JP2005268859A - 半導体集積回路装置 - Google Patents

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英邦 高尾
Makoto Ishida
誠 石田
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Abstract

【課題】標準的なCMOS集積回路製造技術との高い互換性と十分な低雑音特性を高い費用対効果で実現できるように、安価で、かつ極めて低雑音の全差動型増幅器を構成する半導体集積回路装置を提供する。
【解決手段】多数のFETが集積化される全差動型半導増幅器を構成する体集積回路装置において、全体の雑音に寄与する割合が高い素子を全て単一極性のチャネルを有するJFETに置き換えることにより、低周波成分雑音の大半を取り除き、極低雑音化された増幅回路を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気信号を扱う半導体集積回路装置に係り、nチャネルMOSFETならびにpチャネルMOSFETのCMOS標準素子に加えて低雑音性のJFET素子等からなり、これらを効果的に組み合わせた極低雑音の半導体集積回路装置に関するものである。
従来、CMOS集積回路の低雑音化としては半導体デバイスそのものの低雑音化、ないし回路動作による低雑音化が並列的に行われてきた。
(1)低雑音デバイスの集積化(Bi−CMOS技術)による低雑音アナログ回路の形成について説明する。
CMOS集積回路と低雑音アナログ集積回路を集積化する場合、一般にはバイポーラトランジスタとMOSFETを同じ半導体チップ上に集積化するBi−CMOS技術が用いられてきた。本方式は、CMOS部分でディジタルロジック回路を形成し、低雑音性が要求されるアナログ回路部分にはバイポーラ回路を用いるもので、それぞれ確立された技術の集合体であり、確実な高性能化が達成される。その一方で、バイポーラトランジスタとCMOSの集積化はCMOSのみの場合と比較して製造プロセスが相当に複雑であり、それによって、製造コストが大幅に増加する。製造コストを抑えるには、全ての回路素子をCMOS構成とすることが最も有効である。
MOSFET素子自体の低雑音化は、製造技術の向上による素子内部の結晶欠陥や界面準位の低減によって成し遂げられてきた。しかし、MOSFET素子で発生する低周波成分雑音(1/f雑音)が支配的な雑音になるというCMOSの本質的な欠点を解消するに至っていない。
(2)回路構成の改善、工夫による低雑音CMOSアナログ回路の形成について説明する。
トランジスタ素子の改善以外の手法として、回路構成、回路動作によって1/f雑音を低減する従来手法もある。
第一の例として、n型ポリシリコンゲートを有するCMOS集積回路の場合、pチャネルMOSFETが閾値調整イオン注入を必要とすることから導電チャネルが埋め込み型となり、nチャネルMOSFETと比較して1/f雑音が小さくなることが一般に知られている。この特性を利用して、雑音の主な支配源と考えられてきた増幅回路の差動入力素子対をpチャネルMOSFETとした増幅回路がある。その一例を図9に示す(下記非特許文献1参照)。
図9はかかる従来の入力差動素子対をpチャネルMOSFETで構成した演算増幅器の例を示す図である。
この図において、M1、M2は入力段入力トランジスタ、M3、M4は入力段負荷トランジスタ、M7は入力段電流源トランジスタ、M10、M11、M12は位相補償用トランジスタ、M8は出力段電流源トランジスタ、M5は出力段駆動トランジスタである。
これは、入力段入力トランジスタM1とM2が入力差動対となるpチャネルMOSFETである。この回路構成は、同相入力電圧がVssと同じになっても動作するため、低電圧動作を必要とする場合に用いられることが多い。入力段入力トランジスタM1、M2をpチャネルMOSFETとすることで低雑音化は行われるが、ここで負荷素子となる入力段負荷トランジスタM3、M4はnチャネルMOSFETとなるため、設計を十分に工夫しない限り有効な低雑音化は行えない。また、低雑音化効果も入力素子が寄与している雑音成分に対してのみであるため、全体的な低雑音効果は小さいといえる。
CMOS構成によるその他の1/f雑音低減技術としては、第二の例として、チョッパスタビライゼーションと呼ばれる技術が多く用いられる。その原理的構成を図10に示す(下記非特許文献2参照)。
図10は従来の全差動増幅器を用いたチョッパスタビライズド増幅器の例を示す図である。
ここで、1は全差動増幅器、2は信号変調用スイッチ回路、3は信号復調用スイッチ回路、4は低域通過フィルタ回路である。
信号変調用スイッチ回路2と信号復調用スイッチ回路3は、上下の配線間の低周波の信号の電位差をφとφ(バー付き)の端子に入力される切り替えクロック信号の周波数に変調したり、逆に復調したりする働きを有する。この技術では、全差動増幅器1に低周波の信号が入力される前に信号変調用スイッチ回路2において信号をクロック周波数(高周波)に変調し、その変調された信号が全差動増幅器1に入力され、高周波の交流信号として増幅される。その際、増幅器1内部で発生する1/f雑音は変調増幅された信号に低周波雑音として加えられる。その後、信号復調用スイッチ回路3において再度クロック周波数で復調された信号はもとの直流付近の周波数帯域に復調されるが、その際、増幅器1内部で発生した1/f雑音は逆に高周波に変調されるため、増幅器1で発生する1/f雑音は低域通過フィルタ回路4によって除去され、信号から分離させることが可能となる。
本方式は簡便に高いS/N比を得られることから、CMOSアナログ信号処理においてよく用いられている。しかしながら、変調された周波数の高調波成分まで増幅できる広い信号帯域を有する増幅器を用いる必要性があるため、それに伴う様々な弊害が発生する。また、信号をスイッチングすることにより、スイッチング雑音の増加が生じることや、出力で高周波に変調された雑音成分を除去するために後段に低域通過フィルタ回路を必要とすることなど、通常の増幅器と比較して構成、設計共に複雑化してしまう。
第三の例として、オートゼロ(自動オフセット補償)技術も低周波雑音を低減するCMOS回路技術の一つである。この技術では、定期的に増幅器が有する零点オフセット電圧を検出し、一時的に容量素子にその電圧を蓄積して、オフセット電圧と互いに相殺させる。
図11は従来の自動オフセット補償回路の例を示す図(下記非特許文献3参照)であり、図11(a)は増幅器出力が単極性(シングルエンド)の場合であり、図11(b)は出力が差動となっている全差動の場合であるが、動作に本質的な違いはない。
図11において、Cはオフセット電圧記憶用容量素子、SW1は入力端子切り換え用スイッチ回路、SW2は出力帰還用スイッチ回路、ΔVは増幅器の仮想入力オフセット電圧である。
シングルエンドの場合〔図11(a)〕と差動出力の場合〔図11(b)〕でそれぞれ、オフセット電圧記憶用の容量素子Cが1個ならびに2個備わっている。この自動オフセット補償回路はオフセット電圧を容量素子Cに記憶する動作と、その電圧を用いて入力オフセット電圧を打ち消しながら増幅する動作とを交互に繰り返しながら動作する。まず、容量素子Cにオフセット電圧を記憶する動作モードでは、入力側の入力端子切り換え用スイッチ回路SW1と出力帰還用スイッチ回路SW2を閉じて増幅器出力に入力オフセット電圧(−ΔV)を生じるように接続し、その電圧が容量素子Cに充電される。次に、増幅器として動作するモードでは、入力端子切り換え用スイッチ回路SW1と出力帰還用スイッチ回路SW2は開かれ、容量素子Cに充電された電圧(−ΔV)が増幅器の入力オフセット電圧(ΔV)を相殺するため、入力オフセット電圧がほぼ0Vの状態で増幅器として動作する。この動作により、モードの切り替え周波数(クロック周波数)よりも十分に低くかつ直流オフセット電圧に近い周波数帯域の低周波雑音、すなわち1/f雑音も同様に打ち消されるため、結果として1/f雑音の低減効果がある。
しかしながら、この回路は一種のサンプルホールド回路と同様の動作を行う必要があるため、信号エイリアスの発生防止用フィルタが必要などの点で回路が複雑化する。また、スイッチング技術を用いるために、スイッチング雑音が増加したり、広帯域の増幅器が必要となるなど、第二の例に示したチョッパスタビライゼーションと同様の問題が発生する。
(3)低雑音JFET素子の混載による低雑音アナログ回路の形成について説明する。
JFET素子はCMOS製造工程に僅かな変更と追加を行うだけで形成できる低雑音トランジスタである。これまで、本願発明者らのグループではこのJFET−MOS集積化技術について研究を行い報告してきた。
図12は従来のJFETとCMOS回路を一体化した半導体集積回路装置の断面模式図である(下記非特許文献4参照)。
この図において、11はn型基板、12,13はp型ウェル、14はnチャネルMOSFET、15はpチャネルMOSFET、16はnチャネルJFET素子である。
ここでは、p型ウェル12,13をn型基板11に形成しているため、nチャネルMOSFET14はp型ウェル12中に、pチャネルMOSFET15はn型基板11上に形成されることになる。ここでnチャネルJFET素子16はp型ウェル13を用いて形成されているため、p型ウェル13中にnチャネルをもつnチャネルJFETが集積化されている。
その他、CMOSには、逆にpチャネルMOSFETをn型ウェル中に形成する製造法やp型およびn型の2つのウェルを形成してnチャネルMOSFETならびにpチャネルMOSFETをそれぞれ形成する製造法がある。これらの場合、JFETはp型チャネルを有するものとして形成された方が好ましい場合もあるが、いずれにせよ、JFETとMOSFETを集積化する手法としては本質的な違いはない。ウェルを利用したJFETの形成は、その製作工程の大部分をウェル中に製作するMOSFET(図12ではnチャネルMOSFET14)と共通化できるため、製造コストにはほとんど影響がないレベルの変更で実現することができる。実際に必要な増加工程をあげると、フォトマスク工程が1回と、追加イオン注入が2回のみである。
この方法で作製したnチャネルJFET、ならびにnチャネルMOSFETとpチャネルMOSFETのゲート換算雑音測定結果を図13に示す(下記非特許文献4参照)。なお、図13において、横軸は周波数〔Hz〕、縦軸は入力換算雑音〔dBV/Hz0.5 〕である。この図から明らかなように、CMOSと集積化したJFETであってもMOSFETと比較して非常に低い1/f雑音特性を有していることがわかる。
これに加えて、さらにウェル中のJFETとは逆極性のチャネルを有するJFETを基板側に形成することも技術的には可能である。しかし、それに伴う工程変更によって製造コストは当然ながら上昇する上、ウェル中に形成したJFETと比較して基板側に形成したJFETは十分な電流制御能力を発揮することができない。よって、その費用対効果は小さく、単極性のチャネルを有するJFET−CMOS混載集積化技術を用いていかに低雑音のアナログ集積回路を形成するかが、高い費用対効果を発揮する低雑音増幅回路形成の重要な点となる。
ところで、ウェル中に形成するJFETと同じ極性のチャネルを有するMOSFETを、回路中でJFETに置き換えることにより、もとあったMOSFETの発する雑音を大部分除去することが可能である。よって、JFETと置き換えるMOSFETは回路中で支配的に雑音を発生する素子であるほど効果が高い。
図14は本願発明者らによって報告されたJFET−CMOS混載低雑音増幅器の一例を示す図である(下記非特許文献5参照)。
本回路は折り返しカスコード構成をとった1段型の演算増幅器となっている。本来ならば全てのnチャネルデバイスはnチャネルMOSFETで構成されているものであるが、ここでは雑音に寄与する割合が高い部分のnチャネルデバイス21,22が全てnチャネルJFETによって置き換えられている。このnチャネルJFETへの置き換えにより、回路全体の1/f雑音は完全なCMOS構成の場合と比較して約6分の1程度に低減されるという実験結果を得た。しかしながら、一般的なCMOS回路において、主要な雑音源はnチャネルMOSFETならびにpチャネルMOSFETの両極性の素子である場合が多く、pチャネルの素子を含めて全てをJFET化することはこれまで報告されていない。図12、及び14に示した集積回路装置の場合も、回路雑音に主要な影響を及ぼすpチャネルMOSFETがそのまま残されており、それによって回路全体の雑音はやはり1/f雑音が支配的となっている。雑音源となっているpチャネルMOSFET部分をpチャネルJFET化することで低雑音化を図ることができるが、上述した通り、それは費用対効果が小さい。
VLSI Design Techniques for Analog and Digital Circuits,R.L.Geiger,P.E.Allen,N.R.Strader,McGRAW−HILL INTERNATIONAL EDITIONS,Electronic Engineering Series,p.493) Analog MOS Integrated Circuits for Signal Processing,R.Gregorian,G.C.Temes,A.Wiley−Interscience Publication JOHN WILEY&SONS,p.504 Design of Analog−Digital VLSI Circuits for Telecommunications and Signal Processing;Second Edition,J.E.Franca,Y.Tsividis,Prentice−Hall Inc.,p.108) 高尾英邦,浅岡力弥,澤田和明,川人祥二,石田誠,"低雑音センサインターフェース回路に向けたJFET混載CMOS技術",電気学会論文誌 センサ・マイクロマシン準部門誌,Vol.123,No.10,pp.422−428,2003) H.Takao,Y.Ito,K.Serge,K.Sawada,M.Ishida,Low−Noise JFET−CMOS Amplifiers for High Resolution Smart Sensor Interface Circuit,Proceedings of The 20th Sensor Symposium,pp.289−294,2003) Analog MOS Integrated Circuits for Signal Processing,R.Gregorian,G.C.Temes,A.Wiley−Interscience Publication JOHN WILEY&SONS,p170
上述のとおり、標準的なCMOS集積回路製造技術との高い互換性(すなわち低い製造コスト)と十分な低雑音特性を高い費用対効果で実現できる解決手段は知られていない。
本発明は、上記状況に鑑みて、安価で、かつ極めて低雑音の半導体集積回路装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕複数のFETが集積化される半導体集積回路装置において、全体の雑音に寄与する割合が高い素子を全て単一極性のチャネルを有するJFETに置き換えることにより、低周波成分雑音の大半が取り除かれて極低雑音化された増幅回路を有することを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕記載の半導体集積回路装置において、アナログ信号増幅回路の初段増幅器の信号入力用FETおよび初段増幅器負荷用FETを単一極性のチャネルを有するJFETに置き換えることを特徴とする。
〔3〕上記〔1〕又は〔2〕記載の半導体集積回路装置において、前記増幅回路の増幅段は1段ないし複数段を含むことを特徴とする。
〔4〕上記〔1〕記載の半導体集積回路装置において、前記増幅回路の入力段増幅器を全て単一極性のnチャネルJFETに置き換えることを特徴とする。
〔5〕上記〔1〕記載の半導体集積回路装置において、前記増幅回路の入力段増幅器を全て単一極性のpチャネルJFETに置き換えることを特徴とする。
〔6〕上記〔1〕記載の半導体集積回路装置において、前記増幅回路の入力段増幅器を全て単一極性のnチャネルJFETに置き換えた全差動増幅器とすることを特徴とする。
〔7〕上記〔1〕記載の半導体集積回路装置において、前記増幅回路の入力段増幅器を全て単一極性のpチャネルJFETに置き換えた全差動増幅器とすることを特徴とする。
本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
本発明は複数のFETが集積化される半導体集積回路装置において、全体の雑音に寄与する割合が高い素子をすべてn型もしくはp型のいずれか一方のチャネルを有するJFETに置き換えることで、1/f雑音を取り除き、通常のCMOSと同等に安価で、かつ極めて低雑音の増幅回路並びにそれを集積化した高性能システムLSIを提供することができる。
単一極性のJFETを集積化する製造工程の僅かな変更を許容すれば、本発明により信号処理回路の極低雑音化が達成される。よって、現在盛んに製品開発されているCMOSシステムLSIのアナログ回路部のダイナミックレンジを飛躍的に向上させることができる。また、メモリ等のセンスアンプやロジック回路の比較器などの感度も極めて向上させることができる。具体的には、MOSFETと比較して雑音が1%程度のJFETを効果的に用いることで、回路から発生する雑音を1%程度にまで低減させることが可能であり、他の要因を考慮しても回路のダイナミックレンジや最小検出分解能を30〜40dB程度向上させることが可能である。その一方で、製造工程の変更によるJFETの集積化がもたらすコスト上の増加分は1%以下と予想され、極めて高い費用対効果を得られると期待できる。
また、本発明の手法は、半導体材料が異なるMIS集積回路、例えばシリコンカーバイド(SiC)基板上やダイヤモンド(C)基板上のMIS集積回路においても、JFETなどの低雑音素子を形成して適用することが可能である。
本発明は、電気信号を扱う半導体集積回路装置に係り、nチャネルMOSFETならびにpチャネルMOSFETのCMOS標準素子に加えて低雑音性のJFET素子等からなり、これらを効果的に組み合わせた集積回路装置を形成することで極低雑音の集積回路装置を提供する。特に、低周波信号を取り扱うアナログ集積回路において高SN比の信号処理を実現する。また、高いSN比が要求される一部のディジタル集積回路においても高い低雑音性能を達成できる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施例を示す全ての主要な雑音源をnチャネルJFET化した全差動増幅器の構成図である。
この図において、31は入力用nチャネルJFET、32は出力段下部負荷用nチャネルJFET、33は出力段上部電流源nチャネルJFET、34は信号伝達用ゲート接地pチャネルMOSFET、35は入力段電流源nチャネルMOSFET、36は出力段上部負荷用nチャネルMOSFETである。
ここでは、全ての主要な雑音源を1種類のチャネル(ここではnチャネル)のJFETで置き換えた全差動型増幅器を構成している。すなわち、本回路は、図14と同じく、折り返しカスコード構成を有する1段増幅型の演算増幅器であり、pチャネルMOSFETをnチャネルJFETで置き換え、全ての主要な雑音源を単一極性のチャネルを有するJFETに置き換えるようにしている。
図1において、31Aは入力nチャネルMOSFETをnチャネルJFETに置き換えた部分、32AはnチャネルMOSFET定電流源をnチャネルJFETに置き換えた部分、33Aは図14に示した回路と同様、通常ならばpチャネルMOSFET定電流源であるところをnチャネルJFETに置き換えた部分である。これら三つがnチャネルJFETに置き換える前の本回路の支配的な雑音源となるトランジスタ群である。
本発明によれば、pチャネルMOSFETは図1に示すようにゲート−ソース間を短絡して0VにバイアスされたnチャネルJFET33に置き換えることが可能である。これによって支配的な雑音源が全てnチャネルJFETによって置き換えられたことになる。
なお、雑音の主要な発生源となっていた置き換え部分31〜33以外の素子についてみれば、図1において、34は入力トランジスタ(入力用nチャネルJFET)31から発生する信号を出力の負荷トランジスタ(出力段下部負荷用nチャネルJFET)に伝達するための、ゲート接地された信号伝達用ゲート接地pチャネルMOSFET、35は入力差動対(入力用nチャネルJFET)を流れる電流を決定する電流源の入力段電流源nチャネルMOSFET、36はカスコード接続された負荷素子となる部分の上段部の出力段上部負荷用nチャネルMOSFETである。
pチャネルMOSFET34とnチャネルMOSFET36はそのソース端子がそれぞれnチャネルJFET33とnチャネルJFET32によって電源ラインVddとVssから分離されているため、これらの素子から発生する雑音は高い出力抵抗を持つ定電流源のnチャネルJFET33とnチャネルJFET32によってほとんど打ち消され、出力には表れ難いので無視できる。また、nチャネルMOSFET35で発生する雑音は差動構成となっている本実施例においては同相成分としての影響しか与えず、回路の高い同相信号除去性能によって打ち消されるためその影響も無視できる。よって、本実施例の回路構成においては、極低雑音のJFETが回路の雑音を決定する要因となっており、全体の雑音が極めて低く抑えられる。また、全てのJFETがnチャネル1種類で十分な機能を果たしている。なお、本実施例では全てのJFETはn型チャネルで実現されているが、全てのトランジスタのチャネル極性、ならびに電源線の極性を反転して形成した増幅回路においても本質的に全く同じ効果が得られる。
図2は図1に示した本発明の実施例にかかる増幅回路と、従来技術である図14に示した増幅回路の雑音特性を比較したものである。
この図から明らかなように、従来技術においては、主要な雑音源であるpチャネルMOSFETが残されている分だけ、低周波において1/f雑音が大きい。それと比較して、本実施例においては極めて小さい1/f雑音しか表れていない。図中には示されていないが、同様の全差動回路構成を完全なCMOS構成で形成した場合においては、その1/f雑音は本実施例と比較して数十倍以上大きいことが同じく実験的に確認されている。
その他の実施例として、CMOS2段増幅型演算増幅器への適用を示す。
図3は比較例としての典型的なCMOS構成の2段増幅型演算増幅器の例を示す図である(上記非特許文献6参照)。
この図において、A1は入力段差動増幅器、A2は出力段増幅器、S1は電圧レベルシフト回路である。
この図に示すように、CMOS構成の差動増幅器からなる入力段差動増幅器A1とCMOS構成の出力段増幅器A2が直列に接続され、高い増幅利得を得る。本実施例では、直流電圧レベルの整合を取るため、A1,A2(2段)間の接続に電圧レベルシフト回路S1を用いているが、演算増幅器の特性に本質的影響はない。この2段増幅型演算増幅器の原理を示したのが図4である。
この図4は、比較例としての従来から知られている図3の2段型演算増幅器の原理的構成を示す図である。
この図において、NM1,NM2は信号入力用nチャネルMOSFET、PM1,PM2は初段増幅器負荷用pチャネルMOSFET、40は電流源、41は第1の電源、42は第2の電源、43は出力増幅器である。
ここで、電源41の電源線には電源42よりも高い電圧が与えられているものとする。この2段増幅型演算増幅器においては、全体の雑音に大きく寄与するのは入力段の増幅器のみである。なぜならば、初段側で発生する雑音は、入力換算値で考えた場合、雑音の大きさに直接影響するのに対し、入力から見た出力段の雑音は入力段において増幅された後に発生する雑音であるため、入力段利得分だけその影響量が小さいためである。よって、入力段の増幅利得が十分高い場合、出力段増幅器で発生する雑音が全体に寄与する割合は十分小さくなる。また、入力段増幅器の中でも雑音に大きく寄与するのは信号入力用nチャネルMOSFETのNM1、NM2、初段増幅器負荷用pチャネルMOSFETのPM1、PM2の4素子のみであり、電流源40の部分は同相信号雑音のみ生じるため、雑音にほとんど寄与しない。よって、NM1,NM2,PM1,PM2の4素子のみを低雑音素子に置き換えれば、2段増幅型演算増幅器全体を低雑音化することができる。
図5は本発明の第2実施例を示す入力段増幅器を全て単一極性チャネルのnチャネルJFETとした2段増幅型演算増幅器の例を示す図である。
この図において、NJ1,NJ2は信号入力用nチャネルJFET、NJ3,NJ4は初段増幅器負荷用nチャネルJFET、50は電流源、51は第1の電源、52は第2の電源、53は出力増幅器である。
このように、初段増幅器の信号入力用FETをNJ1,NJ2に、初段増幅器負荷用FETをNJ3,NJ4に置き換えるようにしたので、低雑音の2段増幅型演算増幅器を形成することができる。ここでは入力部のnチャネルMOSFETが低雑音のnチャネルJFETに置き換えられているが、本実施例の最も特徴とする点は、CMOS増幅器において雑音に大きく寄与している電流源もしくは能動負荷として働くMOSFETを反対の極性のチャネルを有するJFETに置き換えることである。
すなわち、入力段増幅器の負荷素子であるpチャネルMOSFET(図4におけるPM1とPM2)がnチャネルJFET(図5におけるNJ3とNJ4)に置き換えられている。これにより、入力段増幅器で主な雑音源となるnチャネルMOSFETとpチャネルMOSFETを全て低雑音のnチャネルJFET一種類で形成できるため、この2段増幅型演算増幅器から生じる雑音全体が大幅に低減され、回路の製作工程上も複雑化を招くことはない。
上記の実施例は全てnチャネルのJFETで構成したものであるが、pチャネルのJFETを用いても同様に性能的に等価な回路を得ることができる。
図6は本発明の第3実施例を示す入力段増幅器を全て単一極性チャネルのpチャネルJFETとした2段増幅型演算増幅器の例を示す図である。
この図において、PJ1,PJ2は信号入力用pチャネルJFET、PJ3,PJ4は初段増幅器負荷用pチャネルJFETである。
この実施例においても、入力段増幅器で主な雑音源となるnチャネルMOSFETとpチャネルMOSFETを全て低雑音のpチャネルJFET一種類に置き換えることができるため、この2段増幅型演算増幅器から生じる雑音全体が大幅に低減され、回路の製作工程上も複雑化を招くことはない。
上記はシングルエンド型の2段増幅型演算増幅器であったが、2段増幅型の差動出力型(全差動型)演算増幅器も同様に実現できる。
図7は本発明の第4実施例を示す入力段増幅器の主要雑音源を全てnチャネルJFETで形成した全差動演算増幅器の例を示す図である。
この図において、NJ1,NJ2は信号入力用nチャネルJFET、NJ3,NJ4は初段増幅器負荷用nチャネルJFETである。
この実施例においても、入力段増幅器で主な雑音源となるnチャネルMOSFETとpチャネルMOSFETを全て低雑音のnチャネルJFET一種類に置き換えることができるため、この2段型演算増幅器から生じる雑音全体が大幅に低減され、回路の製作工程上も複雑化を招くことはない。
図8は本発明の第5実施例を示す入力段増幅器の主要雑音源を全てpチャネルJFETで形成した全差動演算増幅器の例を示す図である。
この図において、PJ1,PJ2は信号入力用pチャネルJFET、PJ3,PJ4は初段増幅器負荷用pチャネルJFETである。
この実施例においても、入力段増幅器で主な雑音源となるnチャネルMOSFETとpチャネルMOSFETを全て低雑音のpチャネルJFET一種類に置き換えることができるため、この2段型演算増幅器から生じる雑音全体が大幅に低減され、回路の製作工程上も複雑化を招くことはない。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の半導体集積回路装置は、現在盛んに開発されているCMOSシステムLSIのアナログ回路部のダイナミックレンジを飛躍的に向上させる効果があり、集積化製造工程の僅かな変更で実現可能であるので、半導体集積化システム開発に資するところが大である。
本発明の実施例を示す全ての主要な雑音源をnチャネルJFET化した全差動増幅器の構成図である。 図1に示した本発明の実施例にかかる増幅回路と、従来技術である図14に示した増幅回路の雑音特性を比較した図である。 比較例としての典型的なCMOS構成の2段増幅型演算増幅器の例を示す図である。 図3に示した比較例としての2段増幅型演算増幅器の原理的構成を示す図である。 本発明の第2実施例を示す入力段増幅器を全て単一極性チャネルのnチャネルJFETとした2段増幅型演算増幅器の例を示す図である。 本発明の第3実施例を示す入力段増幅器を全て単一極性チャネルのpチャネルJFETとした2段増幅型演算増幅器の例を示す図である。 本発明の第4実施例を示す入力段増幅器の主要雑音源を全てnチャネルJFETで形成した全差動演算増幅器の例を示す図である。 本発明の第5実施例を示す入力段増幅器の主要雑音源を全てpチャネルJFETで形成した全差動演算増幅器の例を示す図である。 従来の入力差動素子対をpチャネルMOSFETで構成した演算増幅器の例を示す図である。 従来の全差動増幅器を用いたチョッパスタビライズド増幅器の例を示す図である。 従来の自動オフセット補償回路の例を示す図である。 従来のJFETとCMOS回路を一体化した半導体集積回路装置の断面模式図である。 図12の構造を有する集積回路におけるnチャネルJFET、ならびにnチャネルMOSFETとpチャネルMOSFETのゲート換算雑音測定結果を示す図である。 本願発明者らによって報告されたJFET−CMOS混載低雑音増幅器の一例を示す図である。
符号の説明
31 入力用nチャネルJFET
31A 入力nチャネルMOSFETをnチャネルJFETに置き換えた部分
32 出力段下部負荷用nチャネルJFET
32A nチャネルMOSFET定電流源をnチャネルJFETに置き換えた部分
33 出力段上部電流源nチャネルJFET
33A 通常ならばpチャネルMOSFET定電流源であるところをnチャネルJFETに置き換えた部分
34 信号伝達用ゲート接地pチャネルMOSFET
35 入力段電流源nチャネルMOSFET
36 出力段上部負荷用nチャネルMOSFET
50 電流源
51 第1の電源
52 第2の電源
53 出力増幅器
NJ1,NJ2 信号入力用nチャネルJFET
NJ3,NJ4 初段増幅器負荷用nチャネルJFET
PJ1,PJ2 信号入力用pチャネルJFET
PJ3,PJ4 初段増幅器負荷用pチャネルJFET

Claims (7)

  1. 複数のFETが集積化される半導体集積回路装置において、全体の雑音に寄与する割合が高い素子を全て単一極性のチャネルを有するJFETに置き換えることにより、低周波成分雑音の大半が取り除かれて極低雑音化された増幅回路を有することを特徴とする半導体集積回路装置。
  2. 請求項1記載の半導体集積回路装置において、アナログ信号増幅回路の初段増幅器の信号入力用FETおよび初段増幅器負荷用FETを単一極性のチャネルを有するJFETに置き換えることを特徴とする半導体集積回路装置。
  3. 請求項1又は2記載の半導体集積回路装置において、前記増幅回路の増幅段は1段ないし複数段を含むことを特徴とする半導体集積回路装置。
  4. 請求項1記載の半導体集積回路装置において、前記増幅回路の入力段増幅器を全て単一極性のnチャネルJFETに置き換えることを特徴とする半導体集積回路装置。
  5. 請求項1記載の半導体集積回路装置において、前記増幅回路の入力段増幅器を全て単一極性のpチャネルJFETに置き換えることを特徴とする半導体集積回路装置。
  6. 請求項1記載の半導体集積回路装置において、前記増幅回路の入力段増幅器を全て単一極性のnチャネルJFETに置き換えた全差動増幅器とすることを特徴とする半導体集積回路装置。
  7. 請求項1記載の半導体集積回路装置において、前記増幅回路の入力段増幅器を全て単一極性のpチャネルJFETに置き換えた全差動増幅器とすることを特徴とする半導体集積回路装置。
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