JP2005282103A - オーバーフロー装置付き洗面化粧台 - Google Patents

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Abstract

【課題】
洗面化粧台において、排水流入時にオーバーフロー装置内の空気を排除することで、円滑な排水を行えるようにする。
【解決手段】
底部に排水口を有し側部にオーバーフロー孔を有する洗面ボールと、前記排水口に接続される排水管と、前記排水管と前記オーバーフロー孔を接続する導水部と、を有する洗面化粧台であって、前記導水部は排水流路より前記洗面ボール側に溜まる空気を排除できる空気排除部を有することを特徴とする洗面化粧台であり、導水部内の空気を排除することで、円滑な排水が行え、排水能力が向上する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、洗面化粧台に関し、詳しくは、オーバーフロー装置を備えたものに関する。
従来の洗面化粧台は、洗面ボールの満水時に、さらに洗面ボールに給水が行われた場合に、洗面ボールから水が溢れることがないように、図12に示すようなオーバーフロー装置が備わっている。従来のオーバーフロー装置は、洗面ボール22の内側壁に開口したオーバーフロー孔23と、洗面ボール22の底面に設けられた排水口24と、排水口24に接続された排水管25と、オーバーフロー孔23と排水管25を接続する導水部21と、を有していた。それによれば、洗面ボール22の排水口24に図示せぬ排水栓を着脱自在に設置しておいて、使用者の都合により排水栓で排水口24を塞いで、洗面ボール22に水を溜めて使用することができる。ここで、洗面ボール22の水面がオーバーフロー孔23の下縁を超えた場合、水はオーバーフロー孔23から導水部21を介して、排水管25に排水される。そして、排水管25を通じて、トラップ部26へとさらに排水される。
このとき、オーバーフロー装置が十分な排水能力を確保する条件の一つに、排水が導水部21へ円滑に流入することがある。そもそも、洗面化粧台において、排水能力の低下は、洗面ボールの上縁から水が溢れ出て、洗面所やその周辺の床面を濡らすといった損害につながるため、非常に深刻な問題である。そこで、排水が導水部21へ円滑に流入するためには、導水部21内を大気開放し、導水部21内が加圧されないようにする必要がある。
ここで、排水が少量の場合は、排水がオーバーフロー孔23全体を塞いで導水部21へ流入することがないため、導水部21内を大気圧に保つことができ、導水部1への良好な流れ込みを確保していた。そして、使用者は洗面ボールから水が溢れ出す心配をせずに、安心して洗顔や洗髪等の行為を行えていた。
一方、排水が多量になると、オーバーフロー孔23全体が塞がれ、導水部21が密閉されるため、導水部1内は大気圧以上に加圧される。その結果、オーバーフロー孔23から導水部1への排水の流れ込みが次第に悪化し、排水能力が低下するという問題が生じていた。特に昨今においてはデザイン性を重視し、オーバーフロー孔23は、目立たぬよう小さく設けられているため、排水がオーバーフロー孔23全体を塞ぎやすくなっていた。その結果、導水部21内は加圧され、排水が流入しづらい構造となっていた。この詳細を以下に図13を参照して説明する。
図13は、図12に示したオーバーフロー孔23と、オーバーフロー孔23から連接する導水部21の側面から見た断面図であり、特に、多量の排水Wが導水部21へ流入する部分を示している。排水Wは、オーバーフロー孔23全体を塞いで、勢いよく導水部1に流入するが、導水部後壁21bで塞き止められたのち、図示しない排水管に向って流出する。このとき、導水部21内の空気は、排水流路27によって、上部空気28aと下部空気28bに分かれて封入され、導水部21内は大気圧以上に加圧された状態となっている。(これ以後、下部空気といえば、図13中の下部空気28bの位置に溜まった空気を指すこととする)。そこで、オーバーフロー孔23が塞がれても、導水部21内が加圧されない構造が必要とされ、従来技術では、導水部21の上側部に、封入された空気を排除するための通気孔(特許文献1参照)や通気管(特許文献2参照)を設けたものがある。
実開平5−47068号。 実開平7−15871号。
しかしながら、特許文献1と特許文献2に開示されたオーバーフロー装置には、以下のような課題があった。
導水部に多量の排水が流入した場合に、導水部の上側部に通気孔、もしくは通気管が設けられていると、導水部内の上部に溜まった空気は排除することはできた。しかし、排水によって導水部上部と下部の空間が完全に分離されているため、下部の空間に溜まった下部空気は排除することができなかった。このとき、導水部の上側空気を排除し、導水部の上側のみが大気圧になっても、排水方向とは逆のため、導水部の排水流路はほとんど広がらず、排水能力を十分に向上させることができていなかった。さらに、オーバーフロー孔が洗面ボールの上縁近傍に設けられた場合、導水部の上側部に通気管を設けるスペースがなく、施工性も悪かった。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、排水が多量の場合であっても、排水能力が低下することなく、十分な排水能力を有した洗面化粧台を提供することを目的とする。
請求項1記載の洗面化粧台は、底部に排水口を有し側部にオーバーフロー孔を有する洗面ボールと、前記排水口に接続される排水管と、前記排水管と前記オーバーフロー孔を接続する導水部と、を有する洗面化粧台であって、前記導水部は排水流路より前記洗面ボール側に溜まる空気を排除できる空気排除部を有していることを特徴とする。なお、ここで、排水流路とは、導水部における排水の流路のことをいう。このように構成されていることにより、オーバーフロー孔全体が排水によって塞がれても、導水部の下側の空気を排除する機構により、排水流路を導水部の下側に広げることができる。その結果、導水部への良好な流れ込みが継続し、排水能力が向上する。
請求項2記載の洗面化粧台は、請求項1記載の洗面化粧台において、前記空気排除部が前記導水部の側面前方に設けられたことを特徴とする。なお、側面前方とは、側面において、洗面ボールに近いところをいう。このように構成されていることにより、導水部の下部の空気を排除し排水能力を高めるとともに、導水部側面のスペースを有効に活用できる。よって、洗面ボールの裏側の奥行きをあまりとれない場合でも、十分な排水能力をもった導水部を設置することができ、施工性がよい。
また、導水部の排水流路は、排水が少量の場合には導水部の前壁に沿うように形成されるが、排水が多量の場合には勢いよく流入するため、導水部の前壁との間に空間を設けながら、導水部の後壁に衝突し、排水管に向かう。よって、空気排除部を側面前方に設けると、排水量にかかわらず排水流路を避けるができ、より確実に空気を排除することができ、
都合がよい。また、空気排除部が側面にあることで、点検等の際に、簡単に確認することができ、利便性が増す。
請求項3記載の洗面化粧台は、請求項1乃至2いずれかに記載の洗面化粧台において、
前記空気排除部が、前記導水部に設けられた通気孔と、前記通気孔に連通するように設けられた通気管と、を有することを特徴とする。このように構成することにより、簡単な構造で確実に導水部の空気排除を行うことができる。また、導水部と空気排除部を一体で成形することもでき、製造コストが安価になる。
請求項4記載の洗面化粧台は、請求項3に記載の洗面化粧台において、前記通気孔は、前記導水部の上下方向に縦長な形状であることを特徴とする。ここで、導水部の上下方向とは、重力方向を意味する。このように構成されていることにより、以下に示したような効果が得られる。
まず導水部の空気を効率よく排除するには、導水部に設けられる通気孔は、排水が流れ込まない程度に大きく設けることが望ましい。ここで、通気孔を導水部の上下方向、すなわち排水方向に縦長な形状とすると、孔面積を大きくできるとともに、水滴が通気孔に入っても、後続の排水の流れにより、容易に落下する。よって、通気孔を塞ぐことなく、迅速に空気排除をすることができる。また、特に導水部の側面前方に通気孔を設けた場合、通気孔を縦長な形状とすることで、必要十分な孔面積を確保したうえで、導水部の奥行き幅は狭くすることができ、洗面化粧台の設置スペースを有効に利用することが可能となる。
請求項5記載の洗面化粧台は、請求項3乃至4記載の洗面化粧台において、前記通気管の大気開放側が複数に分かれていることを特徴とする。このように構成されていることにより、いずれかの通気管が、水滴やごみなどにより詰まっても、残りの管から導水部内の空気を排除することができるので、排水能力が不意に落ちることもなく、信頼性が増す。
本発明によれば、洗面化粧台の排水能力を高めることができ、使用者は、洗面ボールから水が溢れるのを気にすることなく、快適に洗面、洗濯、洗髪等を行うことができる。
次に本発明の第1実施例を図1乃至図3に示す。図1は、本実施例の全体図である洗面化粧台を示す。そして、図2は、図1中の導水部1を詳細に示した斜視図であり、本発明における要部である。図3は、図2に示した導水部1中の排水室9を側方から見た断面図である。
図1に示した本実施例の洗面化粧台の排水構造は、図12に示した従来の洗面化粧台と同じ構成を備えている。すなわち、洗面ボール2の内側壁に開口したオーバーフロー孔3と、洗面ボール2の底面に設けられた排水口4と、排水口4に接続された排水管5と、オーバーフロー孔3と排水管5を接続する導水部1と、を有している。なおここで、空気排除部12は、排水室前壁9aに開口されたことを特徴としている。
そして、洗面ボール2の排水口4に図示せぬ排水栓を着脱自在に設置しておいて、使用者の都合により排水栓で排水口4を塞いで、洗面ボール2に水を溜めて使用することができる。ここで、洗面ボール2の水面がオーバーフロー孔3の下縁を超えた場合、水はオーバーフロー孔3から導水部1を介して、排水管5に排水される。そして、排水管5を通じて、トラップ部26へとさらに排水される。
図2に示した本実施例の導水部1は、排水室9と、排水管に接続される接続室10とからなる。そして、排水室9は、図示しないオーバーフロー孔に連接される排水流入口11と、空気排除部12を有していて、空気排除部12は、排水室前壁9aに開口された通気孔12aと、通気孔12aから連接される通気管12bと、からなる。以下、図3を用いて、第1実施例の効果について説明する。
図3は、排水室前壁9aに設けられた通気管12bにより、排水室に溜まった下部空気8bが排除され、排水流路7が広がっている状態を示している。このように、下部空気8bを排除することで、図示しないオーバーフロー孔から排水室9への流れ込みが良好になり、排水能力を高めることができる。
なお図2に示した本実施例では、導水部1は、排水室9と、接続室10と、からなるが、本発明において、「排水室」とは、上流のオーバーフロー孔(図1中3)に接続する部分であり、「接続室」とは、下流の排水管(図1中5)に接続する部分をいうものとする。本発明において、排水室と接続室は別体でも一体成形でもよく、オーバーフロー孔から排水管の間で排水が通過する経路を形成できればよい。
また本実施例では、接続室10の流路面積を排水室9とほぼ等しく形成したが、接続室10として蛇腹ホース等を使用し、排水室9と接続してもよい。
また本実施例では、通気孔12aを略円形で示したが、通気孔12aは空気が通過できればよく、通気孔12aの形状は、多角形などでもよく、多孔状に形成してもよい。
また本実施例では、通気管12bを略円筒で示したが、これも、通気孔12aと同様に、空気が通過できればよく、多角柱筒にしたり、テーパを設けてもよい。ここで、成形の際の引き抜き条件として、通気管12bが大気開放側に向けてやや広がるよう形成するのが望ましい。本発明では、通気管12bにテーパを設け、排水室9と一体に成形してもよい。
図4は、本発明の第2実施例を示し、導水部1の斜視図である。なお、導水部1以外の構成は図1に示した第1実施例と同様であり、これ以降の実施例においても導水部1以外の構成は省絡して説明をする。本実施例において、導水部1は、第1実施例と同様に、排水室9と、接続室10と、からなる。そして、排水室9は、排水流入口11と、空気排除部12と、を有していて、空気排除部12は、排水室側面前方に開口された通気孔12aと、通気孔12aから連接される通気管12bと、からなる。第1実施例と比較すると、本実施例では、通気孔12aと通気管12bが排水室側面9bの前方に設けられたこと、及び排水室9は、接続室10との接合箇所に接合部13を有していて、接合部13の流路面積は、排水流入口11より小さく形成されていることを特徴とする。ここで、第1実施例と同一の構成要素は、同一の符号を用いて表している。以下、図4を用いて第2実施例の効果について説明する。
本実施例においては、排水室側面9bの前方に通気孔12aと、通気管12bと、を設けているので、第1実施例と同様に、排水室9の下部空気を排除でき、排水能力が向上する。さらに、排水室側面前方は、排水の量にかかわらず、排水流路が形成されにくいため、通気孔12aに水滴が入り込むこともなく、空気排除をより効率的に行うことができる。
また、施工性と保守性の面で以下に述べるような効果がある。
洗面ボール裏面において、導水部1を取付けた側方(図4中矢印A方向)の空間に通気管12bを取付けることで、洗面ボール裏面の奥行き(図4中矢印B方向)を省スペースに構成でき、洗面化粧台の設置スペースを有効に利用することができる。
そして、通気管12bを側面から確認することができるので、空気排除部12の点検がしやすくなり、通気管12bを取り外しできる構造にすれば、定期的な交換も可能となる。
また、本実施例では、接合部13において流路が絞られているため、排水室9の流出量が絞られ、一時的に排水室9の水位が上昇する。以下にこの効果について、図5及び図6を用いて説明する。図5及び図6は、図4の導水部1を正面から見た断面図である。
図5は、排水室9に排水が流入してきた直後であり、接合部13において排水量Qが絞られ、排水室9内の水位Hが次第に上昇していく様子を示している。そして、図6では、排水室9内の水位Hの上昇とともに蓄えられた位置エネルギを利用して、排出量Qが急激に増加する様子を示している。このように、接合部13の形状を絞ることにより、一時的に排水を溜め、位置エネルギを利用しながら排水室9からの排出量Qを増加させることができる。
そして、上記のように瞬時に排出量Qを増加させることにより、洗面化粧台の排水流路の下流に位置するトラップ部6(図1参照)へ流入する排水のエネルギも瞬時に増加する。その結果、排水がトラップ部6を満水状態で通過し、サイホン現象が発生し、さらに洗面化粧台の排水能力が高めることができる。このとき、図5及び図6に示した排水室9内の水位Hは、サイホン発生直前が最も高く、サイホン発生により一気に下降する。
よって、本発明において、通気孔12aの位置は、サイホン発生直前の水位よりも高い位置に設けられることが好ましい。通気孔12aを排水室9の水位が上昇しても、塞がらない位置に設けることで、効率よく空気排除が行える。
また図4に示した本実施例では、導水部1の上下方向の長さLに対し、排水室9の長さL1が占める割合は半分以下とした。
ここで、導水部1の上下方向の長さLは、導水部1の上流側に接続されるオーバーフロー孔(図1中3)と下流側に接続される排水管(図1中5)の位置によって決定する。このとき、結果として、導水部1がオーバーフロー孔(図1中3)と排水管(図1中5)を接続できればよく、排水室9と接続室10が、導水部1を占める割合は、本実施例に図示したとおりに限られない。
また、本実施例では、通気管12bを導水部1の上下方向に垂直に延設したが、図7の断面図に示したように、さらに排水室9の側方(図7中矢印C方向)の領域に延設してもよい。このように形成すると、通気管12bにごみ等が入り込むのを防ぎ、空気排除を確実に行うことができる。
図8は、本発明の第3実施例を示す図であり、導水部1の斜視図である。第2実施例と同様に、導水部1は、排水室9と、接続室10と、からなる。そして排水室9は、排水流入口11と、空気排除部12と、その流路面積が排水流入口11の流路面積より絞られている接合部13と、を有していて、空気排除部12は、排水室側面9b前方に開口された通気孔12aと、通気孔12aから連接される通気管12bと、からなる。さらに、第2実施例と比較すると、本実施例では、通気孔12aが縦長な略楕円形状であること、導水部1の長さLのうち、排水室の長さL1が占める割合を多く設けたことを特徴とする。また、第2実施例と同一の構成要素は、同一の符号を用いて表している。第3実施例では、第1及び第2実施例に記載した効果に加え、次のような効果がある。以下図8を用いて、第3実施例について説明する。
まず、通気孔12aを縦長な形状とすることで、排水室9の奥行き(図8中矢印D方向)を広くすることなく、通気孔12aの面積を十分に大きくすることができる。通気孔12aの面積を大きくすると、効率よく迅速に空気排除を行えるとともに、排水が通気孔12aに入り込んだときに、水膜をはらずに、確実に空気排除を行える。
また、排水室9の長さL1を長く設けたことで、排水流路を絞った接合部13を下流に接続される排水管(図1中5)に近づけることができる。よって、排水室9内の水位は、排水管(図1中5)により近いところで上昇していくことになる。また、第2実施例で述べたように、排水は位置エネルギを利用して流出量を増加させるが、このとき排水はよりスムーズに下流へと流出することができ、円滑な排水につながる。さらに、下流への円滑な流出は、トラップ部(図1中6)への円滑な流入につながり、サイホン現象を発生させる。よって本実施例では、よりすばやく効率的にサイホンを発生させるので、排水能力をさらに高めることができる。
図9は、本実施例の変形例を示す排水室9の正面図である。図9のように、排水室9を接合部13に向けて、次第に収縮するような形状にすると、少量の排水でも排水室9の水位が速やかに上昇するため、より迅速に位置エネルギを蓄えて、排水室9からの排水量を増加させることができる。ここで、排水室9に斜面14を設けると、斜面14を利用して排水が円滑に接合部13に集まるため、さらに速やかに水位を上昇させることができ、効率がよい。
図10は、本発明の第4実施例を示す図であり、導水部1の斜視図である。第3実施例と同様に、導水部1は、排水室9と、接続室10と、からなる。そして排水室9は、排水流入口11と、空気排除部12と、その流路面積が排水流入口11の流路面積より絞られている接合部13と、を有していて、空気排除部12は、排水室側面9b前方に開口された通気孔12aと、通気孔12aから連接される通気管12bと、からなる。また、導水部1の長さLのうち、排水室9の長さL1の割合が多くなるように形成されている。さらに、第3実施例と比較すると、本実施例では、通気管12bは、大気開放側が複数に分かれ、複数の開放端15(15a・15b・15c)を有していることを特徴とする。また、第3実施例と同一の構成要素は、同一の符号を用いて表している。第4実施例では、第1乃至第3実施例に記載の効果に加え、次のような効果が得られる。
本実施例では、開放端15のいずれかが水滴やごみなどで詰まっても、空気を排除する経路が複数あることにより、排水室9内の空気を確実に排除することができる。よって、排水能力を保つうえで、信頼性が増すという効果が得られる。
ここで、導水部1に通気管12bを設けることによる空気排除効果について、実験結果をもとに説明する。図11は、排水流出中における従来の導水部の内圧変化と、本発名における導水部の内圧変化を比較したグラフである。ここで、従来の導水部は、排水が導水部内に流入してきても、導水部下部の空気を排除することができないため、時間とともに導水部内が加圧されていたことが分かる。このとき、導水部への流れ込みが悪化し、排水能力は低下していた。一方、本発名の導水部は、排水が導水部に流入してくると、導水部下部の空気を排除することで、導水部内を大気圧と平衡に保っていたことが分かる。このとき、導水部への良好な流れ込みが続いていた。さらに、本発明における導水部を用いると、下流に設けられたトラップへも円滑に排水が流れ込み、サイホンを効率的に発生させることが可能となる。図11中で、本発明における導水部では、60秒過ぎに導水部の内圧が大きく負圧になっていたが、ここは、サイホンが発生し、洗面ボールからオーバーフロー孔を通じ、排水を多量に導水部内へ引き込んでいる状態であった。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これら具体例に限定されるものではない。
すなわち、本発明のいずれかの要素について当業者が設計変更を加えたものであっても、本発明の要旨を備えたものであれば、本発明の範囲に包含される。
第1実施例の全体図を示す洗面化粧台。 第1実施例の導水部を示す斜視図。 第1実施例の空気柱排除効果を示す断面図。 第2実施例の導水部を示す斜視図。 第2実施例の排水室における水溜めの効果を示す断面図。 第2実施例の排水室における水溜めの効果を示す断面図。 通気管の形状の応用例を示す断面図。 第3実施例の導水部示す斜視図。 第3実施例の導水部の応用例を示す斜視図。 第4実施例の導水部を示す斜視図。 本発明の空気排除効果を示したグラフ。 従来の洗面化粧台を示す。 従来の導水部における排水流路を示した断面図。(排水が多量の場合。)
符号の説明
1 導水部
2 洗面ボール
3 オーバーフロー孔
4 排水口
5 排水管
6 トラップ部
7 排水流路
8 空気
8a 上部空気
8b 下部空気
9 排水室
9a 排水室前壁
9b 排水室側面
10 接続室
11 排水流入口
12 空気排除部
12a 通気孔
12b 通気管
13 接合部
14 斜面
15 開放端
15a 開放端1
15b 開放端2
15c 開放端3
21 導水部
22 洗面ボール
23 オーバーフロー孔
24 排水口
25 排水管
26 トラップ部
27 排水流路
28 空気
28a 上部空気
28b 下部空気


Claims (5)

  1. 底部に排水口を有し側部にオーバーフロー孔を有する洗面ボールと、前記排水口に接続される排水管と、前記排水管と前記オーバーフロー孔を接続する導水部と、を有する洗面化粧台であって、前記導水部は排水流路より前記洗面ボール側に溜まる空気を排除できる空気排除部を有することを特徴とする洗面化粧台。
  2. 前記空気排除部は、前記導水部の側面前方に設けられたことを特徴とする第1項記載の洗面化粧台。
  3. 前記空気排除部は、通気孔と、前記通気孔に連通するように設けられた通気管と、を備えることを特徴とする第1項乃至第2項いずれかに記載の洗面化粧台。
  4. 前記通気孔は、前記導水部の上下方向に縦長な形状であることを特徴とする第3項記載の洗面化粧台。
  5. 前記通気管は、大気開放側が複数に分かれていることを特徴とする第3項乃至第4項いずれかに記載の洗面化粧台。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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