JP2005273637A - 真空ポンプ等のガス排出装置の故障予知システム - Google Patents

真空ポンプ等のガス排出装置の故障予知システム Download PDF

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敦 大山
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Abstract

【課題】監視対象のメンテナンスを適時に行わせる故障予知システムを提供すること。
【解決手段】半導体生成プロセス等の製造プロセスで発生するガスを排出するために使用されるガス排出装置を監視するための故障予知システム1は、ガス排出装置のケーシング及び/又はガス排出装置近傍の配管のガス雰囲気内に設けられる振動子14と、振動子14を振動させることができる加振素子13と、振動子14が発生した振動を検出するための振動検出素子15と、加振素子13の動作を制御するとともに振動検出素子15の出力信号を受け取って、振動子14の構造の変化を経時的に記憶するとともに、該変化が所定の閾値を超えたことを検出し出力する保護装置12とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置などの吸排気系統に使用される真空ポンプ等のガス排出装置の故障予知システムに関するものであり、ガス排出装置のケーシング内に析出する生成物によって該ケーシングと回転体とが接触する事故を発生させないよう、ケーシング内壁に生成物が付着したことを検出する故障予知システムに関する。
半導体装置の真空排気系には従来から真空ポンプが使用されているが、真空ポンプでは、ポンプ・ケーシング内に排気するガスがケーシング表面の温度低下やケーシング内部の圧力変化等により生成物として析出してケーシング内壁に付着するため、ポンプ・ケーシングと該ケーシング内の回転ロータとの間の隙間が狭まって回転ロータの咬み込み故障が発生したり、こうした咬み込みに起因してポンプ・ケーシングと回転ロータとの間の摩擦係数が上昇してポンプ性能の低下が発生する等の問題が発生していた。
この問題に対し、かつては、真空ポンプにケーシングとの接触による咬み込み故障が発生した場合、メンテナンスが容易なように、また、装置の動作が中断することがないように、予備のポンプを複数台設けることが行われていた。また、ポンプ・ケーシングの周囲を常に高温に維持することによりポンプ・ケーシング内の生成物発生を最小限に抑える方法(例えば、特許文献1参照)や、ポンプ自身が運転中に発生する接触音や摺動音を高性能の振動検出素子で電気信号に変換し、その信号を解析することで故障予知診断を行う方式(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
しかしながら、従来提案されている方式のうち、ポンプ・ケーシングの周囲を高温に維持して生成物の発生を抑制する方式は、原理的に生成物の発生を減少させることはできても、生成物を一切発生させないという方式ではない。このため、結果的に真空ポンプの寿命を延ばすことはできても、生成物が原因となる故障を防止する対策にはなり得ない。更に、同方法では、リボン・ヒータなどの加熱手段をケーシングの周囲に巻き付けてケーシングの温度をコントロールする方法を採用するのが一般的である。こうすると、一定で且つ特定のガス及び圧力条件では生成物の析出を抑制することができる。実際には、ガス種又は圧力条件によって生成物析出条件が変化するし、ガス条件が時間的に変動したりする。そうしたときには、適正なケーシング温度に修正するよう迅速にケーシング温度を追従させることが必要である。しかし、ポンプ・ケーシングが大型になると、それ自身の熱容量が大きいため、ケーシング全体の温度を微調整することは困難である。したがって、ポンプ・ケーシングの周囲を高温に維持する方式において最大の効果が得られるのは、ガス種や使用する圧力条件が常に一定である場合に限られ、実使用上、充分な効果が得られる使用状態が限られてしまうという問題がある。
また、ポンプ自身が発生する接触音や摺動音を検知、解析することで故障を診断する方式は、原理的には、ポンプ自身から発生する音を検知して解析する方法であるが、実用上は、ポンプ駆動用モータの電流値センサやポンプ各部の温度センサによって得られるポンプ周辺の運転情報データと組み合わせて障害の有無が判断される(特許文献3参照)。しかし、実際に、生成物がポンプ・ケーシングと回転ロータとの間の隙間に形成されたことにより発生する接触音や摺動音は、生成物の発生状況によって大きく変化する。つまり、真空ポンプの種類、使用するガス、必要な圧力によって変化するポンプの回転周波数や、使用するガスの違いにより生ずる生成物の硬度変化によって、接触音や摺動音は異なってくる。このため、音だけを用いて故障予知の閾値すなわち異常状態の判断基準を設定することは極めて困難であり、この方式を有効に利用するには幾つかの他の予知条件を組み合わせなければならない。
しかも、他の条件を組み合わせて適正な時期に障害の有無を予知、判断する場合には、種々の条件で運転している真空ポンプの故障状態を再現し、その状態での接触音や摺動音を故障予知の閾値とすることが必要であるが、ガス条件や生成物析出条件のすべてを再現することは実用上不可能なため、ポンプ自身が発生する接触音や摺動音を検知、解析する方式は、障害を診断する方法としては万全でない。
特開平9−43711号公報 特開平9−227509号公報 特開平9−227590号公報。
本発明は上記の従来方式の課題を解決するために提案されたものであり、本発明は、ガス排出システム内において、真空ポンプのケーシング及び/又は真空ポンプ近傍の配管等に振動子を取り付け、該振動子の振動周波数の変化を計測することによって、振動子及びガス排出装置に生成物が付着したことを正確に検知し、適正な時期にメンテナンス作業が実施できるようにする、安価な故障予知システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、
半導体生成プロセス等の製造プロセスで発生するガスを排出するために使用されるガス排出装置を監視するための故障予知システムにおいて、
前記ガス排出装置のケーシング及び/又はガス排出装置近傍の配管のガス雰囲気内に設けられる振動子と、
前記振動子を振動させることができる加振素子と、
前記振動子が発生した振動を検出するための振動検出素子と、
前記加振素子の動作を制御するとともに前記振動検出素子の出力信号を受け取って、前記振動子の構造の変化を経時的に記憶するとともに、該変化が所定の閾値を超えたことを検出し出力する保護装置と、
を具備する故障予知システム、
を提供する。
請求項2の発明は、前記保護装置が、前記加振素子を駆動して振動を発生させるための駆動回路と、前記振動検出素子の出力信号から、前記振動子の固有振動周波数を表す振動データを生成するとともに、該振動データを記憶する演算回路と、前記振動子の初期振動データ及び前記振動子の振動データの変化に対する閾値を記憶する記憶回路と、前記振動データと前記初期振動データとを比較して、前記振動データと前記初期振動データとの間の偏差が前記閾値を越えるときに警報を発する異常状態検出部とを備えることを特徴とする。
請求項3の発明は、前記識別子の前記初期振動データ及び前記閾値を記憶するメモリを更に備え、動作時に前記記憶回路が前記メモリから前記初期振動データ及び前記閾値を受け取ることを特徴とする。
請求項4の発明は、前記保護装置に接続された複数の前記振動子と、前記保護装置に接続された複数の前記加振素子と、前記保護装置に接続された複数の前記振動検出素子とを備え、少なくとも1個の前記振動子と少なくとも1個の前記加振素子と少なくとも1個の前記振動検出素子とが前記ガス排出装置のそれぞれに設けられていることを特徴とする。
請求項5の発明は、前記保護装置が、複数の前記加振素子のそれぞれに対応して設けられ、対応する前記加振素子を駆動して複数の前記振動子のうちの一つに振動を発生させるための複数の駆動回路と、複数の前記振動検出素子のそれぞれに対応して設けられ、対応する前記振動検出素子の出力信号から、該振動検出素子により振動を検出された前記振動子の固有振動周波数を表す振動データを生成するとともに、該振動データを記憶する演算回路と、前記振動子の初期振動データ、及び前記振動子の振動データの変化に対する閾値を記憶する記憶回路と、前記振動データと前記初期振動データとを比較して、前記振動データと前記初期振動データとの間の偏差が前記閾値を越えるときに警報を発する異常状態検出部とを備えることを特徴とする。
請求項6の発明は、前記保護装置が、複数の前記加振素子のうちの任意の一つと複数の前記振動検出素子のうちの任意の一つとからなる対を選択するための切り換えスイッチと、前記切り換えスイッチによって選択された前記対の前記加振素子を駆動して、複数の前記振動子のうちの一つを振動させるための駆動回路と、前記切り換えスイッチによって選択された前記対の前記振動検出素子の出力信号から、該振動検出素子により振動を検出された前記振動子の固有振動周波数を表す振動データを生成するとともに、該振動データを記憶する演算回路と、前記振動子の初期振動データ及び前記振動子の振動データの変化に対する閾値を記憶する記憶回路と、前記振動データと前記初期振動データとを比較して、前記振動データと前記初期振動データとの間の偏差が前記閾値を越えるときに警報を発する異常状態検出部とを備えることを特徴とする。
請求項7の発明は、前記保護装置が可搬型であることを特徴とする。
以下、本発明に係る故障予知システムの若干の実施の形態について、その構成と動作を図を参照して詳述する。なお、図面において、同一の又は同様の構成要素には同一の参照数字を付すこととする。
図1は、本発明に係る故障予知システムの第一の実施の形態のシステム構成を概略的に示している。同図において、故障予知システム1は振動装置11と保護装置12とから構成される。振動装置11は、半導体製造装置等における半導体生成プロセスを行うチャンバ内のガスを排出させるために使用されるガス排出システムにおいて、真空ポンプのケーシング及び/又は真空ポンプの吸排気口近傍の配管に取り付けられ、図1に示すように、保護装置12と電気的に接続される。振動装置11は加振素子13と振動子14と振動検出素子15とを備え、加振素子13により振動子14を振動させ、その振動を振動検出素子15によって検出する。振動検出素子15の出力は保護装置12に送られる。保護装置12は、加振素子の動作を制御するとともに、振動検出素子15からの出力信号を受け取って、ガス排出システム内を流れるガスに含まれる生成物が析出して振動子14に付着したことによる振動子14の構造の変化を経時的に記憶し、該変化が所定の閾値を超えたことを検出し出力する。このように、ガス排出システムの真空ポンプのケーシング及び/又は真空ポンプ近傍の配管に設置された振動子14への生成物の付着を検出することにより、ポンプ・ケーシングへの生成物の付着を検知することが可能である。
図2は、振動装置11の例としての構成を示す。図2(a)は振動装置11の正面図であり、図2(b)は振動装置11の図2(a)の直線b−b’に沿う断面図であり、図2(c)は振動装置11の図2(a)の直線c−c’に沿う断面図である。振動装置11は、基本的な構成として、本体32と、U字型の振動子14と、振動子14を加振する加振素子13と、振動子14が実際に振動している状態を計測する振動検出素子15とを含む。
本体32は、セラミックその他の適宜の材料により成形された、土台33と筒部34とを備える。土台33は、外側面に配管にねじ込むためのねじ溝が設けられた円筒であって、配線37及び38を通すために底部が開いており、上面板33’の適所に穴が形成されている。筒部34は、四角筒又は任意の形の筒であって、筒の一端が土台33の上面板33’に接するよう、土台33の上面板33’にはめ込まれ、又は土台33と一体に成形される。筒部34の土台32に接する端は開いており、図2(b)に示すように、上面板33’に空けられた穴34’を通して土台33の開いた底部から筒部34内に配線37、38等を通すことが可能である。筒部34の側面には、加振素子13及び振動検出素子15を格納するために、振動子14に向かって突出した二個の筒形の収納部35及び36が設けられる。収納部35及び36の振動子14側の開口は、金属薄板により塞がれる。
振動子14は、金属、セラミックその他の適宜の材料により成形された、U字型音叉形状に折り曲げられた円柱の下部に円柱の脚を付けたY字状の部材であり、その脚の下端において、本体32の土台33の上面板33’に筒部34に対して適宜の距離をおいて取り付けられる。振動子14は、本体32に溶接されてもよいが、本体32と一体に削り出されるようにしてもよい。
加振素子13は、本体32の筒部34の下側の収納部36内に設けられる。加振素子13は、例えば、任意の周波数の励磁電流を供給されることにより振動子14に磁気吸引力或いは磁気反発力を作用させて振動を発生させることができる電磁石であり、電磁石の磁束発生面が振動子14に対面するように配置される。加振素子13として電磁石を用いる場合、振動子14には磁性体を用いる必要がある。加振素子13を収納した本体32の収納部36を塞ぐ金属薄板により、加振素子13は配管内を流れるガスに触れないようになっている。この金属薄板の材料は、ステンレス等の耐腐食性に優れたものが望ましいが、金属薄板による渦電流の損失を抑制するため、金属薄板の材料に合わせて加振素子13の励磁周波数を調整する必要がある。取り扱うガスの圧力状況によっては金属薄板の代わりにセラミック等を用いることも可能であるが、機械的強度に優れないという問題がある。加振素子13に電流を供給する配線37は、本体32の筒部34の内側を通って土台33の内部へと引き出され、駆動回路16に結合される。
振動検出素子15は、本体32の筒部34の上側の収納部35内に設けられる。振動検出素子15は、振動子14の振動振幅及び周波数を検知する機能を有するものであればよく、例えば、振動子14とセンサコイルとの距離が変化することによりセンサコイルのインダクタンス変化が発生することを利用して振動子14の振動状況を計測する渦電流型変位センサなどを利用してもよい。振動検出素子15を設けた収納部35は、収納部36と同様に金属薄板でシールされ、振動検出素子15は配管内を流れるガスに触れないようになっている。振動検出素子15からの信号を伝達する配線38は、本体32の筒部34の内側を通って土台33の内部へと引き出され、信号増幅回路19に結合される。
図2の(a)〜(c)に示す構造の振動装置11は、図3に示すように、例えば配管30の内部の適所に取り付けることができる。配管30は、上記のようなガス排出システムにおいて、ガスを真空ポンプ(図示せず)の吸気口へと供給する流路又はガスを真空ポンプの排気口から排出する流路を形成する。振動装置11は、振動子14に生成物が付着しやすく且つガス流路への抵抗を最小限に抑えるよう、図3において、振動子14がガスの流れに対して適切な角度で設置される。具体的には、振動装置11の本体32のねじ溝のある土台33を、配管30に空けられたねじ溝付きセンサ取付けポート31へねじ込んで設置する。このため、振動装置11は、圧力計などを取り付けるために配管30に空けられているポート31に振動装置11がねじ込める程度の大きさとすることが望ましい。図1及び図3には1個の振動装置11が設けられているが、これは1個に限られるものではなく、1つの真空ポンプに対して複数の振動装置を設けてもよい。また、図3では振動装置11をガス排出システムの配管30に取り付けているが、代わりに、振動装置11をガス排出システムの真空ポンプのケーシング内壁に取り付けても良い。
図1に戻って、配管30に取り付けられた振動装置11の振動子14に取り付けられた加振素子13は、有線で保護装置12内の駆動回路16と接続され、駆動回路16から供給される指令にしたがった振動を発生させる。駆動回路16は振動周波数制御回路17に接続され、振動周波数制御回路17は加振素子13に所望の周波数の振動を発生させるように、駆動回路16の発生する指令の内容を制御する。
振動周波数制御回路17は中央制御回路18と接続され、中央制御回路18からの指令によって振動周波数制御回路17の、したがって駆動回路16の動作が制御され、加振素子13の動作の開始と停止並びに加振素子13に供給される電流の周波数が制御される。また、中央制御回路18は、加振素子13に加えられる加振エネルギーに関する加振情報を、後述する演算回路20に供給するよう動作する。
中央制御回路18からの指令にしたがって駆動回路16から加振素子13に所望の周波数の電流が供給されると、振動子14には当該電流の周波数にしたがった振動が加えられる。この振動に応答して、振動子14は、振動子14の構造、材料および設置状況に応じて決定される固有の振動伝達特性で決まる周波数で振動する。この特定の周波数は、振動子14の材料及び構造により決定される固有振動周波数である。固有振動周波数は、振動子14に対する加振エネルギーが最小で且つ振動子14の振幅が最大になる周波数であり、振動子14を最も効率よく振動させる周波数である。
振動検出素子15は、振動子14の振動振幅及び周波数を検知する。例えば、渦電流型変位センサを利用した場合には、振動検出素子15と振動子14との間隔の変化の大きさと変化率を測定する。振動検出素子15は、振動子14から検出した振動の振幅及び周波数を、別に設置した信号変換回路(図示せず)を用いて該振動の振幅及び周波数を表す電気信号に変換し、この電気信号を有線で又は無線で信号増幅回路19に送る。無線で送る場合、振動検出素子15に送信機を、信号増幅回路19に受信機を設けることが必要である。信号増幅回路19は受信した電気信号を所望の倍率で増幅して、振動子14に発生した振動の特性を表わす振動信号を出力する。
信号増幅回路19から出力された振動信号は演算回路20に入力される。演算回路20は信号増幅回路19から出力された振動信号及び中央制御回路18から出力された加振情報を処理し、振動子14の現時点における固有振動周波数を見出す。演算回路20はメモリ21を備え、見出された固有振動周波数をメモリ21に記憶する。一方、保護装置12はデータ記憶回路22を備えており、振動子14の初期状態、例えば新たに設置するときの状態において、加振素子13が発生させた振動に対して振動子14が示す固有振動周波数を、初期振動データとしてデータ記憶回路22に保存しておく。
振動子14を配管30に取り付けた状態でガス排出システムが動作すると、配管30の内壁に生成物が堆積する。そこで、配管30を含むガス排出システムの動作期間において定期的に故障予知システム1を動作させ、加振素子13により振動子14に所望の周波数で振動を発生させる。このとき、演算回路20は、信号増幅回路19から出力される振動信号及び中央制御回路18から出力される加振情報を処理して、固有振動周波数をメモリ21に記憶する。これにより、演算回路20のメモリ21には、振動子14に付着した生成物の有無及び厚さ並びに質量変動に応じた固有振動周波数が経時的に記憶されることになる。
故障予知システム1が作動した時点における固有振動周波数が演算回路20のメモリ21に記憶されると、比較回路23は、演算回路20のメモリ21にそのとき記憶された固有振動周波数と予めデータ記憶回路22に記憶させておいた初期固有振動周波数とを比較する。この比較の結果が異常であるか否かを異常判別回路24が判定する。この判定は、閾値設定回路25に予め設定された閾値と比較回路23の出力とを比較することによって行われる。そこで、この閾値を、真空ポンプのインペラとケーシングの内壁との噛み合いが生じない適切な値に予め決定しておくことにより、比較回路23の出力が閾値を上回ったとき、異常判別回路24は異常を検出し、異常を示す出力を中央制御回路18を介して異常出力回路26に送る。異常出力回路26は警報装置を備え、異常判別回路24からの出力を受け取ると警報装置を作動させ、真空ポンプが異常であることを知らせる。
閾値設定回路25の閾値の設定にあたっては、予め、ガス排出システムが使用するガスの種類から発生し得る生成物の種類を推定し、当該生成物が振動子14に付着した場合の固有振動周波数の変動度合いを計測しておく。振動子14に付着する生成物の種類により、振動子14の固有振動周波数に対する影響は異なる。振動子14を構成する材料よりも堅く重い材質を有する生成物が振動子14の表面に析出する場合、固有振動周波数は初期値に比べ高い周波数に移動する。これは振動子14の構造体としての強度が上がり、振動子14自身の硬度が上がるためである。逆に、振動子14を構成する材料よりも柔らかい材質を有する生成物が振動子14の表面に析出する場合、固有振動周波数は初期値に比べ低い周波数に移動する。振動子14の構造的な強度は変化せずに、振動子14自身の重量のみが増えるためである。そのため、予め生成物の種類毎に、振動子14の表面に付着する生成物の量若しくは厚みと、それに対する固有振動周波数の変化とを計測し、真空ポンプのインペラとポンプ・ケーシングの内壁との噛み合いが生じない生成物の最大の量或いは厚さに対応する固有振動周波数の値を決定しておく。使用するガスの種類によっては複数の生成物の析出が考えられるが、本故障予知システムの目的であるガス排出システムの適切なメンテナンス時期の検知のためには、主要な生成物の析出による固有振動周波数の変化のみを考えれば十分である。このようにして決定された固有振動周波数に基づいて、閾値設定回路25の閾値を設定する。
なお、上記の実施の形態においては、Y字型の振動子14を用いたが、図4(a)に示すような長方形の平板型振動子14’を用いることも可能である。長方形の平板型振動子14’を用いる場合には、図4(a)に示すように、平板型振動子14’を、長方形の面が筒部34の面と平行になるように振動装置11に取り付ける。Y字型振動子14より断面の薄い平板型振動子14’を用いることにより、Y字型振動子14を用いる場合よりも、ガス流路に対する振動子による流路抵抗を低減することができる。
また、加振素子として電磁石を用いる例を説明したが、その代わりに圧電セラミックスのような圧電振動子を用いることも可能である。図5は、加振素子13’として圧電振動子を用いる振動装置11の例としての構成を示す。圧電振動子を用いる場合、図5に示すように、加振素子13’を筒部34の内部に格納せず、振動子14の脚部又は振動子14’の下部に貼り付ける。圧電振動子である加振素子13’に任意の周波数の交流駆動電圧を印加すると、加振素子13’自身が振動することにより、振動子14に振動が発生する。圧電振動子に駆動電圧を供給する配線は、土台33の上面板33’に開けられた口出し線取出し穴39から引き出され、取出し穴39はエポキシ系樹脂などによってシールされる。圧電振動子は振動子への加振特性を制御することが容易でないので、振動子の振動伝達特性を予め計測して、振動子の固有振動周波数領域で特徴的な周波数で振動させることが望ましい。
また、本発明に係る故障予知システムは、振動子に付着する生成物の量と、振動子が取り付けられたガス排出システム内のポンプ・ケーシング内壁に付着する生成物の量とがほぼ同じであるとの推定のもとに、ポンプ・ケーシング及び/又は真空ポンプの吸排気口近傍の配管に振動子を取り付け、該振動子の機械的特性の変化を検知することにより、ポンプ・ケーシングに生成物が付着したことを判断する。しかし、振動子が真空ポンプのケーシングよりも低温或いは高温である場合、振動子の表面に付着する生成物の量と、ポンプ・ケーシングに付着する生成物の量との間には微妙なずれが存在し得る。そこで、ポンプ・ケーシングに付着する生成物の量をより正確に検知するため、振動子とポンプ・ケーシングの温度が等しくなるよう、温度管理用のヒータ或いは冷却素子を振動子に取り付けるようにしてもよい。
また、振動装置11と保護装置12との電気接続を着脱自在とし、保護装置12を保守作業員が容易に持ち運ぶことのできる形状とすることが望ましい。こうすると、1個の保護装置12で複数の振動装置の点検を任意の所望の時期に行うことができる。
図6は、本発明に係る故障予知システムの第2の実施の形態の構成を示す図で、故障予知システム1は、複数の振動装置11〜11を1つ以上の真空ポンプのそれぞれに設置するようにしたものである。例えば、1番目の真空ポンプには振動装置11を設置し、n番目の真空ポンプには振動装置11を設置する。1つの真空ポンプに対して、複数の振動装置を設置することも可能である。振動装置11〜11の加振素子13〜13はそれぞれ対応する駆動回路16、・・・、16に接続され、振動検出素子15〜15はそれぞれ対応する信号増幅回路19、・・・、19に接続される。これら振動装置11〜11及び保護装置12の動作は、図1に示す故障予知システム1について説明したのと同じであり、ここでは省略する。
図6に示す故障予知システムにおいては、演算回路20は、信号増幅回路19〜19から出力される振動信号を用いて、1番目〜n番目の真空ポンプそれぞれに取り付けられた振動子毎に、その固有振動周波数の経時的変化をメモリ21に記憶させる。例えば、1つの真空ポンプに対して1ずつの振動装置を取り付けた場合、メモリ21は、各真空ポンプに与えられたシリアル番号と固有振動周波数の経時的変化とを真空ポンプ毎に記憶する。1つの真空ポンプに対して複数の振動装置を取り付けた場合には、真空ポンプのシリアル番号に代わって、又は真空ポンプのシリアル番号に加えて、振動装置に与えられた識別番号を記憶する。これにより、複数の振動装置を同時平行的に又は順次に監視することができ、いずれかの振動装置を取り付けた真空ポンプに異常が検出されると、図1において説明したと同様に、異常出力回路26から出力を発する。
図7は、本発明に係る故障予知システムの第3の実施の形態の構成の主要部を示す図で、図6と同様に複数の振動装置11〜11を設け、それらを切り換えスイッチ40によって順次切り換えて加振素子を駆動回路16に、振動検出素子を信号増幅回路19にそれぞれ接続するようにしたものである。保護装置12の残りの構成要素は図1に示したものと同じであり、図7では省略されている。
切り換えスイッチ40は、加振素子13〜13のそれぞれに接続された固定接点41〜41と、振動検出素子15〜15のそれぞれに接続された固定接点42〜42と、固定接点41〜41の1つに選択的に接続される可動接点43と、固定接点42〜42の1つに選択的に接続される可動接点43とを備え、可動接点43と可動接点43とは同期して切り換え動作を行う。可動接点43は有線で駆動回路16と接続され、可動接点43は信号増幅回路19と有線又は無線で接続される。
図7の実施の形態においても、図6において説明したのと同様に、複数の振動装置を1つ以上の真空ポンプのそれぞれに設置する。例えば、1番目の真空ポンプのケーシング又は近傍の配管に振動装置11を設置し、以下同様に、n番目の真空ポンプのケーシング又は近傍の配管に振動装置11を設置する。1つの真空ポンプに対して、複数の振動装置を設置することも可能である。その後、切り換えスイッチ40を動作させ、複数の振動装置のうちの所望の振動装置を選択して作動させる。これにより、所望の振動装置内に設置された振動子の選択された時点での固有振動周波数を演算回路20のメモリ21に記憶させることができる。
更に、図8は、本発明に係る故障予知システムの第4の実施の形態の構成を示しており、この実施の形態が図1に示す第1の実施の形態と相違するのは、真空ポンプにデータ・メモリ44が設けられている点である。図7において、データ・メモリ44は振動装置11内に設けられているが、データ・メモリ44が振動装置11と分離して真空ポンプに設置されるようにしてもよい。データ・メモリ44には、当該真空ポンプに対応する振動子の初期振動データ及び閾値データが予め記憶されている。そこで、真空ポンプを設置したときにデータ記憶回路22及び閾値設定回路25とデータ・メモリ44とをそれぞれ接続し、中央制御回路18から指令を出してデータ・メモリ44の初期振動データを保護装置12内のデータ記憶回路22に、データ・メモリ44の閾値データを閾値設定回路25にそれぞれ転送させる。これにより、保護装置12は図1に関して説明したのと同じ動作を行うことができる。
以上、本発明に係る故障予知システムの若干の実施の形態の構成と動作について説明したが、本発明はこうした実施の形態に限定されるものではない。例えば、これまでは、ガスの排出に真空ポンプを用いる場合について説明したが、ガス排出装置は真空ポンプに限られるものではなく、本発明の故障予知システムは、生成物の付着が懸念される任意のガス排出装置に適用することが可能である。
以上、若干の実施の形態を用いて詳述したところから理解されるように、本発明に係る故障予知システムは、生成物の堆積によるガス排出装置の構造の変化を、従来の方法より精密に検出することができる。したがって、ガス排出装置に対して適切な時期に保守を行う計画的管理が可能になるため、ガス排出装置が搭載されたシステムの生産性を向上させることが可能になる。更に、本発明に係る故障予知システムによって、ガス排出装置が破壊などに至る前にガス排出動作を適時に停止させる事ができるので、ガス排出装置及び当該装置が搭載されたシステム全体の安全性を向上させることができる。
本発明に係る故障予知システムの第1の実施の形態の構成を概略的に示す図である。 本発明に係る振動装置の例としての構成を概略的に示す図である。 ガス排出システムの配管に対する振動装置の取り付けの一例を示す図である。 本発明に係る振動装置の他の例としての構成を概略的に示す図である。 本発明に係る振動装置の更に他の例としての構成を概略的に示す図である。 本発明に係る故障予知システムの第2の実施の形態の構成を概略的に示す図である。 本発明に係る故障予知システムの第3の実施の形態の構成を概略的に示す図である。 本発明に係る故障予知システムの第4の実施の形態の構成を概略的に示す図である。
符号の説明
1:故障予知システム、 11、11:振動装置、 12:保護装置、 13、13:加振素子、 14、14:振動子、 15、15:振動検出素子、 30:配管。

Claims (7)

  1. 半導体生成プロセス等の製造プロセスで発生するガスを排出するために使用されるガス排出装置を監視するための故障予知システムにおいて、
    前記ガス排出装置のケーシング及び/又はガス排出装置近傍の配管のガス雰囲気内に設けられる振動子と、
    前記振動子を振動させることができる加振素子と、
    前記振動子が発生した振動を検出するための振動検出素子と、
    前記加振素子の動作を制御するとともに前記振動検出素子の出力信号を受け取って、前記振動子の構造の変化を経時的に記憶するとともに、該変化が所定の閾値を超えたことを検出し出力する保護装置と、
    を具備する故障予知システム。
  2. 前記保護装置が、
    前記加振素子を駆動して振動を発生させるための駆動回路と、
    前記振動検出素子の出力信号から、前記振動子の固有振動周波数を表す振動データを生成するとともに、該振動データを記憶する演算回路と、
    前記振動子の初期振動データ及び前記振動子の振動データの変化に対する閾値を記憶する記憶回路と、
    前記振動データと前記初期振動データとを比較して、前記振動データと前記初期振動データとの間の偏差が前記閾値を越えるときに警報を発する異常状態検出部と、
    を備えることを特徴とする、請求項1に記載の故障予知システム。
  3. 前記識別子の前記初期振動データ及び前記閾値を記憶するメモリを更に備え、動作時に前記記憶回路が前記メモリから前記初期振動データ及び前記閾値を受け取ることを特徴とする、請求項2に記載の故障予知システム。
  4. 前記保護装置に接続された複数の前記振動子と、前記保護装置に接続された複数の前記加振素子と、前記保護装置に接続された複数の前記振動検出素子とを備え、少なくとも1個の前記振動子と少なくとも1個の前記加振素子と少なくとも1個の前記振動検出素子とが前記ガス排出装置のそれぞれに設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の故障予知システム。
  5. 前記保護装置が、
    複数の前記加振素子のそれぞれに対応して設けられ、対応する前記加振素子を駆動して複数の前記振動子のうちの一つに振動を発生させるための複数の駆動回路と、
    複数の前記振動検出素子のそれぞれに対応して設けられ、対応する前記振動検出素子の出力信号から、該振動検出素子により振動を検出された前記振動子の固有振動周波数を表す振動データを生成するとともに、該振動データを記憶する演算回路と、
    前記振動子の初期振動データ、及び前記振動子の振動データの変化に対する閾値を記憶する記憶回路と、
    前記振動データと前記初期振動データとを比較して、前記振動データと前記初期振動データとの間の偏差が前記閾値を越えるときに警報を発する異常状態検出部と、
    を備えることを特徴とする、請求項4に記載の故障予知システム。
  6. 前記保護装置が、
    複数の前記加振素子のうちの任意の一つと複数の前記振動検出素子のうちの任意の一つとからなる対を選択するための切り換えスイッチと、
    前記切り換えスイッチによって選択された前記対の前記加振素子を駆動して、複数の前記振動子のうちの一つを振動させるための駆動回路と、
    前記切り換えスイッチによって選択された前記対の前記振動検出素子の出力信号から、該振動検出素子により振動を検出された前記振動子の固有振動周波数を表す振動データを生成するとともに、該振動データを記憶する演算回路と、
    前記振動子の初期振動データ及び前記振動子の振動データの変化に対する閾値を記憶する記憶回路と、
    前記振動データと前記初期振動データとを比較して、前記振動データと前記初期振動データとの間の偏差が前記閾値を越えるときに警報を発する異常状態検出部と、
    を備えることを特徴とする、請求項4に記載の故障予知システム。
  7. 前記保護装置が可搬型であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1つに記載の故障予知システム。
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