JP2005271712A - 弾性クローラとクローラ式走行装置 - Google Patents

弾性クローラとクローラ式走行装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 走行装置の走行振動を低減するとともに、抗張体の波打ちを抑制することができる弾性クローラ及びクローラ式走行装置を得る。
【解決手段】 周方向Xにおいて一定間隔おきに並ぶ複数の突起部2Cが内周面1cに設けられ且つ当該内周面1cを転輪32が転動するクローラ本体1と、このクローラ本体1の外周面1aに所定のラグパターンで一体に形成された複数のラグ5よりなるラグ群と、前記クローラ本体1の内部に周方向Xに沿って埋設された抗張体3と、を備えている弾性クローラCである。転輪32の軌道面50における突起部2Cの近傍又はラグ5に対応する高剛性部分6に多数の窪み部7又はサイプ12を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、クローラ式走行装置とこの装置に用いられる弾性クローラに関する。
クローラ式走行装置は現在コンバイン等の農業機械、バックホー等の建設作業機械等に幅広く用いられており、これらのクローラ式走行装置には無端状の弾性クローラが装着されている。この弾性クローラは、周方向において一定間隔おきに並ぶ複数の駆動突起が内周面に形成され且つ内周面を転輪が転動するクローラ本体と、このクローラ本体の外周面に所定のラグパターンで一体に形成された複数のラグよりなるラグ群と、前記クローラ本体の内部に周方向に沿って埋設された抗張体とを備えている。
このような弾性クローラでは、クローラ周方向において芯金やラグのある部分(高剛性部)は剛性が高く、これに対して芯金間やラグ間の部分(低剛性部)はこれよりも剛性が低くなっている。そのために、転輪が高剛性部上にあるときの弾性クローラの上下方向における変形量と低剛性部上にあるときの当該変形量とでは低剛性部上にあるときの変形量の方が大きく変形差があった。そのため、転輪はその変形差の分だけ上下運動をすることになり、この上下運動によって走行装置に振動が生じていた。
そこで、転輪が来たときの弾性クローラの変形を少なくするために、芯金間等に内周側に膨出するマウントを一体形成するとともに、転輪沈み込み抑制用の突起をクローラ本体の外周面に形成したものが開示されている(特許文献1参照)。
特開平7−39835号公報(図3等)
しかしながら、上記特許文献1の弾性クローラでは、芯金間において膨出するマウントを形成しているために、弾性クローラを成型する際の加硫時のゴムが当該マウントの方へ流れるのと一緒に抗張体(スチールコード)もマウント側(クローラ内周側)に寄ってしまい、当該抗張体がクローラ表裏方向に波打ってしまう。抗張体がクローラ表裏方向に波打つと、走行中に当該抗張体に強いテンションがかかってクローラが破断することや、芯金のピッチが乱れて係合突起(突起部)の早期摩耗等の不具合が発生するという欠点がある。
そこで、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、走行装置の走行振動を低減するとともに、抗張体の波打ちを抑制することができる弾性クローラ及びクローラ式走行装置を得ることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は次の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明は、周方向において一定間隔おきに並ぶ複数の突起部が内周面に形成され且つ内周面を転輪が転動するクローラ本体と、このクローラ本体の外周面に所定のラグパターンで一体に形成された複数のラグよりなるラグ群と、前記クローラ本体の内部に周方向に沿って埋設された抗張体と、を備えている弾性クローラにおいて、前記クローラ本体の転輪の軌道面における、前記突起部の近傍又は前記ラグに対応する高剛性部に多数の窪み部又はサイプが形成されていることを特徴とする。
この場合、クローラ本体の転輪の軌道面における、突起部の近傍又はラグに対応する高剛性部に多数の窪み部又はサイプが形成されているので、これら窪み部等により軌道面にける高剛性部の剛性が下げられる。なお、本発明は芯金有り及び芯金レスのどちらの弾性クローラに適用できるものであり、芯金有りの場合には前記突起部は、転輪の転動経路を規制する左右一対の係合突起のことをいい、芯金レスの場合にはクローラ本体内周に形成された駆動突起のことをいう。従って、芯金有りの場合には係合突起を有する芯金やラグに対応する部分、芯金レスの場合にはラグに対応する部分の剛性が下げられる。これにより、軌道面全体の剛性が平準化されるので、転輪が芯金間あるいはラグ間に来たときに転輪の落ち込みが抑制される。
また、軌道面に前記多数の窪み部又はサイプを形成することで転輪の落ち込みが抑制されているので、芯金間等に膨出するマウントを形成しなくてもよいか、あるいは形成してもその高さを低くすることができる。そのために、弾性クローラを成型する際の加硫時のゴムが当該マウントの方へ流れても抗張体はマウント側に寄ることはなく、当該抗張体がクローラ表裏方向に波打つことがなくなる。従って、走行中に当該抗張体に強いテンションがかかってもクローラが破断することがなく、芯金のピッチを乱すこともなくなる。
前記多数の窪み部及びサイプは高剛性部の剛性を下げるためのものであるが、さらに当該高剛性部内において、そのクローラ周方向中央(以下、中央という)よりも周辺(以下、周辺という)の方の剛性の低下量を少なくすることにより、軌道面全体の剛性がさらに平準化される。
この場合、上記の本発明において、前記多数の窪み部間又はサイプ間のピッチを、高剛性部における中央よりも周辺の方が広くなるように形成して、当該周辺の剛性の低下量を中央よりも少なくすることが好ましい。これにより、高剛性部から低剛性部にかけた剛性の急な変化をなくすことができる。
また、前記多数の窪み部又はサイプの深さを、前記高剛性部における中央よりも周辺の方が浅くなるように形成するか、前記多数の窪み部又はサイプの幅を、当該中央よりも周辺の方が狭くなるように形成してもよい。窪み部又はサイプの深さを浅くすることや、幅を狭くすることで、同様に前記周辺の剛性の低下量が少なくなるからである。
また、前記多数のサイプを形成する場合、当該サイプの長さが、前記突起部の近傍又はラグに対応する部分の近傍のクローラ周方向中央よりも周辺の方が短くなるようにしてもよい。この場合においても、サイプの長さを短くすることで、前記周辺の剛性の低下量が少なくなるからである。
上記の本発明において、窪み部又はサイプが形成されている前記高剛性部において、ピッチが狭い(密部分)中央の窪み部又はサイプの配設範囲をL1とし、ピッチが広い(疎部分)周辺の窪み部又はサイプの配設範囲をL2とした場合、L2をL1で除した数値が0.2〜1.0であることが好ましい。また、窪み部又はサイプの深さが深く、又は幅が広く、又はサイプの長さが長い前記中央の配設範囲をL1とし、これとは逆の周辺の配設範囲をL2とした場合も同様にL2をL1で除した数値が0.2〜1.0であることが好ましい。前記数値が0.2以下あるいは1.0を越えると高剛性部の中央及び周辺いずれかの配設範囲が大きくなり過ぎて、これらを区分けする効果(軌道面の剛性をさらに平準化する効果)が発揮されないからである。
また、前記多数の窪み部又はサイプの底部に角部があれば、そこから裂けてしまうおそれがあるため、当該底部を湾曲するように形成することが好ましい。底部を湾曲させることにより力が一箇所に集中せず裂けてしまうのを防止できるからである。
さらに、前記多数の窪み部又はサイプがその底部から開口部に向けて次第に広げられていることが好ましい。この場合、クローラ成型時において、モールドからクローラを取り出し易く窪み部やサイプが破損するのを防止できるからである。
前記クローラ本体の内部にクローラ周方向に間隔をおいて配置された芯金が埋設され、この芯金のクローラ本体内周側を被う被覆層が設けられている好ましい。芯金有りの弾性クローラにおいて、前記窪み部又はサイプが破損した場合、そこから水が内部に浸入して芯金に到達すると当該芯金が腐食するかクローラ本体との密着性が低下し脱落する等の不具合が起こる。芯金のクローラ本体内周側を被う被覆層を設けておけば、この補強層で芯金のクローラ内周側が被われて水が浸入した場合の影響を無くすことができる。
一方、本発明は、前記窪み部又はサイプがクローラ本体に形成されている弾性クローラを備えたクローラ式走行装置であって、前記軌道を転動する転輪の外周に弾性体が設けられていることを特徴とする。
この場合、転輪の外周に弾性体が設けられることにより、ゴム等の弾性体よりなるクローラ本体に形成された窪み部又はサイプが破損し難くなり耐久性が向上する。また、外周が金属よりなる転輪を採用した場合よりも走行装置の振動を低減することができる。
上記の通り、本発明によれば、軌道面全体の剛性を平準化し、転輪が突起部間(芯金間)あるいはラグ間に来たときの転輪の落ち込みを抑制して、マウントを不要とするかあるいは当該マウントを設けてもその高さを減らすようにしたので、走行装置の走行振動を低減するとともに、抗張体の波打ちを抑制することができる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
〜図4は、本発明に係る弾性クローラCの第1実施形態を示している。弾性クローラC1は、農業機械や建設作業機械等の走行部として採用されるクローラ式走行装置Aに用いられるもので、無端帯状に形成してなるクローラ本体1と、このクローラ本体1内にクローラ周方向Xに間隔をおいて埋設された芯金2と、同クローラ本体1内にクローラ周方向Xに沿って埋設された抗張体3と、同芯金2のクローラ本体1内周側に埋設された被覆層4と、同クローラ本体1の外周面1aに形成された複数のラグ5からなるラグ群とを備えている。
なお、この弾性クローラC1は、図4に示すように所定位置に配置された駆動スプロケット30とアイドラ31と、これら駆動スプロケット30とアイドラ31との間に配置された複数個の転輪32により主構成されるクローラ走行装置Aの外周に巻き掛けられて用いられている。
クローラ本体1は、その幅方向Y中央域が厚肉部1A、その左右両側が薄肉部1Bとされており、ゴム製の弾性材料を無端帯状に形成することにより形成されている。当該クローラ本体1の外周面1aにクローラ周方向Xに所定間隔をおいて形成された複数のラグ5は、クローラ幅方向Yに延びる一文字状に形成され、芯金2と対応するクローラ周方向X位置でかつ同芯金2と同じピッチで配置されている。
また、図1に示すように、クローラ本体1の幅方向Y中央には、駆動スプロケット30の係合爪(図示せず。)を挿通可能とすべく、その表裏を貫通するようにクローラ周方向Xに沿って設けられた係合孔1bが形成されている。
また、図2に示すように、芯金2は、そのクローラ本体1のクローラ幅方向Yに長く形成されたもので、同幅方向Yの中央に位置する中芯部2Aと、この中芯部2Aからクローラ幅方向Y外側に延びる両翼部2B、2Bと、クローラ走行装置の転輪32の転動経路を一定範囲に規制すべく中芯部2Aの内周側から突設された左右一対の係合突起2Cとを有している。さらに、クローラ本体1内に埋設された芯金2の接地側には、クローラ本体1の伸長を規制するスチールコード等による抗張体3がクローラ本体1内をクローラ周方向X全周に沿って無端状に周回している。
図1に示すように、クローラ本体内周面1cの転輪32の軌道面50において、前記係合突起2Cの近傍の高剛性部6に多数の窪み部7が形成されている。ここでいう高剛性部6とは、芯金2が埋設されている部分(芯金幅に対応する部分)、すなわち係合突起2Cがある部分のことをいう。そして、多数の窪み部7はクローラ本体内周面1cから出るすべての係合突起2Cのクローラ幅方向Y外側に形成されている。本実施形態の窪み部7は、一つの係合突起2Cのクローラ幅方向Y外側に17個配設されており、一つの係合突起2Cの同外側で図1の上から形成数で2,3,2、・・、というように並んでおり、従って一つの芯金2に対応する軌道面(左右の軌道面)50には合計で34個の窪み部7が形成されている。なお、本実施形態では窪み部7を片側に17個としているが、この数に限られるものではなく、これよりも少なくしてもよいし、多くしてもよい。これにより、軌道面50おける高剛性部6の剛性が下げられ、当該高剛性部6と芯金2間の低剛性部8の剛性差が小さくなる。これにより、クローラ全周にわたる軌道面50全体の剛性の高低差が小さくなり当該剛性が平準化される。
このように、軌道面50全体の剛性が平準化されているので、転輪32が芯金2間に来たときに転輪32の落ち込みが抑制され、図12に示すように、窪み部7が形成されていない従来の弾性クローラよりも転輪32の変位差(転輪の上下動)を小さくすることができる。転輪32の変位が小さくなるので、走行装置Aの走行振動が低減され、芯金2間(低剛性部8)に設けるマウントの高さを小さくすることができ、あるいはマウントを全く設けないようにすることもできる。これにより、弾性クローラCの成型時において、加硫時のゴムがマウントの方へ流れるときに、一緒に抗張体3(スチールコード)がマウント側(クローラ内周側)に寄ってしまうことがなく、抗張体3のクローラ表裏方向への波打ちを防止することができる。抗張体3がクローラ表裏方向に波打つと、走行中に当該抗張体3に強いテンションがかかって弾性クローラが破断することや、芯金のピッチが乱れて係合突起の早期摩耗等の不具合が発生するが、本実施形態の弾性クローラCではこのようなことが起こり難い。
なお、窪み部7は、図4(a)に示すように断面円形で所要深さを有する穴として形成されおり、その底部7aは湾曲されてR形状となっている。底部7aが湾曲されているので、力が一箇所に集中せず当該底部7aが裂けてしまうのを防止することができる。本実施形態では図4(a)に示すように、窪み部7はその底部7aから開口部7bに向けて同じ径で形成されているが、図4(b)に示すように、底部7aから開口部7bに向けて次第に広げられるように形成してもよい。このようにすることで。弾性クローラCの成型時において、弾性クローラCをモールドから取り出すときに当該モールドが窪み部7から抜け易くなり、窪み部7が破損するのを防止することができる。また、窪み部7は断面円形に限られるものではなく、例えば断面方形状等の他の形状としてもよい。
図2に示すように、被覆層4は芯金2のクローラ本体1内周側を被うように埋設されている。この被覆層4は、転輪32の軌道面50に対応してクローラ本体1に2つ設けられており、図3に示すようにクローラ本体1内をクローラ周方向X全周に沿って無端状に周回している。なお、被覆層4はキャンバスよりなるものであり、本実施形態におけるキャンバスとは、有機系のフィラメント繊維に所定の下撚りをかけ、経糸、緯糸用のコードを製作し、これらを所定の打ち込み数になるように並べ、織機にて織り、さらに所定の接着剤を用いて接着処理を行なってシート状に形成したものである。また、前記フィラメント繊維の材質としては、綿、レーヨン、セルロースなどの天然高分子繊維、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミド、ポリエステル等が挙げられる。
この被覆層4が設けられてない場合、窪み部7が破損してそこから水がクローラ本体1の内部に浸入して芯金2に到達すると当該芯金2が腐食するか、クローラ本体1との密着性が低下し脱落する等の不具合が起こる。芯金2のクローラ本体1内周側を被う前記被覆層4を設けておけば、この被覆層4で芯金2のクローラ本体1内周側が被われて水が浸入した場合の影響を無くすことができる。
なお、窪み部7はラグ5に対応する高剛性部に形成してもよい。本実施形態では、芯金2とラグ5のクローラ周方向X位置を一致させているが、ずらして配置した場合にラグ5が形成されている部分の剛性が高くなるので、このような場合にはラグ5に対応する部分に窪み部7を形成して高剛性部の剛性を下げるようにしてもよい。
図5に示すように、弾性クローラCが巻き掛けられている駆動スプロケット30及びアイドラ31は、それぞれクローラ式走行装置Aにおける最後部(図3の右側)及び最前部(図3の左側)にそれぞれ配置されている。駆動スプロケット30は、クローラ本体に形成された前記係合孔1bに係合し、この係合によってクローラ本体1を周回させている。また、弾性クローラCの内周側から突出している左右の係合突起2Cは、クローラ進行方向に向かって左右2列に平行に並んでいる。
転輪32は両係合突起2Cの外側を跨ぐマタギ転輪とされており、駆動スプロケット30とアイドラ31との間で前後方向に複数個(図では6個)並設され、クローラ本体1における接地部分に対応して設けられており、走行機枠等からの荷重を主に受け持つようにされている。そして、各転輪32はクローラ本体1の内周面1cを転動し、クローラ本体1の内周に突出した芯金2の係合突起2Cにより、左右方向の位置規制がされてクローラ本体1から脱輪しないようになっている。そして、図2,図3に示すように、転輪32の外周にはゴムよりなる弾性体33が設けられている。この弾性体33は転輪32の外周に固定されているものであり、ゴム等の弾性体よりなるクローラ本体1に形成された前記窪み部7が破損し難くなり耐久性が向上する。また、外周が金属よりなる転輪を採用した場合よりも走行装置Aの振動を低減することができる。
図6は本発明に係る第2実施形態を示している。本実施形態が上記第1実施形態と異なる点は、窪み部7が芯金レスのクローラ本体1に形成されている点である。本実施形態の弾性クローラCは芯金を無くしたタイプのものであり、クローラ周方向Xで一定間隔おきに並ぶ複数の駆動突起11(突起部)が内周面1cに形成され且つ無端帯状に形成してなるクローラ本体1と、同クローラ本体1内にクローラ周方向Xに沿って埋設された抗張体3と、同クローラ本体1の外周面1aに形成された複数のラグ5からなるラグ群とを備えている。本実施形態では、芯金が無いために前記被覆層は設けられていない。駆動突起11は、クローラ本体1の全周にわたって設けられておりこの各駆動突起11にスプロケットを係合させることにより、弾性クローラCを周方向Xに沿って駆動できるようになっている。
走行装置Aのマタギ型の転輪は、その間で前記駆動突起11を跨いだ状態でクローラ本体1の内周面1cを転がるようになっている。また、クローラ本体1の伸長を規制するスチールコード等による抗張体3がクローラ本体1内をクローラ周方向X全周に沿って無端状に周回している。図6に示すように、駆動突起11に対応する位置にラグ5が形成されており、この部分の弾性クローラCの剛性は高く、高剛性部6となっている。図に示すように、転輪32の軌道面50において、駆動突起(突起部)11近傍、すなわちラグ5に対応する高剛性部6に多数の窪み部7が形成されている。そして、当該窪み部7はクローラ本体1内周から出るすべての駆動突起11のクローラ幅方向Y外側に形成されている。これにより、軌道面50における高剛性部6の剛性が下げられ、当該高剛性部6とラグ5間(低剛性部8)の剛性差が小さくなる。これにより、クローラ全周にわたる軌道面50全体の剛性の高低差が小さくなり当該剛性が平準化される。
図7(a)、図7(b)は、それぞれ本発明に係る第3実施形態及び第4実施形態を示している。これらの実施形態が前記第1、第2の実施形態と異なる点は、窪み部7間のピッチが、高剛性部6におけるクローラ周方向中央6a(以下中央という)よりも周辺6b(以下、周辺という)の方が広くなっている点である。多数の窪み部7は高剛性部6の剛性を下げるためのものであるが、当該高剛性部6において中央6aよりも周辺6bの方の剛性を高くすることにより、軌道面50全体の剛性がさらに平準化される。窪み部7間のピッチが広がることで、その部分の剛性の低下量が少なくなるので、軌道面50全体における剛性の急な変化をなくすことができる。
さらに、高剛性部6において周辺6bの剛性の低下量を少なくする方法として、窪み部7の深さが中央6aよりも周辺6bの方が浅くなるように各窪み部7を形成することや、窪み部7の幅が当該中央6aよりも周辺6bの方が狭くなるように各窪み部7を形成することができる。窪み部7を浅くすると浅くした部分の剛性の低下量が少なくなり、幅を狭くすると狭くした部分の剛性の低下量が少なくなるからである。なお、この場合高剛性部6における中央6a(密部分)の窪み部7の配設範囲をL1とし、周辺6b(疎部分)の窪み部7の配設範囲をL2とした場合、L2をL1で除した数値が0.2〜1.0であることが好ましい。この数値が0.2以下あるいは1.0を越えると、高剛性部6の中央6a及び周辺6bいずれかの配設範囲L1、L2が大きくなり過ぎて、これらを区分けする効果(軌道面50の剛性をさらに平準化する効果)が発揮されないからである。
図8、図9は本発明に係る第5実施形態及び第6実施形態を示している。本実施形態が上記第1〜第4実施形態と異なる点は、係合突起2C又は駆動突起11の近傍の高剛性部6分に多数のサイプ12が形成されている点である。サイプ12はクローラ本体1の軌道面50に所要長さの切り込みを入れるように形成されており、多数のサイプ12はクローラ本体1内周から出るすべての係合突起2C及び駆動突起11のクローラ幅方向Y外側に形成されている。サイプ12は、例えば一つの係合突起2C(駆動突起11)のクローラ幅方向Y外側に等間隔で格子状に形成されており、従って一つの芯金2に対応する部分には合計で2箇所の格子状のサイプが形成されている。なお、サイプ12の数は、図に示す数に限られるものではなくこれよりも少なくしてもよいし、多くしてもよい。これにより、軌道面50における高剛性部6の剛性が下げられ、この高剛性部6と芯金2間の剛性差が小さくなる。これにより、クローラ全周にわたる軌道面50全体の剛性の高低差が小さくなり当該剛性が平準化される。
このように、軌道面50全体の剛性が平準化され転輪32が芯金2間に来たときに転輪32の落ち込みが抑制されるので、走行装置Aの走行振動が低減され、さらにマウントの嵩を減らすことができる。従って、マウントを形成する場合であっても、マウントの高さを小さくすることができ、あるいはマウントを全く設けないようにすることもできる。これにより、弾性クローラCの成型時において、加硫時のゴムがマウントの方へ流れるときに、一緒に抗張体3(スチールコード)がマウント側(クローラ内周側)に寄ってしまうことがなく、抗張体3のクローラ表裏方向への波打ちを防止することができる。
なお、サイプ12は、図11(a)に示すように、所要深さを有しその縦方向断面は細長の形状をなしている。また、その底部12aは湾曲されてR形状となっている。底部12aが湾曲されているので、力が一箇所に集中せず当該底部12aが裂けてしまうのを防止することができる。本実施形態では図4(a)に示すように、サイプ12はその底部12aから開口部12bに向けて同じ幅で形成されているが、図4(b)に示すように、底部12aから開口部12bに向けて次第に広がるように形成してもよい。このようにすることで。弾性クローラCの成型時において、弾性クローラCをモールドから取り出すときに当該モールドがサイプ12から抜け易くなり、サイプ12が破損するのを防止することができる。また、サイプ12はこれらの形態に限られるものではなく、例えば、図10に示すように、クローラ周方向Xに向かって波状としてもよい。この場合、係合突起2Cの近傍で多数のサイプ12がクローラ周方向Xに沿って並べられ、かつクローラ幅方向Yへ波打つように形成することができる。
図10(b)は、本発明に係る第7実施形態を示している。本実施形態が上記第5〜第6実施形態と異なる点は、サイプ12の長さが係合突起2Cの近傍の高剛性部6における中央6aよりも周辺6bの方が短くなっている点である。前記窪み部7と同様にサイプ12は高剛性部6の剛性を下げるためのものであるが、当該高剛性部6において、周辺6bの剛性の低下量を少なくすることにより、軌道面50全体の剛性がさらに平準化される。なお、この場合、周辺6bの配設範囲L2に形成される各サイプ12の長さを、中央6aの配設範囲L1に形成される各サイプ12の長さで除した数値が、0.3〜0.7であることが好ましい。前記数値が0.3以下あるいは0.7を越えると、高剛性部6における周辺6bと中央6aの剛性差が大き過ぎるか、あるいは小さくなり過ぎてこれらを区分けする効果が発揮されないからである。
図10(c)は、本発明に係る第8実施形態を示している。本実施形態が上記第5〜第7実施形態と異なる点は、サイプ12の長さが高剛性部6における中央6aが最も長くなっている点である。このようにすることで、高剛性部6における周辺6bのサイプ12の数が減らされて当該周辺6bの剛性の低下量を少なくすることができる。
また、高剛性部6における中央6aよりも周辺6bの方の剛性の低下量を少なくする方法として、サイプ12の深さを同周辺6bで浅くすることや、幅を同周辺6bで狭くすることができる。なおこの場合、高剛性部6における中央6aのサイプ12の配設範囲をL1とし、周辺6bのサイプ12の配設範囲をL2とした場合、L2をL1で除した数値が0.2〜1.0であることが好ましい。この数値が0.2以下あるいは1.0を越えると、高剛性部6の中央6a及び周辺6bいずれかの配設範囲L1,L2が大きくなり過ぎて、これらを区分けする効果が発揮されずサイプ12の深さや幅を変える意義がなくなるからである。
また、芯金2やラグ5に対応する高剛性部6における周辺6bの剛性の低下量を少なくするために、当該周辺6bの窪み部7間やサイプ12間のピッチや変える場合、前記周辺6bの配設範囲L2に形成される窪み部7若しくはサイプ12の全てを足し合わせた表面積を、中央6aの配設範囲L1に形成される窪み部7若しくはサイプ12の全てを足し合わせた表面積で除した数値が、0.2〜0.9であることが好ましい。さらに、当該周辺6bの窪み部7やサイプ12の深さを変える場合、前記周辺6bの配設範囲L2に形成される各窪み部7若しくは各サイプ12の深さを、中央6aの配設範囲L1に形成される各窪み部7若しくは各サイプ12の深さで除した数値が、0.2〜0.9であることが好ましい。さらに、当該周辺6bの窪み部7やサイプ12の幅を変える場合、前記周辺6bの配設範囲L2に形成される各窪み部7若しくは各サイプ12の幅を、中央6aの配設範囲L1に形成される各窪み部7若しくは各サイプ12の幅で除した数値が、0.05〜0.5であることが好ましい。前記表面積で除した数値が0.2以下あるいは0.9を越えるか、前記深さで除した数値が0.2以下あるいは0.9を越えるか、前記幅で除した数値が0.05以下あるいは0.5を越えると、高剛性部6における周辺6bと中央6aの剛性差が大き過ぎるか、あるいは小さくなり過ぎてこれらを区分けする効果が発揮されず、表面積、深さ、幅を変える意義がなくなり、かえってコストアップとなるおそれがあるからである。
なお、上記実施例はすべて例示であって制限的なものではない。例えば、窪み部7やサイプ12の並べ方を変えることや、これらの形を変えてもよい。また、窪み部7やサイプ12の中にクローラ本体1よりも柔軟性が高い材料を充填することもできる。例えば70°Hsより低い硬度を有する発泡性樹脂等を窪み部7に充填すればよい。窪み部7若しくはサイプ12に泥等が詰まってしまうとこれら泥等は取れ難く、窪み部7やサイプ12等の破損が起こるおそれがある。硬度の低い樹脂等を充填しておけば、高剛性部6の高度を下げる効果を阻害せずに、窪み部7やサイプ12の破損をさらに抑えることができる。なお、弾性クローラCの設計仕様に応じてクローラ本体1、芯金2、抗張体3等の形状等は適宜変更される。
第1実施形態の弾性クローラを内周側から見た平面図である。 同弾性クローラの幅方向断面図である。 同弾性クローラの周方向断面図である。 (a)は窪み部の縦断面であり、(b)は他の実施形態における窪み部の縦断面図である。 クローラ式走行装置の側面図である。 (a)は、第2実施形態の弾性クローラを内周側からみた平面図であり、(b)は、同弾性クローラの周方向断面図である。 (a)は、第3実施形態の弾性クローラを内周側からみた平面図であり、(b)は、第4実施形態の弾性クローラを内周側からみた平面図である。 (a)は、第5実施形態の弾性クローラを内周側からみた平面図であり、(b)は、同弾性クローラの周方向断面図である。 (a)は、第6実施形態の弾性クローラを内周側からみた平面図であり、(b)は、同弾性クローラの周方向断面図である。 (a)は、同弾性クローラの他の実施形態を内周側からみた平面図であり、(b)は、第7実施形態の弾性クローラを内周側からみた平面図であり、(c)は、第8実施形態の弾性クローラを内周側からみた平面図である。 (a)はサイプの縦断面であり、(b)は他の実施形態におけるサイプの縦断面図である。 (a)は第5実施形態の弾性クローラと、同弾性クローラ上を転輪が通過したときの転輪の上下方向の変位差を示すグラフであり、(b)はサイプが形成されていない従来の弾性クローラと、同弾性クローラ上を転輪が通過したときの転輪の上下方向の変位差を示すグラフである。
符号の説明
1 クローラ本体
2 芯金
3 抗張体
4 被覆層
5 ラグ
6 高剛性部
6a 中央
6b 周辺
7 窪み部
11 駆動突起
12 サイプ
32 転輪
33 弾性体
50 軌道面

Claims (10)

  1. 周方向において一定間隔おきに並ぶ複数の突起部が内周面に設けられ且つ当該内周面を転輪が転動するクローラ本体と、このクローラ本体の外周面に所定のラグパターンで一体に形成された複数のラグよりなるラグ群と、前記クローラ本体の内部に周方向に沿って埋設された抗張体と、を備えている弾性クローラにおいて、
    前記クローラ本体の転輪の軌道面における、前記突起部の近傍又は前記ラグに対応する高剛性部に多数の窪み部又はサイプが形成されていることを特徴とする弾性クローラ。
  2. 前記多数の窪み部間又はサイプ間のピッチが、前記高剛性部におけるクローラ周方向中央よりも周辺の方が広くなっている請求項1に記載の弾性クローラ。
  3. 前記多数の窪み部又はサイプの深さが、前記高剛性部におけるクローラ周方向中央よりも周辺の方が浅くなっている請求項1又は2に記載の弾性クローラ。
  4. 前記多数の窪み部又はサイプの幅が、前記高剛性部におけるクローラ周方向中央よりも周辺の方が狭くなっている請求項1〜3のいずれかに記載の弾性クローラ。
  5. 前記多数のサイプの長さが、前記高剛性部におけるクローラ周方向中央よりも周辺の方が短くなっている請求項1〜4のいずれかに記載の弾性クローラ。
  6. 前記高剛性部における前記クローラ周方向中央の前記窪み部又はサイプの配設範囲をL1とし、前記周辺の前記窪み部又はサイプの配設範囲をL2とした場合、L2をL1で除した数値が0.2〜1.0である請求項2〜5のいずれかに記載の弾性クローラ。
  7. 前記多数の窪み部又はサイプの底部が湾曲されている請求項1〜6のいずれかに記載の弾性クローラ。
  8. 前記多数の窪み部又はサイプがその底部から開口部に向けて次第に広げられている請求項1〜7のいずれかに記載の弾性クローラ。
  9. 前記クローラ本体の内部にクローラ周方向に間隔をおいて配置された芯金が埋設され、この芯金と前記転輪の軌道面との間に被覆層が設けられている請求項1〜8のいずれかに記載の弾性クローラ。
  10. 請求項1に記載の弾性クローラを備えたクローラ式走行装置であって、
    前記軌道面を転動する転輪の外周に弾性体が設けられていることを特徴とするクローラ式走行装置。
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JP2016101836A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 株式会社クボタ ゴムクローラベルト

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