JP2005267668A - 光記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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泰伸 植野
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Motoharu Kinugasa
元晴 衣笠
Hiroshi Toyoda
浩 豊田
Katsumi Ukai
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Abstract

【課題】 短波長に発振波長を有する半導体レーザを用いる追記型DVDディスクシステムに適用可能であり、特に保存信頼性の高い光記録媒体及びその製造方法の提供。
【解決手段】 基板と、該基板上に少なくとも記録層及び反射層をこの順に積層させてなり、該記録層がスクアリリウム化合物及びスクアリリウム金属キレート化合物から選択される少なくとも1種を含有し、前記反射層が銀(Ag)合金を含有し、かつ該反射層の厚みが900〜1,700Å(90〜170nm)であることを特徴とする光記録媒体である。該反射層が銅(Cu)を含有し、該銅の含有率が銀に対し0.1〜1.5原子%である態様が好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、短波長に発振波長を有する半導体レーザを用いる追記型DVDディスクシステムに好適である光記録媒体及び該光記録媒体の製造方法に関する。
現在、次世代大容量光ディスクとして追記型DVDメディアの開発が進められており、更なる記録容量の増大が検討されている。そこで、記録容量の増大を目指して、記録ピット微少化のための記録材料の開発、Moving Picture Experts Group−2(MPEG2)に代表される画像圧縮技術の採用、及び記録ピット読み取りのための半導体レーザ(LD)の短波長化、等の技術開発が進められている。
これまで赤色波長域の半導体レーザは、バーコードリーダや計測器用に670nm帯のAlGaInP半導体レーザ等が商品化されているのみである。しかし、光ディスクの高密度化に伴って、赤色レーザが本格的に光ストレージ市場で使用されつつあり、DVDドライブの場合、光源としては630〜690nm帯の半導体レーザの波長で規格化されている。
一方、再生専用のDVD−ROMドライブは波長約650nmで商品化されている。このような状況下、最も好ましい追記型DVDメディアは、波長630〜690nmで記録及び再生が可能なメディアである。例えば、550〜650nmに最大吸収波長を持つスクアリリウム化合物又はスクアリリウム金属キレート化合物は、その光学特性から追記型DVDメディアの記録層用材料として適用可能であり、種々の提案がなされている(特許文献1〜8参照)。
しかしながら、前記スクアリリウム化合物又はスクアリリウム金属キレート化合物は、特に、ハロゲン原子(特に塩素原子)を含有する場合、反射層を純銀(Ag)で形成すると、高温高湿下において反射層が劣化し、記録データの劣化等が生じやすくなるという問題がある。
この場合、記録層と反射層との間にバリア層を設けることが考えられるが、工程が増加し製造効率が低下してしまうという問題がある。
したがって、短波長に発振波長を有する半導体レーザを用いる追記型DVDディスクシステムに好適であり、保存信頼性が高く、十分満足できる記録性能を有する光記録媒体は未だ得られておらず、その速やかな提供が望まれているのが現状である。
特開2001−322356号公報 特開2002−234259号公報 特開2002−370451号公報 特開2002−370452号公報 特開2002−370453号公報 特開2002−370454号公報 国際公開第01/044233号パンフレット 国際公開第01/044375号パンフレット
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、短波長に発振波長を有する半導体レーザを用いる追記型DVDディスクシステムに好適であり、特に保存信頼性の高い光記録媒体及び該光記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 基板と、該基板上に少なくとも記録層及び反射層をこの順に積層させてなり、該記録層がスクアリリウム化合物及びスクアリリウム金属キレート化合物から選択される少なくとも1種を含有し、前記反射層が銀(Ag)合金を含有し、かつ該反射層の厚みが90〜170nmであることを特徴とする光記録媒体である。
<2> スクアリリウム化合物及びスクアリリウム金属キレート化合物の少なくともいずれかが、ハロゲン原子を含有する前記<1>に記載の光記録媒体である。
<3> ハロゲン原子が、塩素原子(Cl)である前記<1>から<2>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<4> 銀合金における銀の含有量が95〜99.9原子%である前記<1>から<3>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<5> 反射層が銅(Cu)を含有し、該銅の含有率が銀に対し0.1〜1.5原子%である前記<1>から<4>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<6> 反射層が、更に金(Au)、インジウム(In)、ネオジウム(Nd)及びパラジウム(Pd)から選択される少なくとも1種を含有する前記<5>に記載の光記録媒体である。
<7> 記録層の占有面積が、反射層の占有面積よりも小さい前記<1>から<6>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<8> 記録層が、更にホルマザン色素、アゾ色素、ポリメチン色素、ナフタロシアニン系染料、フタロシアニン系染料、クロコニウム系染料、ピリリウム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン(インダンスレン)系染料、キサンテン系染料、トリフェニルメタン系染料、アズレン系染料、テトラヒドロコリン系染料、フェナンスレン系染料、トリフェノチアジン系染料、及びこれらの金属キレート化合物から選択される少なくとも1種の色素成分を含有する前記<1>から<7>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<9> 記録層の膜厚が、10nm〜10μmである前記<1>から<8>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<10> 反射層上に保護層を有する前記<1>から<9>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<11> 基板上のトラックピッチが0.7〜0.8μmであり、案内溝幅が半値幅で0.18〜0.40μmである前記<1>から<10>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<12> 案内溝の深さが100〜250nmである前記<11>に記載の光記録媒体である。
<13> 記録再生波長が600〜720nmである前記<1>から<12>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<14> DVD+R及びDVD−Rのいずれかに用いられる前記<1>から<13>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<15> 基板上にスクアリリウム化合物及びスクアリリウム金属キレート化合物の少なくともいずれかを含有する塗布液を塗布して記録層を形成する記録層形成工程と、該記録層上に銀(Ag)合金を含有する反射層を前記記録層の最内周形成位置よりも内側になるように形成する反射層形成工程と、前記基板上に記録層及び反射層をこの順に積層した積層体の最外周部の余剰色素を溶剤で洗浄して除去する洗浄工程を含むことを特徴とする光記録媒体の製造方法である。
<16> 更に、反射層上に保護層を形成する保護層形成工程を含む前記<15>に記載の光記録媒体の製造方法である。
本発明の光記録媒体は、基板と、該基板上に少なくとも記録層及び反射層をこの順に積層させてなり、該記録層がスクアリリウム化合物及びスクアリリウム金属キレート化合物から選択される少なくとも1種を含有し、前記反射層が銀(Ag)合金を含有し、かつ該反射層の厚みが90〜170nmである。その結果、前記スクアリリウム化合物及びスクアリリウム金属キレート化合物の少なくともいずれかが、その特定な位置にハロゲン原子(特に塩素原子)を含む場合であっても、反射層に銀合金を用いることにより、高温高湿下でも信頼性の高い光記録媒体が得られる。
本発明の光記録媒体の製造方法は、記録層形成工程と、反射層形成工程と、洗浄工程とを含み、前記記録層形成工程において、基板上にスクアリリウム化合物及びスクアリリウム金属キレート化合物の少なくともいずれかを含有する塗布液を塗布して記録層を形成する。該本発明の光記録媒体の製造方法においては、前記記録層が反射層からはみ出すことなく、高温高湿下でも信頼性の高い光記録媒体を効率よく製造することができる。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、特に高温高湿下での保存安定性に優れ、DVDの記録再生波長と記録容量での良好な信号品質を有し、短波長に発振波長を有する半導体レーザを用いる追記型DVDディスクシステムに好適な光記録媒体を提供できる。
(光記録媒体)
本発明の光記録媒体は、基板と、該基板上に少なくとも記録層及び反射層をこの順に積層させてなり、保護層、更に必要に応じてその他の層を積層してなる。
この場合、前記記録層がスクアリリウム化合物及びスクアリリウム金属キレート化合物から選択される少なくとも1種を含有し、前記反射層が銀(Ag)合金を含有することが必要である。
前記スクアリリウム化合物又はスクアリリウム金属キレート化合物は、ハロゲン原子を含有していなくてもよく、またハロゲン原子を含有している場合であっても保存安定性に優れた光記録媒体を提供できる。
即ち、前記スクアリリウム化合物又はスクアリリウム金属キレート化合物の特定な位置にハロゲン原子(特に塩素原子)を含む場合、前記反射層に純銀を用いると、反射層の劣化、記録データの劣化等が生じるので、前記反射層を純銀ではなく、銀を主成分とする合金とすることにより、前記スクアリリウム化合物及びスクアリリウム金属キレート化合物の少なくともいずれかが、その特定な位置にハロゲン原子(特に塩素原子)を含む場合であっても保存安定性に優れた光記録媒体を提供できる。
前記銀合金としては、銀の含有量は95〜99.9原子%が好ましく、これにより、熱伝導率や光学特性を純銀と余り変えることなく保存安定性を向上させることができる。その添加元素としては銅が反射率、熱伝導率を大きく変えることなく保存安定性を向上させることができるので最も適しており、その添加率は銀に対し0.1〜1.5原子%が好ましく、0.3〜1.2原子%がより好ましい。この場合、更に銅以外の元素も添加可能であり、例えば、金、インジウム、ネオジウム、パラジウム等が挙げられ、これらの元素の添加率は銀に対し0.3〜1.5原子%が好ましい。
前記反射層の膜厚は90〜170nmであることが必要であり、110〜150nmがより好ましい。前記膜厚が90nm未満であると、反射率の低下や耐久性に欠ける等の不具合が生じやすくなることがあり、170nmを超えると、放熱効果が高くなりすぎて記録感度の低下等の不具合が生じやすくなることがある。
前記記録層には、色素として、スクアリリウム化合物及びスクアリリウム金属キレート化合物が少なくとも1種含有していることが必要であるが、更に必要に応じてその他の色素成分を含有しても構わない。前記その他の色素成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、記録層が、更にホルマザン色素、アゾ色素、ポリメチン色素、ナフタロシアニン系染料、フタロシアニン系染料、クロコニウム系染料、ピリリウム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン(インダンスレン)系染料、キサンテン系染料、トリフェニルメタン系染料、アズレン系染料、テトラヒドロコリン系染料、フェナンスレン系染料、トリフェノチアジン系染料、又はこれらの金属キレート化合物、などが挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上の組合せにしてもよい。
前記その他の色素成分の含有量は、前記スクアリリウム化合物及びスクアリリウム金属キレート化合物の合計量100質量部に対し、10〜90質量部が好ましく、20〜80質量部がより好ましい。
前記第一形態に係る光記録媒体におけるスクアリリウム化合物及びスクアリリウム金属キレート化合物としては、従来公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、記録再生波長として600〜720nmのレーザ光での光学特性が優れている点から、下記構造式(I)で表されるスクアリリウム化合物が好適である。
Figure 2005267668
前記構造式(I)中、Qは、炭素原子又は窒素原子を表す。
は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよい複素環基を表す。
は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアミノ基、又は置換基を有していてもよい複素環基を表す。
及びRは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアルキル基を表し、RとRは、隣接する炭素原子と一緒になって脂環式炭化水素環又は複素環を形成してもよい。
ただし、Qが窒素原子の場合、Rは存在しない。Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。
は、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、シアノ基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を表す。
nは、0〜4の整数を表し、nが2〜4の場合、Rは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、更に互いに隣り合う2つのRが隣接する2つの炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい芳香族環を形成していてもよい。
前記構造式(I)において、アルキル基及びアルコキシ基におけるアルキル部分としては、直鎖あるいは分岐状の炭素数1〜15が好ましく、1〜8がより好ましく、アルキル基又は炭素数3〜8の環状アルキル基が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、等が挙げられる。
前記アラルキル基としては、炭素数7〜19が好ましく、7〜15がより好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、等が挙げられる。
前記アリール基としては、炭素数6〜18が好ましく、6〜14がより好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、等が挙げられる。
前記ハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
前記複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン等のヘテロ原子の少なくとも1種を環構成原子として含む各種の複素環化合物由来のものが挙げられる。この場合の複素環において、その複素環を構成する原子の数は、ヘテロ原子を含む環を構成する原子の総数であり、5〜8が好ましく、5〜6がより好ましい。
また、この複素環には、単環の他、複数(2〜8が好ましく、2〜6がより好ましい)の複素単環が統合した縮合多環又は鎖状多環構造の複素環が包含され、さらに、複素環に対し、炭素環、好ましくはベンゼン環やナフタレン環等の炭素環が縮合した構造の炭素環縮合炭素環が包含される。
なお、前記複素環には、芳香族複素環及び脂肪族複素環が包含される。
前記複素環としては、例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、キノリン環、イソキノリン環、フタラジン環、キナゾリン環、キノキサリン環、ナフチリジン環、シンノリン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、チオフェン環、フラン環、チアゾール環、オキサゾール環、インドール環、イソインドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンズトリアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、プリン環、カルバゾール環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、ホモピペリジン環、ホモピペラジン環、テトラヒドロピリジン環、テトラヒドロキノリン環、テトラヒドロイソキノリン環、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環、ジヒドロベンゾフラン環、テトラヒドロカルバゾール環、等が挙げられる。
とRは、隣接する炭素原子と一緒になって脂環式炭化水素環又は複素環を形成していてもよい。前記脂環式炭化水素環としては、炭素数3〜8のものが挙げられ、飽和又は不飽和のものであってもよく、例えば、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロペンテン環、1,3−シクロペンタジエン環、シクロヘキセン環、シクロヘキサジエン環等が挙げられる。前記複素環としては、前記の複素環と同様のものが挙げられる。
互いに隣り合う2つのRが隣接する2つの炭素原子を一緒になって形成される芳香族環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、等が挙げられる。
前記アルキル基の置換基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、等が挙げられる。アルコキシ基におけるアルキル部分としては、前記と同様なものが挙げられる。
前記アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、複素環基、芳香族環基及び炭化水素環における置換基としては、慣用の置換基、例えば、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、置換又は非置換のアミノ基等が挙げられる。アルキル基及びアルコキシ基におけるアルキル部分としては、前記と同様なものが挙げられる。前記置換アミノ基には、モノアルキル置換アミノ基、ジアルキル置換アミノ基が包含される。この場合のアルキル基としては、前記と同様のものが挙げられる。
なお、各基に結合する置換基の数は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1つ又は複数(好ましくは2〜5)が好適である。
前記スクアリリウム化合物の金属錯体(スクアリリウム金属キレート化合物)は、前記構造式(I)で表されるスクアリリウム化合物と金属からなり、該金属原子としては、配位子を2〜3個有することのできる金属原子が好ましく、例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、鉄、ニッケル、クロム、コバルト、マンガン、イリジウム、バナジウム、チタン等が挙げられ、特にアルミニウムのスクアリリウム金属キレート化合物は、光記録材料として光学特性が優れている。
前記スクアリリウム金属キレート化合物としては、例えば、下記構造式で表されるものが好適に挙げられる。ただし、Meはメチル基、nPrはプロピル基を表す。
Figure 2005267668
前記スクアリリウム化合物又はその金属錯体は、公知の方法(例えば、国際公開第02/50190号パンフレット等)又はこれらの方法に準じて製造することができる。
前記記録層の占有面積は、反射層の占有面積より小さいことが好ましく、また、前記記録層の最内周形成位置よりも反射層の最内周形成位置が内側であることが好ましい。
前記記録層が反射層からはみ出している場合には、貼り合わせ接着剤や保護層との密着性が低下し、高温高湿下での膜浮きなどの不具合を生じる可能性がある。
このような不具合を防止する手段としては、例えば、(1)外周端の記録層の不要部のみ溶剤等で洗い流す方法、(2)記録層上に反射層を設けた後に不要部を溶剤等で洗い流す方法、(3)ディスク内周部においては記録層形成時に反射層の形成位置より外側から成膜する方法、等が挙げられる。
前記記録層の膜厚は、10nm〜10μmが好ましく、20nm〜200nmがより好ましい。前記膜厚が10nm未満であると、記録再生光に対して吸収が少なく変化が少なくなってしまうことがあり、10μmを超えると、記録時にレーザ光による蓄熱効果が大きくなり周囲の記録ピットに影響を与えて、バラツキが大きくなることがある。
前記基板は、円盤状であり、通常、深さ1000〜2500Å(100〜250nm)の案内溝を有している。前記溝深さが1000Å(100nm)以上であると、充分なトラッキング信号や良好な記録再生特性を得やすくなり、2500Å(250nm)以下であると全面に渡り均一性に優れた転写性を得られるので好ましい。また、溝幅は、半値幅で0.18〜0.40μmが好ましい。前記半値幅が0.18μm以上であると、十分なトラッキングエラー信号強度を得やすいので好ましい。一方、0.40μm以下であると、記録したときに記録部が横に広がりにくいので好ましい。
また、トラックピッチは、通常、0.7〜1.0μmが好ましく、高容量化の用途には0.7〜0.8μmが好ましい。
本発明の光記録媒体は、追記型DVD媒体に適用可能であり、その記録再生波長は600〜720nmが最も好ましく、DVD+R及びDVD−Rのいずれかに好適に用いられ、記録特性が提供できる。
次に、本発明の光記録媒体の構成について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の光記録媒体に適用し得る追記型光記録媒体(CD−R型)の層構成例を示す概略断面図であり、これは追記型光ディスクの例である。図1(A)、図1(B)、及び図1(C)中、1は基板、2は記録層、3は下引き層、4は保護層、5はハードコート層、6は反射層をそれぞれ表す。
図2は、本発明の光記録媒体に適用し得る追記型光記録媒体(DVD)の層構成例を示す概略断面図である。図2(A)、図2(B)、及び図2(C)中、1は基板、2は記録層、3は下引き層、4は保護層、5はハードコート層、6は反射層、7は保護基板、8は接着層をそれぞれ表す。
本発明の光記録媒体を追記型DVDメディアとして適用する場合の光記録媒体の構成としては、第1の基板と第2の基板(以下、「第1基板」、「第2基板」と称することがある)とを記録層を介して接着剤で張り合わせた構造を基本構造とする。記録層は反射率を高めるため記録層と反射層との積層である必要がある。記録層と基板間は下引き層あるいは保護層を介して層成してもよく、機能向上のためそれらを積層化した構成でもよい。最も通常に用いられるのは、第1基板/有機色素層/反射層/保護層/接着層/第2基板の構造である。
−基板−
前記基板としては、基板側より記録再生を行う場合のみ使用レーザ光に対して透明でなければならず、記録層側から記録、再生を行う場合基板は透明である必要はない。従って、本発明において、基板2枚をサンドイッチ状で用いる場合は、例えば、一方の基板(第2の基板)のみが透明であれば、他方の基板(第1の基板)の透明、不透明は問わない。
前記基板材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等のプラスチックス、ガラス、セラミックス、又は金属等を用いることができる。
なお、基板を1層しか用いない場合はその基板表面に、また基板2枚をサンドイッチ状で用いる場合は第1基板の表面に、トラッキング用の案内溝や案内ピット、更にアドレス信号等のプレフォーマットが形成されていることが好ましい。
−記録層−
記録層はレーザ光の照射により何らかの光学的変化を生じ、その変化により情報を記録できるものであって、この記録層中には前記の本発明の特徴とするスクアリリウム化合物及びスクアリリウム金属キレート化合物が少なくとも1種含有されていることが必要である。
前記記録層の形成にあたっては前記本発明の特徴とする色素を1種ずつ、又は複数の組合せで用いてもよい。更に、本発明の特徴とする前記色素の他に、光学特性、記録感度、信号特性等の向上の目的で他の有機色素と混合又は積層化しても良い。該他の有機色素としては、上述した通りである。
前記色素中に金属又は金属化合物としては、例えば、In、Te、Bi、Se、Sb、Ge、Sn、Al、Be、TeO、SnO、As、Cd等を分散混合あるいは積層の形態で用いることもできる。
また、前記色素中に高分子材料を配合させることもできる。該高分子材料としては、例えば、アイオノマー樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニル系樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴム等の種々の材料もしくはシランカップリング剤等を分散混合して用いてもよいし、あるいは特性改良の目的で安定剤(例えば、遷移金属錯体)、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を一緒に用いることもできる。
前記記録層の形成は、蒸着、スパッタリング、CVD又は溶液塗布等の通常の手段によって行うことができる。前記塗布法を用いる場合には、前記色素等を有機溶剤等に溶解してスプレー、ローラーコーティング、ディッピング、及びスピンコーティング等の慣用のコーティング法によって行われる。
前記有機溶剤は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、四塩化炭素、トリクロロエタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族類;メトキシエタノール、エトキシエタノール等のセロソルブ類;ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素類、等が挙げられる。
−下引き層−
前記下引き層は、(1)接着性の向上、(2)水又はガス等のバリア、(3)記録層の保存安定性の向上、(4)反射率の向上、(5)溶剤からの基板や記録層の保護、及び(6)案内溝・案内ピット・プレフォーマット等の形成等を目的として使用される。
前記(1)の目的に対しては、高分子材料、例えば、アイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル系樹脂、天然樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴム等の種々の高分子物質、及びシランカップリング剤等を用いることができる。前記(2)及び(3)の目的に対しては、前記高分子材料以外に無機化合物、例えば、SiO、MgF、SiO、TiO、ZnO、TiN、SiN等、更に金属、又は半金属、例えばZn、Cu、Ni、Cr、Ge、Se、Au、Ag、Al等を用いることができる。また、前記(4)の目的に対しては、金属、例えば、Al、Ag等や、金属光沢を有する有機薄膜、例えば、メチン染料、キサンテン系染料等を用いることができる。前記(5)及び(6)の目的に対しては、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、又は熱可塑性樹脂等を用いることができる。
前記下引き層の膜厚は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.01〜30μmが好ましく、0.05〜10μmがより好ましい。
−反射層−
前記反射層の材料としては、上述した銀(Ag)合金が用いられる。前記反射層の膜形成法としては、例えば、蒸着、スパッタリング等が挙げられる。
−保護層、及び基板表面ハードコート層−
前記保護層、又は基板表面ハードコート層は、(1)記録層(反射吸収層)の傷、ホコリ、汚れ等からの保護、(2)記録層(反射吸収層)の保存安定性の向上、(3)反射率の向上等を目的として使用される。これらの目的に対しては、前記中間層に示した材料を用いることができる。また、前記無機材料としては、例えば、SiO、SiO等も用いることができる。前記有機材料としては、例えば、ポリメチルアクリレート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂、乾性油、ロジン等の熱軟化性樹脂、熱溶融性樹脂、又は紫外線硬化樹脂も用いることができる。これらの中でも、保護層、又は基板表面ハードコート層に最も好ましい例としては生産性に優れた紫外線硬化樹脂である。
前記保護層又は基板表面ハードコート層の膜厚は0.01〜30μmが好ましく、0.05〜10μmがより好ましい。
本発明においては、前記下引き層、保護層、及び基板表面ハードコート層には記録層の場合と同様に、目的に応じて更に、安定剤、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を含有させることができる。
−保護基板−
前記保護基板は、この保護基板側からレーザ光を照射する場合、使用レーザ光に対し透明でなくてはならず、単なる保護板として用いる場合、透明性は問わない。使用可能な基板材料は前記の基板材料と全く同様であり、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等のプラスチックス又は、ガラス、セラミックスあるいは、金属等を用いることができる。
−接着剤、接着層−
前記接着剤としては、2枚の記録媒体を接着できる材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、生産性を考えると、紫外線硬化型接着剤又はホットメルト型接着剤が好ましい。
(光記録媒体の製造方法)
本発明の光記録媒体の製造方法は、記録層形成工程と、反射層形成工程と、洗浄工程とを含み、保護層形成工程、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
−記録層形成工程−
前記記録層形成工程は、基板上にスクアリリウム化合物及びスクアリリウム金属キレート化合物の少なくともいずれかを含有する塗布液を塗布する工程である。
本発明の光記録媒体の製造方法においては、まず、表面にグルーブ及び/又はピットが形成されている基板上に、直接又は他の層を介して、前記構造式(I)で表されるスクアリリウム金属キレート化合物を主成分とする記録層が塗布成膜手段により設けられる。即ち、前記構造式(I)で表されるスクアリリウム金属キレート化合物を溶媒に溶解し、液状の塗布液として基板上にコートすることにより、記録層が形成される。
この塗布液を調整するための溶媒としては、公知の有機溶媒(例えば、アルコール、セルソルブ、ハロゲン化炭素、ケトン、エーテル等)を使用することができる。また、コート方法としては、記録層の濃度、粘度、溶剤の乾燥温度を調節することにより層厚を制御できるため、スピンコート法が望ましい。
なお、前記記録層が設けられる側の基体表面に下塗り層を設けることが、基板表面の平面性の改善や接着力の向上あるいは記録層の変質防止等の目的で、行われる。
この場合、前記下塗層は、例えば、前述した下塗層用物質を適当な溶剤に溶解又は分散して塗布液を調整した後、この塗布液を例えばスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコートなどの塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。
−反射層形成工程−
本発明の光記録媒体の製造方法においては、次に記録層上に直接又は他の層を介して光反射層が真空成膜手段により設けられる。即ち、前述した反射性物質を、例えば蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティングすることにより、光反射層が記録層の上に形成される。
前記反射層形成工程においては、反射層を記録層の最内周形成位置よりも内側になるように形成する。これにより、前記記録層が反射層からはみ出して、貼り合わせ接着剤や保護層との密着性が低下し、高温高湿下での膜浮きなどの不具合を生じることを確実に防止できる。
−洗浄工程−
前記洗浄工程は、基板上に少なくとも記録層及び反射層をこの順に積層した積層体の最外周部の余剰色素を溶剤で洗浄して除去する工程である。
前記溶剤としては、余剰色素を溶解することができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エタノール、セロソルブ、などが挙げられる。
−保護層形成工程−
本発明の光記録媒体の製造方法においては、反射層上に保護層が設けられることが好ましい。前記保護層は、前述した無機物質や種々の樹脂からなる保護層用材料を、真空成膜又は塗布成膜することにより形成される。該保護層用材料としては、特にUV硬化性樹脂を用いるのが好ましく、該樹脂をスピンコート後、紫外線照射により硬化して形成される。
前記その他の工程としては、例えば、下引き層形成工程、ハードコート層形成工程、保護基板形成工程、などが挙げられる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
−光記録媒体の作製−
まず、溝深さ1750Å(175nm)、半値幅0.36μm、トラックピッチ0.74μmの案内溝を有する厚さ0.6mmのポリカーボネート樹脂基板を射出成形により作製した。
次に、下記構造式(II)で表されるスクアリリウム金属キレート化合物と下記構造式(II)で表されるホルマザン金属キレート化合物を質量比((II):(III))が60:40となるように2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールに溶解させた塗布液を、前記基板上に厚みが1000Å(100nm)となるようにスピンナー塗布し、100℃にて30分間乾燥して記録層を形成した。以上が前記記録層形成工程である。
次に、記録層上にAg−Au−Cu合金(98.4:0.7:0.9)を厚みが1200Å(120nm)となるようにスパッタ法により成膜して反射層を形成した。この際、反射層を記録層の最内周形成位置よりも内側になるように形成した。以上が前記反射層形成工程である。
次に、基板上に記録層及び反射層がこの順に積層された積層体の最外周部の余剰色素をエタノールで洗浄し、除去した。以上が前記洗浄工程である。
次いで、反射層上にアクリル系フォトポリマーを厚みが4μmとなるように塗布し保護層を形成した。次に、厚さ0.6mmのポリカーボネート樹脂製基板をアクリル系フォトポリマーを用いて接着した。以上により、光記録媒体を作製した。
Figure 2005267668
Figure 2005267668
(実施例2)
−光記録媒体の作製−
実施例1において、記録層の色素成分を下記構造式(IV)で表されるスクアリリウム金属キレート化合物と下記構造式(V)で表されるアゾ金属キレート化合物を質量比((IV):(V))が55:45に変更し、反射層としてAg−Pd−In合金(98.4:0.7:0.9)を膜厚が1200Å(120nm)になるように成膜した以外は、実施例1と同様にして、光記録媒体を作製した。
Figure 2005267668
Figure 2005267668
(実施例3)
−光記録媒体の作製−
実施例1において、反射層としてAg−Nd−Cu合金(98.4:0.7:0.9)を膜厚が1200Å(120nm)になるように成膜した以外は、実施例1と同様にして、光記録媒体を作製した。
(実施例4)
−光記録媒体の作製−
実施例1において、反射層がAg−Pd−Cu合金(98.2:0.9:0.9)を膜厚が1200Å(120nm)になるように成膜した以外は、実施例1と同様にして、光記録媒体を作製した。
(実施例5)
−光記録媒体の作製−
実施例1において、前記構造式(II)で表されるスクアリリウム金属キレート化合物の代わりに下記構造式(VI)で表されるスクアリリウム金属キレート化合物を用い、反射層としてAg−Nd−Cu合金(98.4:0.7:0.9)を膜厚が1200Å(120nm)になるように成膜した以外は、実施例1と同様にして、光記録媒体を作製した。
Figure 2005267668
(比較例1)
−光記録媒体の作製−
実施例1において、反射層として純銀を膜厚が1200Å(120nm)なるように成膜した以外は、実施例1と同様にして、光記録媒体を作製した。
(比較例2)
−光記録媒体の作製−
実施例1において、反射層の膜厚を1800Å(180nm)に変えた以外は、実施例1と同様にして、光記録媒体を作製した。
(比較例3)
−光記録媒体の作製−
実施例1において、反射層の膜厚を800Å(80nm)に変えた以外は、実施例1と同様にして、光記録媒体を作製した。
(比較例4)
−光記録媒体の作製−
実施例1において、記録層上に反射層を形成した後、積層体の最外周部の色素を洗い流さないこと、即ち、前記洗浄工程を行わない以外は、実施例1と同様にして、光記録媒体を作製した。
(比較例5)
−光記録媒体の作製−
実施例1において、記録層を反射層よりも内周側になるように形成したこと、即ち、前記反射層形成工程で反射層を記録層の最内周形成位置よりも内側になるように形成しない以外は、実施例1と同様にして、光記録媒体を作製した。
次に、得られた実施例1〜5及び比較例1〜5の各光記録媒体について、以下のようにして、記録試験及び保存試験を行った。結果を表1に示す。
<記録試験>
得られた各光記録媒体について、光ディスク評価装置(パルステック社製、DDU−1000)を用いて、反射率、記録パワー、ジッター、及びPIエラーを測定した。
<保存試験>
記録試験の後、各光記録媒体について、80℃−湿度85%の環境下に600時間保存し、その後のジッター(Jitter)、及びPIエラーを上記同様に測定した。
Figure 2005267668
表1の結果から、実施例1〜5は、スクアリリウム金属キレート化合物と、銀合金からなる反射層との組み合わせであり、いずれも、記録パワー、反射率が適正な範囲であり、エラーの発生が少なく、保存信頼性の高いものであることが認められる。
比較例1は、スクアリリウム金属キレート化合物の特定な位置に塩素原子が存在する場合には、純銀の反射層を用いると、保存性が劣ることが認められる。
比較例2〜3は、反射層の膜厚が適正な範囲ではなく、いずれも保存性が劣り、比較例2は、記録パワーが大きくなり、しかもエラーが増加することが認められる。比較例3は、反射率が低くなり、ジッター(Jitter)、及びPIエラーが増大する問題がある。
比較例4〜5は、いずれも記録層が反射層からはみ出しているため、いずれも保存性が劣ることが認められる。
本発明の光記録媒体は、保存信頼性が高く、大容量光ディスクとしてDVD+R及びDVD−Rなどに用いられ、特に短波長に発振波長を有する半導体レーザを用いる追記型DVDディスクシステムに好適に用いることができる。
図1(A)〜(C)は、CD−R用光記録媒体の構成を表す図である。 図2(A)〜(C)は、追記型DVD用光記録媒体の構成を表す図である。
符号の説明
1 基板
2 記録層
3 下引き層
4 保護層
5 ハードコート層
6 反射層
7 保護基板
8 接着層

Claims (16)

  1. 基板と、該基板上に少なくとも記録層及び反射層をこの順に積層させてなり、該記録層がスクアリリウム化合物及びスクアリリウム金属キレート化合物から選択される少なくとも1種を含有し、前記反射層が銀(Ag)合金を含有し、かつ該反射層の厚みが90〜170nmであることを特徴とする光記録媒体。
  2. スクアリリウム化合物及びスクアリリウム金属キレート化合物の少なくともいずれかが、ハロゲン原子を含有する請求項1に記載の光記録媒体。
  3. ハロゲン原子が、塩素原子(Cl)である請求項1から2のいずれかに記載の光記録媒体。
  4. 銀合金における銀の含有量が95〜99.9原子%である請求項1から3のいずれかに記載の光記録媒体。
  5. 反射層が銅(Cu)を含有し、該銅の含有率が銀に対し0.1〜1.5原子%である請求項1から4のいずれかに記載の光記録媒体。
  6. 反射層が、更に金(Au)、インジウム(In)、ネオジウム(Nd)及びパラジウム(Pd)から選択される少なくとも1種を含有する請求項5に記載の光記録媒体。
  7. 記録層の占有面積が、反射層の占有面積よりも小さい請求項1から6のいずれかに記載の光記録媒体。
  8. 記録層が、更にホルマザン色素、アゾ色素、ポリメチン色素、ナフタロシアニン系染料、フタロシアニン系染料、クロコニウム系染料、ピリリウム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン(インダンスレン)系染料、キサンテン系染料、トリフェニルメタン系染料、アズレン系染料、テトラヒドロコリン系染料、フェナンスレン系染料、トリフェノチアジン系染料、及びこれらの金属キレート化合物から選択される少なくとも1種の色素成分を含有する請求項1から7のいずれかに記載の光記録媒体。
  9. 記録層の膜厚が、10nm〜10μmである請求項1から8のいずれかに記載の光記録媒体。
  10. 反射層上に保護層を有する請求項1から9のいずれかに記載の光記録媒体。
  11. 基板上のトラックピッチが0.7〜0.8μmであり、案内溝幅が半値幅で0.18〜0.40μmである請求項1から10のいずれかに記載の光記録媒体。
  12. 案内溝の深さが100〜250nmである請求項11に記載の光記録媒体。
  13. 記録再生波長が600〜720nmである請求項1から12のいずれかに記載の光記録媒体。
  14. DVD+R及びDVD−Rのいずれかに用いられる請求項1から13のいずれかに記載の光記録媒体。
  15. 基板上にスクアリリウム化合物及びスクアリリウム金属キレート化合物の少なくともいずれかを含有する塗布液を塗布して記録層を形成する記録層形成工程と、該記録層上に銀(Ag)合金を含有する反射層を前記記録層の最内周形成位置よりも内側になるように形成する反射層形成工程と、前記基板上に記録層及び反射層をこの順に積層した積層体の最外周部の余剰色素を溶剤で洗浄して除去する洗浄工程を含むことを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  16. 更に、反射層上に保護層を形成する保護層形成工程を含む請求項15に記載の光記録媒体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111788663A (zh) * 2018-03-09 2020-10-16 堺显示器制品株式会社 薄膜晶体管及其制造方法

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