JP2005281315A6 - 水性薬理組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 鼻腔を覆っている粘膜の表面上に存在することにより、異常な身体的状態を治療する上で有効な医薬品を含有する水性組成物を提供すること。
【解決手段】 各個人の鼻腔内に噴霧することができる、以下の成分を含む水性医薬組成物:(A)薬理的に有効な量の薬剤の固形粒子;及び(B)該組成物中において該粒子の均一な分散状態を維持し、かつ該組成物に一定のシキソトロピー性を付与する上で有効な量の沈殿防止剤;及び該薬剤が、デキサメタゾン、プレドニソロン、またはトリアムシノロンアセトニドからなる群から選択される抗炎症ステロイド剤である、上記医薬組成物。
【選択図】 なし

Description

発明の分野
本発明は水性薬理組成物に関するものである。より詳しくは、本発明は、鼻腔を覆っている粘膜の表面上に存在することにより、異常な身体的状態を治療する上で有効な、医薬品を含有する水性組成物に関する。
本発明の関連する分野を、まず鼻炎の特定の形態、即ち鼻粘膜の炎症を含む異常な身体的状態の治療との関連で説明する。以下に記載するように、本発明が広範な用途をもつものと理解すべきである。
四千万人の米国人が、周期的および多年性のアレルギー性鼻炎に罹患しているものと推定されている。更に何百万人もの個人が、世界的規模でこの症状を患っている。周期的および多年性のアレルギー性鼻炎の症状は、鼻の痒み、充血、鼻水、くしゃみおよび目の潤みを包含する。周期的なアレルギー性鼻炎は、一般的に「枯草熱」として知られている。これは、年間の特定の時期において空気中に存在するアレルゲンによるものである。一年間の内の春季の樹木の花粉がこのようなアレルゲンの例である。多年性のアレルギー性鼻炎は、年間を通して環境中に存在するアレルゲンにより発症する。このようなアレルゲンの例は、埃ダニ、黴、ウドンコ病菌、およびペットの鱗屑である。
このような形態の鼻炎を、ステロイド系の抗−炎症剤等の医薬で治療することは公知である。広範に使用されているステロイド系の抗−炎症剤の一例は、トリアムシノロンアセトニドである。このような薬剤は、一般的にヒト患者の鼻道内に該薬剤を噴霧し、該薬剤を鼻腔を覆う粘膜の表面上に堆積させることにより使用される。この位置において、該薬剤は、身体組織と接触状態で、その薬理作用を及ぼし、かつステロイドレセプタと相互作用する。
最大の有効性を達成するためには、上記型の医薬を含有する薬理組成物は、所定の特性の組み合わせをもつ必要がある。例えば、該医薬を含有する薬理組成物の性質は、該医薬が該鼻腔のあらゆる部分(ターゲット組織)に容易に放出されて、そこでその薬理的機能を果たすようなものであるべきである。更に、該医薬は、比較的長期間に渡り、該ターゲット組織との接触状態を維持すべきである。該医薬が該ターゲット組織との接触状態を維持する期間が長い程、該医薬がその機能を発揮する機会が多くなる。該ターゲット組織との接触状態を維持するためには、該医薬は、鼻から粒子を除去するように機能する、該鼻道内の効力に抵抗できるものである必要がある。「粘膜性浄化(mococillary clearance)」と呼ばれるこのような効力は、迅速に、例えば該粒子が鼻に入った時点から10-30 分以内に、鼻から粒子を除去する上で極めて効果的であると認識されている。
この薬理組成物のその他の望ましい特性は、ユーザーに不快感をもたらす成分を含まないこと、満足できる安定性および保存寿命をもつこと、および環境に対して有害と思われる成分、例えばオゾン破壊物質を含まないこと等である。
本発明は、薬理組成物に係わり、該組成物は、鼻道を覆う粘膜表面上に、該薬理組成物を堆積させることにより治療できる、異常な身体的状態を軽減するのに特に有効であり、かつそのために適したものとする、諸特性の組み合わせを有するものである。
報告された事件
以下の特許は、種々の型の医薬を含有する薬理組成物を開示しており、該医薬は、鼻腔の粘膜表面上に存在させることによって、異常な身体的状態を治療する機能を果たす薬剤を包含する:米国特許第3,780,176 号、同第3,809,294 号、同第3,897,779 号、同第4,405,598 号、同第4,250,163 号、同第4,294,829 号、同第4,304,765 号、同第4,407,792 号、同第4,432,964 号、同第4,443,440 号、同第4,478,818 号および同第5,439,670 号。
上記特許に記載された組成物とは対照的に、本発明の薬理組成物は水性系である。
発明の概要
本発明によれば、水性系の薬理組成物が提供され、該組成物は、各個人の鼻腔内に噴霧することができ、また該組成物は(A) 薬理的に有効な量の、医薬の固体粒子と、ここで該医薬は鼻腔の粘膜表面に存在することにより、身体の状態を治療する上で有効であり、および(B) 該組成物中に該粒子を均一な分散状態を維持し、かつ該組成物に以下のシキソトロピー性を付与する上で有効な量の沈殿防止剤とを含む:(i) 非−剪断状態における粘度が比較的高く、該組成物はゲル−状の形態にあり、(ii)該組成物が噴霧用に処方する際に、剪断力(振盪)の作用下に置かれた場合に、該組成物の粘度は比較的低く、かつミスト状態にある該組成物は、該鼻道内を容易に流動して、該鼻腔の粘膜表面に堆積するようなレベルにあり、かつ(iii) 該粘膜表面上に堆積した状態で、該組成物の粘度は、比較的高くて、該鼻腔に見られる固有の粘膜性の力により、該粘膜表面からの排除傾向に対して耐性であるようなレベルにある。
好ましい態様において、該医薬は抗−炎症性ステロイド、最も好ましくはトリアムシノロンアセトニドを含む。同様に好ましい態様において、本発明の組成物は無臭であり、かつ四級アンモニウム化合物、好ましくはベンザルコニウムクロリド、およびキレート剤、好ましくはエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)を含む。
本発明のもう一つの局面では、鼻腔の粘膜表面に医薬の固体粒子を適用する方法を提供し、該方法は、該医薬を含有する水性薬理組成物の単位投与量を、鼻腔の各々に噴霧することを含み、該用量は薬理的に有効な量の該医薬を含み、該組成物は所定量の沈殿防止剤をも含み、該所定量は、該粒子を該組成物中に均一な分散状態に維持するのに有効で、かつ該組成物に、以下のようなシキソトロピー性を付与するのに有効な量である。該シキソトロピー性とは、薬理的に有効な量の該医薬が、少なくとも該鼻の前部領域、前部鼻腔洞および上顎部腔洞の粘膜表面各々上に、および甲介を覆う鼻甲介上にある粘膜表面各々上に、堆積されるようなものであり、しかも該量の各部分が、少なくとも約1時間に渡り該粘膜表面各々に維持されるような、シキソトロピー性である。
好ましい態様において、本発明の組成物は予備圧縮ポンプを使用して、噴霧することにより、該鼻腔に適用される。
更に別の本発明の局面では、水性薬理組成物の製造法を提供し、該組成物は固体粒子形状の医薬、該粒子を湿潤するための分散剤および該粒子を該組成物中で実質的に均一な分散状態に維持し、かつ該組成物にシキソトロピー性を付与するための沈殿防止剤を含み、該方法は、(A) 該分散剤の水性溶液を生成し、かつ該溶液を該固体粒子と併合して、該粒子の懸濁液を調製し、(B) 該沈殿防止剤を酸性水性溶液に添加して、シキソトロピー性懸濁液を生成し、および(C) 該懸濁液各々を、その一方の懸濁液を他方の懸濁液の底部に導入することにより併合する各工程を含む。
好ましい一態様においては、該医薬の固体粒子の懸濁液を、該シキソトロピー性懸濁液の底部に導入する。
本発明は、該鼻腔を覆う粘膜の表面への、医薬の適用を包含する、症状の治療における多数のかつ重要な利点をもたらす。本出願の実施例部分を読むことにより理解されるであろうように、本発明は、医薬がその薬理作用を発揮できる、鼻腔の多くの部分に、容易に該医薬を放出するための手段を与える。本発明によれば、該医薬は、比較的長期間、例えば少なくとも約1時間および2時間以上にも及ぶ期間に渡り、ターゲット組織との接触状態を維持する。更に、本発明の組成物は、ユーザーに不快感をもたらす成分を含まないように処方することができ、該組成物は満足できる安定性および、例えば1〜2年間の保存寿命特性を有し、かつ環境に対して有害と思われる成分を含まない。
本発明の好ましい実施態様を以下に列挙する。
1.鼻腔の粘膜表面に医薬の固体粒子を適用する方法であって、該医薬を含有する水性薬理組成物の一用量を、鼻腔の各々に噴霧する工程を含み、該用量は薬理的に有効な量の該医薬を含み、該組成物は所定量の沈殿防止剤をも含み、該所定量は、該粒子を該組成物中に均一な分散状態に維持するのに有効で、かつ該組成物に、以下のようなシキソトロピー性を付与するのに有効な量であり、該シキソトロピー性は、薬理的に有効な量の該医薬を、少なくとも該鼻の前部領域、前部鼻腔洞および上顎部腔洞の粘膜表面各々上に、および甲介を覆う鼻甲介上にある粘膜表面各々上に堆積させるような性質であり、かつ該薬理的に有効な量の各部分を、少なくとも約1時間、該粘膜表面各々上に維持するような性質であることを特徴とする、上記方法。
2. 該医薬が抗−炎症性ステロイド剤である上記1に記載の方法。
3. 該抗−炎症性ステロイド剤が、トリアムシノロンアセトニドを含み、かつその用量が、アレルギー性鼻炎症状の軽減をもたらすのに有効な量で、該トリアムシノロンアセトニドを含む、上記2に記載の方法。
4. 該組成物のゲル化粘度が、約50〜約200cpの範囲内にあり、しかも該組成物の剪断粘度が、約400〜約1000cpの範囲内にある、上記3に記載の方法。
5. 該組成物が無臭であり、かつ四級アンモニウム化合物およびキレート剤を含み、かつ該沈殿防止剤が、マイクロクリスタリンセルロースとナトリウムカルボキシメチルセルロースとの混合物から本質的になる、上記4に記載の方法。
6. 該四級アンモニウム化合物がベンザルコニウムクロリドから本質的になり、かつ該キレート剤が本質的にEDTAからなる、上記5に記載の方法。
7. 該組成物を、予備圧縮ポンプにより噴霧する、上記1に記載の方法。
8. 各個人の鼻腔内に噴霧することができ、以下の成分:(A)薬理的に有効な量の、医薬の固体粒子と、ここで該医薬は鼻腔の粘膜表面に存在することにより、
身体の状態を治療する上で有効であり;および(B)該組成物中に該粒子を均一な分散状態を維持し、かつ該組成物に以下のシキソトロピー性を付与する上で有効な量の沈殿防止剤とを含み:(i) 非−剪断状態における粘度が比較的高く、
該組成物はゲル−状の形態にあり、(ii)該組成物が噴霧用に処方する際に、剪断力(振盪)の作用下に置かれた場合に、該組成物の粘度は比較的低く、かつミスト状態にある該組成物が、該鼻道内を容易に流動して、該鼻腔の粘膜表面
に堆積するようなレベルにあり、かつ(iii)該粘膜表面上に堆積した状態では、該組成物の粘度は、比較的高くて、該鼻腔に見られる固有の粘膜性の力により、
該粘膜表面からの排除傾向に対して耐性であるようなレベルにある、ことを特徴とする水性薬理組成物。
9. 該組成物の比較的低い粘度が、約50〜約200cpの範囲内にあり、しかも該組成物の比較的高い粘度が、約400〜約1000cpの範囲内にある、上記8に記載の組成物。
10. 該医薬が、抗−炎症性ステロイド剤である、上記8に記載の組成物。
11. 該医薬が、抗−炎症性ステロイド剤である、上記9に記載の組成物。
12. 該ステロイド剤が、本質的にトリアムシノロンアセトニドからなる、上記10に記載の組成物。
13. 該ステロイド剤が、本質的にトリアムシノロンアセトニドからなる、上記11に記載の組成物。
14. 無臭であり、かつ四級アンモニウム化合物およびキレート剤を含む、上記12に記載の組成物。
15. 該四級アンモニウム化合物がベンザルコニウムクロリドから本質的になり、該キレート剤が本質的にEDTAからなり、かつ該沈殿防止剤がマイクロクリスタリンセルロースとナトリウムカルボキシメチルセルロースとの混合物からなる、上記14に記載の組成物。
16. 該組成物のゲル化粘度が約400cp〜約800cpであり、かつその剪断粘度が約50cp〜約200cpである、上記15に記載の組成物。
17. 固体粒子形状の医薬、該粒子を湿潤するための分散剤および該粒子を該組成物中で実質的に均一な分散状態に維持し、かつ該組成物にシキソトロピー性を付与するための沈殿防止剤を含む、水性薬理組成物の製造法であって、(A) 該分散剤の水性溶液を生成し、かつ該溶液を該固体粒子と併合して、該粒子の懸濁液を調製し、(B) 該沈殿防止剤を酸性水性溶液に添加して、シキソトロピー性懸濁液を生成し、および(C) 該懸濁液各々を、その一方の懸濁液を他方の懸濁液の底部に導入することにより併合する各工程を含むことを特徴とする、上記方法。
18. 該固体粒子の懸濁液を、該シキソトロピー性懸濁液の底部に導入する、上記17に記載の方法。
19. 該粒子の懸濁液が、トリアムシノロンアセトニドの粒子、親水性非−イオン性界面活性剤および四級アンモニウム抗菌剤を含み、しかも該シキソトロピー性懸濁液が、キレート剤および抗−浸透圧剤を含む、上記18に記載の方法。
20. 該抗菌剤がベンザルコニウムクロリドから本質的になり、該キレート剤がEDTAから本質的になり、かつ該抗−浸透圧剤が本質的にデキストロースからなる、上記19に記載の方法。
図面の簡単な説明
第1図は、予備圧縮ポンプの断面図であり、該ポンプは静止状態にあり、かつ本発明の組成物を鼻腔に適用するのに使用することができる。
第2図は、第1図に示されたポンプの、作動状態を示す、断面図である。
発明の詳細な説明
本発明の水性組成物は、固体粒子形状にある医薬および他の製薬上許容される成分、少なくとも該医薬と相容性であり、使用条件の下で身体に対して無害であり、かつ組織刺激を回避または最小化する物質である。以下の説明から理解されるであろうように、本発明の水性組成物においては、エーロゾル製品の必須の成分である、推進剤を使用する必要はない。
水が、該組成物中に多量に存在する。典型的には、水は該組成物の少なくとも約85重量%およびより典型的には少なくとも約90重量%を構成する。
本発明の実施において使用する該医薬は、鼻腔の粘膜表面上に存在することにより、異常な身体状態の治療を可能とする医薬である。このような医薬の例は、ステロイド系および非−ステロイド系抗−炎症剤、β−アゴニストおよび気管支拡張薬である。このような医薬は、上気道の炎症およびアレルギー性鼻炎により生ずる鼻の症状の緩和をもたらす。
本発明の実施において最も広範に使用されるであろう該医薬は、抗−炎症性のステロイド剤、例えばクロメタゾン、デキサメタゾン、フルチカゾン、プレドニソロンおよびトリアムシノロンアセトニド等であろう。このようなステロイド系化合物は比較的強力な薬物であるが、低い全身的な暴露性のために、局部的に適用した場合には、高度に有効である。トリアムシノロンアセトニドは、本発明の実施において使用するのに好ましい医薬の一つである。
トリアムシノロンアセトニド等の医薬は実質的に水不溶性かつ疎水性である。本発明で使用するためには、このような医薬は、該組成物においては、その水性相中に分散された固体粒子として存在する。該粒子のサイズは、該組成物中に均一に分散できるようなものである。そのために、該粒子のサイズは、約50μを越えるものであってはならない。好ましくは、該粒子は約1μ〜約20μの範囲の平均粒径を有する。
該医薬は、本発明の組成物中に、薬理的に有効な濃度で存在する。このような濃度は、使用する特定の医薬またはその混合物、治療すべき状態および治療すべき個体の性質によって変動するであろう。指針を与える目的で、該医薬は、該組成物の約0.001〜約2重量%、好ましくは該組成物の約0.01〜約0.2重量%の範囲で該組成物中に含めることを推奨する。
本発明の組成物は、また本発明の組成物を構成する医薬の固体粒子のシキソトロピー性懸濁液を生成するのに有効な、製薬上許容される賦形剤をも含有する。この賦形剤は、該組成物を使用しない間およびその鼻腔への噴霧の際に、かつまた該組成物が該鼻腔の粘膜表面上に堆積された場合に、該医薬粒子を該組成物中に分散状態に維持する量で存在する。静止中(剪断にかけられていない状態)の該組成物のシキソトロピー性は、ゲルとして説明することができ、該ゲル中に、該医薬粒子が実質的に均一に分散され、かつ懸濁されている。該組成物の静止中の粘度は、比較的高く、例えば約400〜約1000cpの範囲内にある。該組成物を剪断力の作用下に置くと、即ち噴霧前の攪拌に関連する力の作用下に置かれた場合に、該組成物の粘度は減少(例えば、約50〜約200cp)し、かつ該噴霧装置を通して容易に流動し、微細な羽毛状の形態で該装置から放出され、該羽毛状物は鼻の少なくとも以下の部分、即ち鼻の前部領域(前鼻腔);前鼻腔洞;上顎部腔洞;および該鼻腔の甲介上に横たわる鼻甲介の粘膜に浸透し、かつ堆積する。かくして、このシキソトロピー性組成物は、自由流動性の液体を含み、かつ噴霧状態では所定の粘膜を見出し、かつそこに堆積する微細なミストを含む。堆積され、かつ比較的歪のない状態では、本発明の組成物は粘度の増加を示し、そのゲル−状の形態にあると推定され、該ゲル形状はそこに懸濁された医薬粒子を含み、かつ該鼻腔内に存在する固有の粘膜性の力による、鼻道からの浄化に対して耐性である。テスト結果は、該堆積された組成物が、例えば少なくとも1時間および2時間以上にも及ぶ比較的長期間に渡り、該粘膜表面上に留まっていることを示している。
便宜的に、静止状態における該組成物の粘度を、「ゲル化粘度(setting viscosity)」と呼び、また振盪された組成物の粘度を「剪断粘度(shear viscosity)」と呼ぶ。上記のように、該組成物のゲル化粘度は、該医薬粒子を、該組成物中に実質的に均一な分散状態に維持し、かつ該組成物を該粘膜表面上に長期間に渡り留めるのに十分な値であるべきであり、該粘膜表面上で、該組成物は該鼻腔内に堆積される。即ち、該組成物は該鼻腔内に存在する粘膜性の力による排出に対して耐性である。該組成物の剪断粘度は、十分に低く、該組成物がポンプのオリフィスを介して自由に流動し、かつ崩壊して微細なミストの形成を可能とする。
該組成物の該ゲル化粘度および該剪断粘度に対する適当な値は、特定の組成物について、該組成物を鼻腔に適用するのに使用する、特定の手段をも考慮して、決定することができる。一例として、約400〜約800cpのゲル化粘度が、抗−炎症性ステロイド、例えばトリアムシノロンアセトニドを含有する組成物に対して推奨される。このような組成物に対して推奨できる剪断粘度は、約50〜約200cpである。粘度はブルックフィールドシンクロ−レトリック(Brookfield Synchro-Letric)粘度計(モデル(Model)LVT)を使用して測定する。該粘度は20℃にて測定する。該ゲル化粘度は、30 rpmにて30秒間混合した後に測定する。該剪断粘度は、5分間フルスピードでバーレルリスト−作用(Burrell wrist-action)シェーカー上で混合した後、30 rpmにて30秒間混合して、測定する。
該医薬の個体粒子を、該組成物中で実質的に均一な分散状態を維持し、かつ該組成物に該所定のシキソトロピー性を付与できる、任意の製薬上許容される物質を使用することができる。このような物質は、「沈殿防止剤(suspending agent)」と呼ばれる。沈殿防止剤の例は、カルボキシメチルセルロース、ビーガム(veegum)、トラガカンスゴム、ベントナイト、メチルセルロース、およびポリエチレングリコールを包含する。好ましい沈殿防止剤はマイクロクリスタリンセルロースとカルボキシメチルセルロースとの混合物であり、前者は好ましくは多量に存在し、最も好ましくは約85〜約95重量%の量で存在し、後者の成分は該混合物基準で、約5〜約15重量%を構成する。
本発明の組成物に含まれる沈殿防止剤の量は、特定の医薬およびその使用量、使用する特定の沈殿防止剤、該組成物に含まれるその他の成分の特性および量、並びに望まれる特定の粘度値に応じて変動するであろう。一般的に言えば、最も広範に使用される組成物は、該沈殿防止剤を、約1〜約5重量%の範囲の量で含むであろうと思われる。
本発明の薬理組成物は、好ましくは該組成物に所定の特性を付与する他の成分を含む。
疎水性の医薬を含む組成物は、好ましくは製薬上許容される分散剤を含み、該分散剤は該医薬粒子を湿潤して、該組成物の水性相内への分散を容易にする。該分散剤の量は、該粒子の水性分散体を、公知の混合装置で混合する場合には、短時間内、例えば約5〜約60分間に該疎水性の医薬粒子を湿潤するのに十分なものであるべきである。混合中に該分散体の発泡を生じないであろう量の該分散剤を使用することが好ましい。該分散剤を、該組成物の約0.001 〜約0.01重量%の範囲の量で含めることを推奨する。
該粒子を湿潤するのに有効であり、かつ製薬上許容される任意の分散剤を使用することができる。使用可能な分散剤の例は、脂肪アルコール、エステル、およびエーテル、例えば商品名プルロニック(Pluronic)、タージトール(Tergitol)、スパン(Span)、およびツイーン(Tween) の下で市販されているモノ等である。親水性、非−イオン性の界面活性剤を使用することが好ましい。ポリソルベート(Polysorbate) 80なる商標の下で入手できる、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートを使用することにより、優れた結果が得られた。
本発明の組成物中で使用可能な型の種々の医薬が、酸化の結果として、水の存在下で劣化する傾向があることが分かっている。これは、酸化防止剤を使用することにより防止または阻止できる。本発明の組成物中で使用できる、製薬上許容される酸化防止剤の例は、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、8-ヒドロキシキノリン、およびN-アセチルシステインを包含する。本発明の組成物には、該酸化防止剤を、約0.001 〜約0.01重量%の範囲の量で含めることを推奨する。
また、安定性を高める目的で、本発明の組成物は、微生物による汚染および微生物の成長から保護すべきである。本発明の組成物中で使用可能な、製薬上許容される抗菌剤の例は、四級アンモニウム化合物、例えばベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、セトリミド、およびセチルピリジニウムクロリド;水銀剤、例えば硝酸フェニル水銀、酢酸フェニル水銀およびチメロサール;アルコール系薬剤、例えばクロロブタノール、フェニルエチルアルコール、およびベンジルアルコール;抗生物性エステル、例えばp-ヒドロキシ安息香酸;およびその他の抗菌剤、例えばクロルヘキシジン、クロロクレゾール、およびポリミキシンを包含する。本発明の組成物には、これらの抗菌剤を、約0.001 〜約1重量%の量で含めることを推奨する。
上記のように、本発明の一局面によれば、無臭であり、かつ酸化防止剤および抗菌剤両者として機能する安定化剤の混合物を含む組成物が提供される。該混合物は、抗菌特性をもつ四級アンモニウム化合物および一般的にキレート剤として知られている物質を含む。該組成物における、トリアムシノロンアセトニド等の該医薬とこれら物質との組み合わせの使用は、高い安定性をもつ組成物を与え、該組成物は酸化による劣化およびバクテリアの成長等に対して耐性である。好ましい態様においては、該混合物はベンザルコニウムクロリドとエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを含む。
本発明の無臭の組成物は、一般的に約0.004 〜約0.02重量%の該四級アンモニウム化合物と、約0.01〜約0.5 重量%のキレート剤とを含むであろう。化合物の上記混合物の使用により、該組成物中に酸化防止剤と考えられる物質を含める必要がなくなる。
本発明の組成物は、好ましくは該組成物による鼻粘膜の刺激を防止する機能を果たす、等浸透圧剤を含む。無水型のデキストロース(dextose) が好ましい等浸透圧剤である。使用可能な他の製薬上許容される等浸透圧剤の例は、塩化ナトリウム、デキストロースおよび塩化カルシウムを包含する。本発明の組成物には、約5重量%までの該等浸透圧剤を含めることを推奨する。
該組成物のpHは、使用する特定の医薬に応じて、また該医薬の生物学的な許容性および安定性を考慮して、変え得るであろう。典型的には、該組成物のpHは、約4.5 〜約7.5 の範囲内にある。トリアムシノロンアセトニドを含有する組成物に対する好ましいpHは、約4.5 〜約6、最も好ましくは約5である。本発明の組成物のpHを調節するのに使用できる、製薬上許容される物質の例は、塩酸および水酸化ナトリウムである。
本発明の組成物は、任意の適当な方法により調製できる。好ましい態様においては、医薬の固体粒子および分散剤の水性懸濁液を調製し、上記の沈殿防止剤を含有する水性懸濁液と併合する。前者は、好ましくは該医薬を、該分散剤の水性溶液に添加し、十分に混合することにより調製する。後者は、該沈殿防止剤を添加する前に、水を酸性(pH約4.7 〜約5.3)とすることにより調製される。特に好ましい態様においては、該四級化合物(抗菌剤)の水性溶液を医薬の水性懸濁液に添加し、他の成分(例えば、等浸透圧剤、酸化防止剤またはキレート剤)を、得られるこのシキソトロピー性懸濁液に添加する。上記組成物バッチ各々を十分に混合した後に併合する。これらの組成物バッチを併合するための好ましい手段は、該バッチの一つ、好ましくは該「医薬」バッチを、他方のバッチの底部に、例えば該バッチを該他方のバッチを介して上向きにポンプ輸送することにより、導入することである。これらの併合されたバッチを含む該組成物を十分に混合する。好ましい調製法の使用は、実質的に均一に該組成物中に分散された該医薬の固体粒子を含む組成物の処方にとって効率的かつ有効な方法を提供し、一方で水性薬理組成物の調製に、一般的に関連する諸問題点、例えば過度の発泡および該粒子分散体の不均一性等を回避する。
鼻道各々に適用される医薬の量は、使用する特定の医薬、治療すべき状態の性質および治療すべき個体の特性に応じて変動するであろう。指針を示す目的で、該鼻腔の一方に適用される単位用量は、以下に説明するように、該医薬を約200〜約450mcgまたはそれ以下で含むものであることが示唆される。該組成物の高頻度での使用においては、ユーザーは、効果的な該状態の軽減に必要な毎日の投与量を、例えば鼻腔当たり該医薬を約100 〜約225mcgにまで、減じ得るものと決定できる。
本発明の組成物の該好ましい態様の利用は、該組成物が効果的に一日に一回投与できるという利点を与える。このような一日当たり一回の投与に対しては、外鼻孔一つ当たりに適用される、トリアムシノロンアセトニド等の医薬の量を、約100 〜約220mcg、より好ましくは約100 〜約130mcgとすることを推奨する。該組成物の該好ましい態様を高頻度で使用する場合、そのユーザーは、効果的な該症状の軽減のための毎日の投与量を、例えば鼻腔当たり、該医薬として、約55〜約110mcgに減じ得るものと決定できる。
12歳以下の子供に関連する用途については、外鼻孔当たりの毎日の投与量を、該医薬約100 〜約225mcg、また該組成物の好ましい態様については、外鼻孔当たりの毎日の投与量を、該医薬約50〜約110mcgとすることを、推奨する。この量は高頻度での該医薬の使用の際には、外鼻孔当たり約30〜約55mcg なる一日当たりの投与量まで減ずることができる。
本発明の該薬理組成物を、該鼻道に適用するための好ましい手段は、予備圧縮ポンプの使用である。好ましい予備圧縮ポンプは、フランスのバロア(Valois)SAにより製造され、かつ米国のバロア社(15 Valley Drive, Greenwich, Connecticut 06831)により市販されている、モデルVP7 である。
第1図を参照すると、該予備圧縮ポンプ10はハウジング12を有し、かつ該ポンプ10を該組成物の容器に接続するためのネジ山14等の手段を含む。該ハウジング12は、中空管18を画成する円筒状の外部壁16と、浸漬チューブ22に接続したハウジング入口20と、該入口20と該外部壁16との間に配置された円筒状の内部壁24とを含み、ここで該浸漬チューブを介して該液体が該容器(図示せず)から該ポンプ10に入る。
ステム26は、該ハウジング12の頂部から伸びており、また該外部壁16を活動可能に嵌合している該ハウジング中空管18内に配置された底部分28を有している。該ステム内の中心管30は、ステム入口32をステム出口34に接続しており、該出口を介して該液体が噴霧機に分配され、噴霧体を生成する。
クラッパー36は、該ステム26と該内部壁24との間の、該中空管18内に活動可能に配置されている。該クラッパー36は、該ステム入口32と嵌合してこれを介する液体の流動を阻止するヘッド部分38と、ショルダー部分40と、該クラッパー36が下方に移動した場合に、該ハウジング内部壁24上を活動し、かつこれを封止するように設計されたベル−型の底部分42とを有する。該ハウジング12の底部と該クラッパーのヘッド部分38の下側との間のバネ44は、該クラッパーヘッドを偏らせて、該テスム入口32と嵌合し、かつこれを封止する。
該ポンプ10は、以下のように作動する。第1図に示すように、静止状態において、該クラッパーヘッド38は、該テスム入口32を封止して、液体の流動を阻止する。投与チャンバー46には、該組成物か満たされている。該投与チャンバー46の容積は、該ハウジング外部壁16、該ハウジング内部壁24、該クラッパー36、および該ステム26により画成される。該投与容積は、該投与チャンバー46を画成するこれら種々のエレメントの寸法により調節される。
該ユーザーが該ステム26を指で押圧する作用は、該ステム26およびクラッパー36の下方への移動を生ずる。第2図に見られるように、該投与チャンバー46は、該ハウジング内部壁24と嵌合している該クラッパーの底部分42により閉じられている(第2図は、側部の噴霧ノズルを示すが、これは例示のみの目的で与えられるのであり、他の態様、例えば頂部噴霧ノズルを使用することも可能であると理解すべきである)。更なる圧の印加は、今該投与チャンバー46内で、該ハウジング内部壁24内の該組成物の圧に対して孤立している、該組成物内の液圧における増加を生ずる。液体は本質的に非−圧縮性であるので、該投与チャンバー46内の該組成物の高められた液圧は、該クラッパー36上に、正味の下向きの力を発生する。一旦この下向きの力が、該クラッパー36上の上向きの力、例えば該バネ44由来の力を越えると、該クラッパーは、該ステム26から離れるように、更に上向きに移動して、該ステム入口32を開放し、かつ該液状組成物の該投与チャンバー46から該ステム出口34への流動を可能として、噴霧体を生成する。
この噴霧後、該ユーザーの指の作用が該ステムを離れた場合、該バネ44は、該クラッパー36を、該入口32との嵌合かつ封止状態に戻し、かつこれをその静止位置に戻す。この移動は、真空を発生し、該真空は、該組成物を、該ハウジング入口20を介して、次回の投与のために、該投与チャンバー46内に引き寄せる。
予備圧縮ポンプは公知のポンプ由来のものよりも優れた噴霧体を与える。正常な使用中には、該予備圧縮ポンプは、該組成物の完全な投与量を放出するであろう。前に記載したように、該組成物の液圧が該ポンプ内で、該クラッパー36を該ステム入口32から解除するのに十分な「閾値」圧に達するまで、該組成物は噴霧されることはないであろう。一旦該クラッパー36が該ステム入口32から解除されると、ユーザーの指による該液圧は、所定量の該組成物を、噴霧のために該ステム入口32に圧送する。かくして、該閾値圧に達する前は噴霧体は放出されず、完全な投与量は該閾値圧に達した後に放出される。公知のポンプを用いた場合、十分な力が印加されない場合には、あるいは適切な様式で該力が印加されない場合には、完全な投与量に満たない量を放出する可能性がある。該予備圧縮ポンプを使用した場合、該ポンプを正常運転した際には、該完全な投与量に満たない量を放出することは極めて困難である。
該予備圧縮ポンプのもう一つの利点は、該噴霧体の噴霧が保証されることにある。公知のポンプを使用した場合、ユーザーが該噴霧体を適正に噴霧するために十分な圧を与えることはできない。しかしながら、該予備圧縮ポンプは、噴霧に対して十分となるように工夫されている、該閾値圧に達するまで、組成物を放出しない。
更に、該予備圧縮ポンプは、ユーザー依存性がより低い。該閾値圧に達するまで該ポンプは噴霧を行わないので、ユーザーにより与えられる押圧力および圧力印加法が、該噴霧に及ぼす影響は小さい。
実施例
以下の実施例は、本発明を例示するものである。
実施例1
本発明の好ましい薬理組成物を以下に説明する。
成分 wt% 量,mg
トリアムシノロンアセトニド,USP 微粉砕 0.055 9.075
局所グレード (TAA)
マイクロクリスタリンセルロースとナトリウム 2.0 330.00
カルボキシメチルセルロースとの混合物, NF
ポリソルベート80,NF界面活性剤 0.004 0.66
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム, USP 0.05 8.25
ベンザルコニウムクロリド(BzCl)溶液, 50wt% 0.03 4.95
BzCl, NF
デキストロース(無水), USP 5.0 825.00
精製水, USP 92.86 15,322
希塩酸, NF, * *
0.1N NaOH 溶液 * *
全重量 16.5 g
*:pH調節のために使用した。
この組成物は、2−容器法を利用して、上記個々の成分を混合することにより調製する。該組成物の大きなバッチを以下に説明する方法で調製する。その一部16.5 gを、該大きなバッチから取り出し、同様に以下に説明するような噴霧ボトルに満たす。
可変速度のスウィープミキサー(sweep mixer) 、可変速度の攪拌機、および定速の分散機を備えたステンレススチール製の反応ガマに、約500 kgの精製水を添加する。約0.4125kgのエチレンジアミン四酢酸ジナトリウム(以下“EDTA”)および41.25 kgのデキストロースを該水に添加する。上記成分を約25分間混合した後に、該分散機および攪拌機を停止させ、該スウィープミキサーを作動させる。約0.6 kgの希塩酸(“HCl”)溶液を、該EDTAおよびデキストロース溶液に添加する。該分散機を再度始動させ、次いで約16.5kgの、マイクロクリスタリンセルロースおよびナトリウムカルボキシメチルセルロースの混合物を、該酸性化されたEDTA/デキストロース溶液に添加する。得られたこの懸濁液を約10分間混合を継続することにより均一化する。次いで、全てのミキサーを停止させて、該反応ガマの掻き取りを行う。該スウィープミキサーおよび分散機を使用して、均質化を再開し、約15分間行う。
定速分散機と定速ミキサーとを備えた第二のステンレススチール反応ガマに、約250 kgの精製水を添加する。該分散機およびミキサーを作動させ、次いで約0.033 kgのポリソルベート(Polysorbate) 80(湿潤剤)を添加する。約10分間の混合後、約1Lの該溶液を取り出す。混合を継続しつつ、約0.45375 kgのトリアムシノロンアセトニドTAA を、溶解した界面活性剤を含む該反応ガマに添加する。
この“TAA”容器を抜き取った該界面活性剤溶液で洗浄し、該洗液を該反応ガマに添加する。このTAA 懸濁液を、約25分間該分散機およびミキサーを使用して均質化する。該分散機を停止させ、約0.2475kgの該ベンザルコニウムクロリド(BzCl)溶液を添加し、生成したTAA 分散液に溶解する。この“BzCl”容器を約1kgの精製水で洗浄し、かつ該洗液を該TAA 分散液に添加する。この“TAA”分散液を、該TAA 分散液の該2つの反応ガマの底部出口を介してポンプ輸送することにより、該組成物の「シキソトロピー性」部分に移す。該“TAA”反応ガマを約10kgの精製水で洗浄し、該洗液を、該併合したTAA 分散液とシキソトロピー性部分とを含む組成物に添加する。
次いで、得られたこの組成物のpHを測定する。本発明の好ましい態様の目標pHは、4.7 〜5.3 の範囲内にある。必要ならば、該pHを、最も好ましくは1)精製水で更に希釈(20部の水: 1部の希薄HCl, NF)される、希薄HCl,NFまたは2)0.1 NのNaOH溶液(4gの水酸化ナトリウム,NFを精製水に溶解し、1000mlに希釈することにより調製)の何れかを添加することにより調節する。添加したHCl またはNaOH溶液の量を測定し、この量に等しい量を、精製水の4.5 kgから差し引く。この差引部分を除去した後、残りの水を該組成物に添加し、次いで該分散機を使用して、約2分間ホモジネートする。
次に、この組成物を定速ミキサーを備えた反応ガマに移す。該ミキサーを約6rpmにセットし、該組成物を十分に混合する。この組成物は約4.8 なるpHを有し、また静止状態(歪のない状態−剪断力が印加されていない状態)では、ゲル状の懸濁液を構成する。該TAA 粒子は、該組成物全体に渡り均一に分散している。
次いで、該組成物の16.5 gに相当する部分を、容量20mlの丸型HDPEボトルに添加する。該ボトルを満たす前に、約0.2uの濾過し、加圧した空気を、該ボトル内部に吹き込む。このボトルを計量ポンプで封止する。この計量ポンプは、浸漬チューブ、アクチュエータ、外蓋および安全クリップをもつ、バロア(Valois)社製の VP7/100S である。
実施例2
本発明の範囲内のもう一つの組成物を、実施例1に記載の成分および方法を利用して調製する。但し、以下の変更を行う。上記第一の反応ガマ中で、EDTA、デキストロース、および水を、該EDTAおよびデキストロースを水に添加した時点から測定して、約10分間混合する。約0.53kgのHCl,NFを、該反応ガマに含まれる、該EDTAおよびデキストロースの溶液に添加する。
該組成物の該“TAA”部分の調製およびその該組成物の該「シキソトロピー性」部分への供給は、実施例1に記載のように実施する。該“TAA”部分の該「シキソトロピー性」部分への輸送後のpH調節段階中に、添加したHCl またはNaOH溶液の量を測定し、その等量を4.57kgの精製水から差し引く。該差引部分の除去後、残部の水を該組成物に添加し、次いで該分散機を使用して約2分間均質化する。該組成物のpHは約5である。該TAA 粒子を、該組成物全体に渡り均一に分散する。該ボトルの充填工程は、実施例1に記載した通りである。
以下においては、本発明の組成物を如何にして使用できるかに関する実施例を説明する。
実施例1および2に記載した如き組成物は、アレルギー性鼻炎症状の効果的な治療のために、経鼻吸入することができる。実施例1および2に記載した如く、該組成物各々を計量ポンプを備えた噴霧ボトルに収容する。該ボトルは該組成物約16.5 gを収容している。
該組成物の1投与量を、ヒト患者鼻腔の各々に噴霧により、該組成物を該患者に射出することができる。この一投与量の射出のために、該予備圧縮計量ポンプ(バロア(Valois)社製の VP7/100S)を、患者の外鼻孔に配置し、次いで患者がこれを作動させ、その鼻腔内に噴霧体を与える。最初の投与後、該ポンプの各動作は、該鼻のアクチュエータから、約55 mcgのTAA を含有する約100 mgの組成物を射出する。組成物の各ボトルは、少なくとも約120 回の計量された投与量を与えるであろう。例示した該組成物に対して、成人および12歳以上の子供に対して推奨された一日一回の投与は、各外鼻孔における2回の噴霧に等価な、約220mcgのTAA にて開始する。該組成物を周期的に使用する場合には、該毎日の投与量を、約110mcgのTAA(外鼻孔当たり約55 mcg)に減じることを考慮すべきである。
実施例1および2の処方を含む組成物を、2名の志願した患者に投与した。投与後に、該患者を、陽電子放出断層撮影法によって評価して、1)鼻腔内の興味ある種々の領域に射出すべき、該TAA 医薬の最大投与量を摂取させる時間の長さ、および2)2時間の期間に渡る、該興味ある領域上に堆積された該TAA 医薬の量を測定した。このような評価の目的で、該ヘッド領域の容積を、興味ある104 個の別々の領域に分割した。興味ある該領域内に含まれるサイトは、以下のようなターゲットサイト:前部腔洞、前部鼻腔洞、上顎部鼻腔洞、上部甲介、および下部甲介である。この評価の結果は、該TAA 医薬が、該鼻のターゲット領域に迅速に分配されることを示している。
該志願者の一名については、該甲介領域と接触することになる、該TAA 医薬の最大量は、その鼻に射出された全投与量の約65% であり、またこれは投与の約45秒後に生じた。該全投与量の約46% が該下部の甲介と接触し、かつ該全投与量の約19% が、該上部甲介と接触した。該甲介組織と接触状態にある該TAA 医薬の量は、該全投与量の約3.4-4%の一定値が、最終的な時点において、該甲介組織内に残されるまで、時間の経過に伴って減少した。該前部腔洞領域と接触している該TAA 医薬の最大量は、約41% であり、これは投与後約45秒の時点で生じた。この前部腔洞領域と接触している該TAA 医薬の最大量は、時間の関数として徐々に減少し、投与後2時間の時点において、約12% なる一定濃度を維持していた。この情報に基づいて、該前部腔洞がターゲット組織であると考えた。というのは、該堆積された組成物が、該医薬の貯蔵倉またはバックアップ供給源として維持されるからである。該粘稠な組成物の粘膜性の浄化を介する、該甲介組織上での緩慢な後方への移動は、TAA 医薬が、該ターゲット組織に連続的に浴びせられることを示唆しており、かくして該好ましい一日一回の投与の有効性が説明される。興味深いことに、該薬物は、該上顎部および前部の鼻腔洞両者に入るものと思われる。これらのデータは、該医薬粒子が、経鼻吸入の際の攪乱空気流のために、該鼻腔洞に運ばれることを示唆している。堆積される最大量は、それぞれ前部および上顎部鼻腔洞への投与量の約3.5%および3.9%であり、これは投与後約30秒間で生じた。これらのデータは、該TAA 医薬が1時間以内に該前部鼻腔洞から浄化され、かつ該医薬の約1%が、依然として該2時間のサンプル採取期間後においても該上顎部の鼻腔洞内に存在していることを示している。
他方の志願者については、該甲介領域と接している該薬物の最大量は、該鼻に射出された全投与量の約53%であり、上部甲介と結合している該薬物は約25%であり、また該下部甲介と結合している該薬物は約75% であった。該上部甲介と接している該TAA 医薬の最大量は、投与の約25秒後において起こり、該下部甲介については約3.5 分後において起こった。これらのデータは、該TAA 医薬が該前部腔洞領域から該甲介領域に移動することを示唆している。投与後約2時間の時点で、約6-8%の該投与された薬物が、依然として該甲介領域と接触状態にあり、該医薬はこのターゲットサイトから徐々に排除される。
該前部腔洞と接している該TAA 医薬の最大量は、該鼻に射出された全投与量の約55% であり、これは投与後約30秒の時点において起こった。該医薬は徐々に該鼻腔を離れるが、該投与量の約22% は、2時間経過後も依然として滞留状態にあった。該TAA 医薬の投与された量の僅かな割合が、該上顎部および前部鼻腔洞と接触状態にあった。該最大量は、投与後30秒以内に堆積され、その量は前部鼻腔洞については約3.5%、および該上顎部鼻腔洞については約2%であった。これらの値は比較的一定であり、該投与量の約0.5%〜1%の範囲の量が、2時間の経過後も依然として該鼻腔洞内に残存していた。
この評価は、また該TAA 医薬を該患者各々に投与した後の2時間経過時点における、該ターゲットサイト上に残留する該医薬の割合の測定をも含んでいた。この割合は、各興味ある領域に残留している量を、該興味ある104 個の領域に残留している全量で割ることにより決定した。この評価から得た結果は、該投与量の85% を越える量が、該前部腔洞、前部鼻腔洞、上顎部鼻腔洞、上部甲介および下部甲介を含む、該ターゲットサイト上に直接堆積されることを示している。
上記の第一の志願者については、これらの結果は、該TAA 医薬を投与した後2時間の時点で、該医薬全量の約47.9% が、該前部腔洞に堆積された状態を維持した。投与後2時間の時点で、該下部甲介領域に堆積された全医薬の割合(約27.8%)は、該上部甲介領域に堆積された量(約8.6%) と結合すると、該鼻の主なターゲット領域に投与した該医薬の残りの量の約36.4% になった。2時間の期間に渡り、該投与量の約1.2%が該前部鼻腔洞に堆積され、一方で該投与量の約3%が該上顎部鼻腔洞に堆積された。該医薬を投与した後2時間の時点で、該ターゲットサイトに残留している該投与された薬物の割合の総和は、該投与した薬物の約88.5% が、該2時間に及ぶサンプリング期間に渡り、ターゲット組織上に直接堆積したことを示している。
上記の第二の志願者については、上記結果は、薬物投与後2時間の時点において、約52.2% の投与された薬物が該前部腔洞内に堆積された状態に維持されたことを示している。該投与量の約23.5% が、該下部甲介上に堆積された状態に維持され、かつ該投与量の約6.9%が、上部甲介上に堆積された状態に維持された。該甲介領域に堆積状態で維持された該医薬の全割合は、射出された全薬物の約30.4% であった。該前部および上顎部鼻腔洞に関する値は、それぞれ該投与された薬物の量の約1.6%および約1.4%であった。該医薬を投与した後2時間経過後の、該ターゲットサイト上に残留する、該投与された薬物の割合の総和は、該投与薬物の約85.6% が、該2時間に及ぶ周期的サンプリング期間に渡り、ターゲット組織上に直接堆積したことを示している。
本発明は、患者の乱された異常な身体的状況を軽減するための、効果的かつ改善された手段を提供するものであることを理解すべきである。
予備圧縮ポンプの断面図であり、該ポンプは静止状態にあり、かつ本発明の組成物を鼻腔に適用するのに使用することができる。 第1図に示されたポンプの、作動状態を示す、断面図である。

Claims (46)

  1. 各個人の鼻腔内に噴霧することができる、以下の成分を含む水性医薬組成物:(A)薬剤が鼻腔の粘膜表面に存在することにより、異常な身体的状態を治療する上で有効である薬理的に有効な量の薬剤の固形粒子;及び(B)該組成物中において該粒子の均一な分散状態を維持し、かつ該組成物に以下のシキソトロピー性:(i)非剪断状態における該組成物の粘度は400〜1000 cpであり、該組成物は該粒子が懸濁したゲル状の形態にあり;(ii)噴霧用に処方する際に該組成物が剪断力(振盪)の作用下に置かれた場合に、該組成物の粘度は50〜200 cpであり、ミスト状態にある該組成物は該鼻道内を容易に流動して該鼻腔の粘膜表面に堆積するような性質であり;及び(iii)該粘膜表面上に堆積した状態において、該組成物の粘度は400〜1000 cpであり、該鼻腔に見られる固有の粘膜性の力による該粘膜表面からの排除傾向に対して耐性であるような性質である、を付与する上で有効な量の沈殿防止剤;及び該薬剤は、デキサメタゾン、プレドニソロン、またはトリアムシノロンアセトニドからなる群から選択される抗炎症ステロイド剤である、上記医薬組成物。
  2. 該ステロイド剤がトリアムシノロンアセトニドからなる、請求の範囲第1項に記載の組成物。
  3. 無臭であり、かつ四級アンモニウム化合物、キレート剤及び抗浸透圧剤を含む、請求の範囲第1項または第2項に記載の組成物。
  4. 薬剤粒子を湿潤するのに有効な分散剤を含有する、請求の範囲第1項または第2項に記載の組成物。
  5. 該四級アンモニウム化合物がベンザルコニウムクロリドであり、該キレート剤がEDTAであり、かつ該抗浸透圧剤がデキストロースであり、該沈殿防止剤がマイクロクリスタリンセルロースとナトリウムカルボキシメチルセルロースとの混合物からなる、請求の範囲第3項に記載の組成物。
  6. 少なくとも85重量%の水を含み、固形粒子状の薬剤の有効量が0.001〜2重量%の範囲にあり、及び沈殿防止剤の有効量が1〜5重量%の範囲にある、請求の範囲第2〜4項のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 該分散剤がポリソルベート80(TM)である請求の範囲第4項に記載の組成物。
  8. 推進剤を含まず、かつpHが4.5〜7.5であり、及び該沈殿防止剤が混合物の重量に対して85〜95重量%のマイクロクリスタリンセルロースと5〜15重量%のカルボキシメチルセルロースとの混合物を含む、請求の範囲第1項、第2項及び第4項のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 0.004〜0.02重量%の該四級アンモニウム化合物と、0.01〜0.5重量%のキレート剤とを含む、請求の範囲第8項に記載の組成物。
  10. 固形粒子形態の薬剤、該粒子を湿潤するための分散剤及び該組成物中において該粒子の均一な分散状態を維持し、かつ該組成物にシキソトロピー性を付与するための沈殿防止剤を含む、水性医薬組成物の製造法であって、(A)該分散剤の水性溶液を生成し、かつ該溶液を該固形粒子と併合して、該粒子の懸濁液を調製し、(B)該沈殿防止剤を酸性水性溶液に添加して、シキソトロピー性懸濁液を生成し、及び(C)該懸濁液各々を、その一方の懸濁液を他方の懸濁液の底部に導入することにより併合する各工程を含み、該薬剤が、デキサメタゾン、プレドニソロン、またはトリアムシノロンアセトニドからなる群から選択される抗炎症ステロイド剤である、上記方法。
  11. 該粒子の懸濁液を、該シキソトロピー性懸濁液の底部に導入する、請求の範囲第10項に記載の方法。
  12. 該粒子の懸濁液が、トリアムシノロンアセトニドの粒子、親水性非イオン性界面活性剤及び四級アンモニウム抗菌剤を含み、並びに該シキソトロピー性懸濁液が、キレート剤及び抗浸透圧剤を含む、請求の範囲第11項に記載の方法。
  13. 該抗菌剤がベンザルコニウムクロリドであり、該キレート剤がEDTAであり、かつ該抗浸透圧剤がデキストロースからなる、請求の範囲第12項に記載の方法。
  14. 各個人の鼻炎を治療するための薬剤を含む医薬組成物であって、該薬剤の固形粒子を含みかつ薬理的に有効量の該薬剤を含む所定量の組成物を各個人の鼻腔内に噴霧することによって、該薬剤を各個人の鼻腔の粘膜表面に作用させる組成物であり、該組成物はまた、組成物中において該粒子の均一な分散状態を維持し、かつ該組成物に以下のシキソトロピー性:薬学的に有効量の薬剤を、鼻の前部領域、前部鼻腔洞および上顎部腔洞の粘膜表面各々上に、および甲介を覆う鼻甲介上にある粘膜表面各々上に堆積させるような性質であり、かつ該薬理的に有効な量の各部分を、少なくとも1時間に渡り該粘膜表面各々に維持させるような性質である、を与えるのに有効な量の沈殿防止剤を含み、及び該薬剤はデキサメタゾン、プレドニソロン、またはトリアムシノロンアセトニドからなる群から選択される抗炎症ステロイド剤である、上記医薬組成物。
  15. 抗炎症ステロイド剤がトリアムシノロンアセトニドであり、及びアレルギー性鼻炎症状を軽減するのに有効量のトリアムシノロンアセトニドを含む、請求の範囲第14項に記載の医薬組成物。
  16. 該組成物のゲル化粘度が400〜1000 cpの範囲内にあり、及び該組成物の剪断粘度が50〜200 cpの範囲内にある、請求の範囲第15項に記載の医薬組成物。
  17. 該組成物が無臭であり、かつ四級アンモニウム化合物及びキレート剤を含み、及び該沈殿防止剤がマイクロクリスタリンセルロースとナトリウムカルボキシメチルセルロースとの混合物からなる、請求の範囲第16項に記載の医薬組成物。
  18. 該四級アンモニウム化合物がベンザルコニウムクロリドであり、及び該キレート剤がEDTAからなる、請求の範囲第17項に記載の医薬組成物。
  19. 該組成物が予備圧縮ポンプによりスプレーされるものである、請求の範囲第14〜18項のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  20. 該組成物のシキソトロピー性が以下に示す性質である請求の範囲第14項に記載の医薬組成物:(i)非剪断状態における該組成物の粘度が400〜1000 cpであり、該組成物は前記粒子が懸濁したゲル状の形態にあり;(ii)噴霧用に処方する際に該組成物が剪断力(振盪)の作用下に置かれた場合に、該組成物の粘度は50〜200 cpであり、ミスト状態にある該組成物が該鼻道内を容易に流動して該鼻腔の粘膜表面に堆積するような性質であり;及び(iii)該粘膜表面上に堆積した状態において該組成物の粘度が400〜1000 cpであり、該鼻腔に見られる固有の粘膜性の力による該粘膜表面からの排除傾向に対して耐性であるような性質である。
  21. 薬剤粒子を湿潤するのに有効な分散剤を含有する、請求の範囲第14〜19項のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  22. トリアムシノロンアセトニド、マイクロクリスタリンセルロースとナトリウムカルボキシメチルセルロースとの混合物、ポリソルベート80(TM)、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、ベンザルコニウムクロリド、デキストロース、及び精製水を含む、請求の範囲第14〜21項のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  23. 薬理的に有効量の薬剤を含み、各個人の各鼻腔に噴霧され、かつ該薬剤の有効量が、鼻の前部領域、前部鼻腔洞および上顎部腔洞の粘膜表面各々上、および甲介を覆う鼻甲介上にある粘膜表面各々上に堆積し、及び該薬剤の薬理的に有効量が、少なくとも1時間に渡り該粘膜表面各々に維持される、請求の範囲第4〜9項のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  24. 各鼻腔へ投与される投与量として200〜450mcgの薬剤を含む、請求の範囲第14〜23項のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  25. 各個人の各鼻腔へ一日に一度、100〜130mcgの薬剤を含む量において投与される、請求の範囲第24項に記載の医薬組成物。
  26. 投与2時間後において全薬剤の少なくとも47%が各個人の前部腔洞内に堆積された状態で維持される、請求の範囲第14〜23項のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  27. 投与2時間後において全薬剤の少なくとも23%が各個人の下部甲介領域内に堆積された状態で維持される、請求の範囲第14〜23項及び第26項のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  28. 投与2時間後において全薬剤の少なくとも6%が各個人の上部甲介領域内に堆積された状態で維持される、請求の範囲第14〜23項、第26項及び第27項のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  29. 下記を含む製品;
    (A)請求の範囲第1〜9項のいずれか一項に記載の組成物、
    (B)前記組成物を含む容器、及び
    (C)前記容器に付随した予備圧縮ポンプであって、各個人の鼻孔内へ前記組成物の全投与量を噴霧し得るポンプ。
  30. 該容器が該組成物の完全な投与量の2倍より多く含む、請求の範囲第29項に記載の製品。
  31. 該容器が該組成物の完全な投与量の少なくとも120倍を含む、請求の範囲第29項に記載の製品。
  32. 該予備圧縮ポンプが各個人の鼻孔内へ、組成物の少なくとも1完全投与量である100mgを噴霧し得る、請求の範囲第29項記載の製品。
  33. 各個人の鼻腔内に噴霧することができ、無臭であり、推進剤を含まず、かつpH4.5〜7.5である、以下の成分を含む水性医薬組成物:(A)少なくとも85重量%の水;(B)0.001〜2重量%のトリアムシノロンアセトニド薬剤の固体粒子;(C)混合物の重量に対して85〜95重量%のマイクロクリスタリンセルロースと5〜15重量%のカルボキシメチルセルロースとの混合物を含む1〜5重量%の沈殿防止剤であって、沈殿防止剤の前記量は、該組成物中において該粒子の均一な分散状態を維持し、かつ該組成物に以下のシキソトロピー性:(i)非剪断状態における該組成物の粘度は400〜1000 cpであり、該組成物は該粒子が懸濁したゲル状の形態にあり;(ii)噴霧用に処方する際に該組成物が剪断力(振盪)の作用下に置かれた場合に、該組成物の粘度は50〜200 cpであり、ミスト状態にある該組成物は該鼻道内を容易に流動して該鼻腔の粘膜表面に堆積するような性質であり;及び(iii)該粘膜表面上に堆積した状態において、該組成物の粘度は400〜1000 cpであり、該鼻腔に見られる固有の粘膜性の力による該粘膜表面からの排除傾向に対して耐性であるような性質である、を付与する上で有効な量である;(D)0.004〜0.02重量%の抗菌性を有する四級アンモニウム化合物;及び(E)0.01〜0.5重量%のキレート剤。
  34. 該四級アンモニウム化合物がベンザルコニウムクロリドであり、及び該キレート剤がエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムからなる、請求の範囲第33項に記載の医薬組成物。
  35. 薬剤粒子を湿潤するのに有効な分散剤を含有する、請求の範囲第33項に記載の医薬組成物。
  36. 該分散剤がポリソルベート80(TM)である請求の範囲第35項に記載の組成物。
  37. デキストロースを含む、請求の範囲第33項に記載の医薬組成物。
  38. 該薬剤の固形粒子が1〜20μの平均サイズを有する、請求の範囲第33項に記載の医薬組成物。
  39. トリアムシノロンアセトニドの固形粒子状の薬剤、前記薬剤を湿潤させるための分散剤、及び前記粒子を組成物中に均一に分散させかつ組成物にシキソトロピー性を付与するための沈殿防止剤を含む水性医薬組成物を含む製品であって、下記を含む方法により製造される上記製品:(A)前記粒子及び前記分散剤を含む懸濁液を用意し;(B)前記沈殿防止剤を含むシキソトロピー性水性懸濁液を用意し;及び(C)一方の懸濁液を他の懸濁液の底部に導入することにより前記各懸濁液を混合する。
  40. 懸濁液(B)の底部に懸濁液(A)を導入することにより、該懸濁液を混合する、請求の範囲第39項に記載の製品。
  41. 懸濁液(B)の底部に懸濁液(A)をポンプ輸送することにより、懸濁液(B)の底部に懸濁液(A)を導入し、それにより該懸濁液を混合する、請求の範囲第40項に記載の製品。
  42. 懸濁液(A)と(B)を混合する前に、懸濁液(A)に四級化合物の水溶液を添加し、かつ懸濁液(B)に抗浸透圧剤及びキレート剤を添加する、請求の範囲第39項に記載の製品。
  43. トリアムシノロンアセトニドの固形粒子状の薬剤、及び前記粒子を組成物中に均一に分散させかつ組成物にシキソトロピー性を付与するための沈殿防止剤を含む水性医薬組成物を含む製品であって、下記を含む方法により製造される上記製品:(A)前記粒子を含む懸濁液を用意し;(B)前記沈殿防止剤を含むシキソトロピー性水性懸濁液を用意し;及び(C)一方の懸濁液を他の懸濁液の底部に導入することにより前記各懸濁液を混合する。
  44. 懸濁液(B)の底部に懸濁液(A)を導入することにより、該懸濁液を混合する、請求の範囲第43項に記載の製品。
  45. 懸濁液(B)の底部に懸濁液(A)をポンプ輸送することにより、懸濁液(B)の底部に懸濁液(A)を導入し、それにより該懸濁液を混合する、請求の範囲第44項に記載の製品。
  46. 懸濁液(A)と(B)を混合する前に、懸濁液(A)に四級化合物の水溶液を添加し、かつ懸濁液(B)に抗浸透圧剤及びキレート剤を添加する、請求の範囲第43項に記載の製品。
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