JP2005270578A - 生体内組織閉鎖装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】血管への挿入および閉鎖作業が容易であり、かつ確実に生体内組織膜に形成された穴を閉鎖することができる生体内組織閉鎖装置を提供する。
【解決手段】生体内組織閉鎖装置1は、生体内組織膜(具体的には、血管)に形成された経皮的に貫通した穴を閉鎖するための生体内組織閉鎖装置である。閉鎖装置1は、内腔21aと先端部に設けられた向かい合う2つのスリットを有する外筒2と、外筒2の先端部内に収納されるとともに生体内組織膜に形成された穴を閉鎖するための閉鎖部材と、外筒2の先端部を押し広げ向かい合う2つのスリットを近接させ、向かい合う2つのスリットを近接させ、閉鎖部材を外筒2より露出させるための外筒先端部変形操作用部材5とを備えている。
【選択図】図4

Description

本発明は、生体内組織膜、例えば、血管に形成された経皮的に貫通した穴を閉鎖するための生体内組織閉鎖装置に関する。
血管や他の生体内部構造中にカテーテル等の診断、治療用装置を挿入する低侵襲手術が広く行われている。例えば、心臓の冠状動脈の狭窄の治療において、治療処置を行うために血管中へのカテーテル等の器具を挿入することが必要となる。カテーテル等の血管内への挿入は、通常大腿部を切開した穿刺孔から行われる。従って、処置を終えた後には、その穿刺孔の止血をする必要があるが、大腿動脈からの出血時の血圧(出血圧力)は高く、止血作業は非常に困難であり、従来は医療従事者が長時間、手で押さえ続ける等の過酷な作業が行われていた。近年、この止血作業を容易かつ確実に行うべく、血管に作られた穴を縫合するために、傷穴を通して挿入される装置が開発されている。
上記のような装置として、特開2003−325533号公報(特許文献1)において大腿部より経皮的に装置を挿入し、2本の針を穿刺することにより血管穿刺部を一糸縫合する装置を本件出願人は提案している。
この装置は、血管傷穴より血管内部に装置先端可動部を挿入し、手元操作により先端部を血管と並行に移動させ、血管壁に先端部を位置決めする。その後、血管直上より2本の針を穿刺し、先端部により針を受け止め、内部に仕込まれた糸を把持、あるいは内部のルーメンを通して糸を回収し、血管穿刺部を一糸縫合するものである。
特開2003−325533号公報
上記の縫合装置は、十分な効果を有するが、糸を通した後に、糸を血管直上で結ぶために新たに別の糸結び、結び目押し込み装置が必要となり、縫合操作が若干煩雑である。
そこで、本発明の目的は、血管への挿入および閉鎖作業が容易であり、かつ確実に生体内組織膜に形成された穴を閉鎖することができる生体内組織閉鎖装置を提供するものである。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 生体内組織膜に形成された経皮的に貫通した穴を閉鎖するための生体内組織閉鎖装置であって、該閉鎖装置は、内腔と先端部に設けられた向かい合う2つのスリットとを有する外筒と、前記外筒の先端部内に収納されるとともに前記生体内組織膜に形成された穴を閉鎖するための閉鎖部材と、前記外筒の先端部を押し広げ前記向かい合う2つのスリットを近接させ、前記閉鎖部材を前記外筒より露出させるための外筒先端部変形操作用部材とを有する生体内組織閉鎖装置。
(2) 前記閉鎖部材は、ステープルと該ステープルに接続された牽引部材とを有するものであり、前記生体内組織閉鎖装置は、先端面に前記ステープルを変形させることが可能な2つのクリンチャー部を備え、前記ステープルが先端部より露出し、前記牽引部材を後端部より露出するように、該牽引部材を収納するとともに、前記外筒の内腔内に挿入されたシャフト部を有するものである上記(1)に記載の生体内組織閉鎖装置。
(3) 前記閉鎖部材は、糸部材と該糸部材の両端部に固定された2つのアンカー部材とを有するものであり、前記生体内組織閉鎖装置は、先端に刃面を有し、前記アンカー部材の一方を先端部に収納した第1の中空針部材と、先端に刃面を有し、前記アンカー部材の他方を先端部に収納した第2の中空針部材と、該第1および第2の中空針部材のそれぞれの内部に摺動可能に収納されたアンカー押出部材と、前記第1および第2の中空針部材を先端より突出可能に収納するとともに、前記外筒の内腔内に挿入されたシャフト部と、前記第1および第2の中空針部材を前記シャフト部の先端より突出させるための針部材押出用操作部と、前記アンカー押出部材を先端側に進行させるためのアンカー押出部材操作部とを有するものである上記(1)に記載の生体内組織閉鎖装置。
(4) 前記シャフト部は、前記外筒より抜去可能である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の生体内組織閉鎖装置。
(5) 前記外筒先端部変形操作用部材は、鉗子状部材であり、シャフト部後端部より突出する部分を押圧することにより、先端が広がり、前記外筒の先端を変形させるものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の生体内組織閉鎖装置。
(6) 前記外筒の先端部は、前記向かい合うスリット間に形成された向かい合う変形容易部を備えている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の生体内組織閉鎖装置。
(7) 前記生体内組織閉鎖装置は、前記シャフト部内を延び、一端が生体内組織内に挿入可能な先端部位において開口し、他端が前記外筒の基端側部側にて開口する拍動確認用ルーメンと、該ルーメンに接続された拍動確認用部材を備えている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の生体内組織閉鎖装置。
(8) 前記生体内組織閉鎖装置は、前記外管の内腔内と連通するチューブと該チューブに接続された三方活栓と、該三方活栓の1つのポートに取り付けられた拍動確認用部材とを備える拍動検出部を備えている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の生体内組織閉鎖装置。
本発明の生体内組織閉鎖装置は、生体内組織膜に形成された経皮的に貫通した穴を閉鎖するための生体内組織閉鎖装置であって、該閉鎖装置は、内腔と先端部に設けられた向かい合う2つのスリットとを有する外筒と、前記外筒の先端部内に収納されるとともに前記生体内組織膜に形成された穴を閉鎖するための閉鎖部材と、前記外筒の先端部を押し広げ前記向かい合う2つのスリットを近接させ、前記閉鎖部材を前記外筒より露出させるための外筒先端部変形操作用部材とを有するものである。このため、外筒内に収納された外筒先端部変形操作用部材で外筒を押し広げるように偏平に変形させることにより、穴を細長い状態に変形させるため、閉鎖部材による縫い代を小さくすることが可能となる。さらに、血管内側より外側に向かって血管穿刺するため、外側から内側へ穿刺するときのような血管貫通の心配がなく、生体内組織膜に形成された穴の閉鎖作業が容易である。
そして、前記閉鎖部材が、ステープルと該ステープルに接続された牽引部材とを有するものであり、前記生体内組織閉鎖装置が、先端面に前記ステープルを変形させることが可能な2つのクリンチャー部を備え、前記ステープルが先端部より露出し、前記牽引部材を後端部より露出するように、該牽引部材を収納するとともに、前記外筒の内腔内に挿入されたシャフト部を有するものであれば、縫合糸を用いた装置とは異なり、ステープルをかしめるだけで生体内組織膜に形成された穴の閉鎖が終了するため、糸結び、結び目押し込みに必要な別の装置を用いる必要がなく、閉鎖作業がより容易でなる。
また、前記閉鎖部材が、糸部材と該糸部材の両端部に固定された2つのアンカー部材とを有するものであり、前記生体内組織閉鎖装置が、先端に刃面を有し、前記アンカー部材の一方を先端部に収納した第1の中空針部材と、先端に刃面を有し、前記アンカー部材の他方を先端部に収納した第2の中空針部材と、該第1および第2の中空針部材のそれぞれの内部に摺動可能に収納されたアンカー押出部材と、前記第1および第2の中空針部材を先端より突出可能に収納するとともに、前記外筒の内腔内に挿入されたシャフト部と、前記第1および第2の中空針部材を前記シャフト部の先端より突出させるための針部材押出用操作部と、前記アンカー押出部材を先端側に進行させるためのアンカー押出部材操作部とを有するものであれば、中空針部材の刺通およびアンカー押圧部材の押圧を行うことにより、生体内組織膜に形成された穴の閉鎖が終了するため、糸結び、結び目押し込みに必要な別の装置を用いる必要がなく、閉鎖作業が容易となる。
そこで、本発明の生体内組織閉鎖装置を血管閉鎖装置に応用した実施例について説明する。なお、本発明の生体内組織閉鎖装置は、血管閉鎖装置に限定されるものではなく、他の生体内組織に形成された穴の閉鎖にも利用できる。
図1は、本発明の生体内組織閉鎖装置の一実施例の外観図である。図2は、図1に示した生体内組織閉鎖装置の正面図である。図3は、本発明の生体内組織閉鎖装置の一実施例の内部構造を説明するための部分省略断面図である。図4は、図3のA−A線断面図である。図5は、本発明の生体内組織閉鎖装置の一実施例の先端部分の内部構造を説明するための説明図である。図6は、本発明の生体内組織閉鎖装置に使用されるシャフト部の一例の先端部を説明するための拡大説明図である。
本発明の生体内組織閉鎖装置1は、生体内組織膜(具体的には、血管11)に形成された経皮的に貫通した穴12を閉鎖するための生体内組織閉鎖装置である。閉鎖装置1は、内腔21aと先端部に設けられた向かい合う2つのスリット23a,23bを有する外筒2と、外筒2の先端部内に収納されるとともに生体内組織膜に形成された穴を閉鎖するための閉鎖部材4と、外筒2の先端部を押し広げ向かい合う2つのスリットを近接させ、向かい合う2つのスリット23a,23bを近接させ、閉鎖部材4を外筒2より露出させるための外筒先端部変形操作用部材5とを備えている。
そして、この実施例の生体内組織閉鎖装置1は、外筒2の先端部内に収納されるとともに生体内組織膜11に形成された穴12を閉鎖するためのステープル41とステープル41に接続された牽引部材42とを有する閉鎖部材4と、先端面にステープル41を変形させることが可能な2つの凹形状のクリンチャー部57a,57bを備え、ステープル41が先端部より露出し、牽引部材42を後端部より露出する様に牽引部材42を収納するとともに、外筒2の内腔21a内に挿入されたシャフト部3と、先端部がシャフト部3より突出するように、シャフト部3内に収納されるとともに、外筒2の先端部を押し広げ、向かい合う2つのスリット23a,23bを近接させ、ステープル41を外筒2より露出させるための外筒先端部変形操作用部材5とを備えている。
この実施例の生体内組織閉鎖装置1は、図1および図2に示すように、外筒2と、外筒2内に挿入されたシャフト部3とからなる。シャフト部3は、外筒2に固定されている。
外筒2は、図3、図4に示すように、外筒本体21と、外筒本体21の基端に固定された外筒ハブ22と、外筒本体21の基端部内面に設けられたシール用部材25と、拍動検知部6を備えている。
外筒本体21は、先端より基端まで貫通した内腔21aを備えるチューブ体であり、先端に、向かい合う2つのスリット23a,23bを備える。さらに、外筒本体21は、先端部であり、かつ向かい合う2つのスリット23a,23bの基端より若干基端側となる位置に形成された拍動検知用の側孔24を備えている。
外筒本体21としては、長さが30〜500mmであることが好ましい。また、外径が1.0〜10.0mmであることが好ましい。また、外筒本体の形成材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィンおよびオレフィン系エラストマー(例えば、ポリエチレンエラストマー、ポリプロピレンエラストマー)、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、軟質ポリ塩化ビニル、ポリウレタンおよびウレタン系エラストマー、ポリアミドおよびアミド系エラストマー(例えば、ポリアミドエラストマー)、ポリテトラフルオロエチレンおよびフッ素樹脂エラストマー、ポリイミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム等の高分子材料が使用できる。
また、外筒の先端部は、他の部分に比べて、柔軟もしくは変形癖が付けてあり変形が容易なものとなっていてもよい。また、外筒の先端部は、向かい合うスリット間に形成された向かい合う変形容易部29a,29bを備えていてもよい。変形容易部としては、例えば、外筒の先端よりスリットと平行に基端側に延びる薄肉部もしくは柔軟部により形成することができる。
拍動検知部6は、図3に示すように、外筒本体21の内腔21aの基端部とチューブ61により接続された三方活栓62と、三方活栓62の1つのポートに取り付けられた拍動確認用部材63と、三方活栓62の他のポート64により形成される液体充填用ポート64を備える。三方活栓62は、チューブ61を一方のポートおよび他方のポートに対して選択的に連通させるための操作部65を備えている。拍動確認用部材63は、三方活栓の内部に充填された液体に付加される圧力により変化する液面を外部より視認できるものが用いられる。チューブ61は、外筒ハブ22に設けられたポート28に液密に固定されている。そして、チューブ61は、ハブ22内に形成された通路22aおよび外筒本体21に形成された側孔21bにより、外筒内腔21aと連通している。なお、拍動確認用部材63としては、三方活栓の内部に充填された液体に付加される圧力変化により変形する圧力感受性膜を備えるものであってもよい。充填用液体としては、生理食塩水などの生理的等調液が好適である。
使用に際しては、三方活栓62の液体充填用ポート64に生理食塩水などの充填用液体を収納した液体注入器具(図示せず)を取り付け、三方活栓の操作部65を切り換えて、液体充填用ポート64とチューブ61とを連通させ、液体注入器具のプランジャーを押し、液体をチューブ61内およびハブ22内の通路22a、外筒内腔21a内に充填する。そして、再び、操作部65を切り替え、拍動確認用部材取付ポートとチューブ61とを連通させる。このように液体をチューブ内に充填させることにより、三方活栓から血液が外部に露出されることを防止でき、かつ、チューブ61および三方活栓に血液が充填されないので血液が無駄に廃棄されることを防止できる。シール用部材25としては、リング状弾性部材が使用される。
シャフト部3は、図3および図4に示すように、シャフト本体31と、その後端部に設けられたシャフトハブ32とを備える。シャフト本体31は、上記拍動検知部のチューブ61に血液圧力を伝達するための軸方向に延びる伝達路58を備えている。伝達路58の先端は、外筒本体21に設けられた側孔24と対応する位置に設けられており、基端は、外筒本体21の基端に設けられた側孔ならびに通路22aに対応する位置に設けられている。伝達路としては、図示するような側面に形成された溝であることが好ましいが、シャフト本体の肉厚内に形成されたルーメンであってもよい。また、シャフト本体31は、後述する閉鎖部材の牽引部材42を牽引可能に収納するためのルーメン33と、後述する外筒先端部変形操作用部材5を収納する空洞部56を備えている。さらに、シャフト本体31の先端面には、図6に示すように、後述するステープル41を変形させることが可能な2つの凹形状のクリンチャー部57a,57bが設けられている。
シャフト部3の形成材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィンおよびオレフィン系エラストマー、ポリエチレンテレフタラートなどのポリエステル、軟質ポリ塩化ビニル、ポリウレタンおよびウレタン系エラストマー、ポリアミドおよびアミド系エラストマー、ポリテトラフルオロエチレンおよびフッ素樹脂エラストマー、ポリイミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム等の高分子材料、およびステンレス鋼、Ni−Ti合金、Cu−Zn合金、Ni−Al合金、タングステン、タングステン合金、チタン、チタン合金、コバルト合金、タンタル等の各種金属あるいは、これらを適宜組み合わせたものが使用できる。
生体内組織閉鎖装置1は、図3および図5に示すように、血管11に形成された穴12を閉鎖するための閉鎖部材4を備えている。閉鎖部材4は、ステープル41とステープル41に接続された牽引部材42と、牽引部材42の後端部に固定された牽引操作部43とからなる。なお、牽引操作部を設けることなく、牽引部材42の露出する部分を操作部として用いてもよい。閉鎖部材4は、ステープル41が外筒本体21の先端部内であり、かつシャフト本体31の先端より露出し、さらに、牽引部材42が、シャフト本体31のルーメン33を貫通し、後端部より露出するように、生体内組織閉鎖装置1内に収納されている。
ステープル41は、血管を刺通するための尖端部41a,41bを備えるとともに、シャフト本体31の先端面に形成された凹形状のクリンチャー部57a,57bに押しつけられることにより変形する針部と、2つの針部を連結する本体部を備えている。本体部の中央には、牽引部材を貫通するための通路41cが形成されている。ステープルの形状としては、図12に示すようなものであってもよい。このステープル45では、血管を刺通するための尖端部46a,46bを備えるとともに斜め下方に平行に延びるとともに、シャフト本体31の先端面に形成された凹形状のクリンチャー部57a,57bに押しつけられることにより変形する針部と、2つの針部を連結する本体部を備えている。本体部の中央には、牽引部材を貫通するための通路が形成されている。このステープルの材料としては、ステンレス鋼、ピアノ線、チタン、チタン合金等の各種金属材料が使用できる。ステープルの大きさとしては、針部および本体部の線径もしくは厚さは、0.1〜1.0mm程度が好ましく、本体部の長さは、1〜10mm程度が好ましく、針部の長さは、2〜5mm程度が好ましい。
牽引部材42は、図3に示すように、ステープル41の通路41cを貫通し、平行して、シャフト本体31のルーメン33内を延び、シャフト部3の後端部より、外部に延出している。そして、牽引部材42の後端部には、牽引操作部43が設けられている。牽引部材42としては、牽引ワイヤであることが好ましく、金属線材、強靭な糸などが好ましい。金属線材としては、ステンレス鋼、Ni−Ti合金、Cu−Zn合金、Ni−Al合金、タングステン、タングステン合金、チタン、チタン合金、コバルト合金、タンタル等の各種金属の単独の線材か、あるいは線材の表面に、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィンおよびオレフィン系エラストマー(例えば、ポリエチレンエラストマー、ポリプロピレンエラストマー)、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、軟質ポリ塩化ビニル、ポリウレタンおよびウレタン系エラストマー、ポリアミドおよびアミド系エラストマー(例えば、ポリアミドエラストマー)、ポリテトラフルオロエチレンおよびフッ素樹脂エラストマー、ポリイミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム等の高分子材料を被覆したものが使用される。さらに、外面の滑性を増加させる為にシリコンや各種親水性樹脂をコーティングしても良い。強靭な糸としては、ポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46などのポリアミド系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維などの合成繊維、さらには、ガラス繊維、アモルファス繊維などの単繊維もしくは複数本を撚ったものなどが好適である。
なお、この実施例の牽引部材42は、2本の平行する牽引部材が基端側において1本にまとめられた状態となっている。そして、図10に示すように、牽引されることにより、牽引部材42の2本の平行部分がシャフト部3より露出する。そして、露出する部分における一方の牽引部材42を切断した後、切断されていない側の牽引部材を引っ張ることにより、牽引部材42はステープル42とり取り外される。
生体内組織閉鎖装置1は、図4、図5および図6に示すように、外筒2の先端部を押し広げ、向かい合う2つのスリット23a,23bを近接させ、ステープル41を外筒2より露出させるための外筒先端部変形操作用部材5とを備えている。
この実施例における外筒先端部変形操作用部材5は、鉗子状部材であり、シャフト部後端部より突出する部分を押圧することにより、先端が広がり、前記外筒の先端を変形させるものである。
変形操作用部材5は、その先端部が外筒本体21の先端部内であり、かつシャフト本体31の先端より露出するように、生体内組織閉鎖装置1内に収納されている。この実施例における変形操作用部材5は、鉗子部51a,52aと、この鉗子部51a,52aの開閉操作を行うための力を伝達するための棒状部51b、51c、52b、52cと、押圧操作部53を備えている。具体的には、操作用部材5は、1組の操作体51,52からなり、各操作体は、鉗子部51a,52a、鉗子部51a,52aの基端に回動可能に先端が取付けられたクランク部51b、52bと、このクランク部51b、52bの基端に回動可能に先端が取り付けられた棒状部51c,52cを備えている。鉗子部51a,52aは、両者が交差する部分において、シャフト本体31に固定された軸部材26により回動可能に固定されている。このため、鉗子部51a,51bは、開閉動作を行うことが可能であるとともに、軸方向に移動しないものとなっている。
さらに、この実施例では、押圧操作部53は、押圧距離規制部54a,54bを備えており、この押圧距離規制部の先端は、シャフトハブ32と当接することにより、過剰な押圧を規制する。そして、棒状部51c、52cの基端は、押圧距離規制部材54a,54bに取り付けられている。さらに、押圧操作部53とシャフトハブ32間には、押圧操作部53を基端方向に付勢する付勢部材55a,55bが設けられている。具体的には、押圧距離規制部材54a、54bのそれぞれを被包するように、付勢部材であるばね55a,55bが設けられている。このため、変形操作用部材5は、その基端が常に基端方向に付勢されているため、先端部にある鉗子部は、常に閉塞する方向、言い換えれば、ステープル41を保持する方向に付勢されており、押圧操作部53を操作しない限り、ステープル41を挟持する。なお、この実施例では、鉗子部51a,52aの先端部の側面は、外筒本体の変形を容易にするために、鋭角なエッジ状を備えるものとなっている。また、この実施例では、鉗子部51a,52aのそれぞれは、ステープル保持用のための向かい合うリブを備えている。
さらに、生体内組織閉鎖装置1は、押圧操作状態保持機構、言い換えれば、鉗子部開放状態保持機構、すなわち、外筒の先端部を押し広げ向かい合う2つのスリットが近接した状態を保持する機構を備えているものであってもよい。この機構としては、例えば、上述した押圧操作部53の押圧距離規制部54a,54bの先端部係合部を設けるととともに、シャフトハブ32の貫通孔内に上記の係合部と係合可能な係合部を設けることにより構成することができる。
シャフト本体31は、図4に示すように、変形操作用部材5を収納するための空洞部56を備えるとともに、空洞部56は、鉗子部51a,52aの中央部および基端部を収納する第1の空洞部56aと、クランク部51bおよび棒状部51cを収納する軸方向に延びる第2の空洞部56bと、クランク部52bおよび棒状部52cを収納する軸方向に延びる第3の空洞部56cとを備えている。なお、この実施例では、空洞部は、側面が開口した溝状のものとなっているが、側面が閉塞したルーメン状のものであってもよい。
次に、上述した実施例の生体内組織閉鎖装置1の作用を図7ないし図11を用いて説明する。
最初に、拍動検出部6の液体充填用ポート64に生理食塩水などの充填用液体を収納した液体注入器具(図示せず)を取り付け、三方活栓の操作部65を切り換えて、液体充填用ポート64とチューブ61とを連通させ、液体注入器具のプランジャーを押し、液体をチューブ61内およびハブ22内の通路22a、外筒内腔21a内に充填する。そして、再び、操作部65を切り替え、拍動確認用部材取付ポートとチューブ61とを連通させる。
次に、生体内に挿入されている治療もしくは診断で使用し、先端が生体内組織膜に形成された穴を介して生体内組織内に到達しているイントロデューサシース(図示せず)に、生体内組織閉鎖装置1を挿入する。そして、生体内組織閉鎖装置1の先端部の拍動検出用側孔24がシースより露出する状態まで、装置1をシース内に挿入する。これにより、生体内組織閉鎖装置1の拍動検出部6による拍動が検出される。そして、拍動が検知されない位置を若干過ぎるところまで、シースと生体内組織閉鎖装置を引く。これにより、パンクチャーサイト(穴を有する血管壁)は、ステープル41の尖端部とシャフト本体31の先端面の間に位置するものとなる。
そして、押圧操作部53を先端側に押し込むと、図8に示すように、鉗子部51a,52aが広がり、外筒本体21の先端部を変形させるとともに、図7および図9に示すように、向かい合うスリットが近接し、スリット23a、23bより、ステープル41が露出する。そして、図10に示すように、この状態を維持したまま、牽引部材42の後端部に固定された牽引操作部材を引っ張ることにより、ステープル41は、基端側に移動するとともに、2つの針部のそれぞれの尖端部41a,41bは、穴の中間付近における血管壁を刺通し、そして、シャフト本体31のクリンチャー部57a,57bに押しつけられ、図11に示すような形状に変形する。そして、牽引部材42の一方を切断し、他方を引っ張ることにより、ステープル41とり取り外される。そして、生体内組織閉鎖装置1をシースとともに生体より抜去する。これにより、穴は、図11に示すように閉鎖される。
また、上述した生体内組織閉鎖装置1では、外筒2とシャフト部3は固定されていた。しかし、このようなものに限定されるものではない。シャフト部3が、外筒2より抜去可能なものであってもよい。なお、この場合、外筒2をイントロデューサシースとして使用することができる。
図13は、本発明の生体内組織閉鎖装置の他の実施例の内部構造を説明するための部分省略断面図である。図14は、本発明の生体内組織閉鎖装置におけるシャフト部の一例の内部構造を説明するための部分省略断面図である。図15は、本発明の生体内組織閉鎖装置における外筒の一例の内部構造を説明するための部分省略断面図である。
この実施例の生体内組織閉鎖装置10と、上述した実施例の生体内組織閉鎖装置1との相違は、シャフト部3が、外筒2より抜去可能なものである点、および、シャフト部3の外筒2に対する配置状態を特定するための係合部を備える点のみである。同じ部位については、同じ符号を付し、上述した説明を参照するものとする。以下、相違点のみを説明する。
この実施例の生体内組織閉鎖装置10は、図13ないし図15に示すように、外筒2と、外筒2内に挿入されたシャフト部3とを備える。シャフト部3は、外筒2に固定されていない。
外筒2は、図13および図15に示すように、外筒本体21と、外筒本体21の基端に固定された外筒ハブ22と、外筒本体21の基端部内面に設けられたシール用部材25と、拍動検知部6を備えている。そして、外筒ハブ22は、後端部に設けられたシャフト部回転防止用の係合部27を備えている。この実施例では、係合部27は、凹部となっている。シャフト部3は、図13および図14に示すように、シャフト本体31と、その後端部に設けられたシャフトハブ32とを備える。シャフトハブ32は、後端部に設けられたシャフト部回転防止用の係合部32aを備えている。この実施例では、係合部32aは、凸部となっている。そして、シャフトハブ32の係合部32aと外筒ハブ22の係合部27は、図13に示すように、係合することにより、シャフト部の外筒に対する回転を規制している。
次に、本発明の生体内組織閉鎖装置の他の実施例を図面を用いて説明する。
図16は、本発明の生体内組織閉鎖装置の他の実施例の内部構造を説明するための部分省略断面図である。図17は、図16のB−B線断面図である。図18は、本発明の生体内組織閉鎖装置の他の実施例の先端部分の内部構造を説明するための説明図である。図19は、本発明の生体内組織閉鎖装置の作用を説明するための先端部分の拡大説明図である。図20は、本発明の生体内組織閉鎖装置に使用される閉鎖部材の一例の正面図である。図21は、本発明の生体内組織閉鎖装置による閉鎖状態を説明するための説明図である。
この実施例の生体内組織閉鎖装置100は、生体内組織膜(具体的には、血管11)に形成された経皮的に貫通した穴12を閉鎖するための生体内組織閉鎖装置である。閉鎖装置100は、内腔21aおよび先端部に設けられた向かい合う2つのスリット23a,23bを有する外筒2と、糸部材141と糸部材141の両端部に固定された2つのアンカー部材142,143とを有する閉鎖部材140と、先端に刃面101aを有し、アンカー部材142,143の一方を先端部に収納した第1の中空針部材101と、先端に刃面102aを有し、アンカー部材142,143の他方を先端部に収納した第2の中空針部材102と、第1および第2の中空針部材101,102のそれぞれの内部に摺動可能に収納されたアンカー押出部材103,104と、第1および第2の中空針部材101,102を先端より突出可能に収納するとともに、外筒2の内腔21a内に挿入されたシャフト部130と、先端部がシャフト部130より突出するようにシャフト部内に収納されるとともに、外筒2の先端部を押し広げ、向かい合う2つのスリット23a,23bを近接させるように、外筒を変形させるための外筒先端部変形操作用部材5と、第1および第2の中空針部材101,102をシャフト部130の先端より突出させるための針部材押出用操作部110と、前記アンカー押出部材を先端側に進行させるためのアンカー押出部材操作部120とを備えている。
この閉鎖装置では、外筒内に収納された外筒先端部変形操作用部材で外筒を押し広げるように偏平に変形させることにより、穴を細長い状態に変形させるため、閉鎖部材による縫い代を小さくすることが可能となる。さらに、中空針部材の刺通およびアンカー押圧部材の押圧を行うことにより、閉鎖が終了するため、糸結び、結び目押し込みに必要な別の装置を用いる必要がなく、閉鎖作業が容易となる。
この実施例の生体内組織閉鎖装置100は、図16および図17に示すように、外筒2と、外筒2内に挿入されたシャフト部130とからなる。シャフト部3は、外筒2に固定されている。
外筒2は、図16、図17に示すように、外筒本体21と、外筒本体21の基端に固定された外筒ハブ22と、外筒本体21の基端部内面に設けられたシール用部材25と、拍動検知部6を備えている。なお、この実施例の生体内組織閉鎖装置100においては、拍動検知部6を備えないものであってもよい。
外筒本体21は、先端より基端まで貫通した内腔21aを備えるチューブ体であり、先端に、向かい合う2つのスリット23a,23bを備える。さらに、外筒本体21は、先端部であり、かつ向かい合う2つのスリット23a,23bの基端より若干基端側となる位置に形成された拍動検知用の側孔24を備えている。
外筒本体21としては、上述した実施例の生体内組織閉鎖装置1において説明したものと同じである。また、外筒の先端部は、他の部分に比べて、柔軟であり変形が容易なものとなっていてもよい。また、外筒の先端部は、向かい合うスリット間に形成された向かい合う変形容易部29a,29bを備えていてもよい。変形容易部としては、例えば、外筒の先端よりスリットと平行に基端側に延びる薄肉部もしくは柔軟部により形成することができる。また、拍動検知部6、シール用部材25としても、上述したものと同じである。
シャフト部130は、図16および図17に示すように、シャフト本体131と、その後端部に設けられたシャフトハブ132とを備える。シャフト本体131は、上記拍動検知部のチューブ61に血液圧力を伝達するための軸方向に延びる伝達路58を備えている。伝達路58の先端は、外筒本体21に設けられた側孔24と対応する位置に設けられており、基端は、外筒本体21の基端に設けられた側孔21bならびに通路22aに対応する位置に設けられている。伝達路としては、図示するような側面に形成された溝であることが好ましいが、シャフト本体の肉厚内に形成されたルーメンであってもよい。また、シャフト本体131は、後述する2本の中空針部材101,102を収納するための2つのルーメン137,138と、後述する外筒先端部変形操作用部材5を収納する空洞部56を備えている。
生体内組織閉鎖装置100は、図16、図18、図19および図20に示すように、血管11に形成された穴12を閉鎖するための閉鎖部材140を備えている。閉鎖部材糸部材141と糸部材141の両端部に固定された2つのアンカー部材142,143とを有する。糸部材としては、公知の縫合糸を用いることができる。糸部材に有効長としては、1〜30mm程度が好適である。また、糸部材としては、生体吸収性のものでも生体非吸収性のものどちらを用いてもよいが、生体吸収性のものが好適である。そして、糸部材141は、アンカー部材142,143の中央部に固定されている。アンカー部材の長さとしては、1〜10mm程度が好適である。アンカー部材としては、生体吸収性のものでも生体非吸収性のものどちらを用いてもよいが、生体吸収性のものが好適である。
生体非吸収性材料としては、生体内で酵素的、非酵素的に分解され、分解物が毒性を示さないものであれば特に限定されない。例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸−ポリカプロラクトン共重合体、ポリヒドロキシ酪酸、ポリリンゴ酸、ポリα−アミノ酸、コラーゲン、ゼラチン、ラミニン、ヘパラン硫酸、フィブロネクチン、ビトロネクチン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、キチン、キトサンなどが使用できる。
生体内組織閉鎖装置100は、図16ないし図19に示すとともに、上述した実施例の生体内組織閉鎖装置1と同様に、外筒2の先端部を押し広げ、向かい合う2つのスリット23a,23bを近接させ、押し出される中空針101,102を外筒2より露出させるための外筒先端部変形操作用部材5とを備えている。
この実施例における外筒先端部変形操作用部材5は、鉗子状部材であり、シャフト部後端部より突出する部分を押圧することにより、先端が広がり、前記外筒の先端を変形させるものである。
変形操作用部材5は、その先端部が外筒本体21の先端部内であり、かつシャフト本体131の先端より露出するように、生体内組織閉鎖装置1内に収納されている。この実施例における変形操作用部材5は、鉗子部51a,52aと、この鉗子部51a,52aの開閉操作を行うための力を伝達するための棒状部51b、51c、52b、52cと、押圧操作部53を備えている。具体的には、操作用部材5は、1組の操作体51,52からなり、各操作体は、鉗子部51a,52a、鉗子部51a,52aの基端に回動可能に先端が取付けられたクランク部51b、52bと、このクランク部51b、52bの基端に回動可能に先端が取り付けられた棒状部51c,52cを備えている。鉗子部51a,52aは、両者が交差する部分において、シャフト本体131に固定された軸部材26により回動可能に固定されている。このため、鉗子部51a,51bは、開閉動作を行うことが可能であるとともに、軸方向に移動しないものとなっている。また、操作体51,52の先端には、穴12が形成された生体内組織膜内壁(具体的には、血管11の内壁)に当接させるための操作体51,52の側面外方に延びる延出部51d,52dが設けられている。
さらに、この実施例では、押圧操作部53は、押圧距離規制部54a,54bを備えており、この押圧距離規制部の先端は、シャフトハブ32と当接することにより、過剰な押圧を規制する。そして、棒状部51c、52cの基端は、押圧距離規制部材54a,54bに取り付けられている。さらに、押圧操作部53とシャフトハブ32間には、押圧操作部53を基端方向に付勢する付勢部材55a,55bが設けられている。具体的には、押圧距離規制部材54a、54bのそれぞれを被包するように、付勢部材であるばね55a,55bが設けられている。このため、変形操作用部材5は、その基端が常に基端方向に付勢されているため、先端部にある鉗子部は、常に閉塞する方向に付勢されている。なお、この実施例では、鉗子部51a,52aの先端部の側面は、外筒本体の変形を容易にするために、鋭角なエッジ状を備えるものとなっている。
さらに、生体内組織閉鎖装置1は、押圧操作状態保持機構、言い換えれば、鉗子部開放状態保持機構、すなわち、外筒の先端部を押し広げ向かい合う2つのスリットが近接した状態を保持する機構を備えているものであってもよい。この機構としては、例えば、上述した押圧操作部53の押圧距離規制部54a,54bの先端部係合部を設けるととともに、シャフトハブ32の貫通孔内に上記の係合部と係合可能な係合部を設けることにより構成することができる。
シャフト本体131は、図17に示すように、変形操作用部材5を収納するための空洞部56を備えるとともに、空洞部56は、鉗子部51a,52aの中央部および基端部を収納する第1の空洞部56aと、クランク部51bおよび棒状部51cを収納する軸方向に延びる第2の空洞部56bと、クランク部52bおよび棒状部52cを収納する軸方向に延びる第3の空洞部56cとを備えている。なお、この実施例では、空洞部は、側面が開口した溝状のものとなっているが、側面が閉塞したルーメン状のものであってもよい。
さらに、生体内組織閉鎖装置100は、図18に示すように、2本の中空針部材101,102をシャフト本体内に移動可能に収納している。中空針部材101,102は、図16に示すように、先端に形成された生体内膜穿刺用の刃面101a,102aと、アンカー押出部材を収納するための内腔を備えている。中空針部材101,102の外径としては、0.1〜1.0mm程度が好適である。中空針部材101,102の内径としては、0.05〜0.95mm程度が好適である。また、中空針部材101,102の長さとしては、30〜800mm程度が好適である。また、中空針部材101,102の形成材料としては、ステンレス鋼などの金属が好ましい。さらに、外面の滑性を増加させるために低摩擦性樹脂を被覆してもよい。低摩擦性樹脂としては、フッ素系樹脂、ナイロン66、ポリエーテルエーテルケトン、高密度ポリエチレン等が挙げられる。この中でも、フッ素系樹脂がより好ましい。フッ素系樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、エチレンテトラフルオロエチレン、パーフロロアルコキシ樹脂等が挙げられる。またシリコンや各種親水性樹脂によるコーティングであってもよい。
そして、中空針部材101,102は、シャフトハブ32,外筒先端部変形操作用部材5のための押圧操作部53を貫通しており、その後端部には、中空針部材用の押圧操作部110が取り付けられている。
さらに、この実施例では、中空針部材用の押圧操作部110と外筒先端部変形操作用部材5のための押圧操作部53間には、押圧操作部110を基端方向に付勢する付勢部材111,112が設けられている。具体的には、中空針部材101,102の基端部のそれぞれを被包するように、付勢部材であるばね111,112が設けられている。このため、中空針部材101,102は、常に基端方向に付勢され、操作部110を押圧しない限り、刃面101a,102aは、シャフト部130内に収納された状態となっている。また、押圧操作部110は、押圧距離規制部を備えていてもよい。この押圧距離規制部の先端は、押圧操作部53と当接することにより、過剰な押圧を規制する効果を発揮する。
さらに、生体内組織閉鎖装置100は、中空針部材用の押圧操作状態保持機構、言い換えれば、中空針部材の突出状態保持機構を備えているものであってもよい。
さらに、生体内組織閉鎖装置100は、図18に示すように、2本の中空針部材101,102のそれぞれの内部に摺動可能に収納されたアンカー押出部材103,104を備えている。アンカー押出部材103,104としては、太さ0.1〜2.0mmのものが好適であり、長さとしては、30〜600mmのものが好適である。また、アンカー押出部材103,104としては、中実のもの中空のものいずれでもよい。また、アンカー押出部材103,104の形成材料としては、ステンレス鋼が挙げられる。また、アンカー押出部材103,104の側面に滑性を増加させる低摩擦性樹脂を被覆してもよい。低摩擦性樹脂としては、上述したものが使用できる。
そして、アンカー押出部材103,104は、シャフトハブ32,外筒先端部変形操作用部材5のための押圧操作部53および中空針部材用の押圧操作部110を貫通しており、その後端部には、アンカー押出部材用の押圧操作部120が取り付けられている。
さらに、この実施例では、アンカー押出部材用の押圧操作部120と中空針部材用の押圧操作部110間には、押圧操作部120を基端方向に付勢する付勢部材113,114が設けられている。具体的には、アンカー押出部材103,104の基端部のそれぞれを被包するように、付勢部材であるばね113,114が設けられている。このため、アンカー押出部材103,104は、常に基端方向に付勢され、操作部120を押圧しない限り、アンカーを押圧しない状態となっている。また、押圧操作部120は、押圧距離規制部を備えていてもよい。この押圧距離規制部の先端は、押圧操作部110と当接することにより、過剰な押圧を規制する効果を発揮する。
そして、図16に示すように、中空針部材101,102の先端部内には、閉鎖部材140のアンカー部材142,143を収納している。そして、中空針部材101,102の先端部には、閉鎖部材140の糸部材141が若干基端側となる位置にてアンカー部材142,143を収納するためのスリットが設けられている。スリットの長さとしては、1〜10mm程度が好適である。
次に、上述した実施例の生体内組織閉鎖装置100の作用を図19ないし図21を用いて説明する。
最初に、拍動検出部6の液体充填用ポート64に生理食塩水などの充填用液体を収納した液体注入器具(図示せず)を取り付け、三方活栓の操作部65を切り換えて、液体充填用ポート64とチューブ61とを連通させ、液体注入器具のプランジャーを押し、液体をチューブ61内およびハブ22内の通路22a、外筒内腔21a内に充填する。そして、再び、操作部65を切り替え、拍動確認用部材取付ポートとチューブ61とを連通させる。
次に、生体内に挿入されている治療もしくは診断で使用し、先端が生体内組織膜に形成された穴を介して生体内組織内に到達しているイントロデューサシース(図示せず)に、生体内組織閉鎖装置100を挿入する。そして、生体内組織閉鎖装置100の先端部の拍動検出用側孔24がシースより露出する状態まで、装置100をシース内に挿入する。これにより、生体内組織閉鎖装置1の拍動検出部6による拍動が検出される。そして、拍動が検知されない位置を若干過ぎるところまで、シースと生体内組織閉鎖装置を引く。
そして、押圧操作部53を先端側に押し込むと、図19に示すように、鉗子部51a,52aが広がり、外筒本体21の先端部を変形させるとともに、図19に示すように、向かい合うスリットが近接する。そして、この状態にて、外筒先端部変形操作用部材5の操作体51,52の先端の延出部51d、52dが、血管内壁に当接するまで、生体内組織閉鎖装置100を引く。続いて、押圧操作部110を先端側に押し込むと、中空針部材101,102がスリット23a,23bより突出し、2本の中空針部材の刃面は、穴の中間付近における血管壁を刺通する。この状態が図19に示す状態である。なお、血管および穴は図示していない。
そして、図19の状態において、押圧操作部120を先端側に押し込むと、アンカー押出部材103,104が先端側に前進し、アンカー部材142,143を血管内に押し込む。そして、押圧操作部120および押圧操作部110の押圧を解除し、中空針部材101,102をシャフト部内に収納した後、生体内組織閉鎖装置100をシースとともに生体より抜去する。これにより、穴は、図21に示すように閉鎖される。
また、上述した生体内組織閉鎖装置100では、シャフト部130は、外筒2に固定されている。しかし、このようなものに限定されるものではない。シャフト部130が、外筒2より抜去可能なものであってもよい。なお、この場合、外筒2をイントロデューサシースとして使用することができる。そして、このような場合には、図13ないし図15に示した実施例の生体内組織閉鎖装置10と同様に、外筒ハブ22は、後端部に設けられたシャフト部回転防止用の係合部を備えることが好ましい。係合部は、例えば凹部である。また、シャフト部130は、図13および図14に示すものと同様に、シャフトハブの後端部に設けられたシャフト部回転防止用の係合部32aを備えることが好ましい。係合部としては、例えば、凸部である。シャフトハブの係合部と外筒ハブの係合部は、図13に示すものと同様に、係合することにより、シャフト部の外筒に対する回転を規制する。
図1は、本発明の生体内組織閉鎖装置の一実施例の外観図である。 図2は、図1に示した生体内組織閉鎖装置の正面図である。 図3は、本発明の生体内組織閉鎖装置の一実施例の内部構造を説明するための部分省略断面図である。 図4は、図3のA−A線断面図である。 図5は、本発明の生体内組織閉鎖装置の一実施例の先端部分の内部構造を説明するための説明図である。 図6は、本発明の生体内組織閉鎖装置に使用されるシャフト部の一例の先端部を説明するための拡大説明図である。 図7は、本発明の生体内組織閉鎖装置の作用を説明するための外観図である。 図8は、本発明の生体内組織閉鎖装置の作用を説明するための部分省略断面図である。 図9は、本発明の生体内組織閉鎖装置の作用を説明するための先端部分の拡大説明図である。 図10は、本発明の生体内組織閉鎖装置の作用を説明するための部分省略断面図である。 図11は、本発明の生体内組織閉鎖装置による閉鎖状態を説明するための説明図である。 図12は、本発明の生体内組織閉鎖装置に使用されるステープルの他の例の正面図である。 図13は、本発明の生体内組織閉鎖装置の他の実施例の内部構造を説明するための部分省略断面図である。 図14は、本発明の生体内組織閉鎖装置におけるシャフト部の一例の内部構造を説明するための部分省略断面図である。 図15は、本発明の生体内組織閉鎖装置における外筒の一例の内部構造を説明するための部分省略断面図である。 図16は、本発明の生体内組織閉鎖装置の他の実施例の内部構造を説明するための部分省略断面図である。 図17は、図18のB−B線断面図である。 図18は、本発明の生体内組織閉鎖装置の他の実施例の先端部分の内部構造を説明するための説明図である。 図19は、本発明の生体内組織閉鎖装置の作用を説明するための先端部分の拡大説明図である。 図20は、本発明の生体内組織閉鎖装置に使用される閉鎖部材の一例の正面図である。 図21は、本発明の生体内組織閉鎖装置による閉鎖状態を説明するための説明図である。
符号の説明
1 生体内組織閉鎖装置
2 外筒
3 シャフト部
4 閉鎖部材
5 外筒先端部変形操作用部材
11 生体内組織膜(血管)
12 穴
21a 内腔
23a,23b スリット

Claims (8)

  1. 生体内組織膜に形成された経皮的に貫通した穴を閉鎖するための生体内組織閉鎖装置であって、該閉鎖装置は、内腔と先端部に設けられた向かい合う2つのスリットとを有する外筒と、前記外筒の先端部内に収納されるとともに前記生体内組織膜に形成された穴を閉鎖するための閉鎖部材と、前記外筒の先端部を押し広げ前記向かい合う2つのスリットを近接させ、前記閉鎖部材を前記外筒より露出させるための外筒先端部変形操作用部材とを有することを特徴とする生体内組織閉鎖装置。
  2. 前記閉鎖部材は、ステープルと該ステープルに接続された牽引部材とを有するものであり、前記生体内組織閉鎖装置は、先端面に前記ステープルを変形させることが可能な2つのクリンチャー部を備え、前記ステープルが先端部より露出し、前記牽引部材を後端部より露出するように、該牽引部材を収納するとともに、前記外筒の内腔内に挿入されたシャフト部を有するものである請求項1に記載の生体内組織閉鎖装置。
  3. 前記閉鎖部材は、糸部材と該糸部材の両端部に固定された2つのアンカー部材とを有するものであり、前記生体内組織閉鎖装置は、先端に刃面を有し、前記アンカー部材の一方を先端部に収納した第1の中空針部材と、先端に刃面を有し、前記アンカー部材の他方を先端部に収納した第2の中空針部材と、該第1および第2の中空針部材のそれぞれの内部に摺動可能に収納されたアンカー押出部材と、前記第1および第2の中空針部材を先端より突出可能に収納するとともに、前記外筒の内腔内に挿入されたシャフト部と、前記第1および第2の中空針部材を前記シャフト部の先端より突出させるための針部材押出用操作部と、前記アンカー押出部材を先端側に進行させるためのアンカー押出部材操作部とを有するものである請求項1に記載の生体内組織閉鎖装置。
  4. 前記シャフト部は、前記外筒より抜去可能である請求項1ないし3のいずれかに記載の生体内組織閉鎖装置。
  5. 前記外筒先端部変形操作用部材は、鉗子状部材であり、シャフト部後端部より突出する部分を押圧することにより、先端が広がり、前記外筒の先端を変形させるものである請求項1ないし4のいずれかに記載の生体内組織閉鎖装置。
  6. 前記外筒の先端部は、前記向かい合うスリット間に形成された向かい合う変形容易部を備えている請求項1ないし5のいずれかに記載の生体内組織閉鎖装置。
  7. 前記生体内組織閉鎖装置は、前記シャフト部内を延び、一端が生体内組織内に挿入可能な先端部位において開口し、他端が前記外筒の基端側部側にて開口する拍動確認用ルーメンと、該ルーメンに接続された拍動確認用部材を備えている請求項1ないし6のいずれかに記載の生体内組織閉鎖装置。
  8. 前記生体内組織閉鎖装置は、前記外管の内腔内と連通するチューブと該チューブに接続された三方活栓と、該三方活栓の1つのポートに取り付けられた拍動確認用部材とを備える拍動検出部を備えている請求項1ないし7のいずれかに記載の生体内組織閉鎖装置。
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