JP2005277143A - 電子線強度分布測定装置、電子線装置及び電子線強度分布測定方法 - Google Patents

電子線強度分布測定装置、電子線装置及び電子線強度分布測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 電子線検出器や電子線強度分布測定器などの電子線測定子の出力信号に、電子線測定子以外のセンサ等に入力された電子より生じた信号が与える影響を防止し、電子ビームの正確な電気信号強度分布を得る。
【解決手段】 電子線強度分布測定装置90を、照射された電子線15の強度を示す信号を出力する電子線検出手段80と、電子線検出手段80を電子線15から遮る遮断手段94と、遮断手段94により電子線15から遮られた電子線検出手段80の出力信号を記憶する記憶手段91と、電子線15を照射された電子線検出手段80の出力信号と記憶された出力信号との差分信号を出力する比較手段92と、比較手段92による差分信号に基づき、電子線の強度分布を生成する強度分布生成手段93とを備える。
【選択図】 図6

Description

本発明は、電子線の強度分布を測定する電子線強度分布測定装置及びその方法に関し、特に半導体集積回路などの製造工程で使用される微細パターンを露光する電子線露光装置の、電子線の強度分布を測定する電子線強度分布測定装置及びその方法に関する。
近年、半導体集積回路の高集積化のニーズに伴い、回路パターンの一層の微細化が要望されている。現在、微細化の限界を規定しているのは主として露光装置であり、電子ビーム直接描画装置やX線露光装置などの新しい方式の露光装置が開発されている。
最近では新しい方式の露光装置として、量産レベルで超微細加工用に使用可能な電子線近接露光装置が開示されている(例えば特許文献1、およびこれに対応する日本国特許出願の特許文献2)。
図1は、特許文献1に開示された電子線近接露光装置の基本構成を示す図である。この図を参照して、電子線近接露光装置について簡単に説明する。図示するように、電子光学鏡筒(カラム)10内には、電子ビーム15を発生する電子線源14と整形アパチャ18と電子ビーム15を平行ビームにする照射レンズ16とを有する電子銃12、対となる主偏向器21、22と、対となる副偏向器51、52とを含み、電子ビームを光軸に平行に走査する走査手段24、露光するパターンに対応する開口を有するマスク30、および静電チャック44とXYステージ46とから構成される。試料(半導体ウエハ)40は、表面にレジスト層42が形成され、静電チャック44上に保持されている。
マスク30は、厚い外縁部34内の中央に開口が形成された薄膜部32を有しており、試料40は表面がマスク30に近接するように配置される。この状態で、マスクに垂直に電子ビーム15を照射すると、マスクの開口を通過した電子ビーム15が試料40の表面のレジスト層42に照射される。
電子ビーム15は、走査手段24により偏向されて、図2に示すようにマスク30の薄膜部32上を走査して全面にわたって露光する。この露光量の分布にムラがあると、現像後のレジストのパターン線幅の誤差を生じるため、マスク薄膜部32への露光量を一定にする必要がある。そのために、電子ビーム15の電子線強度分布状態を測定しておく必要がある。
図3(A)は、従来の電子線強度分布測定器の基本構成図である。電子線強度分布測定器70は、テーブル73と、テーブル73をx方向に移動させるx方向駆動部74と、テーブル73に載置されるテーブル71と、テーブル71をy方向に移動させるy方向駆動部72と、テーブル71上に載置される電子線検出器80を備える。
図3(B)は電子線検出器であるピンホール検出器80の上面図であり、図3(C)はピンホール検出器80の側断面図である。
図示するようにピンホール検出器80は、測定するビーム径に対して十分小さい電子受入口81を有するアパチャ板82を上面に備える。アパチャ板82の下には、電子受入口81を通過した電子を検出するファラデーカップのような電子検出器83を設ける。このような構成によって、ピンホール検出器80は電子ビーム受入口81を通過する電子ビームの電流量を出力することが可能となる。
図4は、ピンホール検出器80を用いた電子線強度分布測定方法の説明図である。図示するとおりピンホール検出器80の電子受入口81を、電子ビーム15が照射されている電子ビーム分布範囲内でx方向及びy方向に移動させながら、各検出位置で電子検出器83の出力信号を順次取得する。そして、電子ビーム15の分布範囲内の各検出位置における電子線強度を示す電子検出器83の各出力信号と、各検出位置情報とにより、電子線強度分布(ビームプロファイル)を取得する。
図5は、他の従来の電子線強度分布測定器の基本構成図である。電子線強度分布測定器70は、電子ビーム15を受けて、その照射箇所が発光することにより電子ビーム15の強度分布に対応する発光像Aを作る蛍光面75と、蛍光面75に生じる発光像Aを撮像するCCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子77と、蛍光面75に生じる発光像Aを撮像素子77上の投影像Bとして結像する光学系(集束レンズ)76と、信号処理手段78とを備える。
信号処理手段78は、発光像Aの撮像信号を表す撮像素子77の出力信号から、発光像Aの各画素位置における輝度情報を抽出して、各画素位置の輝度に基づいてこの画素位置における電子線強度を算出する。そして各画素位置の位置情報とこの位置の電子線強度情報とから、蛍光面75の位置における電子線15の断面の電子線強度分布を作成して、出力する。
米国特許第5,831,272号明細書(全体) 日本特許第2951947号公報(全体)
電子線検出器80の出力信号は、その信号強度に基づいて検出した電子量に対応する電流値を示す電気信号に変換される。そして電子線強度分布を生成する測定器に取り込まれて使用される。
一方、電子線強度分布測定器70の出力信号は、撮像素子77により撮像された蛍光面75に生じる発光像Aの各位置の輝度情報に対応する電流値を示す電気信号に変換される。そして変換された検出信号が示す電子線強度分布に基づき電子線の強度や平行度の制御を行う外部計算機の入出力インタフェース部に取り込まれて使用される。
一方で、通常の電子線露光装置には、電子線検出器80や電子線強度分布測定器70(以下、これらをまとめて「電子線測定子」と記す)の他にも、マスク30に照射され反射した電子ビームにより生じる2次電子を検出する2次電子検出器や、マスク30に入射する際の電子ビーム15の入射角度を検出する入射角度検出器など、他の電子線センサも設けられる。そして、これらの他の電子検出手段の出力信号も、その信号強度に基づいて検出電子量に応じた電気信号に変換される。
通常は、電子線測定子及び他の電子線センサは、そのいずれか1つが測定に使用されているときに他の検出器は使用されず電子ビームが照射されない状態にある(例えば電子ビームを照射されない位置に退避している)。
したがって、電子線測定子や他の電子線センサの出力信号を電流指示信号に変換する信号処理回路(インタフェース部)を1台で供用することができ、このような信号処理回路の重複を避けてコストダウンを図ることが可能である。例えば、電子線測定子、前記2次電子検出器及び入射角度検出器の出力信号線を、信号処理回路に入力する前に相互に接続し信号処理回路にまとめて入力端に接続する、ということも可能である。
しかし、実際には、電子線測定子の出力信号に他の電子線センサからの出力信号が重畳して、電子線強度分布測定の際に前記信号処理回路に混入してしまうことが生じていた。
これは例えば、電子線測定子や電子線露光装置内壁に照射された電子ビーム15の電子が反射2次電子となり、これら他の電子線センサに検出されることが原因と考えられる。このような理由により従来の方法では、信号処理回路を供用しつつ正確な電子線強度分布を得ることが困難であった。また、電子線測定子と前記信号処理回路との間の電気回線などに2次電子が入力され、電子線強度分布測定に悪影響を与えるなどの問題もあった。
また、図5に示す電子線強度分布測定器70では、前記撮像素子77上のノイズにより正確な電気信号強度分布を得ることが困難であった。
上記問題点を鑑みて、本発明は前記の電子線検出器や電子線強度分布測定器などの電子線測定子の出力信号に、上述の電子線測定子以外の電子線センサ等に入力された電子より生じた電子線信号が与える影響を防止し、正確な電子線強度分布を得る電子線強度分布測定装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係る電子線強度分布測定装置は、前記の電子線測定子(電子線検出器や電線強度分布測定器)である電子線検出手段以外のセンサや電気回線に入力された電子線の電子により生じるノイズ信号を取得しておき、この信号を電子線測定子の出力信号から引いた差分信号を求め、この差分信号に基づいて電子線強度分布を作成する。
すなわち、本発明の第1形態に係る電子線強度分布測定装置は、電子ビームを検出してその強度を示す信号を出力する電子線検出手段と、電子線検出手段を電子ビームから遮る遮断手段と、遮断手段により電子ビームから遮られた電子線検出手段の出力信号を記憶する記憶手段と、電子ビームを照射された電子線検出手段の出力信号と、記憶された前記出力信号と、の差分信号を出力する比較手段と、を備え、電子線の強度分布を差分信号に基づき生成する。
電子線検出手段には、電子受入口と、電子受入口を通過する電子量を電気信号に変換する電子検出器とを備えることとしてよい。電子線強度分布測定装置は、この電子線検出手段を、前記電子線が強度分布の測定領域内で移動する移動手段とを備えることとしてよい。
または電子線検出手段は、照射された電子線の電子線強度分布に応じた発光強度分布で発光する蛍光面と、蛍光面を撮像する撮像素子とを備えることとしてよい。
遮断手段は、電子線の行路中に設けられ、電子線が通過可能な領域を制限するアパチャと、このアパチャの通過可能な領域外に電子線を偏向する偏向手段とを備えることとしてよい。
また遮断手段は、電子線検出手段に設けられた検出する電子線の受け入れ口を遮蔽するシャッター機構を備えることとしてよい。
本発明の第2形態に係る電子線装置は、本発明の第2形態に係る電子線強度分布測定装置を備える。
また本発明の第3形態に係る電子線装置は、試料に照射する電子線を生成する電子線源と、電子線を検出してその強度を示す信号を出力する電子線検出手段と、他の電子線検出器である電子線センサと、電子線検出手段及び電子線センサの出力信号が重畳して入力されるインタフェースと、インタフェースを介して取得した電子線検出手段の出力信号に基づいて電子線の強度分布を生成する電子線強度分布生成手段とを備え、さらに、前記電子線検出手段から前記インタフェースへの信号入力を制御する信号制御手段と、信号制御手段によって電子線検出手段からの信号が遮断されたインタフェースへの入力信号を記憶する記憶手段と、電子線検出手段からの信号が入力されたインタフェースのへの入力信号と記憶手段に記憶された信号との差分信号を出力する比較手段と、を備えることとし、ここに電子線強度分布生成手段は、この差分信号に基づき生成する。
電子線検出手段は、電子受入口と、電子受入口を通過する電子量を電気信号に変換する電子検出器とを備えることとしてよい。電子線強度分布測定装置は、この電子線検出手段を、前記電子線が強度分布の測定領域内で移動する移動手段とを備えることとしてよい。
電子線検出手段は、照射された電子線の電子線強度分布に応じた発光強度分布で発光する蛍光面と、蛍光面を撮像する撮像素子とを備えることとしてよい。
また本発明の第4形態に係る電子線装置は、試料に照射する電子線を生成する電子線源と、電子線の強度分布を測定して、強度分布を示す信号を出力する電子線強度分布測定手段と、他の電子線検出器である電子線センサと、電子線強度分布測定手段及び電子線センサの出力信号が重畳して入力されるインタフェースとを備え、さらに電子線強度分布測定手段からインタフェースへの信号入力を制御する信号制御手段と、信号制御手段によって電子線強度分布測定手段からの信号が遮断されたインタフェースへの入力信号を記憶する記憶手段と、電子線強度分布測定手段からの信号が入力されたインタフェースへの入力信号を、記憶手段に記憶された信号との差分信号に補正する補正手段とを備える。
電子線強度分布測定手段は、電子受入口と、電子受入口を通過する電子量を電気信号に変換する電子検出器と、この電子線検出器を、前記電子線が強度分布の測定領域内で移動する移動手段とを備えることとしてよい。また電子線強度分布測定手段は、照射された電子線の電子線強度分布に応じた発光強度分布で発光する蛍光面と、蛍光面を撮像する撮像素子とを備えることとしてよい。
本発明の第6形態に係る電子線強度分布測定方法は、照射された電子線を検出してその強度を示す信号を出力する電子線検出手段に電子線を照射して、このときの電子線検出手段の出力信号を取得する第1の信号取得ステップと、電子線検出手段を電子線から遮り、このときの電子線検出手段の出力信号を取得する第2の信号取得ステップと、第1の信号取得ステップにて取得した出力信号と、第2の信号取得ステップにて取得した出力信号と、の差分信号を求める比較ステップと、差分信号に基づき、電子線の強度分布を生成する強度分布生成ステップと、を有する。
本発明の第7形態に係る電子線強度分布測定方法は、試料に照射する電子線を生成する電子線源と、電子線を検出してその強度を示す信号を出力する電子線検出手段と、他の電子線検出器である電子線センサと、電子線検出手段及び電子線センサの出力信号が重畳して入力されるインタフェースと、を備える電子線装置において、インタフェースを介して取得した電子線検出手段の出力信号に基づいて電子線の強度分布を測定する電子線強度分布測定方法であって、電子線検出手段からの信号入力を遮断してインタフェースへの入力信号を取得する第1の信号取得ステップと、電子線検出手段からの信号を入力してインタフェースへの入力信号を取得する第2の信号取得ステップと、第1の信号取得ステップにて取得した信号と、第2の信号取得ステップにて取得した信号と、の差分信号を求める比較ステップと、差分信号に基づき、電子線の強度分布を生成する強度分布生成ステップと、を有する。
本発明の第8形態に係る電子線強度分布測定方法は、試料に照射する電子線を生成する電子線源と、電子線の強度分布を測定して、強度分布を示す信号を出力する電子線強度分布測定手段と、他の電子線検出器である電子線センサと、電子線強度分布測定手段及び電子線センサの出力信号が重畳して入力されるインタフェースと、を備える電子線装置における電子線の電子線強度分布測定方法であって、電子線強度分布測定手段からの信号入力を遮断してインタフェースへの入力信号を取得する第1の信号取得ステップと、電子線強度分布測定手段から信号を入力してインタフェースへの入力信号を取得する第2の信号取得ステップと、第2の信号取得ステップで取得した信号を、第1の信号取得ステップで取得した信号との差分信号に補正する補正ステップと、を有する。
本発明によれば、電子線検出手段以外に入力された電子線により生じるノイズ信号を取得しておき、これを電子線検出手段の出力信号から引いた差分信号に基づいて電子線強度分布を測定するため、電子線検出手段以外の電子線センサや電気回路に入力された電子によるノイズ信号が、電子線強度分布測定に影響を与えることを防止する。
また、電子線を検出しない状態の遮られた電子線検出手段の出力信号を取得しておき、これを電子線検出手段の出力信号から引いた差分信号に基づいて電子線強度分布を測定するため、前記の蛍光板と撮像素子を使用する電子線検出手段や電子線強度分布測定手段において、撮像素子上のノイズや蛍光板の汚れなどにより生じるノイズ信号が、電子線強度分布測定に影響を与えることを防止する。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図6(A)は、本発明の第1実施例に係る電子線強度分布測定装置の基本構成図である。
電子線強度分布測定装置90は、テーブル73と、テーブル73をx方向に移動させるx方向駆動部74と、テーブル73に載置されるテーブル71と、テーブル71をy方向に移動させるy方向駆動部72と、テーブル71上に載置される電子線検出器80を備える。
電子線検出器80は、図1に示した構成の電子線近接露光装置の電子ビーム15の偏向範囲内に設けられる。図6(A)の例では、電子線検出器80は試料40を保持する静電チャック44が載置されるXYステージ46上に設けられており、XYステージ46によって走査手段24による電子ビーム走査範囲の各位置において強度分布を測定可能である。
なお、電子線近接露光装置の基本構成は、図1に関連して上記に説明したとおりであるため説明は省略する。また、本発明の電子線強度分布測定装置は、電子線近接露光装置だけでなく、その他の方式の電子線露光装置や、電子線源から生じる電子線を試料に照射する電子線装置(例えば、走査型電子顕微鏡や透過形電子顕微鏡、電子線検査装置)にも利用可能である。
図6(B)は電子線検出器であるピンホール検出器80の上面図であり、図6(C)は電子線検出手段であるピンホール検出器80の側断面図である。
図示するようにピンホール検出器80は、測定するビーム径に対して十分小さい電子受入口81を有するアパチャ板82を上面に備える。アパチャ板82の下には、電子受入口81を通過した電子を検出するファラデーカップのような電子検出器83を設ける。このような構成によって、ピンホール検出器80は電子ビーム受入口81を通過する電子ビームの電流量を出力する。
電子線強度分布測定装置90は、ピンホール検出器80を電子ビーム15から遮る遮断手段94と、ピンホール検出器80の出力信号を記憶する記憶手段91と、ピンホール検出器80の出力信号と記憶手段91に記憶された出力信号との差分信号を出力する比較手段92と、比較手段92による差分信号に基づき、電子ビーム15の強度分布を生成し強度分布信号を出力する強度分布生成手段93とを備える。
遮断手段94はピンホール検出器80を電子ビーム15から遮断する状態と遮断しない状態とを有する。例えば図示する例では、遮断部分が移動手段によって電子ビーム15を遮断する位置と遮断しない位置との間を移動できるように設けられる。
図7を参照して、電子線強度分布測定装置90の動作を説明する。図7は、本発明に係る電子線強度分布測定方法のフローチャートである。
ステップS101において、電子線強度分布測定装置90は、遮断手段94よりピンホール検出器80を電子ビーム15から遮断して、ピンホール検出器80の出力信号を取得し、取得した出力信号を記憶手段91に記憶する。
このとき、電子線強度分布測定装置90は、x方向駆動部74及びy方向駆動部72によって、ピンホール検出器80の電子受入口81を電子ビーム15の強度分布測定領域内のいずれかの検出位置に位置付けて、ピンホール検出器80の出力信号を取得し記憶することとしてよい。
すなわち、記憶手段91に記憶されるピンホール検出器80の出力信号は、ピンホール検出器80の電子受入口81を電子ビーム15の強度分布測定領域内のいずれかの検出位置に位置付けて、遮断装置94によりピンホール検出器80を電子ビーム15から遮断したときの出力信号としてよい。
または、電子線強度分布測定装置90は、x方向駆動部74及びy方向駆動部72によって、電子受入口81を電子ビーム15の強度分布測定領域内の各検出位置に位置付けて、各検出位置におけるピンホール検出器80の各出力信号を取得し、各出力信号と各検出位置の位置情報とをそれぞれ対応させて記憶することとしてもよい。
すなわち、記憶手段91に記憶されるピンホール検出器80の出力信号は、ピンホール検出器80の電子受入口81を電子ビーム15の強度分布測定領域内の各検出位置に位置付けて、遮断装置94によりピンホール検出器80を電子ビーム15から遮断したときの各出力信号としてよい。
ステップS102において、電子線強度分布測定装置90は、遮断手段94の状態をピンホール検出器80を電子ビーム15から遮断しない状態に変更して、電子ビームを照射されるピンホール検出器80の出力信号を取得する。
このとき、電子線強度分布測定装置90は、x方向駆動部74及びy方向駆動部72によって、電子受入口81を電子ビーム15の強度分布測定領域内の各検出位置に位置付けて、各検出位置におけるピンホール検出器80の各出力信号を取得してよい。
ステップS103において、比較手段92は、ステップS102において取得された出力信号からステップS101において記憶された出力信号を引いた差分信号を求めて、強度分布生成手段に出力する。
このとき、ステップS101において記憶される出力信号が強度分布測定領域内のいずれかの検出位置において取得された信号であり、ステップS102において取得される出力信号が強度分布測定領域内の各検出位置において取得された信号であるとき、比較手段92は、ステップS102にて取得した全ての各出力信号から、ステップS101にて記憶した1つの出力信号をそれぞれ差し引いて、各検出位置に対応する各差分信号をそれぞれ求める。
ステップS101において記憶される出力信号が強度分布測定領域内の各検出位置において取得された信号であり、ステップS102において取得される出力信号が強度分布測定領域内の各検出位置において取得された信号であるとき、比較手段92は、ステップS102にて取得した各検出位置における各出力信号から、ステップS101にて記憶した該検出位置における各出力信号をそれぞれ差し引いて、各検出位置に対応する各差分信号を求める。
ステップS104において、強度分布生成手段93は、ステップS103で求めた差分信号に基づき電子ビームの電子線強度分布を生成する。
このとき、ステップS102において取得される出力信号が強度分布測定領域内の各検出位置において取得された信号であるとき、強度分布生成手段93は、各検出位置を示す位置信号とこれに対応する各差分信号とに基づき、電子線強度分布を生成する。
電子線検出手段は、図5に示す電子線強度分布測定器70と同様に設けてよい。この構成を図8に示す。電子線検出手段は、電子ビーム15を受け入れる電子線受入口79と、電子線受入口79を通過した電子ビーム15の照射箇所が電子線強度分布に応じた発光強度分布で発光することにより、電子線15の強度分布に対応する発光像Aを作る蛍光面75と、蛍光面75に生じる発光像Aを撮像するCCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子77と、蛍光面75に生じる発光像Aを撮像素子77上の投影像Bとして結像する光学系(集束レンズ)76と、撮像素子77の各画素信号を処理する信号処理手段78とを備える。
ここで、信号処理手段78が処理する各画素信号は、図6に示すピンホール検出器80の電子受入口81を電子ビーム15の強度分布測定領域内の各検出位置に位置付けたピンホール検出器80の各出力信号に相当する。
記憶手段91は、遮断手段94により電子ビーム15から電子線受入口79が遮断された場合の、撮像素子77のいずれかの位置の画像信号を記憶する。
そして、比較手段92は、電子ビーム15から電子線受入口79に入射した場合の撮像素子77の各画素信号から、記憶手段91に記憶される画素信号をそれぞれ差し引き、その差分信号を求める。強度分布生成手段93は、各差分信号と各画素の位置とに基づき、電子ビーム15の電子線強度分布を生成して出力する。
または、記憶手段91は、遮断手段94により電子ビーム15から電子線受入口79が遮断された場合の、撮像素子77の各画素信号を記憶する。
そして、比較手段92は、電子ビーム15から電子線受入口79に入射した場合の撮像素子77の各画素信号から、記憶手段91に記憶される各画素信号をそれぞれ差し引き、その差分信号を求める。強度分布生成手段93は、各差分信号と各画素の位置とに基づき、電子ビーム15の電子線強度分布を生成して出力する。
図8に示す電子線強度分布測定装置90によって、撮像素子77上のノイズによる生じる電子線信号が、出力信号である電子線強度分布信号に影響を与えることを防止できる。
図9は、本発明の第2実施例に係る電子線強度分布測定装置の基本構成図である。電子線強度分布測定装置90は、電子線検出手段であるピンホール検出器80の出力信号を信号処理手段95によって処理することにより、照射された電子ビーム15の強度分布を測定して強度分布信号を出力する電子線強度分布測定手段70と、電子線強度分布測定手段70を電子ビームから遮る遮断手段94と、電子線強度分布測定手段70の出力信号を記憶する記憶手段91と、強度分布測定手段70の出力信号と、記憶手段91に記憶された出力信号との差分を出力する比較手段92とを備える。
遮断手段94、ピンホール検出器80、テーブル71、テーブル73、x方向駆動部74及びy方向駆動部72は、図6に示す電子線強度分布測定装置90の第1実施例と同様であり説明を省略する。
電子線強度分布測定手段70は、x方向駆動部74及びy方向駆動部72により、ピンホール検出器80をxy方向に移動させ、電子ビーム受入口81を、電子線強度分布測定領域の各検出位置に走査する。そして、各検出位置における電子線強度を測定し、各検出位置の各位置情報と電子線強度の各測定値とにより、電子線強度分布(ビームプロファイル)を測定する。
図10は、本発明に係る電子線強度分布測定方法のフローチャートである。
ステップS111において、電子線強度分布測定装置90は、遮断手段94により電子線強度分布測定手段70のピンホール検出器80を電子ビーム15から遮断して、電子線強度分布測定手段70の出力信号であるノイズ分布信号を取得し記憶手段91に記憶する。
ステップS112において、電子線強度分布測定装置90は、遮断手段94の状態をピンホール検出器80を電子ビーム15から遮断しない状態に変更し、電子ビームをピンホール検出器80に照射させて、電子線強度分布測定手段70の出力信号である電子線強度分布信号を取得する。
ステップS113において、比較手段92は、ステップS102において取得された出力信号である電子線強度分布信号から、ステップS101において記憶された出力信号であるノイズ分布信号を引いた差分信号を求めて、ステップS114において、電子線強度分布信号からノイズ成分を除去した電子線強度分布信号を出力する。
電子線強度分布測定手段70は、図5及び図8に示す電子線強度分布測定器70と同様に設けてよい。この構成を図11に示す。電子線強度分布測定手段70は、図5及び図8に示す電子線強度分布測定器70と同様に、電子線受入口79と、蛍光面75と、撮像素子77と、光学系(集束レンズ)76と、信号処理手段78とを備える。
電子線強度分布測定装置90は、遮断手段94により電子線受入口79を電子ビーム15から遮断して、電子線強度分布測定手段70の出力信号であるノイズ分布信号を取得し、記憶手段91に記憶する。
次に、電子線強度分布測定装置90は、遮断手段94の状態を電子線受入口79を電子ビーム15から遮断しない状態に変更し、電子ビーム15を電子線受入口79に照射させて、電子線強度分布測定手段70の出力信号である電子線強度分布信号を取得する。
比較手段92は、この電子線強度分布信号から、記憶手段91に記憶されたノイズ分布信号を引いた差分信号を求めて、電子線強度分布信号からノイズ成分を除去した電子線強度分布信号として出力する。
図12(A)、図12(B)には、遮断手段94の構成例を示す。
図12(A)に示す構成例では、遮断手段は電子ビーム15の行路中に設けられ、電子ビームが通過可能な領域を制限するアパチャ板97と、電子ビーム15をアパチャ板の通過可能な領域外に偏向する偏向手段である偏向コイル96とを備える。図示するとおり、電子ビーム15が、通過可能領域である開口部分以外のアパチャ板97部分に偏向されて、アパチャ板97に遮られることによって、電子線検出手段や電子線強度分布測定手段を電子ビーム15から遮断する。
アパチャ板97及び偏向コイル96は、本電子線強度分布測定装置が使用される電子線装置自体が備えるブランキング機構を使用してもよい。
図12(B)に示す構成例では、遮断手段は電子線検出手段80の開口81を遮蔽するシャッター機構98を備える。シャッター機構98は、図8及び図9に示す電子線強度分布測定手段70の開口79に設けることとしてもよい。
図13は、本発明の第3実施例に係る電子線近接露光装置の基本構成図である。電子線近接露光装置200の基本構成は、図1に示した構成及び上記の文献1に開示された構成に類似した構成を有している。よって、図1と同一の機能部分には同一の参照番号を付して表し、詳しい説明は省略する。また、本発明の電子線装置は、電子線近接露光装置だけでなく、その他の方式の電子線露光装置や、電子線源から生じる電子線を試料に照射する電子線装置(例えば、走査型電子顕微鏡や透過形電子顕微鏡、電子線検査装置)にも利用可能である。
電子ビーム近接露光装置200は、電子光学鏡筒(カラム)10及びチャンバ8を備えている。カラム10内には、電子ビーム15を発生する電子ビーム源14と整形アパチャ18と電子ビーム15を平行ビームにする照射レンズ16とを有する電子銃12、対となる主偏向器21、22と、対となる副偏向器51、52とを含み、電子ビームを光軸に平行に走査する走査手段24、露光するパターンに対応する開口を有するステンシルマスク30(またはマスク基板30)が設けられる。
一方チャンバ8には、静電チャック44とXYステージ46とが設けられる。試料(半導体ウエハ)40は、表面にレジスト層42が形成され、静電チャック44上に保持されている。
そして静電チャック44に吸着された試料40の表面に近接するように(マスク30と試料40とのギャップが、例えば、50μmとなるように)配置される。
XYステージ46上には、電子線検出器である図6に示した電子線検出器80又は図8に示した電子線強度分布測定器70が設けられる。ピンホール検出器80の構成及び機能は、図6を参照して既に説明したとおりである。また電子線強度分布測定器70の構成及び機能は、図8を参照して既に説明したとおりである。
また電子線露光装置200内には、マスク30に照射され反射した電子ビームにより生じる2次電子を検出する2次電子検出器211や、マスク30に入射する際の電子ビームの入射角度を検出する入射角度検出器212が設けられる。
また、電子線近接露光装置200は、電子線検出器80又は電子線強度分布測定器70、2次電子検出器211及び入射角度検出器212の出力信号がそれぞれ入力され、入力される各電気信号を重畳して所定形式の電気信号に変換して出力するインタフェース221を備える。インタフェース221は、所定形式の電気信号に変換された信号をさらにディジタル形式に変換して出力し、電子線近接露光装置200の制御を司る計算機201のデータバス202に供給することとしてよい。
電子線検出器80又は電子線強度分布測定器70からインタフェース221への信号入力は、信号入力制御部である継電器などの開閉器(スイッチ)222によって制御される。電子線検出器80又は電子線強度分布測定器70、2次電子検出器211及び入射角度検出器212とインタフェース221とは、2次電子検出器211及び入射角度検出器212とインタフェース221の各出力回線と、電子線検出器80又は電子線強度分布測定器70の出力回線とを接続点223にてそれぞれ接続した後に、インタフェース221への入力端に接続する電気的接続手段である信号回線により接続される。
開閉器222は、電子線検出器80又は電子線強度分布測定器70の出力回線の、電子線検出器80又は電子線強度分布測定器70の出力端と接続点223との間に設けられ、電子線検出器80又は電子線強度分布測定器70の出力回線(出力端)とインタフェース221の入力端との間の電気的接続を開閉する。
また、電子ビーム近接露光装置200は、インタフェース221への入力信号を記憶する記憶手段203を備える。記憶手段203はデータバス202に接続されており、インタフェース221からデータバス202に供給された信号を記憶する一方、記憶した入力信号をデータバス202に供給する。
また電子ビーム近接露光装置200は、インタフェース221への現在の入力信号と記憶手段203に記憶された信号との差分信号を計算する比較手段204を備える。比較手段204もまたデータバス202に接続されており、インタフェース221からデータバス202に供給された入力信号と、記憶手段203からデータバス202に供給された信号とを入力してその差分信号を求め、計算された差分信号をデータバス202に供給する。
さらに電子ビーム近接露光装置200は、比較手段204の出力信号に基づいて電子ビーム15の強度分布を生成する強度分布生成手段205を備える。強度分布生成手段202もまたデータバス202に接続されており、比較手段204により計算された差分信号に基づいて電子ビーム15の強度分布を生成する。
図14に電子ビーム近接露光装置200による電子線強度分布測定方法のフローチャートである。
ステップS120において、開閉器222は電子線検出器80又は電子線強度分布測定器70の出力回線(出力端)とインタフェース221の入力端との間の電気的接続を開放し、電子線検出器80又は電子線強度分布測定器70からインタフェース221への信号入力を遮る。その状態でインタフェース221は、2次電子検出器211及び入射角度検出器212からの出力信号を取得してディジタル信号に変換してデータバス202に供給する。
そして、記憶手段203はデータバス202上に供給されたインタフェース221への入力信号を記憶する。
ステップS121において、開閉器222は電子線検出器80又は電子線強度分布測定器70の出力回線とインタフェース221の入力端とを電気的に接続する。その状態でインタフェース221は、電子線検出器80又は電子線強度分布測定器70、2次電子検出器211及び入射角度検出器212からの出力信号を取得してディジタル信号に変換してデータバス202に供給する。
ステップS122において、比較手段204は、インタフェース221からデータバス202に供給された現在の信号と、記憶手段203に記憶されデータバス202に供給された信号とを入力して、現在のインタフェース221への入力信号から記憶手段203に記憶された信号を差し引いた差分信号を求め、計算された差分信号をデータバス202に供給する。
したがって、比較手段204から出力される差分データは、測定対象となる電子線検出器80又は電子線強度分布測定器70の出力信号と、雑音信号である2次電子検出器211及び入射角度検出器212の電子線信号とを含むインタフェース221への入力信号から、2次電子検出器211及び入射角度検出器212の出力信号を引いた信号となる。
計算機201は、電子線強度を取得する位置を、強度分布を測定するべき測定領域の各検出位置に変更しながら(S123、S124)、上記S120〜S122のステップを繰り返し実行し、計算された各差分信号を記憶手段203に記憶する。電子線検出器80を各検出位置に移動するために、図6に示すテーブル73と、x方向駆動部74と、テーブル71と、y方向駆動部72と、からなるステージ機構を使用することとしてよい。
ステップS125において、強度分布生成手段205は、各検出位置における電子線強度を、記憶手段203に記憶された各検出位置について記憶された各差分信号が示す電子線強度とする強度分布を生成する。
図15は、本発明の第4実施例に係る電子線近接露光装置の基本構成図である。電子線近接露光装置200の基本構成は、図1及び図13に示した構成及び上記の文献1に開示された構成に類似した構成を有している。よって同一の機能部分には同一の参照番号を付して表し、説明は省略する。
XYステージ46上には、図9及び図11に示した電子線強度分布測定手段70が設けられる。電子線強度分布測定手段70の構成及び機能は、図9及び図11を参照して既に説明したとおりである。
電子線露光装置200内には、マスク30に照射され反射した電子ビームにより生じる2次電子を検出する2次電子検出器211や、マスク30に入射する際の電子ビームの入射角度を検出する入射角度検出器212が設けられる。
また、電子線近接露光装置200は、電子線強度分布測定器70、2次電子検出器211及び入射角度検出器212の出力信号がそれぞれ入力され、入力される各電気信号を重畳して所定形式の電気信号に変換して出力するインタフェース221を備える。インタフェース221は、所定形式の電気信号に変換された出力信号をさらにディジタル形式に変換し、電子線近接露光装置200の制御を司る計算機201のデータバス202に供給することとしてよい。
ここに、電子線強度分布測定器70からの出力信号は、所定の測定領域内における電子線強度分布を示す信号である。例えば電子線強度分布測定器70からの出力信号は、前記測定領域内の各検出位置の電子線強度を所定の走査順序で取得した電子線強度信号を、所定の時間間隔で並べて出力されるラスター信号としてよい。インタフェース221は、入力されたラスター信号の各時点における信号強度に基づいて、対応する電子ビーム電流強度を算出して、ディジタル信号に変換してデータバス202に順次供給することとしてよい。
電子線強度分布測定器70からインタフェース221への信号入力は、信号入力制御部である継電器などの開閉器(スイッチ)222によって制御される。電子線強度分布測定器70、2次電子検出器211及び入射角度検出器212とインタフェース221とは、2次電子検出器211及び入射角度検出器212とインタフェース221の各出力回線と、電子線強度分布測定器70の出力回線とを接続点223にてそれぞれ接続した後に、インタフェース221への入力端に接続する電気的接続手段である信号回線により接続される。
開閉器222は、電子線強度分布測定器70の出力回線の、電子線強度分布測定器70の出力端と接続点223との間に設けられ、電子線強度分布測定器70の出力回線(出力端)とインタフェース221の入力端との間の電気的接続を開閉する。
また、電子ビーム近接露光装置200は、インタフェース221への入力信号を記憶する記憶手段203を備える。記憶手段203はデータバス202に接続されており、インタフェース221からデータバス202に供給された信号を記憶する一方、記憶した入力信号をデータバス202に供給する。
また電子ビーム近接露光装置200は、インタフェース221への現在の入力信号と記憶手段203に記憶された信号との差分信号を計算する補正手段206を備える。補正手段206もまたデータバス202に接続されており、インタフェース221からデータバス202に供給された入力信号と、記憶手段203からデータバス202に供給された信号とを入力してその差分信号を求め、インタフェース221からデータバス202に供給された信号を該差分信号に補正してデータバス202に供給する。
ここに、補正手段206は、インタフェース221へから順次入力される現在の入力信号、すなわち各検出位置の電子線強度を所定の走査順序で取得した電子線強度信号を、所定の時間間隔で並べたラスター信号から、記憶手段203に記憶された信号を差し引いた差分信号を求める。
図16に電子ビーム近接露光装置200による電子線強度分布測定方法のフローチャートである。
ステップS130において、開閉器222は電子線強度分布測定器70の出力回線(出力端)とインタフェース221の入力端との間の電気的接続を開放し、電子線強度分布測定器70からインタフェース221への信号入力を遮る。その状態でインタフェース221は、2次電子検出器211及び入射角度検出器212からの出力信号を取得してディジタル信号に変換してデータバス202に供給する。
そして、記憶手段203はデータバス202上に供給されたインタフェース221への入力信号を記憶する。
ステップS131において、開閉器222は電子線強度分布測定器70の出力回線とインタフェース221の入力端とを電気的に接続する。その状態でインタフェース221は、電子線強度分布測定器70、2次電子検出器211及び入射角度検出器212からの出力信号を取得してディジタル信号に変換してデータバス202に供給する。
ステップS132において、補正手段206は、インタフェース221からデータバス202に供給された現在の信号と、記憶手段203に記憶されデータバス202に供給された信号とを入力して、現在のインタフェース221への入力信号から記憶手段203に記憶された信号を差し引いた差分信号を求め、インタフェース221からデータバス202に供給された現在の信号(現在のインタフェース221への入力信号)を補正する。
したがって、補正手段206から出力される補正済み出力信号は、測定対象となる電子線強度分布測定器70の出力信号と、雑音信号である2次電子検出器211及び入射角度検出器212の電子線信号とを含むインタフェース221への入力信号から、2次電子検出器211及び入射角度検出器212の出力信号を引いた信号となる。
電子線近接露光装置の基本構成図である。 電子ビームの走査方法の説明図である。 (A)は、従来の電子線強度分布測定器の基本構成図(その1)であり、(B)はピンホール検出器の上面図であり、(C)はその側断面図である。 ピンホール検出器を用いた電子線強度分布測定方法の説明図である。 従来の電子線強度分布測定器の基本構成図(その2)である。 (A)は本発明の第1実施例に係る電子線強度分布測定装置の基本構成図(その1)であり、(B)は電子線検出器であるピンホール検出器の上面図であり、(C)はその側断面図である。 本発明に係る電子線強度分布測定方法のフローチャート(その1)である。 本発明の第1実施例に係る電子線強度分布測定装置の基本構成図(その2)である。 本発明の第2実施例に係る電子線強度分布測定装置の基本構成図(その1)である。 本発明に係る電子線強度分布測定方法のフローチャート(その2)である。 本発明の第2実施例に係る電子線強度分布測定装置の基本構成図(その2)である。 遮断手段の構成例を例示する図である。 本発明の第3実施例に係る電子線近接露光装置の基本構成図である。 本発明に係る電子線強度測定方法のフローチャート(その3)である。 本発明の第4実施例に係る電子線近接露光装置の基本構成図である。 本発明に係る電子線強度測定方法のフローチャート(その4)である。
符号の説明
15…電子ビーム
80…電子線検出手段
90…電子線強度分布測定装置
91…記憶手段
92…比較手段
93…強度分布生成手段
94…遮断手段

Claims (14)

  1. 電子線源により生じる電子線を試料に照射する電子線装置に設けられ、前記電子線を検出してその強度を示す信号を出力する電子線検出手段を備え、前記電子線検出手段の出力信号に基づいて前記電子線の強度分布を生成する電子線強度分布測定装置であって、
    さらに、前記電子線検出手段を前記電子線から遮る遮断手段と、
    前記遮断手段により前記電子線から遮られた前記電子線検出手段の出力信号を記憶する記憶手段と、
    前記電子線を照射された前記電子線検出手段の出力信号と、記憶された前記出力信号と、の差分信号を出力する比較手段と、を備え、
    前記電子線の強度分布を、前記差分信号に基づき生成することを特徴とする電子線強度分布測定装置。
  2. 電子線源により生じる電子線を試料に照射する電子線装置に設けられ、前記電子線を検出してその強度を示す信号を出力する電子線検出手段を備え、前記電子線検出手段の出力信号に基づいて前記電子線の強度分布を生成する電子線強度分布測定装置であって、
    前記電子線を照射された前記電子線検出手段の出力信号を取得する第1の信号取得手段と、
    前記電子線検出手段を前記電子線から遮り、このときの前記電子線検出手段の出力信号を取得する第2の信号取得手段と、
    前記第1の信号取得手段にて取得した出力信号と、前記第2の信号取得手段にて取得した出力信号と、の差分信号を出力する比較手段と、を備え、
    前記電子線の強度分布を、前記差分信号に基づき生成することを特徴とする電子線強度分布測定装置。
  3. 前記電子線検出手段は、電子受入口と、該電子受入口を通過する電子量を電気信号に変換する電子検出器とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の電子線強度分布測定装置。
  4. 前記電子線検出手段は、照射された前記電子線の電子線強度分布に応じた発光強度分布で発光する蛍光面と、前記蛍光面を撮像する撮像素子とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の電子線強度分布測定装置。
  5. 前記遮断手段は、
    前記電子線の行路中に設けられ、前記電子線が通過可能な領域を制限するアパチャと、
    前記電子線を、前記アパチャの前記通過可能な領域外に偏向する偏向手段と、を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子線強度分布測定装置。
  6. 前記電子線検出手段は、検出する前記電子線を受け入れる開口を備え、
    前記遮断手段は、前記電子線検出手段の前記開口を遮蔽するシャッター機構を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子線強度分布測定装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子線強度分布測定装置を備えることを特徴とする電子線装置。
  8. 試料に照射する電子線を生成する電子線源と、前記電子線を検出してその強度を示す信号を出力する電子線検出手段と、他の電子線検出器である電子線センサと、前記電子線検出手段及び前記電子線センサの出力信号が重畳して入力されるインタフェースと、前記インタフェースを介して取得した前記電子線検出手段の出力信号に基づいて前記電子線の強度分布を生成する電子線強度分布生成手段と、を備える電子線装置であって、
    前記電子線検出手段から前記インタフェースへの信号入力を制御する信号制御手段と、
    前記信号制御手段によって前記電子線検出手段からの信号が遮断された前記インタフェースへの入力信号を記憶する記憶手段と、
    前記電子線検出手段からの信号が入力された前記インタフェースへの入力信号と前記記憶手段に記憶された信号との差分信号を出力する比較手段と、を備え、
    電子線強度分布生成手段は、前記差分信号に基づき前記電子線の強度分布を生成することを特徴とする電子線装置。
  9. 前記電子線検出手段は、電子受入口と、該電子受入口を通過する電子量を電気信号に変換する電子検出器とを備えることを特徴とする請求項8に記載の電子線装置。
  10. 試料に照射する電子線を生成する電子線源と、前記電子線の強度分布を測定して、該強度分布を示す信号を出力する電子線強度分布測定手段と、他の電子線検出器である電子線センサと、前記電子線強度分布測定手段及び前記電子線センサの出力信号が重畳して入力されるインタフェースと、を備える電子線装置であって、
    電子線強度分布測定手段から前記インタフェースへの信号入力を制御する信号制御手段と、
    前記信号制御手段によって電子線強度分布測定手段からの信号が遮断された前記インタフェースへの入力信号を記憶する記憶手段と、
    電子線強度分布測定手段からの信号が入力された前記インタフェースへの入力信号を、前記記憶手段に記憶された信号との差分信号に補正する補正手段と、
    を備えることを特徴とする電子線装置。
  11. 電子線強度分布測定手段は、照射された前記電子線の電子線強度分布に応じた発光強度分布で発光する蛍光面と、前記蛍光面を撮像する撮像素子とを備えることを特徴とする請求項10に記載の電子線装置。
  12. 照射された電子線を検出してその強度を示す信号を出力する電子線検出手段に、電子線を照射して、このときの前記電子線検出手段の出力信号を取得する第1の信号取得ステップと、
    前記電子線検出手段を前記電子線から遮り、このときの前記電子線検出手段の出力信号を取得する第2の信号取得ステップと、
    前記第1の信号取得ステップにて取得した出力信号と、前記第2の信号取得ステップにて取得した出力信号と、の差分信号を求める比較ステップと、
    前記差分信号に基づき、前記電子線の強度分布を生成する強度分布生成ステップと、を有することを特徴とする電子線強度分布測定方法。
  13. 試料に照射する電子線を生成する電子線源と、前記電子線を検出してその強度を示す信号を出力する電子線検出手段と、他の電子線検出器である電子線センサと、前記電子線検出手段及び前記電子線センサの出力信号が重畳して入力されるインタフェースと、を備える電子線装置において、前記インタフェースを介して取得した前記電子線検出手段の出力信号に基づいて前記電子線の強度分布を測定する電子線強度分布測定方法であって、
    前記電子線検出手段からの信号入力を遮断して前記インタフェースへの入力信号を取得する第1の信号取得ステップと、
    前記電子線検出手段からの信号を入力して前記インタフェースへの入力信号を取得する第2の信号取得ステップと、
    前記第1の信号取得ステップにて取得した信号と、前記第2の信号取得ステップにて取得した信号と、の差分信号を求める比較ステップと、
    前記差分信号に基づき、前記電子線の強度分布を生成する強度分布生成ステップと、を有することを特徴とする電子線強度分布測定方法。
  14. 試料に照射する電子線を生成する電子線源と、前記電子線の強度分布を測定して、該強度分布を示す信号を出力する電子線強度分布測定手段と、他の電子線検出器である電子線センサと、前記電子線強度分布測定手段及び前記電子線センサの出力信号が重畳して入力されるインタフェースと、を備える電子線装置における前記電子線の電子線強度分布測定方法であって、
    前記電子線強度分布測定手段からの信号入力を遮断して前記インタフェースへの入力信号を取得する第1の信号取得ステップと、
    前記電子線強度分布測定手段から信号を入力して前記インタフェースへの入力信号を取得する第2の信号取得ステップと、
    前記第2の信号取得ステップで取得した信号を、前記第1の信号取得ステップで取得した信号との差分信号に補正する補正ステップと、を有することを特徴とする電子線強度分布測定方法。
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