JP2005267873A - 電力ケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】 放射性ノイズを抑制するだけでなく伝導性ノイズ、特にコモンモードにおける伝導性ノイズを抑制する機能も併せ持つ電力ケーブルを提供する。
【解決手段】 各々絶縁された各相の電力線100を一括に束ね、電力線100の周りを磁性材料のコア材を含有する第1の絶縁物101で覆い、絶縁されたアース線102と第1の絶縁物101で覆われた電力線とを一括し、その周りをシールド線104によりシールドし、シールド線104の周りを第2の絶縁物103により覆う。
【選択図】 図3
【解決手段】 各々絶縁された各相の電力線100を一括に束ね、電力線100の周りを磁性材料のコア材を含有する第1の絶縁物101で覆い、絶縁されたアース線102と第1の絶縁物101で覆われた電力線とを一括し、その周りをシールド線104によりシールドし、シールド線104の周りを第2の絶縁物103により覆う。
【選択図】 図3
Description
本発明は、インバータ等の電力変換装置のスイッチング動作により発生する高周波ノイズを低減する電力ケーブルに関するものである。
高周波スイッチング素子を用いたインバータ等の電力変換装置の普及により、高周波漏れ電流や雑音端子電圧のような高周波ノイズによるEMI(電磁干渉)や、インバータに接続されたモータの巻線劣化、軸受電食、絶縁破壊などの問題が増えてきている。EMIに対する規制としてはEUによるEMC指令が代表的であるが、日本国内でも法令化の動きがあり、EMI対策は重要な課題となっている。
インバータの動作により発生する放射性ノイズの抑制対策として、電力ケーブルにシールドケーブルを用いることが広く行なわれている。図13に一般的なシールドケーブルの断面図を示す。各々絶縁された各相の電力線100およびアース線102を一括に束ね、その周りを絶縁物101で覆い、さらにその周りをシールド線104によりシールドし、その周りを絶縁物103で覆う構成となっている。
しかし、こうしたシールドケーブルでは、放射性ノイズの抑制には効果があるものの伝導性ノイズに対しては顕著な抑制効果はない。
インバータの動作により発生する放射性ノイズの抑制対策として、電力ケーブルにシールドケーブルを用いることが広く行なわれている。図13に一般的なシールドケーブルの断面図を示す。各々絶縁された各相の電力線100およびアース線102を一括に束ね、その周りを絶縁物101で覆い、さらにその周りをシールド線104によりシールドし、その周りを絶縁物103で覆う構成となっている。
しかし、こうしたシールドケーブルでは、放射性ノイズの抑制には効果があるものの伝導性ノイズに対しては顕著な抑制効果はない。
そこで、伝導性ノイズ対策として、従来ではケーブルにコモンモードチョークを挿入したり(例えば、特許文献1参照)、インバータの電源入力部に受動素子で構成したラインフィルタを設けて電源側へ流出する高周波ノイズの低減を行ってきたりした(例えば、特許文献2参照)。
一方、モータの巻線劣化、軸受電食、絶縁破壊の問題に対しては、従来はインバータ出力部に受動素子で構成したコモンモードフィルタを設けて電源側へ流出する高周波ノイズの低減を行ってきた(例えば、特許文献3参照)。
また、ケーブル単体でのノイズ抑制技術の一つとして、各層の絶縁電線とこれを覆うシースとの間に銅編組を配するとともに、この銅編組と絶縁電線との間にフェライト含有樹脂層を形成する方式がある(例えば、特許文献4参照)。
一方、モータの巻線劣化、軸受電食、絶縁破壊の問題に対しては、従来はインバータ出力部に受動素子で構成したコモンモードフィルタを設けて電源側へ流出する高周波ノイズの低減を行ってきた(例えば、特許文献3参照)。
また、ケーブル単体でのノイズ抑制技術の一つとして、各層の絶縁電線とこれを覆うシースとの間に銅編組を配するとともに、この銅編組と絶縁電線との間にフェライト含有樹脂層を形成する方式がある(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、コモンモードチョークは高価でサイズも大きいという問題があり、ラインフィルタは、雑音端子電圧の低減効果とフィルタの接地容量が比例するので、雑音端子電圧を低減するために接地容量を増やすと低周波の漏れ電流が増加し安全上の問題が発生するという問題があった。
さらに、伝導性ノイズを抑制するためにフィルタ回路を設けても、以下に示すように適切なフィルタリングができない可能性がある。
さらに、伝導性ノイズを抑制するためにフィルタ回路を設けても、以下に示すように適切なフィルタリングができない可能性がある。
図4は、インバータ等の電力変換装置によりモータを駆動させる一般的なシステム構成図である。図4(a)において、電源105と電力変換装置106は電源ケーブル110で接続され、電力変換装置106とモータ107はモータケーブル109で接続されている。また、図4(b)に示すように、各相の電力線100と、アース線102、シールド線104との間には浮遊容量108が存在する。図に示すように浮遊容量108は電力線100の長さにより変化する。
一方、高周波ノイズの共振周波数はモータケーブル109および電源ケーブル110の配線インダクタンスと浮遊容量108に依存する。よってこれらのケーブル長を変えた場合、高周波ノイズの共振周波数も変化する。そのため、フィルタの選定が難しく、ケーブル長を変えた場合、適切なフィルタリングができない可能性がある。
一方、高周波ノイズの共振周波数はモータケーブル109および電源ケーブル110の配線インダクタンスと浮遊容量108に依存する。よってこれらのケーブル長を変えた場合、高周波ノイズの共振周波数も変化する。そのため、フィルタの選定が難しく、ケーブル長を変えた場合、適切なフィルタリングができない可能性がある。
また、特許文献4のケーブルは、主としてノーマルモードにおける伝導性ノイズ抑制用であり、電線にシールド加工をしているため放射性ノイズの抑制効果は有するが、コモンモードにおける伝導性ノイズ抑制効果は有していない。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、放射性ノイズを抑制するだけでなく伝導性ノイズ、特にコモンモードにおける伝導性ノイズを抑制する機能も併せ持つ電力ケーブルを提供することを目的とする。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、放射性ノイズを抑制するだけでなく伝導性ノイズ、特にコモンモードにおける伝導性ノイズを抑制する機能も併せ持つ電力ケーブルを提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は次のように構成した。
請求項1に記載の発明は、電力変換装置を用いてモータを駆動させる際に電源から前記電力変換装置へ、または前記電力変換装置から前記モータへ電力を供給する電力ケーブルにおいて、各々絶縁された各相の電力線を一括に束ね、前記電力線の周りを磁性材料のコア材を含有する絶縁物で覆うことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、電力変換装置を用いてモータを駆動させる際に電源から前記電力変換装置へ、または前記電力変換装置から前記モータへ電力を供給する電力ケーブルにおいて、各々絶縁された各相の電力線を一括に束ね、前記電力線の周りを磁性材料のコア材を含有する第1の絶縁物で覆い、絶縁されたアース線と前記第1の絶縁物で覆われた電力線とを一括し、その周りを第2の絶縁物により覆うことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、電力変換装置を用いてモータを駆動させる際に電源から前記電力変換装置へ、または前記電力変換装置から前記モータへ電力を供給する電力ケーブルにおいて、各々絶縁された各相の電力線を一括に束ね、前記電力線の周りを磁性材料のコア材を含有する第1の絶縁物で覆い、絶縁されたアース線と前記第1の絶縁物で覆われた電力線とを一括し、その周りをシールド線によりシールドし、前記シールド線の周りを第2の絶縁物により覆うことを特徴とする。
請求項1に記載の発明は、電力変換装置を用いてモータを駆動させる際に電源から前記電力変換装置へ、または前記電力変換装置から前記モータへ電力を供給する電力ケーブルにおいて、各々絶縁された各相の電力線を一括に束ね、前記電力線の周りを磁性材料のコア材を含有する絶縁物で覆うことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、電力変換装置を用いてモータを駆動させる際に電源から前記電力変換装置へ、または前記電力変換装置から前記モータへ電力を供給する電力ケーブルにおいて、各々絶縁された各相の電力線を一括に束ね、前記電力線の周りを磁性材料のコア材を含有する第1の絶縁物で覆い、絶縁されたアース線と前記第1の絶縁物で覆われた電力線とを一括し、その周りを第2の絶縁物により覆うことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、電力変換装置を用いてモータを駆動させる際に電源から前記電力変換装置へ、または前記電力変換装置から前記モータへ電力を供給する電力ケーブルにおいて、各々絶縁された各相の電力線を一括に束ね、前記電力線の周りを磁性材料のコア材を含有する第1の絶縁物で覆い、絶縁されたアース線と前記第1の絶縁物で覆われた電力線とを一括し、その周りをシールド線によりシールドし、前記シールド線の周りを第2の絶縁物により覆うことを特徴とする。
本発明の電力ケーブルを電源−電力変換装置間に用いた場合、放射性ノイズだけでなく、雑音端子電圧に代表されるような伝導性ノイズをも低減することができる。
また、電力変換装置−モータ間に用いた場合、放射性ノイズだけでなく、モータに流れ込むコモンモード電流に代表されるような伝導性ノイズをも低減することができる。
さらに伝導性ノイズ対策用にフィルタを付加する際にも、従来に比べて小型のフィルタを用いることができ、システムの小型化および低コストが可能となる。
また、電力変換装置−モータ間に用いた場合、放射性ノイズだけでなく、モータに流れ込むコモンモード電流に代表されるような伝導性ノイズをも低減することができる。
さらに伝導性ノイズ対策用にフィルタを付加する際にも、従来に比べて小型のフィルタを用いることができ、システムの小型化および低コストが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1乃至3に本発明の電力ケーブルの断面図を示す。
図1は、請求項1に記載の電力ケーブルの断面図であり、それぞれ絶縁されたU、V、W各相の電力線100を一括に束ね、磁性材料のコア材を散布、または混入した絶縁物101で各相の電力線100の周りを覆う構成となっている。
図2は、請求項2に記載の電力ケーブルの断面図であり、それぞれ絶縁されたU、V、W各相の電力線100を一括に束ね、磁性材料のコア材を散布、または混入した第1の絶縁物101で各相の電力線100の周りを覆い、第1の絶縁物101で覆われた電力線100と絶縁されたアース線102とを一括し、その周りを第2の絶縁物103で覆う構成となっている。
図3は、請求項3に記載の電力ケーブルの断面図であり、それぞれ絶縁されたU、V、W各相の電力線100を一括に束ね、磁性材料のコア材を散布、または混入した第1の絶縁物101で各相の電力線100の周りを覆い、第1の絶縁物101で覆われた電力線100と絶縁されたアース線102とを一括し、その周りをシールド線104によりシールドし、シールド線104の周りを第2の絶縁物103で覆う構成となっている。
なお、磁性材料とは例えばフェライトやアモルファスのような強磁性を有する物質を意味するが、同様の強磁性を有する物質であればこれらに限定されるものではない。
図3に示す電力ケーブルは本発明の要素をすべて抱合した構成であり図1および図2に示す電力ケーブルと同様の効果を有するため、以下では図3に示す電力ケーブルの具体的実施例について説明する。
図1は、請求項1に記載の電力ケーブルの断面図であり、それぞれ絶縁されたU、V、W各相の電力線100を一括に束ね、磁性材料のコア材を散布、または混入した絶縁物101で各相の電力線100の周りを覆う構成となっている。
図2は、請求項2に記載の電力ケーブルの断面図であり、それぞれ絶縁されたU、V、W各相の電力線100を一括に束ね、磁性材料のコア材を散布、または混入した第1の絶縁物101で各相の電力線100の周りを覆い、第1の絶縁物101で覆われた電力線100と絶縁されたアース線102とを一括し、その周りを第2の絶縁物103で覆う構成となっている。
図3は、請求項3に記載の電力ケーブルの断面図であり、それぞれ絶縁されたU、V、W各相の電力線100を一括に束ね、磁性材料のコア材を散布、または混入した第1の絶縁物101で各相の電力線100の周りを覆い、第1の絶縁物101で覆われた電力線100と絶縁されたアース線102とを一括し、その周りをシールド線104によりシールドし、シールド線104の周りを第2の絶縁物103で覆う構成となっている。
なお、磁性材料とは例えばフェライトやアモルファスのような強磁性を有する物質を意味するが、同様の強磁性を有する物質であればこれらに限定されるものではない。
図3に示す電力ケーブルは本発明の要素をすべて抱合した構成であり図1および図2に示す電力ケーブルと同様の効果を有するため、以下では図3に示す電力ケーブルの具体的実施例について説明する。
本実施例では、本発明の電力ケーブルを電力変換装置−モータ間に適用した場合について説明する。
図5はインバータ等の電力変換装置によりモータを駆動させる一般的なシステムのコモンモードにおける回路構成図であり、本実施例でもこの回路構成を用いて説明する。
図6はコモンモードにおけるモータケーブル109および電源ケーブル110の等価回路であり、この等価回路を用いてシミュレーションを行なった。
図5はインバータ等の電力変換装置によりモータを駆動させる一般的なシステムのコモンモードにおける回路構成図であり、本実施例でもこの回路構成を用いて説明する。
図6はコモンモードにおけるモータケーブル109および電源ケーブル110の等価回路であり、この等価回路を用いてシミュレーションを行なった。
図7は、電力変換装置−モータ間のコモンモードにおける等価回路を示す。図7(a)は、電力変換装置−モータ間のモータケーブル109を分布定数回路で表したものであり、図7(b)は、電力変換装置−モータ間のモータケーブル109を集中定数回路で表したものである。
従来の電力ケーブルは、図7(b)のコモンモードにおける配線のインダクタンスLが小さいため、モータ107へ流れ込むコモンモード電流のピーク値が大きく、共振周波数も高い。
従来の電力ケーブルは、図7(b)のコモンモードにおける配線のインダクタンスLが小さいため、モータ107へ流れ込むコモンモード電流のピーク値が大きく、共振周波数も高い。
電力ケーブルを本発明の構造にすることにより、図7(b)のコモンモードにおける配線のインダクタンスLと、アース線およびシールド線と電力線との間の浮遊容量Cが大きくなり、コモンモード経路に対しコモンモードチョークを直列に接続し、キャパシタを並列に接続したバイパス方式のコモンモードフィルタが分布定数状にケーブルに付加された状態と等価となるため、ケーブル長に合わせたフィルタリングが可能となる。その結果モータ107へ流れ込むコモンモード電流を低減できる。
図14は、モータケーブル109として図13に示す従来の電力ケーブルを用い、高周波ノイズの原因の一つであるコモンモード電圧Vcを0[V]から100[V]へステップ状に変化させた際の各部コモンモード電流ic1、ic2の変化をシミュレーションした結果である。
図14(a)がコモンモード電圧Vcの変化を示し、図14(b)、(c)がそれぞれic1、ic2の変化を示す。
図15(a)、(b)は、それぞれ図14(b)、(c)のコモンモード電流ic1、ic2の周波数成分を示す。
図14(a)がコモンモード電圧Vcの変化を示し、図14(b)、(c)がそれぞれic1、ic2の変化を示す。
図15(a)、(b)は、それぞれ図14(b)、(c)のコモンモード電流ic1、ic2の周波数成分を示す。
一方、図8はモータケーブル109に本発明の電力ケーブルを用いて図14と同様のシミュレーションを行った際の結果であり、図9(a)、(b)は、それぞれ図8(b)、(c)のコモンコード電流ic1、ic2の周波数成分を示す。
なお、本発明の電力ケーブルのコモンモードにおける配線のインダクタンスの定数値は、コア材の材質や散布量によって異なるが、本シミュレーションを行うにあたり、従来の電力ケーブルのコモンモードにおける配線インダクタンスの10倍とした。
なお、本発明の電力ケーブルのコモンモードにおける配線のインダクタンスの定数値は、コア材の材質や散布量によって異なるが、本シミュレーションを行うにあたり、従来の電力ケーブルのコモンモードにおける配線インダクタンスの10倍とした。
本シミュレーションにより、本発明の電力ケーブルを用いることでフィルタ回路を付加することなく、従来の電力ケーブルに比べ、モータ107へ流れ込むコモンモードのピーク値を1.4[A]から0.5[A]に、また共振周波数を1.8[MHz]から450[kHz]に抑えることができ、本発明の電力ケーブルが簡易コモンモード用フィルタの機能を有していることが確認できる。
また、電力変換装置−モータ間に本発明の電力ケーブルを用いた場合、モータ107に流れ込むコモンモード電流に代表されるような伝導性ノイズに加え、共振周波数を低く抑制できるため放射性ノイズを低減することができ、モータの巻線劣化、軸受電食、絶縁破壊、放射性ノイズによる周辺機器の誤作動等などの問題解決に貢献できる。
さらに、伝導性ノイズ対策用にフィルタを付加する場合でも、従来のフィルタより小型のフィルタで済む。
また、電力変換装置−モータ間に本発明の電力ケーブルを用いた場合、モータ107に流れ込むコモンモード電流に代表されるような伝導性ノイズに加え、共振周波数を低く抑制できるため放射性ノイズを低減することができ、モータの巻線劣化、軸受電食、絶縁破壊、放射性ノイズによる周辺機器の誤作動等などの問題解決に貢献できる。
さらに、伝導性ノイズ対策用にフィルタを付加する場合でも、従来のフィルタより小型のフィルタで済む。
また、本発明の電力ケーブルは、一括に束ねた各相の電力線100の周りをフェライト、アモルファス等のコア材を散布または混入させた絶縁物101で覆うため、コモンモード電流に対してはインダクタンスとして作用するが、ノーマルモード電流に対しては磁束が相殺するためインダクタンスとしては作用しない。
このことにより、ノーマルモードに対しては、モータ107を駆動する場合のインダクタンス増加による位相ずれは無視できる。
このことにより、ノーマルモードに対しては、モータ107を駆動する場合のインダクタンス増加による位相ずれは無視できる。
本実施例では、本発明の電力ケーブルを電源−電力変換装置間に適用した場合について説明する。
前述のように図5はインバータ等の電力変換装置によりモータを駆動させる一般的なシステムのコモンモードにおける回路構成図であり、本実施例でもこの回路構成を用いて説明する。
図6はコモンモードにおけるモータケーブル109および電源ケーブル110の等価回路であり、この等価回路を用いてシミュレーションを行なった。
前述のように図5はインバータ等の電力変換装置によりモータを駆動させる一般的なシステムのコモンモードにおける回路構成図であり、本実施例でもこの回路構成を用いて説明する。
図6はコモンモードにおけるモータケーブル109および電源ケーブル110の等価回路であり、この等価回路を用いてシミュレーションを行なった。
図10は、電源−電力変換装置間のコモンモードにおける等価回路を示す。図10(a)は、電源−電力変換装置間の電源ケーブル110を分布定数回路で表したものであり、図10(b)は、電源−電力変換装置間の電源ケーブル110を集中定数回路で表したものである。
従来の電力ケーブルは、図10(b)のコモンモードにおける配線のインダクタンスLが小さいため、電源105側へ流れ込むコモンモード電流のピーク値が大きく、共振周波数も高い。
従来の電力ケーブルは、図10(b)のコモンモードにおける配線のインダクタンスLが小さいため、電源105側へ流れ込むコモンモード電流のピーク値が大きく、共振周波数も高い。
電力ケーブルを本発明の構造にすることにより、図10(b)のコモンモードにおける配線のインダクタンスLと、アース線およびシールド線と電力線との間の浮遊容量Cが大きくなり、コモンモード経路に対しコモンモードチョークを直列に接続し、キャパシタを並列に接続したバイパス方式のコモンモードフィルタが分布定数状にケーブルに付加された状態と等価となるため、ケーブル長に合わせたフィルタリングが可能となる。その結果電源105へ流れ込むコモンモード電流を低減できる。
図16は、電源ケーブル110として図13に示す従来の電力ケーブルを用い、
高周波ノイズの原因の一つであるコモンモード電圧Vcを0[V]から100[V]へステップ状に変化させた際の各部コモンモード電流ic3、ic4の変化をシミュレーションした結果である。
図16(a)がコモンモード電圧Vcの変化を示し、図16(b)、(c)がそれぞれ
ic3、ic4の変化を示す。
図17(a)、(b)は、それぞれ図16(b)、(c)のコモンモード電流ic3、ic4の周波数成分を示す。
高周波ノイズの原因の一つであるコモンモード電圧Vcを0[V]から100[V]へステップ状に変化させた際の各部コモンモード電流ic3、ic4の変化をシミュレーションした結果である。
図16(a)がコモンモード電圧Vcの変化を示し、図16(b)、(c)がそれぞれ
ic3、ic4の変化を示す。
図17(a)、(b)は、それぞれ図16(b)、(c)のコモンモード電流ic3、ic4の周波数成分を示す。
一方、図11は電源ケーブル110に本発明の電力ケーブルを用いて図16と同様のシミュレーションを行った際の結果であり、図12(a)、(b)はそれぞれ図11(b)、(c)のコモンコード電流ic3、ic4の周波数成分を示す。
なお、本発明の電力ケーブルのコモンモードにおける配線のインダクタンスの定数値は、コア材の材質や散布量によって異なるが、本シミュレーションを行うにあたり、従来の電力ケーブルのコモンモードにおける配線インダクタンスの10倍とした。
なお、本発明の電力ケーブルのコモンモードにおける配線のインダクタンスの定数値は、コア材の材質や散布量によって異なるが、本シミュレーションを行うにあたり、従来の電力ケーブルのコモンモードにおける配線インダクタンスの10倍とした。
本シミュレーションにより、本発明の電力ケーブルを用いることでフィルタ回路を付加することなく、従来の電力ケーブルに比べ、電源105へ流れ込むコモンモードの電流のピーク値を1.2[A]から0.4[A]に抑えることでき、さらに共振周波数を1.5[MHz]から450[kHz]に抑えることができ、本発明の電力ケーブルが簡易コモンモード用フィルタの機能を有していることが確認できる。
また、電源−電力変換装置間に本発明の電力ケーブルを用いた場合、雑音端子電圧のような伝導性ノイズに加え、電源105側に流れ込むコモンモード電流のピーク値および共振周波数を低く抑制できるため放射性ノイズを低減することができ、伝導性ノイズおよび放射性ノイズによる周辺機器の誤作動等の問題解決に貢献できる。
さらに、伝導性ノイズ対策用にフィルタを付加する場合でも、従来のフィルタより小型のフィルタで済む。
また、電源−電力変換装置間に本発明の電力ケーブルを用いた場合、雑音端子電圧のような伝導性ノイズに加え、電源105側に流れ込むコモンモード電流のピーク値および共振周波数を低く抑制できるため放射性ノイズを低減することができ、伝導性ノイズおよび放射性ノイズによる周辺機器の誤作動等の問題解決に貢献できる。
さらに、伝導性ノイズ対策用にフィルタを付加する場合でも、従来のフィルタより小型のフィルタで済む。
さらに、フィルタを付加することによる雑音端子電圧低減方法では、雑音端子電圧を低減させるために接地容量を増やすと低周波の漏れ電流が増加し安全上の問題が発生するが、本発明の電力ケーブルと従来のフィルタを組み合わせることによって、フィルタの接地容量を小さくすることができ、雑音端子電圧を抑えつつ低周波の漏れ電流も低減でき、安全上の問題も解決する。
本発明の電力ケーブルを電源−電力変換装置間に用いることによって、電源側へ流出するコモンモード電流を低減させることができ、
また本発明の電力ケーブルを電力変換装置−モータ間に用いることによって、モータに流れ込むコモンモード電流を低減することができ、モータを保護することができる。
また、放射性ノイズの低減にも効果があるため周辺機器の誤作動防止およびモータの長寿命化を必要とされるシステムへの用途に適用できる。
また、フィルタを付加する場合でも従来のフィルタより小型のフィルタで済むため、システムの小型化への用途に適用できる。
且つ、本発明の電力線用シールドケーブルと従来のフィルタを組み合わせることによって、従来のフィルタの接地容量を小さくすることができるので、低周波の漏れ電流を抑えることができ、安全上の問題を考慮しなければならないシステムへの用途に適用できる。
また本発明の電力ケーブルを電力変換装置−モータ間に用いることによって、モータに流れ込むコモンモード電流を低減することができ、モータを保護することができる。
また、放射性ノイズの低減にも効果があるため周辺機器の誤作動防止およびモータの長寿命化を必要とされるシステムへの用途に適用できる。
また、フィルタを付加する場合でも従来のフィルタより小型のフィルタで済むため、システムの小型化への用途に適用できる。
且つ、本発明の電力線用シールドケーブルと従来のフィルタを組み合わせることによって、従来のフィルタの接地容量を小さくすることができるので、低周波の漏れ電流を抑えることができ、安全上の問題を考慮しなければならないシステムへの用途に適用できる。
100 電力線
101 磁性材料のコア材を含有する絶縁物
102 アース線
103 絶縁物
104 シールド線
105 電源
106 電力変換装置
107 モータ
108 電力線−アースおよびシールド線間の浮遊容量
109 電力変換装置−モータ間ケーブル
110 電源−電力変換装置間ケーブル
101 磁性材料のコア材を含有する絶縁物
102 アース線
103 絶縁物
104 シールド線
105 電源
106 電力変換装置
107 モータ
108 電力線−アースおよびシールド線間の浮遊容量
109 電力変換装置−モータ間ケーブル
110 電源−電力変換装置間ケーブル
Claims (3)
- 電力変換装置を用いてモータを駆動させる際に電源から前記電力変換装置へ、または前記電力変換装置から前記モータへ電力を供給する電力ケーブルにおいて、
各々絶縁された各相の電力線を一括に束ね、前記電力線の周りを磁性材料のコア材を含有する絶縁物で覆うことを特徴とする電力ケーブル。 - 電力変換装置を用いてモータを駆動させる際に電源から前記電力変換装置へ、または前記電力変換装置から前記モータへ電力を供給する電力ケーブルにおいて、
各々絶縁された各相の電力線を一括に束ね、前記電力線の周りを磁性材料のコア材を含有する第1の絶縁物で覆い、絶縁されたアース線と前記第1の絶縁物で覆われた電力線とを一括し、その周りを第2の絶縁物により覆うことを特徴とする電力ケーブル。 - 電力変換装置を用いてモータを駆動させる際に電源から前記電力変換装置へ、または前記電力変換装置から前記モータへ電力を供給する電力ケーブルにおいて、
各々絶縁された各相の電力線を一括に束ね、前記電力線の周りを磁性材料のコア材を含有する第1の絶縁物で覆い、絶縁されたアース線と前記第1の絶縁物で覆われた電力線とを一括し、その周りをシールド線によりシールドし、前記シールド線の周りを第2の絶縁物により覆うことを特徴とする電力ケーブル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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