JP2005272662A - エポキシ樹脂組成物とそれを用いた半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物とそれを用いた半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 有害物質生成の原因となるハロゲン化合物やアンチモン化合物を含有せず、優れた難燃性とともに、高い成形性や耐湿性を示すエポキシ樹脂組成物と、それを用いて封止された半導体装置を提供する。
【解決手段】 少なくともエポキシ樹脂成分、シリカ、金属水酸化物および次の式(A)
【化1】
Figure 2005272662

で表される有機リン化合物を含有してなるエポキシ樹脂組成物であって、金属水酸化物の含有量がエポキシ樹脂組成物全量に対して5〜20質量%であり、シリカと金属水酸化物の合計量がエポキシ樹脂組成物全量に対して80〜90質量%であり、有機リン化合物の含有量がエポキシ樹脂組成物全量に対して0.1〜1.0質量%であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物とする。
【選択図】なし

Description

この出願の発明は、半導体素子を封止するために用いられるエポキシ樹脂組成物と、このエポキシ樹脂組成物を用いて封止した半導体装置に関するものである。
半導体素子の封止においては、接着性、電気絶縁性、耐薬品性等に優れたエポキシ樹脂組成物による低圧トランスファー成形法が主流となっている。このようなエポキシ樹脂組成物による封止方法では、主に、樹脂成分としてo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を、硬化剤成分としてフェノールノボラックを配合したエポキシ樹脂組成物が使用されている。
エポキシ樹脂組成物を半導体封止材等の電子部品用途で使用する際には、火災に対する安全性を確保する必要があり、一般にはUL規格V−0(規定の耐燃性試験を行った時、発火や火種は発生するが平均10秒以内に消火し、かつ火種や炎が落下して脱脂綿を発火させない)を達成することが必須とされている。そのため、従来は、ハロゲン化合物をエポキシ樹脂組成物中に混合し、難燃性や自己消火性を付与することが行われてきた。中でも、難燃剤として臭素化合物を、難燃助剤として三酸化アンチモン(Sb2O3)を用いる臭素・アンチモン系難燃剤は、難燃効果が高く、他の添加剤の性能にもほとんど悪影響を与えないことから頻繁に使用されている。
しかし、このようなハロゲン化合物を含有するエポキシ樹脂組成物では、加熱により臭素系ダイオキシン類等、人体や環境に悪影響を及ぼす物質が発生しやすいという問題があった。また、アンチモンには発癌性が懸念されていることから、将来、その使用や放出が規制の対象となることが予想されている。そのため、ハロゲン系化合物や三酸化アンチモンを含有しない、難燃性の高いエポキシ樹脂組成物の実現が望まれていた。
そこで、非ハロゲン系の難燃剤として、有機リン化合物が注目を集めている(例えば、特許文献1および2)。しかし、有機リン化合物を添加したエポキシ樹脂組成物では、耐湿性が悪化するという新たな問題が生じた。一方、有毒ガスや腐食性ガスを発生させることなく発煙量を減少できる金属水酸化物も難燃剤として使用されているが、エポキシ樹脂組成物に十分な難燃性を付与するためには、その作用機構上、大量に添加する必要があり、エポキシ樹脂組成物の流動性や成形性が低下するという問題があった。
特開平5−214070 特開2002−97249
そこで、この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解消し、有害物質生成の原因となるハロゲン化合物やアンチモン化合物を含有せず、優れた難燃性とともに、高い成形性や耐湿性を示すエポキシ樹脂組成物と、それを用いて封止された半導体装置を提供することを課題としている。
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、少なくともエポキシ樹脂成分、シリカ、金属水酸化物および次の式(A)
Figure 2005272662
で表される有機リン化合物を含有してなるエポキシ樹脂組成物であって、金属水酸化物の含有量がエポキシ樹脂組成物全量に対して5〜20質量%であり、シリカと金属水酸化物の合計量がエポキシ樹脂組成物全量に対して80〜90質量%であり、有機リン化合物の含有量がエポキシ樹脂組成物全量に対して0.1〜1.0質量%であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物を提供する。
また、この出願の発明は、第2には、金属水酸化物がMg(OH)2またはAl(OH)3のいずれかであるエポキシ樹脂組成物を提供する。
そして、この出願の発明は、第3には、前記いずれかのエポキシ樹脂組成物によって封止されてなることを特徴とする半導体装置を提供する。
上記第1の発明のエポキシ樹脂組成物では、エポキシ樹脂成分とともに、充填材としてのシリカ、難燃フィラーとしての金属水酸化物、および難燃剤としての式(A)で表される有機リン化合物を含有するため、高い難燃性が付与されるが、難燃剤としてハロゲン化合物やアンチモン化合物を使用しないため、環境への負荷が低い。同時に、このエポキシ樹脂組成物においては、金属水酸化物の含有量が、エポキシ樹脂組成物全量に対して5〜20質量%であることから、高い難燃性が付与されるとともに十分な流動性が保たれる。また、シリカと金属水酸化物の合計量が、エポキシ樹脂組成物全量の80〜90質量%であることから、高い流動性と成形性が維持される。さらに、有機リン化合物の含有量がエポキシ樹脂組成物全量に対して0.1〜1.0質量%であることから、十分な難燃性が付与されながら、有機リン化合物の吸湿性や潮解性の影響を受けず、耐湿性が保たれる。
上記第2の発明のエポキシ樹脂組成物では、金属水酸化物としてMg(OH)2またはAl(OH)3のいずれかを使用することから、高い難燃性が付与されるとともに、環境への負荷がとくに低いものとなる。
そして、上記第3の発明の半導体装置は、前記いずれかのエポキシ樹脂組成物を用いて封止成形することにより製造されるものであるため、難燃性に優れたものとなり、万が一の燃焼時には自己消火する。また、製造工程や使用中に加熱されたり燃焼したりした場合にも、有害物質や腐食性ガスが発生しない。したがって、火災に対する安全性の高い半導体装置が得られる。
この出願の発明のエポキシ樹脂組成物は、少なくともエポキシ樹脂成分、シリカ、金属水酸化物および次の式(A)
Figure 2005272662
で表される有機リン化合物を含有してなるエポキシ樹脂組成物であって、シリカと金属水酸化物の合計量が、エポキシ樹脂組成物全量に対して80〜90質量%であることを特徴とするものである。
この出願の発明のエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂成分は、一般的に半導体封止用として使用される各種のエポキシ樹脂であってよく、とくに限定されない。例えば、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ブロム含有エポキシ樹脂等を挙げることができる。また、このようなエポキシ樹脂成分には、硬化剤として、一般的に半導体封止用として使用される各種の硬化剤が含まれていてもよい。具体的には、フェノールノボラック樹脂、ナフタレン骨格含有フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂等が例示される。
この出願の発明のエポキシ樹脂組成物に含まれるシリカは充填材であり、エポキシ樹脂組成物の粘度を調製したり、成形性を高めたり、成形品における強度や寸法安定性等の物性を改質したりするものである。シリカの種類や粒径はとくに限定されず、結晶シリカや溶融シリカが適用される。
一方、金属水酸化物は、燃焼時に結晶水の放出による吸熱反応により可燃性物質の生成を抑制する働きを有し、難燃フィラーとして作用するものである。この出願の発明のエポキシ樹脂組成物に含有される金属水酸化物の種類はとくに限定されないが、環境負荷の観点から、アンチモン等の重金属を含まないものが好ましい。具体的には、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)や水酸化アルミニウム(Al(OH)3)が、エポキシ樹脂組成物に難燃性を付与でき、比較的安価で入手が容易なものとして例示される。これらは単独で使用されてもよいし、複数種を組み合わせて使用されてもよい。
さらに、式(A)の有機リン化合物(2−(ジフェニルホスフィル)ハイドロキノン)は難燃剤であり、加熱により気化して燃焼を抑制したり、エポキシ樹脂成分と反応して不揮発性のリン酸ポリマーを形成したりすることにより、エポキシ樹脂組成物を難燃性とすることができるものである。この有機リン化合物としては、北興化学工業株式会社等より市販されているものを使用できる。
この出願の発明のエポキシ樹脂組成物は、以上のとおりに、少なくともエポキシ樹脂、シリカ、金属水酸化物、および2−(ジフェニルホスフィル)ハイドロキノンを含有するものであるが、このとき、金属水酸化物そのものの含有量は、エポキシ樹脂組成物全量に対して5〜20質量%とする。金属水酸化物の含有量がエポキシ樹脂組成物全量に対して5質量%未満の場合には、十分な難燃性が発揮されず、20質量%より多い場合には、エポキシ樹脂組成物の流動性が低下して成形が困難となる場合がある。
また、この出願の発明のエポキシ樹脂組成物では、シリカと金属水酸化物の合計量がエポキシ樹脂組成物全量に対して80〜90質量%であることを特徴とする。シリカと金属水酸化物の合計量がエポキシ樹脂組成物全量に対して80質量%未満の場合には、難燃性が不十分となるため好ましくない。一方、シリカと金属水酸化物の合計量が、エポキシ樹脂組成物全量に対して90質量%よりも多い場合には、エポキシ樹脂組成物の流動性が悪くなり、成形が困難となったり、良品が得られ難くなったりする場合があり、好ましくない。
さらに、この出願の発明のエポキシ樹脂組成物において、前記の2−(ジフェニルホスフィル)ハイドロキノンの含有量はエポキシ樹脂組成物全量に対して0.1〜1.0質量%である。2−(ジフェニルホスフィル)ハイドロキノンの含有量がエポキシ樹脂組成物全量に対して0.1質量%未満の場合には、難燃性が不十分となる。一方、2−(ジフェニルホスフィル)ハイドロキノンの含有量がエポキシ樹脂組成物全量に対して1.0質量%よりも多い場合には、2−(ジフェニルホスフィル)ハイドロキノンの吸湿性や潮解性の影響を受け、エポキシ樹脂組成物の耐湿性が悪化しやすい。
以上のとおりのこの出願の発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂成分、無機充填剤としてのシリカ、難燃フィラーとしての金属水酸化物、および難燃剤としての2−(ジフェニルホスフィル)ハイドロキノン以外にも、一般的に半導体封止用樹脂組成物において使用される各種の成分を含有していてよい。例えば、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の無機充填材や、トリフェニルホスフィン(TPP)、2−フェニルイミダゾール、ベンジルジメチルアミン等の硬化促進剤、カルナバワックス等の離型剤、カーボンブラック、有機染料等の着色剤や、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤、表面がシリコーンレジンによって被覆されたシリコーンゴムパウダー等の改質剤を添加することができる。
以上のとおりのこの出願の発明のエポキシ樹脂組成物は、上記のエポキシ樹脂、シリカ、金属水酸化物、2−(ジフェニルホスフィル)ハイドロキノン、さらに必要に応じて各種の添加剤を配合し、これをミキサーやブレンダーで均一に混合した後に、加熱ロールやニーダー等で混練することによって調製できるものである。ここで、上記の各成分の配合順序は特に限定されるものではなく、また混練物を必要に応じて冷却固化させ、粉砕してペレットやパウダーにしたり、あるいはタブレット化したりして使用することができる。
そして、このようにして調製したエポキシ樹脂組成物を用いて封止成形することによって、半導体装置を作製することができる。例えば、IC等の半導体素子を搭載したリードフレームをトランスファー成形金型にセットし、トランスファー成形を行うことによって、半導体素子をエポキシ樹脂組成物で封止した半導体装置を作製することができるのである。
このような半導体装置では、封止に使用されるエポキシ樹脂組成物がハロゲン化合物やアンチモン化合物を含有しないことから、製造時や使用時に加熱されても有害な物質や腐食性のガスが発生することがなく、環境負荷が低い。また、エポキシ樹脂組成物の流動性が高いことから、成形性が高く、不良品の発生率が低く抑えられる。さらに、エポキシ樹脂組成物の吸湿性が低いことから、半導体装置の耐湿性が高い。
以下、実施例を示し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、この発明は以下の例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。
<実施例1>
o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂86質量部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂43質量部、シリカ730質量部、Mg(OH)2120質量部、および2−(ジフェニルホスフィニル)ハイドロキノン5質量部を混合し、さらにカルナバワックスを6質量部、γ−グリシドキシシプロピルトリメトキシシランを5質量部、カーボンを3質量部、そして2−フェニルイミダゾール(2PZ)を2質量部添加してミキサーブレンダーで混合した後、ニーダーにて加熱混練することにより、エポキシ樹脂組成物を調製した。
<実施例2>
Mg(OH)2の代わりにAl(OH)3を120質量部用いた以外は、実施例1と同様の方法によりエポキシ樹脂組成物を調製した。
<実施例3>
o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の配合量を114質量部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂の配合量を57質量部、シリカの配合量を630質量部、Mg(OH)2の配合量を180質量部、2−(ジフェニルホスフィニル)ハイドロキノンの配合量を3質量部とした以外は、実施例1と同様の方法によりエポキシ樹脂組成物を調製した。
<実施例4>
Mg(OH)2の代わりにAl(OH)3を180質量部用いた以外は、実施例3と同様の方法によりエポキシ樹脂組成物を調製した。
<実施例5>
o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の配合量を65質量部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂の配合量を32質量部、シリカの配合量を810質量部、Mg(OH)2の配合量を70質量部、2−(ジフェニルホスフィニル)ハイドロキノンの配合量を7質量部とした以外は、実施例1と同様の方法によりエポキシ樹脂組成物を調製した。
<実施例6>
Mg(OH)2の代わりにAl(OH)3を70質量部用いた以外は、実施例5と同様の方法によりエポキシ樹脂組成物を調製した。
<比較例1>
o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の配合量を153質量部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂の配合量を76質量部、シリカの配合量を600質量部、Mg(OH)2の配合量を150質量部とした以外は、実施例1と同様の方法によりエポキシ樹脂組成物を調製した。
<比較例2>
Mg(OH)2の代わりにAl(OH)3を150質量部用いた以外は、比較例1と同様の方法によりエポキシ樹脂組成物を調製した。
<比較例3>
o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の配合量を90質量部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂の配合量を43.5質量部、シリカの配合量を730質量部、Mg(OH)2の配合量を120質量部、2−(ジフェニルホスフィニル)ハイドロキノンの配合量を0.5質量部とした以外は、実施例1と同様の方法によりエポキシ樹脂組成物を調製した。
<比較例4>
o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の配合量を82質量部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂の配合量を40質量部、2−(ジフェニルホスフィニル)ハイドロキノンの配合量を12質量部とした以外は、比較例3と同様の方法によりエポキシ樹脂組成物を調製した。
<比較例5>
o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の配合量を47質量部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂の配合量を23質量部、シリカの配合量を850質量部、Mg(OH)2の配合量を60質量部とした以外は、実施例1と同様の方法によりエポキシ樹脂組成物を調製した。
<比較例6>
o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の配合量を86質量部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂の配合量を43質量部、シリカの配合量を820質量部、Mg(OH)2の配合量を30質量部とした以外は、実施例1と同様の方法によりエポキシ樹脂組成物を調製した。
<比較例7>
Mg(OH)2の代わりにAl(OH)3を30質量部用いた以外は、比較例6と同様の方法によりエポキシ樹脂組成物を調製した。
<比較例8>
シリカの配合量を630質量部、Mg(OH)2の配合量を220質量部とした以外は、比較例6と同様の方法によりエポキシ樹脂組成物を調製した。
以上の実施例1〜6および比較例1〜8のエポキシ樹脂組成物について、次の各項目を評価した。
(1)流動性、成形性:ASTM(D3123)に準じてスパイラルフローを測定した(170℃)。また、JSR製キュラストメーターによりゲルタイム(170℃)を、島津製作所製フローテスターにより溶融粘度を測定した。さらに、成形温度:175±5℃、注入スピード:5s、注入圧力:7MPa、キュアタイム:90sの条件で80 pin QFP(外形:15 mm×19 mm×2.4 mm)のパッケージを成形し、得られた成形品の外観を評価した。
(2)寸法安定性:ディラトメータを用いてチャートから線膨張係数を測定した。
(3)吸湿性:エポキシ樹脂組成物を用いて50φ(3mm)の円板を成形し、85℃85%RHの条件下に72時間曝した後の吸湿率を算出した。
(4)耐湿信頼性:成形温度:175±5℃、注入スピード:15s、注入圧力:7MPa、キュアタイム:90s、アフターキュア:175℃6時間の条件で16 DIP(外形:6.4 mm×19.6 mm×3.3 mm)パッケージを成形した。次いで、30℃×60%RH×192時間吸湿後、IRリフロー220℃ 3回(JEDEC LEVEL3)で処理したパッケージを133℃ 100%RH条件下に500時間曝し、オープン不良の発生数を調べた。
(5)難燃性:UL規格に準じて評価した。なお、サンプルの厚みは1/8インチとした。V−0材料として合格したものを○、不合格のものを×とした。
以上の評価結果を表1に示した。
Figure 2005272662
表1より、金属水酸化物単独の含有量がエポキシ樹脂組成物全量に対して5〜20質量%であり、シリカと金属水酸化物の合計量がエポキシ樹脂組成物全量に対して80〜90質量%であり、かつ、2−(ジフェニルホスフィニル)ハイドロキノンの含有量がエポキシ樹脂組成物全量に対して0.1〜1.0質量%であるエポキシ樹脂組成物(実施例1〜6)は、高い難燃性を有するとともに、成形性や耐湿性にも優れることが確認された。
一方、シリカと金属水酸化物の合計量が、エポキシ樹脂組成物全量に対して80質量%未満の場合(比較例1および2)には、難燃性が発揮されず、耐湿性が低下することが明らかになった。また、シリカと金属水酸化物の合計量が、エポキシ樹脂組成物全量に対して90質量%よりも多い場合(比較例5)には、難燃性は十分となるものの、溶融粘度が測定不能となり、成形性が著しく低下することが示された。
また、シリカと金属水酸化物の合計量がエポキシ樹脂組成物全量に対して80〜90質量%の範囲であっても、金属水酸化物単独の含有量がエポキシ樹脂組成物全量に対して5質量%未満の場合(比較例6および7)には、成形性は良好となるものの、十分な難燃性が得られないことが明らかになった。反対に、シリカと金属水酸化物の合計量がエポキシ樹脂組成物全量に対して80〜90質量%の範囲であっても、金属水酸化物単独の含有量がエポキシ樹脂組成物全量に対して20質量%より多い場合(比較例8)には、難燃性は十分に得られるものの、流動性が低下し、成形不良が起こりやすくなることが示された。
さらに、シリカと金属水酸化物の合計量がエポキシ樹脂組成物全量に対して80〜90質量%の範囲であっても、2−(ジフェニルホスフィニル)ハイドロキノンの含有量がエポキシ樹脂組成物全量に対して0.1質量%未満の場合(比較例3)には、十分な難燃性が得られず、2−(ジフェニルホスフィニル)ハイドロキノンの含有量がエポキシ樹脂組成物全量に対して1.0質量%よりも多い場合(比較例4)には、成形性や難燃性は十分ながら耐湿性が著しく低下することが示された。

Claims (3)

  1. 少なくともエポキシ樹脂成分、シリカ、金属水酸化物および次の式(A)
    Figure 2005272662
    で表される有機リン化合物を含有してなるエポキシ樹脂組成物であって、金属水酸化物の含有量がエポキシ樹脂組成物全量に対して5〜20質量%であり、シリカと金属水酸化物の合計量がエポキシ樹脂組成物全量に対して80〜90質量%であり、有機リン化合物の含有量がエポキシ樹脂組成物全量に対して0.1〜1.0質量%であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 金属水酸化物は、Mg(OH)2またはAl(OH)3のいずれかである請求項1のエポキシ樹脂組成物。
  3. 請求項1または2のいずれかのエポキシ樹脂組成物によって封止されてなることを特徴とする半導体装置。
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