JP2005269551A - 透かし情報埋め込み装置,透かし情報検出装置,透かし情報埋め込み方法,透かし情報検出方法,および印刷物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 信号出力値を安定させ,信号検出率を向上させることの可能な,透かし情報検出装置を提供する。
【解決手段】 ある空間的周期を持つパターンが規則的に配置されている画像からパターンに対応した情報を読み取る透かし情報検出装置であって,入力された画像上の小領域単位で画像補整を行う手段を備えたことを特徴とする。信号を記録するパターンの局所的な濃度変化から濃度の補正を行い,フィルタ処理後に得られる信号ピーク値を安定させることができる。このように,画像の局所的な輝度値分布などから動的に信号強調処理を行うことで信号出力値を安定させ,信号検出率を向上させることができる。
【選択図】 図1


Description

本発明は,文書画像に対して文字以外の形式で秘密情報を付加する方法と,印刷された秘密情報入り文書から秘密情報を検出する技術に関するものである。
画像や文書データなどにコピー・偽造防止のための情報や機密情報を人の目には見えない形で埋め込む「電子透かし」は,保存やデータの受け渡しがすべて電子媒体上で行われることを前提としており,透かしによって埋め込まれている情報の劣化や消失がないため確実に情報検出を行うことができる。これと同様に,紙媒体に印刷された文書に対しても,文書が不正に改ざんされたりコピーされることを防ぐために,文字以外の視覚的に目障りではない形式でかつ容易に改ざんが不可能であるような秘密情報を印刷文書に埋め込む方法が必要となっている。
特表2002−504272には,画像に対して人間の目に不快とならない薄いレベルで情報の埋め込みを行っている。また,特開2003−101762に記載の電子透かし埋め込み/検出方法は,画像の背景部分に情報を持った地紋を埋め込み,スキャナで読み込んだ地紋に対してガボールフィルタとの相関を取ることで情報の抽出を行っている。このガボールフィルタによる信号抽出の対象は,主にスキャナ等で読み込んだグレースケールの文書画像であり,ガボールフィルタで信号を抽出する対象である信号パターンに,波を表現できるためのある程度の階調差を要求している。このため,これらの電子透かしでは,スキャンした画像からの情報検出時に,フィルタ出力を安定させ情報の埋め込まれているスペクトルを効率よく検出できるように,信号強調処理を行っている。
特表2002−504272 特開2003−101762号公報
上述のように,上記従来技術の電子透かしでは,ガボールフィルタによって信号を検出しやすいようなパターンを使用している。この電子透かし検出方法を使用した信号検出方法は,トナーの濃さによる濃度の違いやトナー色による輝度値の違い,また,トナーのかすれなどによる濃度の変化などに対する補正が十分ではなく,印刷時の濃度や色,トナーのかすれなどによっては情報を抽出するのに十分なフィルタの出力が得られない場合があった。また,幅広い輝度分布を持つ様々なタイプの用紙や用紙の柄などによってパターンが鈍り,十分なフィルタ出力が得られない場合があった。例えば,特開2003−101762では,情報を抽出する際に,フィルタ出力値を走査しピーク位置を探すことにより信号位置を決定しているが,上記のような原因によるフィルタ出力値の低下が,位置検索にノイズとして作用する場合があり,結果,情報を抽出できないといった場合があった。
本発明は,従来の電子透かし技術が有する上記問題点に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,信号出力値を安定させ,信号検出率を向上させることの可能な,新規かつ改良された透かし情報埋め込み装置,透かし情報検出装置,透かし情報埋め込み方法,透かし情報検出方法,および印刷物を提供することである。
上記課題を解決するため,本発明の第1の観点によれば,あるテクスチャを持つ画像から特徴を抽出する透かし情報検出装置が提供される。本発明の透かし情報検出装置は,テクスチャを増幅するために,入力された画像上の小領域単位で画像補整を行う手段を備えたことを特徴とする(請求項1)。
また,本発明の他の透かし情報検出装置は,ある空間的周期を持つパターンが規則的に配置されている画像からパターンに対応した情報を読み取る透かし情報検出装置であって,入力された画像上の小領域単位で画像補整を行う手段を備えたことを特徴とする(請求項2)。
かかる構成によれば,信号を記録するパターンの局所的な濃度変化から濃度の補正を行い,フィルタ処理後に得られる信号ピーク値を安定させることができる。例えば,パターンのサイズを600dpiの解像度,18×18ドットのサイズで構成した場合,1パターンのサイズは約0.7mm四方程度であり,この微小な領域の中に1パターンの濃度の濃い部分と薄い部分が存在することになる。したがって,この0.7mm四方の微小領域だけで,1パターンに対する輝度補正が可能になる。このように,本発明によれば,画像の局所的な輝度値分布などから動的に信号強調処理を行うことで信号出力値を安定させ,信号検出率を向上させることができる。
本発明の透かし情報検出装置において,以下のような応用が可能である。
前記小領域で画像補整を行う手段は,小領域単位で,配置されたパターンを構成する値の高い画素値と値の低い画素値を検出するようにしてもよい(請求項3)。この場合,さらに,その輝度の高い画素値と輝度の低い画素値を利用して小領域のダイナミックレンジを補正するようにしてもよい(請求項4)。
前記値の高い画素値を,小領域内での値の最高値とし,前記値の低い画素値を,小領域内での値の最低値としてもよい(請求項5)。
前記画素値の値としては,例えば,輝度値(請求項6)や,色度(請求項7)や,彩度(請求項8)や,特定色の濃度(請求項9)などを採用することができる。
前記小領域は,規則的に配置されたパターンと同じサイズに区分された領域としてもよく(請求項10),規則的に配置されたパターンよりも大きなサイズに区分された領域としてもよく(請求項11),規則的に配置されたパターンよりも小さなサイズに区分された領域としてもよい(請求項12)。
前記小領域で画像補整を行う手段は,近傍の小領域から得られる値を補正に使用してもよい。小領域での低い輝度値から文字などの影響を除去することが可能である。具体的には,例えば,近傍の小領域から得られる値を平均化して補正に使用するようにしてもよく(請求項13),近傍の小領域から得られる値のヒストグラムを計算し,近傍の小領域から得られる最頻値を補正に使用するようにしてもよい(請求項14)。
前記小領域での画像補整を行う手段で行う値の低い画素値の検出は,設定したしきい値よりも高い画素値に対してのみ行うようにしてもよい(請求項15)。文字などの影響を除去することができ,輝度補正を効果的に行うことが可能である。
また,本発明の第2の観点によれば,ある空間的周期を持つパターンを規則的に配置する透かし情報埋め込み装置が提供される。本発明の透かし情報埋め込み装置は,入力された画像上に埋め込むデジタル情報に対応するパターンを描画する手段を備え,前記描画する手段は,前記入力された画像の色または画素値に応じて埋め込むパターンの色を決定することを特徴とする(請求項16)。
かかる構成によれば,例えば上記の透かし情報検出装置において検出可能な透かしを容易に埋め込むことが可能である。
本発明の透かし情報埋め込み装置において,前記パターンは,一定の周波数と方向を持つ複数画素からなるパターンであってもよい(請求項17)。
上記課題を解決するため,本発明の第3の観点によれば,あるテクスチャを持つ画像から特徴を抽出する透かし情報検出方法が提供される。本発明の透かし情報検出方法は,テクスチャを増幅するために,入力された画像上の小領域単位で画像補整を行う工程を含むことを特徴とする(請求項18)。
また,本発明の他の透かし情報検出方法は,ある空間的周期を持つパターンが規則的に配置されている画像からパターンに対応した情報を読み取る透かし情報検出方法であって,入力された画像上の小領域単位で画像補整を行う工程を含むことを特徴とする(請求項19)。
かかる方法によれば,信号を記録するパターンの局所的な濃度変化から濃度の補正を行い,フィルタ処理後に得られる信号ピーク値を安定させることができる。例えば,パターンのサイズを600dpiの解像度,18×18ドットのサイズで構成した場合,1パターンのサイズは約0.7mm四方程度であり,この微小な領域の中に1パターンの濃度の濃い部分と薄い部分が存在することになる。したがって,この0.7mm四方の微小領域だけで,1パターンに対する輝度補正が可能になる。このように,本発明によれば,画像の局所的な輝度値分布などから動的に信号強調処理を行うことで信号出力値を安定させ,信号検出率を向上させることができる。
本発明の透かし情報検出方法において,以下のような応用が可能である。
前記小領域で画像補整を行う工程において,小領域単位で,配置されたパターンを構成する値の高い画素値と値の低い画素値を検出するようにしてもよい(請求項20)。この場合,さらに,その輝度の高い画素値と輝度の低い画素値を利用して小領域のダイナミックレンジを補正するようにしてもよい(請求項21)。
前記値の高い画素値を,小領域内での値の最高値とし,前記値の低い画素値を,小領域内での値の最低値としてもよい(請求項22)。
前記画素値の値としては,例えば,輝度値(請求項23)や,色度(請求項24)や,彩度(請求項25)や,特定色の濃度(請求項26)などを採用することができる。
前記小領域は,規則的に配置されたパターンと同じサイズに区分された領域としてもよく(請求項27),規則的に配置されたパターンよりも大きなサイズに区分された領域としてもよく(請求項28),規則的に配置されたパターンよりも小さなサイズに区分された領域としてもよい(請求項29)。
前記小領域で画像補整を行う工程において,近傍の小領域から得られる値を補正に使用してもよい。小領域での低い輝度値から文字などの影響を除去することが可能である。具体的には,例えば,近傍の小領域から得られる値を平均化して補正に使用するようにしてもよく(請求項30),近傍の小領域から得られる値のヒストグラムを計算し,近傍の小領域から得られる最頻値を補正に使用するようにしてもよい(請求項31)。
前記小領域での画像補整を行う工程における値の低い画素値の検出は,設定したしきい値よりも高い画素値に対してのみ行うようにしてもよい(請求項32)。文字などの影響を除去することができ,輝度補正を効果的に行うことが可能である。
また,本発明の第4の観点によれば,ある空間的周期を持つパターンを規則的に配置する透かし情報埋め込み方法が提供される。本発明の透かし情報埋め込み方法は,入力された画像上に埋め込むデジタル情報に対応するパターンを描画する工程を含み,前記描画する工程において,前記入力された画像の色または画素値に応じて埋め込むパターンの色を決定することを特徴とする(請求項33)。
かかる方法によれば,例えば上記の透かし情報検出方法において検出可能な透かしを容易に埋め込むことが可能である。
本発明の透かし情報埋め込み方法において,前記パターンは,一定の周波数と方向を持つ複数画素からなるパターンであってもよい(請求項34)。
また,本発明の第5の観点によれば,画像上に,ある空間的周期を持つパターンを規則的に配置して印刷された印刷物が提供される。本発明の印刷物において,前記パターンは,前記画像上に埋め込むデジタル情報に対応するものであり,前記画像の色または画素値に応じて前記パターンの色が決定されることを特徴とする(請求項35)。
かかる構成によれば,例えば上記の透かし埋め込み装置あるいは透かし埋め込み方法により容易に透かしを埋め込み可能である。また,埋め込まれた透かしを,例えば上記の透かし情報検出装置あるいは透かし情報検出方法により容易に検出可能である。
本発明の印刷物において,前記パターンは,一定の周波数と方向を持つ複数画素からなるパターンであってもよい(請求項36)。
また,本発明の他の観点によれば,コンピュータを,上記透かし情報埋め込み装置または透かし情報検出装置として機能させるためのプログラムと,そのプログラムを記録した,コンピュータにより読み取り可能な記録媒体が提供される。ここで,プログラムはいかなるプログラム言語により記述されていてもよい。また,記録媒体としては,例えば,CD−ROM,DVD−ROM,フレキシブルディスクなど,プログラムを記録可能な記録媒体として現在一般に用いられている記録媒体,あるいは将来用いられるいかなる記録媒体をも採用することができる。
以上説明したように,本発明によれば,画像の局所的な輝度値分布などから動的に信号強調処理を行うことで信号出力値を安定させ,信号検出率を向上させることができる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明にかかる透かし情報埋め込み装置,透かし情報検出装置,透かし情報埋め込み方法,透かし情報検出方法,および印刷物の好適な実施形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は,本実施形態にかかる透かし情報埋め込み装置及び透かし情報検出装置の構成を示す説明図である。
(透かし情報埋め込み装置10)
透かし情報埋め込み装置10は,画像データと画像に埋め込む情報とをもとに透かし入り画像を合成し,紙媒体に印刷を行う装置である。透かし情報埋め込み装置10は,図1に示したように,符号化部11と,パターン割り当て部12と,透かし入り文書合成部13と,出力デバイス14とにより構成されている。透かし情報埋め込み装置10には,画像データ15と画像に埋め込む埋め込み情報16とが入力される。
画像データ15は,透かし情報埋め込み装置10の画像入力端子(図示せず)から入力される。画像データ15としては,文書,図表,絵画,地図,写真などの任意のデータ,あるいはこれらを任意に組み合わせたデータを画像化したものである。画像化は,スキャナで読み取る方法や,ワードプロセッサで出力した文書等を印刷イメージなどのように画像化したものを用いることができる。なお,本実施形態では,白い紙面に黒のインク(単色)で印刷を行うことを前提として説明するが,本発明はこれに限定されず,カラー(多色)で印刷を行う場合であっても,同様に本発明を適用可能である。一方,埋め込み情報16は紙媒体に文字以外の形式で埋め込む情報(文字列や画像,音声データ)などである。
符号化部11は,埋め込み情報16のデータの符号化処理を行う。また,パターン割り当て部12は,符号化された各シンボルに対する透かし信号(パターン)の割り当て処理を行う。すなわち,埋め込み情報16をデジタル化して数値に変換したものをN元符号化(Nは2以上)し,各シンボルをあらかじめ用意した透かし信号に割り当てる。本実施形態の透かし信号は,任意の大きさの矩形領域中にドットを配列することにより任意の方向と波長を持つ波を表現し,波の方向や波長に対してシンボルを割り当てたものである。かかる透かし信号を,以下「信号ユニット」という。信号ユニットの詳細については,さらに後述する。
透かし入り文書合成部13は,埋め込み情報を表現するパターンを,画像入力端子から入力された画像上に直接描画する。本実施形態の透かし入り文書合成部13は,このようにして,透かし入りの文書画像を作成する。また,出力デバイス14は,プリンタなどの出力装置であり,透かし入り文書画像を紙媒体に印刷する。したがって,符号化部11,パターン割り当て部12,透かし入り文書合成部13はプリンタドライバの中の一つの機能として実現されていてもよい。
(印刷物20)
印刷物20は,元の画像データ15に対して埋め込み情報16を埋め込んで印刷された紙やカードなどであり,物理的に保管・管理される。
(透かし情報検出装置30)
透かし情報検出装置30は,紙媒体に印刷されている文書を画像として取り込み,埋め込まれている埋め込み情報16を復元する装置である。透かし情報検出装置30は,図1に示したように,入力デバイス31と,透かし検出部32とにより構成されている。
入力デバイス31は,スキャナなどの入力装置であり,印刷物20を多値階調のグレー画像として計算機に取り込む。入力される画像は,電子透かし埋め込み装置10が出力した画像そのものであってもよいし,JPEG等の非可逆圧縮によって劣化した画像,デジタルフィルタなどにより縮小された画像,印刷され撮影/スキャンされた画像などでもよい。
透かし検出部32は,入力デバイス31で取り込まれた画像の全体または一部に対してフィルタリング処理を行うことで,画像上に描画されている信号ユニットを検出し,埋め込み情報16の抽出を行う。
本実施形態にかかる透かし情報埋め込み装置10及び透かし情報検出装置30は,以上のように構成されている。次いで,透かし情報埋め込み装置10及び透かし情報検出装置30の動作について説明する。まず,図2のフローチャートなどを参照しながら,透かし情報埋め込み装置10の動作について説明する。
(ステップS101)
まず,透かし画像埋め込み装置10に画像データ15および埋め込み情報16が入力される(ステップS101)。上述のように,文書データ15はフォント情報やレイアウト情報を含むデータであり,ワープロソフト等で作成されるものとする。文書データ15は,例えば白黒の二値データであり,画像上で白い画素(値が1の画素)は背景であり,黒い画素(値が0の画素)は文字領域(インクが塗布される領域)であるものとする。一方,機密情報16は文字,音声,画像などの各種データである。
(ステップS102)
次いで,埋め込み情報16をN元符号に変換する(ステップS102)。Nは任意であるが,本実施形態では説明を容易にするためN=2とする。従って,ステップS102で生成される符号は2元符号であり,0と1のビット列で表現されるものとする。このステップS102では埋め込み情報16をそのまま符号化してもよいし,埋め込み情報16を暗号化したものを符号化してもよい。
(ステップS103)
次いで,符号化された各シンボルに対して信号ユニットを割り当てる(ステップS103)。本実施形態の透かし信号は,ドット(黒画素)の配列によって任意の波長と方向を持つ波を表現したものである。
ステップS103において,各シンボルに対して割り当てる信号ユニットについて説明する。図3は信号ユニットの一例を示す説明図である。
信号ユニットの幅と高さをそれぞれSw,Shとする。SwとShは異なっていても良いが,本実施形態では説明を容易にするためSw=Shとする。長さの単位は画素数であり,図3の例ではSw=Sh=12である。これらの信号が紙面に印刷されたときの大きさは,透かし画像の解像度に依存しており,例えば透かし画像が600dpi(dot per inch:解像度の単位であり,1インチ当たりのドット数)の画像であるとしたならば,図3の信号ユニットの幅と高さは,印刷物上で12/600=0.02(インチ)となる。
以下,幅と高さがSw,Shの矩形を1つの信号の単位として「信号ユニット」と称する。図3(1)は,ドット間の距離が水平軸に対してarctan(3)(arctanはtanの逆関数)の方向に密であり,波の伝搬方向はarctan(−1/3)である。以下,この信号ユニットをユニットAと称する。図3(2)はドット間の距離が水平軸に対してarctan(−3)の方向に密であり,波の伝搬方向はarctan(1/3)である。以下,この信号ユニットをユニットBと称する。
図4は,図3(1)の画素値の変化をarctan(1/3)の方向から見た断面図である。図4において,ドットが配列されている部分が波の最小値の腹(振幅が最大となる点)となり,ドットが配列されていない部分は波の最大値の腹となっている。
また,ドットが密に配列されている領域はそれぞれ1ユニットの中に2つ存在するため,この例では1ユニットあたりの周波数は2となる。波の伝播方向はドットが密に配列されている方向に垂直となるため,ユニットAの波は水平方向に対してarctan(−1/3),ユニットBの波はarctan(1/3)となる。なお,arctan(a)の方向とacrtan(b)の方向が垂直のとき,a×b=−1である。
本実施形態では,ユニットAで表現される信号ユニットにシンボル0を割り当て,ユニットBで表現される信号ユニットにシンボル1を割り当てる。また,これらをシンボルユニットと称する。
信号ユニットには図3(1),(2)で示されるもの以外にも,例えば図5(3)〜(5)で示されるようなドット配列が考えられる。
図5(3)は,ドット間の距離が水平軸に対してarctan(1/3)の方向に密であり,波の伝搬方向はarctan(−3)である。以下,この信号ユニットをユニットCと称する。
図5(4)は,ドット間の距離が水平軸に対してarctan(−1/3)の方向に密であり,波の伝搬方向はarctan(3)である。以下,この信号ユニットをユニットDと称する。
図5(5)は,ドット間の距離が水平軸に対してarctan(1)の方向に密であり,波の伝搬方向はarctan(−1)である。なお,図5(5)は,ドット間の距離が水平軸に対してarctan(−1)の方向に密であり,波の伝搬方向はarctan(1)であると考えることもできる。以下,この信号ユニットをユニットEと称する。
このようにして,先に割り当てた組み合わせ以外にも,シンボル0とシンボル1を割り当てるユニットの組み合わせのパターンが複数考えられるため,どの信号ユニットがどのシンボルに割り当てられているかを秘密にして第三者(不正者)が埋め込まれた信号を簡単に解読できないようにすることもできる。
さらに,図2に示したステップS103で,埋め込み情報16を4元符号で符号化した場合には,例えば,ユニットAにシンボル0を,ユニットBにシンボル1を,ユニットCにシンボル2を,ユニットDにシンボル3を割り当てることも可能である。
図3,図5に示した信号ユニットの一例においては,1ユニット中のドットの数をすべて等しくしているため,これらのユニットを隙間なく並べることにより,透かし画像の見かけの濃淡が均一となる。したがって印刷された紙面上では,単一の濃度を持つグレー画像が背景として埋め込まれているように見える。
このような効果を出すために,例えば,ユニットEを背景ユニット(シンボルが割り当てられていない信号ユニット)と定義し,これを隙間なく並べて透かし画像の背景とし,シンボルユニット(ユニットA,ユニットB)を透かし画像に埋め込む場合は,埋め込もうとする位置の背景ユニット(ユニットE)とシンボルユニット(ユニットA,ユニットB)とを入れ替える。
図6(1)はユニットEを背景ユニットと定義し,これを隙間なく並べて透かし画像の背景とした場合を示す説明図である。図6(2)は図6(1)の背景画像の中にユニットAを埋め込んだ一例を示し,図6(3)は図6(1)の背景画像の中にユニットBを埋め込んだ一例を示している。本実施形態では,背景ユニットを透かし画像の背景とする方法について説明するが,シンボルユニットのみを配置することによって透かし画像を生成しても良い。
次いで,透かし画像へ信号ユニットを埋め込む方法について,図7を参照しながら説明する。
図7は,透かし画像への信号ユニットの埋め込み方法の一例を示す説明図である。ここでは,例として「0101」というビット列を埋め込む場合について説明する。
図7(1),(2)に示すように,同じシンボルユニットを繰り返し埋め込む。これは文書中の文字が埋め込んだシンボルユニットの上に重なった場合,信号検出時に検出されなくなることを防ぐためであり,シンボルユニットの繰り返し数と配置のパターン(以下,ユニットパターンと称する。)は任意である。
すなわち,ユニットパターンの一例として,図7(1)のように繰り返し数を4(1つのユニットパターン中に4つのシンボルユニットが存在する)にしたり,図7(2)のように繰り返し数を2(1つのユニットパターン中に2つのシンボルユニットが存在する)にしたりすることができ,あるいは,繰り返し数を1(1つのユニットパターン中には1つのシンボルユニットだけが存在する)としてもよい。
また,図7(1),(2)は1つのシンボルユニットに対して1つのシンボルが与えられているが,図7(3)のようにシンボルユニットの配置パターンに対してシンボルを与えても良い。
1ページ分の透かし画像の中に何ビットの情報量を埋め込むことができるかは,信号ユニットの大きさ,ユニットパターンの大きさ,文書画像の大きさに依存する。文書画像の水平方向と垂直方向にいくつの信号を埋め込んだかは,既知として信号検出を行っても良いし,入力装置から入力された画像の大きさと信号ユニットの大きさから逆算しても良い。
1ページ分の透かし画像の水平方向にPw個,垂直方向にPh個のユニットパターンが埋め込めるとすると,画像中の任意の位置のユニットパターンをU(x,y),x=1〜Pw,y=1〜Phと表現し,U(x,y)を「ユニットパターン行列」と称することにする。また,1ページに埋め込むことができるビット数を「埋め込みビット数」と称する。埋め込みビット数はPw×Phである。
図8は,埋め込み情報16を透かし画像に埋め込む方法について示した流れ図である。
ここでは1枚(1ページ分)の透かし画像に,同じ情報を繰り返し埋め込む場合について説明する。同じ情報を繰り返し埋め込むことにより,透かし画像と文書画像を重ね合わせたときに1つのユニットパターン全体が塗りつぶされるなどして埋め込み情報が消失するような場合でも,埋め込んだ情報を取り出すことを可能とするためである。
まず,埋め込み情報16をN元符号に変換する(ステップS201)。図2のステップS102と同様である。以下では,符号化されたデータをデータ符号と称し,ユニットパターンの組み合わせによりデータ符号を表現したものをデータ符号ユニットDuと称する。
次いで,データ符号の符号長(ここではビット数)と埋め込みビット数から,1枚の画像にデータ符号ユニットを何度繰り返し埋め込むことができるかを計算する(ステップS202)。本実施形態ではデータ符号の符号長データをユニットパターン行列の第1行に挿入するものとする。データ符号の符号長を固定長として符号長データは透かし画像には埋め込まないようにしても良い。
データ符号ユニットを埋め込む回数Dnは,データ符号長をCnとして以下の式で計算される。
Figure 2005269551
ここで剰余をRn(Rn=Cn−(Pw×(Ph−1)))とすると,ユニットパターン行列にはDn回のデータ符号ユニットおよびデータ符号の先頭Rnビット分に相当するユニットパターンを埋め込むことになる。ただし,剰余部分のRnビットは必ずしも埋め込まなくても良い。
図9の説明では,ユニットパターン行列のサイズを9×11(11行9列),データ符号長を12(図中で0〜11の番号がついたものがデータ符号の各シンボルを表わす)とする。
次いで,ユニットパターン行列の第1行目に符号長データを埋め込む(ステップS203)。図9の例では符号長を9ビットのデータで表現して1度だけ埋め込んでいる例を説明しているが,ユニットパターン行列の幅Pwが十分大きい場合,データ符号と同様に符号長データを繰り返し埋め込むこともできる。
さらに,ユニットパターン行列の第2行以降に,データ符号ユニットを繰り返し埋め込む(ステップS204)。図9で示すようにデータ符号のMSB(most significant bit)またはLSB(least significant bit)から順に行方向に埋め込む。図9の例ではデータ符号ユニットを7回,およびデータ符号の先頭6ビットを埋め込んでいる例を示している。
データの埋め込み方法は図9のように行方向に連続になるように埋め込んでも良いし,列方向に連続になるように埋め込んでも良い。
以上,パターン割り当て部12における,透かし信号の割り当て(ステップS103)について説明した。次いで,再び図2などを参照しながら,ステップS104以降について説明する。
(ステップS104)
透かし入り文書画像合成部13では,画像データ15と,パターン割り当て部12で割り当てられた透かし信号を重ね合わせる(ステップS104)。透かし入り文書画像の各画素の値は,画像データ15が2値画像の場合,文書画像と透かし画像の対応する画素値の論理積演算(AND)によって計算する。すなわち,文書画像と透かし画像のどちらかが0(黒)であれば,透かし入り文書画像の画素値は0(黒),それ以外は1(白)となる。
一方,画像データ15が3値以上の多値データの場合,以下のように処理を行う。
(カラーパターンの描画方法)
入力された画像は,文書や図等の背景を構成する背景色と,文子や線,図などの構成する前景色を持つ。また,信号ユニットも,信号を表現する前景色と,背景となる背景色を持つ。透かし入り画像合成部13にて画像上に描画する場合は,図10に示したように,信号ユニットの背景色を透過色として扱い,信号ユニットの背景色の部分は,画像そのものの色を出力画像上に残してよい。また,入力画像上の前景色と信号ユニットの前景色が重なる部分は入力画像の前景色を優先して出力画像上に残してよい。また,入力画像上の背景色と信号ユニットの前景色が重なった場合は,信号ユニットの前景色を出力画像上に残してよい。また,輝度成分のみを合成してもよいし,他の色成分を重畳して表現してもよい。
以上の方法により,入力画像と信号ユニットとが重ね合わさった透かし入り画像が生成できる。図11は,透かし入り文書画像の一例を示す説明図である。図12は,図11の一部を拡大して示した説明図である。ここで,ユニットパターンは図7(1)のパターンを用いている。
(ステップS105)
以上のように生成された透かし入り文書画像は,出力デバイス14により出力される(ステップS105)。
以上,透かし情報埋め込み装置10の動作について説明した。
次いで,図1,及び,図12〜図20を参照しながら,透かし情報検出装置30の動作について説明する。
(透かし検出部32)
図13は,透かし検出部32の処理の流れを示す流れ図である。
まず,スキャナなどの入力デバイス31によって印刷物20を計算機のメモリ等に入力する(ステップS301)。この入力デバイス31によって読み込まれた画像を入力画像と称する。入力画像は多値画像であり,以下では256階調のグレー画像として説明する。また入力画像の解像度(入力デバイス31で読み込むときの解像度)は,上記透かし情報埋め込み装置10と異なっていても良いが,ここでは同じ解像度であるとして説明する。また,入力画像は回転や伸縮などの補正が行われているものとする。
次いで,入力画像の大きさと信号ユニットの大きさから,ユニットパターンがいくつ埋め込まれているかを計算する(ステップS302)。例えば入力画像の大きさがW(幅)×H(高さ)であるとして,信号ユニットの大きさをSw×Sh,ユニットパターンはUw×Uh個のユニットから構成されるとすると,入力画像中に埋め込まれているユニットパターンの数(N=Pw×Ph)は以下のように計算される。
Figure 2005269551
ただし,透かし情報埋め込み装置10と透かし情報検出装置30で解像度が異なる場合には,それらの解像度の比によって入力画像中の信号ユニットの大きさを正規化した後,上記の計算を行う。
次いで,ステップS302で計算したユニットパターン数をもとに入力画像に対してユニットパターンの区切り位置を設定する(ステップS303)。図14は入力画像(図14(1))と,ユニットパターンの区切り位置を設定した後の入力画像(図14(2))の一例を示している。
次いで,ユニットパターンの区切りごとにシンボルユニットの検出を行い,ユニットパターン行列を復元する(ステップS304)。以下に,信号検出の詳細を説明する。
図15は,入力画像中における,図3(1)に示したユニットAに対応する領域の一例を示した説明図である。図3では信号ユニットは二値画像であるが,ここでは多値画像である。二値画像を印刷した場合,インクのにじみなどが原因で濃淡が連続的に変化するため,図15のようにドットの周囲が白と黒の中間色になる。したがって図15を波の伝播方向と平行な方向から見た断面図は図16のようになる。図4が矩形波であるのに対し,図16は滑らかな波となる。
また,実際には紙の厚さの局所的な変化や,印刷文書の汚れ,出力デバイスや画像入力デバイスの不安定性などの要因により,入力画像中には多くの雑音成分が付加されることになるが,ここでは雑音成分のない場合について説明する。しかしながら,ここで説明する方法を用いれば,雑音成分が付加された画像に対しても安定した信号検出を行うことができる。
以下では入力画像から信号ユニットを検出するために,波の周波数と方向,および影響範囲を同時に定義できる二次元ウェーブレットフィルタを用いる。以下では,二次元ウェーブレットフィルタの一つであるガボールフィルタを用いる例を示すが,ガボールフィルタと同様な性質を持つフィルタであれば,必ずしもガボールフィルタである必要はなく,さらには信号ユニットと同じドットパターンを持つテンプレートを定義してパターンマッチングを行うなどの方法でも良い。
以下にガボールフィルタG(x,y),x=0〜gw−1,y=0〜gh−1を示す。gw,ghはフィルタのサイズであり,ここでは上記透かし情報埋め込み装置10で埋め込んだ信号ユニットと同じ大きさである。
Figure 2005269551
信号検出には透かし画像に埋め込んだシンボルユニットと周波数,波の方向,および大きさが等しいガボールフィルタを,埋め込んだ信号ユニットの種類と同じ数だけ用意する。ここでは図3のユニットAとユニットBに対応するガボールフィルタをフィルタA,フィルタBと称する。
入力画像中の任意の位置でのフィルタ出力値はフィルタと画像間のコンボリューションにより計算する。ガボールフィルタの場合は実数フィルタと虚数フィルタ(虚数フィルタは実数フィルタと半波長分位相がずれたフィルタ)が存在するため,それらの2乗平均値をフィルタ出力値とする。例えば,フィルタAの実数フィルタと画像間のコンボリューションがRc,虚数フィルタとのコンボリューションがIcであったとすると,出力値F(A)は以下の式で計算する。
Figure 2005269551
図17は,ステップS303によって区切られたユニットパターンU(x,y)中に埋め込まれているシンボルユニットがユニットAであるかユニットBであるかを判定する方法について説明する説明図である。
ユニットパターンU(x,y)に対するシンボル判定ステップを以下のように行う。
(1)フィルタAの位置を移動しながら,ユニットパターンU(x,y)中のすべての位置についてF(A)を計算した結果の最大値をユニットパターンU(x,y)に対するフィルタAの出力値とし,これをFu(A,x,y)とする。
(2)ユニットパターンU(x,y)に対するフィルタBの出力値を(1)と同様に計算し,これをFu(B,x,y)とする。
(3)Fu(A,x,y)とFu(B,x,y)を比較し,Fu(A,x,y)≧Fu(B,x,y)であればユニットパターンU(x,y)に埋め込まれているシンボルユニットはユニットAであると判定し,Fu(A,x,y)<Fu(B,x,y)であればユニットパターンU(x,y)に埋め込まれているシンボルユニットはユニットBであると判定する。
(1),(2)において,フィルタを移動するステップ幅は任意であり,ユニットパターン上の代表的な位置での出力値のみを計算してもよい。また,(3)でFu(A,x,y)とFu(B,x,y)の差の絶対値があらかじめ定めておいた閾値以下であった場合には判定不能としてもよい。
また(1)において,フィルタをずらしながらコンボリューションを計算する過程で,F(A)の最大値があらかじめ定めた閾値を超えた場合に,ただちにU(x,y)に埋め込まれているシンボルユニットはユニットAであると判定して処理を中止しても良い。(2)においても同様に,F(B)の最大値があらかじめ定めた閾値を超えた場合に,ただちにU(x,y)に埋め込まれているシンボルユニットはユニットBであると判定しても良い。
以上,信号検出(ステップS304)の詳細について説明した。再び,図13の流れ図に戻り,以降のステップS305について説明する。ステップS305では,ユニットパターン行列のシンボルを連結してデータ符号を再構成し,元の情報を復元する。
図18は情報復元の一例を示す説明図である。情報復元のステップは以下の通りである。
(1)各ユニットパターンに埋め込まれているシンボルを検出する。
(2)シンボルを連結してデータ符号を復元する。
(3)データ符号を復号して埋め込まれた情報を取り出す。
図19〜図21はデータ符号の復元方法の一例を示す説明図である。復元方法は基本的に図8の逆の処理となる。
まず,ユニットパターン行列の第1行から符号長データ部分を取り出して,埋め込まれたデータ符号の符号長を得る(ステップS401)。
次いで,ユニットパターン行列のサイズとS401で得たデータ符号の符号長をもとに,データ符号ユニットを埋め込んだ回数Dnおよび剰余Rnを計算する(ステップS402)。
次いで,ユニットパターン行列の2行目以降からステップS203と逆の方法でデータ符号ユニットを取り出す(ステップS403)。図20の例ではU(1,2)(2行1列)から順に12個のパターンユニットごとに分解する(U(1,2)〜U(3,3),U(4,3)〜U(6,4),・・・)。Dn=7,Rn=6であるため,12個のパターンユニット(データ符号ユニット)は7回取り出され,剰余として6個(データ符号ユニットの上位6個に相当する)のユニットパターン(U(4,11)〜U(9,11))が取り出される。
次いで,ステップS403で取り出したデータ符号ユニットに対してビット確信度演算を行うことにより,埋め込んだデータ符号を再構成する(ステップS404)。以下,ビット確信度演算について説明する。
図21のようにユニットパターン行列の2行1列目から最初に取り出されたデ−外符号ユニットをDu(1,1)〜Du(12,1)とし,順次Du(1,2)〜Du(12,2),・・・,と表記する。また,剰余部分はDu(1,8)〜Du(6,8)とする。ビット確信度演算は各データ符号ユニットの要素ごとに多数決を取るなどして,データ符号の各シンボルの値を決定することである。これにより,文字領域との重なりや紙面の汚れなどが原因で,任意のデータ符号ユニット中の任意のユニットから正しく信号検出を行えなかった場合(ビット反転エラーなど)でも,最終的に正しくデータ符号を復元することができる。
具体的には例えばデータ符号の1ビット目は,Du(1,1),Du(1,2),・・・,Du(1,8)の信号検出結果が1である方が多い場合には1と判定し,0である方が多い場合には0と判定する。同様にデータ符号の2ビット目はDu(2,1),Du(2,2),・・・,Du(2,8)の信号検出結果による多数決によって判定し,データ符号の12ビット目はDu(12,1),Du(12,2),・・・,Du(12,7)(Du(12,8)は存在しないためDu(12,7)までとなる)の信号検出結果による多数決によって判定する。
ビット確信度演算は,図17の信号検出フィルタの出力値を加算することによっても行うこともできる。これは,例えば図3(1)のユニットAに0のシンボルが割り当てられ,図3(2)のユニットBに1のシンボルが割り当てられているものとし,Du(m,n)に対するフィルタAによる出力値の最大値をDf(A,m,n),Du(m,n)に対するフィルタBによる出力値の最大値をDf(B,m,n)とすると,データ符号のMビット目は,
Figure 2005269551
の場合は1と判定し,それ以外の場合は0と判定する。ただし,N<Rnの場合はDfの加算はn=1〜Rn+1までとなる。
ここではデータ符号を繰り返し埋め込む場合について説明したが,データを符号化する際に誤り訂正符号などを用いることにより,データ符号ユニットの繰り返しを行わないような方法も実現できる。
以上説明したように,本実施形態によれば,以下のような優れた効果が得られる。
(1−1)ドットの配列の違いにより埋め込み情報を表現するため,元の文書のフォント,文字間や行間のピッチに対する変更を伴わない。
(1−2)シンボルを割り当てているドットパターンと,シンボルを割り当てていないドットパターンの濃度(一定区間内のドットの数)が等しいため,人の目には文書の背景に一様な濃度の網掛けがされているように見え,情報の存在が目立たない。
(1−3)シンボルを割り当てているドットパターンと割り当てていないドットパターンを秘密にしておくことで,埋め込まれている情報の解読が困難となる。
(1−4)情報を表わすパターンは細かいドットの集まりで,文書の背景として一面に埋め込まれているため,埋め込みアルゴリズムが公開されたとしても,印刷された文書に対する埋め込み情報の改ざんが困難となる。
(1−5)波(濃淡変化)の方向の違いにより埋め込み信号を検出するため(1画素単位の詳細な検出を行わないので),印刷文書に多少の汚れなどがあった場合でも,安定した情報検出を行うことができる。
(1−6)同じ情報を繰り返し埋め込み,検出時には繰り返し埋め込まれた情報のすべてを利用して情報復元を行うため,大きなフォントの文字によって信号部分が隠されたり,用紙が汚れていたりすることによる部分的な情報の欠落が発生しても,安定して埋め込んだ情報を取り出すことができる。
(1−7)特開2003−101762号公報では,文書画像と透かし画像とを別個に生成する構成を採用していたが,本実施形態では,パターンを画像上に直接レンダリングできるので,文書画像と透かし画像とを別個に生成する必要がない。
(第2の実施形態)
本実施形態では,信号パターン輝度補正方法の応用例(1)について説明する。
透かし情報検出装置30側では,入力された画像全体または一部に対して信号検出用のフィルタリングを行う前に,輝度補正を行う。この輝度補正は,信号検出用のフィルタリング処理の前に行ってもよいし,信号検出用のフィルタリング処理と同時に行ってもよい。それ以外の動作については,上記第1の実施の形態と実質的に同様である。
また,入力される画像は,透かし情報埋め込み装置10が出力した画像もしくは印刷物(紙・カードなど)20そのものであってもよいし,JPEG等の非可逆圧縮によって劣化した画像,デジタルフィルタなどにより縮小された画像,または印刷・撮影・スキャンされた画像などでもよい。
以下に,信号パターン輝度補正の方法について説明する。
図22は,第1の実施形態で説明した方法による,18×18画素で構成された信号ユニットの一例を示す説明図である。図22(a)は情報“1”を記録するパターンの一例であり,図22(b)は情報“0”を記録するパターンの一例である。そして,埋め込む情報が3行×4列=12ビットの情報の場合,図22(c)に示したパターンが形成される。このパターンを例えば600dpiで印刷し,400dpiでスキャンした場合,印刷時に18×18画素の信号ユニットのパターンは,スキャン画像上で12×12画素のぼやけたパターンとなる。
図23(a)は,スキャン画像上で12×12画素のぼやけたパターンの一例である。1つのパターンを表す高い輝度の画素と低い輝度の画素は,この12×12画素の範囲内に存在するため,画像全体を12×12画素のメッシュ状に区切った小領域に分割し,その中で,輝度の最大値と最低値を探索することで,12×12画素単位で信号を表現する波を強調することができる。
1つの12×12画素のパターン内で,輝度の最大値と最低値の画素値が得られるサイズは,12×12画素未満であってもよい。例えば,図23(b)に示したように,6×6画素のサイズでスキャンしても輝度の最大値と最低値が得られる。また,図23(c)に示したように,1つのパターンのサイズよりも大きいサイズ(例えば21×21画素)で小領域を分割し,その中で輝度の最大値と最低値の画素値を探索してもよい。範囲を大きくしていくと,局所的な変化に弱くなるが,文字などの黒画素の集合体の影響は低減できる。
検出する画素値は,輝度の最低値と最小値である必要はなく,例えば図24に示したように,全画素の平均値を求め,(a)平均値よりも高い画素値の平均値と,(b)平均値よりも低い画素値の平均値としてもよい。
または,輝度を明るい輝度と暗い輝度に分けるためのしきい値を全画素の平均値とせず,最低画素値から最高画素値までのすべての画素値に対して,それよりも高い画素値の集合と低い画素値の集合に分け,それぞれの集合で分散を計測し,最も分散が低い集合が得られた画素値をしきい値として使用し輝度値の高い画素と低い画素に分け,それぞれの平均値を使用してもよい。
上記例では,18×18画素のパターンを600dpiで印刷し,400dpiでスキャンする場合であるが,印刷時の解像度とスキャン時の解像度や,パターンのサイズなどは輝度の検出には重要ではなく,スキャンしたときにパターン内に輝度の高い画素値と低い画素値が含まれる範囲であれば,どのような範囲でもよい。
以上の処理によって,図25に示したように,信号パターンを構成する輝度分布が得られる。図25(a)は小領域での高い輝度値の画素分布を示しており,図25(b)は小領域での低い画素値の画素分布を示している。この輝度分布によって,以下のように輝度補正を行う。
ある小領域の高い輝度値をH,低い輝度値をLとすると,該小領域内での輝度補正は,例えば以下のように行うことができる。
Figure 2005269551
以上の処理を,小領域内の全ピクセルに対して実施する。また,すべての小領域に対して,それぞれの小領域用のH,Lを使用して実施する。
これによって,小領域単位で輝度補正を行うことにより,信号部分のダイナミックレンジが拡大し信号検出が容易になる。図26Aは小領域単位での輝度補正を示す説明図である。図中,(a1)は入力画像のうち暗い部分のパターンを示しており,(a2)は入力画像のうち明るい部分のパターンを示している。そして,(b1)は小領域単位で輝度補正を行った補正後画像のうち,(a1)に対応する領域のパターンを示しており,(b2)は小領域単位で輝度補正を行った補正後画像のうち,(a2)に対応する領域のパターンを示している。
図26Bは,上記図26Aの(a1),(a2),(b1),(b2)に対応する画素値の変化を示している。入力画像のうち明るい部分については,(a1)→(b1)のように画素値が補正され,入力画像のうち暗い部分については,(a2)→(b2)のように画素値が補正される。このように,画像上の陰やスキャン時の照明による影響,輝度のムラを補正できる。
また,輝度値が異なる様々な色を用いた信号パターンやパターンごとに色を変えて透かし画像を形成した場合に対しても,パターンごとに輝度補正が可能なため,信号検出が可能となる。
信号検出の方法は,上記第1の実施形態と実質的に同様である。
(第2の実施形態の効果)
以上説明したように,本実施形態によれば,以下のような優れた効果が得られる。
(2−1)スキャン時の陰や照明のムラなどの影響を低減し,信号検出率を向上できる。
(2−2)パターンの色を自由に変更でき,デザイン上の制約が低減できる。
(第3の実施形態)
本実施形態では,信号パターン輝度補正方法の応用例(2)について説明する。なお,上記第2の実施形態との相違点を中心に説明する。
上記第2の実施形態では,画像上に文字や図形などの濃度の濃い(輝度の低い)部分が存在する場合に,輝度補正が効果的に行われない。すなわち,図27に示したように,濃度の濃い(輝度の低い)部分を含む小領域から,(a)輝度の低い画素値,(b)輝度の高い画素値を検出すると,輝度の低い画素値が輝度の低い部分の影響を受け,実際の信号パターンの輝度の低い画素よりも低くなってしまい,輝度補正が効果的に行われない。
通常,信号ユニットのサイズは,文字や行間,文字間隔よりも小さく,文字の含まれない信号ユニットの数の方が多いため,周囲の小領域の低い画素値を調べることで文字の影響をキャンセルできる。そこで,本実施形態では,各小領域の輝度の低い画素値に対して,各小領域近傍に存在する小領域の輝度の低い画素値の分布を調べることで補正を行う。
図28に示したように,ある小領域Mにおいて,周囲24個の小領域の輝度の低い画素値の出現ヒストグラムを計算する。ヒストグラム内に文字等による影響のある画素値(輝度が低くなる)と,文字等による影響のない(輝度が高くなる)画素値があると想定し,分離を行う。
分離の方法は,例えば,輝度の低い画素値のヒストグラムを,2つのグループ(文字等による影響のある画素値と,文字等による影響のない画素値)に分けるしきい値を決定する方法で行うことができる。最も低い値から最も高い値までしきい値を移動させ,2つのグループそれぞれで出現頻度の分散を計測し,もっとも分散が小さくなるしきい値を,使用するしきい値として設定する。
小領域Mが,文字等による影響のある画素値と判定された場合,文字等による影響のある画素値と判定されなかった画素値の平均値に変更する。小領域Mが,文字等による影響のある画素値と判定されなかった場合,変更しない。
以上の処理により,小領域での低い輝度値から文字の影響を除去できる。図29は,小領域での低い輝度値の補正を示す説明図である。(a)のように文字による影響のあるパターンに対して補正を行うことにより,(b)のように文字の影響を除去できる。
以上説明した以外の処理については,上記第2の実施形態と同様に処理を行うものとする。
(第3の実施形態の効果)
以上説明したように,本実施形態によれば,以下のような優れた効果が得られる。
(3−1)文字などの影響を低減できる。
(第4の実施形態)
本実施形態では,信号パターン輝度補正方法の応用例(3)について説明する。なお,上記第2,第3の実施形態との相違点を中心に説明する。
上記第2の実施形態では,画像上に文字や図形などの濃度の濃い(輝度の低い)部分が存在する場合に,輝度補正が効果的に行われない。すなわち,図27に示したように,濃度の濃い(輝度の低い)部分を含む小領域から,(a)輝度の低い画素値,(b)輝度の高い画素値を検出すると,輝度の低い画素値が輝度の低い部分の影響を受け,実際の信号パターンの輝度の低い画素よりも低くなってしまい,輝度補正が効果的に行われない。
そこで,本実施形態では,文字の輝度値よりも高い輝度値を持つ輝度値を設定し,小領域内で輝度の低い画素値を検出する際に,しきい値以上の画素値に対してのみ,低い画素値の検出を行う。
以上説明した以外の処理については,上記第2,第3の実施形態と同様に処理を行うものとする。
(第4の実施形態の効果)
以上説明したように,本実施形態によれば,以下のような優れた効果が得られる。
(4−1)文字などの影響を低減できる。
以上,添付図面を参照しながら本発明にかかる透かし情報埋め込み装置,透かし情報検出装置,透かし情報埋め込み方法,透かし情報検出方法,および印刷物の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,情報の抽出だけでなく,画像の認識や領域分割などで使用するテクスチャ検出処理において,テクスチャ増幅に使用できる。
微小な振幅のテクスチャ増幅全般に使用できる。
本発明は,文書画像に対して文字以外の形式で秘密情報を付加する方法と,印刷された秘密情報入り文書から秘密情報を検出する技術に利用可能であり,特に,透かし情報埋め込み装置,透かし情報検出装置,透かし情報埋め込み方法,透かし情報検出方法,および印刷物に利用可能である。
第1の実施形態にかかる透かし情報埋め込み装置及び透かし情報検出装置の構成を示す説明図である。 透かし情報埋め込み方法の処理の流れを示す流れ図である。 信号ユニットの一例を示す説明図であり,(1)はユニットAを,(2)はユニットBを示している。 図3(1)の画素値の変化をarctan(1/3)の方向から見た断面図である。 信号ユニットの一例を示す説明図であり,(3)はユニットCを,(4)はユニットDを,(5)はユニットEを示している。 背景画像の説明図であり,(1)はユニットEを背景ユニットと定義し,これを隙間なく並べた透かし画像の背景とした場合を示し,(2)は(1)の背景画像の中にユニットAを埋め込んだ一例を示し,(3)は(1)の背景画像の中にユニットBを埋め込んだ一例を示している。 透かし画像へのシンボル埋め込み方法の一例を示す説明図である。 埋め込み情報16を透かし画像に埋め込む方法について示した流れ図である。 透かし検出部32の処理の流れを示す流れ図である。 透かし入り文書画像の合成方法を示す説明図である。 透かし入り文書画像の一例を示す説明図である。 図10の一部を拡大して示した説明図である。 透かし検出部32の処理の流れを示す流れ図である。 (1)入力画像と,(2)ユニットパターンの区切り位置を設定した後の入力画像の一例を示す説明図である。 入力画像中におけるユニットAに対応する領域の一例を示した説明図である。 図15を波の伝播方向と平行な方向から見た断面図である。 ユニットパターンU(x,y)中に埋め込まれているシンボルユニットがユニットAであるかユニットBであるかを判定する方法について説明する説明図である。 情報復元の一例を示す説明図である。 データ符号の復元方法の一例を示す説明図である。 データ符号の復元方法の一例を示す説明図である。 データ符号の復元方法の一例を示す説明図である。 18×18画素で構成された信号ユニットの一例を示す説明図である。 画像内の局所部分を示す説明図である。 小さい範囲内での輝度値の分布を示す説明図である。 輝度の高い画素分布と低い画素分布を示す説明図である。 小領域単位での輝度補正を示す説明図である。 小領域単位での輝度補正を示す説明図である。 文字などによるノイズを示す説明図である。 ある小領域の輝度値を補正する場合に使用する周囲の小領域を示す説明図である。 低い輝度値の補正を示す説明図である。
符号の説明
10 透かし情報埋め込み装置
11 符号化部
12 パターン割り当て部
13 透かし入り文書合成部
14 出力デバイス
15 画像データ
16 埋め込み情報
20 印刷物
30 透かし情報検出装置
31 入力デバイス
32 透かし検出部

Claims (36)

  1. あるテクスチャを持つ画像から特徴を抽出する透かし情報検出装置であって,
    テクスチャを増幅するために,入力された画像上の小領域単位で画像補整を行う手段を備えたことを特徴とする,透かし情報検出装置。
  2. ある空間的周期を持つパターンが規則的に配置されている画像からパターンに対応した情報を読み取る透かし情報検出装置であって,
    入力された画像上の小領域単位で画像補整を行う手段を備えたことを特徴とする,透かし情報検出装置。
  3. 前記小領域で画像補整を行う手段は,小領域単位で,配置されたパターンを構成する値の高い画素値と値の低い画素値を検出することを特徴とする,請求項1または2に記載の透かし情報検出装置。
  4. 前記小領域で画像補整を行う手段は,小領域単位で,配置されたパターンを構成する値の高い画素値と値の低い画素値を検出し,輝度の高い画素値と輝度の低い画素値を利用して小領域のダイナミックレンジを補正することを特徴とする,請求項3に記載の透かし情報検出装置。
  5. 前記値の高い画素値は,小領域内での値の最高値であり,前記値の低い画素値は,小領域内での値の最低値であることを特徴とする,請求項3または4に記載の透かし情報検出装置。
  6. 前記画素値の値は,輝度値であることを特徴とする,請求項3〜5のいずれかに記載の透かし情報検出装置。
  7. 前記画素値の値は,色度であることを特徴とする,請求項3〜5のいずれかに記載の透かし情報検出装置。
  8. 前記画素値の値は,彩度であることを特徴とする,請求項3〜5のいずれかに記載の透かし情報検出装置。
  9. 前記画素値の値は,特定色の濃度であることを特徴とする,請求項3〜5のいずれかに記載の透かし情報検出装置。
  10. 前記小領域は,規則的に配置されたパターンと同じサイズに区分された領域であることを特徴とする,請求項3〜9のいずれかに記載の透かし情報検出装置。
  11. 前記小領域は,規則的に配置されたパターンよりも大きなサイズに区分された領域であることを特徴とする,請求項3〜9のいずれかに記載の透かし情報検出装置。
  12. 前記小領域は,規則的に配置されたパターンよりも小さなサイズに区分された領域であることを特徴とする,請求項3〜9のいずれかに記載の透かし情報検出装置。
  13. 前記小領域で画像補整を行う手段は,近傍の小領域から得られる値を平均化して補正に使用することを特徴とする,請求項3〜12のいずれかに記載の透かし情報検出装置。
  14. 前記小領域で画像補整を行う手段は,近傍の小領域から得られる値のヒストグラムを計算し,近傍の小領域から得られる最頻値を補正に使用することを特徴とする,請求項3〜12のいずれかに記載の透かし情報検出装置。
  15. 前記小領域での画像補整を行う手段で行う値の低い画素値の検出は,設定したしきい値よりも高い画素値に対してのみ行うことを特徴とする,請求項3〜12のいずれかに記載の透かし情報検出装置。
  16. ある空間的周期を持つパターンを規則的に配置する透かし情報埋め込み装置であって,
    入力された画像上に埋め込むデジタル情報に対応するパターンを描画する手段を備え,
    前記描画する手段は,前記入力された画像の色または画素値に応じて埋め込むパターンの色を決定することを特徴とする,透かし情報埋め込み装置。
  17. 前記パターンは,一定の周波数と方向を持つ複数画素からなるパターンであることを特徴とする,請求項16に記載の透かし情報埋め込み装置。
  18. あるテクスチャを持つ画像から特徴を抽出する透かし情報検出方法であって,
    テクスチャを増幅するために,入力された画像上の小領域単位で画像補整を行う工程を含むことを特徴とする,透かし情報検出方法。
  19. ある空間的周期を持つパターンが規則的に配置されている画像からパターンに対応した情報を読み取る透かし情報検出方法であって,
    入力された画像上の小領域単位で画像補整を行う工程を含むことを特徴とする,透かし情報検出方法。
  20. 前記小領域で画像補整を行う工程において,小領域単位で,配置されたパターンを構成する値の高い画素値と値の低い画素値を検出することを特徴とする,請求項18または19に記載の透かし情報検出方法。
  21. 前記小領域で画像補整を行う工程において,小領域単位で,配置されたパターンを構成する値の高い画素値と値の低い画素値を検出し,輝度の高い画素値と輝度の低い画素値を利用して小領域のダイナミックレンジを補正することを特徴とする,請求項20に記載の透かし情報検出方法。
  22. 前記値の高い画素値は,小領域内での値の最高値であり,前記値の低い画素値は,小領域内での値の最低値であることを特徴とする,請求項20または21に記載の透かし情報検出方法。
  23. 前記画素値の値は,輝度値であることを特徴とする,請求項20〜22のいずれかに記載の透かし情報検出方法。
  24. 前記画素値の値は,色度であることを特徴とする,請求項20〜22のいずれかに記載の透かし情報検出方法。
  25. 前記画素値の値は,彩度であることを特徴とする,請求項20〜22のいずれかに記載の透かし情報検出方法。
  26. 前記画素値の値は,特定色の濃度であることを特徴とする,請求項20〜22のいずれかに記載の透かし情報検出方法。
  27. 前記小領域は,規則的に配置されたパターンと同じサイズに区分された領域であることを特徴とする,請求項20〜26のいずれかに記載の透かし情報検出方法。
  28. 前記小領域は,規則的に配置されたパターンよりも大きなサイズに区分された領域であることを特徴とする,請求項20〜26のいずれかに記載の透かし情報検出方法。
  29. 前記小領域は,規則的に配置されたパターンよりも小さなサイズに区分された領域であることを特徴とする,請求項20〜26のいずれかに記載の透かし情報検出方法。
  30. 前記小領域で画像補整を行う工程において,近傍の小領域から得られる値を平均化して補正に使用することを特徴とする,請求項20〜29のいずれかに記載の透かし情報検出方法。
  31. 前記小領域で画像補整を行う工程において,近傍の小領域から得られる値のヒストグラムを計算し,近傍の小領域から得られる最頻値を補正に使用することを特徴とする,請求項20〜29のいずれかに記載の透かし情報検出方法。
  32. 前記小領域での画像補整を行う工程における値の低い画素値の検出は,設定したしきい値よりも高い画素値に対してのみ行うことを特徴とする,請求項20〜29のいずれかに記載の透かし情報検出方法。
  33. ある空間的周期を持つパターンを規則的に配置する透かし情報埋め込み方法であって,
    入力された画像上に埋め込むデジタル情報に対応するパターンを描画する工程を含み,
    前記描画する工程において,前記入力された画像の色または画素値に応じて埋め込むパターンの色を決定することを特徴とする,透かし情報埋め込み方法。
  34. 前記パターンは,一定の周波数と方向を持つ複数画素からなるパターンであることを特徴とする,請求項33に記載の透かし情報埋め込み方法。
  35. 画像上に,ある空間的周期を持つパターンを規則的に配置して印刷された印刷物であって,
    前記パターンは,前記画像上に埋め込むデジタル情報に対応するものであり,
    前記画像の色または画素値に応じて前記パターンの色が決定されることを特徴とする,印刷物。
  36. 前記パターンは,一定の周波数と方向を持つ複数画素からなるパターンであることを特徴とする,請求項35に記載の印刷物。
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