JP2005283355A - 静電容量型圧力センサおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 一定の寸法精度を保ち、かつ効率的に安定して製造が可能な圧力センサおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】 圧力センサ10は、シリコン基板11とこのシリコン基板11の上面の一部を覆うキャビティー枠体20とから構成される。シリコン基板11の上面11aに形成されるキャビティー枠体20は、ダイヤフラム14と、このダイヤフラムを周縁から支持するサイドウォール(絶縁体)15とからなる。シリコン基板11の上面11aとダイヤフラム14およびサイドウォール15によって一定の静電容量を持つ空間16が区画される。
【選択図】 図1
【解決手段】 圧力センサ10は、シリコン基板11とこのシリコン基板11の上面の一部を覆うキャビティー枠体20とから構成される。シリコン基板11の上面11aに形成されるキャビティー枠体20は、ダイヤフラム14と、このダイヤフラムを周縁から支持するサイドウォール(絶縁体)15とからなる。シリコン基板11の上面11aとダイヤフラム14およびサイドウォール15によって一定の静電容量を持つ空間16が区画される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、基板に一定の空間を保って形成されたダイヤフラムの湾曲によって圧力変動を検出する静電容量型圧力センサおよびその製造方法に関する。
例えば、特許文献1には、シリコン基板の所定領域に溝や穴を形成してから熱処理を行って溝や穴を形成した部分に空間を形成させ、この空間を区画する壁面の一部をダイヤフラムとし、ダイヤフラムの湾曲による空間の静電容量変化によって圧力変動を検出する圧力センサが記載されている。こうした従来の圧力センサでは、製造工程での熱処理によってシリコンを流動化させ、表面に集まったシリコンをダイヤフラムとして圧力センサを形成している。
特開2002−005763号公報
しかしながら、特許文献1に示す圧力センサでは、熱処理によるシリコンを流動化によってダイヤフラムを形成しているので、ダイヤフラムの厚みや空間の寸法を均一に保って形成することが難しく、形成精度のバラつきによって一定の検出精度を保って圧力センサを製造するのが困難であるという課題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、一定の寸法精度を保ち、かつ効率的に安定して製造が可能な圧力センサおよびその製造方法を提供する。
上記の目的を達成するために、本発明によれば、シリコン基板と、このシリコン基板上に一定の空間を空けて形成された薄板状のシリコンダイヤフラムと、このシリコンダイヤフラムの外周端面と前記空間とを覆い、前記シリコンダイヤフラムを支持する絶縁体とを備えることを特徴とする静電容量型圧力センサが提供される
前記シリコンダイヤフラムは、単結晶シリコンから構成されれば良い。また、前記絶縁体は、シリコン酸化膜あるいはシリコン窒化膜から構成されればよい。そして、このような静電容量型圧力センサが前記シリコン基板上に複数個配列され、前記シリコンダイヤフラムが単一の導電膜で電気的に接続されたことを特徴とする静電容量型圧力センサユニットが提供される。
本発明によれば、シリコン基板上にSiGe層とSi層とを順に積層し、前記Si層の一部を前記シリコン基板に対して一定の空間を保って絶縁膜によって支持されるシリコンダイヤフラムとして形成する静電容量型圧力センサの製造方法であって、前記シリコン基板上に前記SiGe層と前記Si層とを連続してエピタキシャル成長させる工程と、前記シリコンダイヤフラムを成す領域の外周を囲み、ほぼ対向する位置に前記SiGe層と前記Si層とをエッチングして前記シリコン基板が露出した一対の第1開口部を形成する工程と、前記第1開口部より、前記SiGe層の前記空間を成す領域をエッチングして除去する工程と、第1絶縁膜を前記シリコン基板の全面に形成する工程と、前記外周のうち前記第1開口部で囲まれた以外の外周領域に、前記第1絶縁膜および前記SiGe層と前記Si層とをエッチングして、前記シリコン基板が露出する一対の第2開口部を形成する工程と、第2絶縁膜を前記シリコン基板の全面に形成する工程と、前記第1絶縁膜および第2絶縁膜とをエッチバックして前記外周の全縁に前記シリコンダイヤフラムを支持するサイドウォールを形成する工程とを備えることを特徴とする静電容量型圧力センサの製造方法が提供される。
また、本発明によれば、シリコン基板上にSiO2 層とSi層とが順に積層されたSOI基板を用い、前記Si層の一部を前記シリコン基板に対して一定の空間を保って絶縁膜によって支持されるシリコンダイヤフラムとして形成する静電容量型圧力センサの製造方法であって、前記シリコンダイヤフラムを成す領域の外周を囲み、ほぼ対向する位置に前記SiO2 層と前記Si層とをエッチングして前記シリコン基板が露出した一対の第1開口部を形成する工程と、前記第1開口部より、前記SiO2 層の前記空間を成す領域をエッチングして除去する工程と、第1絶縁膜を前記シリコン基板の全面に形成する工程と、前記外周のうち前記第1開口部で囲まれた以外の外周領域に、前記第1絶縁膜および前記SiO2 層と前記Si層とをエッチングして、前記シリコン基板が露出する一対の第2開口部を形成する工程と、第2絶縁膜を前記シリコン基板の全面に形成する工程と、前記第1絶縁膜および第2絶縁膜とをエッチバックして前記外周の全縁に前記シリコンダイヤフラムを支持するサイドウォールを形成する工程とを備えることを特徴とする静電容量型圧力センサの製造方法が提供される。
更に、このような静電容量型圧力センサの製造方法によって前記シリコン基板上に複数のシリコンダイヤフラムを形成する工程と、前記シリコンダイヤフラムの全数を覆う導電膜を形成する工程とを更に備えることを特徴とする静電容量型圧力センサユニットの製造方法が提供される。
本発明の圧力センサによれば、従来の静電容量型圧力センサよりも比較的単純な構造であり、ダイヤフラムの厚みや空間の寸法を均一に保って形成することを容易にする。これにより、圧力の検出精度が一定に保たれ、かつ量産性に優れた静電容量型圧力センサを実現することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を交えて説明する。図1は、本発明の一例を示す静電容量型の圧力センサの断面図であり、図2は上方から見た平面図である。圧力センサ10は、シリコン基板11とこのシリコン基板11の上面の一部を覆うキャビティー枠体20とから構成されている。
シリコン基板11の上面11aに形成されるキャビティー枠体20は、例えば厚みが0.5μm程度のダイヤフラム(シリコンダイヤフラム)14と、このダイヤフラムを周縁から支持するサイドウォール(絶縁体)15とからなる。ダイヤフラム14は、単結晶シリコンから形成されていれば良い。また、サイドウォール15は、シリコン酸化膜であればよい。なお、サイドウォール15は、シリコン酸化膜の代わりにシリコン窒化膜を用いることもできる。
そして、シリコン基板11の上面11aとダイヤフラム14およびサイドウォール15によって一定の静電容量を持つ空間16が区画される。この空間16内は、例えば、真空や一定圧でガスが充填されていればよい。
以上のような構成の圧力センサ10は、固定電極の役割を果たすシリコン基板11と、これに対面する可撓性電極の役割を果たすダイヤフラム14と、これらの間に広がる空間16によって、一定の静電容量を持つコンデンサが形成される。そして、ダイヤフラム14に圧力が加わると、薄膜であるダイヤフラム14は湾曲し、ダイヤフラム14とシリコン基板11との距離が変化する。
ダイヤフラム14に加わる圧力によってダイヤフラム14とシリコン基板11との距離が変化すると、シリコン基板11とダイヤフラム14との間の静電容量が変化する。この変化量をシリコン基板11とダイヤフラム14に接続された検出回路(図示せず)で検出することによって、圧力センサ10にかかる圧力変化を検出することができる。
このような構成の圧力センサ10は、従来の圧力センサよりも比較的単純な構造であり、ダイヤフラムの厚みや空間の寸法を均一に保って形成することを容易にする。これにより、圧力の検出精度が一定に保たれ、かつ量産性に優れた圧力センサ10を実現することが可能になる。
次に、上述したような本発明の圧力センサ(静電容量型圧力センサ)の製造方法を説明する。まず、図3に示すように、シリコン基板11上にSiGe層31とSi層32とを連続的にエピタキシャル成長させる。続いて、このSiGe層31とSi層32との一部をエッチングにより除去し、シリコン基板11の一部を露出させて、第1開口部35を形成する。図4は、このエッチング後の状態の側面断面図であり、図5は上面から見た平面図である。
次に、図6に示すように、SiGe層31を横方向からエッチングして、空間16を形成する。続いて、図7に示すように、これらシリコン基板11とSi層32とを覆うように、第1絶縁膜33を全面に形成する。この第1絶縁膜33は、例えばシリコン酸化膜で形成されれば良い。
そして、第1絶縁膜33およびSiGe層31とSi層32の一部をエッチングし、第2開口部36を形成する。図8は、このエッチング後に上面から見た平面図である。
更に、第2絶縁膜37を全面に形成する。この第2絶縁膜37は、例えばシリコン酸化膜で形成されれば良い。図9は、この第2絶縁膜37形成後の側面断面図であり、図10は上面から見た平面図である。
この後、第1絶縁膜33および第2絶縁膜37の一部をエッチバックすることによって、第1絶縁膜33および第2絶縁膜37から構成されるサイドウォール15によって支えられたダイヤフラム14を備えたキャビティー枠体20と、シリコン基板11とからなる圧力センサ10が完成する(図1参照)。
なお、別な実施形態として、上述したようなシリコン基板11上にSiGe層31とSi層32とを連続的にエピタキシャル成長させた基板を用いる代わりに、SiO2 層とSi層とが順に積層されたSOI基板を用いて、上述したような手順で圧力センサを形成しても良い。
このような圧力センサ10を1つの基板に多数形成することによって、静電容量型圧力センサユニットとしてもよい。図11、図12に示すように、本発明の静電容量型圧力センサユニット50は、1枚のシリコン基板51に、ダイヤフラム54およびサイドウォール55によって一定の空間56を持つ多数のキャビティー枠体57が形成されている。さらに、この多数配列されたキャビティー枠体57は、1枚の導電膜59で覆われている。
このような、1枚のシリコン基板51上に多数のキャビティー枠体57を配列して、これを1枚の導電膜59で覆った静電容量型圧力センサユニット50は、圧力変化に対する容積変化を大きくすることで、高感度な圧力センサユニットを簡易な構成でローコストに製造することができる。
10 圧力センサ
11 シリコン基板
14 ダイヤフラム(シリコンダイヤフラム)
15 サイドウォール(絶縁体)
16 空間
31 SiGe層
32 Si層
33 第1絶縁膜
35 第1開口部
36 第2開口部
37 第2絶縁膜
11 シリコン基板
14 ダイヤフラム(シリコンダイヤフラム)
15 サイドウォール(絶縁体)
16 空間
31 SiGe層
32 Si層
33 第1絶縁膜
35 第1開口部
36 第2開口部
37 第2絶縁膜
Claims (7)
- シリコン基板と、このシリコン基板上に一定の空間を空けて形成された薄板状のシリコンダイヤフラムと、このシリコンダイヤフラムの外周端面と前記空間とを覆い、前記シリコンダイヤフラムを支持する絶縁体とを備えることを特徴とする静電容量型圧力センサ。
- 前記シリコンダイヤフラムは、単結晶シリコンからなることを特徴とする請求項1に記載の静電容量型圧力センサ。
- 前記絶縁体は、シリコン酸化膜あるいはシリコン窒化膜から構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の静電容量型圧力センサ。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電容量型圧力センサが前記シリコン基板上に複数個配列され、前記シリコンダイヤフラムが単一の導電膜で電気的に接続されたことを特徴とする静電容量型圧力センサユニット。
- シリコン基板上にSiGe層とSi層とを順に積層し、前記Si層の一部を前記シリコン基板に対して一定の空間を保って絶縁膜によって支持されるシリコンダイヤフラムとして形成する静電容量型圧力センサの製造方法であって、
前記シリコン基板上に前記SiGe層と前記Si層とを連続してエピタキシャル成長させる工程と、前記シリコンダイヤフラムを成す領域の外周を囲み、ほぼ対向する位置に前記SiGe層と前記Si層とをエッチングして前記シリコン基板が露出した一対の第1開口部を形成する工程と、前記第1開口部より、前記SiGe層の前記空間を成す領域をエッチングして除去する工程と、第1絶縁膜を前記シリコン基板の全面に形成する工程と、前記外周のうち前記第1開口部で囲まれた以外の外周領域に、前記第1絶縁膜および前記SiGe層と前記Si層とをエッチングして、前記シリコン基板が露出する一対の第2開口部を形成する工程と、第2絶縁膜を前記シリコン基板の全面に形成する工程と、前記第1絶縁膜および第2絶縁膜とをエッチバックして前記外周の全縁に前記シリコンダイヤフラムを支持するサイドウォールを形成する工程とを備えることを特徴とする静電容量型圧力センサの製造方法。 - シリコン基板上にSiO2 層とSi層とが順に積層されたSOI基板を用い、前記Si層の一部を前記シリコン基板に対して一定の空間を保って絶縁膜によって支持されるシリコンダイヤフラムとして形成する静電容量型圧力センサの製造方法であって、
前記シリコンダイヤフラムを成す領域の外周を囲み、ほぼ対向する位置に前記SiO2 層と前記Si層とをエッチングして前記シリコン基板が露出した一対の第1開口部を形成する工程と、前記第1開口部より、前記SiO2 層の前記空間を成す領域をエッチングして除去する工程と、第1絶縁膜を前記シリコン基板の全面に形成する工程と、前記外周のうち前記第1開口部で囲まれた以外の外周領域に、前記第1絶縁膜および前記SiO2 層と前記Si層とをエッチングして、前記シリコン基板が露出する一対の第2開口部を形成する工程と、第2絶縁膜を前記シリコン基板の全面に形成する工程と、前記第1絶縁膜および第2絶縁膜とをエッチバックして前記外周の全縁に前記シリコンダイヤフラムを支持するサイドウォールを形成する工程とを備えることを特徴とする静電容量型圧力センサの製造方法。 - 請求項5または請求項6に記載の静電容量型圧力センサの製造方法によって前記シリコン基板上に複数のシリコンダイヤフラムを形成する工程と、前記シリコンダイヤフラムの全数を覆う導電膜を形成する工程とを更に備えることを特徴とする静電容量型圧力センサユニットの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004098181A JP2005283355A (ja) | 2004-03-30 | 2004-03-30 | 静電容量型圧力センサおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004098181A JP2005283355A (ja) | 2004-03-30 | 2004-03-30 | 静電容量型圧力センサおよびその製造方法 |
Publications (1)
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JP2005283355A true JP2005283355A (ja) | 2005-10-13 |
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ID=35181905
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004098181A Withdrawn JP2005283355A (ja) | 2004-03-30 | 2004-03-30 | 静電容量型圧力センサおよびその製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2005283355A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20180014853A (ko) * | 2013-06-04 | 2018-02-09 | 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 | 개선된 압력 센서 구조 |
-
2004
- 2004-03-30 JP JP2004098181A patent/JP2005283355A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20180014853A (ko) * | 2013-06-04 | 2018-02-09 | 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 | 개선된 압력 센서 구조 |
KR101825903B1 (ko) * | 2013-06-04 | 2018-03-22 | 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 | 개선된 압력 센서 구조 |
KR101946234B1 (ko) * | 2013-06-04 | 2019-05-21 | 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 | 개선된 압력 센서 구조 |
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