JP2005268811A - 露光装置 - Google Patents

露光装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005268811A
JP2005268811A JP2005108263A JP2005108263A JP2005268811A JP 2005268811 A JP2005268811 A JP 2005268811A JP 2005108263 A JP2005108263 A JP 2005108263A JP 2005108263 A JP2005108263 A JP 2005108263A JP 2005268811 A JP2005268811 A JP 2005268811A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wafer
mask
exposure apparatus
stage
base
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005108263A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4186945B2 (ja
Inventor
Akimitsu Ebihara
明光 蛯原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP2005108263A priority Critical patent/JP4186945B2/ja
Publication of JP2005268811A publication Critical patent/JP2005268811A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4186945B2 publication Critical patent/JP4186945B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 レチクルステージ(マスクステージ)等を駆動する際に生じる駆動反力を低減し、投影光学系等へ伝達する振動の影響を小さくして、高精度な露光を行う。
【解決手段】 マスク(1)のパタ−ンの像を投影光学系(2)を介して基板(3)上に転写する露光装置において、そのマスク(1)を保持して移動させるマスクステージ(4)と、このマスクステージ(4)を移動させるマスクベース(9)と、このマスクベース(9)とその投影光学系(2)とを支持する構造体(6)と、そのマスクステージ(4)及びそのマスクベース(9)の動作を制御する制御系(52)とを有し、そのマスクベース(9)を制御することによって、そのマスクステージ(4)の駆動反力のその構造体(6)に対する影響を低減する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、半導体素子、液晶表示素子、又は薄膜磁気ヘッド等を製造するためのリソグラフィ工程でマスクパターンを感光性の基板上に転写するために使用される露光装置に関する。
半導体素子等を製造する際に、マスクとしてのレチクルのパターンの像を投影光学系を介して基板としてのレジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上の各ショット領域に転写する投影露光装置が使用されている。従来は、投影露光装置として、ステップ・アンド・リピート方式(一括露光型)の投影露光装置(ステッパー)が多用されていたが、最近ではレチクルとウエハとを、投影光学系に対して同期走査して露光を行うステップ・アンド・スキャン方式のような走査露光型の投影露光装置(走査型露光装置)も注目されている。
従来の露光装置では、パターン原版であるレチクルとそのパターンが転写されるウエハとをそれぞれ支持搬送するレチクルステージ、及びウエハステージの駆動部が、投影光学系を支持する構造体に固定されており、また、投影光学系も重心付近がその構造体に固定されていた。また、ウエハステージを高精度に位置決めするために、ウエハステージの位置をレーザ干渉計により計測しており、ウエハステージには、レーザ干渉計用の移動鏡が取り付けられていた。
さらに、ウエハをウエハステージ上のウエハホルダに搬送するために、ウエハをウエハカセットから取り出してウエハホルダ側に搬送するウエハ搬送アームと、ウエハをウエハホルダからウエハカセット側に運ぶウエハ搬送アームとが独立して備えられており、ウエハの搬入の際には、ウエハ搬送アームにより運ばれてきたウエハが、ウエハホルダに備えられた専用の昇降自在の支持部材に一旦仮に固定して支持され、その後搬送アームが退避してから支持部材が下降し、ウエハをウエハホルダ上に載置していた。この後に、ウエハはウエハホルダ上に真空吸着され、露光装置からウエハを搬出する際は、この逆の動作が行われていた。
上記の如く従来の露光装置では、レチクルステージ(マスクステージ)等の駆動部と投影光学系とが同一の構造体に固定されていたため、ステージの駆動反力により生じる振動が構造体に伝達し、更に投影光学系にも振動が伝達していた。そして、全ての機械構造物は所定の周波数の振動に対して機械共振するため、このような振動がその構造体に伝達すると、構造体の変形や共振現象が引き起こされ、転写パターン像の位置ずれやコントラストの低下が生じるという不都合があった。
本発明は斯かる点に鑑み、レチクルステージ(マスクステージ)等を駆動する際に生じる振動の影響を小さくして、高精度な露光を行うことができる露光装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の露光装置は、マスク(1)のパタ−ンの像を投影光学系(2)を介して基板(3)上に転写する露光装置において、そのマスク(1)を保持して移動させるマスクステージ(4)と、このマスクステージ(4)を移動させるマスクベース(9)と、このマスクベース(9)とその投影光学系(2)とを支持する構造体(6)と、そのマスクステージ(4)及びそのマスクベース(9)の動作を制御する制御系(52)とを有し、そのマスクベース(9)を制御することによって、そのマスクステージ(4)の駆動反力のその構造体(6)に対する影響を低減するものである。
斯かる本発明の第1の露光装置によれば、マスクステージ(4)の移動方向と反対方向に所定の速度でマスクベース(9)が移動するように制御することにより、マスクステージ(4)を駆動する際の駆動反力の構造体(6)への影響が低減され、機械共振の励起を抑え、構造体(6)、及び投影光学系(2)に伝達する振動を低減することができる。
次に、本発明の第2の露光装置は、マスク(1)のパタ−ンを基板(3)に形成する露光装置において、そのマスク(1)を保持してマスクベース(9)を移動可能なマスクステージ(4)と、このマスクステージ(4)とそのマスクベース(9)とに接続され、そのマスクステージ(4)を駆動する第1リニアモータと、この第1リニアモータによりマスクステージ(4)を駆動した際の反力により、そのマスクベース(9)がそのマスクステージ(4)とは逆方向に移動するように、マスクベース(9)を移動可能に支持する支持手段と、を備えたものである。
斯かる本発明の第2の露光装置によれば、マスクベース(9)がマスクステージ(4)を駆動した際の反力によりマスクステージ(4)とは逆方向に移動するので、マスクステージを駆動した際に発生する反力を低減することができる。
その支持手段は、流体軸受を有していることが望ましい。
また、マスクベース(9)の変位量を検出する検出手段と、この検出手段の検出結果に基づいてマスクベース(9)を駆動する第2リニアモータとを備えていてもよい。
また、第1リニアモータの一部(11)と前記第2リニアモータとの一部(11)とが共用されていてもよい。
また、その検出手段がリニアエンコーダを有していてもよい。
また、その第1リニアモータがそのマスクステージ(4)に接続されたコイルと、そのマスクベース(9)に接続されたマグネット(11)とを有していてもよい。
また、そのマスクベース(9)の移動量がそのマスクステージ(4)の移動量よりも小さくてもよい。
本発明の第1の露光装置によれば、マスクステージの移動方向と反対方向に所定の速度でマスクベースが移動するように制御することにより、マスクステージの駆動反力の構造体の影響が低減され、機械共振の励起を抑え、構造体、及び投影光学系に伝達する振動を低減することができる。従って、高精度な露光を行うことができる。
また、本発明の第2の露光装置によれば、マスクステージを駆動した際に発生する反力を低減することができるので、高精度な露光を行うことができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態の一例につき図面を参照して説明する。本例はステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置に本発明を適用したものである。
図1は、本例の投影露光装置を示し、この図1において、露光時には照明光学系(不図示)からの水銀ランプのi線、又はKrF、ArF、F2 等のエキシマレーザ光等の露光光が、レチクル1のパターン面の照明領域を照明する。そして、レチクル1の照明領域内のパターン像が投影光学系2を介して所定の投影倍率β(βは通常1/4,1/5等)で、フォトレジストが塗布されたウエハ3上に投影露光される。以下、振動がない状態での投影光学系2の光軸AXに平行にZ軸を取り、その光軸AXに垂直な平面内での直交座標系をX軸、Y軸として説明する。
先ず、レチクル1はレチクルステージ4上に保持され、レチクルステージ4は、レチクルベース9上でリニアモータ方式でX方向(走査方向)に連続移動すると共に、XY平面内でのレチクル1の位置の微調整を行う。レチクルステージ4上の移動鏡43X,43Y、及びレーザ干渉計18X,18Yによりレチクルステージ4(レチクル1)の2次元的な位置が計測され、この計測値が装置全体の動作を統轄制御するコンピュータよりなる主制御系50に供給され、主制御系50は、その計測値に基づいてレチクルステージ制御系52を介してレチクルステージ4の位置、及び移動速度を制御する。
一方、ウエハ3は、ウエハステージ5上に真空吸着によって保持され、ウエハステージ5はZ方向に所定範囲内で伸縮自在の3個の支持脚31A〜31Cを介してウエハベース7上に載置されている。支持脚31A〜31Cの伸縮量は支持脚制御系63(図16参照)によって制御され、支持脚31A〜31Cの伸縮量を同じにすることによって、ウエハ3のZ方向の位置(フォーカス位置)の制御が行われ、支持脚31A〜31Cの伸縮量を独立に制御することによってウエハ3表面の傾斜角の制御(レベリング)が行われる。
また、ウエハステージ5は、ウエハベース7上を例えばリニアモータ方式でX方向、及びY方向に連続移動することができる。また、その連続移動によってステッピングも行うことができる。また、ウエハ3(ウエハステージ5)の座標計測を行うために、ウエハステージ5の側面にはX軸にほぼ垂直な反射面を有するX軸の移動鏡44X(図3参照)、及びY軸にほぼ垂直な反射面を有するY軸の移動鏡44Y(図3参照)が固定されている。これらの移動鏡に対応して、投影光学系2の側面にX軸の参照鏡14、及びY軸の参照鏡13が固定されている。
そして、走査露光時には、レチクルステージ4をX軸方向に等速移動させ、それと同期してレチクルステージ4の移動速度を投影倍率β倍で縮小した速度でウエハ3が載置されたウエハステージ5を逆方向に移動し走査露光を行う。走査露光終了後、ウエハステージ5は走査方向、又は走査方向と直交するY軸方向にステップ移動し、先程とは逆方向にレチクルステージ4とウエハステージ5とを同期して移動させ走査露光を行う。以下、同様の操作でウエハ3上の全部のショット領域にレチクル1のパターン像が転写される。
次に、本例の露光装置のレチクルステージ、及びレチクルベースについて説明する。
レチクルステージ4は、特開平8−63231号公報に開示されているようなガイドレスステージであり、X軸方向、Y軸方向、及び投影光学系2の光軸AX回りの回転方向に駆動自在である。また、レチクルステージ4の側面に固定されたコイルと、対向してレチクルベース9上に固定された1対のモータマグネット11A,11Bとからレチクルステージ4を駆動する1対のリニアモータが構成され、レチクルベース9は構造体6の上面10に対して空気軸受けのような流体軸受け(不図示)を介して支持されている。モータマグネット11A,11Bの端部から構造体6上に設置されたコイルユニット12A,12Bの端部が挿入され、モータマグネット11A,11Bとコイルユニット12A,12Bとから構成される1対のリニアモータによって、構造体6に対して、レチクルベース9をX軸方向に位置決めする。そして、構造体6は4本の脚部6aを介して防振パッド49により床上に支持されており、床からの振動を低減する。
レチクルベース9は、走査露光時にレチクルステージ4が移動する際にモータマグネット11A,11Bにより加えられる駆動反力を受けると、コイルユニット12A,12Bを有するリニアモータによってレチクルステージ4の移動方向と反対方向に運動量を保存するように移動する。例えば、レチクルステージ4、及びレチクルベース9の質量がそれぞれ20kg、1000kgで、レチクルベース9がレチクルステージ4の50倍の質量であるときに、レチクルステージ4が走査時に約300mm移動した場合には、レチクルベース9を約6mmレチクルステージ4の移動方向の逆方向に移動する。運動量を保存するようにレチクルステージ4とレチクルベース9とを移動することにより、レチクルステージ4の駆動反力の構造体6への伝達を防ぎ、レチクルステージ4の位置決め時の外乱となる振動の発生を防ぐことができる。なお、レチクルベース9の変位量は常にリニアエンコーダ(不図示)により計測されており、この計測値に基づいてレチクルステージ9の駆動時の電流信号が生成されている。
また、本例の投影露光装置では、レチクルベース9よりも上部の系の重心移動がないため、レチクルベース9を支持する構造体6に変動荷重がかかることがなく、レチクルステージ4と投影光学系2との相対位置の計測に使用される参照鏡13,14の位置が変動することはない。なお、レチクルベース9が所定量以上に変位すると他の部材と機械的に干渉する場合には、レチクルベース9と構造体6との間に設けられた電磁駆動部であるコイルユニット12A,12Bを制御し構造体6に伝達する振動を低減しつつ、常にレチクルベース9をほぼ一定の位置に保つようにすればよい。これによって、レチクルベース9が他の部材と干渉することを防ぐことができる。
次に、本例の露光装置の投影光学系の支持方法について説明する。
図2は、本例の露光装置の投影光学系2を示し、この図2において、光軸AX上で物体平面15と像面16を縮小投影倍率比β(=a/bとする)で内分する点を投影光学系2の基準点17とする。この基準点17を中心として光軸AXと直交する平面内の任意の軸に対して投影光学系2が微小回転しても、物体平面15と像面16の位置関係は変化しない。この基準点17を通り光軸AXに垂直な平面上に、参照鏡13,14の中心が設定され、これらの中心にレーザビームが照射されている。従って、投影光学系2が外乱振動により揺動した場合であっても、基準点17を含み、かつ投影光学系2の光軸AXと直交する平面と投影光学系2を包む鏡筒の外面との交点(参照鏡13,14)と、レチクルステージ4、及びウエハステージ5との相対変位を常にレーザ干渉計18X,18Yで計測し、その計測値と目標値とが一致するようにレチクルステージ4、及びウエハステージ5を制御することにより、ウエハ3上に形成されるパターンの位置ずれを防ぐことができる。
また、投影光学系2の下部は脚部6aの間に架設された支持板6bの開口にギャップをあけて通されると共に、投影光学系2の支持部は、構造体6から延びる3本の柔構造のロッド19A〜19Cから成り、それぞれのロッド19A〜19Cの延長線は1点で交わり、その交点が基準点17と一致するような構造になっている。従って、投影光学系2が外乱振動を受けて揺動した場合でも、投影光学系2は基準点17を中心に微小回転するため、参照鏡13,14のX方向、Y方向の位置はほとんど変位しない。また、ロッド19A〜19Cは柔構造であるため、高周波の振動が減衰され、パターン転写時のコントラストの悪化がほとんど生じない。
次に、本例の露光装置のウエハステージについて説明する。
図1に示すように、ウエハステージ5は、ウエハベース7上で位置決めされ、ウエハベース7は、垂直方向に数百μmの変位が可能なエレベータ駆動部8により支持されている。また、ウエハベース7とエレベータ駆動部8との間に粘弾性体(不図示)が備えられており、床からの振動を低減することができるようになっている。また、ウエハベース7には5つの速度センサ(図16にその内の2つ36A,36Bを示す)が備えられ、ウエハステージ5の動きが計測されている。なお速度センサの代わりに加速度センサを使用してもよい。
図3(a)〜(d)は、本例の露光装置のウエハステージ5を拡大して示し、図3(a)はウエハテーブル20の平面図、図3Bは図3(a)のBB線に沿う断面図、図3(c)は図3(a)の正面図(但し、キャリア21は不図示)、図3(d)は図3(a)のDD線に沿う断面図である。先ず図3(d)において、ウエハステージ5はウエハ3を載置するウエハテーブル20とその駆動案内部を搬送するキャリア21とを有している。キャリア21は、ウエハベース7上で移動自在であり、パルスモータ方式の平面モータ(例えばソイヤモータ)によりX方向、Y方向に駆動される。本例では、キャリア21の駆動の際にオープンループ方式で、目標位置までの距離に応じたパルスにパルスモータ(不図示)を使用しており、目標位置までのパルスがモータコントローラに対して出力されるため、キャリア21の位置計測装置を新たに備える必要はない。なお、平面モータとしては、超音波モータを使用することもできる。
一方、ウエハテーブル20の上面には、図3(a)に示すように、ウエハ3を真空吸着するための複数の平行な浅溝39が設けられ、浅溝39の多数の孔が不図示の真空ポンプに連通している。また、中央の4本の浅溝39の隙間には後述のウエハ搬送アームを出し入れするための深溝38が、浅溝39と干渉することなく設けられており、ウエハ3がウエハテーブル20上に固定された際に、ウエハ3の搬送に使用するウエハ搬送アームを、ウエハテーブル20に接触させることなく出し入れすることができるようになっている。
また、図3(b)に示すように、キャリア21上に支持部材22Cを介して走査方向(X方向)に案内軸22Bが架設され、ウエハテーブル20の底面に案内軸をまたぐように案内部材22Aが固定されている。ウエハテーブル20は、ウエハテーブル20をキャリア21上でX方向に案内する案内部材22A及び案内軸22Bよりなる非接触式の案内軸(例えば流体軸受け、又は磁気軸受け)により拘束されている。また、図3(d)において、キャリア21に固定されたコイル部23A,23Bと、ウエハテーブル20の底面に固定されたマグネット部24A,24Bとから1対のリニアモータ23A,24A、及び23B,24Bが構成され、非接触式の電磁駆動部としてのリニアモータ23A,24A、及び23B,24Bによりウエハテーブル20がY方向、及び回転方向に駆動され、非接触式の位置計測器としてのリニアエンコーダ(不図示)により、キャリア21に対するウエハテーブル20の変位が計測されている。また、案内軸22Bは、回転部材22Dにより、案内軸回りに回転できる構造になっている。また、リニアモータ23A,24A、及び23B,24Bが同じ方向に駆動力を発生した場合、ウエハテーブル20は案内軸方向(X方向)に移動し、逆に、リニアモータ23A,24A、及び23B,24Bが互いに異なる方向に駆動力を発生した場合には、ウエハテーブル20はその重心を中心に回転する。
また、リニアモータ23A,24A、及び23B,24Bの推力の中心と、案内部材22Aの中心とをウエハテーブル20の重心を含みウエハベース7の上面と平行な平面上に位置するように配置しており、ウエハテーブル20の加速時に不要なウエハテーブルの傾斜が生じることがないようにしている。また、案内軸22Bとリニアモータ23A,24A、及び23B,24Bとの大きさは走査露光時のウエハの移動に要する長さがあれば充分であるため、キャリア21をウエハテーブル20の下側に収まるように小型に構成し、ウエハを高速、かつ高精度に移動できるようにしている。
また、ウエハ3を授受する際に要する位置決め精度は数μm程度であるため、ウエハ3を授受する領域では、レーザ干渉計による計測は特に必要がなく、パルスモータの分解能、又はキャリア21の位置計測器の分解能で十分である。従って、レーザ干渉計18X,18Y用の図3のウエハテーブル20に備える移動鏡44X,44Yは必ずしもウエハテーブル20の全移動領域をカバーする必要がなく、nm単位の精密位置決めをする必要がある領域の長さ、即ち、ウエハ3の直径の長さだけあればよい。
本例のウエハテーブル20の側面にはレーザ干渉計18用の移動鏡44X,44Yが設けられており、ウエハテーブル20の位置、及びZ軸回りの回転角が計測される。ウエハテーブル20の側面をレーザ干渉計18X,18Y用の移動鏡44X,44Yとして使用するため、ウエハテーブル20は、ほぼウエハ3を外接する程度の大きさであり、従来のウエハテーブルに比べ非常に小型で軽量なものとなっている。なお、ウエハテーブル20をシリコンカーバイドを用い、3mm程度の厚さで底面にリブ構造を設けたような構造にした場合、ウエハテーブル20は5kg程度の重量になる。
図4は、ウエハテーブル20とキャリア21とを制御する制御系の構成を表すブロック図であり、この図4において、主制御系50はウエハステージ制御系25内の減算部54及び57にそれぞれウエハテーブル20及びキャリア21の目標位置を供給する。そして、キャリア21に対するウエハテーブル20の相対的な変位量が、仮想的な減算部56及び変位センサ(リニアエンコーダ)60により検出され、テーブル制御系55は減算部54、又は変位センサ60の出力に基づいてウエハテーブル20を駆動し、キャリア制御系58は減算部57の出力に基づいてキャリア21を駆動する。減算部54は目標値からレーザ干渉計18X,18Yの計測値を差し引いた値を出力し、減算部57は目標値からキャリア21用の仮想的なリニアエンコーダ59の計測値を差し引いた値を出力する。
モードスイッチ26がオフの状態でレーザ干渉計18X,18Y(図1参照)が使用されないとき、即ち、粗位置決め時には、ウエハステージ制御系25はリニアエンコーダとしての変位センサ60からの信号に基づき、ウエハテーブル20を常にキャリア21に対する移動範囲の中点に位置させるように図3のリニアモータ23A,24A、及び23B,24Bを制御する。そして、キャリア制御系58は、キャリア21の駆動部がエンコーダ59を持つ場合はそれを参照しながら目標位置までキャリア21を移動させ、また、本例のパルスモータのようにエンコーダを特に有しない場合には目標位置までのパルスをモータコントローラに対して出力し、キャリア21を制御する。従って、エンコーダの有無に関わらずウエハテーブル20がキャリア21に追従しながら移動するように制御される。
また、図4のモードスイッチ26がオンの状態でありウエハテーブル20がレーザ干渉計18X,18Yの計測値に基づいて移動するとき、即ち、精密位置決め時には、テーブル制御系55はレーザ干渉計18X,18Yの計測値を参照した減算部54の出力に基づいて、ウエハテーブル20に対してリニアモータ23A,24A、及び23B,24Bに推力を発生させウエハテーブル20を移動させる。なお、キャリア21は粗位置決め時と同様に制御される。
また、ウエハテーブル20がレーザ干渉計18X,18Yを使用しながら等速移動するとき、即ち、走査露光時には、テーブル制御系55はレーザ干渉計18X,18Yの計測値を減算した減算部54の出力を参照しながら、リニアモータ23A,24A、及び23B,24Bに推力を発生させウエハテーブル20を移動させる。このとき、キャリア21は静止状態を保ち、ウエハテーブル20のみが等速移動する。従って、走査露光時にウエハベース7に対して駆動反力を発生するのは軽量なウエハテーブル20のみとなるため、発生する外乱力は極めて小さくなり、高速、且つ高精度に走査露光することができる。
次に、本例の露光装置のウエハテーブル20の案内部材22A、及び案内軸22Bについて説明する。
図5は、図3の案内部材22A及び案内軸22Bを拡大して示し、この図5において、案内軸22Bの両端部には弾性体としてのばね27A,27Bが備えられている。ウエハテーブル20がキャリア21に対して往復運動を行う際には、先ず図5(a)に示すように、ウエハテーブル20の持つ運動エネルギーが案内部材22Aを介してポテンシャルエネルギーに変換され、ばね27Aに貯えられる。次に、図5(b)のように、ばね27Aに貯えられたポテンシャルエネルギーは再びウエハテーブル20の運動エネルギーに変換され、図1のウエハステージ制御系25はその運動エネルギーを利用してウエハテーブル20を−Vの速度で等速移動するように制御する。そして、図5(c)のように、支持部材22Aがバネ27Bに当たると、バネ27Bには+Fの反発力が発生し再びウエハテーブル20の運動エネルギーはポテンシャルエネルギーに変換され、ばね27Bに貯えられる。従って、ウエハテーブル20の往復運動を行う際に消費される力学的エネルギーは主にウエハテーブル20の空気に対する粘性抵抗と弾性体が変形するときの発熱とだけになり、リニアモータ23A,24A及び23B,24Bの発熱量は極めて小さなものとなる。
図6(a)は、弾性体を備えていない案内軸と仮定した案内軸22B上でウエハテーブル20の移動速度を一定速度(0.5m/s)まで推移させて移動させた場合のウエハテーブル20の速度曲線を示し、この図6(a)において、横軸は時間t(s)、縦軸はウエハテーブル20の移動速度V(m/S)を表す。また、図6(b)は、そのときのリニアモータ23A,24A及び23B,24B、の推力を示し、この図6(b)において、横軸は時間t(s)、縦軸はリニアモータの推力F(N)である。なお、使用したウエハテーブル20の重量は5kgである。図7(a)は、図6(a)に対応させて所定のばねを備えた案内軸上で共振のない理想的なウエハテーブル20を一定速度まで加速した場合を仮定して計算したウエハテーブル20の速度曲線を示し、図7(b)は、図7(a)の速度曲線を速度司令値として共振を行うウエハテーブル20を制御した場合を仮定して計算したリニアモータ23A,24A、及び23B,24Bの推力F(N)を示す。図6と図7とを比較した場合、リニアモータ23A,24A及び23B,24Bの発熱量の比は1:0.94でほぼ同じである。
図8(a)は、図7(a)の速度曲線を速度司令値として図5のばね27A,27Bを備えた案内軸22Bを使用してウエハテーブル20を一定速度まで加速した場合の速度曲線を示し、図8(b)は、そのときのウエハテーブル20の推力及びリニアモータ23A,24A及び23B,24Bが発生した推力を示し、この図8(b)において、横軸は時間t(s)、縦軸は推力F(N)を表し、実線の曲線Aはウエハテーブル20に加えられた推力、一点鎖線の曲線Bはそのうちのリニアモータ23A,23Bの推力を示す。なお、ばね27A,27Bのばね定数は1000N/mで、理想的なばね定数(2500N/m)の40%である。ばね27A、27Bを使用することにより、リニアモータ23A,24A及び23B,24Bの発熱量を弾性体を使用しない場合の発熱量の約35%まで低減することができる。
図9(a)は、ばね定数が最適値である2500N/mのばね27A,27Bを備えた案内軸22Bを使用してウエハテーブル20を一定速度まで加速した場合の速度曲線を示し、図9(b)は、そのときのウエハテーブル20の推力Fを示す。リニアモータ23A,24A及び23B,24Bの発熱量は、弾性体を使用しない場合の1%以下まで低減される。このように、案内軸22Bの両端部にばね27A,27Bを備えることにより、ウエハテーブル20を等速移動させるときのリニアモータ23A,24A及び23B,24Bの発熱量を低減することができる。
しかし、案内軸22Bの端部においてウエハテーブル20を静止位置決めする際には、リニアモータ23A,24A,23B,24Bは、ばね27A,27Bの抗力とつり合うだけの推力を発生させる必要があり、リニアモータ23A,24A及び23B,24Bの発熱量が逆に増加してしまう場合がある。
図10は、ばね27A,27Bを備えた案内軸22Bの端部におけるばね27A,27Bの抗力を示し、この図10において、横軸は案内軸22Bの端部からの距離D(m)、縦軸はばね27A,27Bの抗力FP (N)を表す。ウエハテーブル20を案内軸22Bの端部に静止位置決めするためには、リニアモータ23A,24A及び23B,24Bがばね27A,27Bの抗力とつり合うだけの大きな推力(50N)を発生する必要があり、発熱量が増加してしまう。そこで、このような場合には、案内軸22Bの端部に磁気部材を取り付け、その吸引力を利用してウエハテーブル20を静止位置決めする際に生じる発熱量を低減することが望ましい。
図11は、図5に対応させて磁気部材を取り付けた案内部材22A及び案内軸22Bを示し、この図11において、案内部材22Aの両端に鉄板29が、案内軸22Bの両端部に磁石30が取り付けられている。図11(a)又は図11(c)に示すように、案内軸22Bの端部において案内部材22Aを介してウエハテーブル20を静止位置決めする際には、鉄板29と磁石30との吸引力を利用し、ばね27A,27Bの抗力に対向するために要するリニアモータ23A,24A及び23B,24Bの推力を低減し発熱量を抑えることができる。また、ウエハテーブル20を等速移動させる際には、図11(b)に示すように、ばね27A,27Bの抗力を利用してリニアモータ23A,24A及び23B,24Bの発熱量を低減する。この場合、それらのリニアモータの発熱量は案内軸22にばねなどを使用しない場合の約6分の1に低減される。なお、それらのリニアモータの推力に制限がない場合、案内軸22Bの両端部におけるポテンシャルエネルギーを零に設定することもできる。なお、鉄板29と磁石30との設置関係は逆にしてもよく、案内軸22Bの端部に設けるものは、ばね27A,27B等の弾性部材の抗力に対向しうる吸引力を発生するものであればよい。
図12(a)は、ばねと鉄板と磁石とを備えた案内軸22B上で共振のない理想的なウエハテーブル20を一定速度まで加速した場合を仮定して計算した速度曲線を示し、この図12(a)において、横軸は時間t(s)、縦軸はウエハテーブル20の移動速度V(m/s)を表す。図12(b)は、図12(a)の速度曲線を速度司令値として共振を行うウエハテーブル20を制御した場合を仮定し計算したリニアモータ23A,24A及び23B,24Bの推力を示し、この図12(b)において、横軸は時間t(s)、縦軸はリニアモータの推力F(N)を表す。図13(a)は、図12(a)の速度曲線を速度司令値として鉄板29と磁石30とを備えた案内軸22上でウエハテーブル20を一定速度まで加速したときの速度曲線を示し、図13(b)は、そのときのウエハテーブル20に加えられた推力F(実線の曲線A)、及びリニアモータ23A,24A及び23B,24Bの推力F(一点鎖線の曲線B)を示す。ばね27A,27Bのばね定数は2000N/mであり、最適なばね定数である。この場合のリニアモータ23A,24A及び23B,24Bの発熱量は、ばねと磁石と鉄板とを使用しない場合の場合の1%以下になる。また、磁石等を備えていない場合に比べて、移動開始時に要する推力が小さく、ウエハテーブル20が徐々に加速していくため、ウエハテーブル20の機械共振を和らげられるという利点もある。
図14は、図10に対応させて鉄板29と磁石30とを取り付けた案内軸22Bの端部における鉄板29と磁石30との吸引力とばね27A,27Bの抗力との合力FP (N)を示し、この図14において、横軸は案内軸22Bの端部からの距離D(m)である。案内軸22Bの端部に磁石30を、案内部材22Aに鉄板29を取り付けることにより、案内軸22Bの端部においてウエハテーブル20を静止位置決めするために要するリニアモータ23A,24A及び23B,24Bの推力が低減され発熱量が抑えられる。
次に、本例の露光装置のウエハテーブル20をウエハベース7に対して支持する支持脚31A〜31Cの構造について説明する。
図15(a)は、ウエハテーブル20の支持脚31A等を示す拡大図、図15(b)はその側面図であり、この図15において、支持脚31Aにはすり割り部31Aa及び31Abの底部が変位部34となっている。また変位部34の底部に球面軸受け35を介して流体軸受け32Aが回転できるように取り付けられている。流体軸受け32Aが回転できるように取り付けられている。同様に、図3に示すように、他の支持脚31B,31Cにも流体軸受け32B,32Cが取り付けられている。流体軸受け32Aは図3のウエハベース7の上に静圧気体軸受け方式で載置されている。また、図3(c)の支持脚31Bで示すように、支持脚31A〜31Cにピエゾアクチュエータ33が取り付けられ、ピエゾアクチュエータ33は取り付け部材53を介してウエハテーブル20に固定されている。
図15に戻り、支持方向に対して伸縮自在の変位拡大機構がピエゾアクチュエータ33、及び変位部34より構成されている。流体軸受け32Aは与圧のための磁石、又は真空吸着部を備えている。一般に、ピエゾアクチュエータによる変位は60μm程度しかないため変位拡大機構が必要になる。本例の変位拡大機構はスコット・ラッセルの平行運動リンク構造を用いている。ピエゾアクチュエータ33の伸縮部が支持脚31Aのすり割り部31Aaの入力点Aを押すと、入力点Aは微小変位領域において水平方向に直線変位する。すると、変位拡大機構の変位部34のリンク機構部のB点はC点を中心に回転し、その結果としてD点は鉛直方向に変位する。本例の変位拡大機構の変位部34ではリンクの傾きが26.6度で変位拡大率が2倍となり、最大120μm変位することができるようになっている。そして、支持脚31A〜31Cの変位部34の変位を調整してウエハテーブル20の傾斜角の補正(レベリング)、及びウエハベース7に対する垂直方向の位置の補正(フォーカス調整)を行う。
なお、支持脚31A〜31Cを最大変位幅である120μm変位させてもフォーカス調整又はレベリングを適切に行うことができない場合には、露光開始前にウエハ3の表面位置を予め計測しておき、ウエハ3の表面の位置が所定の位置(投影光学系2の像面)に来るように図1のエレベータ駆動部8を駆動しウエハベース7を位置決めしてから、支持脚31A〜31Cを調整してフォーカス調整又はレベリングを行うとよい。
図16は、レチクルステージ4、及びウエハステージ5を制御する制御系の構成を表すブロック図を示し、この図16において、主制御系50はウエハステージ5のウエハテーブル20のX方向、Y方向の目標位置、及び支持脚31A〜31CのZ方向の変位量の目標値をそれぞれ減算部61及び62に供給する。減算部61で目標位置から、レーザ干渉計18X,18Yの計測値を変換部65で、−1/4倍した値を差し引いた値に基づいて、ウエハステージ制御系25がウエハステージ5を駆動する。減算部62は目標値に速度センサ36Bで計測されるウエハベース7のZ方向の速度を積分して得られる値を加算し、更にウエハステージ5について不図示のオートフォーカスセンサで計測されるデフォーカス量を差し引いて得られる値を支持脚制御系63に供給し、支持脚制御系63は、その供給される値に基づいてウエハステージ5を支持する支持脚31A〜31Cの伸縮量を制御して、フォーカス調整、又はレベリングを行う。また、速度センサ36Aによって検出されたウエハベース7の走査方向と直交する方向の変位と投影光学系2の光軸周りの回転方向の振動成分(ヨーイング)との検出結果及び変換部65の出力からレーザ干渉計18X,18Yの計測値を差し引いた値に基づいて、レチクルステージ制御系52がレチクルステージ4の制御を行うことにより、ウエハベース7の水平方向の振動の影響を低減する。そして、ウエハベース7のZ方向の振動は粘弾性体64によって低減される。
次に、本例の露光装置のウエハ搬送機構について説明する。図1において、ウエハベース7の手前側に、防振台51を介して搬送ベース45が設置され、搬送ベース45上にウエハ搬送アーム40A,40B、及びウエハカセット48等のウエハ搬送機構が載置されている。
図17(a)は、本例の露光装置のウエハ搬送機構の一部を示す平面図、図17(b)はその側面図であり、この図17において、先ず、露光を終えたウエハ3Aを載置したウエハステージ5は露光終了位置Aからウエハ搬出位置Bに移動し、ウエハ3Aは位置P1に移動する。このとき、ウエハ搬送アーム40Aの3本のアームはウエハテーブル20の深溝38とウエハ3Aとに囲まれた空間に入り込み、ウエハテーブル20と接触することはない。ウエハ搬送アーム40Aは、回転及びZ方向への伸縮ができる回転上下部69Aを介して支持部67Aに載置され、支持部67Aは駆動部68Aによって搬送ベース45上を移動する。他方のウエハ搬送アーム40Bにも、支持部67B、回転上下部69B、及び駆動部(不図示)が備えられている。ウエハステージ5が静止すると、ウエハテーブル20がウエハ3Aの真空吸着による固定を解除し、ウエハ搬送アーム40Aがウエハ3Aを真空吸着し、回転上下部69Aによって上昇する。そして、露光を終えたウエハ3Aが図18に示されているウエハカセット48に回収される。
ウエハ搬送アーム40Aが上昇すると同時にウエハステージ5は高速で未露光のウエハ3Bを保持しているウエハ搬送アーム40Bの下(ウエハ搬入位置C)に移動する。ウエハステージのウエハテーブル20が静止すると、ウエハ搬送アーム40Bが回転上下部69Bによって下降し、未露光のウエハ3Bがウエハテーブル20の上に載置され真空吸着される。このときも、ウエハ搬送アーム40Bは深溝38の間に入り込むため、ウエハテーブル20と接触することはない。その後、ウエハステージ5はウエハ搬入位置Cから露光開始位置Dに高速で移動し、ウエハ3Bは位置P2に移動して、露光を開始する。それと同時にウエハ搬送アーム40Bは新しいウエハを図18のウエハカセット48から取り出し待機する。
また、重ね合わせ露光をする場合には、予め露光対象のウエハの回転角を計測し、その角度を相殺するようにウエハステージ5をウエハ搬入位置Cにおいて位置決めする際にウエハテーブル20を回転する。これにより、ウエハテーブル20の向きを走査方向にあわせたときに、ウエハ上に既に格子状に配列されたショット領域に形成されているパターンとレチクル1のパターン像とが所定の位置関係になるようにすることができる。
図18(a)は、ウエハ搬出時におけるウエハカセット48の周辺部を示す平面図、図18(b)は図18(a)の側面図であり、この図18において、ウエハ搬送アーム40A,40BはZ軸回りの回転方向、走査方向(X方向)、及び鉛直方向(Z方向)の3方向に駆動自在であり、ウエハカセット48を搬送ベース45上で支持するウエハカセット支持部47は鉛直方向に駆動自在である。露光済みのウエハ3Aをウエハカセット48に回収する際には、先ず、ウエハ3Aを保持するウエハ搬送アーム40Aが回転上下部69Aによって旋回する。ウエハ3Aが位置P4を経てウエハカセット48の前面にきた瞬間、ウエハ3AがY軸方向に直線移動するように、ウエハ搬送アーム40Aの支持部67AがX軸方向に位置P3まで直線移動すると共に、ウエハ搬送アーム40Aが旋回運動する。次に、ウエハ3Aがウエハカセット48内の所定の位置に到達すると、ウエハ搬送アーム40Aによる真空吸着が解除され、ウエハカセット支持部47が上昇し、ウエハ3Aを持ち上げる。そして、ウエハ搬送アーム40Aは先程と逆の動作を行い退避する。
図19(a)は、ウエハ搬入時におけるウエハカセット48の周辺部を示す平面図、図19(b)は図19(a)の側面図であり、この図19において、未露光のウエハ3Bの下部に移動する。ウエハカセット48より搬出する際に、先ずウエハ搬送アーム40Bが未露光のウエハ3Bの下部に移動する。ウエハ搬送アーム40Bが静止すると、ウエハカセット支持部47が下降し、ウエハ3Bがウエハ搬送アーム40B上に載置される。そして、ウエハ搬送アーム40Bがウエハ3を真空吸着した後、ウエハ搬送アーム40Bの支持部67BがX軸方向に直線移動すると共に、回転上下部69Bによってウエハ搬送アーム40Bが旋回運動して、ウエハ3Bをウエハカセット48から取り出す。そして、ウエハステージ5が到着するまで待機する。なお、ウエハ搬送アーム40Bは装置前面と平行して直線移動することができるため、コーターデベロッパのような周辺装置とのインラインを構成することもできる。
このように、図17のウエハステージ5をウエハの搬出位置、又は搬入位置に移動することにより、従来の露光装置のようにウエハを仮に固定して支持する必要がなくなり、また、ウエハ搬送アーム間でウエハの受け渡しを行う必要もなくなるため、ウエハに異物が付着する確率や搬送エラーの確率が減少する。また、ウエハ搬送アームで露光位置までウエハを搬送するよりもウエハの重量に起因するウエハ搬送アームの振動の影響を受けにくく、より重量の大きいウエハを搬送することができ、ウエハの大型化に対応することができる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。
本発明の露光装置によれば、構造体及び投影光学系に伝達する振動を低減することができるか、又はマスクステージを駆動した際に発生する反力を低減することができるので、高精度な露光を行うことができる。
本発明の実施の形態の一例で使用される投影露光装置の概略構成を示す斜視図である。 図1の投影光学系2の支持方法を示す一部を切り欠いた断面図である。 (a)は図1のウエハステージ5を示す平面図、(b)は図3(a)のBB線に沿う断面図、(c)は図3(a)の一部を省略した正面図、(d)は図3(a)のDD線に沿う断面図である。 ウエハテーブル20とキャリア21とを制御する制御系の構成を示すブロック図である。 図3のウエハテーブル20の案内部材22A及び案内軸22Bの動作説明に供する概略図である。 (a)は弾性体を備えていない案内軸上でウエハテーブル20の移動速度を一定速度まで推移させて移動させた場合のウエハテーブル20の速度を示す図、(b)はそのときのリニアモータの推力を示す図である。 (a)はばね備えた案内軸上で共振のない理想的なウエハテーブルを一定速度まで加速した場合を仮定して計算したウエハテーブルの速度曲線を示す図、(b)は図7(a)の速度曲線を速度司令値として共振を持つウエハテーブルを制御した場合を仮定して計算したリニアモータの推力を示す図である。 (a)は図7(a)の速度曲線を速度司令値としてばねを備えた案内軸を使用してウエハテーブル20を一定速度まで加速した場合の速度を示す図、(b)はそのときのウエハテーブル20の推力及びリニアモータが発生した推力を示す図である。 (a)はばね定数が最適値であるばねを備えた案内軸を使用してウエハテーブル20を一定速度まで加速した場合の速度曲線を示す図、(b)はそのときのウエハテーブル20の推力を示す図である。 ばねを備えた案内軸の端部におけるばねの抗力を示す図である。 図3において、更に磁気部材を備えた場合の案内部材22A及び案内軸22Bの動作説明に供する概略図である。 (a)はばねと鉄板と磁石とを備えた案内軸上で共振のない理想的なウエハテーブル20を一定速度まで加速した場合を仮定して計算した速度を示す図、(b)は図12(a)の速度曲線を速度司令値として共振を持つウエハテーブル20を制御した場合を仮定し計算したリニアモータの推力を示す図である。 (a)は図12(a)の速度曲線を速度司令値として鉄板と磁石とを備えた案内軸上でウエハテーブル20を一定速度まで加速したときの速度曲線を示す図、(b)はそのときのウエハテーブル20の推力及びリニアモータの推力を示す図である。 鉄板と磁石とを取り付けた案内軸の端部における鉄板と磁石との吸引力とばねの抗力との合力を示す図である。 (a)はウエハテーブル20を支持する支持脚31A及びこの周辺を拡大して示す概略図、(b)は図15(a)の側面図である。 レチクルステージ4、ウエハステージ5、及びウエハベース7を制御する制御系の構成を示すブロック図である。 ウエハを露光装置に搬入、又は搬出する際のウエハステージ5の動作を説明するための図である。 露光済みのウエハ3Aを露光装置から搬出する際のウエハ搬送アーム40Aの動作を説明するための図である。 未露光のウエハ3Bを露光装置に搬入する際のウエハ搬送アーム40Bの動作を説明するための図である。
符号の説明
1…レチクル、2…投影光学系、3…ウエハ、4…レチクルステージ、5…ウエハステージ、6…構造体、7…ウエハベース、8…エレベータ駆動部、9…レチクルベース、15…物体平面、16…像面、17…基準点、19A〜19C…ロッド、20…ウエハテーブル、22A…案内部材、22B…案内軸、23A,23B…リニアモータのコイル部、24A,24B…リニアモータのマグネット部、25…ウエハステージ制御系、27A,27B…ばね、29…鉄板、30…磁石、31A〜31C…支持脚、32A〜32C…流体軸受け、38…深溝、40A,40B…ウエハ搬送アーム、47…ウエハカセット支持部、48…ウエハカセット、52…レチクルステージ制御系

Claims (8)

  1. マスクのパタ−ンの像を投影光学系を介して基板上に転写する露光装置において、
    前記マスクを保持して移動させるマスクステージと、該マスクステージを移動させるマスクベースと、該マスクベースと前記投影光学系とを支持する構造体と、前記マスクステージ及び前記マスクベースの動作を制御する制御系と、を有し、
    前記マスクベースを制御することによって、前記マスクステージの駆動反力の前記構造体に対する影響を低減することを特徴とする露光装置。
  2. マスクのパタ−ンを基板に形成する露光装置において、
    前記マスクを保持してマスクベースを移動可能なマスクステージと、
    前記マスクステージと前記マスクベースとに接続され、前記マスクステージを駆動する第1リニアモータと、
    前記第1リニアモータにより前記マスクステージを駆動した際の反力により、前記マスクベースが前記マスクステージとは逆方向に移動するように、前記マスクベースを移動可能に支持する支持手段と、を備えたことを特徴とする露光装置。
  3. 請求項2記載の露光装置において、
    前記支持手段は、流体軸受を有していることを特徴とする露光装置。
  4. 請求項2または3記載の露光装置において、
    前記マスクベースの変位量を検出する検出手段と、
    該検出手段の検出結果に基づいて前記マスクベースを駆動する第2リニアモータと、を備えたことを特徴とする露光装置。
  5. 請求項4記載の露光装置において、
    前記第1リニアモータの一部と前記第2リニアモータとの一部とが共用されていることを特徴とする露光装置。
  6. 請求項4記載の露光装置において、
    前記検出手段はリニアエンコーダを有していることを特徴とする露光装置。
  7. 請求項2から6のいずれか1項に記載の露光装置において、
    前記第1リニアモータは、前記マスクステージに接続されたコイルと、前記マスクべースに接続されたマグネットとを有していることを特徴とする露光装置。
  8. 請求項2から7のいずれか1項に記載の露光装置において、
    前記マスクベースの移動量は、前記マスクステージの移動量よりも小さいことを特徴とする露光装置。
JP2005108263A 2005-04-05 2005-04-05 露光装置 Expired - Fee Related JP4186945B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005108263A JP4186945B2 (ja) 2005-04-05 2005-04-05 露光装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005108263A JP4186945B2 (ja) 2005-04-05 2005-04-05 露光装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04909898A Division JP4123558B2 (ja) 1994-06-27 1998-03-02 露光装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005268811A true JP2005268811A (ja) 2005-09-29
JP4186945B2 JP4186945B2 (ja) 2008-11-26

Family

ID=35092947

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005108263A Expired - Fee Related JP4186945B2 (ja) 2005-04-05 2005-04-05 露光装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4186945B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013211564A (ja) * 2006-01-19 2013-10-10 Nikon Corp 露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法
CN103464651A (zh) * 2013-09-12 2013-12-25 苏州晓炎自动化设备有限公司 一种滑动机构

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013211564A (ja) * 2006-01-19 2013-10-10 Nikon Corp 露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法
TWI508132B (zh) * 2006-01-19 2015-11-11 尼康股份有限公司 An exposure apparatus and an exposure method, and an element manufacturing method
TWI508133B (zh) * 2006-01-19 2015-11-11 尼康股份有限公司 Exposure method and exposure apparatus, and component manufacturing method
US10133195B2 (en) 2006-01-19 2018-11-20 Nikon Corporation Movable body drive method, movable body drive system, pattern formation method, pattern forming apparatus, exposure method, exposure apparatus, and device manufacturing method
US10185228B2 (en) 2006-01-19 2019-01-22 Nikon Corporation Movable body drive method, movable body drive system, pattern formation method, pattern forming apparatus, exposure method, exposure apparatus, and device manufacturing method
US10185227B2 (en) 2006-01-19 2019-01-22 Nikon Corporation Movable body drive method, movable body drive system, pattern formation method, pattern forming apparatus, exposure method, exposure apparatus, and device manufacturing method
US10203613B2 (en) 2006-01-19 2019-02-12 Nikon Corporation Movable body drive method, movable body drive system, pattern formation method, pattern forming apparatus, exposure method, exposure apparatus, and device manufacturing method
CN103464651A (zh) * 2013-09-12 2013-12-25 苏州晓炎自动化设备有限公司 一种滑动机构

Also Published As

Publication number Publication date
JP4186945B2 (ja) 2008-11-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100625625B1 (ko) 기판, 스테이지 장치, 스테이지 구동 방법, 노광 장치 및노광 방법
US6246204B1 (en) Electromagnetic alignment and scanning apparatus
KR100399452B1 (ko) 노광 장치
JP4871340B2 (ja) アクティブ制振サブアセンブリを有するリソグラフィ装置
US20020196421A1 (en) Stage device, exposure apparatus and method
JPH11297587A (ja) 露光装置およびデバイス製造方法
JP2000021702A (ja) 露光装置ならびにデバイス製造方法
TW201539542A (zh) 移動體裝置、曝光裝置、平面顯示器之製造方法、以及元件製造方法
KR20020054368A (ko) 노광방법 및 장치
US20090123853A1 (en) Aligning apparatus, aligning method, exposure apparatus, exposure method, and device manufacturing method
JP2016186570A (ja) 移動体装置、露光装置、フラットパネルディスプレイの製造方法、及びデバイス製造方法
JP4186945B2 (ja) 露光装置
KR20010043861A (ko) 노광방법 및 장치
JP4123558B2 (ja) 露光装置
JPWO2017038788A1 (ja) 物体保持装置、露光装置、フラットパネルディスプレイの製造方法、デバイス製造方法、物体の保持方法、及び露光方法
JP4586872B2 (ja) 露光装置、露光方法、及びデバイスの製造方法
JP2023029356A (ja) 移動体装置、露光装置、及びデバイス製造方法
JP2006040927A (ja) 支持装置、ステージ装置、露光装置、及びデバイスの製造方法
JP2001102286A (ja) 露光装置
JP2002175963A (ja) ステージ装置とその位置制御方法および露光装置並びに露光方法
JP2006066589A (ja) ステージ装置及び露光装置、デバイス製造方法、並びにステージ装置の駆動方法
JP2006173238A (ja) ステージ装置、露光装置及びデバイスの製造方法
JP6774038B2 (ja) 露光装置及び露光方法、並びにフラットパネルディスプレイの製造方法、及びデバイス製造方法
JP4287781B2 (ja) 測定システム用基準フレームを有する位置決め装置
JP2010010593A (ja) 防振装置、ステージ装置及び露光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071226

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080507

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080702

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080819

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080901

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110919

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110919

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140919

Year of fee payment: 6

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140919

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140919

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees