JP2005273556A - 予混合燃焼機関による発電装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発電機2を駆動するガスエンジン10と、ガスエンジン10から排出される排気ガスの廃熱を利用する排ガスボイラ3とを具備し、ガスエンジン10の給気に、ガスエンジン10から導入して排ガスボイラ3で熱交換した後の排気ガスを加えて排気ガス再循環を行うように構成した。
【選択図】図1
Description
このようなノッキング対策として、一般的にはノッキングが発生すると点火時期を遅延させるという手法を採用している。しかしながら、このようなノッキング対策では、予混合燃焼機関の効率を低下させるという問題が生じてくる。そこで、従来より知られている排気ガス再循環(EGR)を採用し、燃焼室内の酸素分圧を低下させることでノッキングの発生を抑制することが考えられる。しかし、発電装置に使用されるガスエンジン等の予混合内燃機関から排出される排気ガスは、そのガス温度が高温であることから、燃焼室に取り込まれる気体の温度レベルが上昇するため、これもノッキングの原因となる。
この場合、エネルギー回収装置を駆動した排気ガスが蒸気発生装置で再度利用されて水を蒸気に変換し、この蒸気を使用して駆動される蒸気タービンも発電機の駆動源として利用するので、排気ガスの保有する熱エネルギーを有効利用し、複数段階にわたって電気エネルギーに変換して回収することができる。
また、特許文献1に記載されたコジェネレーション型ガスエンジンのように、ターボチャージャ、タービン及び蒸気発生器を通過することで温度低下した排気ガスをEGRに利用する構成では、NOxの低減には有効である反面、複雑な構成となることに加えて、制御も困難になるという問題がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡単な装置構成及び制御により排気ガスをEGRに利用し、予混合燃焼機関の効率を低下させることなくノッキングの発生を抑制することができる予混合燃焼機関による発電装置を提供することにある。
本発明に係る予混合燃焼機関による発電装置は、発電機を駆動する予混合燃焼機関と、該予混合燃焼機関から排出される排気ガスの廃熱を利用する排ガスボイラとを具備し、前記予混合燃焼機関の給気に、前記予混合燃焼機関から導入して前記排ガスボイラで熱交換した後の排気ガスを加えて排気ガス再循環を行うように構成したことを特徴とするものである。
上記の発明において、前記予混合燃焼機関の給気は、前記排ガス供給ボイラから導入する排気ガス量の制御手段と外気導入量の制御手段とにより混合割合が調整されることが好ましい。
この場合、前記ノッキング指数は、各気筒毎に設けられて筒内圧力を検出する圧力検出手段の検出値から算出することが好ましい。
この場合、前記排気ガス再循環率は、酸素濃度検出手段の検出値により算出されることが好ましい。
また、予混合燃焼機関の着火方式としてマイクロパイロットを採用することにより、着火性の向上により圧縮比や筒内済高圧力の許容値を高く設定できるようになり、従って、着火性を損なうことなく排気ガス再循環を実施でき、しかも、効率を向上させることもできる。
図1に示す第1の実施形態では、発電装置1の予混合燃焼機関としてガスエンジン10が採用されている。このガスエンジン10は、発電機2を駆動するとともに、運転により発生した排気ガスを排ガスボイラ3に供給して廃熱を利用するように構成されている。ガスエンジン10と排ガスボイラ3との間は高温排気ガス供給管(以下、「高温排ガス管」と呼ぶ)4で連結され、排ガスボイラ3内で熱交換した排気ガスは、必要に応じてNOx除去など適当な処理を施した後に煙突3aから大気放出される。
EGRに使用される低温排気ガスは、排ガスボイラ3の出口側適所、たとえば煙突3aの下端部近傍から分岐する低温排気ガス供給管(以下、「低温排ガス管」と呼ぶ)5を介してガスエンジン10の吸気室11に導入される。排ガスボイラ3と低温排ガス管5との連結(分岐)部分には、低温排気ガスをEGRに使用する時全開とされる開閉弁3bが設けられている。また、低温排ガス管5と吸気室11との連結部分には、弁開度に応じて低温排気ガスの導入量を制御するガス量制御弁(排気ガス量の制御手段)6が設けられ、さらに、吸気室11には、弁開度に応じて外気の導入量を制御する外気量制御弁(外気導入量の制御手段)7が設けられている。
こうして吸気室11に導入された外気及び低温排気ガスは、互いに混合されて酸素分圧の低下した給気となり、ガスエンジン10の燃焼に使用される。この時、ガス量制御弁6と外気量制御弁7とを連動させた開度制御により、低温排気ガスの混合割合を所望の値に変化させることができるので、エンジン負荷等の運転状況に応じて最適な給気を供給することができる。
このガスエンジン10は、インジェクタ15から副室14内に噴射された液体燃料(A重油や軽油等のパイロット燃料)を燃焼させ、そのエネルギーを主室13内に送出することで希薄混合ガスを燃焼させるように構成したマイクロパイロット着火方式が採用されている。ここで使用する液体燃料の噴射量は、燃焼室12における燃焼に使用する燃料が保有する全熱量の1パーセント程度である。すなわち、副室14内でパイロット燃料を燃焼させてトーチ火炎を形成し、このトーチ火炎を主室13内に噴出させて主燃料(ナチュラルガス)の希薄混合ガスに着火することにより、大きな着火エネルギーを確保して良好な着火性を得るように構成されている。
さて、ノッキング指数は、筒内最高圧力(Pmax)と上死点(TDC)前の所定クランク角度における筒内圧力(Pc)との比であり、Pmax/Pcで表される。なお、図3(b)の上部にはノッキング指数が大きい運転状態例を示し、下部にはノッキング指数が小さい運転状態例を示す。
一方、筒内圧力Pcは、上死点前の所定クランク角度における筒内圧力を圧力センサ21で検出した値である。この筒内圧力Pcを検出するクランク角度は、ガスエンジン10毎に適宜設定可能な値であり、ここではクランク角度が−15degの筒内圧力を検出するものとする。
ノッキング指数制御範囲 : B<Pmax/Pc<A
なお、上記の上限値A及び下限値Bは、ガスエンジン10やガソリンエンジンなど予混合燃焼機関の種類や仕様、及び負荷などの諸条件に応じて適宜変更される値であり、各予混合燃焼機関毎にマップとして予め保有している値である。
ステップS1で制御がスタートすると、ステップS2で1サイクル毎にサンプリングを行う。この場合のサンプリングは、圧力センサ21による筒内最高圧力(Pmax)と筒内圧力Pcとの検出であり、この検出値が制御部に順次入力される。
最初に、ノッキング指数が上限値Aより大きい場合には、ステップS5に進む。このステップS5では、低温排気ガスによるEGRを増加するか、あるいは、点火時期を遅角させる方向に制御する。
最後に、ノッキング指数が下限値Bから上限値Aまでの範囲内にある場合には、ステップS7に進む。このステップS7では、低温排気ガスによるEGRを減少させるか、あるいは、点火時期を進角させる方向に制御する。
さらに、低温排ガス管5及びその管路に配設されるバルブ類の素材についても、制約が少ない分設計が容易になり、かつ、安価なものを選定できるようになる。そして、低温排ガス管5に配設される冷却器8についても、その冷却能力を低減させることが可能になるので、冷却器8を小型化したり、あるいは、低温排ガス管5の周囲に空冷フィンを設けるだけの簡単な構成を採用して、コストを削減することができる。
さて、図6に示す発電装置1Aは、高温排ガス管4と吸気室11との酸素濃度を検出して排気ガス再循環率(EGR率)を算出するための酸素濃度検出手段として、O2 センサ9を設けた点が異なっている。このO2 センサ9で検出した酸素濃度から算出されるEGR率は、低温排気ガスの供給量に応じて変化する値であり、実質的には給気の酸素濃度を表すものである。なお、低温排気ガスの供給量は、ガス量制御弁6や外気量制御弁7の開度に応じて変化する。
また、EGR率の算出は、上述したO2 センサ9の検出値を使用するほかにも、事前の試験により把握したガス量制御弁6及び外気量制御弁7の開度との相関関係に基づいて行うようにしてもよく、このような場合には酸素濃度検出手段は不要となる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
3 排ガスボイラ
4 高温排気ガス供給管(高温排ガス管)
5 低温排気ガス供給管(低温排ガス管)
6 ガス量制御弁
7 外気量制御弁
8 冷却器
8A 空冷フィン
9 O2 センサ
10 ガスエンジン(予混合燃焼機関)
21 圧力センサ
Claims (8)
- 発電機を駆動する予混合燃焼機関と、該予混合燃焼機関から排出される排気ガスの廃熱を利用する排ガスボイラとを具備し、前記予混合燃焼機関の給気に、前記予混合燃焼機関から導入して前記排ガスボイラで熱交換した後の排気ガスを加えて排気ガス再循環を行うように構成したことを特徴とする予混合燃焼機関による発電装置。
- 前記予混合燃焼機関の着火方式がマイクロパイロットであることを特徴とする請求項1に記載の予混合燃焼機関による発電装置。
- 前記予混合燃焼機関の給気は、前記排ガス供給ボイラから導入する排気ガス量の制御手段と外気導入量の制御手段とにより混合割合が調整されることを特徴とする請求項1または2に記載の予混合燃焼機関による発電装置。
- 前記予混合燃焼機関が、ノッキング指数の算出値に応じて排気ガスの再循環量を増減するか、あるいは、点火時期を進角または遅角させるフィードバック制御を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の予混合燃焼機関による発電装置。
- 前記ノッキング指数は、各気筒毎に設けられて筒内圧力を検出する圧力検出手段の検出値から算出することを特徴とする請求項4に記載の予混合燃焼機関による発電装置。
- 前記予混合燃焼機関が、負荷に対する排気ガス再循環率を予め定めてマップ制御を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の予混合燃焼機関による発電装置。
- 前記排気ガス再循環率は、酸素濃度検出手段の検出値により算出されることを特徴とする請求項6に記載の予混合燃焼機関による発電装置。
- 前記予混合燃焼機関がガスエンジンであることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の予混合燃焼機関による発電装置。
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