JP2005279484A - 水素透過膜およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水素透過性能の劣化を低減させた、耐久性の高い水素透過膜を提供することを目的とする。
【解決手段】 5A族金属を主成分とする金属ベース層2に、5A族金属の炭化物を主成分とする炭化物中間層3を被覆し、該炭化物中間層にPd金属またはPd合金からなる金属被覆層4を被覆してなる水素透過膜1、及び5A族金属を主成分とする金属ベース層2を炭化水素の存在下で加熱して、炭化物中間層3を形成する工程と、該炭化物中間層3上にPd金属またはPd合金からなる金属被覆層4を形成する工程とを含む、水素を選択的に透過させる水素透過膜1の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水素を選択的に透過させる水素透過膜に関する。本発明は、特には、高温での使用においても十分な耐久性を有する水素透過膜に関する。
水素を含むガス混合物から水素を選択的に透過させる水素透過膜が知られている。高純度の水素を得るための水素透過膜としては、主にパラジウム(Pd)合金が用いられてきた。しかし、パラジウムは高価であり、且つ供給安定性に欠けるため、5A族金属を主成分とする透過膜の研究開発がなされてきた。(例えば、非特許文献1参照)
しかし、5A族金属は水素ガスを解離させるために、解離触媒性能を有するパラジウムあるいはパラジウムを主成分とする合金からなる被膜層を形成させる必要があった。また5A族金属表面は水素ガス中の不純物により被毒されやすい。とりわけ5A族金属表面は酸化されやすいため、5A族金属を水素透過膜として使用するには、その表面に耐酸化性を有するパラジウムあるいはパラジウムを主成分とする合金からなる被膜層を形成させる必要があった。そこで、5A族金属のバナジウムベース層の両面にパラジウム被覆層を形成した水素透過膜が発明された(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、600℃付近の高温では、パラジウムと5A族金属の相互拡散が起こる。その結果、表面に酸化物や、パラジウムと5A族金属の金属間化合物が生成して被膜効果が失われ、水素透過性能が低下するという問題があった(例えば、非特許文献2参照)。
特許文献2では、パラジウムやニッケルなどの金属被覆層と5A族金属ベース層の間の相互拡散を防止するため、SiOなどの酸化物や硫化物からなる中間層をバナジウムベース層とパラジウム被膜層との間に介在させた水素透過膜が開示されている。この水素透過膜では、バナジウムとパラジウムの相互拡散を低減することができる。しかしながら、SiOなどの酸化物や硫化物からなる中間層は、それ自体の水素透過速度が小さく、水素透過膜の性能が低下するという問題があった。
特許文献3では、パラジウムを含む被覆層と5A族金属を含む金属ベース層との間の相互拡散を防止するため、ニッケルとコバルトから選択された元素を含む中間層を、パラジウムを含む被覆層と5A族金属を含む金属ベース層との間に介在させた水素透過膜が開示されている。この水素透過膜では、パラジウムを含む被覆層と5A族金属を含む金属ベース層との間の相互拡散を低減することができる。しかしながら、ニッケルおよびコバルト中の水素の透過速度は、パラジウムおよびバナジウム中の水素の透過速度に比べて小さく、ニッケルあるいはコバルトを含む中間層を介在させることにより、水素透過膜の性能が低下するという問題があった。また、ニッケルあるいはコバルトを含む中間層を形成する手法として、無電界めっき法や電気めっき法が開示されているが、めっき液からの不純物の混入や、廃液処理コストに起因する水素透過膜製造コストの増大という問題があった。
特開平11−276866号公報 特開平7−185277号公報 特開平2003−112020号公報 文部科学省 科学技術政策研究所 科学技術動向研究センター編著 「図解水素エネルギー最前線」工業調査会、2003年7月25日、pp171−196 David J. Edlund, Jack McCarthy著、Journal of Membrane Science, 107巻、1995年、PP147−153
本発明は、水素透過膜の金属間の拡散による水素透過性能の劣化を低減させた、耐久性の高い水素透過膜、およびこれを製造するための簡便かつ廃棄物の少ない製造方法を提供することを目的としたものである。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明は水素を選択的に透過させる水素透過膜であって、5A族金属を主成分とする金属ベース層の少なくとも一方の面に、5A族金属の炭化物を主成分とする炭化物中間層を被覆し、該炭化物中間層にPd金属またはPd合金からなる金属被覆層を被覆してなる。
前記5A族金属が、Nb、TaまたはVから選択されることが好ましい。また、前記5A族金属の炭化物が、NbC、NbC、TaC、TaC、VC、VCから選択される一以上であることが好ましい。
前記水素透過膜において、前記金属ベース層に、Cが固溶されていることが好ましい。Cは、固溶限に近い固溶度で固溶されていることが好ましく、具体的には0.5原子%程度になるように、前記金属ベース層全体に均一に固溶されていることが好ましい。
本発明はまた、水素を選択的に透過させる水素透過膜であって、5A族金属の炭化物を主成分とする金属炭化物層の両面に、Pd金属またはPd合金からなる金属被覆層を被覆してなる。
本発明はさらに、水素を選択的に透過させる水素透過膜用の基材であって、多孔質基体の少なくとも一方の面に、5A族金属の炭化物を主成分とする金属炭化物層を被覆してなる。
前記水素透過膜用の基材の金属炭化物層に、Pd金属またはPd合金からなる金属被覆層をさらに被覆してなる、水素を選択的に透過させる水素透過膜をも提供する。
本発明は、さらにまた、水素を選択的に透過させる水素透過膜であって、多孔質基体の少なくとも一方の面に、各々がPd金属またはPd合金からなる金属被覆層で被覆された5A族金属の炭化物を主成分とする金属炭化物粉体の層を被覆してなる。
ここで、「各々がPd金属またはPd合金からなる金属被覆層で被覆された」とは、金属炭化物粉体の粒子の各々が、Pd金属またはPd合金からなる金属被覆層により、それぞれ被覆されていることをいう。しかし、必ずしも金属炭化物粉体の粒子表面全体が金属被覆層で覆われることを必要とするものではなく、担持されている程度で足りる。
前記金属炭化物粉体の層上に、Pd金属またはPd合金からなる金属被覆層をさらに被覆してなることが好ましい。
上述の水素透過膜において、前記金属被覆層に、Cが固溶されていることが好ましい。Cは、固溶限に近い固溶度で固溶されていることが好ましく、具体的には0.5原子%程度になるように、前記金属被覆層全体に均一に固溶されていることが好ましい。また、前記多孔質基体が、Al、ZrまたはSiの酸化物、TiまたはZrの炭化物、5A族金属の炭化物から選択される一以上を含んでなることが好ましい。
本発明は、別の局面によれば、水素を選択的に透過させる水素透過膜の製造方法であって、5A族金属を主成分とする金属ベース層を炭化水素の存在下で加熱して、炭化物中間層を形成する工程と、該炭化物中間層上にPd金属またはPd合金からなる金属被覆層を形成する工程とを含む。
本発明は、また、水素を選択的に透過させる水素透過膜の製造方法であって、5A族金属の炭化物を主成分とする金属炭化物粉体を多孔質基体上に成膜して、金属炭化物層を形成する工程と、該金属炭化物層上に、Pd金属またはPd合金からなる金属被覆層を形成する工程とを含む。
ここで、「金属炭化物層上に、Pd金属またはPd合金からなる金属被覆層を形成する」とは、金属炭化物粉体の層の、多孔質基体と接していない面に金属被覆層を形成することをいう。
本発明は、さらに、水素を選択的に透過させる水素透過膜の製造方法であって、5A族金属の炭化物を主成分とする金属炭化物粉体の各々にPd金属またはPd合金からなる金属被覆層を形成する工程と、該被覆された金属炭化物粉体を多孔質基体上に成膜して、金属炭化物粉体の層を形成する工程とを含む。
前記金属炭化物粉体層上に、Pd金属またはPd合金からなる金属被覆層を形成する工程をさらに含むことが好ましい。
本発明の効果として、Pdよりも安価で高い水素透過性能を有する5A族金属をベース金属として、600℃付近の高温条件下で長期間使用しても膜が劣化せず、高い水素透過性能を維持することができる水素透過膜を得ることができる。詳細には、5A族金属をベース金属とし、5A族金属炭化物の中間相を介してその表面にPd被覆膜を設ける構造の水素透過膜としたことで、5A族金属の拡散による膜性能の低下を防止することができる。また、本発明による水素透過膜の製造方法は、簡便、かつコストのかからない方法であり、処理の問題が生ずる廃棄物も出さないクリーンな方法で、水素透過性能の高い水素透過膜を製造することができる。本発明による水素透過膜を用いて、耐久性がよく、コスト的に有利な燃料電池装置を得ることができる。
以下に、本発明を、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明は本発明を限定することを目的とするものではない。以下の説明において、同じ部材は同じ符号により示した。また、図面は概念図であって、図中の個々の部材は同一の縮尺に基づいて描かれているものではない。
本発明の第一の実施形態による水素透過膜を図1に示す。図1に示す水素透過膜1は、金属ベース層2の両面が炭化物中間層3で被覆され、炭化物中間層3の表面がさらに金属被覆層4で被覆されている。
金属ベース層2は、水素を選択的に透過させる機能を有し、本実施形態による水素透過膜1のベースとなる。金属ベース層2は、5A族金属を主成分とする層である。5A族金属は、具体的にはバナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)である。バナジウム(V)はニッケル(Ni)との合金化で水素固溶による脆化を防止できる特性を有し、ニオブ(Nb)は延性・展性に優れる特性を有し、タンタル(Ta)は、Nbよりも硬いがさらに延性・展性に富む特性を有する。この中で、Taは融点が最も高いことから、熱的組織安定性が予想され金属ベース層2の成分として、好ましく用いられる。金属ベース層2は、5A族金属の合金であってもよい。5A族金属の合金としては、具体的にはV−Ni系、V−Ni−Ti系、Nb−Cr系、Nb−Cr−Ti系、Ta−Ni系、Ta−Ni−Cr系が挙げられるが、これらには限定されない。合金を金属ベース層2として用いることは、水素を固溶したときの低温での脆化を抑制する効果がある観点から好ましい。
金属ベース層2は、5μm〜1mmの厚さであることが好ましく、5〜100μmの厚さであることがさらに好ましい。水素製造装置等に組み込むときに、その製造工程で貫通孔ができない範囲でできるだけ薄い厚さであることがさらに好ましい。
炭化物中間層3は、金属ベース層2と金属被覆層4との間に位置し、金属ベース層2と金属被覆層4との相互拡散により水素透過性を低減させる物質が生成するのを防止しながら、炭化物中間層3それ自体は水素透過性を有する。炭化物中間層3は、5A族金属の炭化物から構成される。5A族金属の炭化物は、5A族金属自体と同程度に水素を選択的に透過させることができるからである。従って、炭化物中間層3を介在させることにより水素透過膜の性能が劣化することはない。5A族金属の炭化物としては、具体的には、NbC、TaC、TaC、VC、VCが挙げられる。特に、Taの炭化物は融点が最も高く、物質として熱的安定性が高いことから、炭化物中間層3の主成分として、最も好ましく用いられる。炭化物中間層3は、通常、金属ベース層2に用いる5A族金属の炭化物であるが、金属ベース層2に用いるのとは異なる5A族金属の炭化物であってもよい。また、炭化物中間層3は、これらの5A族金属炭化物のうち、二以上から構成されるものであってもよい。
炭化物中間層3は、10nm〜2μmの厚さであることが好ましい。50nmより薄いと中間層としての効果が薄れ役目を果たす効果が薄れまた2μm以上の厚さになると分離膜自体が割れやすくなるからである。
金属被覆層4は、PdまたはPd合金から形成される層である。金属被覆層4は、水素透過膜において、炭化物中間層3が水素を含むガス混合物中の不純物により被毒されるのを防止し、また炭化物中間層3の表面が酸化されるのを防止する。金属被覆層4がPd合金である場合は、具体的には、Pd−Ag系を用いることが好ましい。耐酸化性と水素透過性が良好だからである。
金属被覆層4は、50nm〜100nmの厚さであることが好ましい。薄すぎると保護膜としての機能が悪くなりまた厚すぎると高価なPdの使用量が増えコストに影響を与えるからである。
図1に例示した水素透過膜1は、平板形状であるが、本発明の水素透過膜1はこのような形状には限定されない。上記構成を有するものであればよく、管状、球体状などの形状のものが考えられる。
次に、本実施形態による水素透過膜1を、製造方法の局面から説明する。本実施形態による水素透過膜1の製造方法は、5A族金属を主成分とする金属ベース層2を炭化水素の存在下で加熱して、炭化物中間層3を形成する工程と、該炭化物中間層3上にPd金属またはPd合金からなる金属被覆層4を形成する工程とを含む。
金属ベース層2は、5A族金属に必要に応じて合金元素を加え、アーク溶解法などによりインゴットを作製し、これを所望の厚さに圧延することにより得ることができる。炭化物中間層3の形成は、金属ベース層2を、炭化水素を含むガス、例えばメタンと水素の混合ガス中で加熱することにより実施することができる。具体的には、メタンが5〜30体積%、水素が70〜95体積%、全体の圧力が0.08〜0.12MPaのチャンバ内で、800〜1000℃で、好ましくは900℃で、5〜90分間に渡って加熱することで炭化物中間層3を形成することができる。炭化物中間層3の厚さは、加熱時間を変更することで制御することができる。また、この条件で炭化物中間層3を形成する際には、Cが金属ベース層2へ固溶しない場合も固溶する場合も含まれる。本実施形態による炭化物中間層3を形成させる工程は簡便であり、かつ、この工程においては未反応の残留ガス成分以外の廃棄物は排出されないため、水素透過膜1の工業的な製造において有利である。
次に、炭化物中間層3の金属ベース層2と接触していない面に、PdまたはPd合金からなる金属被覆層4を形成する。金属被覆層4の形成は、メッキ法、スパッタ成膜法、真空蒸着法などの方法により実施することができるが、これらには限定されない。特に、真空蒸着法で金属被覆層4を形成する場合には、炭化物中間層を形成する工程の後に、炭化物中間層を真空中で500〜600℃に加熱する前処理工程を実施した後に金属被覆層を形成する工程を行うことが好ましい。炭化物中間層3の表面に生成することがある酸化物を除去するためである。
本発明の第一の実施形態による水素透過膜1は、層間の相互拡散による水素透過性能の劣化がなく、耐久性の高いものとなっている。また、圧延等の成形が容易な5A族金属をベース層2として用いるため、所望の形状に製造しやすいという利点がある。
本発明の第二の実施形態による水素透過膜を図2に示す。図2に示す水素透過膜1aは、C固溶金属ベース層2aの両面に炭化物中間層3が形成され、該炭化物中間層3の両面に金属被覆層4が形成されている。
第二の実施形態による水素透過膜1aは、金属ベース層2aにCが十分に固溶していることを特徴とし、それ以外の構成は第一の実施形態と同様である。金属ベース層2aの主成分は第一の実施形態と同様に5A族金属または5A族金属の合金であり、第一の実施形態と同じ厚さとすることが好ましい。金属ベース層2aへのCの固溶度は、操作温度における固溶限に近い値であることが好ましい。具体的には、0.5原子%程度であることが好ましい。金属ベース層2aにCを固溶させるのは、金属ベース層2aに接して設けられている炭化物中間層3に含まれる5A族金属炭化物の一部が分解して、Cが金属ベース層2aへ拡散し、5A族金属が金属被覆層4の表面へ拡散することを防ぐためである。このような相互拡散が生ずると、金属被覆層4の表面で5A族金属が酸化したり、金属被覆層4を構成するPdと5A族金属との金属間化合物を生成して水素透過性能の低下を招いたりするおそれがある。
C固溶金属ベース層2a中において、固溶濃度の分布は、均一であることが好ましい。濃度分布があると、膜に亀裂が発生するという問題が生ずるからである。
炭化物中間層3及び金属被覆層4の構成は、第一の実施形態と同様とすることができる。
第二の実施形態による水素透過膜1aを、製造方法の局面から説明する。第二の実施形態による水素透過膜1aの製造方法は、5A族金属を主成分とする金属ベース層を炭化水素の存在下で加熱して、炭化物中間層3を形成するとともに金属ベース層にCを固溶させてC固溶金属ベース層2aを形成する工程と、該炭化物中間層3上に金属被覆層4を形成する工程とを含む。金属ベース層2にCを十分固溶させるためには、メタンが5〜30体積%、水素が70〜95体積%、全体の圧力が0.08〜0.12MPaのチャンバ内で、800〜1000℃で、好ましくは900℃で、5〜90分間に渡って加熱する。また、その後、使用温度より高い温度、例えば700℃で50〜100時間保持することで金属ベース層のC固溶量を増やし炭化物の分解を抑制することができる。
本発明の第二実施形態による水素透過膜1aは、C固溶金属ベース層2aにCが固溶しており、炭化物中間層3の分解による相互拡散が生じにくくなっている。このため、600℃程度の高温条件下でも、水素透過性能が劣化しない。
本発明の第三の実施形態による水素透過膜1bを図3に示す。図3に示す水素透過膜1bは、金属炭化物層3aの両面に金属被覆層4が被覆されている。この実施形態においては、5A族金属を主成分とする金属ベース層は設けられず、ベースとなるのは、5A族金属の炭化物を主成分とする金属炭化物層3aである。金属炭化物層3aは、5A族金属と同程度の水素透過性能を有し、金属被覆層4を構成するPdまたはPd合金と反応することがないため、水素透過膜1bのベース層として用いることができる。
金属炭化物層3aの主成分である5A族金属の炭化物としては、具体的には、NbC、NbC、TaC、TaC、VC、VCが挙げられる。通常、金属炭化物層3aは、これらから選択される一種類の炭化物から形成されるが、金属炭化物層3aには二種類以上の炭化物を含んでいてもよい。異なる5A族金属の炭化物を組み合わせて含んでいてもよい。
金属炭化物層3aの厚さは、20μm〜1mmとすることが好ましく、20〜100μmとすることがさらに好ましい。薄すぎると膜自体の強度が得られず、また厚すぎると水素透過性能が低下するからである。
金属被覆層4は、上記第一、第二の実施形態と同様の材料から形成することができ、同様の厚さとすることができるため、ここでは説明を省略する。
次に、第三の実施形態による水素透過膜1bを、製造方法の局面から説明する。本実施形態による水素透過膜1bの製造方法は、5A族金属の炭化物粉体を含んでなる層を成形する工程と、該金属炭化物層3aに、金属被覆層4を形成する工程とを含んでなる。
5A族の金属炭化物粉体としては、市販の粉体を用いることができる。NbC、TaC、TaC、VC、VCから選択される2以上の粉体を混合してもよい。炭化物粉体を圧縮し、成形して、圧粉体とした後、1000〜2300℃で、10〜20時間にわたって非酸化性雰囲気下で焼成することにより金属炭化物層3aを製造することができるが、この方法に限定するものではない。次に、必要に応じて金属炭化物層3aの表面を900〜1000℃で30〜60分間にわたって還元性雰囲気下で熱処理し、金属炭化物層3aの表面の酸化物を取り除くことができる。この工程は、5A族金属炭化物層3aの表面が酸素と接触して、酸化物が生じている場合に必要である。スパッタ法または真空蒸着法により、PdまたはPd合金からなる金属被覆層4を形成する。
本発明の第三実施形態による水素透過膜1bは、金属ベース層を用いないため、炭化物層中の金属炭化物の分解とそれに伴う相互拡散による性能劣化が生じない。また、金属ベース層を用いず、積層工程が少ないため、製造に有利である。
本発明の第四の実施形態による水素透過膜用基材を図4に示す。図4に示す水素透過膜用基材1cは、多孔質基体5に金属炭化物層3aが被覆されている。
多孔質基体5は、水素透過性を有する金属炭化物層3aの支持体として機能し、かつ一次圧側から金属炭化物層3aを透過してきた水素を二次圧側に透過させる。多孔質基体5は、5A族金属の炭化物およびPdまたはPd合金と反応しない材料から製造することができる。そのような性質を持つ材料であれば何でもよいが、特には、Al、ZrまたはSiの酸化物、TiまたはZrの炭化物、5A族金属の炭化物であることが好ましい。具体的には、平均粒径1〜10μmの炭化物粉体を圧粉成形し1000〜1500℃で焼成することで多孔質基体とすることができる。
多孔質基体5の厚さは、0.1〜10mmとすることが好ましく、0.5〜2mmとすることがさらに好ましい。薄いと基体としての強度が維持できないし、厚いと水素透過性能の低下がおきるからである。また、多孔質基体5の形状は、図示するように平板状であってもよいが、チューブ状の多孔質基体を用いてもよい。そして、その内側面または外側面に金属炭化物層3aを積層することができる。
多孔質基体5の一方の面には、金属炭化物層3aが被覆されている。金属炭化物層3aは、5A族金属炭化物を主成分とする層であって、その組成は第三の実施形態による金属炭化物層3aと同じであってよい。金属炭化物層3aの厚さは、1〜10μmとすることが好ましい。
図4に示す第四の実施形態による水素透過膜用基材1cを水素精製装置などで用いる場合には、金属炭化物層3a側を一次圧、多孔質基体5側を二次圧とすることができる。金属炭化物層3a側も水素濃度が高く、酸素や被毒成分があまり存在しないため、PdまたはPd合金で被膜を形成する必要がない。
次に、第四実施形態による水素透過膜用基材1cを、製造方法の局面から説明する。本実施形態による水素透過膜用基材1cの製造方法は、5A族金属の炭化物を主成分とする金属炭化物粉体を多孔質基体上に成膜して、金属炭化物層3aを形成する工程を含んでなる。
多孔質基体5は、上記材料から製造される多孔質を所定の厚さ、および形状に加工することによって得ることができる。このような所望の形状、サイズの多孔質基体5は、市販の物を用いることもできるし、既知の方法により調製することもできる。金属炭化物層3aを形成する工程では、多孔質基体5の一方の面に5A族金属の炭化物粉体のスラリーを噴霧することにより堆積させる。炭化物粉体のスラリーは、炭化物粉体を、有機系溶剤を分散媒として混合して調製することができる。その後、堆積した炭化物粉体を1000〜2300℃で10〜20時間にわたって非酸化性雰囲気下熱処理することで、金属炭化物層3aを形成することができる。
本発明の第四実施形態による水素透過膜用基材1cは、膜の構成が単純であるといった利点がある。
本発明の第五の実施形態による水素透過膜を図5に示す。図5に示す水素透過膜1dは、多孔質基体5に金属炭化物層3aが被覆され、金属炭化物層3aの多孔質基体5と接していない面に、PdまたはPd合金からなる金属被覆層4が形成されている。
多孔質基体5および金属炭化物層3aについては第四の実施形態と同じ組成、同じ厚さとすることができる。本実施形態による水素透過膜1dは、第4の実施形態による水素透過膜用基材1cに、さらにPdまたはPd合金からなる金属被覆層4が形成されているものである。金属被覆層4は、第三の実施形態において説明したのと同様の組成、厚さとすることができる。
第五の実施形態による水素透過膜1dの製造方法は、第四の実施形態による水素透過膜1cの製造方法に加えて、金属炭化物層3a上に、Pd金属またはPd合金からなる金属被覆層4を形成する工程をさらに含む。金属被覆層4の形成は、PdまたはPd合金を、真空蒸着法やスパッタ法で成膜することにより実施することができる。前述のように、金属被覆層を形成する工程の前に、必要に応じて金属炭化物層3aの表面を処理する工程を含むことが好ましい。
本発明の第五実施形態による水素透過膜1dは、一次側ガスに不純物が含まれる場合でも金属被覆層4により劣化を低減できるといった利点がある。
本発明の第六の実施形態による水素透過膜を図6に示す。図6に示す水素透過膜1eは、多孔質基体5に、各々が金属被覆層6で覆われた金属炭化物粉体3cから形成される炭化物粉体の層3bが形成され、その表面にさらに金属被覆層4が形成されている。図中では、金属炭化物粉体3cは全てが同一の形状であり、複数の金属炭化物粉体3cが規則的に配列しているように描かれているが、これは概念図であり、本発明の金属炭化物粉体の層3bは必ずしもこのような構成をしているものではない。
多孔質基体5は、第四、第五実施形態による多孔質基体と同一の構成の物を用いることができるため、ここでは説明を省略する。
金属炭化物粉体の層3bは、各々の粒子表面がPdまたはPd合金からなる金属被覆層6で被覆された5A族金属の炭化物粉体3cを、多孔質基体5に堆積させたものである。各々の炭化物粉体3c粒子の粒径は、平均粒径が0.1〜1μmであり、その表面に10〜数100nmの金属被覆層4が形成されている。炭化物粉体3cは、一種類の炭化物から構成されるものであってもよく、二種類以上の炭化物から構成されるものであってもよい。金属炭化物粉体の層3bの厚さは、1〜10μmとすることが好ましい。
金属炭化物粉体の層3bの、多孔質基体5と接していない面には、金属被覆層4が形成されている。これは、金属炭化物粉体の層3bに含まれる炭化物表面に被覆された金属被覆層4に加えて、さらに金属被覆層4を設けることで、耐酸化性が向上し、耐久性を向上させるためである。金属被覆層4は、第三の実施形態において説明したのと同様の組成、厚さとすることができる。本実施形態では、金属炭化物粉体の層3b上にさらに金属被覆層4が設けられている形態について説明したが、本発明においては必ずしも最表面の金属被覆層4がなくても水素透過膜として機能するものである。
次に、第六実施形態による水素透過膜1eを、製造方法の局面から説明する。本実施形態による水素透過膜1eの製造方法は、5A族金属の炭化物を主成分とする金属炭化物粉体3cの各々の粒子にPd金属またはPd合金からなる金属被覆層6を形成する工程と、該被覆された金属炭化物粉体を多孔質基体5上に成膜して、金属炭化物粉体の層3bを形成する工程と、該金属炭化物粉体の層上に、金属被覆層4を形成する工程とを含んでなる。金属炭化物粉体3cの各々の粒子にPd金属またはPd合金からなる金属被覆層6を形成する工程は、電解めっき法、気相スパッタ法などの既知の技術を利用して実施することができる。また、それ以外の工程は、第四、第五の実施形態に説明したのと同様にして実施することができる。
本発明の第六実施形態による水素透過膜1eは、二次側にも水素ガスを解離する作用を有するパラジウム及びパラジウム合金が被覆されていることになり水素透過性能や耐久性が改善されるといった利点がある。
以下に、本発明を、実施例を挙げてさらに詳細に説明する。以下の実施例は、本発明を限定するものではない。
[実施例1]
本発明の水素透過膜1を製造し、その物性を測定した。厚さが1mmのニオブ金属からなる金属ベース層を準備し、これを、メタン10体積%、水素90体積%の1気圧の混合ガス中で90分間加熱し、炭素を金属ベース層に固溶させた。この操作をすることによって同時に、金属ベース層の両面に厚さ約0.2μmのニオブ炭化物(NbCおよびNbC)の炭化物中間層3を形成させた。次に、ニオブ炭化物からなる炭化物中間層3の、金属ベース層2と接していない面に、室温でスパッタ成膜法により厚さ100ナノメートルのパラジウム金属被覆層4を形成させて、本発明による水素透過膜1を得た。
このようにして得られた水素透過膜を、600℃において3時間加熱した。その後、この水素透過膜をX線回折法によって分析したところ、金属被覆層4のパラジウムと炭化物中間層3のニオブが相互拡散した形跡は見られなかった。次に、閉鎖系に水素透過膜をおき、系内に水素ガスを導入し、その直後の水素ガス圧力の経時変化(水素吸収速度)を測定することで水素透過性能の劣化挙動を評価した。その結果、経時的な透過性能の劣化は観測されなかった。本発明による水素透過膜1は、水素の透過性能を劣化させることなく、600℃においてパラジウムとニオブの相互拡散を抑制することができた。
一方、厚さが1mmのニオブ膜からなる金属ベース層に、炭化物中間層を形成させることなく、厚さが約100nmのパラジウム金属被覆層を直接堆積させて、水素透過膜を得た。この水素透過膜を600℃で3時間加熱すると、パラジウム被覆層は完全に消失し、水素透過膜表面に、パラジウムとニオブの金属間化合物(PdNb)が形成された。金属間化合物の形成に伴い水素透過速度は著しく減少した。
これらの実施例の温度である600℃は、メタンガスを水蒸気と反応させて水素を製造する温度に相当する。本発明の水素透過膜は、メタンガスを水蒸気と反応させて水素を製造する反応に基づく水素製造装置から高純度の水素を抽出するための水素透過膜として用いることができる。
なお、この実施例は、金属ベース層2としてNbを用い、炭化物中間層3として、NbC、NbCを用いて行ったが、金属ベース層2としてTa、Vを用い、炭化物中間層3として、TaC、TaC、VC、VCを用いた水素透過膜でも、かかる実施例と同様に水素透過膜を600℃において3時間加熱した場合にパラジウムと5A族金属の相互拡散はみられないことが理論的に予測される。すなわち、実験的に、パラジウムとこれら炭化物の粉体を混合したものを600℃で3時間加熱しても新たな反応物が生成しないことを確認した。
[実施例2]
本発明の水素透過膜を、組成とその構成を変化させて製造し、その物性を上述の水素吸収速度測定により評価した。
試料1〜3の本発明による水素透過膜1aは、次のようにして調製した。5A族金属からなる金属ベース層を、直径が10mmで厚さが1mmの形状に成形した。これを、0.1MPaのメタン−水素混合ガス(9:1)中で、900℃において数分間加熱して炭化物中間層3を形成するとともに、金属ベース層にCを固溶させた。次いで、炭化物中間層3上に、厚さが100nmのPd金属被覆層4を真空蒸着により形成して得た。試料4〜10の水素透過膜1bは、第三の実施形態による水素透過膜である。まず、炭化物の粉体を圧縮成形し、2000℃で10時間加熱することにより、1mmの厚さの金属炭化物層3aを形成した。その上に厚さが100nmのPd金属被覆層4を真空蒸着により形成し、水素透過膜1bを得た。一方、比較試料1は、5A族金属からなる金属ベース層に、炭化物の層を間に設けることなく、100nmのPd金属被覆層を真空蒸着により直接形成して得た。
水素吸収速度測定は、500℃において、閉鎖真空系内に13.3Paの水素ガスを導入し、試料が水素を吸収することによる圧力減少速度より求めた。水素吸収速度測定装置10はターボ分子ポンプ12とオイルロータリーポンプ11で排気される真空装置であり、質量分析計14、電離真空計17、隔膜型圧力計18(フルスケール1.33kPa)が取り付けられているものであった。真空度は2×10−6Pa程度であった。水素透過膜1の試料は石英ガラス製の反応管中に導入され、外部から電気炉16で加熱される。試料温度は反応管外壁に取り付けた熱電対で測定した。水素は水素ボンベ20から可変リークバルブを通して導入した。
まず、試料1を反応管中に導入し、水素吸収速度測定装置全体10を真空に排気したのち、バルブ1(13),バルブ2(14)およびバルブ3(15)を閉じて試料をポンプより切り離した。次いで、太線で示した部分に33Paの水素を導入したのち、バルブ4(19)を閉じ閉鎖系とした。そののち、バルブ3(15)を開いて水素を試料中に吸収させた。バルブを開いた瞬間に体積膨張により水素の圧力は13.8Paに減少し、その後、試料による水素吸収によりさらに徐々に減少した。
測定結果と試料の組成を表1に示す。本発明の水素透過膜では、吸収実験開始後100秒経過時の系内圧力が1Paにまで減少したのに対し、比較1に示す水素透過膜では、4Paまでしか減少しなかった。この圧力の減少は、水素透過性能を表していると考えられ、本発明の水素透過膜は、従来型の水素透過膜と比較して、水素透過性能が高いことが明らかになった。
Figure 2005279484
本発明の活用例として、水素精製装置や、メタンから水素を製造するメンブレンリアクタ−式水素製造装置へ適用することができる。
本発明の第一の実施形態による水素透過膜を示す概念図である。 本発明の第二の実施形態による水素透過膜を示す概念図である。 本発明の第三の実施形態による水素透過膜を示す概念図である。 本発明の第四の実施形態による水素透過膜を示す概念図である。 本発明の第五の実施形態による水素透過膜を示す概念図である。 本発明の第六の実施形態による水素透過膜を示す概念図である。 水素吸収速度測定を実施するための装置を示す概念図である。
符号の説明
1、1a、1b、1d、1e 水素透過膜
1c 水素透過膜用基材
2 金属ベース層
2a C固溶金属ベース層
3 炭化物中間層
3a 金属炭化物層
3b 金属炭化物粉体の層
3a 金属炭化物粉体
4 金属被覆層
5 多孔質基体
6 金属被覆層
10 水素吸収速度測定装置
11 オイルロータリーポンプ
12 ターボ分子ポンプ
13 バルブ1
14 バルブ2
15 バルブ3
16 電気炉
17 電離真空計
18 隔膜型圧力計
19 バルブ4
20 水素ボンベ
21 ロータリーポンプ
22 質量分析計

Claims (13)

  1. 水素を選択的に透過させる水素透過膜であって、
    5A族金属を主成分とする金属ベース層の少なくとも一方の面に、5A族金属の炭化物を主成分とする炭化物中間層を被覆し、該炭化物中間層にPd金属またはPd合金からなる金属被覆層を被覆してなる水素透過膜。
  2. 前記金属ベース層に、Cが固溶されている請求項1に記載の水素透過膜。
  3. 水素を選択的に透過させる水素透過膜であって、
    5A族金属の炭化物を主成分とする金属炭化物層の両面に、Pd金属またはPd合金からなる金属被覆層を被覆してなる水素透過膜。
  4. 水素を選択的に透過させる水素透過膜用の基材であって、
    多孔質基体の少なくとも一方の面に、5A族金属の炭化物を主成分とする金属炭化物層を被覆してなる水素透過膜用基材。
  5. 請求項4に記載の水素透過膜用基材の金属炭化物層に、Pd金属またはPd合金からなる金属被覆層をさらに被覆してなる水素透過膜。
  6. 水素を選択的に透過させる水素透過膜であって、
    多孔質基体の少なくとも一方の面に、各々がPd金属またはPd合金からなる金属被覆層で被覆された5A族金属の炭化物を主成分とする金属炭化物粉体の層を被覆してなる水素透過膜。
  7. 前記金属炭化物粉体の層上に、Pd金属またはPd合金からなる金属被覆層をさらに被覆してなる請求項6に記載の水素透過膜。
  8. 前記金属被覆層に、Cが固溶されている請求項1〜3または5〜7のいずれかに記載の水素透過膜。
  9. 前記多孔質基体が、Al、ZrまたはSiの酸化物、TiまたはZrの炭化物、5A族金属の炭化物から選択される一以上を含んでなる請求項4〜8のいずれかに記載の水素透過膜。
  10. 5A族金属を主成分とする金属ベース層を炭化水素の存在下で加熱して、炭化物中間層を形成する工程と、
    該炭化物中間層上にPd金属またはPd合金からなる金属被覆層を形成する工程と
    を含む、水素を選択的に透過させる水素透過膜の製造方法。
  11. 5A族金属の炭化物を主成分とする金属炭化物粉体を多孔質基体上に成膜して、金属炭化物層を形成する工程と、
    該金属炭化物層上に、Pd金属またはPd合金からなる金属被覆層を形成する工程と
    を含む、水素を選択的に透過させる水素透過膜の製造方法。
  12. 5A族金属の炭化物を主成分とする金属炭化物粉体の各々にPd金属またはPd合金からなる金属被覆層を形成する工程と、
    該被覆された金属炭化物粉体を多孔質基体上に成膜して、金属炭化物粉体の層を形成する工程と
    を含む、水素を選択的に透過させる水素透過膜の製造方法。
  13. 前記金属炭化物粉体層上に、Pd金属またはPd合金からなる金属被覆層を形成する工程をさらに含む、請求項12に記載の水素透過膜の製造方法。
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