JP2005275011A - カセッテ - Google Patents

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正和 中條
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Abstract

【課題】筐体と蓋体とが分離可能なカセッテにおいて、放射線の照射量を制御可能なシート体を必要に応じて取り外すことができ、汎用性に優れると共に、軽量化を図ることができる。
【解決手段】カセッテ10は、蓄積性蛍光体シートIPが収容される筐体12と、前記筐体12を閉塞可能に設けられる蓋体14とを備える。蓄積性蛍光体シートIPは、保持プレート52を介して筐体12に固定され、前記保持プレート52には蛍光体層50が設けられている。そして、筐体12における放射線照射側に形成された凹部42には、散乱線防止用の鉛シート46が両面テープ44を介して交換自在に取り付けられる。ユニットは、鉛シート46を取り外して使用したり、厚さの異なる新たな鉛シート46を取り付けて使用したりすることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、放射線画像情報が記録されるシート状の放射線画像記録担体を収容するカセッテに関する。
従来から、放射線(X線、α線、β線、γ線、電子線、紫外線等)を照射すると、この放射線エネルギの一部が蓄積され、その後、可視光等の励起光を照射すると、蓄積されたエネルギ強度に応じて輝尽発光を示す蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)を利用して、人体等の被写体の放射線画像情報を写真感光材料等に再生させる、あるいはCRT等に可視像として出力させるシステムが知られている。
上記のシステムでは、具体的には、人体等の被写体の放射線画像情報をシート状の蓄積性蛍光体層(画像記録層)を備えた蓄積性蛍光体シートに一旦記録(撮影)する撮影装置と、この蓄積性蛍光体シートにレーザ光等の励起光を照射することにより輝尽発光光を発生させ、この輝尽発光光を光電的に読み取る読取装置と、読み取り後に前記蓄積性蛍光体シートに残存する放射線画像情報を消去する消去装置とを、一体的に又は個別に備えている。
この場合、蓄積性蛍光体シートの取り扱い性を向上させるため、通常、前記蓄積性蛍光体シートをマガジンやカセッテ等のケース内に収容した放射線画像形成用ユニットが使用されている。この種のユニットとして、例えば、特許文献1に開示されたカセッテが知られている。
このカセッテは、図24に示されるように、フロント板1と、バック板2とを備え、前記バック板2は、バック板本体2aを備え、このバック板本体2aの複数のリブ2b上に薄板3が接着されている。この薄板3には、両面テープ等によって支持板4が固定されると共に、前記支持板4上には、輝尽性蛍光体シート5が固定されている。
フロント板1とバック板2とは、図示しないロック機構を介して固定可能であり、このフロント板1側から放射線撮影が行われている。輝尽性蛍光体シート5に記録された放射線画像情報の読み取りを行う際には、フロント板1とバック板2とが分離された後、前記輝尽性蛍光体シート5がこのバック板2と一体的に読取装置内の読み取り位置に配置される。
一方、複数の蓄積性蛍光体シートに同時に被写体の放射線画像情報を記録して放射線画像のエネルギ・サブトラクション処理を行う方式が知られている。このエネルギ・サブトラクション処理では、放射線のエネルギ吸収特性の異なった条件で記録(撮影)した複数の放射線画像を光電的に読み出してデジタル画像信号を得た後、これらのデジタル画像信号を、それぞれの画像の各画素に対応させて減算処理することにより、放射線画像として記録された被写体のエネルギ吸収特性の異なる特定の構造物(内臓等の軟部や骨部等)を抽出させる差信号を得る方式である。
例えば、2枚の蓄積性蛍光体シートの間に、放射線の低エネルギ成分を吸収する金属等の板状フィルタ(放射線エネルギ分離フィルタ)を介在させた状態で、この2枚の蓄積性蛍光体シートに被写体を透過した放射線を同時に曝射させることにより、前記2枚の蓄積性蛍光体シートに互いにエネルギ分布の異なる放射線を照射すればよい。
この場合、2枚の蓄積性蛍光体シートと板状フィルタとが、カセッテに収容された状態で放射線の曝射が行われた後、前記カセッテから読取装置内に各蓄積性蛍光体シートを取り出して読み取り処理が行われる。この種のカセッテとしては、例えば、特許文献2に開示されたカセッテが知られている。
このカセッテは、2枚の蓄積性蛍光体シートと、前記2枚の蓄積性蛍光体シート間に配置される銅板等の放射線エネルギ変換用フィルタを内部に収容可能なカセッテ本体とを備えている。カセッテ本体には、蓋部が開閉自在に取り付けられ、カセッテ本体の一側面には、フィルタを出し入れするためのスリットが形成されている。
そして、カセッテは、撮影が終了した後にローダに装填されることにより、蓋部が開放されて1枚目の蓄積性蛍光体シートが取り出される。次に、このカセッテがローダから一旦取り出されてフィルタがスリットから引き抜かれた後に、前記カセッテがローダに装填され、2枚目の蓄積性蛍光体シートが取り出される。
特開2003−207864号公報 特公平8−33596号公報
ところで、散乱線の影響は、一般的に、その撮影環境や撮影条件により異なっており、放射線遮蔽板が不要である場合や、比較的肉厚な放射線遮蔽板が必要になる場合等がある。
しかしながら、特許文献1に係る従来技術においては、散乱防止用の鉛板が薄板に挟持された状態で、バック板本体に剥離不能に固定されている。そのため、上記の撮影環境や撮影条件が変動した場合に容易に対応することができず、しかも、放射線遮蔽板が不要な場合にも、薄板に挟持された鉛板が設けられているため、カセッテ自体の重量が増加してしまう。
また、特許文献2に係る従来技術においては、2枚目の蓄積性蛍光体シートに対して読み取り処理を行う際に、カセッテをローダから一旦取り出してフィルタを引き抜く必要があるため、前記カセッテの取り扱いが比較的煩雑になりやすく、作業の簡素化が望まれている。
本発明は、前記の種々の問題等を考慮してなされたものであり、筐体と蓋体とが分離可能なカセッテにおいて、放射線の照射量を制御するシート体を必要に応じて取り外すことができると共に、エネルギ・サブトラクション処理等の種々の処理を効率的に遂行することが可能なカセッテを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、放射線を照射して被写体の放射線画像情報を記録すると共に、前記放射線画像情報を消去して繰り返し使用可能な放射線画像記録担体と、
前記放射線画像記録担体が着脱自在に収容される筐体と、
前記筐体に対して分離自在に装着される蓋体と、
を備え、
前記筐体及び/又は前記蓋体には、照射される前記放射線の照射量を制御するシート体が着脱自在に装着されていることを特徴とする。
本発明によれば、筐体に対して分離自在な蓋体を有するカセッテにおいて、照射される放射線の照射量を制御するシート体、例えば、散乱防止用の放射線遮蔽板や放射線エネルギ分離フィルタ等を着脱自在に構成すると共に、前記筐体に放射線画像記録担体を着脱自在に設けている。これにより、必要に応じて前記シート体を筐体及び/又は蓋体に対して取り付けることができ、例えば、撮影環境や撮影条件により不要である場合には、前記シート体を取り外して使用することが可能である。さらに、肉厚の異なる種々のシート体を選択して使用することができる。
従って、撮影環境や撮影条件の変動に容易に対応することが可能となり、しかも不要な場合には前記シート体を取り外して使用すればよく、カセッテ全体の軽量化を図ることができる。これにより、カセッテは、汎用性に優れることになると共に、軽量化を図ることができるため、取り扱い性を向上させることができる。
また、放射線が繰り返し曝射される放射線画像記録担体が劣化した場合に、簡便に筐体から取り外して交換作業を行うことが可能となる。
さらに、筐体に、凹部を形成すると共に、前記凹部に、固定部材を介して前記シート体を選択的に収容固定するとよい。これにより、シート体を選択的に筐体に装着した際に、該シート体が筐体の表面より外部に突出することが回避可能となる。そのため、カセッテが搬送される際に、前記シート体が他の部材と接触したり干渉することを防止することができる。
さらにまた、筐体には、外部から放射線が照射される平板部材と、
前記平板部材の内面端部に配置される金属板部材と、
前記金属板部材を埋設し、前記平板部材の端部に一体成形される樹脂製枠部とを備えるとよい。
これにより、平板部材の端部に一体成形された樹脂製枠部は、該樹脂製枠部に埋設された金属板部材によって成形収縮に起因して生じる変形を阻止することができる。
またさらに、平板部材に、表面にカーボン層を設け、且つ、内部に絶縁層を設ける三層構造に設定すると共に、
前記絶縁層を、5kV(キロボルト)以上の絶縁性材料で構成するとよい。これにより、例えば、放射線画像記録担体の搬送が繰り返し行われ、該放射線画像記録担体が帯電した場合においても、平板部材を構成する絶縁層の絶縁作用下にカセッテの外部に放電が惹起されることを確実に阻止することができる。
しかも、平板部材は、カーボン層と絶縁層との積層体で構成されているため、前記平板部材の構造が簡素化されると共に、カセッテ全体を経済的に製造することが可能となる。
また、絶縁層の厚さを、0.3mm以下に設定するとよい。これにより、平板部材に照射される放射線の透過率に影響を与えることがなく、筐体の内部に収容されている放射線画像記録担体に対する放射線画像の記録作業を高精度に遂行することができる。
さらに、蓋体の内面に弾性体を配設し、前記蓋体によって前記筐体を閉塞する際、前記弾性体が前記放射線画像記録担体を放射線照射側である前記筐体の内面に向かって加圧保持するとよい。
これにより、蓋体によって筐体を閉塞する際には、放射線画像記録担体が弾性体の押圧作用下に前記筐体の内面に向かって加圧される。このため、放射線画像記録担体は、その撮影面が筐体の内面に密着するように押圧され、前記放射線画像記録担体に被写体の放射線画像情報を高品質で撮影することが可能となる。
さらにまた、筐体の内部に、金属板又は金属複合板からなる板体を配置するとよい。これにより、筐体の内部に設けられた金属板又は金属複合板からなる板体に放射線画像記録担体が押し付けられるため、前記放射線画像記録担体の撮影面に対する密着性が向上し、撮影画像の品質を向上させることができる。そのため、特に、リニアック(放射線治療)の場合に好適に採用することが可能となる。
またさらに、蓋体に、筐体に対して前記蓋体が固定された施錠状態と、前記筐体に対する前記蓋体の固定状態が解除され、該蓋体が分離自在となる解錠状態とを切り換えるロック機構を設けるとよい。これにより、筐体から蓋体が分離自在な解錠状態と、前記筐体に対して前記蓋体が一体的に固定された施錠状態とを簡便に切り換えることが可能となる。
また、ロック機構は、弾性部材による弾発作用下に前記蓋体が前記筐体に対して固定された施錠状態で保持されるスライダと、
前記施錠状態において前記筐体に形成された第1係止部と係合し、解錠位置において前記筐体に形成された第2係止部と係合するロック爪と、
を備え、
前記ロック爪が、前記スライダの変位作用下に前記第1係合部材に係合されて前記施錠状態を保持すると共に、前記蓋体を前記筐体より分離する際には、前記スライダの変位作用下に前記第2係合部材に係合されて前記解錠状態を保持するようにするとよい。
これにより、ロック爪が第2係合部材に係合された際に解錠状態が保持され、蓋体の筐体に対する開蓋状態を好適に保持することができると共に、前記ロック爪が第1係合部材に係合された際に施錠状態が保持されて、前記蓋体が筐体に対して閉蓋した状態を好適に保持することが可能となる。
さらに、カセッテの少なくとも一部を、生分解性樹脂から構成するとよい。これにより、前記カセッテの使用中は通常の樹脂と同じように使用でき、使用後は自然界の微生物によって最終的に水と二酸化炭素に分解されるので、環境対策にも好適である。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、筐体に対して分離自在な蓋体を有するカセッテにおいて、前記カセッテに照射される放射線の照射量を制御するシート体を、筐体及び/又は蓋体に対して着脱自在に構成することにより、撮影環境や撮影条件の変動に容易に対応し、不要な場合には前記シート体を取り外して使用すればよく、カセッテ全体の軽量化を図ることができる。これにより、カセッテは、汎用性に優れると共に、軽量化を図ることができるため、取り扱い性を向上させることができる。
また、放射線が繰り返し曝射される放射線画像記録担体が劣化した場合に、簡便に筐体から取り外して交換作業を行うことが可能となる。
本発明に係るカセッテについて好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
図1において、参照符号10は、本発明の実施の形態に係るカセッテを示す。
このカセッテ10は、図1及び図2に示されるように、蓄積性蛍光体シート(放射線画像記録担体)IP(図2参照)を収納して放射線照射面を構成する筐体12と、該筐体12に対して分離可能に設けられる蓋体14とを備える。
筐体12は、図2、図3及び図5に示されるように、例えば、カーボン板で構成される平板部材16と、前記平板部材16の4つの端部18a〜18dにそれぞれ配設される金属板部材20a〜20dと、該金属板部材20a〜20dを埋設して前記平板部材16の端部18a〜18dに一体成形される樹脂製の枠部22a〜22dとからなる。
この平板部材16は、図4に示されるように、三層構造に形成されており、表面側を構成する外側カーボン板24と内側カーボン板26との間には、絶縁シート28(絶縁層)が設けられている。そして、外側カーボン板24は、放射線照射側の表面24aを構成し、内側カーボン板26は、蓄積性蛍光体シートIPが設けられる筐体12の内部側の表面26aを構成している。
図5に示されるように、金属板部材20a〜20dは、例えば、SUS材やアルミニウム材等の金属板を断面L字状に屈曲させて構成しており、平板部材16の内側カーボン板26に対して両面接着テープ等により仮付けされている。
また、金属板部材20a、20cは、平板部材16の長手方向の端部18a、18cに沿って延在する長尺状に構成される一方、金属板部材20b、20dは、前記平板部材16の短手方向の端部18b、18dに沿って延在する短尺状に構成されている。金属板部材20bの両端部は、金属板部材20a、20cの一端部に当接支持可能であり、金属板部材20dの両端部は、金属板部材20a、20cの他端部に当接支持可能である。
図2に示すように、枠部22b、22dの一端部側(枠部22a側)及び他端部側(枠部22c側)には、後述するロック爪62(図7参照)が係合する第1係止部30と、第2係止部32がそれぞれ所定間隔離間して形成されている。この第1係止部30は、図7〜図11に示されるように、筐体12の平板部材16から鉛直上方向に延在した後、略直角に屈曲している。前記第1係止部30の先端部には、所定角度傾斜した傾斜面34が形成されると共に、前記第2係止部32の先端部にも同様に所定角度傾斜した傾斜面36が形成されている。
さらに、図2に示されるように、筐体12における枠部22a〜22dの上部には、蓋体14に向かって開口した溝部40が形成されると共に、前記蓋体14には、図7に示されるように、前記溝部40と対向する位置に突起部56(後述する)が形成されている。すなわち、筐体12の溝部40と蓋体14の前記突起部56とが、互いに係合して合わせ構造を構成する。
図4に示される平板部材16における絶縁シート28は、静電気試験機により5kV(キロボルト)以上の絶縁を有する材料で構成されており、例えば、ポリプロピレン(PP)やポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂系材料が用いられる。そして、絶縁シート28は、X線透過率に影響を与えない程度の厚さ、具体的には、0.3mm以下の厚さに設定されている。
一方、筐体12の裏面となる外側カーボン板24の表面24aには、図4に示されるように、略矩形状の凹部42が形成され、前記凹部42には、固定部材、例えば、両面テープ44を介して散乱線防止用の鉛シート46が着脱自在に装着されている。なお、この場合、蓄積性蛍光体シートIPには鉛シートを使用していない。
また、鉛シート46を筐体12に装着するための固定部材としては、上述した両面テープ44に限定されるものではなく、例えば、マグネット、クリップ、又は、マジックテープ(登録商標)等を使用してもよく、さらに接着剤等によって鉛シート46を筐体12に装着するようにしてもよい。
筐体12の内側カーボン板26には、蓄積性蛍光体シートIPが固定されている。この蓄積性蛍光体シートIPは、放射線画像記録領域を構成する矩形状の蛍光体層50と、前記蛍光体層50が保持される保持プレート52とからなる(図2参照)。
蛍光体層50は、例えば、ガラス等の硬質材料からなる支持基板に柱状の蛍光体を蒸着して形成される硬質のシートを用いることができる。なお、蛍光体層50は、真空容器内で蓄積性蛍光体を加熱して蒸発させ、これらを支持基板上に付着させる真空蒸着法、スパッタリング、CVD、イオンフレーティング法を用いて形成することができる。
このように形成される蛍光体層50は、蛍光体がこの蛍光体層50の平面と略垂直な柱状をなし、それぞれが光学的に独立に構成されており、照射される放射線に対して高感度で、且つ、画像の粒状性を低下させることができると共に、励起光の散乱を減少させて画質を鮮明にすることができる。
また、蛍光体層50は、支持基板に蛍光体を塗布して形成される可撓性のシート(例えば、特開2000―249795号公報参照)に用いてもよい。なお、蓄積性蛍光体シートIPは、保持プレート52を用いるものに限定されるものではなく、特開2000−249795号公報に開示されている可撓性シートを直接使用してもよい。
保持プレート52は、例えば、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンスクシネート等の生分解性樹脂や、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂又はABSとポリカーボネートのポリマーアロイ(ポリカABS樹脂)等の熱可塑性樹脂により構成される。このように、保持プレート52を生分解性樹脂から形成した場合には、カセッテ10の使用中は通常の樹脂と同じように使用することができると共に、使用後は自然界の微生物によって最終的に水と二酸化炭素に分解されるので、環境対策にも好適である。
また、特開2001−147298号公報に開示されているように、保持プレート52を光学的に透明にすることにより、図示しない画像読取装置を構成する両面集光方式の読み取り部を介して前記保持プレート52の両面側から蓄積性蛍光体シートIPの輝尽発光光を光電的に読み取ることが可能となる。
これにより、球状に発光する輝尽発光光を透明な保持プレート52の両面側から読み取り、該保持プレート52の両面側からそれぞれ読み取られた輝尽発光光の信号成分を加算することができるため、画質の向上を図ることができるという利点がある。
蓋体14は、図2に示されるように、筐体12の形状と略同等となるように略長方形状に形成され、その外縁部から筐体12側に向かって略直交する壁部54a〜54dが形成されている。この壁部54a〜54dには、筐体12の枠部22a〜22dに形成された溝部40と対向する位置に突起部56(図7参照)が形成され、前記蓋体14を筐体12に合体させた際に前記突起部56が溝部40に係合される。それにより、前記筐体12に対して蓋体14が一体的に装着される。
そして、壁部54aと枠部22aとに跨るように、蓋体14を筐体12から開成する際にロック解除ピン98(後述する)が挿入される一組のピン挿入孔38a、38b(図1参照)が形成され、同様に、壁部54cと枠部22cとに跨るように、前記ロック解除ピン98が挿入される一組のピン挿入孔38a、38bが形成されている。
この場合、前記蓋体14の壁部54a、54c側には、前記蓋体14を筐体12に固定するロック機構58a、58bが壁部54a側と壁部54c側にそれぞれ一組ずつ設けられている。なお、ロック機構58a、58bは、それぞれ同一の構成要素からなるため、ロック機構58aについて以下に説明し、ロック機構58bについては同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
このロック機構58aは、図7〜図11に示されるように、蓋体14の裏面において摺動変位自在に設けられたスライダ60と、前記スライダ60と一体的に変位して筐体12の第1及び第2係止部30、32に係合可能なロック爪62とを有する。この場合、スライダ60は、押圧ばね(弾性部材)64によって常に施錠方向、すなわち、壁部54a側に接近する方向(矢印A方向)に付勢されている。
また、スライダ60は、蓋体14の裏面に設けられ、ガイド部材として機能する該スライダ60の長孔66に係合したカラー68に沿って摺動変位可能に設けられている。そして、スライダ60の移動端位置が、長孔66の端部によって規制されている。
さらに、スライダ60の上面には、操作者が操作しやすいように多数の溝からなるノブ部70を設けておくと好適である。なお、スライダ60の一端側において、筐体12及び蓋体14のピン挿入孔38a、38bに対応する位置には、それぞれピン当接部72が形成されている。
一方、ロック爪62は、連結部74を介してスライダ60に一体的に装着される。このロック爪62は、プラスチック、ポリセアター等の合成樹脂によって形成され、本体部76と、その一端部に形成される爪部78とフック部80とを含む。爪部78は、筐体12の第1係止部30と係合し、フック部80は、筐体12の第2係止部32と係合する。
この場合、爪部78の先端には、第1係止部30の傾斜面34と対応する傾斜面82が形成され、一方、フック部80は、可撓性のある薄肉部84を介して本体部76と連なり、このフック部80の先端には筐体12の第2係止部32の傾斜面36に対応する傾斜面86が形成される。
なお、上述の説明においては、蓄積性蛍光体シートIPを保持する保持プレート52を、例えば、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンスクシネート等の生分解性樹脂から形成する場合について説明したが、前記保持プレート52のみならず筐体12や蓋体14を生分解性樹脂から形成するようにしてもよい。これにより、カセッテ10における蓋体14、筐体12及び保持プレート52を使用後に自然界の微生物によって最終的に水と二酸化炭素に分解することができるので、より一層環境対策に好適である。
また、上述の説明において、筐体12の内部に収容される蓄積性蛍光体シートIPは、筐体12の平板部材16に対して保持プレート52を介して固定されている。
例えば、図12に示されるように、蓄積性蛍光体シートIPにおける保持プレート52の下面、又は、筐体12の平板部材16の該蓄積性蛍光体シートIPと対向する位置に繰り返し貼着可能な再剥離フイルム88を設けることにより、前記蓄積性蛍光体シートIPを必要に応じて筐体12に対して離脱又は装着することができる。
これにより、蓄積性蛍光体シートIPの蛍光体層50が繰り返し行われる放射線の曝射によって劣化した際に、簡便に新しい蓄積性蛍光体シートIPと交換することが可能となる。この再剥離フイルム88には、貼着面側に弱い粘着力を有する粘着剤(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET))が塗布されている。
また、前記再剥離フイルム88の代わりに図示しないマジックテープ(登録商標)を設け、蓄積性蛍光体シートIPを筐体12の平板部材16に対して着脱自在な構造としてもよいし、図13に示されるように、前記蓄積性蛍光体シートIPの保持プレート52の下面に、筐体12に向かって突出した複数の突部90を設けると共に、前記突部90と対向する筐体12の平板部材16の上面に該突部90が挿入される孔部92を有する支柱93を複数設け、前記突部90を孔部92に挿入させることにより支柱93に対して係合させるスナップイン構造としてもよい。
すなわち、筐体12に対して蓄積性蛍光体シートIPを簡便に着脱させることが可能な構造であればよい。
このように構成されるカセッテ10の製造方法について、以下に説明する。
先ず、図5に示されるように、カーボン板からなる平板部材16を用意し、前記平板部材16の4つの端部18a〜18dに対応してそれぞれ断面略L字状の金属板部材20a〜20dが両面接着テープ等の接着手段を介して仮付けされる。次に、図6に示されるように、金属板部材20a〜20dが仮付けされた平板部材16が、射出成形機94の内部に配置され、前記射出成形機94に設けられている複数のゲート96からキャビティ(図示せず)に溶融樹脂が充填される。
これにより、図3に示されるように、平板部材16の端部18a〜18dに枠部22a〜22dが一体成形されると共に、該枠部22a〜22dには金属板部材20a〜20dが埋設される。このため、平板部材16と樹脂製材料からなる枠部22a〜22dとが一体成形されて筐体12が成形される。
このように、筐体12は、平板部材16の端部18a〜18dに射出成形によって枠部22a〜22dを一体成形する際に、予め前記平板部材16の端部18a〜18dにアルミニウム材やステンレス材等からなる金属板部材20a〜20dが配置されており、前記金属板部材20a〜20dが前記枠部22a〜22dに埋設されている。そのため、枠部22a〜22dに成形した際の成形収縮が発生した際においても、前記金属板部材20a〜20dの補強作用下に筐体12に対して反り、歪み等の変形が生じることを阻止することができる。
従って、筐体12における平板部材16上に断面略L字状の金属板部材20a〜20dを配置するという簡単な工程及び構成で、枠部22a〜22dを一体成形する際の成形収縮による影響を回避することができ、反り等の変形のない高品質な筐体12を効率的に製造することが可能となる。
次に、このように製造されたカセッテ10の動作について説明する。
このカセッテ10は、筐体12の内部に蓄積性蛍光体シートIPが収容された状態で、図示しない画像形成装置に装填される。そして、被写体(図示せず)の放射線画像情報が、筐体12の表面24aから蓄積性蛍光体シートIPの蛍光体層50に照射される。このため、蛍光体層50には、被写体の放射線画像情報が記録される。
蓄積性蛍光体シートIPに被写体の放射線画像情報が記録された後、このカセッテ10が画像読取装置(図示せず)に装填される。この画像読取装置内には、図7に示すように、装填されたカセッテ10のピン挿入孔38a、38bと対向する位置にそれぞれロック解除ピン98が配設されており、前記ピン挿入孔38a、38bに図示しないアクチュエータ等を介して前記ロック解除ピン98が挿入されることにより、図8に示される施錠状態からカセッテ10における蓋体14の解錠操作が行われる。
このロック解除ピン98は、ロック機構58a、58bにおけるスライダ60の一端部に形成されたピン当接部72にそれぞれ当接し、該ロック機構58aのスライダ60の全体を押圧ばね64の弾発力に抗して矢印B方向に変位させると共に、同様に、ロック機構58bのスライダ60の全体を押圧ばね64の弾発力に抗して矢印B方向に変位させる。そして、それぞれのスライダ60の移動に伴って筐体12の第1係止部30と係合していたロック爪62の爪部78の係合状態が解除されるため、筐体12に対する蓋体14のロック状態が解除される(図10参照)。
その際、ロック解除ピン98はその押圧作用下にさらにスライダ60を筐体12の中央部側に変位させ、筐体12の第2係止部32とロック爪62のフック部80が当接し、その薄肉部84には可撓性の材質が用いられているため、フック部80の傾斜面86は第2係止部32の傾斜面36に沿って摺動し、該第2係止部32を乗り越える。
そして、ロック解除ピン98を後退させてカセッテ10のピン挿入孔38a、38bより離脱させることにより、図9に示されるように、フック部80が押圧ばね64の弾発力によって壁部54a又は壁部54c側へとそれぞれ変位し、前記フック部80が第2係止部32に係合する。そのため、ロック爪62及びスライダ60は、筐体12に対する蓋体14の解錠位置において保持される。
次いで、図示しない画像読取装置の内部に配設されている図示しない吸着盤が蓋体14に接近し、該蓋体14を筐体12より上方に所定距離だけ離間させる。すなわち、吸着盤が蓋体14を吸着した後に、該吸着盤が所定の軌跡に沿って変位することにより、前記蓋体14が筐体12から開蓋する。その結果、図10に示されるように、筐体12側の第2係止部32からフック部80が外れ、ロック爪62は押圧ばね64の弾発作用下に筐体12の中央部側に向かってスライダ60と一体的に変位し、元の位置に復帰する。
そして、前記蓋体14が離脱した筐体12が、図示しない画像読取装置の読み取り部と対向する位置まで搬送され、前記筐体12に収容された蓄積性蛍光体シートIPに記録されている放射線画像情報の読み取りが行われる。さらに、前記蓄積性蛍光体シートIPの蛍光体層50に残存する放射線画像情報の消去が行われた後に、該吸着盤によって筐体12より離脱された蓋体14を前記筐体12へと再び装着して閉蓋する。
その際、蓋体14に設けられたロック機構58a、58bにおけるロック爪62の爪部78が、筐体12の第1係止部30に当接し、蓋体14をさらに筐体12側に向かって変位させることにより、第1係止部30の傾斜面34に沿って爪部78が接しつつロック爪62が押圧ばね64の弾発力に抗して筐体12の中央部側へと変位する。そして、最後に、蓋体14が閉蓋されると、図8に示されるように、ロック爪62は押圧ばね64の弾発力によって壁部54a又は壁部54cから離間する方向へとそれぞれ変位してロック爪62の爪部78が第1係止部30の傾斜面34の下方側に係合される。
これにより、カセッテ10において蓋体14が再び筐体12に対して施錠された状態で保持される。
この際、第1の実施形態では、図2に示すように、蓄積性蛍光体シートIPが収容される筐体12の表面24aに凹部42が設けられ、この凹部42には、鉛シート46が両面テープ44を介して交換自在に取り付けられる。
このため、例えば、撮影環境や撮影条件により鉛シート46が不要である際には、前記鉛シート46を筐体12から取り外した状態で使用することができる。
一方、この鉛シート46よりも肉厚な放射線遮蔽板(シート体)が要求される際には、前記鉛シート46を取り外した後、所望の肉厚に設定された新たな鉛シートを筐体12の凹部42に両面テープ44を介して取り付けることが可能になる。なお、鉛シート46は、筐体12における外側カーボン板24の凹部42に取り付ける代わりに、図14に示されるように、前記筐体12の蓄積性蛍光体シートIP(図2参照)が収容される筐体12の内部側となる内側カーボン板26の表面26aに凹部42aを形成し、鉛シート46を、該凹部42aに両面テープ44によって交換自在に取り付けるようにしてもよい。
さらに、上述のように、筐体12側に設けられていた鉛シート46を、図15に示されるように、前記筐体12と対向する蓋体14の内面に形成された凹部42bに取り付けるようにしてもよい。
このように、第1の実施形態では、撮影環境や撮影条件の変動に容易に対応することができ、しかも不要な場合には鉛シート46を取り外して使用すればよく、カセッテ10の全体の重量が良好に軽減される。これにより、カセッテ10は、汎用性に優れると共に、軽量化を図ることが可能になって、取り扱い性が有効に向上する。
さらに、凹部42に鉛シート46が取り外し可能に収容固定されているため、前記鉛シート46は、筐体12における外側カーボン板24の表面24aから外部に突出することがなく(図2参照)、例えば、画像読取装置内で蓄積性蛍光体シートIPが搬送及び処理される際に、前記鉛シート46が他の部材と干渉することを阻止することができる。
なお、第1の実施形態では、固定部材として両面テープ44を用い、この両面テープ44により鉛シート46を筐体12に取り付けているが、これに限定されるものではない。固定部材としては、例えば、マグネット、クリップ又はマジックテープ(登録商標)等を使用してもよく、さらに接着剤等によって鉛シート46を筐体12に固定してもよい。また、以下に説明する第2及び第3の実施形態でも同様である。
一方、蓄積性蛍光体シートIPが収容される筐体12は、図示しない画像読取装置の内部において繰り返し搬送が行われるため、前記蓄積性蛍光体シートIP及び筐体12が帯電しやすい。従って、帯電している蓄積性蛍光体シートIPが収容されたカセッテ10を取り扱う際に、平板部材16を介して人手や外部設備等に放電が生じるおそれがある。
このような場合においても、平板部材16は、外側カーボン板24と内側カーボン板26との間に絶縁シート28が介装された三層構造に設定されているため、カセッテ10の内部に収容されている蓄積性蛍光体シートIP及び筐体12が帯電している際に、平板部材16を構成する外側カーボン板24に作業者の手指等が接触しても、この手指等に放電が惹起されることを確実に阻止することができる。
また、平板部材16は、外側カーボン板24、絶縁シート28及び内側カーボン板26からなる三層構造に設定されているため、カセッテ10の全体の構造が複雑化することがなく経済的であるという利点がある。しかも、絶縁シート28は、外側カーボン板24と内側カーボン板26との間に挟まれており、この絶縁シート28が平板部材16の表面24aに露呈することがない。これにより、平板部材16の外観品質の低下を有効に阻止することができる。
さらに、絶縁シート28は、その厚さが0.3mm以下となるように形成されているため、平板部材16を構成する外側カーボン板24から放射線(X線)が照射される際に、この放射線の透過率に影響を与えることがなく、蓄積性蛍光体シートIPに所望の被写体の放射線画像を記録することができる。
なお、上述の説明においては、蓄積性蛍光体シートIPが、筐体12の内側カーボン板26に固定されている場合について説明しているが、これに限定されるものではなく、図16〜図18に示されるように、筐体12aの枠部22b、22dの内壁面に、該筐体12aの内部側に向かって突出する一組のガイドレール100a、100bを設け、前記ガイドレール100a、100bに蓄積性蛍光体シートIPの保持プレート52aを係合させることにより保持するようにしてもよい。
このガイドレール100a、100bは、筐体12aの平板部材16と略平行に形成され、該ガイドレール100a、100bにおける枠部22a側の端部には、該ガイドレール100a、100bの延在方向と略直交する上方に折曲したストッパ部102(図16参照)が形成されると共に、前記ガイドレール100a、100bにおける枠部22c側の端部には、蓋体14a側に向かって円弧状に湾曲した湾曲部104が形成されている。
また、可撓性を有する蓄積性蛍光体シートIPの保持プレート52aの両側面には、軸線方向に沿って延在するように所定深さだけ窪んだ係合溝106a、106bが形成され、前記係合溝106a、106bがガイドレール100a、100bにそれぞれ係合される。
そして、蓄積性蛍光体シートIPをカセッテ10aに収容する際には、ガイドレール100aの湾曲部104より該蓄積性蛍光体シートIPの係合溝106a、106bを係合させ、筐体12の枠部22a側に向かってスライドさせるように変位させる。これにより、蓄積性蛍光体シートIPが、ガイドレール100a、100bのストッパ部102によって係止され、前記蓄積性蛍光体シートIPがカセッテ10aの内部に保持された状態となる。
また、反対に、例えば、蓄積性蛍光体シートIPの交換を行う等の理由で、該蓄積性蛍光体シートIPをカセッテ10aより取り出す際には、前記蓄積性蛍光体シートIPをガイドレール100a、100bに沿って枠部22c側へと変位させることにより、簡便に取り外すことができる。このように、蓄積性蛍光体シートIPをカセッテ10aに設けられたガイドレール100a、100bに沿って着脱自在に設けることにより、該蓄積性蛍光体シートIPの交換作業時等において簡便に着脱させることが可能となる。
次に、第2の実施の形態に係るカセッテ200を図19及び図20に示す。図19は、前記カセッテ200が開放された状態の一部断面説明図であり、図20は、前記カセッテ200が閉塞された状態の一部断面説明図である。なお、以下に説明する第2及び第3の実施の形態に係るカセッテ200、250と第1の実施の形態に係るカセッテ10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
カセッテ200における蓋体14の内面202には、スポンジゴム等の弾性体204が固着されると共に、前記弾性体204に薄板状のシート206が固定される。このシート206は、例えば、PPやPET等で構成される。弾性体204は、筐体12に対して蓋体14を閉塞する際、蓄積性蛍光体シートIPを放射線照射側である前記筐体12の内面210に向かって加圧保持する。
また、筐体12の内面210には、板体208が配置され、この板体208は、Cu(銅)、Pb(鉛)、Ta(タンタル)、Fe(鉄)、W(タングステン)又はWとゴムやプラスチックの複合材で構成される。
そして、蓄積性蛍光体シートIPが、該蓄積性蛍光体シートIPと内面210との間に介装されたスプリング212によって支持されている。このスプリング212は、蓄積性蛍光体シートIPを蓋体14に向かって変位させるように付勢している。
このように構成される第2の実施形態では、図19に示すように、蓋体14が筐体12に対して所定間隔離間して維持された状態で、前記蓋体14が筐体12に閉じられると、この蓋体14の内面202に固着された弾性体204の弾性力を介して、シート206が蓄積性蛍光体シートIPの裏面(撮影面とは反対の面)を前記筐体12の内面210に向かって押圧する。一方、筐体12の内部には、金属板又は金属複合板からなる板体208が配置されている。
これにより、蓄積性蛍光体シートIPは、図20示されるように、その撮影面を弾性体204の押圧作用下に板体208に確実に加圧保持され、この蓄積性蛍光体シートIPに対する放射線画像情報の撮影処理が良好に遂行される。従って、高画質の放射線画像情報が確実に得られ、特にリニアック(放射線治療)に好適に採用することができるという効果が得られる。
なお、筐体12側に設けられていた鉛シート46を、図21及び図22に示されるように、前記筐体12と対向する蓋体14の内面に形成された凹部42bに取り付けるようにしてもよい。
次に、第3の実施の形態に係るカセッテ250を図23に示す。図23は、カセッテ250の縦断面図である。
カセッテ250において、図23に示されるように、筐体12と蓋体14との内部に、保持ユニット252、252aが積層されている。この保持ユニット252には、表面254に矩形状の第1凹部256が形成され、この第1凹部256には、固定部材、例えば、両面テープ44を介して異種材料のシート体、例えば、放射線の低エネルギ成分を吸収する放射線エネルギ分離フィルタである銅板(シート体)258が着脱自在に固定される。この銅板258の表面には、保護用プラスチックシート260が設けられる。
保持ユニット252に設けられる蓄積性蛍光体シートIPは、蓋体14側に形成される第2凹部262にカーボン板264aが埋設されると共に、前記カーボン板264aに両面テープ44を介して蛍光体層50が交換可能に設けられているが、前記カーボン板を用いなくてもよい。
この第3の実施形態では、例えば、エネルギ・サブトラクション処理を行う際には、保持ユニット252と、異種材料のシート体を貼り付けない薄肉状(厚さが7mm以下)の保持ユニット252aとが用いられる。この保持ユニット252aは、保持ユニット252と筐体12の平板部材16との間に設けられ、その内部には蓄積性蛍光体シートIPと同様に構成された蓄積性蛍光体シートIPaが収容されている。
保持ユニット252aには、保持ユニット252側に形成された第3凹部166にカーボン板264bが埋設されると共に、前記カーボン板264bに両面テープ44を介して蛍光体層50aが交換可能に設けられている。そこで、保持ユニット252、252aが内部に配設されたカセッテ250が、図示しない撮影装置に装填される。保持ユニット252は、表面254aを放射線照射側に配置させると共に、表面254を前記保持ユニット252aに向かって配置させている。
そして、被写体(図示せず)の放射線画像情報が、保持ユニット252の表面254a側から蓄積性蛍光体シートIPに照射される(矢印X方向)。このため、被写体に対向する蓄積性蛍光体シートIPの蛍光体層50には、前記被写体の放射線画像情報が直接記録される。さらに、この蛍光体層50を透過した放射線は、保持ユニット252aに照射される。
この保持ユニット252aは、対向する保持ユニット252の表面254に銅板258が取り付けられているため、放射線はこの銅板258を介して低エネルギ成分が吸収された後、蓄積性蛍光体シートIPaの蛍光体層50aに照射され、この蛍光体層50aに放射線画像情報が記録される。この蛍光体層50aに記録される放射線画像情報は、保持ユニット252に収容されている蓄積性蛍光体シートIPの蛍光体層50に記録される放射線画像情報よりも、放射線の高エネルギ成分が強調されたエネルギ分布の画像情報となっている。
次いで、保持ユニット252、252aは、例えば、図示しない画像読取装置に同時に、又は順次装填される。この読取装置内では、保持ユニット252、252aからそれぞれ蓋体14が開蓋され、蓄積性蛍光体シートIP、IPaが処理部、例えば、読取部に配置される。この読取部では、蛍光体層50、50aに励起光が照射されて、この蛍光体層50、50aに記録されている放射線画像情報の読み取りが行われる。
その際、保持ユニット252aの蛍光体層50aに記録されている放射線画像情報は、保持ユニット252の蛍光体層50に記録されている放射線画像情報よりも、放射線の高エネルギ成分が強調されている。従って、これらの放射線画像情報が、エネルギ・サブトラクション処理を施されることにより、被写体のエネルギ吸収特性の異なる特定の構造物(内蔵等の軟部や骨部等)の画像情報を得ることができる。
さらに、各蛍光体層50、50aに残存する放射線画像情報の消去が行われた後、それぞれの蓄積性蛍光体シートIP、IPaが設けられた筐体12に対してそれぞれ蓋体14が装着される。そして、保持ユニット252、252aは、新たな被写体の放射線画像情報の記録を行うために、撮影装置に装填される。
この場合、第3の実施形態では、保持ユニット252の表面254に放射線エネルギ分離フィルタである銅板258が設けられる。このため、保持ユニット252、252a内に収容されている蓄積性蛍光体シートIP、IPaの各蛍光体層50、50aには、それぞれ放射線のエネルギ吸収特性の異なった条件で放射線画像情報が記録され、被写体のエネルギ吸収特性の異なる特定の構造物(内臓等の軟部や骨部等)の画像情報を確実に且つ容易に抽出することができる。
しかも、保持ユニット252、252aは、有効に薄肉化されるため、カセッテ250における筐体12及び蓋体14の内部に前記保持ユニット252、252aを一体的に載置することができる。
これにより、保持ユニット252自体の構成が簡単化且つコンパクト化されると共に、銅板258を容易に着脱することが可能になって、前記保持ユニット252、252aの取り扱い作業性が有効に向上する。しかも、蓄積性蛍光体シートIP、IPaは、エネルギ・サブトラクション処理等を効率的に遂行することが可能になると共に、該エネルギ・サブトラクション処理の他、種々の異なる撮影処理に使用することができ、汎用性に優れる。
具体的には、保持ユニット252の第1凹部256には、異種材料のシート体として、散乱防止用の鉛シート46、高強度化用のFRP素材シート、手書き可能なホワイトボード又はカセッテ搬送用のマグネットシート等が着脱自在に貼り付け可能である。
しかも、保持ユニット252は、銅板258を取り外して使用することができる。これにより、前記保持ユニット252の全体が軽量化されて取り扱い作業性が有効に向上する等、種々の効果が得られる。
本発明の第1の実施の形態に係るカセッテの斜視図である。 図1のカセッテの分解斜視図である。 図2のカセッテにおける筐体の単体斜視図である。 図3の筐体における平板部材の拡大縦断面図である。 図3の筐体の分解斜視図である。 図5の筐体において平板部材に金属板部材を貼り付けた状態で射出成形機に配置する際の斜視説明図である。 図1のカセッテに設けられたロック機構の拡大斜視図である。 図7のロック機構によって筐体に対して蓋体が閉蓋された施錠状態を示す一部省略縦断面図である。 図8のロック機構が、ロック解除ピンによる押圧作用下に解錠された状態を示す一部省略縦断面図である。 図9のロック機構におけるスライダが、さらにカセッテの内部へと変位した状態を示す一部省略縦断面図である。 図10のロック機構におけるロック爪が、筐体に設けられた第1係止部の傾斜面に当接した状態を示す一部省略縦断面図である。 蓄積性蛍光体シートが筐体に対して再剥離フイルムで着脱自在に設けられた状態を示す斜視説明図である。 蓄積性蛍光体シートが筐体に対してスナップイン構造によって着脱自在に設けられた状態を示す斜視説明図である。 図4の筐体における平板部の内部側に凹部を介して鉛シートが取り付けられた状態を示す拡大縦断面図である。 図1のカセッテにおいて筐体に設けられていた鉛シートを、蓋体の内面側に設けた状態を示す拡大縦断面図である。 カセッテにおける枠部の内壁面にガイドレールが形成され、前記ガイドレールに蓄積性蛍光体シートが係合されて保持されるカセッテを示す分解斜視図である。 図16のガイドレールに蓄積性蛍光体シートの係合溝が係合された状態を示す一部省略拡大斜視図である。 図16のカセッテが閉蓋された状態における一部省略縦断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るカセッテの縦断面図である。 図19のカセッテにおける筐体が蓋体によって閉塞された状態を示す縦断面図である。 図19のカセッテの蓋体の内壁面に鉛シートを設けた状態を示す一部省略縦断面である。 図19のカセッテにおける筐体が蓋体によって閉塞された状態を示す縦断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るカセッテの一部省略縦断面である。 特許文献1のカセッテの縦断面説明図である。
符号の説明
10、10a、200、250…カセッテ
12、12a…筐体 14、14a…蓋体
16…平板部材 20a〜20d…金属板部材
22a〜22d…枠部 24…外側カーボン板
26…内側カーボン板 28…絶縁シート
30…第1係止部 32…第2係止部
38a、38b…ピン挿入孔 42、42a、42b…凹部
46…鉛シート 50、50a…蛍光体層
52、52a…保持プレート 54a〜54d…壁部
58a、58b…ロック機構 60…スライダ
62…ロック爪 72…ピン当接部
78…爪部 80…フック部
100a、100b…ガイドレール 106a、106b…係合溝
204…弾性体 206…シート
208…板体 252、252a…保持ユニット
256…第1凹部 258…銅板
260…保護用プラスチックシート 262…第2凹部

Claims (10)

  1. 放射線を照射して被写体の放射線画像情報を記録すると共に、前記放射線画像情報を消去して繰り返し使用可能な放射線画像記録担体と、
    前記放射線画像記録担体が着脱自在に収容される筐体と、
    前記筐体に対して分離自在に装着される蓋体と、
    を備え、
    前記筐体及び/又は前記蓋体には、照射される前記放射線の照射量を制御するシート体が着脱自在に装着されていることを特徴とするカセッテ。
  2. 請求項1記載のカセッテにおいて、
    前記筐体には、凹部が形成されると共に、前記凹部には、固定部材を介して前記シート体が選択的に収容固定されることを特徴とするカセッテ。
  3. 請求項1又は2記載のカセッテにおいて、
    前記筐体は、外部から放射線が照射される平板部材と、
    前記平板部材の内面端部に配置される金属板部材と、
    前記金属板部材を埋設し、前記平板部材の端部に一体成形される樹脂製枠部と、
    を備えることを特徴とするカセッテ。
  4. 請求項3記載のカセッテにおいて、
    前記平板部材は、表面にカーボン層を設け、且つ、内部に絶縁層を設ける三層構造に設定されると共に、
    前記絶縁層は、5kV(キロボルト)以上の絶縁性材料で構成されることを特徴とするカセッテ。
  5. 請求項4記載のカセッテにおいて、
    前記絶縁層の厚さは、0.3mm以下に設定されることを特徴とするカセッテ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のカセッテにおいて、
    前記蓋体の内面には弾性体が配設され、前記蓋体によって前記筐体を閉塞する際、前記弾性体が前記放射線画像記録担体を放射線照射側である前記筐体の内面に向かって加圧保持することを特徴とするカセッテ。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のカセッテにおいて、
    前記筐体の内部には、金属板又は金属複合板からなる板体が配置されることを特徴とするカセッテ。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のカセッテにおいて、
    前記蓋体には、前記筐体に対して前記蓋体が固定された施錠状態と、前記筐体に対する前記蓋体の固定状態が解除され該蓋体が分離自在となる解錠状態と、を切り換えるロック機構が設けられていることを特徴とするカセッテ。
  9. 請求項8記載のカセッテにおいて、
    前記ロック機構は、弾性部材による弾発作用下に前記蓋体が前記筐体に対して固定された施錠状態で保持されるスライダと、
    前記施錠状態において前記筐体に形成された第1係止部と係合し、解錠位置において前記筐体に形成された第2係止部と係合するロック爪と、
    を備え、
    前記ロック爪は、前記スライダの変位作用下に前記第1係合部材に係合されて前記施錠状態を保持すると共に、前記蓋体を前記筐体より分離する際には、前記スライダの変位作用下に前記第2係合部材に係合されて前記解錠状態を保持することを特徴とするカセッテ。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のカセッテにおいて、
    前記カセッテの少なくとも一部は、生分解性樹脂から構成されることを特徴とするカセッテ。

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