JP2005282728A - 制振ばね - Google Patents
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Abstract
【課題】一方向性をもつ多孔質体1をばね材料として用い、これによって、機器の設計自由度が高まり、比較的経済的な機器並びに機械を得ることができる。
【解決手段】本発明の製造方法による多孔質体1は、気孔率を上げても比強度が変化しない、気孔形態2の内部摩擦が通常の非多孔質金属に比べて、大きいという性質がある。上記の性質によってダンパーの機能、制振機能をもつため、流体摩擦等を用いたダンパーを設置する必要がない。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば産業機械、電子機器、家庭用電気製品、輸送機器等の装置における機械要素として用いるばねに関するものであり、とりわけ、振動防止、騒音防止などが問題となる分野で使用する制振ばねに関するものである。
動的な荷重や変位が作用するような環境でばねが装置に取り付けられ、用いられる場合、その装置の振動や共振を防止することが必要になる。
これを防ぐために、ばね以外に流体摩擦等の減衰を用いたダンパーを設置する方法がとられてきた。また、ばね材料の内部摩擦を利用して、共振を防ぐ方法としてゴム等の粘弾性材料も用いられてきた。更に、弾性材料と内部減衰の大きい材料とを、例えば、サンドイッチ状に組み合わせて、全体として弾性と減衰を備えた複合材をばねとして用いる場合もある。
上に述べたような従来のばねとダンパーを用いた共振防止法では、ばね以外にダンパーを設置するため、設置に必要な空間を確保することで、装置全体が大きくなる傾向があった。また、弾性要素(ばね)と粘性要素(ダンパー)を設置するため、機構が比較的複雑になる傾向があった。これらの事実により、機器や機械の設計が制限され、ひいては、全体の性能が影響を受ける傾向があった。
更に、ばね材料にゴム等の粘弾性材料を用いる方法では、ばねの形状に対し、
例えば、材料の強度が低いなどの材料に起因する一定の制限を受ける傾向があった。
更に、ばね材料にゴム等の粘弾性材料を用いる方法では、ばねの形状に対し、
例えば、材料の強度が低いなどの材料に起因する一定の制限を受ける傾向があった。
このような従来技術のもつ問題に鑑み、本発明の課題は、ばね材料として高い強度を確保するとともに、かつ、ばね単体で従来のばねダンパー構成による共振防止性能を発揮する簡便で、より経済的な制振ばねを提供することである。
本発明は、上記の課題を解決するものとして、鋳型を用いる一般的な鋳造装置、連続鋳造装置及び特殊な浮遊帯溶融装置を用いて、作製した例えば、(特開2000−104130)ロータス型ポーラス金属をばね材料として用いる構成とした。上記ポーラス金属は、溶融状態の金属にガスを溶解した後、一方向に凝固し、生成したもので、図1ならびに図2に示すように、ポーラス金属には、ほぼ凝固方向に伸長した形状の気孔(ポア)が形成され、その気孔形態の中心線は、略直線状に形成されていることを特徴とするものである。
上記ポーラス金属によってばね材料を成型しているが、このようなポーラス金属は、その気孔形態を構成する複数個の気孔の方向性、気孔径、気孔率等を
制御できることから特に、空隙率(気孔率)を上げても、比強度が下がらないという特性をもち、ばねの強度を十分確保することができる。一方、上記ポーラス金属は、材料の内部摩擦が通常の非ポーラス金属に比べて、大きいという性質がある。
制御できることから特に、空隙率(気孔率)を上げても、比強度が下がらないという特性をもち、ばねの強度を十分確保することができる。一方、上記ポーラス金属は、材料の内部摩擦が通常の非ポーラス金属に比べて、大きいという性質がある。
したがって、上記ポーラス金属をばね材料として用いた場合は、上記性質によってダンパーの機能をばね自体が果たすことができる。更に、本発明の場合、
上記のようにばね自体で制振機能をもつためばね以外に流体摩擦等を用いたダンパーを設置する必要がない。このことによって、機器の設計自由度が高まり、
比較的経済的な機器ならびに機械を得ることができる。
上記のようにばね自体で制振機能をもつためばね以外に流体摩擦等を用いたダンパーを設置する必要がない。このことによって、機器の設計自由度が高まり、
比較的経済的な機器ならびに機械を得ることができる。
以上述べた構成により本発明によるばねには、次のような効果が得られる。本発明による制振ばねは、気孔率を上げても比強度が変化しないという特性をもつ上記ポーラス金属を用いているため、ばねの強度を十分確保することができる。また、上記ポーラス金属は、図3に示すように、材料の内部摩擦が通常の非ポーラス金属に比べて、大きいという性質をもつため、上記ポーラス金属をばね材料として用いる本発明の制振ばねは、ばね自体がダンパーの機能を果たすことができる。
更に、本発明の場合、上記のようにばね自体で制振機能を持つため、ばね以外に例えば、流体摩擦等を用いたダンパーを設置する必要がない。これらによって、機器の設計自由度が高まり、比較的経済的な機器及び機械を得ることができる。
以下に本発明に係る制振ばねの好ましい実施の形態につき図に従って、説明する。
第1の実施例は、連続鋳造法或いは、浮遊帯溶融法によって作製されたもので、図1(A)に示すように、延伸して、楕円丸棒様の形状をした多孔質体1のばね材料である。表面5は、ノンポーラスの形成部4並びに内部は、気孔形態2を成し、この気孔形態2の外周近くでは、気孔6が外側に向かって傾斜し、そして中心部近くでは、略直線平行状に形成されている。本具体例は、請求項1及び6に対応するものの一例である。
第2の実施例は、図1(A)と同様の方法によって作製されたもので、図1(B)に示すように、細い角棒様の形状をした多孔質体1を延伸した圧縮コイルスプリングである。表面5は、ノンポーラスの形成部4を形成し、そして内部は、気孔形態2を形成し、この気孔形態2の外側近くでは、気孔6が外側に向かって傾斜し、中心部近くでは、略直線平行状に形成されている。本具体例は、請求項1及び6に対応するものの一例である。
第3の実施例は、鋳型利用鋳造法によって作製されたものを図1(C)に示すように、板様の形状に切り出した多孔質体1のばね材料で、特殊な板ばねに用いられる。気孔6が表面5の全体に露出しており、その気孔形態2は、略直線平行状に形成されている。本具体例は、請求項1に対応するものの一例である。
第4の実施例は、連続鋳造方法或いは、浮遊帯溶融法によって作製されたもので、図1(D)に示すように、平板棒状の多孔質体1である。表面5の全体は、ノンポーラスの形成部4で、気孔6が形成されていない領域となっている。気孔形態2は、略直線平行状に形成されている。本具体例は、Ni-Ti金属間化合物の部材を用いたぜんまいばねの請求項1、2及び7に対応するものの一例である。
第5の実施例は、連続鋳造法或いは、鋳型利用鋳造法によって作製されたもので、図2(A)に示すように、丸棒状の多孔質体1である。表面5の全体は、ノンポーラスの形成部4を成し、内部は、気孔6が放射状に気孔形態2を均一に構成している。このような均一な放射状の気孔形態2は、ガス原子の加圧溶解後に凝固するときに、周辺から均一に冷却をすることによって順次形成される。本具体例は、特殊な用途に用い、例えばトーションバー等に用いる請求項3に対応するものの一例である。
第6の実施例は、本発明の加工法により作製されたもので、図2(B)に示すように、平板状の多孔質体1のばね材料である。表面5の全体は、気孔形態2の一部の各気孔が開孔部として露出した状態に切り出し或いは、切削加工されている。本具体例は、特殊な用途に用い、例えば吸音機能を兼ね備えたばね等で、請求項4に対応するものの一例である。
更に、第7の実施例は、本発明の加工法により作製されたもので、図2(C)に示すように、平板状の多孔質体1のばね材料であり、表面5の一部は、気孔形態2の一部の各気孔が開孔部として露出した状態に切削加工されている。本具体例は、図2(B)と同様に吸音機能を兼ね備え、部材の両端に特に固定部を有する板ばねに応用され、請求項4に対応するものの一例である。
また更に、第8の実施例は、本発明の加工法により作製されたもので、図2(D)に示すように、丸棒状の多孔質体1で、凝固時に所定位置を特定し、表面5の一部並びに、その表面5の内部がノンポーラス形成部4に成るように加工されている。本具体例は、Ni-Ti金属間化合物の材料を用い(請求項7)、引っ張りスプリングの環部に応用される(請求項5)等に対応するものの一例である。
本発明は、以上に記した実施例により限定されるものではなく、本発明の範囲内において種々の修正、変形並びに変更などが可能であることは当然である。
1 多孔質体 2 気孔形態 3 制振ばね
4 ノンポーラス形成部 5 表面 6 気孔
4 ノンポーラス形成部 5 表面 6 気孔
Claims (8)
- 或る特定の方向に卓越して、伸長した複数個の気孔から成る気孔形態を内部に有することにより振動及び共振を防止する機能を具えた制振ばねにおいて、浮遊帯溶融法、連続鋳造法或いは、鋳型利用鋳造法を用い、溶融状態の金属材料にガスを加圧溶解した後、凝固時に凝固面を特定し、該凝固面の冷却条件ならびに凝固速度を変動して、該凝固面の温度勾配を制御することにより該気孔形態を構成する複数個の気孔が形成された丸棒、角棒或いは、厚板様の形状をした多孔質体の材料を用いて、作製したことを特徴とする制振ばね。
- 部材の長手方向に沿って、前記気孔形態を構成する複数個の気孔が略直線平行状の多孔質体の材料を用いて、作製したことを特徴とする請求項1に記載の制振ばね。
- 前記気孔形態を構成する複数個の気孔が放射状に形成された棒状の多孔質体の材料を用いて、作製したことを特徴とする請求項1に記載の制振ばね。
- 凝固時に前記凝固面を特定し、加圧溶解する前記ガスの圧力を変動して、前記気孔形態が形成されない領域を表面に有する多孔質体の材料を用いて、作製したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の制振ばね。
- 凝固時に前記凝固面を特定し、加圧溶解する前記ガスの圧力を変動して、前記気孔形態が形成されない領域を内部に有する多孔質体の材料を用いて、作製したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の制振ばね。
- 前記気孔形態が形成された前記材料を長手方向に沿って、延伸することにより所定の断面に成型した多孔質体の材料を用いて、作製したことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の制振ばね。
- 前記多孔質体が金属間化合物から成る材料を用いて、作製したことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の制振ばね。
- 前記ガスが水素、窒素、酸素、アルゴン、ヘリウム、キセノン、クリプトン、ネオン、及びラドンの群の少なくとも1種或いは、これらのガスの混合ガスであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の制振ばね。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007290012A (ja) * | 2006-04-26 | 2007-11-08 | Toshiba Corp | 異方性多孔質材料の製造方法 |
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