JP2005274826A - カラーフィルター基板、その積層体及びその利用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 液晶表示装置等に用いるカラーフィルター基板を傷、破損から守り、保管、移送に有利なカラーフィルター基板を提供する。
【解決手段】 ガラス基板の表面にブラックマトリックス、着色層、透明電極及びスペーサー等の基本構成を形成させたカラーフィルター基板の着色層側の表示部以外の領域に、選択的に溶剤可溶性保護層を設け、保護層を設けたカラーフィルター基板を複数枚積層して、輸送に便利な積層体とする際に、カラーフィルター基板の着色層側の保護層と、カラーフィルター基板の裏面とが接するように積層させる。
【選択図】 図1
【解決手段】 ガラス基板の表面にブラックマトリックス、着色層、透明電極及びスペーサー等の基本構成を形成させたカラーフィルター基板の着色層側の表示部以外の領域に、選択的に溶剤可溶性保護層を設け、保護層を設けたカラーフィルター基板を複数枚積層して、輸送に便利な積層体とする際に、カラーフィルター基板の着色層側の保護層と、カラーフィルター基板の裏面とが接するように積層させる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、液晶表示装置等に用いられ、保管、移送時に有利なカラーフィルター基板、その積層体及びその利用方法に関するものである。
通常、カラーフィルター基板は、ガラス基板表面にブラックマトリックス、着色層、透明導電膜層及びスペーサー等の突起物を形成した状態で保管、移送される。
従来、カラーフィルター基板を保管、移送する際は、カラーフィルター基板表面を傷や破損から守るため、カラーフィルター基板同士が接触しないように、カラーフィルター基板を所定間隔で並列収納できる、箱形の収納容器を用いていた。
特開2002−264992号公報
しかしながら、最近では、より大型のカラーフィルター基板の製造が要求されており、これらを従来と同様に所定間隔で収納すれば、より大きな、収納容器、収納スペースが必要となり、また、輸送により割れやすくなり、現実には、前記のような収納容器を用いて、保管、移送するのは困難である。
そこで、これらの問題点を解消する方法として、本願出願人は先にカラーフィルター基板の表面全面に輸送後に除去可能な保護層を形成させることを提案した。しかしながら、その後の検討により、カラーフィルター基板の着色層側の面に保護層を全面形成する場合、汎用の剥離方法では完全な剥離は困難であり、液晶表示装置用の表示領域でおいて残渣が発生してしまうと、表示特性の信頼性が大きく低下してしまう懸念がある。
本願発明は、カラーフィルター基板を搬送時の傷、破損から守り、大型のカラーフィルター基板でも、移送に有利であり、また、使用した保護層が除去後にカラーフィルター表面に残存しない、表示特性の信頼性の高いカラーフィルター基板、その積層体及びその利用方法を提供するものである。
本発明は、カラーフィルター基板の着色層側の表示部以外の領域に、選択的に溶剤可溶性保護層を形成することを特徴とするカラーフィルター基板であり、第2の発明は、カラーフィルター基板の着色層側の表示部以外の領域に、選択的に溶剤可溶性の保護層を形成したカラーフィルター基板を複数枚積層させてなることを特徴とする積層体であり、第3の発明は、カラーフィルター基板の着色層側の表示部以外の領域に、選択的に溶剤可溶性の保護層を形成したカラーフィルター基板を複数枚積層させてなる積層体であって、隣り合うカラーフィルター基板の間に離間体を介在させることを特徴とする積層体である。
また、第4の発明は、第1の地点で、カラーフィルター基板の着色層側の表示部以外の領域に、選択的に溶剤可溶性の保護層を形成させる工程と、前記保護層を設けたカラーフィルター基板を、隣り合う2枚のカラーフィルター基板は、一方のカラーフィルター基板の前記保護層と他方のカラーフィルター基板の裏面とが接するように、複数枚積層させて積層体を形成させる工程と、前記第1の地点で形成させた積層体を、前記第1の地点から第2の地点へ搬送する工程と、前記第2の地点で、前記カラーフィルター基板の保護層を除去する工程とを具備することを特徴とするカラーフィルター基板の利用方法であり、第5の発明は、第1の地点で、カラーフィルター基板の着色層側の表示部以外の領域に、選択的に溶剤可溶性の保護層を形成させる工程と、前記保護層を設けたカラーフィルター基板を、隣り合うカラーフィルター基板の間に離間体を介在させながら、複数枚積層させて積層体を形成させる工程と、前記第1の地点で形成させた積層体を、前記第1の地点から第2の地点へ搬送する工程と、前記第2の地点で、前記カラーフィルター基板の保護層を除去する工程とを具備することを特徴とするカラーフィルター基板の利用方法である。
また、第4の発明は、第1の地点で、カラーフィルター基板の着色層側の表示部以外の領域に、選択的に溶剤可溶性の保護層を形成させる工程と、前記保護層を設けたカラーフィルター基板を、隣り合う2枚のカラーフィルター基板は、一方のカラーフィルター基板の前記保護層と他方のカラーフィルター基板の裏面とが接するように、複数枚積層させて積層体を形成させる工程と、前記第1の地点で形成させた積層体を、前記第1の地点から第2の地点へ搬送する工程と、前記第2の地点で、前記カラーフィルター基板の保護層を除去する工程とを具備することを特徴とするカラーフィルター基板の利用方法であり、第5の発明は、第1の地点で、カラーフィルター基板の着色層側の表示部以外の領域に、選択的に溶剤可溶性の保護層を形成させる工程と、前記保護層を設けたカラーフィルター基板を、隣り合うカラーフィルター基板の間に離間体を介在させながら、複数枚積層させて積層体を形成させる工程と、前記第1の地点で形成させた積層体を、前記第1の地点から第2の地点へ搬送する工程と、前記第2の地点で、前記カラーフィルター基板の保護層を除去する工程とを具備することを特徴とするカラーフィルター基板の利用方法である。
本発明のカラーフィルター基板、その積層体及びその利用方法は、搬送効率がよく、カラーフィルター基板膜面の傷や欠損等のダメージを回避することができ、更に、保護層除去後のカラーフィルター基板は、カラーフィルター表面に保護層の残存がなく、液晶表示装置の表示信頼性が向上する。
本発明に用いるカラーフィルター基板は、製造方法に特に制限はなく、基本構成として、ガラス基板上に、表示部として、ブラックマトリックス、着色層、透明電極及びスペーサー等の突起物を形成させた液晶表示装置等に用いられるカラーフィルター基板である。
本発明は、カラーフィルター基板の着色層側の表示部以外の領域に選択的に保護層を設ける。保護層の形状や設ける位置について特に限定するものではなく、作業性や複数枚積層する際の安定性等を考慮して選択すればよい。本発明では、保護層を表示部以外の領域に設けることにより、表示部への保護層の残査発生を回避することができる。
図1〜図4に、本発明のカラーフィルター基板の一例の平面図を示す。本発明のカラーフィルター基板1は、複数の表示部5を有している。図1は、カラーフィルター基板1の表示部5以外の領域に柱状の保護層3を一定の間隔をあけて複数設ける。図2は、カラーフィルター基板1の表示部5以外の領域に、表示部5を囲んだ形状で保護層3を設ける。図3、図4は、カラーフィルター基板1の表示部5以外の領域に、縦方向または横方向に表示部5を仕切る様に、複数の保護層3を設ける。
図1〜図4に、本発明のカラーフィルター基板の一例の平面図を示す。本発明のカラーフィルター基板1は、複数の表示部5を有している。図1は、カラーフィルター基板1の表示部5以外の領域に柱状の保護層3を一定の間隔をあけて複数設ける。図2は、カラーフィルター基板1の表示部5以外の領域に、表示部5を囲んだ形状で保護層3を設ける。図3、図4は、カラーフィルター基板1の表示部5以外の領域に、縦方向または横方向に表示部5を仕切る様に、複数の保護層3を設ける。
本発明の保護層は、ある程度の厚みがあることが好ましい。保護層の厚さが足りない場合、カラーフィルター基板を複数枚積層した際に、上に重ねたカラーフィルター基板が撓んで表示部に接触し、表示部を傷つけるので好ましくない。
また、本発明の保護層は一時的な保護であることから後で比較的簡単に除去できるものであることが必要である。
また、本発明の保護層は一時的な保護であることから後で比較的簡単に除去できるものであることが必要である。
本発明の保護層は、水溶性樹脂、アルカリ可溶性樹脂又は有機溶剤可溶性樹脂からなる。水溶性樹脂は、部分ケン化ポリ酢酸ビニル(一般に「ポリビニルアルコール」と称されることから、以下、「ポリビニルアルコール」という)、水酸基を有するアクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等のいずれかを主成分として好適に使用でき、アルカリ可溶性樹脂は、側鎖に水酸基及びカルボン酸基を有するアクリル共重合体又は、水酸基及びカルボン酸基変性エポキシ・ウレタン・ポリエステルアクリレート等が好適に使用できる。本発明で特に好ましいのは、ポリビニルアルコールである。
また、保護層として前記水溶性樹脂、アルカリ可溶性樹脂又は溶剤可溶性樹脂を用いる際、樹脂層中に空隙を含ませてもよい。本発明でいう空隙は、前記水溶性樹脂、アルカリ可溶性樹脂や溶剤可溶性樹脂にエアーアトマイジングノズル等で気泡を入れることにより得ることができる。また、ウレタンなどの内部に気泡を有する樹脂、中空樹脂ビーズを分散させた樹脂等を使用することができる。
樹脂層中に空隙を含ませることにより、保護層を除去する際、液の浸透がよくなり、除去が容易になる。また、比重が下げられるので、材料コストが削減できる。
樹脂層中に空隙を含ませることにより、保護層を除去する際、液の浸透がよくなり、除去が容易になる。また、比重が下げられるので、材料コストが削減できる。
本発明の保護層の形成方法は、特に限定するものではなく、インクジェット・ディスペンサー・スプレーによる吹きつけ、オフセット印刷・グラビア印刷・スクリーン印刷等の方法が使用可能である。
本発明の保護層の厚さは、カラーフィルター基板を保護できれば特に制限するものではないが、10〜500μmが好ましく、特に好ましくは50〜100μmである。
本発明の積層体は、本発明の保護層を設けたカラーフィルター基板を複数枚積層させる。
図5は、本発明の積層体の一例を示す説明図であり、複数枚の図1に示した本発明のカラーフィルター基板1を、複数枚積層させている。また、図6は、本発明の積層体の他の一例を示す説明図であり、複数枚の図1に示した本発明のカラーフィルター基板1を、離間体11を介して複数枚積層させている。
図5は、本発明の積層体の一例を示す説明図であり、複数枚の図1に示した本発明のカラーフィルター基板1を、複数枚積層させている。また、図6は、本発明の積層体の他の一例を示す説明図であり、複数枚の図1に示した本発明のカラーフィルター基板1を、離間体11を介して複数枚積層させている。
本発明の積層体において、カラーフィルター基板の裏面に保護層として、粘着フィルム又は溶剤可溶性のコーティング層を設けることが好ましい。また、隣り合うカラーフィルター基板の間に紙または樹脂フィルムを離間体として挟んでも良い。尚、前記裏面の保護層は、搬送後、除去可能であることが必要である。
前記粘着フィルムは、基材表面に粘着剤を有するフィルム又は基材と粘着剤との共押しフィルムが用いられる。本発明で用いる基材は、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート等であり、粘着剤は、ゴム系又はアクリル系である。特に好ましくは、基材がポリエチレンであり、粘着剤がゴム系である。
前記裏面の保護層としてのコーティング層は、水溶性樹脂、アルカリ可溶性樹脂又は有機溶剤可溶性樹脂からなる。水溶性樹脂は、ポリビニルアルコール、水酸基を有するアクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が好適に使用でき、アルカリ可溶性樹脂は、側鎖に水酸基及びカルボン酸基を有するアクリル共重合体又は、水酸基及びカルボン酸基変性エポキシ・ウレタン・ポリエステルアクリレート等が好適に使用できる。
本発明の裏面の保護層としてのコーティング層の厚さは、特に制限するものではないが、保護性能の面から10〜500μmが好ましく、特に好ましくは50〜100μmである。
前記離間体は、紙または樹脂フィルムである。本発明で用いる紙は、中性紙が特に好ましく、中性紙はpH6.5〜7.0(pH測定は、JISP8133による)である。また、不織布も好適に使用できる。本発明で用いる樹脂フィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール又はセルロースからなるものが好適に使用でき、特に好ましくは、ポリエチレンである。
離間体の厚さは、特に制限するものではないが、性能面を考慮すると、紙の場合は、25〜50g/m2が好ましく、特に好ましくは50g/m2程度であり、樹脂フィルムの場合は、25〜100μmが好ましく、特に好ましくは50μm程度である。
離間体の大きさは、カラーフィルター基板と同程度かやや大きい程度でよい。特に望ましくは、離間体の縦または横の長さの一方がカラーフィルター基板より大きく、他方がカラーフィルター基板より小さいものであり、これにより、積層体とした際に、離間体の一辺がカラーフィルター基板からはみ出ることになり、梱包、開梱時の作業性が良好になる。
次に、本願発明のカラーフィルター基板の利用方法について、説明する。
カラーフィルター基板は、通常ガラス基板上に、ブラックマトリックス、着色層、透明電極及びスペーサー等の突起物を形成させた状態で、液晶表示装置メーカーに搬送される。
カラーフィルター基板は、通常ガラス基板上に、ブラックマトリックス、着色層、透明電極及びスペーサー等の突起物を形成させた状態で、液晶表示装置メーカーに搬送される。
本発明は、カラーフィルター基板を製造する第1の地点で、ガラス基板上に、ブラックマトリックス、着色層、透明電極及びスペーサー等の突起物を形成させた後、カラーフィルター基板の着色層の表示部以外の領域に本発明の保護層を設け、必要に応じてカラーフィルター基板の裏面に保護層を設け、前記保護層を設けたカラーフィルター基板を積層させて本発明の積層体として、第2の地点に搬送し、第2の地点で、保護層の除去を行う。
本発明でいう第1の地点は、カラーフィルター基板を製造する工場、あるいはそれに隣接する敷地等を含む概念であり、第2の地点は、液晶表示装置メーカー等のカラーフィルター基板を利用して製品とする工場あるいはそれに隣接する敷地等を含む概念である。
本発明の保護層の除去方法は、保護層の種類により異なる。
保護層が、水溶性樹脂層の場合は、除去は保護層を水で洗浄することにより行う。
保護層が、アルカリ可溶性樹脂層の場合は、除去は保護層をアルカリ性水溶液で洗浄することにより行う。アルカリ性水溶液は、水酸化カリウム水溶液を用いることが特に好ましい。
保護層が、有機溶剤可溶性樹脂層の場合は、除去は有機溶剤で洗浄することにより行う。
保護層が、粘着フィルムの場合は、除去は剥離することにより行う。
本発明で行う、水、アルカリ性水溶液又は有機溶剤による洗浄の方法は、特に限定するものではなく、洗浄液中に浸漬して行うディップ洗浄、洗浄液をシャワーし、ロールブラシやカップブラシを用いるブラシ洗浄、高圧スプレーによるスプレー洗浄又は超音波洗浄等が可能である。
以下、実施例に基づいて、詳細に説明する。
縦1500mm、横1800mmのガラス上に形成されたカラーフィルター基板の着色層側に、日本合成化学工業(株)製ポリビニルアルコール(ゴーセノールNK−05(平均重合度500、ケン化度71.0〜75.0モル%)10重量%水溶液を図1に示したそれぞれの位置にシリンジを用いて滴下し、その後100℃に設定したオーブン中で30分間乾燥し、厚さ約100μmの着色層側保護層を得た。次に、裏側の保護層として、(株)サンエー化研製HP−25(PE/ゴム系粘着剤)をカラーフィルター基板のガラス面にラミネートした。
着色層側に保護層が設けられ、ガラス面をラミネート保護されたカラーフィルター基板200枚を、垂直状態から15度傾斜させた状態で収納できる専用パレットに、着色層側保護層とラミネート保護された裏面とが接するようにしながら、収納した。
その後、外気との遮断および荷崩れを防ぐ目的でストレッチフィルム巻き、カラーフィルター基板輸送のための積層体とし、搬送を行った。
これにより、カラーフィルター基板の梱包効率を向上させると共に輸送中のカラーフィルター基板の動きを制約することができ、輸送中の振動等によるワレといった基板への影響を避けることができた。
続いて、裏面の保護層を剥離し、さらに着色層側保護層を純水洗浄により剥離することにより、保護層の除去を行った。
その後基板を観察したところ、カラーフィルター表面に傷や汚れは発生していなかった。
保護層除去後に、保護層によるカラーフィルター表面への影響を調べるため、カラーフィルター基板の濡れ性を次の方法で測定した。
カラーフィルター基板膜面にN−メチルピロリドン/γ―ブチロラクトン=1/1(重量比)からなる混合溶剤を滴下し、滴下2秒後における接触角を測定したところ、2.5°であった。尚、比較のため、保護層を形成していないカラーフィルター基板(参照基板)表面の濡れ性を、同様にして測定した場合の接触角は2.5°であった。濡れ性が低下していないことから、着色層側保護層が完全に剥離できていることがわかる。
縦1500mm、横1800mmのガラス上に形成されたカラーフィルター基板の着色層側に、日本合成化学工業(株)製ポリビニルアルコール(ゴーセノールNK−05(平均重合度500、ケン化度71.0〜75.0モル%)10重量%水溶液を図1に示したそれぞれの位置にシリンジを用いて滴下し、その後100℃に設定したオーブン中で30分間乾燥し、厚さ約100μmの着色層側保護層を得た。次に、裏側の保護層として、(株)サンエー化研製HP−25(PE/ゴム系粘着剤)をカラーフィルター基板のガラス面にラミネートした。
着色層側に保護層が設けられ、ガラス面をラミネート保護されたカラーフィルター基板200枚を、垂直状態から15度傾斜させた状態で収納できる専用パレットに、着色層側保護層とラミネート保護された裏面とが接するようにしながら、収納した。
その後、外気との遮断および荷崩れを防ぐ目的でストレッチフィルム巻き、カラーフィルター基板輸送のための積層体とし、搬送を行った。
これにより、カラーフィルター基板の梱包効率を向上させると共に輸送中のカラーフィルター基板の動きを制約することができ、輸送中の振動等によるワレといった基板への影響を避けることができた。
続いて、裏面の保護層を剥離し、さらに着色層側保護層を純水洗浄により剥離することにより、保護層の除去を行った。
その後基板を観察したところ、カラーフィルター表面に傷や汚れは発生していなかった。
保護層除去後に、保護層によるカラーフィルター表面への影響を調べるため、カラーフィルター基板の濡れ性を次の方法で測定した。
カラーフィルター基板膜面にN−メチルピロリドン/γ―ブチロラクトン=1/1(重量比)からなる混合溶剤を滴下し、滴下2秒後における接触角を測定したところ、2.5°であった。尚、比較のため、保護層を形成していないカラーフィルター基板(参照基板)表面の濡れ性を、同様にして測定した場合の接触角は2.5°であった。濡れ性が低下していないことから、着色層側保護層が完全に剥離できていることがわかる。
実施例1における着色層側保護層の厚さを50μmとした以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルター基板に保護層を形成させ、積層体として搬送を行った。
その後、裏面の保護層を剥離し、コーティング層を純水洗浄することにより、保護層の除去を行った。その後基板を観察したところ、カラーフィルター表面に傷や汚れは発生していなかった。
保護層除去後に、カラーフィルター基板の濡れ性を実施例1と同様の方法で測定したところ、接触角は2.5°であった。保護層を形成していないカラーフィルター基板(参照基板)表面の濡れ性を測定した場合の接触角は2.5°であったことから、濡れ性は低下しておらず、着色層側保護層が完全に剥離できていることがわかる。
その後、裏面の保護層を剥離し、コーティング層を純水洗浄することにより、保護層の除去を行った。その後基板を観察したところ、カラーフィルター表面に傷や汚れは発生していなかった。
保護層除去後に、カラーフィルター基板の濡れ性を実施例1と同様の方法で測定したところ、接触角は2.5°であった。保護層を形成していないカラーフィルター基板(参照基板)表面の濡れ性を測定した場合の接触角は2.5°であったことから、濡れ性は低下しておらず、着色層側保護層が完全に剥離できていることがわかる。
実施例1における着色層側保護層の厚さを9μmとした以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルター基板に保護層を形成させ、積層体として搬送を行った。
その後、裏面の保護層を剥離し、コーティング層を純水洗浄することにより、保護層の除去を行った。その後基板を観察したところ、カラーフィルター基板膜面の一部において、カラーフィルター層の欠損が確認された。
その後、裏面の保護層を剥離し、コーティング層を純水洗浄することにより、保護層の除去を行った。その後基板を観察したところ、カラーフィルター基板膜面の一部において、カラーフィルター層の欠損が確認された。
実施例1における着色層側保護層の厚さを5μmとした以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルター基板に保護層を形成させ、積層体として搬送を行った。
その後、裏面の保護層を剥離し、コーティング層を純水洗浄することにより、保護層の除去を行った。その後基板を観察したところ、カラーフィルター基板膜面の一部において、カラーフィルター層の欠損が確認された。
その後、裏面の保護層を剥離し、コーティング層を純水洗浄することにより、保護層の除去を行った。その後基板を観察したところ、カラーフィルター基板膜面の一部において、カラーフィルター層の欠損が確認された。
[比較例1]
縦1500mm、横1800mmのガラス上に形成されたカラーフィルター基板の着色層側に、日本合成化学工業(株)製ゴーセノール(NK−05)10重量%水溶液をロールコーターにて基板全面に塗布後、100℃に設定したオーブン中で30分間乾燥し、厚さ約5μmのコーティング層からなる保護層を得た。次に、裏側の保護層として、(株)サンエー化研製HP−25(PE/ゴム系粘着剤)をカラーフィルター基板のガラス面にラミネートした。
該コーティング層で着色層面を保護され、ガラス面をラミネート保護されたカラーフィルター基板200枚を、垂直状態から15度傾斜させた状態で収納できる専用パレットに、コーティング層で保護された着色層面とラミネート保護された裏面とが接するようにしながら、収納した。
その後、外気との遮断および荷崩れを防ぐ目的でストレッチフィルム巻き、カラーフィルター基板輸送のための積層体とし、搬送を行った。
これにより、カラーフィルター基板の梱包効率を向上させると共に輸送中のカラーフィルター基板の動きを制約することができ、輸送中の振動等によるワレといった基板への影響を避けることができた。
続いて、裏面の保護層を剥離し、さらにコーティング層を純水洗浄により剥離することにより、保護層の除去を行った。
その後基板を観察したところ、カラーフィルター表面に傷や汚れは発生していなかった。
保護層が剥離された基板の濡れ性を、実施例1と同様にして測定した。その結果、接触角は参照基板の場合では約2.5°であったのに対し、比較例で使用した基板では約8.1°であった。濡れ性が低下していることから、コーティング層が完全に剥離できていないことがわかる。
縦1500mm、横1800mmのガラス上に形成されたカラーフィルター基板の着色層側に、日本合成化学工業(株)製ゴーセノール(NK−05)10重量%水溶液をロールコーターにて基板全面に塗布後、100℃に設定したオーブン中で30分間乾燥し、厚さ約5μmのコーティング層からなる保護層を得た。次に、裏側の保護層として、(株)サンエー化研製HP−25(PE/ゴム系粘着剤)をカラーフィルター基板のガラス面にラミネートした。
該コーティング層で着色層面を保護され、ガラス面をラミネート保護されたカラーフィルター基板200枚を、垂直状態から15度傾斜させた状態で収納できる専用パレットに、コーティング層で保護された着色層面とラミネート保護された裏面とが接するようにしながら、収納した。
その後、外気との遮断および荷崩れを防ぐ目的でストレッチフィルム巻き、カラーフィルター基板輸送のための積層体とし、搬送を行った。
これにより、カラーフィルター基板の梱包効率を向上させると共に輸送中のカラーフィルター基板の動きを制約することができ、輸送中の振動等によるワレといった基板への影響を避けることができた。
続いて、裏面の保護層を剥離し、さらにコーティング層を純水洗浄により剥離することにより、保護層の除去を行った。
その後基板を観察したところ、カラーフィルター表面に傷や汚れは発生していなかった。
保護層が剥離された基板の濡れ性を、実施例1と同様にして測定した。その結果、接触角は参照基板の場合では約2.5°であったのに対し、比較例で使用した基板では約8.1°であった。濡れ性が低下していることから、コーティング層が完全に剥離できていないことがわかる。
1………カラーフィルター基板
3………保護層
5………表示部
7………ガラス基板
11………離間体
21………積層体
3………保護層
5………表示部
7………ガラス基板
11………離間体
21………積層体
Claims (21)
- カラーフィルター基板の着色層側の表示部以外の領域に、選択的に溶剤可溶性の保護層を形成することを特徴とするカラーフィルター基板。
- 前記保護層の厚さが、10〜500μmである請求項1記載のカラーフィルター基板。
- 前記保護層が、水溶性樹脂からなる請求項1又は請求項2に記載のカラーフィルター基板。
- 前記水溶性樹脂は、部分ケン化ポリ酢酸ビニルを主成分とする、請求項3に記載のカラーフィルター基板。
- 前記水溶性樹脂は、水酸基を有するアクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂のいずれかを主成分とする、請求項3記載のカラーフィルター基板。
- 前記保護層が、有機溶剤可溶性樹脂からなる請求項1又は請求項2に記載のカラーフィルター基板。
- カラーフィルター基板の着色層側の表示部以外の領域に、選択的に溶剤可溶性の保護層を形成したカラーフィルター基板を複数枚積層させてなることを特徴とする積層体。
- カラーフィルター基板の着色層側の表示部以外の領域に、選択的に溶剤可溶性の保護層を形成したカラーフィルター基板を複数枚積層させてなる積層体であって、隣り合うカラーフィルター基板の間に離間体を介在させることを特徴とする積層体。
- 前記保護層が、水溶性樹脂からなる請求項7又は請求項8に記載の積層体。
- 前記水溶性樹脂は、部分ケン化ポリ酢酸ビニルを主成分とする、請求項9に記載の積層体。
- 前記水溶性樹脂は、水酸基を有するアクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂のいずれかを主成分とする、請求項9記載の積層体。
- 前記保護層が、アルカリ可溶性樹脂からなる請求項7又は請求項8に記載の積層体。
- 前記アルカリ可溶性樹脂は、側鎖に水酸基及びカルボン酸基を有するアクリル共重合体又は、水酸基及びカルボン酸基変性エポキシ・ウレタン・ポリエステルアクリレートのいずれかを主成分とする、請求項12記載の積層体。
- 前記保護層が、有機溶剤可溶性樹脂からなる請求項7又は請求項8に記載の積層体。
- 前記離間体は、紙または樹脂フィルムである請求項8に記載の積層体。
- 前記離間体は、ポリエチレンテレフタラートまたはポリエチレンである請求項15に記載の積層体。
- 第1の地点で、カラーフィルター基板の着色層側の表示部以外の領域に、選択的に溶剤可溶性の保護層を形成させる工程と、前記保護層を設けたカラーフィルター基板を、隣り合う2枚のカラーフィルター基板は、一方のカラーフィルター基板の前記保護層と他方のカラーフィルター基板の裏面とが接するように、複数枚積層させて積層体を形成させる工程と、
前記第1の地点で形成させた積層体を、前記第1の地点から第2の地点へ搬送する工程と、
前記第2の地点で、前記カラーフィルター基板の保護層を除去する工程とを具備することを特徴とするカラーフィルター基板の利用方法。 - 第1の地点で、カラーフィルター基板の着色層側の表示部以外の領域に、選択的に溶剤可溶性の保護層を形成させる工程と、前記保護層を設けたカラーフィルター基板を、隣り合うカラーフィルター基板の間に離間体を介在させながら、複数枚積層させて積層体を形成させる工程と、
前記第1の地点で形成させた積層体を、前記第1の地点から第2の地点へ搬送する工程と、
前記第2の地点で、前記カラーフィルター基板の保護層を除去する工程とを具備することを特徴とするカラーフィルター基板の利用方法。 - 前記保護層が水溶性樹脂からなり、前記保護層を除去する工程は、水で洗い流すことを特徴とする請求項17又は請求項18記載のカラーフィルター基板の利用方法。
- 前記保護層がアルカリ可溶性樹脂からなり、前記保護層を除去する工程は、アルカリ性水溶液で洗い流すことを特徴とする請求項17又は請求項18記載のカラーフィルター基板の利用方法。
- 前記保護層が共に有機溶剤可溶性樹脂からなり、前記保護層を除去する工程は、有機溶剤で洗い流すことを特徴とする請求項17又は請求項18記載のカラーフィルター基板の利用方法。
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JP2004086181A JP2005274826A (ja) | 2004-03-24 | 2004-03-24 | カラーフィルター基板、その積層体及びその利用方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2008132853A1 (ja) * | 2007-04-23 | 2008-11-06 | Sharp Kabushiki Kaisha | 機能性ガラス基板、機能性ガラス基板の積層体、機能性ガラス基板の使用方法、機能性ガラス基板の積層方法 |
-
2004
- 2004-03-24 JP JP2004086181A patent/JP2005274826A/ja active Pending
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