JP2005281579A - 発泡ゴムローラ - Google Patents

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Abstract

【課題】 電子写真装置や静電記録装置のローラ部材に用いられる場合に、画像不良を引き起こすアンモニアの発生が抑制された発泡ゴムローラを提供する。
【解決手段】 芯金の外周上に一層以上の発泡ゴム層を有する発泡ゴムローラにおいて、該発泡ゴム層の原料ゴム組成物として、カルボンアミド系発泡剤、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドおよびハイドロタルサイト類を含有し、尿素を含有しない原料ゴム組成物を使用する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発泡ゴムローラに関し、さらに詳しくは、アンモニアの発生が無く、複写機、レーザープリンタ、ファクシミリなどの電子写真装置や静電記録装置などの画像形成装置用のローラ部材として好適に使用される発泡ゴムローラに関するものである。
電子写真装置に用いる帯電ローラ、転写ローラ等のゴムローラは、近年の装置の高速化、良画質化に応えるために、感光体との当接により一様なニップ幅を保つことが要求され、芯金の外周上の弾性体に発泡ゴムが用いられた発泡ゴムローラが使用されている。
従来このような発泡ゴムローラとしては、例えば、以下のようにして製造されている。原料ゴム組成物として、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)等の各種原料ゴムに発泡剤、尿素等の発泡助剤、カーボンブラック等のフィラー類、加硫剤、加硫促進剤、軟化剤等を加えたものを混練りしたものを用い、チューブ状に押出した後、熱風炉やマイクロ波加硫装置(UHF)を用い、該原料ゴム組成物を発泡加硫して得られるチューブ状発泡ゴムに芯金を挿入して製造される発泡ゴムローラや、発泡加硫に際してチューブ状原料ゴム組成物を所定長さに切断した後金型に入れ、その中で加硫発泡してチューブ状発泡ゴムを得、そのチューブ状発泡ゴムに芯金を挿入して製造される発泡ゴムローラが知られている。また、工程を簡略化するために原料ゴム組成物を、予め必要部分に接着剤を塗布した芯金上に配置し、芯金上で発泡加硫と接着を同時に行う工程を経て製造される発泡ゴムを用いた発泡ゴムローラも知られる。
このような発泡ゴムに使用される発泡剤としては、カルボンアミド系発泡剤、p、p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、N,N’−ジニトロソペンタメチレンヒドラジド(DPT)等の発泡剤が知られている。
これらのうちDPTは、安価であり発泡ガス量が多く発泡ゴムの製造に適したものであるが、易燃性であり発火の危険性がある上、発泡ガス中に毒性のあるホルムアルデヒドが発生すること、そのもの自体が変異原性となる可能性を疑われているものであり、人体への安全性に劣るという欠点をもっている。
また、OBSHは高価な化合物で発生ガス量も少ないため、発泡剤にOBSHを単独使用した場合、経済性に劣る。さらに、分解残渣に含まれる酸性物質が加硫阻害を起こすため架橋度が上がりにくく、高発泡のゴムが得にくいという欠点をもっている。さらに、前記芯金上で発泡加硫と接着を同時に行う場合には、芯金上から発泡ゴムが浮き上がりやすく、接着性が不十分になりやすいという問題がある。
一方、カルボンアミド系発泡剤は安価で発生ガス量も多く、自己消化性であり安全性に優れた化合物であるため広く使用されている。カルボンアミド系発泡剤としては、ヒドラゾカルボンアミド(HDCA)、アゾジカルボンアミド(ADCA)等が知られている。特に、ADCAは、他のカルボンアミド系発泡剤と比較して分解温度が低いこと、発生ガス量が多いこと、化学的安定性が優れること等利点が多いことから、カルボンアミド系発泡剤を代表するものであり、特殊な場合を除いて、ADCA以外のカルボンアミド系発泡剤が使用されることはまれである。しかしながら、ADCAの分解に起因して発生するアンモニアが、感光体を汚染して画像不良を引き起こす場合があるという問題点がある。さらに、ADCAは分解温度が約200℃と高いためゴム発泡用の発泡剤として単独で使用されることは少なく、一般的には発泡助剤として尿素を併用して分解温度を低下させて使用される。尿素を混合した発泡ゴムは、尿素の分解により、さらに多くのアンモニアを発生し、さらに感光体を汚染し易くなるという問題点がある。尿素から発生するアンモニアに対する解決策として、尿素以外の発泡助剤を使用することが挙げられる。ADCAにハイドロタルサイト類を微量添加することで、ADCAの分解温度を低下させることが知れている(例えば、特許文献1)。しかしながら、ADCAに基づくアンモニアの抑制については何ら検討をされていない。また、発泡助剤として尿素ではなくベンゼンスルフィン酸金属塩を用いると、ADCAの分解温度を低下させることができ、尿素の使用によるアンモニア発生を無くすことができることが知られている(例えば、特許文献2)。発泡助剤としてベンゼンスルフィン酸金属塩を用いることで尿素の使用を回避したり、ゼオライトを添加することでADCAからの発生アンモニアをトラップしたりすることが知られている(例えば、特許文献3)。しかしながら、ベンゼンスルフィン酸金属塩は高価な化合物であるため経済性に劣り、発泡した気泡(発泡セル)が不均一になりやすく、品質、コストにおいて不利になるという問題点がある。また、ゼオライト添加によるアンモニアのトラップは、ゼオライトをADCAに対して3〜5倍量と多量に添加しないと発生アンモニアをトラップする効果はなく、ゼオライトの多量添加では、発泡セルが不均一になりやすく、また、コストにおいて不利になるという問題点がある。
特開平05−9321号公報、特に段0004〜0005 特開2001−049020号公報、特に段0003〜0007 特開2001−151923号公報、特に段0012〜0016
本発明の課題は、これらの点に鑑みてなされたものであり、画像不良を引き起こすアンモニアの発生が抑制された発泡ゴムローラを提供することにある。
本発明者らは、前述した課題を達成するため、鋭意研究した結果、発泡ゴムの原料として配合する発泡剤として、ADCA、OBSHを用い、さらにハイドロタルサイトを配合することにより、発泡助剤である尿素は不要であり、製造された発泡ゴムローラからのアンモニアによる不具合もないことを見出し、ついに本発明を完成した。
すなわち、本発明は、芯金の外周上に一層以上の発泡ゴム層を有する発泡ゴムローラにおいて、該発泡ゴム層が、少なくともカルボンアミド系発泡剤、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドおよびハイドロタルサイト類を含有し、尿素を含有しない原料ゴム組成物を発泡加硫して製造されたものであることを特徴とする発泡ゴムローラである。
なお、原料ゴム組成物中の、カルボンアミド系発泡剤、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドおよびハイドロタルサイト類の量は、ゴム成分を100質量部としたときに、それぞれ4〜15質量部、0.5〜3質量部および0.8〜8質量部とすることが好ましく、カルボンアミド系発泡剤がアゾジカルボンアミド(ADCA)であることが好ましく、ゴム成分がエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)であることが好ましい。
また、本発明は、押出し機を用いて原料ゴム組成物を押出すと同時に、連続的に芯金を押出し機のクロスヘッドダイを通過させて、芯金の外周上に原料ゴム組成物を配置せしめローラ形状にした後、発泡加硫して製造されたものであることを特徴とする上記の発泡ゴムローラである。
本発明の発泡ゴムローラは、環境的に問題があり、外部への腐食の原因にもなるアンモニアの発生が抑制されており、電子写真装置や静電記録装置のローラ部材として用いれば、ローラからのアンモニア発生がなく、したがって、アンモニアによる画像不良を引き起こすことはなく、良画質化が可能となるので、本発明の工業的価値は高い。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の発泡ゴムローラの断面図を図1に示す。
図1において、1は発泡ゴムローラの芯金1であり、その円周上にはゴム弾性を有する発泡ゴム層2が形成されている。該発泡ゴム層2は原料ゴム組成物が芯金1上に芯金との共押出しにより、あるいは原料ゴム組成物をチューブ状に押出して得られたチューブ状原料ゴム組成物を所定長さに切断したものに芯金を挿入することにより得られた未加硫未発泡のローラ状物を加熱して加硫発泡させることにより、またはチューブ状に押出されたチューブ状原料ゴム組成物を切断しあるいは切断することなく加熱して加硫発泡して得られたチューブ状発泡ゴムに、未切断で加硫発泡したものは所定長さに切断した後、芯金1を挿入することにより形成される。
本発明では、原料ゴム組成物として、少なくともカルボンアミド系発泡剤、p、p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)およびハイドロタルサイト類を含有し、尿素を含有しないものを用いること以外特に限定するものではない。
カルボンアミド系発泡剤には、ヒドラゾカルボンアミド(HDCA)、アゾジカルボンアミド(ADCA)等が挙げられるが、ADCAは他のカルボンアミド系発泡剤と比較して、分解温度が低いこと、発生ガス量が多いこと、化学的安定性が優れることなど利点が多いことから、通常、ADCAがカルボンアミド系発泡剤として使用されている。
しかしながら、ADCAは分解温度が約200℃と高いためゴム発泡用の発泡剤として単独で使用することが難しく、発泡助剤として尿素を併用して分解温度を低下させて使用されることが多いが、ADCAのみでもアンモニア発生の問題があるのに、尿素を混合して用いた発泡ゴムは、さらにアンモニアを多く発生する。
そのため、本発明では、尿素を使用せず、OBSHとハイドロタルサイト類を併用する。カルボンアミド系発泡剤(例えば、ADCA)と共にOBSHおよびハイドロタルサイト類を含有させることにより、尿素を使用しなくても、高発泡ゴムを得ることが可能となる。この理由として、分解温度が低いOBSHの分解に伴う発熱によりADCAの分解が促進されることと、ハイドロタルサイト類を含有することで、受酸剤であるハイドロタルサイト類により、ADCAの分解時に生成する酸化合物(例えば、シアン酸等)に作用して発泡ガスの発生を促進しているものと考えられる。そして、OBSH、ハイドロタルサイト類を含有することによりADCA自体の分解に伴うアンモニアの発生および、ADCAの分解生成物からのアンモニアの発生も抑制することが可能になる。この理由も定かではないが、OBSHの分解にともなう酸性物質がアンンモニアの発生の原因となるADCAの分解生成物(例えば、炭酸アンモニウム化合物等)に作用することおよび、受酸剤であるハイドロタルサイト類により、ADCAの分解時に生成する昇華物でアンモニアの発生原因にもなるシアン酸やシアヌル酸に作用し、アンモニアの発生の原因物質が除去されているためと考えられる。カルボンアミド系発泡剤(例えば、ADCA)、OBSH、ハイドロタルサイト類の含有量は、ゴム成分を100質量部としたときにカルボンアミド系発泡剤(例えば、ADCA)4〜15質量部、OBSH0.5〜3質量部およびハイドロタルサイト類0.8〜8質量部にすると良い。
カルボンアミド系発泡剤(例えば、ADCA)は、本発明では発泡剤の主成分とするものであり、4〜15質量部を使用する。4質量部より少ないと発泡が不十分となりやすく、15質量部よりも多いと、アンモニアの発生を抑制しづらくなる。したがって、上記範囲が好ましい。
OBSHは、アンモニアの発生の抑制以外に、カルボンアミド系発泡剤(例えば、ADCA)の発泡のきっかけをつくるために助剤的に使用するものでもあり、0.5〜3質量部を使用する。OBSHの含有量が0.5質量部より少ないと発泡不足になりやすく、3質量部よりも多いと芯金上に未加硫の原料ゴム組成物を配置して加硫発泡した場合、芯金と発泡ゴムの接着が不十分になり易い。また、OBSHを3質量部より多く含有するのはコストアップにつながる。
また、本発明で使用するハイドロタルサイト類として、一般式MgxAly(OH)2x+3y-2CO3・wH2O(式中、xは1〜10、yは1〜5、wは実数を表す。)であらわされるものが挙げられ、具体的には、Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O、Mg4.5Al2(OH)13CO3、Mg4Al2(OH)12CO3・3.5H2O、Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O、Mg5Al2(OH)14CO3・4H2O、Mg3Al2(OH)10CO3・1.7H2O、Mg3ZnAl2(OH)12CO3・wH2O、Mg3ZnAl2(OH)12CO3等を示すことができる。ハイドロタルサイト類の含有量が0.8質量部よりも少ないと発泡倍率向上および発泡ゴムロールからのアンモニアの発生の抑制効果が不十分になりやすく、8質量部よりも多く含有しても発泡ゴムロールからのアンモニア発生の抑制効果の向上が無い上、芯金上に未加硫の原料ゴム組成物を配置して加硫発泡した場合、芯金と発泡ゴムの接着が不十分になり易い。好ましくは、ハイドロタルサイトの含有量は1〜5質量部である。
本発明で使用する原料ゴムとしては、特に限定するもではなく、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、エピクロルヒドリン系ゴム(CO、ECO)等の各種原料ゴムが使用できるが、中でも耐オゾン性が優れる、耐熱性が優れる、安価であるという観点からエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムが好ましい。
本発明で使用する原料ゴム組成物には、導電性、補強性あるいは加工性等や増量充填の目的から、ケッチェンブラック(商品名)、コンダクテックス(商品名)等の導電性カーボンブラック、SAF、ISAF、HAF、MAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等で表示されるゴム用カーボンブラック、各種重質炭酸カルシウム、各種軽質炭酸カルシウム、クレー類、炭酸マグネシウム、シリカ、珪酸マグネシウム、タルク等の各種フィラー類が添加できる。フィラー類の添加量は、原料ゴム100質量部に対して10〜100質量部が好ましく、20〜70質量部が特に好ましい。
また、加硫剤としては、種々ものを用いることができるが、ゴム組成物の発泡および加硫の制御を容易に行うことができる点から、イオウ加硫系が好ましい。ここで、イオウ加硫系とは、イオウと加硫促進剤との組み合わせ、あるいは含イオウ有機化合物系加硫剤をいう。加硫促進剤としては、チアゾール類、スルフェンアミド類、チオウレア類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、グアニジン類、アルデヒドアミン類、アルデヒドアンモニア類が挙げられ、これらは単独でまたは二種以上を混合して用いることができる。含イオウ有機化合物系加硫剤としては、例えば、モルホリンジスルフィド、テトラアルキルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等が挙げられる。加硫剤の添加量は、ゴム成分100質量部に対して0.5〜5質量部が好ましい。本発明に係る原料ゴム組成物には、上記の添加剤以外に、亜鉛華、ステアリン酸等の加硫促進助剤、パラフィン系プロセスオイル等の軟化剤、スコーチ防止剤、粘着付与剤、その他ゴム用添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜添加することができる。
本発明の発泡ゴムローラの製造方法は、各種方法が採用可能であるが、押出し機を用いて未加硫のゴム組成物を押出すと同時に、連続的に該芯金を押出し機のクロスヘッドダイを通過させて、芯金の外周上に未加硫のゴム組成物を配置せしめローラ形状にした後、発泡加硫工程を経て製造されること低コストの観点から好ましい。また、発泡加硫方法は、特に限定するものではないが、連続式の熱風炉を用いてなされることが好ましい。連続式の熱風炉は、押出し機と連結して生産することが可能であり、金型等を用いて生産する場合に比べて装置および金型コスト上有利になる。なお、芯金としては、通常、鉄材からなり、表面を約3μm厚の化学メッキしたものが用いられる。また、該芯金には、例えば、ホットメルト接着剤、加硫接着剤等の接着剤を塗布しておくことが好ましい。
本発明の発泡ゴムローラは、さらなる表面平滑性の向上や抵抗調整や保護を目的として発泡ゴム層の外周上に1層以上の導電性層等の機能性層を設けてもかまわない。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例により、なんら限定されるものではない。
発泡ゴムローラは、以下の方法に従って各物性を測定した。
〔発泡ゴムローラからのアンモニアの発生量の測定方法〕
発泡ゴムローラから発泡ゴム50mgを切り取り、蒸留水3mlを入れたふた無しのガラス瓶と共に50mlのふた付きガラス瓶の中に入れ、ガラス瓶内に密閉する。この密閉したガラス瓶を40℃、湿度95%の環境に設定された恒温恒湿槽に24時間投入した後、恒温恒湿槽から密閉したガラス瓶を取り出し、室温下に30分間放置する。その後ガラス瓶のふたを開けると同時に、あらかじめアンモニア検知管[商品名「アンモニア3L」、ガステック(株)製]をセットした気体採取器[商品名「GV−100S」、ガステック(株)製]を使用して、ガラス瓶の内の気体を採取し、標準検量線よりガラス瓶内のアンモニア量(ppm)を測定する。
〔硬度〕
JIS S−6050に準じたスポンジ用スプリング式硬度計(アスカーC型硬度計、高分子計器株式会社製)を用いて測定した。なお、表示はアスカーC硬度とする。
〔芯金と発泡ゴム層の接着性〕
製造した発泡ゴムローラを軸側から目視により下記基準で判定した。
○:芯金と発泡ゴム層が密着しているもの。
×:芯金と発泡ゴムが密着せずに芯金から発泡ゴムが剥がれているもの。
〔実施例1〕
エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)(商品名:EPT4070、三井化学株式会社製)100質量部、
酸化亜鉛(商品名:亜鉛華2種、白水テック株式会社製)5質量部、
ステアリン酸(商品名:ステアリン酸S、花王株式会社製)1質量部、
導電性カーボン(商品名:ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックインターナショナル株式会社製]11質量部、
FEF級カーボンブラック(商品名:旭#60、旭カーボン株式会社製)30質量部、
パラフィンオイル(商品名:ダイアナプロセスオイルPW−380、出光興産株式会社社製)50質量部、
2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)(商品名:ノクセラーM、大内振興化学工業株式会社製)2質量部、
ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)(商品名:ノクセラーTRA、大内振興化学工業株式会社製)1質量部、
ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZDBC)(商品名:ノクセラーBZ、大内振興化学工業株式会社製)1質量部、
イオウ(商品名:サルファックスPMC、鶴見化学工業株式化社製)1質量部、
アゾジカルボンアミド(ADCA)(商品名:ビニホールAC#LQ、永和化成工業株式会社製)8質量部、
p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)(商品名:ネオセルボン1000S、永和化成工業株式会社製)2質量部、および、
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−4A、協和化学工業株式会社製)3質量部
を混錬りし、原料ゴム組成物を作成した。
次に、クロスヘッド付きφ40mmの押出し機を用いて、上記原料ゴム組成物を押出すと同時に、連続的にホットメルト接着剤(スチレン系、商品名:スリーボンド3315E、株式会社スリーボンド製)を塗布した、径6mm、長さ258mmの鉄製の芯金(3μmのニッケル化学メッキあり)を押出し機のクロスヘッドダイを通過させて、芯金の外周上に厚み2mmに原料ゴム組成物を配置せしめローラ形状にした後、200℃で30分間熱風炉に投入して加硫発泡を行い、芯金上に厚み4mmの発泡ゴム層を形成して未研削の発泡ゴムローラを作成した。この成形体を研削機(研磨砥石GC80を取り付けたもの)にセットし、研削条件として回転速度2000rpm、送り速度500m/分で外径がφ12mmになるように研削して、発泡ゴムローラを作成した。この発泡ゴムローラは電子写真装置の帯電ローラとして有用なものであった。
〔実施例2〕
実施例1において、ADCAを5質量部に減らした以外は実施例1と同様にして発泡ゴムローラを作成した。
〔実施例3〕
実施例1において、ADCAを12質量部に増やした以外は実施例1と同様にして発泡ゴムローラを作成した。
〔実施例4〕
実施例1において、OBSHを1質量部に減らした以外は実施例1と同様にして発泡ゴムローラを作成した。
〔実施例5〕
実施例1において、ハイドロタルサイトを1質量部に減らした以外は実施例1と同様にして発泡ゴムローラを作成した。
〔比較例1〕
実施例1において、さらに尿素(商品名:セルペースト101、永和化成工業株式会社製)2質量部を加えた以外は実施例1と同様にして発泡ゴムローラを作成した。この比較例で得られた発泡ゴムローラは、尿素を加えたためアンモニアの発生量が多くなり、アンモニアの発生を抑制できず、電子写真装置用のローラ部材としての使用に問題があると判断された。
〔比較例2〕
実施例1において、ADCAを除き、代わりにOBSHを8質量部に増やした以外は実施例1と同様にして発泡ゴムローラを作成したところ、芯金から発泡ゴム層が剥がれてしまい、発泡ゴムローラを作成することができなかった。また、発泡も不十分であった。
〔比較例3〕
実施例1において、OBSHを除いた以外は実施例1と同様にして発泡ゴムローラを作成したところ、発泡が不十分で硬度が高くなり、また、得られた発泡ゴムローラの発泡ゴム層からのアンモニアの発生も十分抑制できなかった。
〔比較例4〕
実施例1において、ハイドロタルサイトを除いた以外は実施例1と同様にして発泡ゴムローラを作成したところ、発泡ゴムローラの発泡ゴム層からのアンモニアの発生を十分抑制できなかった。
以上の実施例、比較例で作成した発泡ゴムローラについて、上記で記載した各物性を測定した結果を表1に示す。これらの測定結果より、発泡ゴムローラとして総合評価をし、表1に示した。
Figure 2005281579
実施例1または比較例1で得た発泡ゴムローラの外周上に抵抗調整するための導電層を設けたものを電子写真方式のプリンターの帯電ローラとして組み込んだ後、40℃、95%湿度に1ヶ月間保管し、その後標準パターンを画出し、得られた標準パターン上にアンモニア発生による感光体汚染の影響による画像不良が見られるか否かを調べた。実施例1の発泡ローラを用いたものでは全く問題はなかったが、比較例1の発泡ローラを用いたものでは感光体汚染の影響から画像不良が発生した。
本発明の発泡ゴムローラの一例を示す断面図である。
符号の説明
1 芯金
2 発泡ゴム層

Claims (5)

  1. 芯金の外周上に一層以上の発泡ゴム層を有する発泡ゴムローラにおいて、該発泡ゴム層が、少なくともカルボンアミド系発泡剤、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドおよびハイドロタルサイト類を含有し、尿素を含有しない原料ゴム組成物を発泡加硫して製造されたものであることを特徴とする発泡ゴムローラ。
  2. 原料ゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対し、カルボンアミド系発泡剤4〜15質量部、p、p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド0.5〜3質量部およびハイドロタルサイト類0.8〜8質量部を含有することを特徴とする請求項1に記載の発泡ゴムローラ。
  3. カルボンアミド系発泡剤が、アゾジカルボンアミド(ADCA)であることを特徴とする請求項1または2記載の発泡ゴムローラ。
  4. ゴム成分が、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発泡ゴムローラ。
  5. 押出し機を用いて原料ゴム組成物を押出すと同時に、連続的に芯金を押出し機のクロスヘッドダイを通過させて、芯金の外周上に原料ゴム組成物を配置せしめローラ形状にした後、発泡加硫して製造されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発泡ゴムローラ。

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