JP2005283377A - マイクロアレイの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】試料スポットの品質の安定化及び均一化、並びにスポット形成位置の高精度化及び高密度化を図ることができ、高精細で、長期安定性に優れたマイクロアレイを得ることができるマイクロアレイの製造方法を提供する。
【解決手段】複数の吐出ユニット50を有する吐出手段100と、一以上の担体60を装着できる装着部材210が脱着可能な固定台220を有する装着手段200とを用いて、吐出ユニットから外部に吐出させた液体試料Sを、装着部材に装着した担体上の所定の位置に着弾させて、担体上に試料スポット70が所定パターンで整列したマイクロアレイ300の製造方法であって、担体を装着部材に装着する時(開始時)から、担体上に試料スポットが所定パターンで整列したマイクロアレイを得る時(終了時)までの間における、担体並びに装着手段の温度を、設定温度から±2℃の範囲内となるように一定に保持するように構成する。
【選択図】図1
【解決手段】複数の吐出ユニット50を有する吐出手段100と、一以上の担体60を装着できる装着部材210が脱着可能な固定台220を有する装着手段200とを用いて、吐出ユニットから外部に吐出させた液体試料Sを、装着部材に装着した担体上の所定の位置に着弾させて、担体上に試料スポット70が所定パターンで整列したマイクロアレイ300の製造方法であって、担体を装着部材に装着する時(開始時)から、担体上に試料スポットが所定パターンで整列したマイクロアレイを得る時(終了時)までの間における、担体並びに装着手段の温度を、設定温度から±2℃の範囲内となるように一定に保持するように構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、マイクロアレイ(例えば、DNAマイクロアレイ(バイオチップ)等)の製造方法に関する。さらに詳しくは、所定の担体(基板)上に、微小体積の液体試料の液滴を着弾させて高密度に整列、固定した微小スポット(試料スポット)を形成させることによってマイクロアレイを製造する場合に、試料スポットの品質の安定化及び均一化、並びにスポット形成位置の高精度化及び高密度化を図ることができ、高精細で、長期安定性に優れたマイクロアレイを得ることができるマイクロアレイの製造方法に関する。
近年における遺伝子構造の解析方法の進歩は目覚しく、ヒトの遺伝子を初めとして、多数の遺伝子構造が明らかにされてきている。このような遺伝子構造の解析には、顕微鏡スライドガラス等の担体(基板)上に数千から数万種類以上の異種のDNA断片を微小スポット(試料スポット)として整列、固定させたDNAマイクロアレイ(バイオチップ)が用いられている。
このようなマイクロアレイの製造方法としては、インクジェット方式を用いた方法が、スポッティング動作の高速化、スポット品質の均一化の点から採用され始めている。
このようなマイクロアレイの製造方法としては、例えば、注入口、流路、キャビティ(貯留室)及び吐出口が形成された本体(基体)と圧電/電歪素子とを備えた吐出ユニットを用い、液体試料を、注入口を経由してキャビティに導入し、吐出口に対向した位置に担体(基板)を配設し、キャビティに導入した液体試料を、吐出口から微小体積の液滴として吐出させて、担体(基板)上にスポットを形成させるとともに、この工程を、複数種の液体試料について繰り返すことによって、担体(基板)上に複数種の液体試料からなる複数種のスポットを高密度に配列したバイオチップ(DNAマイクロアレイ)を製造する方法が開示されている(特許文献1参照)。この方法は、一以上の吐出ユニットから構成されてなる吐出モジュールを一以上備えた吐出ヘッドを用いて、複数種の液体試料のうちの少なくとも一種の試料を、吐出ヘッドにおける吐出ユニットの注入口から、一つの吐出ユニットには一種の試料のみが配設されるようにそれぞれ注入することによって、キャビティにそれぞれ導入し、一以上の担体(基板)が固定されてなる一以上のトレーが、脱着可能に載置された移動テーブルを、担体(基板)上の所定位置に対応した吐出ユニットの吐出位置まで移動させるとともに、吐出口から、キャビティに導入した各液体試料を、担体(基板)上の所定の位置に液滴として吐出させて、担体(基板)上に、複数種の液体試料からなるスポットを高密度に配列させることによって、スポットの形成作業の高精細化及びスポットの形成作業時間の短縮化が図ることができるという優れた効果を発揮するものである。
国際公開WO02/90984号パンフレット
しかしながら、マイクロアレイの高品質化に対する要請が飛躍的に増大した現在、これまでの方法においては、例えば、DNAマイクロアレイを製造する場合、液体試料中に含有された被検体であるDNA断片と結合するための結合材が塗布された担体(スライドガラス)上に、試料スポットを形成したときに、DNA断片と結合材との結合力の経時的変化(製造期間及び保存期間が長期に亘る場合には、DNA断片の担体上への固定化率及び担体のDNA断片に対する固定力が変動すること)に由来して、固定化率及び固定力にムラやバラツキが発生するということまでもが問題となり、その改良が望まれるに至っている。また、DNA断片の担体への固定化率は、スポット着弾前後の環境温度にも依存しており、スポット時の担体の温度を一定にすることが望まれている。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、所定の担体(基板)上に、微小体積の液体試料の液滴を着弾させて高密度に整列、固定した微小スポット(試料スポット)を形成させることによってマイクロアレイを製造する場合に、試料スポットの品質の安定化及び均一化、並びにスポット形成位置の高精度化及び高密度化を図ることができ、高品質で、長期安定性に優れたマイクロアレイの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によれば以下のマイクロアレイの製造方法が提供される。
[1]液体試料を吐出させることが可能な複数の吐出ユニットを有する吐出手段と、一以上の担体を装着することが可能な装着部材が脱着可能に固定された、前記吐出ユニットに対する関係において少なくともいずれか一方が相対的に移動可能な固定台を有する装着手段とを用いて、前記吐出ユニットから外部に吐出させた液体試料を、前記装着部材に装着した前記担体上の所定の位置に着弾させて、前記担体上に所定パターンで整列した前記吐出ユニットのそれぞれに対応した試料スポットを形成し、前記担体上に前記試料スポットが所定パターンで整列したマイクロアレイを得るマイクロアレイの製造方法であって、前記担体を前記装着部材に装着する時(開始時)から、前記担体上に前記試料スポットが所定パターンで整列した前記マイクロアレイを得る時(終了時)までの間における、前記担体及び前記装着手段の温度を、設定温度から±2℃の範囲内となるように一定に保持するマイクロアレイの製造方法。
[2]前記開始時から前記終了時までの間に、前記試料スポットの少なくとも一部が形成された前記担体を保管庫に一時的に保管する場合、前記保管庫における保管温度を、前記設定温度から±2℃の範囲内となるように一定に保持する前記[1]に記載のマイクロアレイの製造方法。
[3]前記設定温度が10℃〜30℃の範囲内のいずれか一の温度である前記[1]又は[2]に記載のマイクロアレイの製造方法。
[4]前記設定温度が、室温(20℃〜28℃の範囲内のいずれか一の温度)である前記[3]に記載のマイクロアレイの製造方法。
[5]前記固定台を脱着可能に固定可能であるとともに、X−Y方向に移動可能な移動手段をさらに用いて、前記固定台が固定された前記移動手段をX−Y方向に移動させることによって、前記吐出ユニットと前記固定台とをX−Y方向に相対的に移動させる前記[1]〜[4]のいずれかに記載のマイクロアレイの製造方法。
[6]前記装着部材の下面と前記移動手段の上面との間に挟持、配設された加熱手段をさらに用いて、前記担体及び前記装着手段を加熱することによって、前記開始時から前記終了時までの温度を一定に保持する前記[5]に記載のマイクロアレイの製造方法。
[7]前記装着部材の下面と前記移動手段の上面との間に挟持、配設された断熱手段をさらに用いて、前記担体及び前記装着手段を断熱した状態で、前記開始時から前記終了時までの温度を一定に保持する前記[5]に記載のマイクロアレイの製造方法。
[8]前記装着手段の下面と前記移動手段の上面との間又は前記移動手段の内部に形成された冷却用媒体(第一の媒体)の流路手段(第一の流路手段)をさらに用い、前記第一の流路手段の中を前記第一の媒体に通過させ前記担体及び前記装着手段を冷却することによって、前記開始時から前記終了時までの温度を一定に保持する前記[5]に記載のマイクロアレイの製造方法。
[9]前記装着手段の内部に形成された温度調節用媒体(第二の媒体)の流路手段(第二の流路手段)をさらに用い、前記第二の流路手段の中を前記第二の媒体に通過させ前記担体及び前記装着手段の温度を調節することによって、前記開始時から前記終了時までの温度を一定に保持する前記[5]、[7]又は[8]に記載のマイクロアレイの製造方法。
[10]前記吐出手段の内部に形成された温度調節用媒体(第三の媒体)の流路手段(第三の流路手段)をさらに用い、前記第三の流路手段の中を前記第三の媒体に通過させ前記担体及び前記装着手段の温度を調節することによって、前記開始時から前記終了時までの温度を一定に保持する前記[5]、[7]、[8]又は[9]に記載のマイクロアレイの製造方法。
[11]前記担体及び前記装着手段の周囲の温度を、加熱又は冷却することによって制御して、前記担体及び前記装着手段の前記開始時から前記終了時までの温度を一定に保持する前記[1]〜[10]のいずれかに記載のマイクロアレイの製造方法。
[12]前記保管庫に、温度調節用手段を配設して、前記保管庫の前記保管温度を一定に保持する前記[2]〜[11]のいずれかに記載のマイクロアレイの製造方法。
[13]前記吐出ユニットが、前記液体試料の注入口、流路、貯留室及び吐出口を有する基体と、前記基体を構成する前記貯留室に配設された圧電/電歪素子とを備えたものである前記[1]〜[12]のいずれかに記載のマイクロアレイの製造方法。
[14]前記液体試料として、DNA断片を含む溶液を用いる前記[1]〜[13]のいずれかに記載のマイクロアレイの製造方法。
[15]前記担体として、その表面に、前記液体試料と結合する結合材が塗布されたスライドガラスを用いる前記[1]〜[14]のいずれかに記載のマイクロアレイの製造方法。
[16]
前記[1]〜[15]のいずれかに記載の方法を用いて製造されたマイクロアレイ。
前記[1]〜[15]のいずれかに記載の方法を用いて製造されたマイクロアレイ。
本発明のマイクロアレイの製造方法によって、所定の担体(基板)上に、微小体積の液体試料の液滴を着弾させて高密度に整列、固定した微小スポット(試料スポット)を形成させることによってマイクロアレイを製造する場合に、スポット時の温度の違いや、試料スポット、結合材(樹脂コート)等が温度変動すると思われることに起因して、DNA断片と結合材との結合力が変化して固定化率及び固定力にムラやバラツキが発生することを低減することができ、試料スポットの品質の安定化及び均一化を図ることができるとともに、スポット形成位置の高精度化及び高密度化を図ることができ、高精細で、長期安定性に優れたマイクロアレイを得ることができる。
本発明のマイクロアレイの製造方法の実施の形態を図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1は、本発明のマイクロアレイの製造方法の一の実施の形態を模式的に示す断面図であり、図2は、本実施の形態に用いられる吐出手段及び装着手段を備えたマイクロアレイ製造装置を模式的に示す断面図である。図1に示すように、本実施の形態に用いられる吐出手段100(図2参照)を構成する吐出ユニット50は、液体試料Sの注入口1、流路2、貯留室3及び吐出口4を有する基体10と、基体10を構成する貯留室3に対応して配設された圧電/電歪素子20とを備えている。図1及び図2に示すように、本実施の形態は、液体試料Sを吐出させることが可能な複数の吐出ユニット50を有する吐出手段100と、一以上の担体60を装着することが可能な装着部材210が脱着可能に固定された、吐出ユニット50に対する関係において少なくともいずれか一方が相対的に移動可能な固定台220を有する装着手段200とを用いて、吐出ユニット50から外部に吐出させた液体試料Sを、装着部材210に装着した担体60上の所定の位置に着弾させて、担体60上に所定パターンで整列した吐出ユニット50のそれぞれに対応した試料スポット70を形成し、担体60上に試料スポット70が所定パターンで整列したマイクロアレイ300を得るマイクロアレイの製造方法であって、担体60を装着部材210に装着する時(開始時)から、担体60上に試料スポット70が所定パターンで整列したマイクロアレイ300を得る時(終了時)までの間における、担体60並びに装着手段200(装着部材210及び固定台220)の温度を、設定温度から±2℃の範囲内となるように一定に保持するように構成されている。
このように、マイクロアレイ300の製造時における担体60及び装着手段200(装着部材210及び固定台220)の温度を一定に保持することによって、マイクロアレイ300の製造に伴う熱による影響を解消することができる。すなわち、熱サイクルがなくなり、担体60表面の結合材(図示せず)と液体試料S中の被検体(例えば、DNA断片)の結合力の低下及びばらつきを防止することができる。同時に、スポット時の温度の変化が小さくなることにより、DNA断片の担体への固定化率のばらつきを低減することができる。また、製造時間のバラツキ等による熱履歴の差異が原因となって担体60相互間の試料スポット70の品質に差異が生じることを抑制することができる。具体的には、熱サイクルで引き起こされる結合材の塗膜に亀裂が発生するのを防止することができるとともに、担体60表面のチャージの低下によるDNA断片に対する結合力の低下を防止することができる。また、試料スポット70の形成位置の精度が向上するため、マイクロアレイ300を後処理(例えば、DNA固定化からハイブリッド化すること)後のスキャナ等による検査の効率化を図ることができる。
本実施の形態に用いられる吐出手段及び装着手段について、これらを備えたマイクロアレイ製造装置を示す図2によって具体的に説明する。図2に示すように、本実施の形態に用いられるマイクロアレイ製造装置は、吐出手段100としての吐出ヘッド(以下、吐出ヘッド100ということがある)、装着部材210としてのトレー(以下、トレー210ということがある)、固定台220、移動手段230としての第一の移動テーブル(以下、第一の移動テーブル230ということがある)、第二の移動テーブル240及び担体(基板)高さセンサ250を備えている。吐出ヘッド100は、一以上の吐出ユニット50(図1参照)を有する一以上の吐出モジュール(図示せず)から構成されている。吐出ヘッド100を構成する吐出ユニット50(図1参照)の吐出口4に対向した位置に、一以上の担体60としての顕微鏡スライドガラス(以下、スライドガラス60ということがある)がトレー210上に固定されている。トレー210は、固定台220上に脱着可能に載置、固定されている。固定台220は第一の移動テーブル230によって又は第一の移動テーブル230とともに、X−Y方向に移動可能であり、担体60上の所望の位置に、吐出ヘッド100を構成する吐出ユニット50(図1参照)の吐出口4から液体試料Sを吐出、着弾させるように、トレー210(担体60)の位置を移動させることが可能である。固定台220の上方には、吐出ヘッド100の吐出口4と担体60のスポット面との距離を一定に制御するため、担体(基板)高さセンサ250が配設されている。吐出ヘッド100が脱着可能に載置された第二の移動テーブル240は、吐出ヘッド100をX−Y−Z方向及びX−Y平面上を回転角θで移動させることが可能で、トレー210及び固定台220が載置、固定された第一の移動テーブル230と、吐出ヘッド100が脱着可能に載置された第二の移動テーブル240とを用いて、担体60と吐出口4との相対位置を調整することができる。
このように構成することによって、予め、吐出ヘッド100に各液体試料Sを導入し、確実に液体試料Sの液滴dを吐出できることを確認した後、吐出ヘッド100を第二の移動テーブル240に載置し、さらに、トレー210に複数の担体60を固定しておき、固定台220に装着することによって、スポッティングの実稼動時間を限界まで低減することができる。特に、スポッティングに用いる液体試料Sが、大気と接触することにより、吐出開始時から急速に経時変化を生じる場合(例えば、DNA断片を含む溶液、蒸発し易い有機溶媒、増粘性が高く乾燥し易い有機ポリマー含有水溶液等の場合)及び大気中の水分で担体60の表面の状態が急速に変化する場合(例えば、担体60としてポリリジンコーティング基板等を用いる場合)には有効である。
液体試料SとしてDNA断片を含む溶液を用いてDNAマイクロアレイ(バイオチップ)を製造する場合は、担体60上の、わずか数mm2〜数cm2の領域に、数十〜数万のスポットを一箇所でも重なることなく整然と配置させる必要があるため特に有効である。このようなDNAマイクロアレイを製造する場合、具体的には、一つの吐出ヘッド100に96個の吐出口4を有するものを用い、一つのトレー210に10枚の担体60を固定させることができるものを用い、一枚の担体60に6048スポットが形成されたDNAマイクロアレイを1000枚生産する場合は、第二の移動テーブル240への吐出ヘッド100の脱着は、6048/96=63回行わねばならず、トレー210にいたっては、固定台220への脱着を(1000/10)×63=6300回行わねばならない。従って、吐出ヘッド100及びトレー210の載置部分の機械的精度を向上させたとしても、その状態を維持することは困難であり、上述したような位置制御、相対位置制御を行うことによって、スポットが高精度に配列したDNAマイクロアレイを製造することができる。
図1及び図2に示すように、このようなマイクロアレイ製造装置を用いて、例えば、複数種の液体試料Sのそれぞれを、対応する吐出ユニット50の注入口1からそれぞれ注入することによって貯留室3にそれぞれ導入し、貯留室3に導入した一種の液体試料Sを、担体60上の所定の位置に液滴dとして吐出させて、担体60上に試料スポット70を形成させるとともに、この工程を、複数種の液体試料Sについて繰り返すことによって、担体60上に、短時間かつ容易に複数種の試料スポット70を形成させることができる。
また、複数種の液体試料Sのうちの少なくとも一種の液体試料Sを、吐出ヘッド100の各吐出ユニット50の注入口1から、一つの吐出モジュール(図示せず)には一種の液体試料Sのみが配設されるようにそれぞれ注入することによって貯留室3にそれぞれ導入し、貯留室3に導入した一種の液体試料Sを、担体60上の所定の位置に液滴dとして吐出させて、担体60上に試料スポット70を形成させるとともに、この工程を、複数種の液体試料Sについて繰り返してもよい。
また、吐出ヘッド100を複数用い、複数種の液体試料Sのうちの少なくとも一種を、各吐出ヘッド100の各吐出ユニット50の注入口1から、それぞれ注入することによって貯留室3に導入し、液体試料Sを導入した一の吐出ヘッド100を第二の移動テーブル240に載置し、担体60と一の吐出ヘッド100における吐出口4との相対位置を調整しながら、貯留室3に導入した液体試料Sを、担体60上の所定の位置に液滴dとして吐出させて、担体60上に前述した液体試料Sからなる試料スポット70を形成させ、次いで、一の吐出ヘッド100を第二の移動テーブル240から取り外し、前述した液体試料Sとは異なる他種の液体試料Sを導入した他の吐出ヘッド(図示せず)を第二の移動テーブル240に載置し、担体60と吐出口4との相対位置を、一の吐出ヘッド100における場合とは異なるように調整しながら、貯留室3に導入した他種の液体試料Sを、担体60上の所定の位置に液滴dとして吐出させて、担体60上に他種の液体試料Sからなる試料スポット70を形成させるとともに、この工程を上述した吐出ヘッド100の数だけ繰り返してもよい。
また、トレー210を複数枚用い、複数枚のトレー210のうちの一のトレー210を固定台220に載置、固定し、一のトレー210に固定した担体60と吐出口4との相対位置を調整しながら、貯留室3に導入した液体試料Sを、担体60上の所定の位置に液滴dとして吐出させて、一の担体60上に吐出ヘッド100に配設された液体試料Sからなる試料スポット70を形成させ、次いで、一のトレー210を固定台220から取り外し、他の担体(図示せず)を固定した他のトレー(図示せず)を固定台220に載置、固定し、他の基板(図示せず)と吐出口4との相対位置を調整しながら、貯留室3に導入した液体試料Sを、他の基板(図示せず)上の所定の位置に液滴dとして吐出させて、他の基板(図示せず)上に吐出ヘッド100に配設された液体試料Sからなる試料スポット70を形成させるとともに、この工程を上述したトレー210の数だけ繰り返してもよい。
また、上述した複数の吐出ヘッド100を有する構成と、複数枚のトレー210を有する構成とを組み合わせることによって、例えば、複数の吐出ユニット50から構成された吐出ヘッド100を複数用い、かつ、複数の担体60が固定されたトレー210を複数枚用いることによって、液体試料Sの種類、担体60の枚数を増加させることができ、多品種大量生産に対応することができる。
具体的には、一つのトレー210に保持された担体60上に、必要なDNA断片等を含んだ液体試料Sを吐出し、その後、固定台220から、このトレー210ごと担体60を取り出し、新たに、試料スポット70が形成されていないトレー210を固定台220に載置、固定し、液体試料Sを吐出する。この作業を、必要な担体60の数を満たすトレー210の枚数だけ繰り返す。この際、各トレー210に、発光素子からなるトレー用基準マーク(図示せず)を二箇所に穿設し、マークをトレー上面からCCDカメラ等の第一テーブル固定基準(図示せず)で観察、確認することで、トレー210の載置位置を確認、調整することができる。次いで、第二の移動テーブル240から、吐出ヘッド100を取り外し、別の種類のDNA断片等の液体試料Sが入った別の吐出ヘッド(図示せず)をあらためて載置し、トレー210上の担体60上への試料スポット70の形成を繰り返す。このように構成することによって、具体的には、一万種のDNA断片の入った試料スポットが形成されたマイクロアレイを、数千枚製造した場合、サテライト等が発生することなく、試料スポット70の品質が良好で安定したDNAマイクロアレイ300を得ることができる。
本実施の形態においては、マイクロアレイの製造の開始時から終了時までの間に、試料スポット70の少なくとも一部が形成された担体60を保管庫(図示せず)に一時的に保管する場合、保管庫における保管温度を、設定温度から±2℃の範囲内となるように一定に保持することが好ましい。このように構成することによって、保管時間の差による経時変化の差を低減できるとともに、装着部材210を保管庫から取り出して固定台220に装着した際に、設定温度になじむまで待つ必要がなくなり、迅速にスポッティングに移行することができる。
本実施の形態においては、設定温度は、10℃〜30℃の範囲内のいずれか一の温度であることが好ましい。このように構成することによって、上記効果に加え、製造装置の安定稼動とスライドガラス60への結露防止が可能となり、安定かつ効率よくマイクロアレイを製造することができる。
さらに、設定温度は、室温(20℃〜28℃の範囲内のいずれか一の温度)であることがさらに好ましい。このように構成することによって、室温よりも高温時に想定される、装置に用いられる潤滑剤の乾燥によるステージレールの劣化を低減することができ、また、室温よりも低温時に想定される、ステージレールとベアリングとの間における抵抗の増大の発生を低減することができる。さらに、高温度化で発生が危惧される潤滑剤の低粘度化による潤滑剤の飛散を低減することができる。
本実施の形態においては、前述のように、固定台220を脱着可能に固定可能であるとともに、X−Y方向に移動可能な移動手段(第一の移動テーブル230)をさらに用いて、固定台220が固定された移動手段(第一の移動テーブル230)をX−Y方向に移動させることによって、吐出ユニット50と固定台220とをX−Y方向に相対的に移動させることができる。このように、担体が設置された固定台を移動させるようにすると、ヘッドを稼動させたときに想定される、吐出口の液面のゆれによる液漏れ等の不具合を回避することができる。この場合、例えば、固定台220をX方向に第一の移動テーブル230をY方向に移動させることによって、固定台220と第一の移動テーブルとを全体としてX−Y方向に移動させるようにしてもよい。
以下、本実施の形態において、担体60及び装着手段200(装着部材210及び固定台220)の温度を一定に保持するための具体的な手段について説明する。
図3に示すように、装着部材210の下面と移動手段(第一の移動テーブル)230の上面との間に挟持、配設された加熱手段400をさらに用いて、担体60及び装着手段200を加熱することによって、開始時から終了時までの温度を一定に保持することを挙げることができる。このような加熱手段400としては、温度制御が可能なものであれば特に制限はないが、例えば、金属ヒーターやシリコーンラバーヒーターを挙げることができる。このように構成することによって、移動装置からの熱流入が変動するような場合に、比較的簡単な構造で温度を一定に保つことができ、担体60及び装着手段200の温度を一定に保持することができる。
図4に示すように、装着部材210の下面と移動手段(第一の移動テーブル)230の上面との間に挟持、配設された断熱手段500をさらに用いて、担体60及び装着手段200を断熱した状態で、開始時から前記終了時までの温度を一定に保持してもよい。このような断熱手段500としては、熱伝導率が低いものであれば特に制限はないが、例えば、エンジニアリングプラスッチックを挙げることができる。このように構成することによって、製造装置の駆動部(図示せず)からの発熱が大きく、変動する温度の中心温度が高温になりすぎる場合にも、装着手段200への熱の流入を防止して温度上昇を低減し、かつ環境雰囲気に対する担体60及び装着手段200の温度を一定に保持することができる。図3に示す加熱手段400及び図4に示す断熱手段500の両方を用いてもよい。
図5に示すように、装着手段200の下面と移動手段(第一の移動テーブル)230の上面との間又は移動手段(第一の移動テーブル)230の内部に形成された冷却用媒体(第一の媒体)M1の流路手段(第一の流路手段)610をさらに用い、第一の流路手段610の中を第一の媒体M1に通過させ担体60及び装着手段200を冷却することによって、開始時から終了時までの温度を一定に保持してもよい。このように構成することによって、製造装置の駆動部(図示せず)からの発熱が無視できないような場合、製造装置の駆動部からの発熱そのものを除去することができ、装着手段200への熱の流入を防止して温度上昇を低減し、環境雰囲気に対する担体60及び装着手段200の温度を一定に保持することができる。ここで、第一の流路手段610としては、例えば、所望の流路の形状に形成したジャケットを装着することによって得られる流路を挙げることができる。ここで、第一の媒体M1としては、例えば、水、エチレングリコール、フッ化炭素系不活性液体(例えば、米国3M社(米国ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング・カンパニー)製、商品名:フロリナート)を挙げることができる。
この場合、第一の流路手段610を、図4に示す断熱手段500の上面側に形成することによって、担体60及び装着手段200(装着部材210及び固定台220)の温度を所定の値に確実に管理することができる。すなわち、製造装置の稼動条件の変更等によって製造装置からの発熱量が増大し、第一の流路手段610だけでは熱を完全に除去することができないような場合(例えば、製造装置を高速で運転する場合)であっても、装着手段200及び第一の流路手段610と第一の移動テーブル230との間に、図4に示す断熱手段500が配設されているため、装着手段200及び第一の流路手段610側への熱の流入が抑えられ、担体60及び装着手段200の温度の大きな変動を有効に防止することができる。
図6に示すように、装着部材210の内部に形成された温度調節用媒体(第二の媒体)M2の流路手段(第二の流路手段)620をさらに用い、第二の流路手段620の中を第二の媒体M2に通過させ担体60及び装着部材210の温度を調節することによって、開始時から終了時までの温度を一定に保持してもよい。このように構成することによって、保管、移動、装着時等に、常に温度調整をすることができ、担体60及び装着手段200の温度をより精密に保持することができる。ここで、第二の流路手段620としては、例えば、上述の第一の流路手段610と同様にして得られるものを挙げることができる。第二の媒体M2としては、例えば、水、エチレングリコール、フッ化炭素系不活性液体(例えば、米国3M社(米国ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング・カンパニー)製、商品名:フロリナート)等を挙げることができる。
図7に示すように、吐出手段100の内部に形成された温度調節用媒体(第三の媒体)M3の流路手段(第三の流路手段)630をさらに用い、第三の流路手段630の中を第三の媒体M3に通過させ吐出手段100の温度を調節することによって、開始時から終了時までの温度を一定に保持してもよい。このように構成することによって、液体試料Sの特性が温度変化に敏感な場合、スポット前後の温度を一定にすることができ、各々のスポットの温度履歴を一定にすることができる。ここで、第三の流路手段630としては、例えば、上述の第一の流路手段610と同様にして得られるものを挙げることができる。第三の媒体M3としては、例えば、水、エチレングリコール、フッ化炭素系不活性液体(例えば、米国3M社(米国ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング・カンパニー)製、商品名:フロリナート)等を挙げることができる。
なお、第一の流路手段、第二の流路手段及び第三の流路手段のうち、少なくともいずれか一つを用いてもよく、二つ以上を組み合わせて用いてもよい。このように構成することによって、実際の環境や液体試料の性質に応じて無駄のない設備を構築することができる。
図8に示すように、担体60及び装着手段200の周囲の空気を、加熱又は冷却することによって制御して、担体60及び装着手段200の開始時から終了時までの温度を一定に保持してもよい。具体的には、定温空気発生装置850から空気を供給することを挙げることができる。このように構成することによって、第一〜第三の流路手段610、620、630が組み込みが困難な場合、同様な効果を装置に手を加えることなく実現することができ、担体60及び装着手段200の温度に加えて、さらに吐出手段100の温度を一定に保持することができる。
図9に示すように、保管庫700に、温度調節用手段750を配設して、保管庫700の保管温度を一定に保持してもよい。このような温度調節用手段750としては、例えば、定温空気発生装置からの空気を供給する方法を挙げることができる。このように構成することによって、固定台220の温度が室温と異なるような場合、保管時間の差による経時変化の差を低減できるとともに、装着部材210を保管庫から取り出して固定台220に装着した際に、設定温度になじむまで待つ必要がなくなり、迅速にスポッティングに移行することができる。
前述のように、本実施の形態においては、吐出ユニット50は、液体試料Sの注入口1、流路2、貯留室3及び吐出口4を有する基体10と、基体10を構成する貯留室3に配設された圧電/電歪素子20とを備えたものであることが好ましい。このような吐出ユニット50は、圧電/電歪素子20の駆動によって液体試料Sを吐出するので、液体を加熱して吐出する方法、例えば、バブルジェット法に比べ、液体が、加熱に起因する高温に曝されることがなく、DNA断片が切断される等の不具合の発生を未然に防止することができる。
前述のように、本実施の形態は、液体試料Sとして、DNA断片を含む溶液を用いてDNAマイクロアレイ(バイオチップ)を製造する場合に特に有効である。このような被検体としては、DNA断片の他に、例えば、酵素/基質反応時の酵素、抗原/抗体反応時の抗体等を挙げることができる。
本実施の形態は、担体60として、その表面に、液体試料Sと結合する結合材が塗布されたスライドガラスを用いる場合に特に有効である。このような結合材としては、例えば、アミノ基(例えば、ポリエルリジン等)、エポキシ基等を含むコーティング材料を挙げることができる。このような結合材(コーティング材料)は、通常、担体60の表面に塗布されてコーティング層の形態で用いられる。
本実施の形態に用いられる吐出ユニット50を構成する基体10の材質としては特に制限はないが、例えば、少なくとも貯留室3の形成位置及び圧電/電歪素子20の配設位置に対応した部位は、ジルコニアセラミックスからなるように構成することが好ましく、基体10の全ての部位をジルコニアセラミックスからなるように構成することがさらに好ましい。ジルコニア、中でも、安定化ジルコニアと部分安定化ジルコニアは、薄板状としても機械的強度が大きいこと、靭性が高いこと、酸/アルカリ溶液に耐久性があること、及び圧電膜や電極材との反応性が小さいこと等から、本実施の形態に用いられる基体10の材質として好ましい。この場合、ジルコニアセラミックスは、グリーンシート積層焼成法を用いて作製されたものであることが好ましい。すなわち、基体10は、セラミック薄板(所謂グリーンシート)を積層し、その積層体を焼成することによって作製することが好ましい。なお、基体10の、吐出口4が形成された部位を、成形性及びコストの面から、樹脂からなるように構成してもよい。
本実施の形態に用いられる圧電/電歪素子20としては特に制限はないが、例えば、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛及びマグネシウムニオブ酸鉛からなる群から選ばれる少なくとも一種の鉛化合物を主成分として含有する圧電/電歪膜から構成されることが好ましい。すなわち、このような圧電/電歪膜は、高い電気機械結合係数と圧電定数とを有し、圧電膜の焼結時における基体10(ジルコニアセラミックス)との反応性が小さく、安定した組成のものが得られる点から好ましい。
本発明のマイクロアレイは、上述の、いずれかに記載の方法を用いて製造され、高品質で、長期安定性に優れている。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図2に示すマイクロアレイ製造装置を用いてマイクロアレイを作製した。その作製条件は下記のようにした。
吐出孔数:1ヘッド当りの吐出孔数は1個とした。
スポット数:12種×12段取=144スポット、同一種のスポットを12スポット作製し、一日に全12種を1箇所スポットするのを一段取りとし、12日間繰り返して全段取りのスポット完了とした。
液体試料:C−DNAをリン酸バッファー10mMで溶解したものを用いた(c−DNAの濃度は0.1μg/μL)。
担体:76mm×26mm×1mm(厚み)の形状のPLL(ポリエルリジン)コーティングしたスライドガラスを用いた。
スポットパターン:3列×4行×12ブロック(ブロック内ピッチ0.3mmピッチ)とした。なお、ブロック間ピッチはXY方向とも4.5mmとした。
作製枚数:30枚とした。なお、トレー数は10トレーとした(3枚/トレー)。
図2に示すマイクロアレイ製造装置を用いてマイクロアレイを作製した。その作製条件は下記のようにした。
吐出孔数:1ヘッド当りの吐出孔数は1個とした。
スポット数:12種×12段取=144スポット、同一種のスポットを12スポット作製し、一日に全12種を1箇所スポットするのを一段取りとし、12日間繰り返して全段取りのスポット完了とした。
液体試料:C−DNAをリン酸バッファー10mMで溶解したものを用いた(c−DNAの濃度は0.1μg/μL)。
担体:76mm×26mm×1mm(厚み)の形状のPLL(ポリエルリジン)コーティングしたスライドガラスを用いた。
スポットパターン:3列×4行×12ブロック(ブロック内ピッチ0.3mmピッチ)とした。なお、ブロック間ピッチはXY方向とも4.5mmとした。
作製枚数:30枚とした。なお、トレー数は10トレーとした(3枚/トレー)。
図10(a)に示す断熱手段500及び第一の流路手段610と、図10(b)に示す温度調節用手段750を配設して一定温度に保った保管庫700とを用いて担体60及び装着手段200の温度を一定に保って製造した。この時の設定温度は25℃であったが、実際に測定した保管庫700、担体60及び装着手段200の温度は、それぞれ23〜27℃に保持され、設定温度から±2℃の範囲内で温度管理がされたことがわかる。
また、図10(a)に示すように、稼動状況が変動しても担体60及び装着手段200の温度が安定するようにするため、固定台220は、第一の流路手段610及び柱状の断熱手段500を介した2階立て構造とし、移動手段230との接触面積を減少させて、移動手段230からの熱伝導を低減させた。さらに、合計5箇所の柱状の断熱手段500には断熱材としてエポキシガラスを使用し、第一の流路手段610の下面には熱伝達を防ぐためにエポキシ樹脂を含む断熱材510を貼り付けた。このようにすることにより、連続的に移動手段230を動かした場合であっても、温度上昇を2度以下に抑えることができた。
(スポットの評価)スポット形成後、得られたスポットに、加湿、固定化処理(80℃で数時間ベーキング)を行い、蛍光標識されたc−DNAでハイブリタイゼーションを行い、各スポットの蛍光値を測定し、同一種のスポット開始時(一段取り目)のスポットの蛍光量に対するスポット完了時(12段取り目)の蛍光量の割合を測定した。また、位置精度については、設計値に対するスポットの位置ずれを顕微鏡による測定で評価した。具体的には、30枚について、それぞれ144スポットの狙い位置からのずれ量(mm)を測定し、その全スポットから平均値を算出した。ここでの蛍光比率は同一種の一段取り目と12段取り目の蛍光値の差を一段取り目の蛍光値で割ったものである。この蛍光比率を全スライドガラス、全種で平均したものを蛍光比率平均値とした。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において格別の温度管理をしなかったこと以外は実施例1と同様にした。具体的には、固定台220として、図10に示すものから第一の流路手段610及び断熱手段500を取り外したものを用いた。また、保管庫700の温度調節用手段750は稼動させなかった。
実施例1において格別の温度管理をしなかったこと以外は実施例1と同様にした。具体的には、固定台220として、図10に示すものから第一の流路手段610及び断熱手段500を取り外したものを用いた。また、保管庫700の温度調節用手段750は稼動させなかった。
比較例1における設定温度は24℃であったが、実際に測定した温度は、保管庫の温度は21〜27℃で設定温度から±3℃であり、担体60及び装着手段200の温度も、21〜27℃で設定温度から±3℃となってしまい、温度管理が不十分であったことが分かる。
得られたスポットについて、実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
以上より、実施例1で得られたスポットの方が比較例1で得られたスポットよりも、位置精度が向上するとともに、蛍光量の低下とばらつきの低減が図られることを確認することができた。
実施例1では、断熱手段、第一の流路手段及び一定温度に保った保管庫を用いて温度管理をする例を示したが、駆動装置や運転条件の違いに応じて、加熱手段、断熱手段、第一の流路、第二の流路、第三の流路、一定温度に保った保管庫、空気の加熱・冷却手段を、一種単独で又は複数種を適宜組み合わせて用いて温度管理をすることが好ましい。また、同種のものを複数用いてもよい。
本発明のマイクロアレイの製造方法は、研究、創薬、診断、医療の分野で、例えば、遺伝子構造の解析、遺伝子発現の検出、遺伝子機能の研究等に有効に利用される。
1…注入口、2…流路、3…貯留室、4…吐出口、10…基体、20…圧電/電歪素子、50…吐出ユニット、60…担体(スライドガラス)、70…試料スポット、100…吐出手段(吐出ヘッド)、200…装着手段、210…装着部材(トレー)、220…固定台、230…移動手段(第一の移動テーブル)、240…第二の移動テーブル、250…担体(基板)高さセンサ、300…マイクロアレイ(DNAマイクロアレイ)、400…加熱手段、500…断熱手段、510…断熱材、610…第一の流路手段、620…第二の流路手段、630…第三の流路手段、700…保管庫、750…温度調節用手段、S…液体試料、d…液滴、M1…第一の媒体、M2…第二の媒体、M3…第三の媒体。
Claims (16)
- 液体試料を吐出させることが可能な複数の吐出ユニットを有する吐出手段と、一以上の担体を装着することが可能な装着部材が脱着可能に固定された、前記吐出ユニットに対する関係において少なくともいずれか一方が相対的に移動可能な固定台を有する装着手段とを用いて、前記吐出ユニットから外部に吐出させた液体試料を、前記装着部材に装着した前記担体上の所定の位置に着弾させて、前記担体上に所定パターンで整列した前記吐出ユニットのそれぞれに対応した試料スポットを形成し、前記担体上に前記試料スポットが所定パターンで整列したマイクロアレイを得るマイクロアレイの製造方法であって、
前記担体を前記装着部材に装着する時(開始時)から、前記担体上に前記試料スポットが所定パターンで整列した前記マイクロアレイを得る時(終了時)までの間における、前記担体及び前記装着手段の温度を、設定温度から±2℃の範囲内となるように一定に保持するマイクロアレイの製造方法。 - 前記開始時から前記終了時までの間に、前記試料スポットの少なくとも一部が形成された前記担体を保管庫に一時的に保管する場合、前記保管庫における保管温度を、前記設定温度から±2℃の範囲内となるように一定に保持する請求項1に記載のマイクロアレイの製造方法。
- 前記設定温度が10℃〜30℃の範囲内のいずれか一の温度である請求項1又は2に記載のマイクロアレイの製造方法。
- 前記設定温度が、室温(20℃〜28℃の範囲内のいずれか一の温度)である請求項3に記載のマイクロアレイの製造方法。
- 前記固定台を脱着可能に固定可能であるとともに、X−Y方向に移動可能な移動手段をさらに用いて、前記固定台が固定された前記移動手段をX−Y方向に移動させることによって、前記吐出ユニットと前記固定台とをX−Y方向に相対的に移動させる請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロアレイの製造方法。
- 前記装着部材の下面と前記移動手段の上面との間に挟持、配設された加熱手段をさらに用いて、前記担体及び前記装着手段を加熱することによって、前記開始時から前記終了時までの温度を一定に保持する請求項5に記載のマイクロアレイの製造方法。
- 前記装着部材の下面と前記移動手段の上面との間に挟持、配設された断熱手段をさらに用いて、前記担体及び前記装着手段を断熱した状態で、前記開始時から前記終了時までの温度を一定に保持する請求項5に記載のマイクロアレイの製造方法。
- 前記装着手段の下面と前記移動手段の上面との間又は前記移動手段の内部に形成された冷却用媒体(第一の媒体)の流路手段(第一の流路手段)をさらに用い、前記第一の流路手段の中を前記第一の媒体に通過させ前記担体及び前記装着手段を冷却することによって、前記開始時から前記終了時までの温度を一定に保持する請求項5又は7に記載のマイクロアレイの製造方法。
- 前記装着手段の内部に形成された温度調節用媒体(第二の媒体)の流路手段(第二の流路手段)をさらに用い、前記第二の流路手段の中を前記第二の媒体に通過させ前記担体及び前記装着手段の温度を調節することによって、前記開始時から前記終了時までの温度を一定に保持する請求項5、7又は8に記載のマイクロアレイの製造方法。
- 前記吐出手段の内部に形成された温度調節用媒体(第三の媒体)の流路手段(第三の流路手段)をさらに用い、前記第三の流路手段の中を前記第三の媒体に通過させ前記担体及び前記装着手段の温度を調節することによって、前記開始時から前記終了時までの温度を一定に保持する請求項5、7、8又は9に記載のマイクロアレイの製造方法。
- 前記担体及び前記装着手段の周囲の温度を、加熱又は冷却することによって制御して、前記担体及び前記装着手段の前記開始時から前記終了時までの温度を一定に保持する請求項1〜10のいずれかに記載のマイクロアレイの製造方法。
- 前記保管庫に、温度調節用手段を配設して、前記保管庫の前記保管温度を一定に保持する請求項2〜11のいずれかに記載のマイクロアレイの製造方法。
- 前記吐出ユニットが、前記液体試料の注入口、流路、貯留室及び吐出口を有する基体と、前記基体を構成する前記貯留室に配設された圧電/電歪素子とを備えたものである請求項1〜12のいずれかに記載のマイクロアレイの製造方法。
- 前記液体試料として、DNA断片を含む溶液を用いる請求項1〜13のいずれかに記載のマイクロアレイの製造方法。
- 前記担体として、その表面に、前記液体試料と結合する結合材が塗布されたスライドガラスを用いる請求項1〜14のいずれかに記載のマイクロアレイの製造方法。
- 請求項1〜15のいずれかに記載の方法を用いて製造されたマイクロアレイ。
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JP2004098614A JP2005283377A (ja) | 2004-03-30 | 2004-03-30 | マイクロアレイの製造方法 |
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JP2008509398A (ja) * | 2004-08-04 | 2008-03-27 | バイオトローブ, インコーポレイテッド | ディスペンサーアレイのロケーションを登録するための方法およびシステム |
JP2020532317A (ja) * | 2017-07-21 | 2020-11-12 | ジェルミテク | バイオアッセイ担体およびその調整 |
-
2004
- 2004-03-30 JP JP2004098614A patent/JP2005283377A/ja active Pending
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