JP2005280137A - マット調熱収縮積層延伸フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた熱収縮性と、収縮後に優れたマット調に艶消しされた風合いと耐摩耗性を有するマット調熱収縮積層フィルムを提供すること。
【解決手段】ポリプロピレン系樹脂層(A)の少なくとも一方の面に、3次元表面平均粗さが0.15μm以上であるポリプロピレン系樹脂マット層(B)が積層された積層フィルムであって、120℃における熱収縮率が25%以上であることを特徴とする。

Description

本発明は、マット調熱収縮積層延伸フィルムに関し、さらに詳しくは、優れた熱収縮性と、収縮後に優れたマット調に艶消しされた風合いを有し、耐摩耗性に優れたマット調熱収縮積層延伸フィルムに関するものである。
近年、食料品や医薬品、或いは日用品や玩具等の商品の包装に、熱収縮性包装フィルムによる熱収縮包装が多用されている。
従来、熱収縮性包装フィルムとしては、ポリ塩化ビニル系フィルム、ポリエチレン系フィルム、ポリプロピレン系フィルム等の熱収縮性包装フィルムが知られているが、透明性、価格、使用後の廃棄処理の容易さ、包装機械適性等が優れていること等から、ポリプロピレン系熱収縮性包装フィルムが好んで使用される。
また、包装する商品には印刷等による意匠・表示がされており、包装フィルムとしては透明性の高いものが好まれていたが、近年、カップ麺の包装のように商品の容器には印刷しないか又は簡単な印刷のみとし、外装に用いる熱収縮フィルムに商品の意匠・表示を印刷して包装することにより、容器の統一化や容器の材質等の簡略化をしようとする動きが出てきている。
ところで、通常、熱収縮包装フィルムに印刷を施す際は、商品側すなわち包装フィルムの内面側に印刷するので、商品を包装した際は、すべて光沢感の高いものになってしまう。
しかしながら、包装する商品によっては、包装に光沢感がないものが好まれる場合がある。例えば、和風調の食品や、日本酒等の包装の場合、光沢感のない包装用材料が好まれる場合があるが、包装用のフィルムの光沢感をなくす手段としては下記の2つの手段が考えられる。
第1の手段としては、非相溶な樹脂組成等を組み合わせたフィルムを延伸してマット調のフィルム(特許文献1、2参照)を得る方法があるが、しかしながら、熱収縮包装用フィルムではない。一方、熱収縮フィルム(特許文献3、4、5参照)は知られているが透明な収縮フィルムであってマット調のフィルムではなく、マット調化による光沢低減と熱収縮包装性を両立するフィルムについては知られていない。
第2の手段としては、熱収縮包装フィルムの表側にマット印刷等をすることにより、マット調に艶消しされた風合いを付与する手段が知られている。しかしながら、熱収縮包装フィルムの表側にマット印刷をした場合、耐摩耗性に劣り、商品の輸送等で印刷に傷が入ったり、熱収縮包装によりフィルムが収縮した際にマット印刷層が剥がれ易いという問題があった。
また、一般に、マット調フィルムは、その欠点として異物等の検品が困難なことが挙げられる。すなわち、透過型の欠点検知器ではマット調が強いと異物を検知できず、不良品が流出するという問題があった。
特許第3077394号公報 特許第3045600号公報 特開2003−112395号公報 特開2002−69212号公報 特開2000−273201号公報
本発明は、上記従来のマット調フィルムの有する問題点に鑑みなされたもので、優れた熱収縮性と、収縮後に優れたマット調に艶消しされた風合いと耐摩耗性を有するマット調熱収縮積層フィルムを提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明のマット調熱収縮積層延伸フィルムは、ポリプロピレン系樹脂層Aの少なくとも一方の面に、3次元表面平均粗さが0.15μm以上であるポリプロピレン系樹脂マット層Bが積層された積層フィルムであって、120℃における熱収縮率が25%以上であることを特徴とする。
この場合において、マット調熱収縮積層延伸フィルムを、ポリプロピレン系樹脂マット層B表面の光沢度を70%以上、120℃における熱収縮後の上記表面の光沢度を熱収縮前の光沢度の75%以下とすることができる。
また、マット調熱収縮積層延伸フィルムを、厚み精度を±5%以内とすることができる。
また、マット調熱収縮積層延伸フィルムを、少なくとも一軸方向に3倍以上延伸して得たものとすることができる。
また、マット調熱収縮積層延伸フィルムを、ポリプロピレン系樹脂層Aを形成する溶融樹脂層の少なくとも一方の面に、ポリプロピレン系樹脂マット層Bを形成する溶融樹脂層をT型ダイにて積層、押出し成形、延伸して得たものとすることができる。
また、ポリプロピレン系樹脂マット層Bを、プロピレンと他のオレフィンとのポリプロピレン系ブロック共重合体を含有するものとすることができる。
また、ポリプロピレン系樹脂層Aを、85〜99重量%のプロピレンと1〜15重量%の他のオレフィンとのランダム共重合体とすることができる。
さらにまた、ポリプロピレン系樹脂層Aを、融点130〜150℃のポリプロピレン共重合体を主成分とするものとすることができる。
本発明のマット調熱収縮積層延伸フィルムによれば、優れた熱収縮性と、収縮後に優れたマット調に艶消しされた風合いを有し、耐摩耗性に優れる点で、和風調の食品や、日本酒等の包装の場合等、光沢感のないものが好まれる場合の収縮包装用フィルムとして有用である。そして、ポリプロピレン系樹脂マット層B表面の光沢度を70%以上とし、120℃における熱収縮後の上記表面の光沢度を熱収縮前の光沢度の75%以下とすることにより、未収縮の状態でマット感が薄く、異物等の検品を容易に行うことができる。また、マット調熱収縮積層延伸フィルムの厚み精度を±5%以内とすることにより、多色印刷時の印刷ピッチのずれを低減させることができる。
以下、本発明のマット調熱収縮積層延伸フィルムの実施の形態を説明する。
本発明におけるマット調熱収縮積層延伸フィルムは、ポリプロピレン系樹脂層Aの少なくとも一方の面に、3次元表面平均粗さが0.15μmであるポリプロピレン系樹脂マット層Bが積層された積層フィルムであって、その120℃における熱収縮率が25%以上のフィルムである。
本発明におけるマット調熱収縮積層延伸フィルムのポリプロピレン系樹脂マット層Bの表面粗さは、その3次元表面平均粗さが0.15μm以上、好ましくは0.15〜0.50μmである。3次元表面平均粗さが0.15μm未満では、熱収縮後に十分なマット調の艶消し効果を有するフィルムを得ることができない。
本発明におけるマット調熱収縮積層延伸フィルムのポリプロピレン系樹脂マット層Bを形成するポリプロピレン系樹脂は、その表面の3次元表面平均粗さが0.15μm以上の表面粗さを発現することができる樹脂であれば任意のポリプロピレン系樹脂を用いることができるが、好ましくは、ポリプロピレン系ブロック共重合体又はポリプロピレン系ブロック共重合体を主成分としポリプロピレン又はポリプロピレン系ランダム共重合体、他のオレフィン系樹脂等を一部混合したものとすることで、マット調の艶消し感の調整、溶断シール性の調整等を特に好ましく行うことができる。
ここでいうポリプロピレン系ブロック共重合体は、好ましくは、多量のプロピレンと少量のオレフィン、例えば、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン等との共重合成分の単位と、少量のプロピレンと多量のα−オレフィン、例えば、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン等との共重合成分の単位とのブロック共重合体であり、プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・ブテン−1ブロック共重合体、プロピレン・エチレン・ジエン三元ブロック共重合体等を例示することができる。これらの中でも、均一な表面粗さのマット調の艶消しが得られることからポリエチレン単位を含有するブロック共重合体が好ましい。ポリプロピレン系ブロック共重合体中のプロピレン以外のオレフィンの量は、特に限定されないが、3〜30重量%が好ましく、さらに3〜10重量%であるのが好ましい。他のオレフィンのブロック共重合割合が3重量%未満になるとマット調の艶消し感が薄れ、30重量%を超えると生産性が劣るため好ましくない。また、本発明において用いるポリプロピレンは主としてアイソタクチックポリプロピレンである。また、ポリプロピレン系ランダム共重合体は、好ましくは、プロピレンを主成分として、エチレン、ブテン−1、ヘキセン、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等のオレフィンから選ばれた1種又は2種以上と共重合して得られる共重合体であり、特に、融点が130℃〜150℃のものが好ましい。
また、ここでいう他のオレフィン系樹脂とは、ポリエチレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリブタジエンなど、又は、それらの共重合体などであるがこれらに特に限定されるものではない。また、ポリプロピレン系樹脂マット層Bを形成するポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)の値は0.1〜100g/10分、好ましくは0.5〜20g/10分、さらに好ましくは、1.0〜10g/10分の範囲のものを例示することができる。
本発明におけるポリプロピレン系樹脂層Aを形成するのに用いるポリプロピレン系樹脂はポリプロピレンであってもよいが、ポリプロピレン系ランダム共重合体、特にプロピレンを85〜99重量%と他のオレフィン1〜15重量%のとのポリプロピレン系ランダム共重合体が好ましく、他のオレフィンとして、エチレン、ブテン−1、ヘキセン、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等のオレフィンから選ばれた1種又は2種以上と共重合して得られるポリプロピレン系ランダム共重合体を例示することができる。また、融点が130℃〜150℃のポリプロピレン系共重合体であるのが好ましい。融点が150℃を越える場合はフィルムの熱収縮性が劣る傾向にあり、また、その融点が130℃未満では低温での耐衝撃性が劣りやすくなるので好ましくない。ポリプロピレン系樹脂層Aを形成するのに用いるポリプロピレン系樹脂はこれらの1種又は2種以上のものを用いることができる。また、メルトフローレート(MFR)は0.1〜100g/10分、好ましくは0.5〜20g/10分、さらに好ましくは、1.0〜10g/10分の範囲のものを例示することができる。
本発明のマット調熱収縮積層延伸フィルムは、ポリプロピレン系樹脂層Aの一方の面に3次元表面平均粗さが0.15μm以上であるポリプロピレン系樹脂マット層Bが積層された2層の積層延伸フィルム、又は、ポリプロピレン系樹脂層Aの両方の面にポリプロピレン系樹脂マット層Bが積層された3層の積層延伸フィルムであるが、その厚さは種々の物品の収縮包装を行うときの具体的な用途により任意に定めることができ、通常10〜200μm、好ましくは25〜100μmであり、その中でポリプロピレン系樹脂マット層Bの厚みは0.5μm以上(表裏面2層のときは外面側の層の厚みが0.5μm以上)であって、ポリプロピレン系樹脂マット層Bの最大厚み(表裏面2層のときは2層の厚みの合計の厚み)がフィルム全体厚みの1/3以下の厚みであるのが好ましい。ポリプロピレン系樹脂マット層Bの厚み(表裏面2層のときは外面側の層の厚み)が0.5μm未満では、均一で、十分なマット調の艶消しの風合いが得られず、ポリプロピレン系樹脂マット層Bの最大厚み(2層のときは2層の厚みの合計の厚み)がフィルム全体厚みの1/3を超えると熱収縮性が悪くなる傾向にあり好ましくない。
本発明において、各層を形成する樹脂には、必要に応じて各層の特性を阻害しない範囲で、各種添加材、充填材、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、核剤、難燃剤、顔料、染料、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、マイカ、タルク、クレー等を添加することができる。さらにまた、その他の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム類、炭化水素樹脂、石油樹脂等を本発明のフィルムの特性を
害さない範囲で配合してもよい。
本発明のマット調熱収縮積層フィルムは120℃における熱収縮率は25%以上、好ましくは、25〜50%である。120℃における熱収縮率が25%未満である場合、収縮包装が困難となる。
また、本発明のマット調熱収縮積層フィルムは、そのポリプロピレン系樹脂マット層B表面の光沢度が好ましくは70%以上、より好ましくは70〜80%である。光沢度が70%未満であると未収縮の状態でマット感が濃く、異物等の検品を容易に行うことが容易でないという問題がある。また、120℃における熱収縮後の上記表面の光沢度が熱収縮前の光沢度の75%以下、好ましくは50〜70%である。120℃における熱収縮後の上記表面の光沢度が熱収縮前の光沢度の75%を超える場合は、熱収縮後においてもマット感が十分向上せず、収縮包装時の外観・風合いが物足りないものとなる。
また、本発明のマット調熱収縮積層フィルムにおいて、その厚み精度が±5%以内とすることで、印刷ミスが少なく、偏肉・タルミの発生などがないフィルムを得ることができる。特に、その厚み精度が±3%以内であるのが好ましい。なお、ここでいう厚み精度とは、下式にて算出される値である。
厚み精度(%)=((最大厚み−最小厚み)/平均厚み)×100
マット調熱収縮積層延伸フィルムの厚み精度が±5%を超えると、印刷精度が下がり、多色印刷を行ったときにピッチずれが生じ、印刷ミスの増加、偏肉・タルミの発生などが懸念される。
本発明のマット調熱収縮積層フィルムはそれ自体公知の方法で任意に製造することができ、特に制限するものではない。例えば、積層数に見合う押出機を用いてTダイ法又はインフレーション法等で溶融積層した後、冷却ロール法、水冷法又は空冷法で冷却して積層フィルムとし、縦方向1軸延伸法、横方向1軸延伸法、逐次2軸延伸法、同時2軸延伸法、チューブラ延伸法等で延伸する方法を例示することができる。ただし、少なくとも1軸方向に3倍以上延伸して製造することが通常である。
本発明のマット調熱収縮積層フィルムは、ポリプロピレン系樹脂層Aの一方の面に積層されたポリプロピレン系樹脂マット層Bの表面が最外層にあればよい。ポリプロピレン系樹脂層Aの他方の面には、ポリプロピレン系樹脂マット層Bが積層されていても、積層されていなくてもよく、また、その上に他の樹脂層、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリビニルアルコール等のガスバリア性樹脂層、着色樹脂層、ヒートシール性樹脂層等をさらに積層することも、その特性を害さない限り、特に制限されない。
本発明のマット調熱収縮積層フィルムは、印刷性、ラミネート性等を向上させるために表面処理を行うことができる。表面処理の方法としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、酸処理等が例示でき、特に制限はない。連続処理が可能であり、このフィルムの製造過程の巻き取り工程前に容易に実施できるコロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理のいずれかの処理を行うのが好ましい。
本発明のマット調熱収縮積層フィルムは、従来、収縮包装されている食品、日用品、特に、隠蔽性が必要とされている商品、又は、和風な意匠が好まれる種類の商品、例えば和風カップ麺、日本酒などの包装材料として好適である。
以下、本発明の具体例を実施例によってさらに説明するが、本発明は、その要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、本明細書中における特性は下記の方法により評価を行った。
(3次元平均粗さ)
小坂研究所社製の3次元微細形状測定機(ET−30HK)を使用し、カットオフ80μm、ドライブスピード100μm/秒の条件で測定した。
(熱収縮率)
JIS−Z−1715に準じて測定した。すなわち、フィルムを20mm×250mmの長方形に裁断し、150mmの距離をおいて標線をつけ、120℃の熱風乾燥機中に無荷重状態で30分間熱処理して熱収縮させた後、フィルムの縦及び横方向の寸法を測定し、下式に従い熱収縮率を求めた。
熱収縮率=((加熱前の標点間距離−加熱後の標点間距離)/加熱前の標点間距離)×100(%)
(光沢度)
JIS−K−7105に準拠して光沢度(45度)を測定した。
(厚み精度)
巻き取りロールの幅方向に均等な間隔で5箇所を定め、JIS−K−7130に準拠してフィルム厚みを測定し、下式に従い厚み精度を求めた。
厚み精度=((最大厚み−最小厚み)/平均厚み)×100(%)
(印刷ピッチずれの有無)
ロール状のフィルムを巻き出し、フィルムに2色のグラビア印刷を、グラビア印刷機(三谷鉄工所社製)を使用して100m/minで実施した。このとき、インキは、東洋インキ社製NewLPスーパー3赤と、NewLPスーパー65白を用いた。フィルムロール(500m巻き)×5本を印刷し、印刷したフィルム上でのピッチずれの発生の有無を評価した。
(実施例1)
一方の押出機よりポリプロピレン系樹脂層Aとしてプロピレン−エチレンランダム共重合体(MFR=1.7g/10分、エチレン成分=5重量%)を250℃の樹脂温度で溶融押出しし、もう一方の押出機によりポリプロピレン系樹脂マット層Bとして、プロピレンエチレンブロック共重合体(MFR=6.0g/10min、エチレン成分=12重量%)70重量%、プロピレン−エチレンランダム共重合体(MFR=1.7g/10分、エチレン成分=5重量%)30重量%の割合で混合して250℃の樹脂温度にて溶融押出しし、Tダイ内にて、ポリプロピレン系樹脂層Aの両面がポリプロピレン系樹脂マット層Bとなるように積層し、80℃の冷却ロールにて冷却固化し未延伸シートを得た。引き続き、100℃に加熱された金属ロール間で、周速差を利用して縦方向に4.5倍延伸し、さらにテンター延伸機に導入し、135℃による予熱後、130℃にて横方向に9.5倍の延伸を行った上で、90℃にて熱セットを実施し、フィルムワインダーにより巻き取ってフィルムを得た。最終的なフィルム厚みは15μm(厚み比B/A/B=2/11/2)であった。得られたフィルムは、良好な熱収縮性と収縮後の優れたマット調の外観という特性を兼ね備えたフィルムであった。フィルムの特性値を表1に示す。
(実施例2)
実施例1記載の原料を3層環状ダイスより環状に共押出しし、形成したチューブを、内側からは円筒状冷却マンドレルの外面を摺動させながら冷却し、外側からは水槽に通すことにより冷却して引き取り、得られたチューブ状のフィルムをチューブラ2軸延伸装置により加熱し、進行方向、横方向それぞれ4.0倍に延伸し積層フィルムを得、その後加熱ロールを用いて熱セットを実施した。得られたフィルムは、良好な熱収縮性と収縮後の優れたマット調の外観という特性を兼ね備えたフィルムであった。フィルムの特性値を表1に示す。
(比較例1)
ポリプロピレン系樹脂マット層Bとして、プロピレンエチレンブロック共重合体(MFR=6.0g/10min、エチレン成分12重量%)30重量%、プロピレン−エチレンランダム共重合体(MFR=1.7g/10分、エチレン成分=5重量%)70重量%の割合に変更した以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られたフィルムは熱収縮後にも光沢を有し、マット調の艶消しの風合いが不足するものであった。
(比較例2)
縦方向への延伸時の金属ロール温度を120℃とし、さらにテンター延伸機による予熱温度を170℃、延伸温度を150℃、熱セット温度を160℃とした以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られたフィルムは熱収縮性が不足するものであった。
実施例1、2、比較例1、2により明らかなように、本発明において、艶消し調の風合いを持ち、かつ良好な熱収縮性と厚み精度を付与した、収縮包装に有用なマット調熱収縮積層フィルムが得られることがわかった。
Figure 2005280137
以上、本発明のマット調熱収縮積層延伸フィルムについて、複数の実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、各実施例に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
本発明のマット調熱収縮積層延伸フィルムは、優れた熱収縮性と、収縮後に優れたマット調に艶消しされた風合いと耐摩耗性を有するという特性を有していることから、収縮包装されている食品、日用品、特に、隠蔽性が必要とされている商品の包装の用途に好適に用いることができるほか、和風な意匠が好まれる種類の商品、例えば和風カップ麺、日本酒などの包装の用途にも用いることができる。

Claims (8)

  1. ポリプロピレン系樹脂層(A)の少なくとも一方の面に、3次元表面平均粗さが0.15μm以上であるポリプロピレン系樹脂マット層(B)が積層された積層フィルムであって、120℃における熱収縮率が25%以上であることを特徴とするマット調熱収縮積層延伸フィルム。
  2. ポリプロピレン系樹脂マット層(B)表面の光沢度が70%以上、120℃における熱収縮後の上記表面の光沢度が熱収縮前の光沢度の75%以下であることを特徴とする請求項1記載のマット調熱収縮積層延伸フィルム。
  3. 厚み精度が±5%以内であることを特徴とする請求項1又は2記載のマット調熱収縮積層延伸フィルム。
  4. 少なくとも一軸方向に3倍以上延伸してなるものであることを特徴とする請求項1、2又は3記載のマット調熱収縮積層延伸フィルム。
  5. ポリプロピレン系樹脂層(A)を形成する溶融樹脂層の少なくとも一方の面に、ポリプロピレン系樹脂マット層(B)を形成する溶融樹脂層をT型ダイにて積層、押し出し成形、延伸してなるものであることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のマット調熱収縮積層延伸フィルム。
  6. ポリプロレン系樹脂マット層(B)が、プロピレンと他のオレフィンとのポリプロピレン系ブロック共重合体を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のマット調熱収縮積層延伸フィルム。
  7. ポリプロピレン系樹脂層(A)が、85〜99重量%のプロピレンと1〜15重量%の他のオレフィンとのポリプロピレン系ランダム共重合体を主成分とすることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載のマット調熱収縮積層延伸フィルム。
  8. ポリプロピレン系樹脂層(A)が、融点130〜150℃のポリプロピレン共重合体を主成分とすることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のマット調熱収縮積層フィルム。
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