JP2005282161A - 回転貫入鋼管杭 - Google Patents
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Abstract
【課題】 住宅等の建物の基礎に用いる鋼管杭において、杭の構造を簡素化でき、施工性が良く、建物の基礎の支持する性能を有効に発揮できる鋼管杭を提供する。
【解決手段】 鋼管杭1の柱部材2を、支持を想定する基礎の荷重に応じた強度を有するものとして構成し、前記柱部材2の下部には、円形または多角形の下板部材10を中心を合わせて溶接して固定する。前記下板部材には、その下部に掘削翼部材12を突出させて設け、柱部材に対して押圧作用を加えながら回転させて、鋼管杭を所定の深さまで掘削して埋設した後では、広い面積を有する下板部材10が、建物の基礎の荷重を安定した状態で負担できるようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】 鋼管杭1の柱部材2を、支持を想定する基礎の荷重に応じた強度を有するものとして構成し、前記柱部材2の下部には、円形または多角形の下板部材10を中心を合わせて溶接して固定する。前記下板部材には、その下部に掘削翼部材12を突出させて設け、柱部材に対して押圧作用を加えながら回転させて、鋼管杭を所定の深さまで掘削して埋設した後では、広い面積を有する下板部材10が、建物の基礎の荷重を安定した状態で負担できるようにする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、住宅等の建物の基礎に用いる鋼管杭に関し、特に、鋼管杭の構造を簡素化できて、立設後に荷重を支持する作用を有効に発揮できる鋼管杭に関する。
従来より、住宅やその他の小規模の建物等を構築するに際しては、その構築場所の地盤の強度等の条件を調査し、その地盤の強度が構築を予定している構造物を支持することができない場合には、地盤全体を所定の深さまで改良することの他に、杭を打設する等の工事が行われる。前記杭を構築する工法としては、掘削した孔の土にセメントミルク等のような硬化材を混合して、いわゆるソイルセメントコラムを場所打ち杭として構築することが知られている。前記場所打ち杭の他に、コンクリートや鋼管製等の、既成の杭を地盤に直接打設することも行われており、荷重を支持可能にするような太さの杭を地盤に垂直に打ち込んで、その杭の頭部分を基礎コンクリートと一体にして、建物の基礎を構築して、その基礎の上に建物を構築することが一般的である。また、従来の鋼管杭としては、鋼管の周囲にスパイラル状のフライトを設けて、杭の掘削の能率を向上させることの他に、杭の立設後に前記スパイラルを用いて、孔壁に対する摩擦力を大きなものとし、上部の荷重を支持する性能を土との摩擦係数を、良好に発揮させようとするものも多く用いられている。
前記各種の杭部材のうち、鋼管杭においては、鋼管等のようなパイプ形状の柱部材は、比較的細いものであっても、その上部に構築する建物の荷重を支持するためには、十分な強度を有しているものである。しかしながら、前記柱部材の径が細いことから、土と柱部材との間の摩擦係数(摩擦面積)が比較的小さく、長い期間を考慮すると、杭の荷重支持能力が小さいものとして計算せざるを得ず、その荷重支持力の計算上からは、実際よりも太い柱部材を用いざるを得ないという問題がある。そこで、前記柱部材と土との関係からのみ、荷重支持力を計算せずに、柱部材の下部に一体に設けた荷重支持用の下板部材を、打設後の荷重支持用に用いることが提案されている。前記従来例では、柱部材の下端部を斜めに切断しているが、パイプの中心の両側で、斜めの切断面の傾斜が反対側となるように構成され、前記パイプの端部の斜めの切断面に対して、半円形状の板部材をそれぞれ溶接固定している(特許文献1を参照)。
特公平9−324419公報
ところが、前記従来例に開示されているような鋼管杭においては、その柱部材の下部に組み合わせて設ける板部材の形状が大きな要因となる。つまり、パイプ部材の下端部に溶接固定する板部材が複数の場合には、その板部材を杭本体に固定する箇所が、複数の方向の異なるものであることから、下板部材の取付け部に不安が残る。また、下板部材の支持強度に対して、余分な強度を有する柱部材を使用することが多く、柱部材の太さの関係等が良好に設定されないという問題がある。そして、従来の鋼管杭においては、その柱部材の強度と製造コスト、および、鋼管杭の施工性とに関して、十分に満足できるような商品が得られていないという課題が残っていた。
本発明は、構造が簡単で製作コストを低減させ得て、施工性が良好で、基礎の荷重支持性能の大きい回転貫入鋼管杭を提供することを目的としている。
本願は、平鋼板を加工して形成した掘削羽根としての下板部材を、鋼管により構成する柱部材の下端部に固結して構成し、柱部材に対して回転手段と押圧手段とを作用させて、地盤中に立設する鋼管杭に関する。
請求項1の発明は、前記柱部材としては任意の径と強度を有する肉厚の鋼管を用い、
前記柱部材の下端部に相互に中心を合わせて固定する下板部材は、所定の形状に形成した鋼板による板部材本体から、所定の数の掘削翼部材を切線と折り曲げ線を介して設け、 前記掘削翼部材を板部材本体に対して、柱部材の中心から放射方向に形成する折り曲げ線を介して、前記板部材の下部または上部に突出させて設け、
前記柱部材を回転と押圧手段を用いて回転させることにより、前記下板部材に設けた掘削翼部材により杭孔を掘削し、掘削した孔の孔底に位置させた下板部材に、柱部材にかかる荷重を負担させることを特徴とする。
請求項1の発明は、前記柱部材としては任意の径と強度を有する肉厚の鋼管を用い、
前記柱部材の下端部に相互に中心を合わせて固定する下板部材は、所定の形状に形成した鋼板による板部材本体から、所定の数の掘削翼部材を切線と折り曲げ線を介して設け、 前記掘削翼部材を板部材本体に対して、柱部材の中心から放射方向に形成する折り曲げ線を介して、前記板部材の下部または上部に突出させて設け、
前記柱部材を回転と押圧手段を用いて回転させることにより、前記下板部材に設けた掘削翼部材により杭孔を掘削し、掘削した孔の孔底に位置させた下板部材に、柱部材にかかる荷重を負担させることを特徴とする。
請求項2の発明は、前記下板部材において、掘削翼部材を板部材本体の下部に折り曲げて構成し、前記下板部材を柱部材に対する回転作用により、掘削羽根部材として用いることを特徴とする。
請求項3の発明は、前記下板部材において、掘削翼部材を板部材本体の上部に折り曲げて構成し、前記下板部材に対して柱部材を回転させる動作により、前記板部材本体の掘削翼部材を切り離した端部を、土を掘削する切断面として作用させ得るよう構成したことを特徴とする。
請求項4の発明は、前記下板部材において、掘削翼部材を板部材本体の上部に折り曲げたものと、下部に折り曲げたものとを組み合わせて構成し、
前記下板部材に対して柱部材を回転させる動作により、前記2種類の掘削翼部材により杭孔の掘削を行うことを特徴とする。
前記下板部材に対して柱部材を回転させる動作により、前記2種類の掘削翼部材により杭孔の掘削を行うことを特徴とする。
請求項5の発明は、前記柱部材の下端部に下板部材を固着して構成した鋼管杭において、前記下板部材を円形、正多角形の任意の形状のものを用い、
前記下板部材の中央部に柱部材を溶接固定して一体のものとして構成し、
前記下板部材の板部材本体に対して掘削翼部材を折り曲げて形成し、
前記掘削翼部材は、直線状、円弧状、多段に折り曲げたもの等の任意の形状の土の案内面として構成し、
前記掘削翼部材の先端部、もしくは、掘削翼部材を切り離した板部材本体の端部を、掘削面として用いることを特徴とする。
前記下板部材の中央部に柱部材を溶接固定して一体のものとして構成し、
前記下板部材の板部材本体に対して掘削翼部材を折り曲げて形成し、
前記掘削翼部材は、直線状、円弧状、多段に折り曲げたもの等の任意の形状の土の案内面として構成し、
前記掘削翼部材の先端部、もしくは、掘削翼部材を切り離した板部材本体の端部を、掘削面として用いることを特徴とする。
請求項6の発明は、前記下板部材の中心部には、柱部材の内径よりも小さい径の開口を柱部材内部に向けて形成することを特徴とする。
請求項7の発明は、前記下板部材の下面部には、掘削補助部材を下方に向けて設けたことを特徴とする。
前述したように鋼管杭を構成したことにより、鋼管杭を地中に立設する際に、掘削翼として作用させる下板部材を、広い面積を有するものとして構成しても、前記板部材に設けた掘削翼部材により下部の土を掘り上げる作用を良好に行わせることができる。また、前記鋼管杭に組み合わせる柱部材が鋼管であることから、比較的細い柱部材を用いても、基礎に対する支持強度を十分に発揮することが可能である。そして、前記柱部材に対して広い面積の板部材を組み合わせているので、前記板部材により柱部材にかかる荷重を安定して支持することが可能である。したがって、従来の鋼管杭のように、柱部材の周囲の面が土との摩擦により荷重を支持する例に比較しても、本発明では、柱部材の下部に位置させる下板部材により、基礎の重量を地盤に対して良好に伝達するので、地盤の途中の地層の性質に影響されずに、建物の支持作用を良好に行うことができる。さらに、前記柱部材の下端部に設ける板部材は、杭を打設する地盤やその地質等に応じて、掘削翼部材の形状と板部材の荷重を支持する面積等を自由に設計できるので、杭の施工性と、荷重の支持性能とを現場の状態に合わせることができる。
以下に説明する回転貫入鋼管杭において、従来より一般に使用されている基礎杭用の鋼管を、鋼管杭として使用することができ、前記鋼管杭の下端部に一体に設ける下板部材としては、鋼管杭に要求される荷重支持能力に対応させて、板の大きさ(面積)や厚さ等を設定することが可能である。また、前記柱部材の下部に固定する下板部材は、杭を立設した後での荷重支持手段として作用させ、その下板部材に設けた折り曲げ部は、杭を立設する際の推進手段としての性質を発揮させるのであるから、前記下板部材には、オーガーの刃と同様な性能を発揮させ得ることが求められる。したがって、鋼板から下板部材を切断し、曲げ加工を施して構成しても、その要求される掘削性や耐久性等の条件を、十分に満足させる強度を有するものを選択することが求められる。
図示される例にしたがって、本発明の回転貫入鋼管杭の構成を説明する。図1に示す例において、鋼管杭1は所定の長さに切断されて、建物の荷重を支持可能な強度(太さ)を有する柱部材2と、前記柱部材2の下端部に溶接部3を用いて接続される下板部材10とを組み合わせて構成される。前記下板部材10は、図2にも示されているように、任意の厚さの鋼板を略円板状に切断し、下板部材10の中央部に柱部材2の下端部を位置させて、溶接等の接続手段3により一体化させて鋼管杭1として構成している。
前記図2に示す下板部材10の例において、前記柱部材2を溶接部3により一体化可能な広さの円形部分の外側に、板部材本体11と掘削翼部材12とを所定の間隔で配置している。前記掘削翼部材12は、円板の中心に対して放射方向に所定の角度で形成した、複数の切断線13……と、前記柱部材2を溶接する部分の外側に、略円弧状に形成する内側切断線14とにより切断する。また、前記切断されない板部材本体11と掘削翼部材12との間には、円板の中心から放射方向の線となるように曲げ部14を設けて、前記曲げ部14を介して掘削翼部材12の突出させた先端部側を下方に折り曲げている。なお、前記板部材本体11と掘削翼部材12の組み合わせた数は、図示する例では4組に形成されているが、前記掘削翼部材12を突出させる長さも適宜設定される。さらに、前記切断線13の部分で形成する板部材本体11と掘削翼部材12の間に形成する隙間の大きさ、および、板部材本体11と掘削翼部材12の面接比率等は、回転貫入鋼管杭を構築する地盤の性質等に応じて、適宜設定されるものである。
前記図2に示すような下板部材10を柱部材2に組み合わせ、鋼管杭1として構成した例において、前記鋼管杭1の下部では、図1、3に示すように、下板部材10の掘削翼部材12が掘削のための部材としての機能を発揮できるように構成される。また、切断線13の下方に突出されている先端部を切削刃部16として用い、前記鋼管杭1を回転させることで、切削刃部16により孔を掘削しながら、所定の深さの位置まで縦孔を掘削し、孔の底部に下板部材10を位置させるようにする。そして、前記掘削した孔の底部では、まだ掘削していない土の層、つまり乱されていない土の層の上に、下板部材10が固定配置される状態となり、前記下板部材10の下部の土(孔底の土)が、柱部材2の上に構築される建物の基礎の荷重を負担する。
前述したように構成される鋼管杭1を地中に立設する際には、公知の杭打ち装置を用いて杭を打設することが可能であり、前記掘削装置に設けている回転機構に前記柱部材2を把持させて、押し下げ力を付与しながら回転させる。前記柱部材2を回転させることは、図4に示すように、下板部材10の掘削翼部材12の切削刃部16が、地面を掘り下げるための刃の役目を発揮して、柱部材2に対して加えられる押し下げ圧力に応じて、孔を掘り下げる作用を行う。そして、前記掘削翼部材12により下板部材10の上に向けて掘削された土が上昇されて、下板部材10は次第に下方に推進されて杭孔が構築され、所定の深さに達するまで孔掘り作業が継続される。そして、前記鋼管杭1を地中に掘り下げるようにして立設し、下板部材10が計画された深さまで掘り下げられると、その下板部材10が位置された地層の上で、柱部材2に付与される荷重を負担させるようにする。
なお、前記下板部材10の掘削翼部材12は、その先端部に形成される切削刃部16が、土を掘削する作業を担当させられるのであることから、その掘削翼部材12の強度が、対象とする地盤の性質に対応可能で、十分な強度を有するものとして構成されることは当然のことである。さらに、切削刃部16として鉄板を切断して形成した刃先によっては、鋼管杭を立設する場所での地盤に対処できないと推定される場合にも、その地層に対処させる切削刃部の処理を施しておくことが必要とされる場合もある。例えば、硬い地層または礫の多い地層に対しても、切削刃部16が十分に耐え得るように、刃先の硬化処理すること、または、他の超硬合金や硬い鋼材を、切削刃部全体に取付けるか、または点状に取付けて、掘削性能を向上させるような処理を施したものを使用すれば良い。
図5に示す例において、下板部材10Aは切断線13、14を介して、板部材本体11と切断する掘削翼部材12Aは、前記図2の場合と同様にして形成される。ただし、この実施例では、前記掘削翼部材12Aを折曲げ線15を介して曲げる方向を、図6に示すように、前記図2の例とは反対側に設定している。そして、図6に説明するように、土の掘削の動作は板部材本体11の切断端面を、切削刃部16として作用させることにより行う。つまり、この下板部材10Aにおいては、図5の矢印方向(時計方向)に柱部材2を回転させることで、図6に説明するように、下板部材10Aの上の部分の土は、掘削翼部材12Aの傾斜にしたがって、上方に押し上げられて、その下面部には隙間が形成されるような力が付与される。
前記下板部材10Aが回転されることによって、板部材本体12Aの下部に形成される隙間に対しては、下板部材10Aの下面の土が、その負圧によって持ち上げられるような力が作用すると考えても良い。そして、前記下板部材の回転と、柱部材に付与される押圧力との相乗作用によって、板部材本体11の回転方向先端部が、切削刃部16としての作用を発揮して、下部の土を掘り上げるような動作が行われる。前述したようにして、柱部材2に対して上から押圧力を付与しながら、下板部材10Aを時計方向に回転させることにより、杭孔の掘削作業を良好に行わせることができ、下板部材により掘り下げた孔の底部に、下板部材を安置して荷重の支持手段として用いることができる。
図7、8に示す回転貫入鋼管杭の例は、前記図5、6に示す実施例とは異なり、鋼管杭20の板部材本体21に対して上下に突出させる掘削翼部材は、前記板部材本体に接続される部分を折り曲げて、それぞれが上下の異なる方向に突出形成して、下曲げ部材と上曲げ部材とを対にして形成している。前記図7に説明するように、円板状の下板部材20では、柱部材2と中心を合わせて溶接固定し、その中心部の円形部分に対して、その中心点から放射方向と周囲部分に切断線24、25を形成している。そして、前記異なる方向から交差する位置まで切り込んだ2つの切断線により切断されて、残りの面本体部材に対して折曲げ線26を介して折り曲げられる下曲げ部材22と、前記切断線24、25の交わる点から、所定の角度を持って形成する上向き折り曲げ線26により、区画される上曲げ部材23とのグループを各々形成している。なお、前記下曲げ部材22を板部材本体から折り曲げる線26は、対とされる前記折り曲げ部材23の折り曲げ線27に対して、略直角方向に形成されている。
前記図7に示す鋼管杭20の例においては、前述したようにして形成する切断線と折曲げ線により、下曲げ部材と上曲げ部材とを区画して形成しているものである。そこで、前記鋼管杭20を側面から見た状態では、図8に示すように、下曲げ部材22と上曲げ部材23とを、上下方向にそれぞれ突出させるように設けて、前記2種類の突部材を組み合わせることにより、掘削効率を良好に発揮できるように構成している。すなわち、前記鋼管杭20において、下板部材20を時計方向に回転させて杭孔を掘削する際には、下曲げ部材22が下部の土を掘り上げる作用を行い、上曲げ部材23が下板部材の上の土をより上に移動させるような作用を発揮する。そして、前記2種類の翼部材の作用により、下板部材の上面の土を上側に押し上げる作用とともに、下面の土を掘削して下板部材の上側に移動させる作用との、前記図2、5の例を組み合わせるようにして、効率良く杭孔の掘削を行うことを可能にする。
図9〜11に示す鋼管杭の例においては、四角形状のものや六角形状の、多角形に形成した板部材を用いているもので、その多角形に形成した板部材の中心部に、柱部材2を溶接固定して一体化したものとして構成している。図9に示す例では、四角形の下板部材30として構成しており、その角の部分から柱部材2の中心とを結ぶ方向の切断線35と、柱部材2の円弧にほぼ沿うような切断線35とを介して、板部材本体31から掘削翼部材32を切り分けている。そして、前記掘削翼部材32を折曲げ線36を介して下方に折り曲げて、4つの掘削翼部材32……を、板部材本体31の下方に突出させるように構成している。
図10に示す例では、四角形の下板部材30aの板部材本体31に対して、対角線方向に2つの掘削翼部材32を設けたものとして構成している。前記掘削翼部材32は、1つの辺の中央部から中心に向けて形成した切断線34と、柱部材の円弧に沿って形成する切断線35とにより、切断して形成している。また、前記切断線34を形成した設けた辺に対して、隣接する辺の中央部から中心向けて形成する折曲げ線36により、前記掘削翼部材32を下向きに折り曲げて設けて、掘削刃として形成している。そして、前記2つの掘削翼部材32……は、図9に示す例よりは、はの占める面積が大きいものとされていることから、例えば、比較的掘削しやすい砂質の地盤等に、前記下板部材30aを用いると、効率良く杭孔の掘削を行うことができる。
図11に示す例では、六角形の下板部材30bとして構成しているもので、その6つの辺の各々の中央部と柱部材2の中心とを結ぶ方向の切断線35と、柱部材2の円弧にほぼ沿うような切断線35とを介して、板部材本体31から3つの掘削翼部材32を切り分けている。また、前記切断線を形成した辺に隣接する辺からは、中心に向かう線で折曲げ線36を形成し、前記掘削翼部材32を折曲げ線36を介して下方に折り曲げて、3つの掘削翼部材32……をそれぞれ方に突出させるように構成している。
前記各実施例において、板部材本体に対して折曲げ線を介して接続されている掘削翼部材32……は、図12または図13に示すように、直線状ではなしに、任意の形状に形成することができる。例えば、図12に示す例では、掘削翼部材32の長さ方向の任意の位置に折曲げ線32aを形成し、2段階に折り曲げた形状の掘削翼として形成する。また、図13に示す例のように、掘削翼部材32を全体として円弧状に湾曲させて形成し、翼の先端部が板部材本体の下面よりも大きく下側に突出されるようにして、孔の掘削性能を良好に発揮できるようなものとすることが可能である。なお、前記掘削翼部材を複数の位置で曲げることや、全体を円弧状に曲げる等の加工を施すことは、杭打ち工事を施工する地盤の地質等に対応させるものである。そして、より効率良く杭孔の掘削を行い得るようにするための補助手段として、前述したような補助的な手段を、下板部材に対して追加するように適用することで、より効果を発揮できるようにする。
図14に示す例は、前記図2等に説明した例と同様に、円板形の下板部材20aを用いており、4つの掘削翼部材22……を、円板の中心から等角度に形成した切断線24と、柱部材2の曲面に沿うように形成した切断線25とにより区画している。そして、前記各掘削翼部材22……は、図15に示すように、切断部の端部が下向きとなるように折り曲げられている。なお、この図14に示す下板部材20aの例において、掘削翼部材22の先端部は、土の掘り下げ作業を良好ならしめるために、鋭角の刃先28を突出させるように形成している。また、前記下板部材の板部材本体21に対して掘削翼部材22を切り離すための円弧状の切断線25としては、図14に説明するように、切断線25の折曲げ線側の終端部を、柱部材の曲面から離して、円板の外周面側に近付けて形成している。このような切断線の形状とすることで、板部材本体のB部に発生する集中応力を緩和して、板部材本体22の耐久性を向上させ、掘削翼部材の掘削能力を向上させることかできるものとなる。
図16、17に示す例は、本発明の鋼管杭の変形例であり、下板部材による孔の掘り下げ性能を向上させるような、補助手段を設ける例として説明している。図16に示す下板部材20bの例では、円板の中心部に開口させた孔29を設けており、この孔29に下の土が入り込むことで、下板部材の掘り下げに対する抵抗を減らすことができる。なお、前記孔29は、柱部材の内径の50〜90%に設定することができるものであり、下板部材の下部の土が、前記孔から柱部材の中空な孔の中に入り込ませるようにして、柱の立設作業を効率良く行わせるようにする。
図17に示す下板部材20cの例は、板部材本体21の中心部の下部に、掘削補助片としての板部材38を突出させて設けた例を説明している。前記板部材38は、図18にも説明しているように、任意の長さに突出させて設けることができ、その形状としても、単純な板状のものや角錐状のもの等のように、任意の形状のものを設けることができる。そして、前述したような先端ガイド部材を設けたことにより、杭孔を掘削する際のガイドとして下板部材の中心を規定する役割を担当する。さらに、下板部材により掘削する孔の中心を、あらかじめ先端ガイド38により形成しておくことから、下板部材の貫入抵抗を減少させることができる。なお、前記下板部材20cに説明したように、先端ガイド部材を設ける場合には、その板部材の他に、任意の形状のガイド部材を設けることができ、中心部に1つのみ突出させて設けることの他に、複数の突起物をガイド部材として設けて、下板部材の掘り下げの補助として用いると良い。
前述したように構成した鋼管杭では、鋼管杭を地中に掘り下げて立設する際に、掘削翼として作用させる下板部材を、広い面積を有するものとして構成しているものであるが、前記板部材に掘削翼部材を設けていることから、前記掘削翼部材により下板部材の下部の土を掘り上げる作用を良好に行わせることができる。また、前記杭においては、下板部材と組み合わせる柱部材が鋼管であることから、比較的細い柱部材を用いても、基礎を支持するための強度を十分に発揮することが可能である。前記柱部材の下部に固定している下板部材は、任意の広さのものを用いることができるのであるから、柱部材が負担する基礎の荷重を支持可能なものとすることができ、建物の支持作用を良好に行うことができる。さらに、前記柱部材の下端部に設ける下板部材は、施工場所の地質等に応じて、掘削翼部材の形状と、杭の施工性と、荷重の大きさ等に応じて、任意に構成することができる。
1 鋼管杭、 2 柱部材、 3 溶接部、 10 下板部材、 11 板部材本体、 12 掘削翼部材、 13・14 切断線、 15 切削刃部、 20・30 下板部材、 22 上曲げ部材、 23 下曲げ部材、 28 切削刃部、 29 孔、 38 突部材。
Claims (7)
- 平鋼板を加工して形成した掘削羽根としての下板部材を、鋼管により構成する柱部材の下端部に固結して構成し、柱部材に対して回転手段と押圧手段とを作用させて、地盤中に立設する鋼管杭であって、
前記柱部材としては任意の径と強度を有する肉厚の鋼管を用い、
前記柱部材の下端部に相互に中心を合わせて固定する下板部材は、所定の形状に形成した鋼板による板部材本体から、所定の数の掘削翼部材を切線と折り曲げ線を介して設け、 前記掘削翼部材を板部材本体に対して、柱部材の中心から放射方向に形成する折り曲げ線を介して、前記板部材の下部または上部に突出させて設け、
前記柱部材を回転と押圧手段を用いて回転させることにより、前記下板部材に設けた掘削翼部材により杭孔を掘削し、
掘削した孔の孔底に位置させた下板部材に、柱部材にかかる荷重を負担させることを特徴とする回転貫入鋼管杭。 - 前記下板部材において、掘削翼部材を板部材本体の下部に折り曲げて構成し、前記下板部材を柱部材に対する回転作用により、掘削羽根部材として用いることを特徴とする請求項1に記載の回転貫入鋼管杭。
- 前記下板部材において、掘削翼部材を板部材本体の上部に折り曲げて構成し、前記下板部材に対して柱部材を回転させる動作により、前記板部材本体の掘削翼部材を切り離した端部を、土を掘削する切断面として作用させ得るよう構成したことを特徴とする請求項1に記載の回転貫入鋼管杭。
- 前記下板部材において、掘削翼部材を板部材本体の上部に折り曲げたものと、下部に折り曲げたものとを組み合わせて構成し、
前記下板部材に対して柱部材を回転させる動作により、前記2種類の掘削翼部材により杭孔の掘削を行うことを特徴とする請求項1に記載の回転貫入鋼管杭。 - 前記柱部材の下端部に下板部材を固着して構成した鋼管杭において、前記下板部材を円形、正多角形の任意の形状のものを用い、
前記下板部材の中央部に柱部材を溶接固定して一体のものとして構成し、
前記下板部材の板部材本体に対して掘削翼部材を折り曲げて形成し、
前記掘削翼部材は、直線状、円弧状、多段に折り曲げたもの等の任意の形状の土の案内面として構成し、
前記掘削翼部材の先端部、もしくは、掘削翼部材を切り離した板部材本体の端部を、掘削面として用いることを特徴とする請求項1に記載の回転貫入鋼管杭。 - 前記下板部材の中心部には、柱部材の内径よりも小さい径の開口を柱部材内部に向けて形成することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の回転貫入鋼管杭。
- 前記下板部材の下面部には、掘削補助部材を下方に向けて設けたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の回転貫入鋼管杭。
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JP2020133344A (ja) * | 2019-02-25 | 2020-08-31 | エイチ・ジー・サービス株式会社 | 鋼管杭 |
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2004
- 2004-03-30 JP JP2004098268A patent/JP2005282161A/ja active Pending
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