JP2005271295A - 低臭型frp防水構造およびその製造方法 - Google Patents

低臭型frp防水構造およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 施工時に発生する防水材からの有機溶剤等の臭気成分の揮散を抑制し、同時に下地材内へのFRP防水材からの臭気成分の浸透、吸着をも防止し、かつ下地材の動きに対する追従性にも優れた低臭型FRP防水構造を提供する。
【解決手段】 下地材1上に、プライマー材2、水性樹脂エマルジョン型防水材からなる防水性塗膜3、ノンスチレン型の不飽和ポリエステル樹脂又はノンスチレン型のビニールエステル樹脂を繊維マットに含浸させ複合化したノンスチレン型FRP防水材層4、保護塗膜5を積層してなる低臭型FRP防水構造。
【選択図】 図1

Description

本発明は、建築物の防水工法のうちFRP(繊維強化プラスチック)防水工法に関するもので、施工時に発生する防水材からの有機溶剤等の臭気成分の揮散を抑制し、同時に下地材内へのFRP防水材からの臭気成分の浸透、吸着をも防止し、かつ下地材の動きに対する追従性にも優れたFRP防水構造およびその製造方法に関するものである。
従来、FRP防水層を形成する方法は、例えば非特許文献1に記載されている様に、まずプライマー材を0.2kg/m2の目安にて下地材へ塗布し乾燥硬化させる。この時、プライマー材には50%〜80%のキシレンやトルエン、酢酸エチルといった有機溶剤が含まれているため、大部分が大気中へ揮散することとなり、作業者のみならず、住宅街にて施工した場合には近隣住民への健康被害をもたらすこととなる。また、有機溶剤の一部は下地材へ浸透、吸着され、時間の経過とともに建物内部へ拡散していくこととなる。
プライマー材が硬化した後、防水用の不飽和ポリエステル構脂をガラス繊維マットに含浸一体化させて硬化せしめ、繊維強化プラスチック層を形成する。この時、不飽和ポリエステル樹脂に30%〜50%含まれるスチレンの一部が大気中に揮散すると同時に、下地材内へも浸透、吸着する。その後、保護層として着色したトップコート用不飽和ポリエステル樹脂を塗布して完了となるが、その前に、先の防水用不飽和ポリエステル樹脂に適量の顔料を添加して下塗りし、一次保護層とする場合もある。
社団法人 日本建築学会、「FRP防水工事指針(案)・同解説」p.1〜41、2000年7月1日、社団法人 日本建築学会発行
低臭気性の防水材として、現場塗布型のものには、「水性エマルジョン型の塗膜防水材」や「ノンスチレン型のFRP防水材」、「無溶剤型のウレタン防水材」といつたものがある。この内「水性エマルジョン型の塗膜防水材」や「無溶剤型のウレタン防水材」では、乾燥硬化性が悪く、小さな施工面積でも1日での完了が困難であり、また物性も下地の動きに追従させるため、柔軟性の高い軟質な物性のものとする必要があり、結果として傷が付き易く、歩行用に用いるには表面に何らかの保護材等を施設するなどの処置が必要であつた。
一方、「ノンスチレン型のFRP防水材」は、従来のFRP防水材と変わらぬ硬化性や強靭な物性を備えているものの、溶剤であるスチレンが含まれていないため、一般に極めて高価な素材であり経済性に劣っている。低コストなものとするには、FRP防水材の使用量を減らせばよいが、薄くなればなるほど強度が低下し、より小さな下地材の動きでも防水層が破断する危険性が高くなり、防水性能の信頼性が低下してしまう問題があつた。また、極僅かではあるが、ノンスチレン型のFRP防水材からモノマー成分が揮散し、下地材へも浸透、吸着して臭気のもととなる危険性もあつた。
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、下地材に形成されたFRP防水構造において、施工時に発生する防水材からの有機溶剤等の臭気成分の揮散を抑制し、下地材内へのFRP防水層からの臭気成分の浸透、吸着を防止し、かつ下地材の動きに対する追従性にも優れた低臭型FRP防水構造およびその製造方法を提供することを目的とするものである。
すなわち、本発明は、水性樹脂エマルジョン型防水材からなる防水性塗膜と、該防水性塗膜の上にノンスチレン型の不飽和ポリエステル樹脂又はノンスチレン型のビニールエステル樹脂を繊維マットに含浸させ複合化したノンスチレン型FRP防水材層を有することを特徴とする低臭型FRP防水構造である。
また、本発明は、水性樹脂エマルジョン型防水材を塗布し硬化させて防水性塗膜を形成する工程、該防水性塗膜の上にノンスチレン型の不飽和ポリエステル樹脂又はノンスチレン型のビニールエステル樹脂を繊維マットに含浸一体化させながら塗布し硬化させて複合化させてノンスチレン型FRP防水材層を形成する工程を有することを特徴とする低臭型FRP防水構造の製造方法である。
本発明は、下地材に形成されたFRP防水構造において、施工時に発生する防水材からの有機溶剤等の臭気成分の揮散を抑制し、下地材内へのFRP防水材層からの臭気成分の浸透、吸着を防止し、かつ下地材の動きに対する追従性にも優れたFRP防水構造を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の低臭型FRP防水構造は、下地追従性に優れた低臭型FRP防水構造であり、下地材にプイマー材を塗布した上に、水性樹脂エマルジョン型の塗膜防水材を下塗りし、乾燥硬化して防水性塗膜を形成した後、その上からノンスチレン型の不飽和ポリエステル樹脂又はノンスチレン型のビニールエステル樹脂を用い、ガラス繊維マットに含浸一体化させながら塗布、硬化せしめて複合化させたノンスチレン型FRP防水材層を積層することを特徴とする、施工時の溶剤臭の発生及び施工後の溶剤臭の残留がほとんどなく、下地追従性にも優れたFRP防水構造である。
すなわち、本発明は、一次防水層(防水性塗膜)としてまず水性樹脂エマルジョン型の塗膜防水材を塗布して硬化させた上に、二次防水層(ノンスチレン型FRP防水材層)としてノンスチレン型のFRP防水材を塗布して一体化させることを特徴としている。
次に、本発明を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明により形成される低臭型FRP防水構造を示す基本的な構成図である。図1に示す様に、本発明の低臭型FRP防水構造は、下地材1上に、プライマー材2、水性樹脂エマルジョン型防水材からなる防水性塗膜3、ノンスチレン型の不飽和ポリエステル樹脂又はノンスチレン型のビニールエステル樹脂を繊維マットに含浸させ複合化したノンスチレン型FRP防水材層4、保護塗膜5を積層してなることを特徴としている。
本発明の低臭型FRP防水構造を製造する方法は、まず、下地材1にプイマー材2を塗布する。下地材1が十分に乾燥していることを確認し、接着を高めるためのプライマー材2として、例えばアクリル樹脂エマルジョン型水性プライマー(商品名:FDプライマー、固形分75%、フヨー(株)製)を0.1〜0.5kg/m2、望ましくは0.2〜0.3kg/m2の塗布量で塗布して乾燥、硬化させる。
下地材1は、特に制限することはなく、通常の屋外または屋内に使用される下地材を用いることができ、例えばフレキシブルボード、ケイ酸カルシウム板、パルプセメント板、コンクリート板等が挙げられる。
プライマー材2には、アクリル樹脂エマルジョンの他に、エポキシ樹脂エマルジョンを用いることができる。
次に、プライマー材2の上に防水性塗膜3を形成する。防水性塗膜3を形成するには水性樹脂エマルジョン型防水材が用いられる。水性樹脂エマルジョン型防水材として、例えばアクリル樹脂エマルジョン型防水材(商品名:FDコート、固形分72%、フヨー(株)製)を0.1〜5.0kg/m2、好ましくは0.5〜2.0kg/m2の塗布量で塗布して乾燥、硬化させる。塗布量が0.6kg/m2以上の場合は複数回に分けて塗り重ねるのが好ましい。
前記水性樹脂エマルジョン型防水材には、アクリル樹脂系、エチレン酢酸ビニール樹脂系、エポキシ樹脂系、酢酸ビニール樹脂系、ゴムアスファルト系、スチレン・ブタジエンゴム系の水性エマルジョンからなる防水材が用いられ、その硬化物の伸び率が10%〜3000%、好ましくは200%〜1000%であるものが望ましい。
硬化物の伸び率とは、下記の式(1)により求めた値を示す。
Figure 2005271295
Y:硬化物の伸び率(%)
X:引張破断時の最大長さ(mm)
C:初期の長さ(mm)
次に、防水性塗膜3の上にノンスチレン型FRP防水材層4を形成する。ノンスチレン型FRP防水材層4は、ベンゾイルパーオキサイドなど硬化剤と、オクチル酸コバルトなど硬化促進剤を適当量添加したノンスチレン型不飽和ポリエステル樹脂、又はノンスチレン型ビニールエステル樹脂を、繊維マット(例えばガラスチョップドストランドマットであれば、重量は0.3〜0.9kg/m2である)に含浸、一体化させながら塗布する。樹脂の塗布量は、使用する繊維マットの種類や厚さにより増減させるが、おおむね0.2〜3.0kg/m2の範囲であり、ガラスチョップドストランドマットであれば、0.8〜2.8kg/m2の範囲である。
本発明におけるノンスチレン型FRP防水材層に用いられるノンスチレン型不飽和ポリエステル樹脂の具体例としては、例えば商品名:ポリライトFH−800系(大日本インキ化学工業(株)製)が挙げられる。
ノンスチレン型ビニールエステル樹脂の具体例としては、例えば商品名:リゴラックKRN−880(昭和高分子(株)製)が挙げられる。
繊維マットの具体例としては、例えばガラス繊維マット、ポリエステル繊維マット、ビニロン繊維マット、アクリル繊維マット等が挙げられる。
次に、ノンスチレン型FRP防水材層4の上に保護塗膜5を形成する。保護塗膜5はノンスチレン型FRP防水材層の表面の保護及び意匠性の向上のために、着色された塗料を0.1〜1kg/m2、望ましくは0.3〜0.6kg/m2の塗布量で塗布して仕上げる。塗料の素材はFRP防水材との接着性に問題がなければ特に問わないが、一般にノンスチレン型の不飽和ポリエステル樹脂系、又はノンスチレン型のビニールエステル樹脂系の着色塗料が望ましい。
本発明の低臭型FRP防水構造は、前述の構成の通り、有機溶剤成分を含まない防水材料同士の複合化からなるため、施工時の臭気の発生が極めて低い。
また、下地材内への臭気成分の浸透、吸着もほとんどない優れた環境対策工法となる。特に、僅かではあるが揮散するノンスチレン型FRP防水材層からのモノマー成分の下地材への浸透、吸着を、下塗りする水性エマルジョン型防水性塗膜が防臭フィルムの役割を果たし、下地材内への臭気成分の浸透、吸着を防止することができ、さらに室内の臭気対策上好ましい効果をもたらすことができる。
以下、実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1
図1に示す低臭型FRP防水構造を作製した。
下地材のフレキシブルボードに、プイマー材として、水性アクリル樹脂エマルジョン型プライマー(商品名:FDプライマー、固形分75%、フヨー(株)製)を塗布量0.3kg/m2で塗布して乾燥、硬化させた。
次に、プイマー材の上に、水性アクリル樹脂エマルジョン型防水材(商品名:FDコート、固形分72%、フヨー(株)製)を塗布量0.5kg/m2で塗布して乾燥、硬化させ、防水性塗膜を形成した。水性アクリル樹脂エマルジョン型防水材の硬化物の伸び率は458%であった。
次に、防水性塗膜の上に、硬化剤のベンゾイルパーオキサイド1.5重量%、硬化促進剤のオクチル酸コバルト0.5重量%を添加した、ノンスチレン型ビニールエステル樹脂(商品名:リゴラックKRN−880、昭和高分子(株)製)を、ガラスチョップドストランドマットに含浸、一体化させながら塗布し、乾燥、硬化させてノンスチレン型FRP防水材層を形成した。ノンスチレン型ビニールエステル樹脂の塗布量は、0.4kg/m2および0.4kg/m2であり、ガラスチョップドストランドマットは0.3kg/m2であった。
次に、ノンスチレン型FRP防水材層の上に保護塗料として、着色ノンスチレン型ビニールエステル樹脂(商品名:リゴラックKRN−550T、昭和高分子(株)製)を塗布量0.4kg/m2で塗布して乾燥、硬化させて低臭型FRP防水構造を得た。
実施例2
実施例1において、ノンスチレン型FRP防水材層の組成を、ノンスチレン型ビニールエステル樹脂の塗布量を0.5kg/m2および0.5kg/m2、ガラスチョップドストランドマットの重量を0.38kg/m2に代えた以外は、実施例1と同様の方法で低臭型FRP防水構造を得た。
実施例3
実施例1において、水性アクリル樹脂エマルジョン型防水材(商品名:FDコート、固形分72%、フヨー(株)製)の塗布量1.0kg/m2に代え、およびノンスチレン型FRP防水材層の組成を、ノンスチレン型ビニールエステル樹脂の塗布量を0.5kg/m2および0.5kg/m2、ガラスチョップドストランドマットの重量を0.38kg/m2に代えた以外は、実施例1と同様の方法で低臭型FRP防水構造を得た。
比較例1
実施例2において、プイマー材および水性アクリル樹脂エマルジョン型防水材を使用しない以外は、実施例2と同様の方法で低臭型FRP防水構造を得た。
上記の実施例1〜3および比較例1の低臭型FRP防水構造の組成を下記の表1に示す。
Figure 2005271295
(注)
*印の水性アクリル樹脂エマルジョン型防水材の硬化物の伸び率は458%である。
水性アクリル樹脂エマルジョン型プライマー(商品名:FDプライマー、固形分75%、フヨー(株)製)
水性アクリル樹脂エマルジョン型防水材(商品名:FDコート、固形分72%、フヨー(株)製)
ノンスチレン型ビニールエステル樹脂(商品名:リゴラックKRN−880、昭和高分子(株)製)
着色ノンスチレン型ビニールエステル樹脂(商品名:リゴラックKRN−550T、昭和高分子(株)製)
比較例2
下地材のフレキシブルボードに、プイマー材として、湿気硬化型ウレタン樹脂(商品名:プライマ−PD、固形分35%、大日本インキ化学工業(株)製)を塗布量0.2kg/m2で塗布して乾燥、硬化させた。
次に、プイマー材の上に、FRP防水材として、適量の硬化剤(メチルエチルケトンパーオキサイド1.0重量%)を添加した不飽和ポリエステル樹脂(商品名:ポリライトFR−270、スチレン35重量%含有、大日本インキ化学工業(株)製)を、ガラスチョップドストランドマットに含浸、一体化させながら塗布し、乾燥、硬化させてFRP防水材層を形成した。不飽和ポリエステル樹脂の塗布量は、0.5kg/m2および0.5kg/m2であり、ガラスチョップドストランドマットは0.38kg/m2であった。
次に、FRP防水材層の上に保護塗料として、着色不飽和ポリエステル樹脂(商品名:パーフェクトコートC−100、スチレン35重量%含有、東京インキ(株)製)を塗布量0.4kg/m2で塗布して乾燥、硬化させてFRP防水構造を得た。
比較例3〜4
比較例2において、プイマー材の湿気硬化型ウレタン樹脂、FRP防水材として不飽和ポリエステル樹脂およびガラスチョップドストランドマット、保護塗料として着色不飽和ポリエステル樹脂の使用量を下記の表2に示す様に代えた以外は、比較例2と同様の方法でFRP防水構造を得た。
上記の比較例2〜4のFRP防水構造の組成を下記の表2に示す。
Figure 2005271295
次に、下記の表3には、高さ100mm×縦300mm×横300mmの床下空間の模型を作り、上面に厚さが12mmのケイ酸カルシウム板を置いて、実施例2と比較例2の防水構造の防水材を塗布し、空間内のスチレン及びキシレンの濃度を検知管式濃度測定器((株)ガステック社製)により測定した結果を示す。
Figure 2005271295
スチレンは不飽和ポリエステル樹脂から、またキシレンはプライマー材からケイ酸カルシウム板を透過して来たものである。
表3の結果から、従来の溶剤型FRP防水材である比較例2では、極めて高濃度の状態であるのに対して、実施例2では当然のことながら測定下限未満であり、室内の揮発性有機化合物濃度を上昇させる心配がほとんどないことが認められる。
また、実施例2と比較例1の下地材裏面(防水材のない面)に鼻を近づけ、ノンスチレン型FRP防水材のモノマー成分臭を官能評価した結果を下記の表4に示す。表4の結果から、水性エマルジョン型塗膜防水材の防臭効果は明らかであつた。
Figure 2005271295
(注)
0:全く感じない
1:わずかに感じる
2:やや感じる
3:強く感じる
4:非常に強く感じる
柔軟性の高い水性樹脂エマルジョン型防水材からなる防水性塗膜が緩衝材の役割となり、下地材の動きを緩和して、その上の硬いFRP防水材層が破断するのを抑制する。その結果、FRP防水材層をより薄く、引張り強度の低いものとしても、従来と変わらないか、それ以上の下地追従性能を持たせることができる。
下記の表5に30mm幅当りのゼロスパンテストによる下地クラック追従性能のテスト結果を示す。
Figure 2005271295
(注1)FRP防水材の最大引張り強度(N/30mm幅)を示す。測定は2トンオートグラフ(島津製作所製)により行った。
(注2)クラック目地部の最大引張り強度時の伸び(mm)を示す。測定は2トンオートグラフ(島津製作所製)により行った。
表5の結果から、例えば、実施例2と比較例2とは、FRP防水材層の厚さは同じであるものの、クラック目地部の伸び幅を比較すると、実施例2は比較例2の約2.3倍あり、それだけ実施例2の方がより大きなクラック幅でも破断しないことを示している。
FRP防水材層の厚さが1.7倍の比較例4と比較しても、実施例2及び実施例3は伸び幅が大きく、よりFRP防水材層を薄くすることが可能であることを示している。これまで、溶剤型のウレタン防水材とスチレン含有型のFRP防水材を組み合わせたものはあったが、無溶剤型でこのような効果をもたらすものは無かった。
水性エマルジョン型塗膜防水材のみで防水層を完成させるには、プライマーから保護塗料まで含めると、4回〜6回塗り重ねるのが一般的である。しかしながら、水性であるため乾燥硬化に時間がかかり、何回も塗り重ねるには、小さな施工面積であつても2日以上必要となっている。本発明では、水性塗膜防水材はプライマーを含めても2回〜3回の塗り重ねでよいため、乾燥、硬化待ち時間が従来の半分以下で済み、ノンスチレン型FRP防水材の施工を含めても1日での完了が可能である。
水性樹脂エマルジョン型防水材は、下地追従性能を高めるために柔軟性の高い物性を持っている。従つて、出来上がった防水性塗膜は柔らかく傷が付き易く、歩行用として用いるにはタイル等の硬い保護材が必要であつた。本発明では、硬く強靭なノンスチレン型FRP防水材が保護材としての機能も果たすため、新たに保護材を施設する必要がなく経済上有利である。
本発明の低臭型FRP防水構造は、施工時に発生する防水材からの有機溶剤等の臭気成分の揮散を抑制し、下地材内へのFRP防水材層からの臭気成分の浸透、吸着を防止し、かつ下地材の動きに対する追従性にも優れているので、バルコニーや陸屋根などの防水工事に利用することができる。
本発明の下地追従性に優れた低臭型FRP防水構造の構成断面図である。
符号の説明
1 下地材
2 プライマー材
3 防水性塗膜(水性エマルジョン型塗膜防水材)
4 ノンスチレン型FRP(繊維強化プラスチック)防水材層
5 保護塗膜

Claims (4)

  1. 水性樹脂エマルジョン型防水材からなる防水性塗膜と、該防水性塗膜の上にノンスチレン型の不飽和ポリエステル樹脂又はノンスチレン型のビニールエステル樹脂を繊維マットに含浸させ複合化したノンスチレン型FRP防水材層を有することを特徴とする低臭型FRP防水構造。
  2. 前記水性樹脂エマルジョン型防水材が、アクリル樹脂系、エチレン酢酸ビニール樹脂系、エポキシ樹脂系、酢酸ビニール樹脂系、ゴムアスファルト系、スチレン・ブタジエンゴム系の防水材のいづれかであつて、硬化物の伸び率が10%〜3000%である請求項1記載の低臭型FRP防水構造。
  3. 水性樹脂エマルジョン型防水材を塗布し硬化させて防水性塗膜を形成する工程、該防水性塗膜の上にノンスチレン型の不飽和ポリエステル樹脂又はノンスチレン型のビニールエステル樹脂を繊維マットに含浸一体化させながら塗布し硬化させて複合化させてノンスチレン型FRP防水材層を形成する工程を有することを特徴とする低臭型FRP防水構造の製造方法。
  4. 前記水性樹脂エマルジョン型防水材が、アクリル樹脂系、エチレン酢酸ビニール樹脂系、エポキシ樹脂系、酢酸ビニール樹脂系、ゴムアスファルト系、スチレン・ブタジエンゴム系のいづれかであつて、硬化物の伸び率が10%〜3000%である請求項3記載の低臭型FRP防水構造の製造方法。
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