JP2005279634A - 分解処理槽の攪拌装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発行処理槽2上を前後方向に移動する台車4に設けられ、発行分解槽2に投入されているコロニーを、上下切り換えしができるように攪拌して、余剰汚泥を分解する好気性菌に酸素供給を効果的にする攪拌装置を提供する。
【解決手段】 上下に配した駆動軸13、従動軸14にスプロケット16、17をそれぞれ設け、該スプロケット16、17間に懸回した無端の作動チエン18に攪拌体20を設け、前記駆動軸13の駆動回転に伴い攪拌体20を上下方向に循環移動させることでコロニーを上下に切り返す攪拌ができるように構成した。
【選択図】 図4

Description

本発明は、発酵分解処理槽等の分解処理槽に設けられる攪拌装置の技術分野に属するものである。
今日、余剰汚泥や生ゴミ等の被処理物の処理が社会的に大きな問題になっており、そこでこれら被処理物を分解処理槽に投入し、発酵分解する等の処理をして無公害化することが試みられている。そこでこの場合、分解処理の効率を高めるため攪拌する必要があるが、このような攪拌装置として、分解処理槽の上方に走行台車を設け、該台車から垂下した一対の垂下フレームのあいだに横軸回転する攪拌羽根を上下二段にして設け、台車の移動に基づいて分解処理槽に投入された被攪拌物を攪拌するようにしたものが知られている(例えば特許文献1。)。
特開2003−225551号公報
ところで被攪拌物が、例えば好気性菌(微生物)が担持されたコロニー(微生物担持体)と、好気性菌により発酵分解処理される被処理物(例えば余剰汚泥、生ごみ等の有機処理物に代表される各種処理物)との混合物であるような場合、該混合物を空気(酸素)に満遍なく晒すこと(空気の供給)が必要であるが、前記横軸回転する上下二段の攪拌羽根で攪拌するものでは、被攪拌物の上半部と下半部との各攪拌が主になされることになって被攪拌物全体を上下に切り返す(上下に反転する)ような攪拌ができず、このため下半部の被攪拌物中の被処理物の発酵分解がどうしても遅くなって効率の良い発酵分解処理が損なわれるという問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。そのうえこのものは、横軸回転する上下一対の回転羽根をそれぞれ駆動させるため、横軸回転軸を連動連結する動力伝動機構を垂下フレーム部位に設ける必要があるため、どうしても垂下フレーム部位が肉厚にならざるを得ず、このため攪拌装置の移動時、肉厚な垂下フレームの移動抵抗を低減させるためその前後に縦送りオーガを配していたため、該縦送りオーガとこれを駆動するモータ等の部材も必要になってどうしても部品点数が多く、構造が複雑になっていた。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、分解処理槽に投入された被攪拌物を攪拌するための攪拌装置であって、該攪拌装置は、分解処理槽上を前後方向に移動する架台と、該架台に支持される支持フレームと、該支持フレームから左右方向に延設される上下の回転軸と、該回転軸を回転するための駆動手段と、前記各回転軸間に懸回される無端体と、該無端体に設けられる攪拌体とから構成され、回転軸の回転に基づく無端体の循環移動により被攪拌物を上下に切り返す攪拌をするように構成したことを特徴とする分解処理槽の攪拌装置である。
請求項2の発明は、請求項1において、攪拌体は、前後方向が板厚となる板基材と、該板基材の表面から突設され、上下方向が板厚となる掻き上げ体とから構成されていることを特徴とする分解処理槽の攪拌装置である。
請求項3の発明は、請求項1または2において、無端体は、支持フレームを左右方向から挟むようにして支持フレームの両側に配されていることを特徴とする分解処理槽の攪拌装置である。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか一つにおいて、無端体は左右の支持フレーム間に複数配され、攪拌体は、該複数の無端体に亘って取り付けられる左右に長いものであることを特徴とする分解処理槽の攪拌装置である。
請求項5の発明は、請求項4において、上下に隣接する攪拌体の左右端は、左右方向交互に位置ずれする状態で前後方向外方に向けて延出していることを特徴とする分解処理槽の攪拌装置である。
請求項6の発明は、請求項4または5において、上下に隣接する攪拌体の掻き上げ体は、千鳥格子状に左右に位置ずれしていることを特徴とする分解処理槽の攪拌装置である。
請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れか一つにおいて、支持フレームは前後方向揺動自在に設けられ、架台と支持フレームとの間には、支持フレームの垂下角度を調節する角度調節手段が設けられていることを特徴とする分解処理槽の攪拌装置である。
請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れか一つにおいて、攪拌体は、取り付けピッチが変更調節自在に取り付けられるものであることを特徴とする分解処理槽の攪拌装置である。
請求項9の発明は、請求項1乃至8の何れか一つにおいて、分解処理槽は好気性菌を用いた発酵分解処理槽であることを特徴とする分解処理槽の攪拌装置である。
請求項10の発明は、請求項1乃至9の何れか一つにおいて、被攪拌物は、好気性菌が担持されたコロニーと、好気性菌により分解処理を受ける被処理物との混合物であることを特徴とする分解処理槽の攪拌装置である。
請求項11の発明は、請求項3乃至10の何れか一つにおいて、支持フレームを左右方向から挟むようにして支持フレームの両側に配された無端体のうち外側のものは、支持フレームと分解処理槽の内壁とのあいだに配されていることを特徴とする分解処理槽の攪拌装置である。
請求項12の発明は、請求項1乃至11の何れか一つにおいて、無端体は、内外プレートを用いて構成される梯子型チエンであり、攪拌体は、プレートから左右方向外方に折曲形成される攪拌翼であることを特徴とする分解処理槽の攪拌装置である。
請求項13の発明は、請求項1乃至12の何れか一つにおいて、支持フレームには、無端体の張り調節をするための張り調整手段が設けられていることを特徴とする分解処理槽の攪拌装置である。
請求項14の発明は、請求項1乃至13の何れか一つにおいて、回転軸には、該回転軸と供回りする被攪拌物を砕くための供回り防止手段が設けられていることを特徴とする分解処理槽の攪拌装置である。
請求項15の発明は、請求項1乃至14の何れか一つにおいて、支持フレームと架台とのあいだには補強体を設けて、支持フレームが受ける移動抵抗を受けるようにしたことを特徴とする分解処理槽の攪拌装置である。
請求項16の発明は、請求項1乃至15の何れか一つにおいて、無端体は、架台の移動方向前側が上方に移動する循環移動を行うように構成されていることを特徴とする分解処理槽の攪拌装置である。
請求項1の発明とすることにより、コロニーの攪拌を上下に切り返したものにでき、攪拌効率が向上するとともに、攪拌体が設けられる無端体が動力伝動機構に兼用されることになって支持フレームを薄くでき、走行抵抗を低減して縦送りオーガのような抵抗低減機構を不要にできる。
請求項2の発明とすることにより、コロニーの攪拌効率がさらに向上する。
請求項3の発明とすることにより、支持フレームの左右方向外側の攪拌もできることになって、分解処理槽の左右側壁に近い部分の攪拌も確実にできることになる。
請求項4の発明とすることにより、左右無端体のあいだの攪拌も確実にできることになって構造の簡略化が図れる。
請求項5や6の発明とすることにより、コロニーの攪拌効率の向上が図れる。
請求項7の発明とすることにより、攪拌しながらコロニーの前後移動ができることになって処理槽内のコロニーの厚さを均厚化したり傾斜化したりする等の調節が自由にできる。
請求項8の発明とすることにより、分解処理施設の処理量に合わせた攪拌体の取り付けができることになる。
請求項9の発明とすることにより、コロニーが発酵分解処理槽の上下に切り返された状態となって酸素の供給がコロニー全体に亘ってよくなされ、発酵分解が促進して効率のよい分解処理をすることができる。
請求項10の発明とすることにより、担持された好気性菌への酸素供給が満遍なく行われることになって、被攪拌物中の被処理物の発酵分解が促進される。
請求項11の発明とすることで、支持フレームと分解処理槽の内壁とのあいだについても上下に切り換えした攪拌ができることになって槽内の隅々までの分解処理が促進される。
請求項12の発明とすることで、無端体自体に優れた攪拌機能が備えられることになって、攪拌効率が向上する。
請求項13の発明とすることで、無端体が使用により伸びたりした場合の張り調節が必要においてできることになって、確実な攪拌機能を維持できることになる。
請求項14の発明とすることで、被攪拌物が回転軸とトモ回りして塊状になってしまうことを防止できることになる。
請求項15の発明とすることで、移動抵抗を受けて支持フレームに無理な負荷がかかって傾斜してしまうことを防止できることになる。
次ぎに、本発明の第一の実施の形態について、図1〜図7の図面に基づいて説明する。図中、1は発酵分解装置が設置される建屋であって、該建屋1の一側(図1の左側)は嵩高に構成されて上方にクレーン装置(図中鎖線図示)を有する前後方向に長い発酵分解槽2が配される一方、他側に該発酵分解槽2への投入物を調整する濃縮槽Aと電気室Bとが配され、これらの間に前記発酵分解槽2からの臭気を処理する脱臭槽Cが配されている。
前記発酵分解槽2は、上方が開放した箱型形状をしており、その左右両側壁3の上端縁に後述するように架台4が前後方向移動自在に設けられ、該架台4に攪拌装置5と散布装置6とが設けられている。架台4は、前後方向および左右方向を向くフレーム4a、4bで縦横枠組み形成されるが、フレーム4a、4bからは後述する攪拌器取り付け用のブラケット4cが垂設されている。
前記攪拌装置5は、左右方向一列状に隣接する一対の攪拌器7、8からなるが、図3において左側の第一攪拌器7は、左右支持フレーム10の間にある主攪拌器と左右支持フレーム10の両外側にある副攪拌器(攪拌装置5としてはサイド攪拌器とセンター攪拌器となる)があるのに対し、右側の第二攪拌器8は、主攪拌器と右側支持フレームの外側にある副攪拌器がある点(つまり第一攪拌器7のセンター攪拌器に相当するものがない点)で相違するが、基本的な構成は同じであるので、以降、第一攪拌器7について説明し、第二攪拌器8についての説明は省略する。
前記第一攪拌器7を構成する伝動軸9は前記ブラケット4cに回動自在に軸支され、該伝動軸9の左右両端部にそれぞれ軸受け9aを介して左右一対の支持フレーム10の上端部が前後方向揺動自在に軸支されている。そして伝動軸9は、架台4に設けたモータ11にチエン伝動11a等の動力伝動機構を介して連動連結され、モータ11の正逆駆動により正逆回転するようになっている。左右両側のブラケット4cには複数(本実施の形態では三個)の姿勢(角度)調節孔4dが開設される一方、左右支持フレーム10には一つの位置決め孔10aが開設され、そして位置決め孔10aを貫通する位置決め体10bを前記姿勢調節孔4dの何れかを選択して貫通取り付けすることにより、支持フレーム10は、鉛直方向に垂下する鉛直姿勢から、移動方向前後にそれぞれ傾斜する傾斜姿勢に変姿できるようになっており、このようにして姿勢(角度)調節手段が構成されている。
左右支持フレーム10間には、上側から補強軸12、駆動軸13、従動軸14がそれぞれ設けられるが、駆動軸13と伝動軸9とは、右側支持フレーム10の外側(右側)に位置してチエン15等からなる動力伝動機構を介して連動連結されている。尚、15aは前記動力伝動機構を覆蓋するためのケースである。前記駆動軸13および従動軸14には、左右支持フレーム10の内側に位置して複数個(本実施の形態では3個)のスプロケット16、17がそれぞれ上下に対向するよう一体に止着され、また左右支持フレーム10の左右両外側に位置して各1個づつのスプロケット16、17がそれぞれ上下に対向するようにして一体に止着されている。そしてこれらスプロケット16、17の外周縁には複数の係止溝16a、17aが所定ピッチおきに形成されている。
18は前記上下に対向する各スプロケット16、17間に長円状をして懸回される作動チエンであって、該作動チエン18は、一連状に配した左右の作動板18aが連結軸18bを介して無端状に連結構成されており、そして該連結軸18bが前記係止溝16a、17aに係止することで作動チエン18の上下方向の循環送り作動が実行されるようになっている。作動チエン18の各作動板18aには前後方向に板厚を有する取り付け板19が左右方向に延出する状態で設けられている。そして、左右支持フレーム10間の各取り付け板19には、上下方向所定ピッチ(本実施の形態では上下方向二枚の取り付け板19を飛び越すピッチ)を存して左右方向に長い攪拌体20が止着されるが、該攪拌体20は、本実施の形態では図3の正面視したとき板表面が見える状態において前後方向に板厚を有した板状をし、左端が長くなる状態と右端が長くなる状態とを交互に繰り返す板基材を用いて構成されている。そして攪拌体20は、板基材の左右両端部が前後方向外方に向けて折曲した折曲片20aが形成されると共に、板基材表面には左右方向に板幅を存する(上下方向に板厚を存する)状態で前後方向外方に向けて掻き上げ体21が突設されるが、上下に隣接する攪拌体20において、掻き上げ体21は左右位置ずれした千鳥格子状に配される状態で取り付けられている。
一方、左右支持フレーム10の外側で発酵分解槽2の内壁3に近接して配される作動チエン18の取り付け板19には、前記内側に配される作動チエン18とは上下方向に一ピッチずれる状態で攪拌体22が止着されるが、該各攪拌体22は、前後方向が板厚となる板基材と、該板基材の表面に上下方向が板厚となり左右方向が板幅となる状態で掻き上げ体23が突出するようにして止着されている。そして攪拌器7、8は、架台4が図4において矢印X方向に移動した場合に、モータ11の正逆駆動による駆動軸13の回転に基づく作動チエン18の移動で移動下手側がY方向を向く攪拌体20、22の上下方向の循環移動をし、これによって発酵分解槽2に投入された被攪拌物(本実施の形態では木材(例えば杉)チップに好気性菌が担持されたコロニー(微生物担持体)と、凝集した余剰汚泥に代表される被処理物(該被処理物は余剰汚泥に限定されず、生ごみ等の有機物に代表される処理物)との混合物)Zを下から上に移動させて切り換えす攪拌をするようになっている。
前記架台4には走行用のモータ24が設けられるが、該モータ24にチエン伝動等の動力伝動機構を介して動力伝動されて回転する従動スプロケット25が架台4に回動自在に支持され、該従動スプロケット25の回転に連動して回転する走行歯車(ピニオンギア)26が発酵分解槽2の上端に設けたラック2aに噛合しながら回転することで架台4の前後方向の移動ができるようになっている。尚、27は架台4に配され、発酵分解槽2の上部に設けたレール2b上を転動する転動輪である。また、従動スプロケット25と走行歯車26とのあいだにギア減速機構等の減速機構を介在させて減速走行するように構成してもよい。
また、前記散布装置6を構成するケーシング28は左右方向に長い箱体で構成され、該ケーシング28の上面には前記被処理物の投入口28aが開設されている。ケーシング28には、投入口28aから投入された被処理物Dを左右方向に移送する左右移送体29と、前後方向に移送する前後移送体30とがそれぞれ設けられるが、これら移送体29、30は、本実施の形態では螺旋移送体(オーガ)により構成されている。左右移送体29は前後に並設され、その一端(右端)同士がギア29aにより連動連結されている。そして一方の左右移送体29の一端が移送モータ31に連動連結され、これによって前後に配した前記左右移送体29は左方移送と右方移送とを各別に行うように構成されている。
これに対し、前後移送体30は、発酵分解槽2の左右幅に対応して複数(本実施の形態では8本)が左右に並設され、各別に設けた移送モータ32に傘歯歯車34等の動力伝動機構を介して連動連結され、移送モータ32の駆動により前方への移送作動をし、これにより前方移送された被処理物Dは散布口33から発酵分解槽2に散布される。そしてこれら移送モータ32は、各別の駆動制御ができるようになっていて、被処理物Dの散布を必要に応じて局所的に行うことができるようになっている。
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、濃縮槽Aを経て適宜脱水処理等された形態にて発酵分解槽2に供給された被混合物Zは第一、第二攪拌器7、8によって攪拌処理されるが、これら攪拌器7、8は、架台5の進行方向下手側が上動して攪拌するように駆動制御され、これによって被攪拌物Zは、攪拌体20、22の上下循環移動に基づいて発酵分解槽2の底側のものが上方に掻き揚げられて天地換え状態の攪拌を受けることになって上下に切り返えされたものとなる。この結果、被攪拌物Zは、底側にあって空気に接触しづらいものが上方に移動して空気に接触しやすくなって酸素補給がなされ、発酵分解が促進される。そしてこのものでは架台4の進行と攪拌体20、22の上下循環移動が非常にゆっくりとした微動設定にされているので空気への接触時間を長くして良好な酸素補給がなされる。しかもこのものでは攪拌器7、8による一連の攪拌ストロークが被攪拌物Zの上面を越えた上方位置から発酵分解槽2の底面に近い位置までと上下方向に長いものにできるから、空気を発酵分解槽2の底面近くまで送り込むこともできることになって発酵分解の促進、均一化を達成でき、余剰汚泥の効率の良い発酵分解が図れる。
そのうえこのものでは、上下スプロケット16、17間に懸回され、攪拌体20、22が設けられる無端の作動チエン18が駆動軸と従動軸とのあいだの動力伝動機構として機能するから、上下に横軸回転する攪拌羽根を設けたもののように、攪拌羽根同士を連動連結する動力伝道機構を支持フレーム10部位に設ける必要がなく、この結果、支持フレーム10を肉薄にできることになって被攪拌物Zを移動する際の抵抗を低減でき、従来のように縦送りオーガのような抵抗低減部材を不要にでき、部品点数を低減して構造の簡略化を図れることになる。
さらに上記作動チェン18は攪拌体20、22の前進方向の後方側に一定間隔をおいて多連に配置されているが故に、攪拌体20、22の掻き上げ体21、23が位置しない部分を含めて下から上方向に向けて循環移動する際に被攪拌物Zを掻き上げることになって該被攪拌物Zへの酸素補給をより良好にするものである。このように作動チェン18は伝動と攪拌との両機能を複合的に有するものである。
しかもこのものでは、攪拌器7、8の攪拌体20、22が前後方向が板厚となる状態の板基材と、その表面に設けられる上下方向が板厚となる平板状の掻き上げ体21、23とを用いて構成されているため、穏やかな攪拌動であっても効率の良い攪拌を達成できる。
しかも攪拌体20、22は、左右支持フレーム10を左右に挟む状態で配設されているから、発酵分解槽2の左右側壁3近傍まで前記上下切り返しでの攪拌ができることになって、攪拌漏れのない槽内全体に亘る効率の良い攪拌が達成できることになる。
そのうえ左右支持フレーム10に挟まれる攪拌体20は、左右方向に長いもので構成されているため、数少ないスプロケット16、17を設けたものでありながら、左右幅広の効率よい攪拌ができることになって、作業性が向上する。
また、この左右方向に長い攪拌体20は、上下に隣接するもの同士の左右端が左右方向交互に位置ずれする状態で前後方向外方に突出して攪拌機能を有するものであり、また掻き上げ体21についても左右に位置ずれしているため、攪拌効率がさらに向上する。そしてこの攪拌体20は、隣接するもの同士が左右勝手違いとして取り付ける構成になっているので、前記位置ずれした構成としながら、一種類の攪拌体20を用意すればよく、部品点数の低減が図れる。
また、支持フレーム10は、位置決め体10bを姿勢調節孔5dの何れかを選択して貫通取り付けすることにより、鉛直方向に垂下する鉛直姿勢から、移動方向前後にそれぞれ傾斜する傾斜姿勢に変姿できることになり、このように支持フレーム10を傾斜姿勢にしたときには被攪拌物Zの前後方向の移動を伴う攪拌ができることになり、より広範囲に亘って被攪拌物Zの移動が達成された攪拌ができて発酵分解の効率化が図れると共に、被処理物Dの処理が促進する等して被攪拌物Zの量が少ないところへの移動もできることになって都合が良い。
さらにこのものでは、攪拌体20、22を取り付け板19に取り付ける場合に、上下方向の取り付けピッチや取り付け数を自由に調節して被攪拌物Zの量や発酵分解環境(例えば夏冬での周囲温度に対応させる)に対応させた最適の攪拌を実行でき、これによってより効率の良いコロニー攪拌ができることになる。
次に、本発明の第二の実施の形態について、図8〜図13の図面に基づいて説明するが、この攪拌装置35は、前記第一の実施の形態のものと同様、左右に一列状に隣接する攪拌器36、37から構成されるが、これらは前記第一の実施の形態のものと同じ関係にあるので、以降、一方(左方)の攪拌器36について説明し、他方の攪拌器37についての説明は省略する。また、伝動軸9、モータ11、伝動チエン11a、補強軸12、駆動軸13、伝動チエン15、スプロケット16、17、作動チエン18等については前記第一の実施の形態のものと同様であるので、同じ引き出し符号を付し、その詳細については省略する。
前記伝動軸9に前後揺動自在に軸支される左右支持フレーム38の上部には、補強軸12と駆動軸13とが設けられるが、該補強軸12、駆動軸13は各1本の軸体が左右支持フレーム38を貫通するようにして設けられている。これに対して下部に設けられる従動軸39は、左右支持フレーム38を仕切りとして中央部、左右両端部の都合3本の軸体で構成され、これら3本の従動軸39が左右支持フレーム38に上下方向位置移動自在に設けた調整部材40に軸受39aを介して回転自在に軸支されている。この調節体40には上下方向に長くなっていて固定ボルト41が貫通する長孔40aが開設されている。そして調節体40は、固定ボルト41を緩めた状態で該固定ボルト41をガイドとして上下方向に位置調節できるようになっている。
42は調節体40の上方に位置して支持フレーム38に突設した支持体であって、該支持体42には螺子孔42aが刻設され、該螺子孔42aに調節用ボルト43が螺装されている。そして該調節用ボルト43の先端(下端)が調節体40の上端に設けた突き当り部40bに当接しており、前記固定ボルト41を緩めた状態で調節用ボルト43を回すことで、該調節用ボルト43が上下移動し、これによって調節体40が上下位置が調節されることになって各従動軸39の位置調節がなされて後述する作動チエン18の張り調節(アジャスタ)が構成され、該張り調節がなされた状態で固定ボルト41の緊締をして従動軸39の位置固定ができるようになっている。尚、43aは調節用ボルト43を固定するための固定用ナット(ダブルナット)である。
そしてこのようにすることにより、作動チエン18が使用によって伸び、これによってスプロケット16、17の歯飛びする等の不具合を解消できることになる。
そして前記作動チエン18は、左右の支持フレーム38に挟まれる左右および中央の作動チエン44、45、46と、支持フレーム38の左右方向外方に設けられる作動チエン47、48とにより構成されるが、本実施の形態では、作動チエン18は、内外プレート18aが交互に連結される梯子型(ラダー型)であって、該プレート18aには、左右方向外方に向けて攪拌翼18bが折曲形成されていて攪拌機能を発揮している。そしてこの攪拌翼18bに、被攪拌物Zの量や性状等の攪拌環境に応じて攪拌体49、50が設けられる。
本実施の形態では、支持フレーム38に挟まれる作動チエンにおいて、左右に隣接する作動チエン44と45、45と46間には、作動チエンの移動方向に間隙を存した点在状態で前記攪拌体49が設けられている。この攪拌体49は、隣接する作動チエン間の被攪拌物Zを攪拌する機能を呈することになるものであるが、前記攪拌翼18bにボルト固定された左右に長いプレート状になっている。しかも攪拌体49の作動チエン対応部位にはスプロケット16、17の歯部を逃がす(食い込ませる)ための逃げ孔49aが開設されている。この攪拌体49は、単なる平板であっても充分な攪拌機能を有するが、必要において、第一の実施の形態のように折曲片を形成してもよく、また攪拌補助体49cを突設しても良い。また、第一の実施の形態と同様、作動チエン自体に攪拌翼18bが有るため、攪拌体50については有ってもなくても良いが、攪拌体50を設ける場合、これについても単なる平板で充分な攪拌機能を呈するが、必要において折曲片50aを設ける等して構成しても勿論良い。
また、本実施の形態では、従動軸39に供回り防止体51が設けられている。この供回り防止体51は、従動軸39に遊嵌するリング状をした本体(二つ割りしたものがボルト51cにより一体化されている)51aと該本体51aから径方向に突出する平板状の翼体51bとから構成されており、抵抗があった場合に自由回動する構成になっている。そして、攪拌器36は、作動チエン18の進行方向前側が上方に移動する循環移動(周回移動)して攪拌するように設定される。このような攪拌は、進行方向前側の被攪拌物Zを掻き揚げることで該進行方向前側の被攪拌物Zを解して(軟かくして)移動抵抗を低減し円滑な攪拌移動が実行できることになるが、このとき、供回り防止体51は、作動チエン18内にあって従動軸39の回転に供回りして塊りになろうとする被攪拌物Zの供回りを邪魔して塊となるのを防止をしようとするもので、斯かる供回り防止体51を設けることで、より円滑な攪拌ができることになる。因みに、本実施の形態では被攪拌物Zが駆動軸13よりも低位の状態となって攪拌されるが、駆動軸以上に被攪拌物Zがある場合には、該駆動軸13にも供回り防止体51を取付けることができる。
また本実施の形態では、攪拌器36の移動抵抗を受けて攪拌器36が傾斜してしまうことを防止するため、支持フレーム10と架台4との間に補強具52が傾斜状に設けられている。この補強具52は、本実施の形態ではターンバックルを用いて構成され、攪拌器36の垂下姿勢を調節できる構成になっている。
このように構成された本第二の実施の形態のものは、作動チエン18の張り調節手段、被攪拌物Zの供回り防止手段、移動抵抗受け手段が設けられているため、さらに効率の良い攪拌をすることができる。
そしてこのものにおいて、作動チエン18の張り調節手段は、従動軸39が左右支持フレーム38で分断された分割構成になっていて、中央部のものと左右両外側部のものについて各別に張り調節できるようになっているため、これら作動チエン18の延びが異なっていても、これに対応した張り調節ができることになる。
発酵分解装置が設けられる建屋の縦断面図である。 発酵分解装置が設けられる建屋の水平断面図である。 架台を含む攪拌装置の一部を断面した正面図である。 架台を含む攪拌装置の側面図である。 架台の平面図である。 攪拌体の部分拡大正面図である。 攪拌装置の姿勢を調節した状態を示す概略図である。 第二の実施の形態を示す攪拌装置の正面図である。 第二の実施の形態を示す攪拌装置の側面図である。 (A)、(B)は第二の実施の形態を示す張り調節装置の正面図、側面図である。 (A)、(B)は供回り防止体の正面図、側面図である。 (A)、(B)、(C)は作動チエンの正面図、平面図、側面図である。 (A)、(B)は第二の実施の形態の攪拌体の正面図、平面図である。
符号の説明
2 発酵分解槽
4 架台
5 攪拌装置
7、8 攪拌器
10 支持フレーム
18 作動チエン
19 取り付け板
20、22 攪拌体
21、23 掻き上げ体

Claims (16)

  1. 分解処理槽に投入された被攪拌物を攪拌するための攪拌装置であって、該攪拌装置は、分解処理槽上を前後方向に移動する架台と、該架台に支持される支持フレームと、該支持フレームから左右方向に延設される上下の回転軸と、該回転軸を回転するための駆動手段と、前記各回転軸間に懸回される無端体と、該無端体に設けられる攪拌体とから構成され、回転軸の回転に基づく無端体の循環移動により被攪拌物を上下に切り返す攪拌をするように構成したことを特徴とする分解処理槽の攪拌装置。
  2. 請求項1において、攪拌体は、前後方向が板厚となる板基材と、該板基材の表面から突設され、上下方向が板厚となる掻き上げ体とから構成されていることを特徴とする分解処理槽の攪拌装置。
  3. 請求項1または2において、無端体は、支持フレームを左右方向から挟むようにして支持フレームの両側に配されていることを特徴とする分解処理槽の攪拌装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか一つにおいて、無端体は左右の支持フレーム間に複数配され、攪拌体は、該複数の無端体に亘って取り付けられる左右に長いものであることを特徴とする分解処理槽の攪拌装置。
  5. 請求項4において、上下に隣接する攪拌体の左右端は、左右方向交互に位置ずれする状態で前後方向外方に向けて延出していることを特徴とする分解処理槽の攪拌装置。
  6. 請求項4または5において、上下に隣接する攪拌体の掻き上げ体は、千鳥格子状に左右に位置ずれしていることを特徴とする分解処理槽の攪拌装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか一つにおいて、支持フレームは前後方向揺動自在に設けられ、架台と支持フレームとの間には、支持フレームの垂下角度を調節する角度調節手段が設けられていることを特徴とする分解処理槽の攪拌装置。
  8. 請求項1乃至7の何れか一つにおいて、攪拌体は、取り付けピッチが変更調節自在に取り付けられるものであることを特徴とする分解処理槽の攪拌装置。
  9. 請求項1乃至8の何れか一つにおいて、分解処理槽は好気性菌を用いた発酵分解処理槽であることを特徴とする分解処理槽の攪拌装置。
  10. 請求項1乃至9の何れか一つにおいて、被攪拌物は、好気性菌が担持されたコロニーと、好気性菌により分解処理を受ける被処理物との混合物であることを特徴とする分解処理槽の攪拌装置。
  11. 請求項3乃至10の何れか一つにおいて、支持フレームを左右方向から挟むようにして支持フレームの両側に配された無端体のうち外側のものは、支持フレームと分解処理槽の内壁とのあいだに配されていることを特徴とする分解処理槽の攪拌装置。
  12. 請求項1乃至11の何れか一つにおいて、無端体は、内外プレートを用いて構成される梯子型チエンであり、攪拌体は、プレートから左右方向外方に折曲形成される攪拌翼であることを特徴とする分解処理槽の攪拌装置。
  13. 請求項1乃至12の何れか一つにおいて、支持フレームには、無端体の張り調節をするための張り調整手段が設けられていることを特徴とする分解処理槽の攪拌装置。
  14. 請求項1乃至13の何れか一つにおいて、回転軸には、該回転軸と供回りする被攪拌物を砕くための供回り防止手段が設けられていることを特徴とする分解処理槽の攪拌装置。
  15. 請求項1乃至14の何れか一つにおいて、支持フレームと架台とのあいだには補強体を設けて、支持フレームが受ける移動抵抗を受けるようにしたことを特徴とする分解処理槽の攪拌装置。
  16. 請求項1乃至15の何れか一つにおいて、無端体は、架台の移動方向前側が上方に移動する循環移動を行うように構成されていることを特徴とする分解処理槽の攪拌装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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