パネル14のセル厚が3μmであると仮定して求めたリターデーション(測定値)について、本発明で算出した結果と、従来法により算出した(国際公開第001/022029号)結果とを比較したグラフを示したものである。図4に示すように、従来法では、算出したリターデーションは測定値からずれているが、本発明の方法では、算出したリターデーションは測定値にほぼ一致している。
また、上記従来法により算出したリターデーション及び本発明により算出したリターデーションからそれぞれの垂直配向液晶表示パネル14のセル厚を求めた結果を表1に示す。表1に示すように、セル厚を3μmと仮定した場合、従来法により求めたセル厚は、予め仮定したセル厚3μmと比較して絶対値で約0.2μm程度と約5〜7%もの誤差が発生している。これに対して、本発明の方法により求めたセル厚は、予め仮定したセル厚3μmに近い値を示している。
Figure 2005283534
(比較例)
従来の垂直配向液晶表示パネルのリターデーションを算出方法について以下に簡単に説明する。
従来の方法では、垂直配向液晶表示パネル14内の光の屈折は、垂直配向液晶表示パネル14の異常光屈折率nと常光屈折率nとで以下の式で与えられる平均的な屈折率に従うものとしている。
Figure 2005283534
ここで、垂直配向液晶表示パネル14を角度θ傾け、垂直配向液晶表示パネルの法線方向Z軸と光の進行方向Z´軸との角度をαとする。また、垂直配向液晶表示パネル14外の屈折率をn1、垂直配向液晶表示パネル14内の平均的な屈折率をn2との間にスネルの法則を適用して、以下の関係式が成立するものとしている。
Figure 2005283534
また、垂直配向液晶表示パネル14内の光路長をdlと垂直配向液晶表示パネル14のセル厚d´との関係は、以下の式で与えられる。
Figure 2005283534
さらに、異常光屈折率は以下の式で与えられる。
Figure 2005283534
以上の関係式を用いて、従来の方法ではリターデーションR´を以下の式で与えている。
Figure 2005283534
上記(22)式から、垂直配向液晶表示パネル14のセル厚(d´)を算出する式は、以下の式で与えられる。
Figure 2005283534
このようにして得られた垂直配向液晶表示パネル14のセル厚を算出する式に、実際に測定により算出したリターデーションR´、異常光屈折率n、常光屈折率n、及び光の入射角度θを入力すると、上記実施例1の表1に示す結果となった。
以上述べたように、本発明によれば、垂直配向液晶表示パネルの複屈折性による常光
屈折率及び異常光屈折率を考慮して、垂直配向液晶表示パネルを通過する常光と異常光とのリターデーションを算出することが可能となる。この結果、精度の高い垂直配向液晶表示パネルのセル厚を測定することが可能となる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
セル厚測定装置の概略構成を示すブロック図である。 図1の垂直配向液晶表示パネルの液晶層部分を拡大した断面図である。 セル厚測定装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明と従来法によるセル厚の算出結果をそれぞれ比較したグラフである。
符号の説明
10…光源、 12…偏光子、 14…垂直配向液晶表示パネル、 15…液晶層、
16…傾斜装置、 18…検光子、 20…受光器、 22…データ処理装置、 24…1/4波長板、 30…セル厚測定装置

Claims (3)

  1. 液晶の封入された垂直配向液晶パネルに前記垂直配向液晶パネルの法線に対して角度
    θ傾けた方向から波長λの光を入射させてリターデーションRを測定し、前記リターデーションRと前記光の入射角θと前記液晶に固有の異常光屈折率n及び常光屈折率nとの値に基づいて、前記垂直配向液晶パネルのセル厚を求める方法において、
    以下に示す式により前記垂直配向液晶パネルのセル厚を求めることを特徴とする垂直配向パネルのセル厚測定方法。
    Figure 2005283534
  2. 光源と、
    前記光源から射出された光を偏光させる偏光子と、
    前記偏光子を通過した前記偏光を垂直配向液晶パネルの法線に対して入射角θで
    入射させるとともに、前記入射角θを変化させる傾斜手段と、
    前記偏光子に対して相対的に回転可能とされ、前記垂直配向液晶パネルを通過した
    前記偏光を検出する検光子と、
    前記検光子を通過した前記偏光の透過強度を測定する受光器と、
    前記受光器によって測定された透過強度からリターデーションRを算出し、さらに前
    記リターデーションRと前記垂直配向液晶パネルに入射する前記光の波長λと入射角θと前記液晶に固有の異常光屈折率nと常光屈折率nとの値に基づいて、前記垂直配向液晶パネルのセル厚を算出するデータ処理手段と、を備え、
    前記データ処理手段は、前記垂直配向液晶パネルのセル厚を以下の式から算出することを特徴とする垂直配向液晶パネルのセル厚測定装置。
    Figure 2005283534
  3. 光源と、
    前記光源から射出された光を偏光させる偏光子と、
    前記偏光子を通過した前記偏光を垂直配向液晶パネルの法線に対して入射角θで入射
    させるとともに、前記入射角θを変化させる傾斜手段と、
    前記垂直配向液晶パネルを通過した前記偏光をさらに偏光させる1/4波長補板と、
    前記偏光子に対して相対的に回転可能とされ、前記垂直配向液晶パネルを通過した
    前記偏光を検出する検光子と、
    前記検光子を通過した前記偏光の透過強度を測定する受光器と、
    前記受光器によって測定された透過強度からリターデーションRを算出し、さらに前
    記リターデーションRと前記垂直配向液晶パネルに入射する前記光の波長λと入射角θと前記液晶に固有の異常光屈折率nと常光屈折率nとの値に基づいて、前記垂直配向液晶パネルのセル厚を算出するデータ処理手段と、を備え、
    前記データ処理手段は、前記垂直配向液晶パネルのセル厚を以下の式から算出することを特徴とする垂直配向液晶パネルのセル厚測定装置。
    Figure 2005283534
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102053396B (zh) * 2009-11-06 2012-02-29 复旦大学 一种液晶盒厚测量方法及装置
CN106908002A (zh) * 2017-04-19 2017-06-30 张家港市欧微自动化研发有限公司 一种基于光谱干涉装置的测量方法

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