JP2005275356A - 光導波路の製造方法 - Google Patents

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耕 青崎
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秀樹 佐藤
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Abstract


【課題】複雑な装置を必要とせず、伝送損失が小さい光導波路の製造を可能とする方法およびその方法に用いる含フッ素重合体組成物の提供。
【解決手段】含フッ素脂肪族環構造を有する重合体を含む、揺変性を有する重合体溶液を印刷してコア及びクラッドの少なくとも一つを形成する光導波路の製造方法およびその方法に好ましく用いる含フッ素重合体組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は光導波路の製造方法に関する。
光導波路の形成は、スクリーン印刷、パッド印刷、シルク印刷などの印刷法、スピンコート、ディップコート等の塗布法、インクジェット法等により行われている。
例えば、特許文献1、2および4は、印刷による光導波路の形成方法を、特許文献5は、インクジェット法による光導波路の形成方法を開示している。
また特許文献3はディップコートによる光導波路の形成方法を開示している。
しかしながら、印刷またはコーティング装置が複雑であったり、光導波路形成における精度、形成された光導波路の伝送損失の点などで問題があり、改良が望まれていた。
また、含フッ素脂肪族環構造を有する重合体と、既知の界面活性剤との組成物は知られているが(例えば特許文献6参照)、含フッ素脂肪族環構造を有する重合体との相溶性が充分ではなく、添加量に限度があるという課題があった。
特開昭61−70509号公報 特開昭63−81408号公報 特開平3−15805号公報 特開平10−293221号公報 特開2002−303751号公報 特開2002−188047号公報
複雑な装置を必要とせず、伝送損失が小さい光導波路の製造を可能とする方法およびその方法に用いる含フッ素重合体組成物の提供。
(1)含フッ素脂肪族環構造を有する重合体(A)を含む、揺変性を有する重合体溶液を印刷してコアおよびクラッドの少なくとも一つを形成する光導波路の製造方法。
(2)含フッ素脂肪族環構造を有する重合体(A)が、分子中に酸基を有する上記(1)に記載の光導波路の製造方法。
(3)前記重合体溶液が、Rf−Q−O−(R1−O)n−R2で表わされる界面活性剤、塩基性化合物およびコロイダルシリカの少なくともいずれか一つと、含フッ素溶剤を含む上記(1)または(2)のいずれかに記載の光導波路の製造方法。(ただし、Rfは、炭素数1〜22のエーテル性酸素を有していてもよいポリフルオロアルキル基、Qは炭素数1〜5のアルキレン基、nは1〜100の整数、R1は炭素数2〜4のアルキレン基、または、炭素数2〜4のアルキレン基の水素原子の1個以上が1価の芳香族炭化水素基、アルコキシ基もしくはフェノキシ基に置換された基を表わす。nが2〜100である場合のR1は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R2は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基または炭素数1〜18のアシル基を表わす。)。
(4)前記界面活性剤が、Rf'−C24O(R3O)mHで表わされる界面活性剤である上記(3)に記載の光導波路の製造方法。(ただし、Rf'は、炭素数4〜12の分岐を有していてもよいパーフルオロアルキル基、R3は炭素数2〜4のアルキレン基、mは1〜30の整数を表わす。)
(5)含フッ素脂肪族環構造を有する重合体(A)、Rf'−C24O(R3O)mHで表わされる界面活性剤および含フッ素溶媒を含む含フッ素重合体組成物。ただし、Rf'は、炭素数4〜12の分岐を有していてもよいパーフルオロアルキル基、R3は炭素数2〜4のアルキレン基、mは1〜30の整数を表わす。
(6)含フッ素脂肪族環構造を有する重合体(A)が、分子中に酸基を有する上記(5)に記載の含フッ素重合体組成物。
(7)塩基性化合物およびコロイダルシリカの少なくともいずれかをさらに含有する上記(5)または(6)に記載の含フッ素重合体組成物。
複雑な装置を必要とせず、伝送損失が小さい光導波路の製造を可能とすることができる。
〔1〕含フッ素脂肪族環構造を有する重合体(A)
本発明における含フッ素脂肪族環構造を有する重合体(A)としては、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有することが好ましい。主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するとは、脂肪族環を構成する炭素原子の1以上が主鎖を構成する炭素連鎖中の炭素原子であり、かつ脂肪族環を構成する炭素原子の少なくとも一部にフッ素原子またはフッ素含有基が結合している構造を有していることを意味する。
本発明における重合体(A)は、含フッ素脂肪族環構造を有する単量体を重合して得られる重合体や、2つ以上の重合性二重結合を有する含フッ素単量体を環化重合して得られる主鎖にフッ素系脂肪族環構造を有する重合体が好適である。
含フッ素脂肪族環構造を有する単量体を重合して得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体(A)としては、ペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、ペルフルオロ−2−メチレン−4−プロピル−1,3−ジオキソランなどの含フッ素脂肪族環構造を有する単量体を単独重合することにより、またはこの単量体とテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ペルフルオロ(メチルビニルエーテル)などのラジカル重合性単量体とを共重合させることにより得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体(特公昭63−18964参照)が例示される。
また、2つ以上の重合性二重結合を有する含フッ素単量体を環化重合して得られる、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体(A)としては、ペルフルオロ(アリルビニルエーテル)やペルフルオロ(ブテニルビニルエーテル)などの単量体を環化重合することにより、またはこの単量体とテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ペルフルオロ(メチルビニルエーテル)などのラジカル重合性単量体とを共重合させることにより得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体(特開昭63−238111、特開昭63−238115参照)が例示される。
また、ペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)などの含フッ素脂肪族環構造を有する単量体とペルフルオロ(アリルビニルエーテル)やペルフルオロ(ブテニルビニルエーテル)などの2つ以上の重合性二重結合を有する含フッ素単量体とを共重合させることによっても主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が得られる。
含フッ素脂肪族環構造を有するモノマー単位の割合が、全単位中20モル%以上であることが好ましく、更に好ましくは40モル%以上である。
重量平均分子量は通常10,000〜2,000,000、好ましくは50,000〜1,000,000である。
含フッ素脂肪族環構造を有するモノマー単位とは、上記含フッ素脂肪族環構造を有する単量体が重合した単位、および、上記2つ以上の重合性二重結合を有する含フッ素単量体が環化重合することにより形成される重合単位をいう。
本発明における重合体(A)としては、例えば、以下の一般式で表される含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が挙げられる。
Figure 2005275356
具体例としては、下記の含フッ素脂肪族環構造を有する重合体を挙げることができる。
Figure 2005275356
本発明において、重合体(A)は酸基を有していることが揺変性を容易に付与できることから好ましい。該酸基としては、カルボン酸基、スルホン酸基等を挙げることができる。特にカルボン酸基であることが、揺変性を容易に付与できるばかりでなく、透明性を阻害しないことから好ましい。
重合体(A)は、1グラム当たり0.01ミリモル以上の酸価を有する含フッ素脂肪族環構造を有する重合体であることが好ましく、1グラム当たり0.01〜0.05ミリモルの酸価を有する含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が更に好ましい。
重合体(A)に酸基を導入する方法としては、重合体(A)を製造した後に酸基を導入する方法、前記重合体(A)を形成しうる単量体の重合の際酸基を有しかつその単量体と反応しうる化合物を存在させて酸基を有する重合体(A)を製造する方法、などがある。 酸基の代わりに酸基に変換しうる基(以下、前駆基という)を有する重合体(A)を製造した後、その前駆基を酸基に変換して目的とする酸基含有重合体(A)を製造することもできる。例えばカルボン酸基を例に取ると、前駆基としては、アルコキシカルボニル基があり、このアルコキシカルボニル基は加水分解によりカルボン酸基に変換される。
酸基含有重合体(A)の製造方法の好ましい例としてカルボン酸基を導入することを例に取って説明する。
1)重合体(A)を形成しうる単量体をカルボン酸基または前駆基を有する重合開始剤または連鎖移動剤の存在下に重合してカルボン酸基または前駆基を有する重合体(A)を製造する方法。前駆基は、その後カルボン酸基に変換する。
2)酸素存在下に重合体(A)を高温処理して重合体の側鎖または末端を酸化分解せしめて、さらに水と反応させることによりカルボン酸基を導入する方法。
3)重合体(A)を形成しうる単量体とカルボン酸基または前駆基を有する単量体とを共重合せしめてカルボン酸基または前駆基を有する重合体(A)を製造する方法。前駆基は、その後カルボン酸基に変換する。例えば、メチル ペルフルオロ(5−オキサ−6−ヘキサノエート)などのアルコキシカルボニル基含有単量体を共重合し、その後加水分解してカルボン酸基含有フッ素系重合体に変換する。
〔2〕揺変性を有する重合体溶液
本発明において、揺変性を有する重合体溶液とは、下記で定義される揺変性値が1より大きい重合体溶液をいう。また、揺変性値は1.1〜5程度が好ましい。特に1.1〜3であることが好ましい。
揺変性値=(10rpmでの粘度/50rpmでの粘度)
上記粘度は、23℃にて回転粘度計によって測定される粘度である。
本発明における揺変性を有する重合体溶液の粘度は、103〜105mPsであることが好ましい。
この特定の揺変性を有する重合体溶液は、たとえば、上記重合体を5〜25質量%の濃度で後述の含フッ素溶媒に溶解し、後述のように、界面活性剤、塩基性化合物およびコロイダルシリカの少なくともいずれかを添加することにより得ることができる。
界面活性剤、塩基性化合物およびコロイダルシリカの少なくとも一つを含有する場合、添加量は、総量として、重合体(A)に対して、0.01〜10質量%であることが好ましい。すなわち、揺変性付与の点から0.01質量%以上が好ましく、透明性を阻害しない点から10質量%以下が好ましい。特に0.1〜5質量%であることが好ましい。
界面活性剤としては、式(1)で表されるアルキレンオキシド誘導体が好ましい。
f−Q−O−(R1−O)n−R2 (1)
ここで、Rfは、炭素数1〜22のエーテル性酸素原子を有していてもよいポリフルオロアルキル基を表わす。ポリフルオロアルキル基は直鎖状でも分岐を有していても構わない。該ポリフルオロアルキル基は、炭素数1〜22のパーフルオロアルキル基であることが好ましい。特に炭素数4〜12のパーフルオロアルキル基であることが好ましい。Qは炭素数1〜5のアルキレン基、nは1〜100の整数、R1は炭素数2〜4のアルキレン基、または、炭素数2〜4のアルキレン基の水素原子の1個以上が1価の芳香族炭化水素基、アルコキシ基もしくはフェノキシ基に置換された基を表わす。Qは、特に炭素数2〜4のアルキレン基であることが好ましい。R1は、特に、炭素数2〜4のアルキレン基であることが好ましく、具体的には、R1は、CH2CH2、CH(CH3)CH2、CH2CH(CH3)、またはCH2CH2CH2CH2などが挙げられる。nが2以上である場合のR1は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、nが2以上でありR1が異なる基である場合のR1の並び方は、ブロック状であってもランダム状であってもよい。
2は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基または炭素数1〜18のアシル基を表わす。特に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましい。
前記界面活性剤としては、Rf'−C24O(R3O)mHで表わされる界面活性剤であることが好ましい。ここで、Rf'は、炭素数4〜12の分岐を有していてもよいパーフルオロアルキル基を表わす。R3は炭素数2〜4のアルキレン基、mは1〜30の整数を表わす。nが2以上である場合のR3は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、nが2以上でありR3が異なる基である場合のR3の並び方は、ブロック状であってもランダム状であってもよい。
具体的には、例えば、C61324O(C36O)10H、C81724O(C36O)10H、C81724O(C24O)13H等を挙げることができる。
〔3〕塩基性化合物
本発明において使用される塩基性化合物は、好ましくは沸点が20〜250℃、より好ましくは50〜200℃の塩基性化合物である。なお、後述する含フッ素溶媒に用いられるパーフルオロトリアルキルアミンは除く。
塩基性化合物としては、例えば、フッ素原子を含まないアミン(モノアミン、ジアミン
、トリアミン)を挙げることができる。具体的には、アニリンなどの芳香族アミン、トリメチレンジアミンなどのアルキレンジアミンが挙げられる。
〔4〕コロイダルシリカ
本発明において使用されるコロイダルシリカとしては、含フッ素表面処理剤で処理されたシリカが分散されたコロイダルシリカが好ましい。
特に、特開平7−112126号に記載されているような含フッ素表面処理剤で処理されたシリカが好ましく、更に含フッ素表面処理剤で処理され、含フッ素溶剤、特に非プロトン性含フッ素溶剤に分散されたオルガノゾルとしてのコロイダルシリカが好ましい。
含フッ素表面処理剤で処理されたシリカが分散されたコロイダルシリカは、コロイダルシリカ中のシリカ微粒子を含フッ素表面処理剤で処理することにより得ることができる。
含フッ素表面処理剤を用いてシリカ微粒子を処理する方法は、通常コロイダルシリカに含フッ素表面処理剤を添加し、冷却〜常温〜加熱下で保持することにより行われる。通常0℃〜300℃、好ましくは20〜200℃で処理を行う。特に好ましくは40℃〜溶剤の還流温度下で処理を行う。この処理によりシリカ微粒子表面に含フッ素表面処理剤が結合し、シリカ微粒子表面が親含フッ素溶剤となり分散安定性の高い含フッ素溶媒コロイダルシリカが得られる。
含フッ素表面処理剤の使用量は、シリカ微粒子100質量部に対して1質量部以上の有効量を用いることが好ましい。より好ましくは、10〜200質量部、特に20〜100質量部が好ましい。
原料のシリカとしては、一般に入手が容易なものとしてシリカゾルがある。シリカゾルとしては市販のものを使用できるが、これに限定されない。例えば、テトラアルコキシシランなどの加水分解性シランを水と相溶性のある有機溶剤中で加水分解、縮合することにより合成したシリカゾルを使用できる。
原料シリカゾルおよび含フッ素表面処理後のコロイダルシリカにおけるシリカ粒子の粒子径については、特に制約はなく、通常は平均粒子径1000nm以下、好ましくは500nm以下である。一般には平均粒子径は5nm〜500nmの範囲のシリカ微粒子を有するオルガノゾルが入手しやすい。さらに透明性の特に優れた成形体が得られることより、平均粒子径が100nm以下のシリカ微粒子を有するオルガノゾルが本発明において特に好ましい。本発明のオルガノゾル中のシリカ微粒子の割合は、0.01〜30質量%、好ましくは0.1〜20質量%である。
含フッ素表面処理剤は、シリカ微粒子表面に化学的にあるいは物理的に結合し得る化合物であって、フッ素含有基を有し、そのフッ素含有基によりシリカ微粒子表面を親含フッ素溶剤化する(含フッ素溶剤に対して親和性を高める)ことができる化合物である。フッ素含有基は鎖状の比較的長いポリフルオロ有機基、特にジフルオロメチレン基を多数含む鎖状有機基が好ましい。特に好ましいフッ素含有基は前記Rf基を有する有機基である。 また、シリカ微粒子表面に結合し得る基としては加水分解性シリル基などの加水分解性金属基が好ましい。この金属としてはケイ素のほか例えばチタンやアルミニウムがある。
好ましい含フッ素表面処理剤は含フッ素シランカップリング剤である。含フッ素シランカップリング剤とは上記フッ素含有基を有するシランカップリング剤をいう。例えば、特開平7−112126号に記載のものを挙げることができる。
また、含フッ素シランカップリング剤以外の含フッ素表面処理剤としては、フッ素含有
基を有するシリコーンやポリシロキサン、リン酸エステルなどであってもよい。例えば、特開平3−188012号公報に示されている化合物のような化合物を採用できる。
含フッ素表面処理剤で処理されたシリカが含フッ素溶剤に分散されたコロイダルシリカの調製方法としては、例えば、(1)原料ゾルのシリカ微粒子を含フッ素表面処理剤で表面処理し、次いで溶剤を留去し、その後得られた固形分を含フッ素溶剤に分散させる方法。(2)原料ゾルのシリカ微粒子を含フッ素表面処理剤で表面処理し、次いで含フッ素溶剤を添加し、その後蒸留等によりあるいは限外ろ過により一方の溶剤を除去する方法がある。シリカ粒子の再分散の点から、通常は(2)の方法が好ましい。
分散媒としての含フッ素溶剤として、非プロトン性含フッ素溶剤が好ましい。
非プロトン性含フッ素溶剤とは、通常の反応条件下には解離せずプロトンを生じない溶剤である。非プロトン性含フッ素溶剤は、重合体(A)を溶解できるものが好ましい。さらに、成形時に溶剤が大気中に放出される場合を考慮すると、環境への配慮から非プロトン性含フッ素溶剤は塩素原子を含有しない含フッ素溶剤が好ましい。
特に水素原子、フッ素原子、炭素原子、酸素原子からなる含フッ素溶剤、水素原子、フッ素原子、炭素原子、窒素原子からなる含フッ素溶剤、または水素原子、フッ素原子、炭素原子だけからなる含フッ素溶剤であることが好ましい。また、取扱い上の便利さから、通常は沸点が30〜200℃の非プロトン性含フッ素溶剤またはその混合物が用いられる。
非プロトン性含フッ素溶剤の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されない。これらの非プロトン性含フッ素溶剤は単独でまたは2種以上の混合物として使用できる。
ペルフルオロベンゼン、ペンタフルオロベンゼン、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンなどの含フッ素芳香族炭化水素類、ペルフルオロデカリン、ペルフルオロシクロヘキサン、ペルフルオロ(1,3,5−トリメチルシクロヘキサン)などの含フッ素脂環族炭化水素類、ペルフルオロトリブチルアミン、ペルフルオロトリプロピルアミンなどの含フッ素トリアルキルアミン類、ペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)などの含フッ素環状エーテル類、フッ素含有低分子量ポリエーテルなどの含フッ素ポリエーテル類、ビス(ヘプタフルオロイソプロピル)ケトンなどの含フッ素ケトン類。
ペルフルオロヘキサン、ペルフルオロオクタン、ペルフルオロデカン、ペルフルオロドデカン、ペルフルオロ(2,7−ジメチルオクタン)、3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、ペルフルオロ(1,2−ジメチルヘキサン)、ペルフルオロ(1,3−ジメチルヘキサン)、2H,3H−ペルフルオロペンタン、1H−ペルフルオロヘキサン、1H−ペルフルオロオクタン、1H−ペルフルオロデカン、1H,1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキサン、1H,1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクタン、1H,1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデカン、3H,4H−ペルフルオロ−2−メチルペンタン、2H,3H−ペルフルオロ−2−メチルペンタンなどの含フッ素脂肪族炭化水素類。
他の分散媒としてプロトン性含フッ素溶剤を挙げることができる。
プロトン性含フッ素溶剤は含フッ素アルコールなどの解離してプロトンを生じやすい含フッ素溶剤である。前述のように、シリカ微粒子を細かく分散させて透明性を高めるには分散媒中にプロトン性含フッ素溶剤を非プロトン性含フッ素溶剤と併用することが有効である。
プロトン性含フッ素溶剤を使用する場合、非プロトン性含フッ素溶剤とプロトン性含フッ素溶剤の使用量は両者の合計に対してプロトン性含フッ素溶剤0.01〜50質量%が適当であり、0.1〜30質量%が好ましい。ただし、プロトン性含フッ素溶剤が含フッ素アルコールの場合はさらに多量に使用できる場合があり、その上限は80質量%であることが好ましい。含フッ素アルコールの場合を含めて最も好ましいプロトン性含フッ素溶剤の割合は1.0〜30質量%である。プロトン性含フッ素溶剤の割合が多くなるとオルガノゾルの安定性の面では有利であるが、前記のように含フッ素ポリマーの溶解性が低下し白濁や沈澱生成の原因となる場合がある。
なお、分散安定性が低い場合や含フッ素ポリマーの溶解性低下による白濁や沈澱が生成するおそれがある場合は、含フッ素界面活性剤を使用してこの問題を解決できる場合もある。
プロトン性含フッ素溶剤としては含フッ素アルコールが最も好ましく、含フッ素アルコールとしては例えば以下のような化合物が使用できる。
(CF32CHOH、F(CF2s(CH2tOH [s=1〜12、t=1〜5]、(CF32CF(CF2p(CH2qOH [p=1〜10、q=1〜5]、F(CF(CF3)CF2O)rCF(CF3)CH2OH [r=1〜4]。
含フッ素アルコール類以外のプロトン性含フッ素溶剤としては、例えば含フッ素カルボン酸類、含フッ素カルボン酸アミド類、含フッ素スルホン酸類などを使用できる。
〔5〕含フッ素溶媒
本発明における、含フッ素溶媒としては、重合体(A)を溶解または分散するフッ素原子を有する溶媒であれば限定はない。特に、重合体(A)を溶解する溶媒であることが好ましい。更に、塩基性化合物およびコロイダルシリカの少なくともいずれかとを溶解または分散できる含フッ素溶媒であることが最も好ましい。具体的には、パーフルオロベンゼン、パーフルオロヘキサン、パーフルオロオクタンなどのパーフルオロアルカン、パーフルオロトリメチルアミン、パーフルオロトリエチルアミン、パーフルオロトリブチルアミンなどのパーフルオロアルキルアミン、パーフルオロアルキルテトラヒドロフラン、トリクロロトリフルオロエタン等が挙げられる。当然の事ながら、適宜の2種類以上を併用して溶剤として用いることができる。
特に混合溶剤の場合、炭化水素、アルコール、その他の有機溶剤も併用できる。本発明における含フッ素溶媒としては、前述した本発明におけるコロイダルシリカが分散している含フッ素溶剤と同じものとなっても構わない。
また、上記の含フッ素脂肪族環構造を有する重合体(A)を含む、揺変性を有する重合体溶液として有用な組成物として、さらに、含フッ素脂肪族環構造を有する重合体(A)、Rf'−C24O(R3O)mHで表わされる界面活性剤および含フッ素溶媒を含む含フッ素重合体組成物を挙げることができる。ただし、Rf'は、炭素数4〜12の分岐を有していてもよいパーフルオロアルキル基、R3は炭素数2〜4のアルキレン基、mは1〜30の整数を表わす。
含フッ素脂肪族環構造を有する重合体(A)は、前述したものと同様のものが用いられる。該重合体(A)は、酸基を有していることが好ましく、酸基としてはカルボン酸基が最も好ましい。
界面活性剤中のRf'は、炭素数4〜10の直鎖状のパーフルオロアルキルであることが好ましい。R3はCH2CH2、CH(CH3)CH2、CH2CH(CH3)、またはCH2CH2CH2CH2であることが好ましい。特に、Rf'が、炭素数4〜10の直鎖状のパーフルオロアルキルであり、かつ、R3がCH2CH2、CH(CH3)CH2、CH2CH(CH3)、またはCH2CH2CH2CH2であることが好ましい。
前記組成物は、塩基性化合物およびコロイダルシリカの少なくともいずれかをさらに含有することが好ましい。塩基性化合物またはコロイダルシリカは、前述したものと同じものが用いられる。コロイダルシリカとしては、特に、特開平7−112126号に記載されているような含フッ素表面処理剤で処理されたシリカが、含フッ素溶剤に分散されたオルガノゾルとしてのコロイダルシリカが好ましい。
前記含フッ素溶媒としては、前述した含フッ素溶媒と同じものが用いられる。この場合も、含フッ素溶媒とコロイダルシリカを分散する含フッ素溶剤が同じものでも構わない。
含フッ素脂肪族環構造を有する重合体(A)は、含フッ素溶媒に溶解していることが好ましく、5〜25質量%の濃度で含フッ素溶媒に溶解していることが好ましい。塩基性化合物および/またはコロイダルシリカは、含フッ素溶媒に溶解または分散していることが好ましく、重合体(A)に対して塩基性化合物とコロイダルシリカとの総量で0.01〜10質量%含まれていることが好ましく、さらに0.1〜5質量%含まれていることが好ましい。
[6]印刷によるコア/クラッドの形成方法
本発明は、重合体(A)を含み揺変性を有する重合体溶液を印刷してコアおよびクラッドの少なくとも一つを形成する光導波路の製造方法である。本発明の製造方法における光導波路は、既存のどのような光導波路であっても構わない。本発明における光導波路とは、基板上に形成された光機能装置の基本構成要素であり、各種の受動型光部品を構成できる。光導波路は、光が伝搬するコア部とコア部の周りに形成されたクラッド部からなる構造を有し、光ファイバも含まれる。クラッド部は空気でも構わない。
光がコア部を伝搬するためには、コア部の材料の屈折率はクラッド部の材料の屈折率よりも高い必要がある。伝搬光は、導波路内に閉じ込められ、伝搬光は外場(外部からの信号)により制御される。光導波路は、その機能により光変調器、光スイッチ、波長選択装置、光集積回路などに分類される。
本発明の製造方法は、精度の高い形状が形成可能であり本発明の効果を十分生かすことができる観点から、特にマルチモード用光導波路のコアを形成する方法に好適に用いることができる。この場合、コアの形状が、1辺が100〜500μmの四角形の断面を有する光導波路であれば、本発明の製造方法の効果が顕著に得られることから好ましい。
また本発明の効果を充分に生かした、その他の特殊な光導波路およびその製造方法としては、複雑な形状を有するクラッド層および該クラッド層を形成する方法がある。本発明における重合体(A)は防湿性と防汚性に優れることから、これらの性質が要求されるオーバークラッド層および該オーバークラッド層を形成する方法に好適に用いることができる。
該オーバークラッド層としては、アンダークラッド層としての基板、該基板表面に形成された少なくとも1層からなるコア層、該コア層の両端に形成された少なくとも1対のグレーティング、および該コア層表面に形成されたエバネッセント波を発生しうる機能層を具備する光導波路型ケミカルセンサにおけるオーバークラッド層等が挙げられる。該光導波路型ケミカルセンサは、種々のセンサーとして有用であり、たとえば特開平09−61346号公報または特開2003−279479号公報に記載の光導波路型バイオセンサとして有用である。この場合、オーバークラッド層の膜厚は1〜20μmが好ましい。また該オーバークラッド層を形成する方法は、後述のコアを形成する方法と同様の方法を用いるのが好ましい。
本発明の製造方法によりコアを形成した後、クラッドを本発明の製造方法もしくは既知の方法で形成することが好ましい。クラッドとしては、コアよりも屈折率の低い材料であ
ればよく、空気クラッドでも構わない。
以下、本発明の好ましい態様であるコアを形成する方法を例にとって詳しく説明する。
本発明におけるコアを形成する印刷方法としては、既知のどのような方法でも採用することができる。例えば、(1)インク材を版を介して透過させる方法(代表例:スクリーン印刷)、(2)インク材を微小な液滴としてノズルより噴射する方法(代表例:インクジェット印刷)、(3)一旦版に乗せたインク材を別の基材に転写する方法(代表例:フレキソ印刷)、(4)フィルム上に塗布されたインク材を熱あるいは圧力で基材に転写する方法(代表例:サーマルヘッド印刷)などが挙げられる。特に、光導波路の製造方法であることを考慮に入れると、簡便で、精度の高い成形をすることができることから、上記(1)および(2)が好ましく、特にスクリーン印刷、インクジェット印刷が好ましい。
例えば、シリコーン基板もしくはアルミ蒸着フィルムのような平滑な面に直接、スクリーン印刷またはインクジェット印刷法により、矩形のコアを形成する。この場合は、空気クラッドとして光導波路として使用することができる。また、上記平滑な面に、既知のスピンコーティング方法等によりクラッドを形成し、その上に本発明の方法によってコアを形成することもできる。その後、形成したコアにさらにクラッドを形成すればよい。
また、本発明の光導波路のクラッド部やコア部には種々の機能性化合物を配合でき、それによって光導波路に種々の機能を付加できる。例えば、蛍光発光性の機能性有機色素(例えば、光増幅機能を有するローダミン系色素)を配合できる。このような機能性化合物はクラッド部を構成する材料やコア部を構成する材料中に固定されていることが好ましい。上記酸基を有する含フッ素系脂肪族環構造を有する重合体(A)はこの機能性化合物の固定に有効である。例えば、ローダミン系色素はアミノ基を有することより、カルボン酸基を有する重合体に結合させて固定できる。
〔重合体Aの合成〕
ガラス管に10gのPBVE、0.1gのPFDTBPO(10時間半減温度99℃)および0.04gのクロロホルムを仕込み、液体窒素を用いて凍結脱気を3回繰り返して密閉した。これを90℃オーブンの中に2日間保持したところ、無色透明の重合体Aが得られ、その固有粘度は0.46dl/gであり、紫外光から可視光および近赤外光まで吸収がなかった。
PBVE:パーフルオロブテニルビニルエーテル
PFDTBPO:パーフルオロ(ジ−tert−ブチルパーオキシド)
重合体(A)は末端にカルボン酸基を有しており、下記の方法により測定したカルボン酸量は重合体1g当たり、0.02ミリモルであった。
膜厚約100μmの重合体(A)からなるフィルムを、250℃でプレス成型にて作成し、赤外線吸収スペクトルを測定した。波長5.52μmのCOOH基の吸光度Aと、波長5.64μmのCOOH基の吸光度Bとすると、炭素原子100万個当たりのCOOH基の数を、(吸光度A×335+吸光度B×320)/フィルム厚mmの計算式により求め、これをミリモル/gの単位に変換した。
[コロイダルシリカの調製〕
イソプロピルアルコール(IPA)に粒径10〜20nmのシリカ微粒子が分散したオルガノゾル(シリカ濃度30.7質量%、触媒化成工業製OSCAL1432)にシリカ100質量部あたり、含フッ素表面処理剤(F(CF26(CH22Si(OCH33))を40質量部添加し、さらに、この含フッ素表面処理剤のアルコキシ基と等モルの水が添加されるように1質量%酢酸水溶液を添加して、60℃で1時間保持し、溶液A−1を得た。
次にトリフルオロエタノール(TFE)と1H、1H、1H、2H、2H−ペルフルオロデカン(PFD)の混合液(質量比1:9)100質量部に対し、シリカが1.33質量部となるようにこの混合液を溶液A−1に添加した。
加熱により、沸点がPFDの沸点で安定するまで溶剤を加熱留去(留出量35質量部)してIPAとTFEを含有しない溶液、コロイダルシリカB−1を得た。
〔重合体溶液の調製〕
〔SL1〕
重合体A 1g
含フッ素溶媒(パーフルオロトリブチルアミン) 10g
アニリン 0.01g
揺変性値=3
〔SL2〕
重合体A 1g
含フッ素溶媒(パーフルオロトリブチルアミン) 10g
トリメチレンジアミン 0.01g
揺変性値=2
〔SL3〕
重合体A 1g
含フッ素溶媒(パーフルオロトリブチルアミン) 10g
コロイダルシリカB−1(シリカ固形分として) 0.01g
揺変性値=2
〔SL4〕
重合体A 1g
含フッ素溶媒(パーフルオロトリブチルアミン) 10g
界面活性剤 C81724O(C36O)10H 0.01g
トリメチレンジアミン 0.01g
揺変性値=2
〔SL5〕
重合体(A) 1g
含フッ素溶媒(パーフルオロトリブチルアミン) 4.2g
含フッ素アルコール(パーフルオロヘキシルエタノール) 1.1g
界面活性剤 C81724O(C36O)10H 0.03g
揺変性値=1.1
〔SL6〕
重合体(A) 0.75g
含フッ素溶媒(パーフルオロトリブチルアミン) 3.70g
含フッ素アルコール(パーフルオロヘキシルエタノール) 0.50g
界面活性剤 C817(C48O)−
−(CH2CH(CH3)O)h・(CH2CH2O)kH 0.05g
揺変性値=1.2
SL4とSL5の界面活性剤C81724O(C36O)10H(ただし、(C36O)10は(C36O)単位の平均値が10であることを示す。)は、特開2000−290489号公報に記載の方法を用いて製造した。すなわち、オートクレーブ中でC81724OHと亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体を均一に溶解するまで65℃にて撹拌し、つぎに系内雰囲気を窒素ガスに置換してから、80℃にてプロピレンオキサイドを連続導入する方法を用いて製造した。
SL6の界面活性剤C817(C48O)(CH2CH(CH3)O)h・(CH2CH2O)kH(ただし、(CH2CH(CH3)O)単位と(CH2CH2O)単位の並び方はランダムである。hおよびkは、それぞれ独立に正数を示し、h+kの平均値は5であり、h:k=1:1である。)は、前記方法においてプロピレンオキサイドを連続導入するかわりに、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを1:1の質量比で連続導入することにより製造した。
〔光導波路の作製(その1)〕
アルミ蒸着ミラー/コア/空気クラッドの構造で作製され、コアは300μm矩形の直線であり光路長さは5cmである。
WG1: アルミ蒸着ミラーにSL1を巾300μm、長さ5cmの直線が形成されるようにスクリーン印刷し、ホットプレート上で70℃1時間、180℃1時間加熱して溶剤を蒸発させ、コアを形成した。コアの厚さは300μmであった。半導体レーザーの光源を用いて、この光導波路の伝搬損失を測定したところ、波長650nmの光で0.1dB/cm以下、波長1300nmの光で0.13dB/cm以下、波長1550nmの光で0.14dB/cmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光導波路であった。
WG2: SL1の代わりにSL2を使用する以外は同様にして評価したところ、波長650nmの光で0.1dB/cm以下、波長1300nmの光で0.13dB/cm以下、波長1550nmの光で0.14dB/cmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光導波路であった。
WG3: SL3を使用しインクジェット印刷によりコアを形成した以外は同様にして評価したところ、波長650nmの光で0.1dB/cm以下、波長1300nmの光で0.13dB/cm以下、波長1550nmの光で0.14dB/cmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光導波路であった。
WG4: SL4を使用し、WG3と同様にして操作、評価したところ、波長650nmの光で0.1dB/cm以下、波長1300nmの光で0.13dB/cm以下、波長1550nmの光で0.14dB/cmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光導波路であった。
WG5: SL5を使用し、WG1と同様な方法にてコアを形成し、伝搬損失を測定した。波長650nmの光での伝搬損失は、0.1dB/cm以下、波長1300nmの光では0.13dB/cm以下、波長1500nmの光では0.14dB/cmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光導波路であった。
〔光導波路の作製(その2)〕
アンダークラッド層としての基板と基材表面に形成されたコア層とを具備する光導波路のコア層を部分的に被覆するオーバークラッド層を、以下の方法を用いて作成した。
該コア層の一部分を被覆できるパターンが形成されたスクリーン印刷版を介して、該光導波路のコア層側からSL6をスクリーン印刷した。スクリーン印刷後、光導波路をホッ
トプレート上で80℃にて1時間乾燥してから、さらに180℃にて1時間乾燥させた。 SL6は揺変性に優れるため、オーバークラッド層としてコア層の一部分を被覆する薄膜(膜厚4μm)を形成できた。該薄膜は、屈折率が1.34であり、透明で波長が650nmの光の伝搬損失は0.1dB/cm以下であった。また該薄膜は、防水性に優れていた。
〔比較例〕
重合体溶液SL1において、アニリンを除いた溶液(揺変性値=1.0)を調製し、WG1と同様に操作してコア形成を試みたが、矩形のコアは形成されず、2mm〜3mm幅の扁平なパターンとなった。
本発明の方法では、複雑な装置を必要としない印刷により、伝送損失が小さい光導波路を得ることができることがわかる。

Claims (7)

  1. 含フッ素脂肪族環構造を有する重合体(A)を含む、揺変性を有する重合体溶液を印刷してコアおよびクラッドの少なくとも一つを形成する光導波路の製造方法。
  2. 含フッ素脂肪族環構造を有する重合体(A)が、分子中に酸基を有する請求項1に記載の光導波路の製造方法。
  3. 前記重合体溶液が、Rf−Q−O−(R1−O)n−R2で表わされる界面活性剤、塩基性化合物およびコロイダルシリカの少なくともいずれか一つと、含フッ素溶媒を含む請求項1または2のいずれかに記載の光導波路の製造方法。(ただし、Rfは、炭素数1〜22のエーテル性酸素原子を有していてもよいポリフルオロアルキル基、Qは炭素数1〜5のアルキレン基、nは1〜100の整数、R1は炭素数2〜4のアルキレン基、または、炭素数2〜4のアルキレン基の水素原子の1個以上が1価の芳香族炭化水素基、アルコキシ基もしくはフェノキシ基に置換された基を表わす。nが2〜100である場合のR1は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R2は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基または炭素数1〜18のアシル基を表わす。)
  4. 前記界面活性剤が、Rf'−C24O(R3O)mHで表わされる界面活性剤である請求項3に記載の光導波路の製造方法。(ただし、Rf'は、炭素数4〜12の分岐を有していてもよいパーフルオロアルキル基、R3は炭素数2〜4のアルキレン基、mは1〜30の整数を表わす。)
  5. 含フッ素脂肪族環構造を有する重合体(A)、Rf'−C24O(R3O)mHで表わされる界面活性剤および含フッ素溶媒を含む含フッ素重合体組成物。ただし、Rf'は、炭素数4〜12の分岐を有していてもよいパーフルオロアルキル基、R3は炭素数2〜4のアルキレン基、mは1〜30の整数を表わす。
  6. 含フッ素脂肪族環構造を有する重合体(A)が、分子中に酸基を有する請求項5に記載の含フッ素重合体組成物。
  7. 塩基性化合物およびコロイダルシリカの少なくともいずれかをさらに含有する、請求項5または6に記載の含フッ素重合体組成物。
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