JP2004503486A - 新規な水性抗炎症医薬製剤 - Google Patents
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Abstract
本発明は、(2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロピオン酸又はその塩若しくは溶媒化合物の水溶液を含む医薬製剤に関する。アレルギー性鼻炎の治療における当該製剤の方法及び使用についても記載しており、製剤を収容する容器についても記載する。
Description
【0001】
本発明は、呼吸器系疾患の治療に使用するための水性製剤、特に点鼻投与に適した製剤に関する。
【0002】
(2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロピオン酸が、α4β1及びα4β7インテグリンの両者の新規なアンタゴニストであり、その結果有効な抗炎症効果をもたらすことが国際特許出願PCT/EP99/10000に最近記載された(この内容を参照により本明細書に組み入れる)。しかし、上気道の炎症状態、特に鼻の粘膜の炎症を伴う体の異常な状態である鼻炎の治療に適した薬剤が必要とされている。
【0003】
世界中で非常に多くの人が、季節性及び通年性アレルギー性鼻炎を患っている。季節性及び通年性アレルギー性鼻炎の症状として、鼻のかゆみ、うっ血、鼻水、くしゃみ及び涙目等がある。季節性アレルギー性鼻炎は、一般に「花粉症」として知られている。季節性アレルギー性鼻炎は、一年のうち、特定の時期に空気中に存在するアレルゲン、例えば春及び夏の間の木の花粉により引き起こされる。通年性アレルギー性鼻炎は、一年中環境中に存在するアレルゲン、例えば塵ダニ、かび、白かび及びペットの鱗屑により引き起こされる。
【0004】
有効な点鼻用医薬組成物を製造するためには、薬剤が鼻腔のあらゆる部分(標的組織)に容易に分配され、そこで薬理学的機能を発揮しなければならない。さらに、薬剤は、比較的長期間に亘り、標的組織と接触を保つべきである。薬剤がより長く標的組織と接触を保つには、鼻から微粒子を除去する役目を果たす鼻孔内の力に抗することができなければならない。このような力を「粘膜繊毛クリアランス(mucociliary clearance)」と呼び、迅速に、例えば鼻に微粒子が入ったときから10〜30分以内に、鼻からその微粒子を除去するのに、極めて有効であると認められている。
【0005】
点鼻組成物のその他の望ましい性質は、使用者を不快にする成分を決して含まないこと、十分な安定性及び保存性をもつこと、及び環境に有害と考えられる成分、例えばオゾン破壊物質を含まないことである。
【0006】
このため、本発明にしたがい、本発明者らは:
(2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロピオン酸又はその塩若しくは溶媒化合物の水溶液、
を含む医薬製剤を提供する。
【0007】
好ましくは、製剤は一つ又は複数の増粘剤を含む。
【0008】
好ましくは、製剤は一つ又は複数の保存剤を含む。
【0009】
好ましくは、製剤は一つ又は複数の等張性調整剤(等張化剤)を含む。
【0010】
本発明の一つの特定の態様に従い、本発明者らは:
(i) (2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロピオン酸又はその塩若しくは溶媒化合物の水溶液;
(ii) 一つ又は複数の増粘剤;
(iii) 一つ又は複数の保存剤;
(iv) 一つ又は複数の等張性調整剤、
を含む医薬製剤を提供する。
【0011】
本発明の製剤は、塩酸を用いてpHを適当に選択することにより安定させることができる。典型的にはpHを、4.5〜7.5、好ましくは5.0〜6.0、特に好ましくは5.5に調節する。
【0012】
製剤のpHを調節するために使用できる製薬上許容される物質の例として、塩酸及び水酸化ナトリウム等がある。好ましくは、製剤のpHは、塩酸を用いて調整する。
【0013】
水性成分は、好ましくは高品質の水、最も好ましくは純水である。
【0014】
適当な塩の例として、生理学的に許容される塩、例えばカルシウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩のようなアルカリ金属塩並びに(トリスヒドロキシメチル)アミノメタンとの塩等がある。
【0015】
薬剤として特に重要なのは、(2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロピオン酸カリウム塩である。遊離酸もまた重要である。
【0016】
製薬上許容される量の(2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロピオン酸又はその塩若しくは溶媒化合物は、製剤中に、製剤の総重量の好ましくは0.1〜20%(w/w)、好ましくは0.5〜5%(w/w)の量で存在する。典型的には、100μlの製剤溶液に、1mgの(2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロピオン酸又はその塩が含まれる。
【0017】
増粘剤の例として、カルボキシメチルセルロース、ベエガム(veegum)、トラガカント、ベントナイト、メチルセルロース、ポロキサマー(例えばポロキサマー407)及びポリエチレングリコールがある。好ましくは、増粘剤は、微晶性セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウム、最も好ましくは商標名Avicel RC591の製品(典型的には87〜91%の微晶性セルロース及び9〜13%のカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む)として使用されているものである。微粒子の微晶性セルロースは、好ましくは1〜100μmの範囲の粒径をもつ。本発明者らは、Avicel RC591が製剤にチキソトロピック性を与えることにより、増粘剤として働くと考えている。
【0018】
好ましくは、増粘剤はチキソトロピック性をもち、そのため製剤は、静止状態で、高い粘性値を特徴とするゲル状の外観を確実に呈する。組成物がスプレー前の攪拌により生じる力のようなせん断力を受けたとき、製剤の粘性は、スプレー装置を通して容易に流動できて、細かい霧のスプレーとして放出されるようなレベルに低下するのが好ましい。この霧は、次に鼻前部(前鼻孔)、前頭洞、上顎洞、及び鼻腔の甲介の上にある鼻甲介の粘膜表面に浸潤することができる。好ましいことに、一度付着すると、製剤の粘性は上昇して、ゲル状態を呈するのに十分なレベルになり、鼻腔内に存在する固有の粘膜繊毛の力によって鼻腔から除かれないようになる。
【0019】
本発明の製剤が増粘剤を含む場合、この機能を達成するために適当な量で添加されることが望ましい。好ましくは増粘剤は、製剤中に、製剤の総重量の0.1〜5%(w/w)、特に好ましくは1.5%(w/w)の量で存在する。
【0020】
安定性の目的より、本発明の製剤を、微生物の汚染及び増殖から保護するべきである。本製剤に使用できる製薬上許容される抗菌剤の例として、第四アンモニウム化合物(例えば塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、セトリミド及び塩化セチルピリジニウム)、水銀剤(例えば硝酸フェニル水銀、酢酸フェニル水銀及びチメロサール)、アルコール性薬剤(例えばクロロブタノール、フェニルエチルアルコール及びベンジルアルコール)、抗菌性エステル(例えばパラヒドロキシ安息香酸のエステル)及びその他の抗微生物性剤、例えばクロルヘキシジン、クロロクレゾール及びポリミキシンがある。
【0021】
好ましくは、この保存剤はフェニルエチルアルコールからなり、好ましくは製剤中で製剤の総重量の0.05〜5%(v/w)、特に好ましくは0.25%(v/w)の量で存在する。
【0022】
好ましくは、保存剤は塩化ベンザルコニウムからなり、好ましくは、製剤中に、製剤の総重量の0.001〜1%(w/w)、特に好ましくは0.02%(w/w)の量で存在する。
【0023】
より好ましくは、保存剤はフェニルエチルアルコール及び塩化ベンザルコニウムからなる。
【0024】
等張性調整剤は、体液、例えば鼻腔液との等張性を達成するために存在し、結果として多くの点鼻製剤に伴う不快感のレベルを低くする。適当な等張性調整剤の例は、塩化ナトリウム、デキストロース及び塩化カルシウムである。好ましくは、等張性調整剤はデキストロースであり、最も好ましくは無水デキストロースとして使用される。
【0025】
本発明の製剤が等張性調整剤を含む場合、この機能を達成するのに十分な量を添加することが望ましい。好ましくは等張性調整剤は、製剤中に、製剤の総重量の0.1〜10%(w/w)、特に好ましくは5.0%(w/w)の量で存在する。
【0026】
場合によっては、別の活性成分を製剤に組み入れることが可能である。特に、鼻腔投与に適当なのは、コルチコステロイド(例えばプロピオン酸フルチカゾン)又は抗ヒスタミン剤(例えばロラタジン)等である。
【0027】
典型的に、本発明の製剤は、1回の投与量を容量によって計量することができる適当な容器、例えば鼻用アプリケーターを備えた多数回使用の容器に入れられる。
【0028】
本発明の製剤を鼻孔に投与するための好ましい手段は、予備圧縮ポンプの使用である。最も好ましくは、予備圧縮ポンプはValois SAにより製造されているVP7モデルである。このようなポンプは、十分な力がかかるまで製剤が放出されないように確保するので有益である。さもなければ1回投与量より少ない量が投与される可能性がある。予備圧縮ポンプのもう一つの利点は、効果的にスプレーを噴霧する限界圧力が達成できるまで製剤を放出しないので、スプレーの噴霧化が確実になることである。典型的に、VP7モデルは16.5mlの製剤を保持できる。スプレー毎に典型的にこのような製剤を100μl分配するため、VP7モデルは、少なくとも約120回の定量投与を提供することができる。
【0029】
本発明の製剤の適当な投与法は、鼻に投与する場合、鼻腔を清浄にしてから患者が深く吸入することである。吸入の間、製剤を鼻孔の一方に投与し、もう一方を手で押さえておく。次いでこの手順を、もう一方の鼻孔について繰り返す。
【0030】
好ましくは、本発明の製剤は、1回投与当たり0.1〜20mg、最も好ましくは、1回投与当たり0.5〜5mgの(2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロピオン酸(又はその塩若しくは溶媒化合物)を含む。
【0031】
典型的には、上記の手順により、鼻孔あたり1回又は2回の吸入で、1日3回まで投与される。
【0032】
上記の投与方式は、患者の年齢、体重及び/又は症状の重さによって調整すべきである。
【0033】
本発明の製剤が有効な抗炎症効果をもつ可能性がある病状の例として、鼻腔に関するアレルギー、特にアレルギー性鼻炎がある。
【0034】
このように、本発明のさらなる態様に従い、本発明者らは、アレルギー性鼻炎の治療又は予防に使用するための本発明の医薬製剤を提供する。
【0035】
本発明者らはまた、アレルギー性鼻炎の治療又は予防用の薬剤の製造における本発明の医薬製剤の使用を提供する。
【0036】
本発明者らはまた、製薬上許容できる量の本発明の製剤を患者に投与することを含むアレルギー性鼻炎の治療法を提供する。
【0037】
以下の実施例を参照することにより、本発明の製剤をさらに具体的に例示する。
【0038】
実施例 A : (2S)−3−[4−({[4−( アミノカルボニル )−1− ピペリジニル ] カルボニル } オキシ ) フェニル ]−2−[((2S)−4− メチル −2−{[2−(2− メチルフェノキシ ) アセチル ] アミノ } ペンタノイル ) アミノ ] プロピオン酸カリウム塩
Wang樹脂(50g)に、DMF(475ml)中の(2S)−3−[4−(アリルオキシ)フェニル]−2−[tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピオン酸(115.8g)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(48.6g)の溶液を添加した。15分後、1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(56.5ml)を添加し、混合物を24時間45℃で攪拌した。樹脂を濾過し、DMF(3×360ml)、メタノール(3×360ml)及びジクロロメタン(3×700ml)で洗浄した。樹脂のジクロロメタン(644ml)中スラリーに、ピリジン(14.7ml)を添加した。無水酢酸(26.9ml)を添加し、混合物を12時間20℃で攪拌した。樹脂を濾過し、ジクロロメタン(3×550ml)、メタノール(3×370ml)及びジクロロメタン(3×550ml)で洗浄した。
【0039】
樹脂20gのジクロロメタン(100ml)中スラリーを2〜5℃まで冷却し、ジクロロメタン(80ml)中のフェノール(20g)の溶液で処理した。クロロトリメチルシラン(20ml)を滴下し、混合物を6時間2〜5℃で攪拌した。樹脂を濾過し、ジクロロメタン(3×200ml)、メタノール(3×200ml)、DMF中10%の水(2×200ml)、DMF中10%のジイソプロピルエチルアミン(3×200ml)、DMF(200ml)、メタノール(3×200ml)及びジクロロメタン(3×200ml)で洗浄した。
【0040】
樹脂のDMF(55ml)中スラリーを、DMF(85ml)中のFmocロイシン(32.7g)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(12.5g)の溶液で処理した。5分後、1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(19.3ml)を添加し、混合物を15時間20℃で攪拌した。樹脂を濾過し、DMF(3×150ml)、メタノール(3×150ml)及びジクロロメタン(3×150ml)で洗浄した。
【0041】
樹脂をDMF(180ml)中の20%ピペリジンで処理し、1時間20℃で攪拌した。樹脂を濾過し、DMF(3×150ml)、ジクロロメタン(3×150ml)、DMF(3×150ml)及びジクロロメタン(3×150ml)で洗浄した。これのDMF(50ml)中スラリーに、DMF(100ml)中の(2−メチルフェノキシ)酢酸(17.9g)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(14.6g)の溶液を添加した。5分後、1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(16.9ml)を添加し、混合物を65時間20℃で攪拌した。樹脂を濾過し、DMF(2×150ml)、メタノール(3×150ml)及びジクロロメタン(3×150ml)で洗浄した。
【0042】
樹脂のジクロロメタン(60ml)中スラリーを、ジクロロメタン(140ml)中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(5.21g)の溶液、次いでモルホリン(13ml)で処理した。混合物を2時間20℃で攪拌し、次に樹脂を濾過し、ジクロロメタン(7×200ml)で洗浄した。
【0043】
樹脂のジクロロメタン(160ml)中スラリーを、ジイソプロピルエチルアミン(12.4ml)で処理し、次いで5分間隔で3回に分けて4−ニトロフェニルクロロホルメート(24.8g)で処理した。混合物を1時間20℃で攪拌した。樹脂を濾過し、ジクロロメタン(3×200ml)で洗浄した。樹脂をDMF(180ml)中のイソニペコトアミド(15.8g)の溶液で処理し、混合物を1.5時間20℃で攪拌した。樹脂を濾過し、DMF(4×200ml)及びジクロロメタン(2×200ml)で洗浄した。
【0044】
樹脂をジクロロメタン(200ml)中の50%TFAで処理した。1時間20℃で攪拌した後、樹脂を濾過し、ジクロロメタン(5×200ml)で洗浄した。ろ液と洗浄液を合わせて、真空下で蒸発させた。残渣をトルエンと共沸させ(2×200ml)、次いでエーテル(50ml)を用いて粉末にして、得られた白色の固体を濾過した。これにアセトニトリル(150ml)を添加し、混合物を加熱して還流した。得られた懸濁液を20℃に冷却し、18時間攪拌した。混合物を濾過し、(2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロピオン酸を白色の固体(4.9g)として得た。
【0045】
メタノール(150ml)中の(2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロピオン酸(10g)の懸濁液を温めて還流し、透明な溶液を得た。これに水(7.5ml)中の炭酸カリウム(1.16g)の溶液を添加した。還流しながら2分間加熱した後、溶剤を真空下で蒸発させ、さくさくした泡状物を得た。これにアセトニトリル(100ml)を添加し、混合物を温めて還流すると、その間に泡状物は崩壊し、結晶化が始まった。10分後、混合物を20℃まで冷却し、次いで減圧下で濾過し、アセトニトリル(25ml)及びエーテル(50ml)で洗浄して、標記化合物を白色の固体(10.65g、100%)として得た。
【0046】
実施例1
【0047】
Valois VP7予備圧縮ポンプにより分配される定容量100μl中に、約1mgの(2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロピオン酸カリウム塩が含まれる。
【0048】
実施例2
【0049】
Valois VP7予備圧縮ポンプにより分配される定容量100μl中に、約1mgの(2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロピオン酸カリウム塩が含まれる。
【0050】
明細書及び特許請求の範囲を通じて、特に指示がなければ、「からなる」又は「含む」の語及びそれらの語尾変化形は、述べられている1つ以上の物質若しくは工程を含むことを意味するが、他の物質又は工程を除くことを意味するわけではない。
【0051】
上述した特許出願の内容は、参照により本願明細書に組み入れる。
本発明は、呼吸器系疾患の治療に使用するための水性製剤、特に点鼻投与に適した製剤に関する。
【0002】
(2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロピオン酸が、α4β1及びα4β7インテグリンの両者の新規なアンタゴニストであり、その結果有効な抗炎症効果をもたらすことが国際特許出願PCT/EP99/10000に最近記載された(この内容を参照により本明細書に組み入れる)。しかし、上気道の炎症状態、特に鼻の粘膜の炎症を伴う体の異常な状態である鼻炎の治療に適した薬剤が必要とされている。
【0003】
世界中で非常に多くの人が、季節性及び通年性アレルギー性鼻炎を患っている。季節性及び通年性アレルギー性鼻炎の症状として、鼻のかゆみ、うっ血、鼻水、くしゃみ及び涙目等がある。季節性アレルギー性鼻炎は、一般に「花粉症」として知られている。季節性アレルギー性鼻炎は、一年のうち、特定の時期に空気中に存在するアレルゲン、例えば春及び夏の間の木の花粉により引き起こされる。通年性アレルギー性鼻炎は、一年中環境中に存在するアレルゲン、例えば塵ダニ、かび、白かび及びペットの鱗屑により引き起こされる。
【0004】
有効な点鼻用医薬組成物を製造するためには、薬剤が鼻腔のあらゆる部分(標的組織)に容易に分配され、そこで薬理学的機能を発揮しなければならない。さらに、薬剤は、比較的長期間に亘り、標的組織と接触を保つべきである。薬剤がより長く標的組織と接触を保つには、鼻から微粒子を除去する役目を果たす鼻孔内の力に抗することができなければならない。このような力を「粘膜繊毛クリアランス(mucociliary clearance)」と呼び、迅速に、例えば鼻に微粒子が入ったときから10〜30分以内に、鼻からその微粒子を除去するのに、極めて有効であると認められている。
【0005】
点鼻組成物のその他の望ましい性質は、使用者を不快にする成分を決して含まないこと、十分な安定性及び保存性をもつこと、及び環境に有害と考えられる成分、例えばオゾン破壊物質を含まないことである。
【0006】
このため、本発明にしたがい、本発明者らは:
(2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロピオン酸又はその塩若しくは溶媒化合物の水溶液、
を含む医薬製剤を提供する。
【0007】
好ましくは、製剤は一つ又は複数の増粘剤を含む。
【0008】
好ましくは、製剤は一つ又は複数の保存剤を含む。
【0009】
好ましくは、製剤は一つ又は複数の等張性調整剤(等張化剤)を含む。
【0010】
本発明の一つの特定の態様に従い、本発明者らは:
(i) (2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロピオン酸又はその塩若しくは溶媒化合物の水溶液;
(ii) 一つ又は複数の増粘剤;
(iii) 一つ又は複数の保存剤;
(iv) 一つ又は複数の等張性調整剤、
を含む医薬製剤を提供する。
【0011】
本発明の製剤は、塩酸を用いてpHを適当に選択することにより安定させることができる。典型的にはpHを、4.5〜7.5、好ましくは5.0〜6.0、特に好ましくは5.5に調節する。
【0012】
製剤のpHを調節するために使用できる製薬上許容される物質の例として、塩酸及び水酸化ナトリウム等がある。好ましくは、製剤のpHは、塩酸を用いて調整する。
【0013】
水性成分は、好ましくは高品質の水、最も好ましくは純水である。
【0014】
適当な塩の例として、生理学的に許容される塩、例えばカルシウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩のようなアルカリ金属塩並びに(トリスヒドロキシメチル)アミノメタンとの塩等がある。
【0015】
薬剤として特に重要なのは、(2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロピオン酸カリウム塩である。遊離酸もまた重要である。
【0016】
製薬上許容される量の(2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロピオン酸又はその塩若しくは溶媒化合物は、製剤中に、製剤の総重量の好ましくは0.1〜20%(w/w)、好ましくは0.5〜5%(w/w)の量で存在する。典型的には、100μlの製剤溶液に、1mgの(2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロピオン酸又はその塩が含まれる。
【0017】
増粘剤の例として、カルボキシメチルセルロース、ベエガム(veegum)、トラガカント、ベントナイト、メチルセルロース、ポロキサマー(例えばポロキサマー407)及びポリエチレングリコールがある。好ましくは、増粘剤は、微晶性セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウム、最も好ましくは商標名Avicel RC591の製品(典型的には87〜91%の微晶性セルロース及び9〜13%のカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む)として使用されているものである。微粒子の微晶性セルロースは、好ましくは1〜100μmの範囲の粒径をもつ。本発明者らは、Avicel RC591が製剤にチキソトロピック性を与えることにより、増粘剤として働くと考えている。
【0018】
好ましくは、増粘剤はチキソトロピック性をもち、そのため製剤は、静止状態で、高い粘性値を特徴とするゲル状の外観を確実に呈する。組成物がスプレー前の攪拌により生じる力のようなせん断力を受けたとき、製剤の粘性は、スプレー装置を通して容易に流動できて、細かい霧のスプレーとして放出されるようなレベルに低下するのが好ましい。この霧は、次に鼻前部(前鼻孔)、前頭洞、上顎洞、及び鼻腔の甲介の上にある鼻甲介の粘膜表面に浸潤することができる。好ましいことに、一度付着すると、製剤の粘性は上昇して、ゲル状態を呈するのに十分なレベルになり、鼻腔内に存在する固有の粘膜繊毛の力によって鼻腔から除かれないようになる。
【0019】
本発明の製剤が増粘剤を含む場合、この機能を達成するために適当な量で添加されることが望ましい。好ましくは増粘剤は、製剤中に、製剤の総重量の0.1〜5%(w/w)、特に好ましくは1.5%(w/w)の量で存在する。
【0020】
安定性の目的より、本発明の製剤を、微生物の汚染及び増殖から保護するべきである。本製剤に使用できる製薬上許容される抗菌剤の例として、第四アンモニウム化合物(例えば塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、セトリミド及び塩化セチルピリジニウム)、水銀剤(例えば硝酸フェニル水銀、酢酸フェニル水銀及びチメロサール)、アルコール性薬剤(例えばクロロブタノール、フェニルエチルアルコール及びベンジルアルコール)、抗菌性エステル(例えばパラヒドロキシ安息香酸のエステル)及びその他の抗微生物性剤、例えばクロルヘキシジン、クロロクレゾール及びポリミキシンがある。
【0021】
好ましくは、この保存剤はフェニルエチルアルコールからなり、好ましくは製剤中で製剤の総重量の0.05〜5%(v/w)、特に好ましくは0.25%(v/w)の量で存在する。
【0022】
好ましくは、保存剤は塩化ベンザルコニウムからなり、好ましくは、製剤中に、製剤の総重量の0.001〜1%(w/w)、特に好ましくは0.02%(w/w)の量で存在する。
【0023】
より好ましくは、保存剤はフェニルエチルアルコール及び塩化ベンザルコニウムからなる。
【0024】
等張性調整剤は、体液、例えば鼻腔液との等張性を達成するために存在し、結果として多くの点鼻製剤に伴う不快感のレベルを低くする。適当な等張性調整剤の例は、塩化ナトリウム、デキストロース及び塩化カルシウムである。好ましくは、等張性調整剤はデキストロースであり、最も好ましくは無水デキストロースとして使用される。
【0025】
本発明の製剤が等張性調整剤を含む場合、この機能を達成するのに十分な量を添加することが望ましい。好ましくは等張性調整剤は、製剤中に、製剤の総重量の0.1〜10%(w/w)、特に好ましくは5.0%(w/w)の量で存在する。
【0026】
場合によっては、別の活性成分を製剤に組み入れることが可能である。特に、鼻腔投与に適当なのは、コルチコステロイド(例えばプロピオン酸フルチカゾン)又は抗ヒスタミン剤(例えばロラタジン)等である。
【0027】
典型的に、本発明の製剤は、1回の投与量を容量によって計量することができる適当な容器、例えば鼻用アプリケーターを備えた多数回使用の容器に入れられる。
【0028】
本発明の製剤を鼻孔に投与するための好ましい手段は、予備圧縮ポンプの使用である。最も好ましくは、予備圧縮ポンプはValois SAにより製造されているVP7モデルである。このようなポンプは、十分な力がかかるまで製剤が放出されないように確保するので有益である。さもなければ1回投与量より少ない量が投与される可能性がある。予備圧縮ポンプのもう一つの利点は、効果的にスプレーを噴霧する限界圧力が達成できるまで製剤を放出しないので、スプレーの噴霧化が確実になることである。典型的に、VP7モデルは16.5mlの製剤を保持できる。スプレー毎に典型的にこのような製剤を100μl分配するため、VP7モデルは、少なくとも約120回の定量投与を提供することができる。
【0029】
本発明の製剤の適当な投与法は、鼻に投与する場合、鼻腔を清浄にしてから患者が深く吸入することである。吸入の間、製剤を鼻孔の一方に投与し、もう一方を手で押さえておく。次いでこの手順を、もう一方の鼻孔について繰り返す。
【0030】
好ましくは、本発明の製剤は、1回投与当たり0.1〜20mg、最も好ましくは、1回投与当たり0.5〜5mgの(2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロピオン酸(又はその塩若しくは溶媒化合物)を含む。
【0031】
典型的には、上記の手順により、鼻孔あたり1回又は2回の吸入で、1日3回まで投与される。
【0032】
上記の投与方式は、患者の年齢、体重及び/又は症状の重さによって調整すべきである。
【0033】
本発明の製剤が有効な抗炎症効果をもつ可能性がある病状の例として、鼻腔に関するアレルギー、特にアレルギー性鼻炎がある。
【0034】
このように、本発明のさらなる態様に従い、本発明者らは、アレルギー性鼻炎の治療又は予防に使用するための本発明の医薬製剤を提供する。
【0035】
本発明者らはまた、アレルギー性鼻炎の治療又は予防用の薬剤の製造における本発明の医薬製剤の使用を提供する。
【0036】
本発明者らはまた、製薬上許容できる量の本発明の製剤を患者に投与することを含むアレルギー性鼻炎の治療法を提供する。
【0037】
以下の実施例を参照することにより、本発明の製剤をさらに具体的に例示する。
【0038】
実施例 A : (2S)−3−[4−({[4−( アミノカルボニル )−1− ピペリジニル ] カルボニル } オキシ ) フェニル ]−2−[((2S)−4− メチル −2−{[2−(2− メチルフェノキシ ) アセチル ] アミノ } ペンタノイル ) アミノ ] プロピオン酸カリウム塩
Wang樹脂(50g)に、DMF(475ml)中の(2S)−3−[4−(アリルオキシ)フェニル]−2−[tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピオン酸(115.8g)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(48.6g)の溶液を添加した。15分後、1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(56.5ml)を添加し、混合物を24時間45℃で攪拌した。樹脂を濾過し、DMF(3×360ml)、メタノール(3×360ml)及びジクロロメタン(3×700ml)で洗浄した。樹脂のジクロロメタン(644ml)中スラリーに、ピリジン(14.7ml)を添加した。無水酢酸(26.9ml)を添加し、混合物を12時間20℃で攪拌した。樹脂を濾過し、ジクロロメタン(3×550ml)、メタノール(3×370ml)及びジクロロメタン(3×550ml)で洗浄した。
【0039】
樹脂20gのジクロロメタン(100ml)中スラリーを2〜5℃まで冷却し、ジクロロメタン(80ml)中のフェノール(20g)の溶液で処理した。クロロトリメチルシラン(20ml)を滴下し、混合物を6時間2〜5℃で攪拌した。樹脂を濾過し、ジクロロメタン(3×200ml)、メタノール(3×200ml)、DMF中10%の水(2×200ml)、DMF中10%のジイソプロピルエチルアミン(3×200ml)、DMF(200ml)、メタノール(3×200ml)及びジクロロメタン(3×200ml)で洗浄した。
【0040】
樹脂のDMF(55ml)中スラリーを、DMF(85ml)中のFmocロイシン(32.7g)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(12.5g)の溶液で処理した。5分後、1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(19.3ml)を添加し、混合物を15時間20℃で攪拌した。樹脂を濾過し、DMF(3×150ml)、メタノール(3×150ml)及びジクロロメタン(3×150ml)で洗浄した。
【0041】
樹脂をDMF(180ml)中の20%ピペリジンで処理し、1時間20℃で攪拌した。樹脂を濾過し、DMF(3×150ml)、ジクロロメタン(3×150ml)、DMF(3×150ml)及びジクロロメタン(3×150ml)で洗浄した。これのDMF(50ml)中スラリーに、DMF(100ml)中の(2−メチルフェノキシ)酢酸(17.9g)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(14.6g)の溶液を添加した。5分後、1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(16.9ml)を添加し、混合物を65時間20℃で攪拌した。樹脂を濾過し、DMF(2×150ml)、メタノール(3×150ml)及びジクロロメタン(3×150ml)で洗浄した。
【0042】
樹脂のジクロロメタン(60ml)中スラリーを、ジクロロメタン(140ml)中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(5.21g)の溶液、次いでモルホリン(13ml)で処理した。混合物を2時間20℃で攪拌し、次に樹脂を濾過し、ジクロロメタン(7×200ml)で洗浄した。
【0043】
樹脂のジクロロメタン(160ml)中スラリーを、ジイソプロピルエチルアミン(12.4ml)で処理し、次いで5分間隔で3回に分けて4−ニトロフェニルクロロホルメート(24.8g)で処理した。混合物を1時間20℃で攪拌した。樹脂を濾過し、ジクロロメタン(3×200ml)で洗浄した。樹脂をDMF(180ml)中のイソニペコトアミド(15.8g)の溶液で処理し、混合物を1.5時間20℃で攪拌した。樹脂を濾過し、DMF(4×200ml)及びジクロロメタン(2×200ml)で洗浄した。
【0044】
樹脂をジクロロメタン(200ml)中の50%TFAで処理した。1時間20℃で攪拌した後、樹脂を濾過し、ジクロロメタン(5×200ml)で洗浄した。ろ液と洗浄液を合わせて、真空下で蒸発させた。残渣をトルエンと共沸させ(2×200ml)、次いでエーテル(50ml)を用いて粉末にして、得られた白色の固体を濾過した。これにアセトニトリル(150ml)を添加し、混合物を加熱して還流した。得られた懸濁液を20℃に冷却し、18時間攪拌した。混合物を濾過し、(2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロピオン酸を白色の固体(4.9g)として得た。
【0045】
メタノール(150ml)中の(2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロピオン酸(10g)の懸濁液を温めて還流し、透明な溶液を得た。これに水(7.5ml)中の炭酸カリウム(1.16g)の溶液を添加した。還流しながら2分間加熱した後、溶剤を真空下で蒸発させ、さくさくした泡状物を得た。これにアセトニトリル(100ml)を添加し、混合物を温めて還流すると、その間に泡状物は崩壊し、結晶化が始まった。10分後、混合物を20℃まで冷却し、次いで減圧下で濾過し、アセトニトリル(25ml)及びエーテル(50ml)で洗浄して、標記化合物を白色の固体(10.65g、100%)として得た。
【0046】
実施例1
【0047】
Valois VP7予備圧縮ポンプにより分配される定容量100μl中に、約1mgの(2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロピオン酸カリウム塩が含まれる。
【0048】
実施例2
【0049】
Valois VP7予備圧縮ポンプにより分配される定容量100μl中に、約1mgの(2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロピオン酸カリウム塩が含まれる。
【0050】
明細書及び特許請求の範囲を通じて、特に指示がなければ、「からなる」又は「含む」の語及びそれらの語尾変化形は、述べられている1つ以上の物質若しくは工程を含むことを意味するが、他の物質又は工程を除くことを意味するわけではない。
【0051】
上述した特許出願の内容は、参照により本願明細書に組み入れる。
Claims (23)
- (2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロピオン酸又はその塩若しくは溶媒化合物の水溶液を含む医薬製剤。
- 一つ又は複数の増粘剤を含む、請求項1に記載の医薬製剤。
- 増粘剤が、微晶性セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムである、請求項2に記載の医薬製剤。
- 増粘剤が、製剤の総重量の0.1〜5%(w/w)の量で存在する、請求項2又は3に記載の医薬製剤。
- 一つ又は複数の保存剤を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬製剤。
- 保存剤が、フェニルエチルアルコールからなる、請求項5に記載の医薬製剤。
- フェニルエチルアルコールが、製剤中に、製剤の総重量の0.05〜5%(v/w)の量で存在する、請求項6に記載の医薬製剤。
- 保存剤が、塩化ベンザルコニウムからなる、請求項5に記載の医薬製剤。
- 塩化ベンザルコニウムが、製剤中に、製剤の総重量の0.001〜1%(w/w)の量で存在する、請求項8に記載の医薬製剤。
- 保存剤が、フェニルエチルアルコール及び塩化ベンザルコニウムからなる、請求項5〜9のいずれか1項に記載の医薬製剤。
- 一つ又は複数の等張性調整剤を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の医薬製剤。
- 等張性調整剤が、デキストロースである、請求項11に記載の医薬製剤。
- デキストロースが、製剤中に、製剤の総重量の0.1〜10%(w/w)の量で存在する、請求項12に記載の医薬製剤。
- 鼻腔液と等張であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の医薬製剤。
- pH5〜7に緩衝されている、請求項1〜14のいずれか1項に記載の医薬製剤。
- 塩酸を用いて緩衝されている、請求項15に記載の医薬製剤。
- (2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロピオン酸又はその塩若しくは溶媒化合物が、製剤中に、製剤の総重量の0.1〜20%(w/w)の量で存在する、請求項1〜16のいずれか1項に記載の医薬製剤。
- (2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロピオン酸又はその塩若しくは溶媒化合物が、製剤中に、製剤の総重量の0.5〜5%(w/w)の量で存在する、請求項17に記載の医薬製剤。
- (2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロピオン酸が、カリウム塩として存在する、請求項1〜18のいずれか1項に記載の医薬製剤。
- 請求項1〜19のいずれか1項に記載の医薬製剤を含み、該医薬製剤を点鼻スプレーの形態で投与するのに適した容器。
- アレルギー性鼻炎の治療又は予防に使用する、請求項1〜19のいずれか1項に記載の医薬製剤。
- アレルギー性鼻炎の治療又は予防用薬剤の製造における、請求項1〜19のいずれか1項に記載の医薬製剤の使用。
- 製薬上許容される量の請求項1〜19の製剤を患者に投与することを含む、アレルギー性鼻炎の治療方法。
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