JP2005274251A - 直管式コリオリ流量計 - Google Patents

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Abstract

【課題】 外乱振動や配管振動の影響が少なく安定した出力が得られる直管式コリオリ流量計を提供する。
【解決手段】 外筒2と、フローチューブ3と、駆動装置4と、第二駆動装置5と、一対の振動検出センサ(検出手段)6、6と、固定用部材7と、図示しない変換器とを主に備えて本発明の直管式コリオリ流量計1を構成する。本発明の直管式コリオリ流量計1は、フローチューブ3の駆動時に、そのフローチューブ3を回転振動させる構造にする。すなわち、駆動装置4及び第二駆動装置5によりフローチューブ3を駆動させることにより、フローチューブ3に慣性力を生じさせる構造にする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、流管に作用するコリオリの力に比例した位相差及び/又は振動周波数を検出することにより被計測流体の質量流量及び/又は密度を得る直管式のコリオリ流量計に関する。
直管式のコリオリ流量計は、両端が支持された直管(フローチューブ)の中央部直管軸に垂直な方向の振動を加えたとき、直管の支持部と中央部との間でコリオリの力による直管の変位差、すなわち位相差信号が得られ、その位相差信号に基づいて質量流量を検知するように構成されている。このような直管式のコリオリ流量計は、シンプル、コンパクトで堅牢な構造を有している。(例えば特許文献1参照)。
特開平8−304138号公報 (第2−3頁、第2図)
ところで、上記従来技術にあっては、直管の振動方向に対して直角方向から外乱振動や配管振動が加わると、その外乱振動や配管振動の影響を受けて、出力がバラツキや誤差を含む不安定な値になってしまうという恐れがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされるもので、外乱振動や配管振動の影響が少なく安定した出力が得られる直管式コリオリ流量計を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためなされた請求項1記載の本発明の直管式コリオリ流量計は、流出入口を有する両端部側で支持される直管状のフローチューブと、該フローチューブを中央位置で交番駆動する駆動装置と、前記フローチューブに作用するコリオリの力に比例した位相差を検出する一対の検出手段と、を備えた直管式コリオリ流量計であって、前記駆動装置の取り付け軸及び前記フローチューブの軸に対し直交方向の取り付け軸となる、前記フローチューブ駆動用の第二駆動装置を更に備えたことを特徴としている。このような特徴を有する本発明によれば、駆動装置と第二駆動装置とによりフローチューブを駆動すると、フローチューブは支持される両端部側を支点として、フローチューブの中央位置が最大の変位量となる回転振動をする。従って、フローチューブには、駆動の最中、常に慣性力が働く。
請求項2記載の本発明の直管式コリオリ流量計は、請求項1に記載の直管式コリオリ流量計において、前記一対の検出手段の取り付け軸を、前記駆動装置の前記取り付け軸及び前記第二駆動装置の前記取り付け軸に対して45゜方向としたことを特徴としている。このような特徴を有する本発明によれば、コリオリの力に比例した位相差が単振動の場合の検出位置での位相差と比べて増大する。
請求項3記載の本発明の直管式コリオリ流量計は、請求項1又は請求項2に記載の直管式コリオリ流量計において、前記フローチューブの両端部に、バネ性を有し前記フローチューブの外側となる外筒に対して液密に固着される拡大開口部を形成したことを特徴としている。このような特徴を有する本発明によれば、フローチューブに生じる応力が拡大開口部のバネ性により吸収される。
請求項1に記載された本発明によれば、駆動装置と第二駆動装置とによる駆動でフローチューブを回転振動させ慣性力を働かせることから、外乱振動や配管振動の影響を従来よりも各段に低減することができるという効果を奏する。従って、耐振動性を向上させ、安定した出力を得ることができるという効果を奏する。
請求項2に記載された本発明によれば、SN比の向上を図ることができるという効果を奏する。また、請求項3に記載された本発明によれば、フローチューブに生じる応力を吸収することができるという効果を奏する。
以下、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の直管式コリオリ流量計の一実施の形態を示す分解斜視図である。
図1において、引用符号1で示される本発明の直管式コリオリ流量計1は、例えば流体工業における流量計測に用いられる流量計であって、外筒2と、フローチューブ3と、駆動装置4と、第二駆動装置5と、一対の振動検出センサ(検出手段)6、6と、固定用部材7と、図示しない変換器とを主に備えて構成されている。本発明の直管式コリオリ流量計1は、フローチューブ3の駆動時に、そのフローチューブ3に慣性力を生じさせて、外乱振動や配管振動の影響を受け難くする構造になっている。以下、各構成について説明する。
外筒2は、両端部8、8が窄まりフローチューブ3の両端部を液密に固着することが可能な中空の筒状に形成されている。外筒2の内部には、本発明の直管式コリオリ流量計1の要部が収納されている。
フローチューブ3は、被計測流体を流すための所謂流管であって、真っ直ぐな管となるように形成されている。また、フローチューブ3は、外筒2の長さと同じ長さに形成されている。このようなフローチューブ3の両端部には、拡大開口部9、9が形成されている。拡大開口部9、9は、例えばラッパ状となる形状に形成されており、バネ性を有している。
フローチューブ3は、拡大開口部9、9を有することから、拡大開口部9、9のバネ性によって、フローチューブ3の軸方向Qに移動可能となるように設定されている。フローチューブ3の拡大開口部9、9を除く部分は、適宜肉厚で細長く形成されている。
尚、フローチューブ3の材質は、ステンレス、ハステロイ、チタン合金等のこの技術分野において通常のものが用いられている。図1では、手前側の拡大開口部9が流入口、奥側の拡大開口部9が流出口となるものとする。
駆動装置4は、コイル10とマグネット11とを備えて構成されている。駆動装置4のコイル10とマグネット11は、フローチューブ3の中央位置で尚かつフローチューブ3の軸方向Qに直交する方向(座標Dr1方向)に配置されている。駆動装置4のコイル10は、固定用部材7の上壁12に取り付けられている。また、コイル10からは、特に図示しないが、電線が引き出されており、その電線は上記図示しない変換器に接続されている。駆動装置4のマグネット11は、専用の取付具を用いてフローチューブ3に固着されている。マグネット11は、固定用部材7の上壁12に形成された貫通孔13を介してコイル10に吸引されたり反発したりするようになっている。
第二駆動装置5は、駆動装置4と共に作動することにより、フローチューブ3に単振動でなく回転振動を生じさせるための装置であって、本発明の重要な構成になっている。第二駆動装置5は、コイル14とマグネット15とを備えて構成されている。第二駆動装置5のコイル14とマグネット15は、フローチューブ3の中央位置で尚かつフローチューブ3の軸方向Q及び駆動装置4の配置方向(座標Dr1方向)に直交する方向(座標Dr2方向)に配置されている。
第二駆動装置5のコイル14は、固定用部材7の側壁16に取り付けられている。また、コイル14からは、特に図示しないが、電線が引き出されており、その電線は上記図示しない変換器に接続されている。第二駆動装置5のマグネット15は、専用の取付具を用いてフローチューブ3に固着されている。マグネット15は、固定用部材7の側壁16に形成された貫通孔17を介してコイル14に吸引されたり反発したりするようになっている。
振動検出センサ6、6は、フローチューブ3の振動を検出するとともに、フローチューブ3に作用するコリオリの力に比例した位相差を検出するためのセンサであって、それぞれコイル18とマグネット19とを備えて構成されている(これに限らず、加速度センサ、光学的手段、静電容量式、歪み式(ピエゾ式)等の変位、速度、加速度のいずれかを検出する手段であればよいものとする)。
このような構成の振動検出センサ6、6は、駆動装置4及び第二駆動装置5の両側であって、コリオリの力に比例した位相差を検出することが可能な位置に配置されている。また、振動検出センサ6、6は、その各コイル18と各マグネット19とが上記位相差を検出することが可能な位置で尚かつフローチューブ3の軸方向Qに直交し、さらには駆動装置4の配置方向(座標Dr1方向)及び第二駆動装置5の配置方向(座標Dr2方向)の間(θ=45°)となる方向(PO1、PO2方向。限定するものではないが、この方向が最も好ましい)に配置されている。
各振動検出センサ6の各コイル18は、固定用部材7の上壁12及び側壁16の連結部分に取り付けられている。また、各コイル18からは、特に図示しないが、電線が引き出されており、その電線は上記図示しない変換器に接続されている。各振動検出センサ6の各マグネット19は、専用の取付具を用いてフローチューブ3に固着されている。各マグネット19は、固定用部材7の上壁12及び側壁16に跨って形成された貫通孔20、20に挿通されるようになっている。
固定用部材7は、細長い中空箱状の部材であって、その全長がフローチューブ3よりも短くなるように形成されている。本明細書において、特に形状を限定するものではないが、固定用部材7は、帯板状の上壁12、側壁16、21、及び下壁22と、正方形のフローチューブ支持壁23、23とを備えて構成されている。上壁12及び側壁16には、上記の貫通孔13、17、20が形成されている。フローチューブ3は、拡大開口部9、9の近くが固定用部材7のフローチューブ支持壁23、23により支持されている。
上記図示しない変換器は、駆動装置4、第二駆動装置5、振動検出センサ6、6、及び温度センサ(図示せず)からの信号に基づいて質量流量等の演算処理を行う信号演算処理部(図示せず)と、駆動装置4及び第二駆動装置5を励振するための励振回路部(図示せず)とを備えて構成されている。
上記信号演算処理部には、一方の振動検出センサ6からの、フローチューブ3の変形に関する検出信号、他方の振動検出センサ6からの、フローチューブ3の変形に関する検出信号、及び温度センサからの、フローチューブ3の温度に関する検出信号がそれぞれ入力されるように配線及び接続がなされている。このような信号演算処理部では、入力された各検出信号に基づいて質量流量及び密度の演算がなされるように構成されている。また、信号演算処理部では、演算により得られた質量流量、密度が図示しない表示器に対して出力されるように構成されている。
上記励振回路部は、平滑部と比較部と目標設定部と可変増幅部と駆動出力部とを備えて構成されている。平滑部は、一方の振動検出センサ6(又は他方の振動検出センサ6)からの検出信号を取り出すように配線されている。また、平滑部は、入力された検出信号を整流し平滑するとともに、その振幅に比例した直流電圧を出力することができるような機能を有している。比較部は、平滑部からの直流電圧と目標設定部から出力される目標設定電圧とを比較するとともに、可変増幅部の利得を制御して振動の振幅を目標設定電圧に制御することができるような機能を有している。
上記構成において、フローチューブ3に被計測流体を手前側の拡大開口部9から奥側の拡大開口部9に向けて流すとともに、駆動装置4及び第二駆動装置5を駆動させてフローチューブ3を回転振動させると、振動検出センサ6、6の点でのコリオリの力によって生じる位相の差分により、質量流量が上記信号演算処理部で算出される。また、本形態においては、振動周波数から密度も算出される。フローチューブ3には、回転振動により慣性力が生じている。
以上、本発明の直管式コリオリ流量計1は、駆動装置4と第二駆動装置5とによる駆動でフローチューブ3を回転振動させ、そして、慣性力を働かせることから、外乱振動や配管振動の影響を従来よりも各段に低減することができる。従って、耐振動性を向上させ、安定した出力を得ることができる。また、本発明の直管式コリオリ流量計1は、振動検出センサ6、6を上記位置に配置することから、従来よりもSN比を向上させることができる。さらに、本発明の直管式コリオリ流量計1は、拡大開口部9、9を有することから、フローチューブ3に生じる応力を吸収することができる。
その他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
尚、上記説明では、フローチューブ側にマグネットを取り付け、固定用部材側にはコイルを取り付ける構造で説明をしたが、これに限らないものとする。すなわち、マグネットを固定用部材側に取り付け、コイルを図2に示すような専用の取付具24を用いてフローチューブに取り付けるようにしてもよいものとする。
本発明による直管式コリオリ流量計の一実施の形態を示す分解斜視図である。 他のコイル取り付け例を示す斜視図である。
符号の説明
1 直管式コリオリ流量計
2 外筒
3 フローチューブ
4 駆動装置
5 第二駆動装置
6 振動検出センサ(検出手段)
7 固定用部材
9 拡大開口部
10、14、18 コイル
11、15、19 マグネット
13、17、20 貫通孔
23 フローチューブ支持壁

Claims (3)

  1. 流出入口を有する両端部側で支持される直管状のフローチューブと、該フローチューブを中央位置で交番駆動する駆動装置と、前記フローチューブに作用するコリオリの力に比例した位相差を検出する一対の検出手段と、を備えた直管式コリオリ流量計であって、
    前記駆動装置の取り付け軸及び前記フローチューブの軸に対し直交方向の取り付け軸となる、前記フローチューブ駆動用の第二駆動装置を更に備えた
    ことを特徴とする直管式コリオリ流量計。
  2. 請求項1に記載の直管式コリオリ流量計において、
    前記一対の検出手段の取り付け軸を、前記駆動装置の前記取り付け軸及び前記第二駆動装置の前記取り付け軸に対して45゜方向とした
    ことを特徴とする直管式コリオリ流量計。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の直管式コリオリ流量計において、
    前記フローチューブの両端部に、バネ性を有し前記フローチューブの外側となる外筒に対して液密に固着される拡大開口部を形成した
    ことを特徴とする直管式コリオリ流量計。

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