JP2005266817A - オンプレスで現像可能なリソグラフ印刷板中の光反応失活剤 - Google Patents

オンプレスで現像可能なリソグラフ印刷板中の光反応失活剤 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、基材および光硬化性ポリマーレジスト(例えば、フリーラジカルにより開始される光硬化機構を基礎とするもの)を含むリソグラフ印刷板を提供する。
【解決手段】有害かつ望ましくない過剰なフリーラジカルの活性を抑制するために、印刷板の実施態様は、さらにフリーラジカル調整システムを提供する。特別な実施態様において、フリーラジカル調整システムは、オーバーコートとして提供され、そのオーバーコートは、光透過性のオーバーコートであり、そしてペンダントフリーラジカルトラップ基を有するポリマーを含む。オーバーコートのための特別なポリマーは、式(a)を有し、ここで、mは、約20重量%〜約%95重量%、そしてnは、約0重量%〜約75重量%である。露光後、フォトレジスト中に発生した活性なフリーラジカルを不活性化し得るポリマーは、ファウンテンまたはインク溶液に可溶であり、そしてフォトレジストに非相溶性である。
【選択図】なし

Description

本発明は、一般的にリソグラフ印刷板およびその中の光活性化(すなわち光励起)された反応物の調整に関する。特別な実施態様においては、オンプレスで現像可能なリソグラフ印刷板であって、その中にフリーラジカル失活剤成分を有する光透過性のオーバーコートを備える、印刷板を提供する。例えば、この失活剤成分はペンダントフリーラジカルクエンチ基を有するポリマーである。
現在、実質的に全ての印刷コピーは、3つの基本的なタイプの印刷板を使用して作製される。1つのタイプは、盛り上がった表面から印刷する凸板である。別のタイプは、くぼんだ表面から印刷する凹板である。3つめのタイプは、隣接しかつ周囲の非印刷領域に比べ、上に大きく盛り上がりも、下に大きくくぼみもしていない、実質的に平らな表面から印刷するリソグラフ板である。印刷は、異なる化学的性質の領域に対する、インクそれぞれの親和力および/または反発力により生じる。リソグラフ印刷板は、一般に撥水性(疎水性)、油受容性(親油性)画像領域および水受容性(親水性)非画像領域を有するように、処理される。
使用のための処理に先立って、従来のリソグラフ板は、典型的には親水性基材上にコーティングまたは積層した、疎水性の光反応性ポリマー画像層(すなわち、フォトレジスト)を有する。
印刷機上で使用する従来のリソグラフ印刷板の調製において、まずその印刷板を光活性化照射に曝す。光活性化照射に曝されることにより印刷板のフォトレジストに、特異的な化学反応が生じる。そのような光誘起化学反応は、レジストがネガティブに作用するかまたはポジティブに作用するかに依存して、フォトレジストの溶解性を減じ得るかまたは高め得る。ネガティブに作用する印刷板においては、光活性化照射に曝すと、一般的にフォトレジストの「硬化」が起こる。ポジティブに作用する印刷板においては、光活性化照射に曝すと、一般的にフォトレジストの軟化または可溶化が起こる。
露光後、通常、湿式現像工程を行う。そのような湿式現像の目的は、光誘起により化学変化を生じたフォトレジスト領域、または露光されなかったフォトレジスト領域を除去することである。従来の現像技術での溶媒和とは、典型的に現像浴中の有機溶媒で露光板を処理することを包含する。ネガティブに作用するレジストに関して、溶媒は、レジストの露光されていない部分を膨潤させて溶解する。溶媒は、露光部分を膨潤させてはいけない。そうしなければ現像された画像のゆがみが生じ得る。ポジティブに作用するレジストに関して、露光されていないコーティングおよび露光されたコーティングの応答は逆であるが、同じ一般原理に従う。
フォトレジスト部分の選択的な溶媒和および洗い落しの結果として、下にある親水性基材の対応する部分は覆い取られる。ネガティブに作用する印刷板に関して、上記の疎水性画像領域は、溶媒和および洗浄後に残っているフォトレジストの部分に対応する。上記の親水性非画像領域は、基材の覆い取られた部分に対応する。それゆえ画像領域および非画像領域が区別され、次いで処理板は印刷機に備え付けられ、そして印刷される。
不可欠な湿式現像でわずらわされるのは、印刷機で使用する前の従来のリソグラフ板の処理に時間および労働の両方を費し、そして有機化学薬品をかなり使用するということにある。湿式現像を行う上での従来のリソグラフィーの長く感じる依存状態(long−felt dependency)を満足いくように省くかまたは短縮させ、それにより不可欠とされる露光後の印刷前処理を用いることなしに、露光直後にリソグラフ板を印刷機に使用し得る手段がかなり所望されていることが理解される。
これまでに、露光後のリソグラフ印刷板の湿式処理工程を省き、印刷機上で露光板を直接備え付けることにより印刷を行い得る、乾式現像可能なリソグラフ印刷板が示唆されている。印刷板の中でもオンプレスで現像可能な(または、それに関する)印刷板として特徴付けられ得るものは、例えば米国特許第4,273,851号(Muzyczkoら、1981年6月16日発行);米国特許第4,879,201号(Hasegawa、1989年9月7日発行);米国特許第4,916,041号(Hasegawaら、1990年4月10日発行);米国特許第4,999,273号(Hasegawa、1991年3月12日発行);および米国特許第5,258,263号(Z.K.Cheema、A.C.Giudice、E.L.LanglaisおよびC.F.St.Jacques、1993年11月2日発行)である。
上記の特許で、具体的に方法論とアプローチとが示されているもかかわらず、印刷機上で容易に現像され得、そして良好な操業時間に必要な、耐久性のある画像領域を有する印刷板となる、リソグラフ印刷板が絶えず必要としている。そのようなオンプレスで現像可能な印刷板についての出願が提出される。
米国特許第5,514,522号および同第5,556,924号は、従来の印刷板またはオンプレスで現像可能なリソグラフ印刷板のどちらかで、光反応速度(photospeed)を高めるのに使用され得る光反応性のポリマーバインダーを記載する。簡単に言えば、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートのポリマーは、ビニル基の反応性により、それらのイソシアネート基とヒドロキシアルキルアクリレート(例えば、4−ヒドロキシブチルアクリレート)と反応させることで誘導体化される。得られた光ポリマーバインダーは、印刷板を作製する際に典型的に利用される非反応性のバインダーを含有する組成物よりも、速い光反応速度を提供する。光反応性ポリマーバインダーを利用するリソグラフ印刷板は、優れた耐久性(優れた操業時間から明らかなように)を有し、そして比較的弱い現像剤を使用して現像され得る。光反応性バインダーの調製に関して、本出願は、電子欠損モノマー(例えば、無水マレイン酸)との複合化によりm−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートを共重合させ、他のモノマーとのフリーラジカル共重合を促進する方法を記載する。無水マレイン酸で促進されたプロセスは、動力学的により効果的であり、そしてモノマーからポリマーへのより大きな転化率を提供する。リソグラフ印刷板のフォトレジスト中で得られた生成物を使用することにより、その接着性が改善される。
米国特許第5,607,816号は、ネガティブに作用するオンプレスで現像可能なリソグラフ印刷板のために、現像助剤として可塑剤、界面活性剤およびリチウム塩の使用を記載する。簡単に言えば、印刷ファウンテン溶液(press fountain solution)中で分散性または可溶性であり、そしてアクリルモノマーおよびアクリルオリゴマーに可溶性の可塑剤は、フォトレジストに組み込まれる。そのような可塑剤は、架橋する前はフォトレジストをファウンテン溶液に対してより浸透性にするが、架橋後はインクとファウンテン溶液とで容易に抽出されるようにする。界面活性剤は、疎水性の画像形成組成物のファウンテン溶液への分散を促進し、そして発泡を減らす。さらに、リチウム塩はまた、ファトレジストに組み込まれ得、水素結合により結合する傾向にある、例えば、ウレタンアクリレートポリマーの水素結合を切断し、それにより現像力を向上させる。
米国特許第5,616,449号は、オンプレスで現像可能な印刷板の耐久性を高めるために、ゴムおよび界面活性剤の使用を記載する。ゴムは、個々のゴム粒子として、好ましくはフォトレジストに組み込まれる。均一でかつ安定な分散体を確実にするために、ゴム成分を、好ましくは約7.0と18.0との間のHLBを有する界面活性剤によりフォトレジスト中に懸濁する。
上記の出願に記載された主題を実施することにより、適切な「オンプレス」で現像可能な印刷板が作製され得る一方で、その主題は、望ましくは、米国特許第5,516,620号と組み合わされる。米国特許第5,516,620号は、光活性化照射に曝された後、さらに不可欠な処理を最小限または全く行わないで、印刷機上で使用するためのリソグラフ印刷板を記載する。印刷板の実施態様は、印刷板基材、画像状に光分解または光硬化し得るポリマーレジスト層、およびポリマーレジストの露光領域または非露光領域のどちらかの洗い落としをブランケット様式で促進し得るマイクロカプセル化された多数の現像剤を含む。マイクロカプセル化された現像剤は、ポリマーレジスト層に加えられる得るか、またはポリマーレジスト層上に積層した分離層を形成し得るか、あるいは特定の他の実施態様においては、レジスト層に面と面とで接触し得る分離基材にコーティングされ得る。
米国特許第5,516,620号、同第5,616,449号、同第5,607,816号、同第5,514,522号、および同第5,556,924号に述べられた、オンプレス印刷板でのストラテジーは良い結果を提供し、特に、光反応性(例えば、光反応速度)を維持するか、またはさらに高めるための手段を考えだそうとすることにより、特定の用途に対する必要性(例えば、印刷板の「粘着性」の実質的な減少、およびそれらを備え付ける際のカールを減少)が満足される。このような光反応性は該ストラテジーにより損なわれる可能性がある。この点に関して、相互関係は、印刷板における光活性化(光励起)された反応物の発生の基礎となる、光反応性と機構との間に生じる。光活性化照射に曝されることで励起状態に昇位したもの(例えば、光励起種(例えば開始剤、感光剤、共開始剤(coinitiation)))(それらの存在は、潜在的な画像形成光反応が起こる主要因である)は、酸素に敏感である。フリーラジカルにより開始される光硬化機構に基づく印刷板は、例えば、三重項酸素によりクエンチされやすいことが知られている。周囲の酸素の所望でないクエンチングによる、励起状態から基底状態への光開始剤または感光剤の速い失活は、望ましい速度および/または程度の光硬化をもたらすために必要なエネルギーまたは電子移動を排除し得る。光により発生したラジカルはまた、酸素原子と反応して、そして光反応において比較的非反応性であるペルオキシラジカルを形成する。
照射により発生したフリーラジカルの酸素クエンチングを防ぐために有用な方法は、水溶性ポリマー樹脂で印刷板をベースコーティングで覆うことである。例えば、米国特許第5,340,681号;同第5,286,594号;同第5,120,772号;同第4,999,271号;同第4,927,737号;同第4,780,392号;同第4,707,437号;および同第4,652,604号を参照のこと。従来の形態では、その樹脂は透明なフィルム形成ポリマーである。これらのポリマーは、典型的に不活性であり、酸素バリアとして作用し得、そして水または水と溶媒との混合物に可溶である。
従来のオーバーコートは、典型的に浴現像の間にオフプレスで除去される。標準的な浴現像管理下での、「強」溶媒および強力な有機相洗浄の使用は、自由に許容されるので、従来のオーバーコートは一般に丈夫で弾力性がある。
酸素クエンチングを妨げることにより粘着性を低減させ、印刷板の光反応速度を改善し得る点において、オーバーコートを有する印刷板(特に米国特許第5,616,449号;同第5,607,816号;同第5,514,522号;および同第5,556,924号に記載されている、ファウンテン溶液に対して膨潤性または透過性(しばしば粘着性)のオンプレスで現像可能な印刷板)を提供することが望ましい。そのようなオーバーコートは、印刷機のファウンテン溶液またはインク溶液中で高い溶解性を示し、従って、オンプレスで除去され得るようにデザインされている。しかしながら、粘着性の低減および優れた光反応速度による利点は、オーバーコートの使用により成し遂げられるが、一方で低い陰影分解能および低いコントラストが時折観察される。最初の印刷における低いインク受容性(「インクブラインディング(ink blinding)」)もまた時折観察される。
これらの欠点はまた、マイクロカプセル化された現像剤を利用する特定のオンプレス印刷板においても幾分明らかである。米国特許第5,516,620号を参照のこと。例えば、「インサイチュ」印刷板システムにおいて、マイクロカプセル化された現像剤は、感光性画像形成層上にわたって水性分散体として塗布される。効果に関していえば、この水性マイクロカプセル層は、酸素バリア層として機能する。マイクロカプセル層を通る感光性層の露光後、印刷板は印刷機上で走行される。被覆され、ファウンテン溶液に対して膨潤性または透過性であるオンプレス板に関して、分解能およびインク受容性の低下が時々観察される。
分解能およびインク受容性の低下は、以下に帰属され得る;(1) オーバーコートの親水性成分と下層の画像形成層の表面との混合、(ここでその成分は、露光領域に生じる光誘起フリーラジカル重合およびグラフト化プロセスにより、画像形成層のポリマーゲルに物理的にトラップされるか、または化学的に結合するかのいずれかである)、および(2)露光の間の非画像領域における効果的な酸素濃度の減少。しかし最終的に、これらの原因となる因子は、印刷板表面の画像領域および/または非画像領域における所望でない光反応の影響に起因し得る。
それゆえ、上記の問題を広範に制御するために、残存する領域での光反応を妨害することなく、ポリマーレジストの表面で光反応を不活性化する(または代わりに調節する)ための手段が必要とされる。非粘着性のオーバーコートを利用するオンプレスで現像可能な印刷板において、オーバーコートのオンプレスでの除去能を高めるための手段もまた必要とされる。
(発明の要旨)
前記の問題および関係を考慮して、本願は、従来の印刷板、「オンプレスで」現像可能な印刷板、および選択された潜在性の画像形成光反応機構(特にフリーラジカルを基にした光硬化機構)の常圧での感度を条件とする他の印刷板の設計にクエンチ成分を組み入れることに関する。
本発明によれば、以下が提供される:
(1)ファウンテンおよびインク溶液に対して画像状に応答し得、それにより受容媒体上の印刷画像に有用である、印刷板前駆体成分であって、該印刷板前駆体が、以下を含む:
該インク溶液に対して親和力または反発力のいずれかを有する基材;
該基材上に析出するフォトレジストであって、該フォトレジストは、該基材の親和力または反発力とは実質的に逆の、該インク溶液に対する親和力または反発力を有し、該ポリマーフォトレジストは、光活性化放射に画像状に曝される際に画像状の光硬化し得、該フォトレジストは、フリーラジカル開始反応によりポリマーを形成し得る少なくとも1つのエチレン性基、および光活性化放射により活性となるフリーラジカル発生システムを有する光重合可能なエチレン性不飽和モノマーを含む;および
該フォトレジスト上に析出する連続的な光透過性ポリマーオーバーコートであって、該光透過性ポリマーオーバーコートは、ペンダント失活剤成分を有するポリマーをその中に取り込み、該失活剤成分は、該光活性化放射により該システムが活性となった後で、フリーラジカル発生システムにより発生した該フリーラジカルを不活性化し得る。
(2)上記ペンダント失活剤成分を有する上記ポリマーが、上記ファウンテン溶液またはインク溶液に可溶であり、そしてフォトレジストに効果的に非相溶性である、項目(1)に記載の印刷板前駆体成分。
(3)上記失活剤成分が以下の式のクエンチ基であり、
Figure 2005266817
ここで、R1、R2、R3、およびR4は、1〜5個の炭素原子を有する低級アルキル基であり、Bは、2〜3個の炭素原子を有するアルキレン基であり、そしてC1およびC2とヘテロ環を形成し、およびXは、上記ポリマー上にヘテロ環をつなぐ連結基である、項目(1)に記載の印刷板前駆体成分。
(4)上記ポリマーが、スルホネート置換モノマーを、さらにその中に組み込んでいる上記ペンダント失活剤成分を有する、項目(3)に記載の印刷板前駆体成分。
(5)上記スルホネート置換基が、2-アミノエチルスルホン酸である、項目(4)に記載の印刷板前駆体成分。
(6)上記ペンダント失活剤成分を有する上記ポリマーが、以下の式を有し、
Figure 2005266817
ここで、mは、約20重量%〜約%95重量%、そしてnが約0重量%〜約75重量%である、項目(3)に記載の印刷板前駆体成分。
(7)上記基材が、親水性および疎油性であり、そして上記フォトレジストが親油性である、項目(1)に記載の印刷板前駆体成分。
(8)上記基材が、アノード処理され、グレイン化されたアルミニウム基材である、項目(1)に記載の印刷板前駆体成分。
(9)上記フォトレジストが、70mg/ft2〜150mg/ft2の範囲で上記基材上に析出する、項目(1)に記載の印刷板前駆体成分。
特別な1つの実施態様において、本発明は、ファウンテン溶液およびインク溶液に応答する画像を形成し得、それにより受容媒体上の印刷画像に有用である印刷板を提供する。印刷板は、前記のインク溶液に対する親和力または反発力のどちらかを有する基材;および基材上に積層するフォトレジストを含む。フォトレジストは、基材の親和力または反発力とは実質的に逆の前記インク溶液に対する親和力または反発力を有するように作られる。フォトレジストは、光活性化放射に画像状に曝される際、光硬化された画像状となり得、そして光重合可能なエチレン性不飽和モノマー(フリーラジカル開始反応によりポリマーを形成し得る少なくとも1つのエチレン末端基を有する)、および光活性化放射により活性となるフリーラジカル発生システム含む。実施態様の重要な特徴に関して、印刷板は失活剤成分を含むフリーラジカル制御システムを含む。この失活剤成分は、前記の光活性化放射による活性化に続いてフリーラジカル発生システムを不活性化し得る。そのような失活剤成分により、良好な分解能、インク受容性、および保存性を得る。
本発明の実施態様において、失活剤成分は、オーバーコート(または「バリア層」)に組み入れられる。そのような実施態様が、オンプレスで現像可能であるように作られる場合、利点は、容易に「オンプレスで除去可能な」オーバーコートを作ることにより得られる。オンプレスでの除去は、ファウンテン溶解性、または分散性の結晶性物質のオーバーコートに組み入れられることにより助長される。それは、オンプレスで溶解または分散される場合、例えば空げき、裂け目、細孔などを作り出すことによりオーバーコートの構造完全性を減らすことに影響する場合である。
上記を考慮して、本発明の広範な目的は、印刷板での光反応の発生を調整する手段、特に露光後のフリーラジカルの活性を調整する手段を有する印刷板を提供することである。
さらに、本発明の特別な目的は、フリーラジカルを調整するシステムを有する印刷板を提供することである。ここで、フリーラジカル調整システムは、少なくとも1つの失活剤成分を含有し、この失活剤成分は、活性放射に曝された後のそれらの活性化に続いてフリーラジカルを不活性化し得る。
本発明の別の特別な目的は、フリーラジカル調整システムを有する印刷板を提供することである。ここで、フリーラジカル調整システムは、少なくとも1つの失活剤成分をを含有し、この失活剤成分は、そのポリマー上にペンダントフリーラジカルクエンチ基を有するポリマーである。
本発明の別の特別な目的は、フリーラジカル調整システムを有する印刷板を提供することである。ここで、フリーラジカル調整システムは、少なくとも1つの失活剤成分を含有し、この失活剤成分は、ペンダントTEMPO基を有するポリマーである。
本発明の別の特別な目的は、フリーラジカル調整システムを有する印刷板を提供することである。ここで、フリーラジカル調整システムは、フォトレジスト上に積層した透明で光透過性のオーバーコートに組み入れられる。
本発明の別の特別な目的は、フリーラジカル調整システムを有する印刷板を提供することである。この印刷板は、マイクロカプセル化された現像剤のブランケット様の破壊によりオンプレスで現像可能であり得るフォトレジストを有する。そしてここで、フリーラジカル調整システムは、上記のマイクロカプセルの表面上に、または上記のマイクロカプセルを囲むマトリックスに化学的に組み入れられる。
本発明の別の特別な目的は、ポリマーレジスト層上に積層する透明で光透過性のオーバーコートを有する印刷板を提供することである。このオーバーコートは、水またはファウンテン可溶性または分散性の結晶性物質を組み込み、それによりオーバーコートのオンプレスでの除去性が高められる。
(発明の主題の詳細な説明)
この開示を通して、用語「オンプレス」は、例えば、現像および印刷板の両方を記載するのに使用される(例えば、「オンプレスでの現像」、「オンプレスで現像する」、「オンプレスで現像可能なリソグラフ印刷板」など)。本明細書中で使用されるように、修飾語「オンプレスで」(現像の概念に関する場合)は、湿式現像工程または同様の中間的な処理を行うことなしに、画像形成の露光の後、印刷機上で親油性および疎水性のポリマー領域の、有用な画像分布を現像する能力を示すことで定義される(類似の解釈は、同様に用語「オンプレスで除去可能」にあてはまる)。「オンプレスでの」現像技術は、他のいわゆる「乾式現像」技術(例えば、コロタイプおよびレーザーアブレーション技術)と対比すべきである(ここで、親油性および疎水性画像領域は、露光部分に形成される);ならびにピールアパート(peel−apart)および熱転移技術(ここで、親油性および親水性画像領域は、薄膜分離の後形成される)。
本発明は、いくつかの生成物の実施態様を提供する。それは、リソグラフ印刷板のオンプレス現像の実施を向上させ、そして改善し、ならびに光反応(光励起された反応体(例えばフリーラジカル)の発生を含む)を基礎とする印刷板上の光応答を改善するように設計される。代表的な例を、いくつかの図面に示す。
主要な実施態様において、本発明は、基材、光硬化性ポリマーレジスト、および光活性化放射により活性となるフリーラジカル発生システムを含む印刷板を提供する;このポリマーレジストは、光重合可能なエチレン性不飽和モノマーを含み、そのモノマーは、フリーラジカルで開始される光硬化反応により高重合のポリマーを形成し得る少なくとも1つの末端エチレン性基を有する。露光後、かつ印刷の前にフリーラジカルの有害でかつ所望されない活性を抑制するために、重要なことに、印刷板はフリーラジカル調整システムを含む。フリーラジカル調整システムは、失活剤成分を含み、この失活剤成分は、上記の光活性化放射による活性化の後、フリーラジカル発生システムを不活性化し得る。このような失活剤成分により、良好な分解能、インク受容性および耐久性を得る。
本発明の実施態様において、フリーラジカル調整システムは、非粘着性、光透過性オーバーコート中に提供される。図1、2、および5の構造100を参照のこと。望ましいオーバーコートは、空気中の酸素に対するバリアとして機能し、板が露光される場合、フォトレジストの光重合時に空気中の酸素の阻害効果を妨げる(例えば、標準的な減圧フレーム露光装置または減圧でないフレーム露光装置(例えば、Rachwalまたは他の放射露光装置))。オーバーコートは、少なくとも水またはファウンテンに可溶性または分散性のポリマーを含む。そのポリマーは、所望しない光反応、特に所望しないフリーラジカル反応をクエンチし得るクエンチ基を有する。
上記で述べたように、利点は、容易に「オンプレスで除去可能」であるオーバーコートを設計することにより得られる。オンプレスでの除去性は、オンプレスで処理される場合、オーバーコートの構造完全性を減少させる影響を与える、ファウンテン可溶性または分散性の結晶性化合物をオーバーコートに組み入れることにより達成される。適切な結晶性化合物の例としては、ショ糖、グルコース、ラクトース、サッカライド、ポリサッカライド、およびそれらの誘導体が挙げられる。低濃度(約2〜6重量%)であることが好ましい。本発明は、本発明の説明において任意の理論と結びつけることを望まないが、化合物が乾燥したオーバーコート上に微結晶を形成させることが考えられる。板が、オンプレスで現像される場合、微結晶は、ファウンテン溶液に容易に溶解し、オーバーコートを通してファウンテンおよびインクへの浸透を促進する、多数の微空げき、裂け目、細孔などを通り抜ける。
他の成分(例えば、界面活性剤および第二の水溶性ポリマー)が、オーバーコートに組み入れられた場合、さらなる利点を提供し得る。適切な第二のポリマーの例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー、アクリル酸エステルポリマーおよびアクリル酸エステルコポリマー、ヒドロアルキルセルロース、およびその誘導体、アラビアゴム、ならびにゼラチンが挙げられるが、これらに限定されない。低分子量から中程度の分子量で、部分的に加水分解されたポリビニルアルコールが好ましい。界面活性剤に関しては、10〜14の間のHLB値を有する非イオン性のものが望ましい。
オーバーコートの代表的な組成は、乾燥重量で1%〜約100%(好ましくは10%〜50%)の失活剤機能を有する水溶性のポリマー;乾燥重量で0%から約99%(好ましくは30から80%)の第二の水溶性ポリマー(例えば、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、およびヒドロキシアルキルセルロース);乾燥重量で0%〜10%(好ましくは、2%〜6%)の水に容易に可溶な結晶性化合物(例えば、ショ糖、グルコース、ラクトース、サッカライド、ポリサッカライド、およびそれらの誘導体);および乾燥重量で0%〜約15%(好ましくは、2%〜8%)の界面活性剤、好ましくは少なくとも1つの非イオン界面活性剤および1つのアニオン性界面活性剤の組み合わせを含む。
非粘着性コーティングとしての機能は別として、失活剤成分を含むオーバーコートは上記の手段として機能し、それにより画像コート(すなわち、ポリマーフォトレジスト)とオーバーコートとの間の「混合」ゾーンにおける光励起反応体(例えば、フリーラジカル)を、不活性化し、さもまくば調整する。フリーラジカル機構に基づく光反応の場合、失活剤成分の好ましい例は、共有結合した、さもなくば誘導された安定なアミノキシフリーラジカル基(例えばTEMPO(2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ)、PROXYL(2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシ)、またはDOXYL(4,4−ジメチル−3−オキシアゾリニルオキシ))および他の同様のフリーラジカル「トラップ」を有するポリマーである。例えば、安定なピペリジルオキシ(フリーラジカルTEMPO)の非常に有効なフリーラジカルトラップ機能性は、4−ケト−TEMPOの場合、4−アミノ、4−ヒドロキシ、または4−ケト置換メタクリロイルクロリド、グリシジルアクリレート(エポキシ)、グリシジルメタクリレート、ビニルアズラクトン、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、2−イソシアナトエチルメタクリレート、スチレンスルホニルクロリド、およびアミン、またはヒドラジドを用いることで組み込まれ得る。他の安定なアミノキシ、フリーラジカル基(例えば、PROXYLまたはDOXYL誘導体)は、TEMPOならびにフリーラジカルトラップ、インヒビター、またはリターダー(例えば、オキシム、フェノール、ニトロ、ニトロソ、ニトロンヒドロキサム酸およびアミドオキシム)として同等に役立ち得る官能性のかわりに使用され得る。
本発明の実施態様における使用に関して、フリーラジカルトラップポリマーは、4−アミノTEMPO(4−アミノ−2,2,6.6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ)および2−アミノエチルスルホン酸とEMAコポリマーとの反応により望ましく調製され、TEMPOおよびスルホネート置換コポリマーを得る。そのようなプロセスは、以下の化学反応(合成スキームI)により表され得る。
Figure 2005266817
上記の反応において、Mは、カチオンを生成する原子;mは、約20重量%〜約90重量%;nは、約0重量%〜約75重量%;oは、約0重量%〜約5重量%;およびpは、約0重量%〜約5重量%である。これらのスルホネート置換コポリマーは、印刷機上に代表的に見られるファウンテン溶液に可溶または分散し得る。スルホネートは、上記の反応で重要でないが、非スルホネート置換コーポリマーは、可溶性でないことが理解される。他の強酸置換体(例えば、スルフェネート)はまた、これらの低いpHにおける溶解性を改善する。スルフェートまたはスルホネート基はまた、レジスト層が調製される処方物の低い溶解性のために、画像層の成分とオーバーコートとの混合の程度を減少させる。
4ーアミノTEMPOを含む直接的な合成の代わりとして、同一でなければ、等価なコポリマーを、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよび2−アミノエチルスルホン酸(ASA)をポリ(エチレン)−co−(無水マレイン酸)(EMA)とを水中で反応させ、続いて酸化させることにより製造し得る。プロセスは、以下の化学反応式で表される(合成スキームII)。
Figure 2005266817
上記の反応において、Mは、カチオンを生成する原子;mは、約20重量%〜約95重量%;nは、約0重量%〜約75重量%;oは、約0重量%〜約5重量%;pは、約0重量%〜約5重量%、およびqは、約0重量%〜約50重量%である。
失活剤成分は、リソグラフ印刷板のいくつかのタイプに組み入れられ得る。いくつかの実施態様は、図で表されるように描写される。
1つの生成の実施態様(オーバーコートされた二重層のリソグラフ印刷板10)は、図1で概略的に示される。描かれたように(一定比で拡大されていない)、オーバーコートされた二重層の印刷板10は、板層21、マイクロカプセル層11、および連続的な光透過性のオーバーコート100を含む。板層21は、適切な印刷板基材24およびポリマーフォトレジスト層22を含む。一般に、ポリマーレジスト層22は、光重合可能なエチレン性不飽和モノマー、巨大分子の有機バインダー、およびフリーラジカルを発生して付加重合を開始するシステムを含む。板層21上のマイクロカプセル層11は、バインダーマトリックス18に含まれる、多数のマイクロカプセル16を含む。各マイクロカプセル16は、外殻相(「殻」)12および内殻相(「核」)14を含む。
連続的な光透過性のオーバーコート100は、実質的に空気中の酸素を通さないように作られ、好ましくは、「フリーラジカルトラップ(例えば、前記のTEMPO、PROXYL、およびDOXYL)」を含むように誘導された、水溶性誘導ポリマーを含む。前記の合成スキームIおよびIIを参照。望ましくは、水溶性ポリマーは以下の式を有する:
Figure 2005266817
ここで、R、R、R、およびRは、水素または好ましくは1個〜5個の炭素原子を有する低級アルキル基であり、Bは、2個〜3個の炭素原子を有するアルキレン基であり、そしてCおよびCとヘテロ環を形成する;およびXは、ヘテロ環とポリマーの骨格とをつなぐ連結基(例えば、アミド、ウレタン、エステル、エーテルまたはウレア)であり、Rは、アルキルまたはアリールであり、そしてYは、ポリマーの物理的性質(例えば、溶解度)を改変し得る官能基(例えば、スルフェート、スルホネート、ホスフェート、または第四級アンモニウム塩)である。そのようなポリマー(失活剤成分として機能する)は、特にオーバーコート100とポリマーレジスト層22との間の混合ゾーンにおいて、フリーラジカルを基礎とした光硬化システムを不活性化し得る。この方法において、リソグラフ印刷板は、その中のフリーラジカル調整システムと共に提供される。
図1に表される実施態様は、オーバーコート100の除外およびマイクロカプセル層11のバインダーマトリックス18において、ポリマー失活剤の組み入れにより本発明の範囲内で変更され得る。変更された実施態様において、マイクロカプセル層11は、除外されたオーバーコート100の役割をさらに果たす。
図1における誇張された様式で示されるように、基材24の上部表面は、さらに詳細に以下で記載するいくつかのプロセスにより得られた多数のグレイン(砂目立て)26を伴って提供され得る。またさらに以下で詳細に記載され、述べられるように、ポリマーフォトレジスト層22は、好ましくは基材24上のグレイン26の微細構造の上にコートされる。この微細構造は、誇張された様式で図1に示される。いくつかの場合において、基材24とレジスト層22との間の、水溶性リリース層(示さない)はまた、リソグラフ板の性能を高めるのに使用され得る。
別の生成の実施態様(オーバーコートされた疑似単一層リソグラフ印刷板30)は、分散マイクロカプセル、光感応性レジスト組成物、および溶媒を含むコーティング組成物から単一工程のコーティングプロセスにより最初に調製される。コーティングプロセスは、「単一工程」のみを包含するので、疑似単一層の実施態様が、より低コストでよりたやすく製造し得ると考えられる。
オーバーコートされた疑似単一層リソグラフ印刷板30は、図2に概略的に示される。描かれたように(一定比で拡大されていない)、オーバーコートされた疑似単一層印刷板30は、基材44、およびそれらを通して広がった多数のマイクロカプセル36を有する、フリーラジカル活性ポリマーレジスト層42を含む。単一層印刷板30のマイクロカプセル36は、外殻相(「殻」)32および内殻相(「核」)34を含む。オーバーコートされた二重層の印刷板10に関して、オーバーコートされた疑似単一層印刷板30は、さらに連続的な光透過性オーバーコート100を含む。板10および30におけるオーバーコート100により提供される機能は、類似しており、従って、実質的に同様の方法で設計され得る。
実際に、印刷板の製造に使用される基材材料は、1つまたはそれ以上の処理をしばしば必要とする。それは、上記米国特許第4,492,616号に記載されるように、感光性コーティングの粘着性を改善するか、または基材材料の親水特性を増加させるか、および/または感光性コーティングの現像能力を改善するためである。それゆえ、基材24および44は、ポリマーレジスト層22および42の望ましい粘着性を促進するために、代表的に、(例えば、ポリビニルホスホン酸、シリケート、あるいはアノード処理、またはコロナ放電またはプラズマ処理、あるいは粗面化処理、またはグレイニング処理により)処理される。
特に好ましい基材は、アルミニウム、亜鉛、スチール、または銅の金属基材である。これらは、公知の二金属板および三金属板(例えば、銅またはクロム層を有するアルムニウム板;クロム層を有する銅板;銅またはクロム層を有するスチール板;および純粋なアルミニウムのオーバーコートを有するアルミニウム合金板)を含む。他の好ましい基材は、シリコンゴムおよび金属被膜プラスチックシート(例えば、ポリ(エチレンテレフタレート))である。
好ましい板は、グレイン化されたアルミニウム板であり、板の表面は、機械的または化学的(例えば、電気化学的)に、あるいは粗面化処理との組み合わせにより粗面化される。アノード処理された板は、酸化物表面を提供するのに使用され得る。アノード処理は、アルカリ電解質水溶液中(例えば、当該分野で公知の、アルカリ金属水酸化物、ホスフェート、アルミネート、カーボネート、およびシリケートを含む)で行われ得る。グレイン化および/またはアノード処理されたアルミニウム板(例えば、ポリビニルリン酸で処理される、あるいは樹脂性またはポリマー性親水性層と共に提供される)は、基材として適切に使用され得る。
本発明の印刷板を製造する際に使用され得る印刷板の基材材料、およびそのような基材をグレイン化し、そして親水性化する方法の例は、例えば、米国特許第4,153,461号(G.Berghauserら、1979年5月8日);米国特許第4,492,616号(E.Pliefkeら、1985年1月8日);米国特許第4,618,405号(D.Mohrら、1986年8月21日);米国特許第4,619,742号(E.Pliefke、1986年10月28日);および米国特許第4,661,219号(E.Pliefke、1987年4月28日)に記載されている。
本発明は、米国特許第5,516,620号;同第5,616,449号;同第5,607,816号;および同第5,514,522号に記載されている、オンプレスで現像可能なリソグラフ印刷板の考察について特に意図されているが、連続的で光透過性のオーバーコートが、任意の従来のリソグラフ印刷板の利点と共に使用され得ることが理解される。例えば、例示のために図5を用いて、本発明は、基材84(好都合にグレインされている、すなわち構造86)、光硬化性ポリマーレジスト82、および連続的な光透過性オーバーコート100を含む、オーバーコートされたリソグラフ印刷板70を含む。ポリマーレジスト82が、光硬化性モノマーおよびフリーラジカル発生による付加重合開始システムを含むが、図5により表される実施態様においては、オンプレスでの現像能力を向上または促進させるための手段を組み合わせる必要はない。従って、レジスト82の一部83を光活性化放射71および73により露光した後、オーバーコートされたリソグラフ印刷板70の現像は、例えば、特別な現像剤、有機溶媒、界面活性剤溶液、あるいはしばしば水または印刷分野で使用されるファウンテン溶液で板を洗浄することにより、従来通り達成され得る。洗浄は、板を、洗浄液で浸漬、スプレー、またはコーティングし、そして板をすすぎ洗いし、乾燥させることにより目的を達する。機械的な摩擦、またはブラッシングは、現像を助けるのに使用され得る。
本発明の露光された印刷板は、リソグラフの印刷工程において代表的に使用される現像溶液での前処理なしで現像し得るので、可能なまたは現実的な場合、露光後の操作を省き、そして「オンプレスで」現像するために印刷機上に露光された印刷板を直接配置するのに、多くの場合都合が良い。これは、注目すべき利点を与える。それは、露光後の操作の省略、および従来の洗浄、ゴム状化、および他の露光後の操作の省略による時間の節約を包含する。
これらの「オンプレス」の基準を満たすような板の1つとしては、図1に例示されている、オーバーコートされた二重層の印刷板10である。図3において、オーバーコートされた二重層印刷板10を、オーバーコート100およびマイクロカプセル層11を通して、光活性化放射に画像状の露光を示す。露光された領域は、参考として矢印群9および13に示される。オーバーコートされた二重層印刷板10を光活性化放射に画像状に曝すことは、露光領域23aにおいてポリマーレジスト層22の光硬化(例えば、光重合)をもたらし、親油性(すなわち、インクに対するポジティブ親和力)印刷領域を提供する。次いで、図3に示される露光された板は、直接印刷機に備え付けられ得、非露光領域25aは、プレスローラにつぶされ、マイクロカプセルから放出された現像液のブランケット様作用、およびリソグラフファウンテン溶液およびインクと板との接触により除去され、それにより下にある基材24を露出する。リソグラフ印刷機のファウンテンおよびインク溶液中の板の処理もまた、水溶性のオーバーコート100を除去するのに役立つ。得られたネガティブ作用の印刷板は、図4に示される。ここで、領域25bは、露光されていない(硬化されていない)領域25aの除去により生じ、そしてフォトレジスト22の光硬化され、画像領域23bは、基材24の親水性の表面上に残る。必要に応じて、露光板のマイクロカプセルは、板を印刷機上に備え付ける前に、別々の圧力ローラーによりつぶされ、ブランケット様になり得る。
ポリマーレジスト層22は、本発明の適切な実施態様の印刷板における、いくつかの機能を提供する。しかし、主に、ポリマーレジスト層22は、二重層印刷板10の主要な画像形成層を含み、そして露光領域における層の分解または硬化を促進するポリマーバインダーおよび光活性化合物を含む。
オーバーコートされた二重層板10の露光の間、ポリマーレジスト層22の光硬化は、種々の化合物、混合物、または反応化合物の混合物、あるいは光重合、光架橋、光転位などをし得る材料、または露光領域における層の硬化を促進し得る材料を、その中に含むことによりもたらされ得る。この目的に適した化合物および材料は、フリーラジカルにより開始される光硬化を行う、モノマーの光重合性化合物を含むが、これに限定されない。露光または他の反応の際に、架橋または硬化を促進するエチレン性不飽和基(例えば、架橋または光による二量化により硬化を促進する基である、ケイ皮酸エステル)のようなペンダント基を有する、巨大分子またはポリマー性化合物もまた適切なものである。
ポリマーレジスト層22の光硬化を促進するために特に好ましいものは、重合可能なモノマーである。このモノマーは、露光時に巨大分子またはポリマー材料を形成し、好ましくは、例えば、フリーラジカルにより開始される鎖成長付加重合によってポリマーを形成し得る、少なくとも1つの末端エチレン性基を有する光重合可能なエチレン性不飽和モノマーである。光重合は、光開始剤(すなわち、光活性化放射により活性化されるフリーラジカル発生光硬化システム)を用いることによりもたらされ得る。
フリーラジカル発生光硬化システムは、光開始剤、および必要に応じて増感剤、および開始助剤を含み得る。有用な光開始剤は、ブチルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、エチルベンゾインエーテル、プロピルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ベンジルケタール、ベンゾイン、アセトフェノン(例えば、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン)、ジメチルキノキシリン、4,4’−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン、ケトクマリン(例えば、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン)、キサントン、チオキサントン、アルキル置換アントラキノン、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、アゾビスイソブチロ−ニトリル、アゾ−ビス−4−シアノペントン酸(pentoic acid)、ビストリクロロメチルトリアジン、およびその誘導体などである。そのような光開始剤は、単一でまたは組み合わせて使用され得る。有用な光増感剤は、長波長で強いUV吸収特性を有し、そして電子移動反応を通して開始剤を励起し得るものである。例えば、ITX(イソプロピルチオキサントンの2−および4−異性体の混合物、Biddle−Sawyerから入手可能)およびCPTX(1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン−1−クロロ−4−プロポキシ−9H−チオキサントン−9−オン、これもBiddle−Sawyerから入手可能)、ケトクマリン誘導体、ならびにMichelerのケトンおよびその誘導体である。
好ましい重合可能なモノマーは、多官能性アクリレートモノマー(例えば、エチレングリコール、トリメチルプロパン、およびペンタエリトリトールの、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル)である。これらは、光開始剤の存在下でポリマーレジスト層22の露光領域において重合され得る。適切な光開始剤は、アセトフェノンの誘導体(例えば、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン)、ベンゾフェノン、ベンジル、ケトクマリン(例えば、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン)、キサントン、チオキサントン、ベンゾイン、またはアルキル置換されたアントラキノン、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、アゾビスイソブチロ−ニトリル、およびアゾ−ビス−4−シアノペントン酸を含むが、他も使用し得る。
水溶性の巨大分子バインダー、光重合可能なモノマー、および光開始剤を含む
感光剤組成物は、適切に層にコーティングされ得る。その組成物は、露光の際にポリマーバインダー上で重合可能なモノマーを重合し、そしてモノマーをクラフトすることで生じる非可溶化および硬化を受ける。所望であれば、重合可能なモノマーまたはバインダーの不飽和部分を介して架橋を促進するために、他の架橋剤を含み得る。
また、適切な感光剤成分は、露光により改変されるペンダント反応基を含むか、または露光の際、層22の物理的性質における変化を促進する、前もって形成されたポリマーである。そのような反応基は、転位、環付加、挿入、カップリング、重合または他の反応を受けるものを含む。好ましいポリマーは、光開始剤または光増感剤を用いて照射により架橋され得る、ペンダントエチレン性不飽和部分を有するものである。ペンダント架橋可能な基を有する、前もって形成されたポリマーは、例えば、ヒドロキシル含有ポリマー(例えば、ジカルボン酸と多価アルコールとのポリエステル)とビニルモノマー含有イソシアナート基(例えば、イソシアナトエチルアクリレートまたはメタクリレート)との反応生成物を含む。架橋剤はおよび光開始剤は、ポリマーレジスト層22のウレタン結合および硬化を有する架橋されたポリマーを提供するために使用され得る。
所望であれば、ペンダント反応基(例えば、ケイ皮酸エステル基)を有する、前もって形成されたポリマーは、光による非可溶化または光硬化を促進するために使用され得る。例えば、ケイ皮酸またはシンナモイルクロリドを用いて、ポリビニルアルコールのヒドロキシル基のエステル化により形成されるポリビニルケイ皮酸エステルは、シンナモイル基の光による二量化による架橋を促進するのに使用され得る。
ペンダントピリジウムイリド基を有する前もって形成されたポリマーは、使用され得る。その基は、露光の際、非可溶化を伴ってジアゼピン基に対して環拡張(光転位)を受ける。そのような基を有するポリマーの例は、米国特許第4,670,528号(L.D.Taylorら、1987年6月2日)に示される。
大部分の板のポリマーレジスト層22の主要な成分は、適切な親油性およびインク受容性を有する疎水性層を提供するポリマーバインダーである。ポリマーレジスト層22の好ましい組成物は、以下を含む組成物である:巨大分子有機バインダー;フリーラジカルにより開始される鎖成長付加重合によって堅いポリマーを形成し得る、少なくとも1つの末端エチレン基を有する光重合可能なエチレン性不飽和モノマー;および光活性化放射により活性化されるフリーラジカル発生による重合開始システム。適した巨大分子のバインダー材料は、以下を含む;塩化ビニリデンコポリマー(例えば、塩化ビニリデン/アクリロニトリルコポリマー、塩化ビニリデン/メチルメタクリレートコポリマー、および塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマー);エチレン/酢酸ビニルコポリマー;セルロースエステルおよびエーテル(例えば、酢酸セルロースブチレート、酢酸セルロースプロピオネートおよびメチルセルロース、エチルセルロース、ベンジルセルロース;合成ゴム(例えば、ブタジエン/アクリロニトリルコポリマー;塩素化イソプレンおよび2−クロロ−1,3−ブタジエンポリマー);ポリビニルエステル(例えば、酢酸ビニル/アクリルコポリマー、ポリ(酢酸ビニル)および酢酸ビニル/メチルメタクリレートコポリマー);アクリレートおよびメタクリレートコポリマー(例えば、ポリメチルメタクリレート);ならびにジアゾ樹脂(例えば、p−ジアゾ−ジフェニルアミンのホルムアルデヒドポリマーおよびコポリマー)。
そのような組成物に適切な光重合可能なエチレン性不飽和モノマーは、二官能性、三官能性および多官能性アクリレート、例えば前記の多価アルコールのアクリレートエステルおよびメタクリレートエステル(例えば、ペンタエリトリトールトリアクリレートおよびトリメチロールプロパントリアクリレート)を含む。他の適切なモノマーは、エチレングリコールジアクリレートまたはジメタクリレートあるいはそれらの混合物;グリセロールジアクリレートまたはトリアクリレート;およびそれらのエトキシレートを含む。また、有用なものは、オリゴマーポリエステルジオールジアクリレート、ポリエステルジオールジアクリレート、および他のアクリレート化オリゴマーポリオールを含む。多官能性ビニルエーテルおよびエポキシモノマーまたはオリゴマーはまた、カチオン性光開始剤(例えば、ジアリールヨードニウムおよびトリアリールスルホニウム塩)を使用する場合、非常に有用である。
リソグラフ印刷表面を提供するフォトレジストの製造のために、公知の巨大分子バインダーと重合可能なモノマーとの組み合わせは、ポリマーレジスト層22の製造のために本明細書中で適切に使用され得る。ポリマーレジスト層22の露光の際、露光領域23aは、重合可能なモノマーの単独重合の効果および(もしあれば巨大分子バインダーを含む)グラフト重合により硬化される。
印刷板の露光は、層状のポリマーレジスト層22の特別な組成、およびそれらの厚さより示される必要性に従って達成され得る。一般に、従来の光源からの光活性化放射(例えば、比較的長波長の紫外放射または可視光放射)は、露光に使用され得る。UV光源は、特に好ましく、そしてカーボンアークランプ、「D」バルブ、キセノンランプ、および高圧水銀ランプを含む。
フォトレジスト層22の厚さは、特別な必要性によって変えられ得る。一般に、耐久性のある光硬化印刷表面を提供するのに十分な厚さであるべきである。厚さは、制御されるべきであるが、しかしそれは必要な露光時間内で曝され得るために、現像剤が非露光領域層を容易に除去するのを妨げるような厚さにするべきでない。良い結果は、グレイン基準で約1ミクロン小さい〜約1ミクロン大きい(好ましくは0.5μm〜約0.3μm)範囲の厚さを有するポリマーフォトレジスト層を使用することで得られる。コーティング重量基準で、フォトレジスト層の好ましい範囲は、グレイン構造に依存して約753.47〜1614.59mg/m(約70〜150mg/ft)である。
ポリマーレジスト層22は、所定の望ましい予定された視覚的外観を提供するために、着色剤(例えば、染料)と共に提供され得る。特に好ましいものは、着色剤または種の前駆体である。それぞれは、色を与えられ得るか、または板を作る露光工程における放射により色付けされ得るかのどちらかである。そのような染料または染料前駆体化合物、および露光により促進される光吸収の違いにより、印刷を行う場合、印刷機上に露光板を置く前に、製造者が板の非露光領域と露光領域を容易に区別し得る。
さらに、フォトレジスト層の実施可能性は、特定の添加剤を加えることで改善され得る。例えば、ポリマーレジスト層22は、可塑剤、感光剤、または特別な光活性な化合物または使用されるシステムに適した触媒、硬化剤、またはコーティング力を改善する他の試剤を含み得る。ポリマーレジスト層22はまた、望ましくない(尚早の)重合を防ぐために酸化防止剤を含み得る。防止剤の例としては、ヒドロキノンの誘導体;メトキシヒドロキノン;2,6−ジ−(t−ブチル)−4−メチルフェノール;2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール);テトラキス{メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}メタン;チオジプロピオン酸のジエステル、トリアリールホスファイト酸が挙げられる。しかし、そのような添加剤の使用は、本発明の実施可能性に必ずしも必要でないことは注目される。しかし、そのような添加剤との組み合わせが、外観を劇的に高め得る。また、そのような可塑剤、コントラスト色素、画像形成色素、および他の添加剤は、マイクロカプセルに含まれ得ることも注目される。なぜなら、光重合可能な組成物中の添加剤の溶解性、ならびにいくつかの添加剤の重合時の阻害効果または遅延効果が、そのようなシステムでどちらも問題とならないので、マイクロカプセルに取り入れられたものについては、そのような添加剤の選択が広範囲で可能となる。
フォトレジストの成分が、印刷インク溶液との適合性、および液体印刷環境で望ましいファウンテン/インクバランスの維持を考慮して選択されるべきであることが理解される。本発明の板がオンプレスで現像される場合、利点は、液体印刷環境から印刷インクを出し、続いて受容媒体の第一ユニット上に積層させることにより、「除去された」フォトレジスト領域(およびあるとしてもオーバーコート100)の取り込みにより達成される。
本発明で利用されるマイクロカプセルは、画像層のための優れた現像剤である、少なくとも1つのの核材料、および画像形成コーティングから核を物理的に離す不浸透性の壁材料を含む。そのような高いレベルの現像剤が画像層から物理的に分散されない場合、板は極度に粘着質となる。
マイクロカプセルは、従来のコアセルベーションプロセス(例えば、米国特許第2,800,475号、同第2,800,458号、同第3,041,289号、および同第3,687,865号に示される)より調製され得る。また、有用なものは、界面重合プロセス(例えば、米国特許第3,287,154号、同第3,492,380号、および同第3,557,515号、英国特許第990,443号、同第1,046,409号、および同第1,091,141号、日本特許公開第38(1963)−19574号、同第42(1967)−446号、同第42(1967)−771号に示される);インサイチュ重合プロセス(例えば、米国特許第4,001,140号、英国特許第867,797号および同第989,264号;日本特許公開第12,380/62号、同第14,327/62号、同第29,483/70号、同第7,313/71号、および同第30,282/71号に示される);イソシアネートポリオール壁材料を利用するプロセス(米国特許第3,795,669号に示される);イソシアネート壁材料を使用するプロセス(米国特許第3,914,511号に記載されている);ウレアホルムアルデヒド−レソルシノール壁材料を使用するプロセス(米国特許第4,001,140号、同第4,087,376号、および同第4,089,802号に記載されている);メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシプロピルセルロース、または同様の壁形成材料を使用するプロセス(米国特許第4,025,455号に記載されている);電解分散および冷却プロセス(英国特許第952,807号および同第965,074号に記載されている);およびスプレー乾燥プロセス(米国特許第3,111,407号、および英国特許第930,422号に記載されている)である。好ましいマイクロカプセルは、カプセル化された核の周りに多層壁を有するものである。これらは、例えば、まず界面重合反応により薄い壁を形成し、続いてインサイチュ重合反応またはコアセルベーションプロセスにより、第2のより厚い壁を形成することで製造され得る。
マイクロカプセルの第一の壁は、代表的にポリウレア、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、エポキシアミン縮合物、およびシリコンからなる。マイクロカプセルの第二の壁は、代表的にメラミン−ホルムアルデヒド、ウレア−ホルムアルデヒド、レソルシノール−ホルムアルデヒド、フェノール−ホルムアルデヒド、ゼラチン−ホルムアルデヒドの縮合物、または反対に帯電された2つのポリマーの融合複合体(例えば、ゼラチン/アラビアゴムおよびポリ(スチレンスルホン酸)/ゼラチン)からなる。
マイクロカプセルに利用され得るカプセル化された現像剤としては、γ−フェニルラクトン、γ−ブチロラクトン、ε−カプララクトン(capralactone)、δ−バレロラクトン、γ−ヘキサラクトン、δ−ノナラクトン、α−アンゲリカラクトン、2−[2−(ベンジルオキシ)エチル]−5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、および他のジアルキルフタレート、リン酸トリクレシル、トリメチロルプロパンのエステル、4−(p−アセトキシフェニル)−ブタン−2−オン、トリアセチン、トリエチレングリコールまたはテトラエチレングリコールのジエステル、ピロリドンの誘導体、N,N−ジアルキルアセトアミド、モルホリン、トリアルキル−1,1,2−エタントリカルボキシレート、4,4’−トリメチレンビス(1−メチルピペリジン)、4,4’−トリメチレンビス(1−ピペリジンエタノール)、N,N−ジメチルアニリン、2,6−ジアルキル−N,N−ジメチルアニリン、アルキルベンゼンスルホナミン、3−フェノキシ−1,2−プロパンジオール、フェネチルイソブチレート、グリセリンのトリエステル、ジアルキルアジペート、アルコキシビフェニルが挙げられる。
好ましいカプセル剤は、高い沸点、低い蒸気圧、水溶性溶媒、および助溶剤(例えば、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレシルホスフェート4−(p−アセトキシフェニル)−ブタン−2−オン、δ−ノナラクトン、グリセリンのトリエステル、トリメチロール−プロパン、またはペンタエリトリオール、N,N’−ジアルキルアニリン誘導体、γ−フェニルラクトン、トルエンスルホンアミド誘導体、アルコキシビフェニル、およびジアルキルアジペート、トリブチリン、ベンジルアセトン、ベンジルベンゾエート、シンナミルアセテート、ジエチルアジペート、フェニルアセテート、トリメチロプロパントリアセテート、トリメチロールプロパントリプロピオネート、およびトリメチロプロパントリアクリレート、およびトリメタクリレート)である。
高沸点の、水溶性現像剤を有するマイクロカプセルの調製において、現像剤が以下のものの存在下でカプセル化され得ることが見出されている:(1)カプセル化可能な有機塩基、好ましくは第三級アミン(例えば、N,N’−ジメチルアニリン、ピペリジン、モルホリン、およびエチレンジアミンの誘導体);(2)10(好ましくは3〜8)より低いHLBを有する油可溶の界面活性剤または助界面活性剤。得られたカプセルは、以下を含むコーティング溶液に分散され得る:(1)親水性バインダーまたは印刷工程中に一般に使用されるインクおよびファウンテン溶液に適合するバインダーの組み合わせ(2)コーティングのウエッティングおよびレベリングを促進する水に可溶な界面活性剤、(3)ファウンテン溶液中でバインダーの溶解、およびカプセルから放出された現像剤の現像効率を促進する、高沸点の、水溶性現像助剤。水溶性適切なバインダーとしては、アラビアゴム、セルロースエーテル、デキストラン硫酸、ペクチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルリン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、およびそれらのコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。コーティング調製における水溶性現像助剤の例としては、ウレア、糖、テトラエチレングリコールジアセテート、トリエチレンジアセテート、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシアルキル)エチレンジアミン、トリヒドロキシエタン、トリエタノールアミン、クエン酸、N−アルキルピロリドン、リチウム塩、重炭酸ナトリウム、および硫酸水素ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。界面活性剤の例としては、アルキルフェノール−エチレンオキシド付加物(例えば、Triton X−100)、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマー(例えば、Pluronic L44、L64およびP65)、スルホコハク酸ナトリウムのジアルキルエステル(例えば、Aerosol OT)およびシリコンブロックコポリマー(例えば、Silwet界面活性剤)が挙げられるが、これらに限定されない。
基材上のマイクロカプセルコーティング溶液をコーティングする適切な方法は、ナイフコーティング法、ブレイドコーティング法、ブラッシュコーティング法、カーテンコーティング法、またはスロットアンドスリットコーティング法が挙げられる。これらの方法は、本開示の観点において当業者により選択され得る。
マイクロカプセルの粒径は、平均の粒径が1〜20μm、好ましくは6〜14μmの間であるような狭い範囲に、十分に制御されるされるべきである。大きすぎるカプセルは、低い処理能力をもたらす。この点に関して、14μmより大きなカプセルは、手で容易につぶされ得ることが注目される。他方、小さすぎるカプセルは、印刷の際に現像剤の少量の飛散をもたらす。印刷機のブランケットの先における圧縮力は、一般に、非常に細かい板上のカプセルの大部分をつぶすのに十分な80〜250pliの範囲である。
覆われたマイクロカプセル層を利用する本発明の実施態様に関して、その層は、光活性化放射の散在を減らし、それにより下にある感光性層に光活性化放射を伝達させるように調製されるべきである。これは、代表的に、マイクロカプセルとほぼ同様の屈折率を有する、水溶性バインダー、添加剤、または水に再分散し得るラテックスを有するマイクロカプセル間の微細な空げきまたは裂け目を埋めることで代表的に達成される。あるいはマイクロカプセル層による光の散在の程度はまた、露光工程直前に、カプセル層上に少量の水またはファウンテン溶液を塗布することにより減じ得る。
本発明は、以下のいくつかの実施態様の限定されない実施例によりさらに詳細に記載される。指示がない限り、全ての部、パーセンテイジ、割合などは重量基準である。
(TEMPO置換されたポリ(エチレン−マレイン酸カリウム塩)の調製)
ポリ(エチレン−無水マレイン酸)(7.4g)を、炭酸カリウム(8g)を含有する水中で4−アミノTEMPO(5g)と反応させ、TEMPOで半分置換されたもの、およびカリウム塩に半分加水分解されたものを得る。
(EMA加水分解されたポリ(エチレン−マレイン酸カリウム塩)の調製)
ポリ(エチレン−無水マレイン酸)(5.66g)を、炭酸カリウム(12.4g)を含有する水(300g)と反応させて、ポリ(エチレン−マレイン酸カリウム塩)の溶液を得た。
(実施例1)
感光性リソグラフ印刷板を、カプセル化されたジエチルアジペート現像剤および水相のシックナーとしてのTEMPO置換されたポリ(エチレン−マレイン酸カリウム塩)を含有するマイクロカプセル分散物でオーバーコートする。
感光性リソグラフ印刷板に使用されるフォトレジスト組成物を、以下の表1−1に示すように処方する。
Figure 2005266817
記:α:光反応性アクリルバインダーは、ヒドロキシブチルアクリレートと共にメチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、無水マレイン酸、およびTMI添加剤を含む。米国特許第5,514,522号;および米国特許出願代理人整理番号第C8024、1995年4月27日;
β:2−[p−(n−ヘプチルアミノカルボニル)フェニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン。
カプセル化されたジエチルアジペート現像剤およびTEMPO置換されたポリ(エチレン−マレイン酸カリウム塩)を含有するマイクロカプセル分散物を以下の表1−2に示すように処方する。
Figure 2005266817
次いでコーティングされた板を、360nmの紫外領域に発光ピークを有する標準的なハロゲン化水銀ランプからの光活性化放射に曝す。より詳細には、この板を、8ライトユニット(LU)でUGRAターゲットマスクを通して曝し、試験画像を作製する。次いでこの板を、Marathon減法混色現像液で現像し、保護仕上げ剤でゴム状にし、そして室内の条件で保存する。板を、Multigraphics Form印刷機に設置し、標準的な操作で印刷する。
上記の処理されたサンプルについて、8ライトユニットの露光は、印刷シート上に20μmの陰影マイクロライン分解能を与えることを示す。
(比較例2)
カプセル化されたジエチルアジペート現像剤および水相のシックナーとしてのポリ(エチレン−マレイン酸カリウム塩)を含有するマイクロカプセル分散物で、リソグラフ印刷板をオーバーコートすること以外は実施例1と同様の処方物を、アルムニウム基材上にコーティングする。
カプセル化されたジエチルアジペート現像剤およびポリ(エチレン−マレイン酸カリウム塩)を含有するマイクロカプセル分散物を、以下の表2−1に示したように処方する。
Figure 2005266817
次いでコーティングされた板を、360nmの紫外領域に発光ピークを有する標準的なハロゲン化水銀ランプからの光活性化放射に曝す。より詳細には、この板を、8ライトユニット(LU)でUGRAターゲットマスクを通して曝し、試験画像を作製する。実施例1のように、次いで板を、Marathon減法混色現像液で現像し、保護仕上げ剤でゴム状にし、そして室内の条件で保存する。板を、Multigraphics Form印刷機に置いて、標準的な操作で印刷する。
上記の処理されたサンプルについて、8ライトユニットの露光は、印刷シート上に40μmの陰影マイクロライン分解能を与えることを示す。
Marathon Subtractive現像液を、カプセル現像プロセスで変化性および不足性を除去するために使用する。従って架橋されたポリマーゲル画像は、完全に現像されたリソグラフ印刷板の真の分解能を明らかにする。TEMPO置換ポリマーを含有するマイクロカプセル分散物を通して露光された板(非TEMPO置換ポリマーを含有するマイクロカプセルを通して露光された板に対して)を用いて、印刷シート上の改善された分解能は、ポリマーのフリーラジカルクエンチ基が光画像形成層の表面でフリーラジカル架橋するのを阻害し、分解能の向上を高めるのを助ける。
EMA−ASA−TEMPO:
TEMPOおよび2−アミノエチルスルホネート置換された
ポリ(エチレン−マレイン酸ナトリウム塩)の調製
4Lのプラスチックビーカーで、1.8kgの水中のEMA(21.2g)(Zealand Chemical Co.、平均M:約500,000;平均M:約100,000)の懸濁液を、1000rpmのメカニカルスターラーにより室温で撹拌する。水(200g)中の19.6gの4−アミノ−TEMPO、4.8gのスルホン酸2−アミノエチル(Taurine、Aidrich15,224−2として入手可能)、および6.2gの炭酸ナトリウムの溶液を、発泡を制御するために2分間かけて添加する。ビーカーを覆い、そして室温での撹拌を18時間続け、透明な黄色溶液(1541.7g、2.89固形分%、pH6.5;計算値2048g、2.36固形分%)を得る。全ての工程を、換気フード内で行う。上記の合成スキームIを参照。
EMA−ASA:
2−アミノエチルスルホネート置換された
ポリ(エチレン−マレイン酸ナトリウム塩)の調製
ポリ(エチレン−無水マレイン酸)(8g)を、炭酸ナトリウム(3.3g)を含有する水(400g)中のスルホン酸2−アミノエチル(7.9g)と反応させ、スルホネート置換されたポリ(エチレン−マレイン酸ナトリウム塩)のナトリウム塩を得る。上記の合成スキームIを参照。
(実施例3)
フォトレジストを含有する感光性リソグラフ印刷板を、酸化処理されたアルミニウム基材上に積層させ、次いで1:1のポリビニルアルコール(Airvol 205、Air Products製)とEMA−ASA−TEMPO(上記の適切な「調製」参照)とを含有する、0.3μmmの厚い保護オーバーコートでオーバーコートする。処方物を、以下の表3−1に示すように調製する。
Figure 2005266817
フォトレジスト(@5.50%のコーティング溶液を使用)を以下の表3−2に示すように処方する。
Figure 2005266817
記:α:光反応性アクリルバインダーは、ヒドロキシブチルアクリレートと共にメチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、無水マレイン酸、およびTMI添加剤を含む。米国特許第5,514,522号;および米国特許出願代理人整理番号第C8024、1995年4月27日;
β:2−[p−(n−ヘプチルアミノカルボニル)フェニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン;
χ:ビス−(4−ジエチルアミノ−o−トリル)−4−ジエチルアミノフェニルメタン。
次いでコーティングされた板を、360nmの紫外領域に発光ピークを有する標準的なハロゲン化水銀ランプからの光活性化放射に曝す。特に、この板を、10、15、20、および25ライトユニット(LU)でUGRAターゲットマスクを通して露光し、試験画像を作製する。板を、Multigraphics Form印刷機に備え付け、続いてファウンテン溶液で20回転、次いでファウンテン溶液およびインクで10回より多く回転させ、そして次いで標準的な操作で印刷する。
そのように処理されたサンプルについて、第1刷は、完全な現像を示す。印刷速度および分解能で読み込む場合、第100刷は、10〜25ライトユニット(LU)の露光で、20μmの陰影マイクロライン分解能を示す。
(比較例4)
実施例3と同様の画像形成層の処方物を、アルミニウム基材上に積層させる。次いで、従来のPVA含有バリア層の処方物を画像層に積層させる。コーティングされた板を画像形成状に露光し、次いで実施例3のようにMultigraphics Form印刷機に備え付け、印刷する。
そのように処理されたサンプルについて、第1刷は、部分的な現像を示す。印刷速度および分解能で読み込まれる場合、第100刷は、10〜20ライトユニット(LU)の露光で30μm、および25ライトユニット(LU)で40μmの陰影マイクロライン分解能を示す。
(比較例5)
実施例3と同様の画像層の処方物を、アルミニウム基材上に積層させる。リソグラフ印刷板を、オーバーコートしない。板を、画像形成状に露光し、次いでMultigraphics Form印刷機に備え付け、印刷する。
そのように処理されたサンプルについて、第1刷は、部分的な現像を示す。印刷速度および分解能で読み込まれる場合、第100刷は、10〜15ライトユニット(LU)の露光で、印刷シート上に25μm、および20〜25ライトユニット(LU)で40μmの陰影マイクロライン分解能を示す。
(比較例6)
実施例3と同様の画像層の処方物を、アルミニウム基材上に積層させる。1:1のPVA(Airvol 205、Air Products製)およびEMA−ASAを含有する溶液を、0.3μmの薄さ見当で画像層上に積層させる。オーバーコート溶液を、以下の表6−1に示すように処方する。
Figure 2005266817
コーティングされた板を、画像形成状に露光し、次いで実施例3のようにMultigraphics Form印刷機に備え付け、印刷する。
そのように処理されたサンプルについて、第1刷は、部分的な現像を示す。印刷速度および分解能で読み込まれる場合、第100刷は、10〜25ライトユニット(LU)の露光で、55μmの陰影マイクロライン分解能を示す。
実施例3および比較例4〜6の様式で調製されたサンプルの観察を、以下の表OPDに示すように要約する:
Figure 2005266817
低い陰影のマイクロライン分解能は、光の散在および混合による、疑似ゲルをよく示す。表OPDは、EMA−ASA−TEMPOポリマーを含有するオーバーコートを通して露光された板(PVA単独、オーバーコートしない、または非TEMPOポリマーEMA−ASAを含有するオーバーコートを通して露光した板に対して)を用いて、印刷シート上での改善された分解能が、このポリマーのフリーラジカルクエンチ基がポリマーレジスト層の表面でフリーラジカル架橋するのを阻害し、分解能の向上を生むのを助けることを示す。
(非マイクロカプセルのオンプレスで現像可能な印刷板の調製)
オンプレスで現像可能な印刷板を、以下の表RA−RBに示す処方(ResistAおよびResistB)に従って調製されるレジスト処方物を、アルミニウム基材上に積層させることで調製する。
Figure 2005266817
記:α:光反応性アクリルバインダーは、ヒドロキシブチルアクリレートと共にメチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、無水マレイン酸、およびTMI添加剤を含む。米国特許出願第5,514,522号;および米国特許出願代理人整理番号第C8024、1995年4月27日;
β:2−[p−(n−ヘプチルアミノカルボニル)フェニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン。
(参考例7)
94%のポリビニルアルコール(PVA205または603)、2.5%のショ糖、2.5%のPluronic L43、および1%のTX−100を含有するオーバーコート処方物を、ResistAまたはResistBのどちらかを有する印刷板上にコーティングする。コントロール板は、コーティングしないままである。
次いで、du Pont Cromalin 4/C Magenta Tonerを用いた標準「トナーテスト」を行う。トナーを、柔らかいコットンパッドを用いて板に広げ、過剰のトナーをふき取る。コントロール板は、トナー処理しない。マゼンタのデンシトメトリーセットをトナー色素密度を読み込むために使用する。
評価として、コントロール板は、約1.4〜1.57(粘着性)の色素密度を示す。比較として、コーティングされた板は、約0.6の色素密度を示す。0.6の読み込みは、印刷板のDminであり、トナーピックアップを示さず、それゆえ粘着を示さない。
(参考例8)
90%のポリビニルアルコール(PVA 603)、2%のショ糖、4%Pluronic L43、2%のAerosol OT、および2%のTX−100を含有するオーバーコート処方物は、ResistAを有する印刷板上にコーティングする。コントロール板は、「コーティングしない」ままである。
次いで板の印刷速度を評価する。評価は、以下の表8−1に示す。
Figure 2005266817
PVAオーバーコートを有するサンプルのより速い光反応速度は、対応する露光の7工程によりGmax値の増加に反映される。
(実施例9)
90%のポリマー失活剤、2%のショ糖、4%のPluronic L43、2%のAerosol OT、および2%のTX−100を含有するオーバーコート調製物をResist−Aを有する印刷板上にコーティングする。その後の評価により、最初の印刷のインク受容性の欠如が明らかとなる。しかし板は、50%後、「クリーン」である。第100刷後の分解能は、以下の表9−1に要約される。
Figure 2005266817
(参考例10Aおよび実施例10B)
参考例10Aに関して、90%のPVA(PVA 603)、2%のショ糖、4%のPluronic L43、2%のAerosol OT、および2%のTX−100を含有するオーバーコート処方物をResist−Aを有する印刷板上にコーティングする.
実施例10Bに関して、63%のPVA(PVA 603)、27%のポリマー失活剤、2%のショ糖、4%のPluronic L43、2%のAerosol OT、および2%のTX−100を含有するオーバーコート処方物をResist−A上のそれらを有する印刷板上にコーティングする。
参考例10Aおよび実施例10Bの分解能を、評価する。評価は、以下の表10AB−1に要約される。
Figure 2005266817
コーティング失活剤を含有するオーバーコートで覆われた板の分解能は、シャープなコントラストおよびわずかに良い分解能を与える。GmaxおよびGminの値を、印刷時間に対してプロットした場合、参考例10Aに従って調製されたサンプルは、500刷の後、いくつかのストップ(Gmax)があり、そして5000刷の後では、同じままである。実施例10Bに従い調製されたサンプルのGmaxは、スタートから5000刷まで連続的に打った。そのような結果は、オーバーコートの失活剤ポリマーの存在が、画像層における疑似ゲルを除去する効果があることを示す。
(参考例11)
マイクロカプセル含有処方物(88%のトリブチリンマイクロカプセル、2%のトリエタノールアミン、4%のMethocel E4Mセルロース(Dow Chemical);1%のPluronic L43、0.25%のTX−100;0.25%のAerosolOT、1%LiClおよび3.5%のショ糖)を、基材支持レジスト上にコーティングする。ラミネーション後、得られた板を、ファウンテン溶液を用いて手でこすることなく、オンプレスでただちに印刷する。ショ糖を利用したものを除いて、全ての板は、濁ったバックグランドを有する。マイクロカプセルのトップコート調製物中にショ糖が存在することは、オーバーコート、特に非画像形成層の除去性を高めることが考えられる。
(参考例12Aおよび12B)
参考例12A(「ショ糖」)に関して、90%のPVA(PVA 603)、2%のショ糖、4%のPluronic L43、2%のAerosolOT、および2%のTX−100を含有するオーバーコート調製物をResist−Aを有する印刷板上にコーティングする。
参考例12B(「ショ糖なし」)に関して、91%のPVA(PVA 603)、4%のPluronic L43、3%のAerosol OT、および2%のTX−100を含有するオーバーコート処方物をResist−Aを有する印刷板上にコーティングする.
参考例12Aおよび12Bに従い調製された板を、2、4、6、8、および10LU(ライトユニット)に曝す。スタートと第100刷との点を以下の表12−1および12−2に集めて要約する。
Figure 2005266817
表12−1および12−2に示されるように、ショ糖を有する板は、スタートおよび第100刷の両方は、オーバーコート中のショ糖結晶の存在が、オーバーコート材料のオンプレスでの除去を促進することが示される。
添付の図面の図1は、本発明のオーバーコートされたリソグラフ印刷板の実施態様を表した概略的な断面図である。 図2は、本発明のオーバーコートされたリソグラフ印刷板の別の実施態様を表した概略的な断面図である。 図3は、光活性化放射に曝されている間、図1に示されるオーバーコートされたリソグラフ印刷板の実施態様を表す概略的な断面図である。 図4は、オンプレスでの現像後、本発明のオーバーコートされたリソグラフ印刷板を表す概略的な断面図である。 図5は、従来の板、あるいはファウンテン膨潤性または透過性のオンプレスで現像可能な印刷板(例えば、米国特許第5,616,449号;同第5,607,816号;同第5,514,522号、および同第5,556,924号に記載されている)のいずれかの露光を表す概略的な断面図である。その板は、本発明のクエンチオーバーコート100を板上に組み込む。

Claims (1)

  1. ファウンテンおよびインク溶液に対して画像状に応答し得、それにより受容媒体上の印刷画像に有用である、印刷板であって、該印刷板が、以下を含む:
    該インク溶液に対して親和力または反発力のいずれかを有する基材;
    該基材上に析出するフォトレジストであって、該フォトレジストは、該基材の親和力または反発力とは実質的に逆の、該インク溶液に対する親和力または反発力を有し、該ポリマーフォトレジストは、光活性化放射に画像状に曝される際に画像状の光硬化し得、該フォトレジストは、フリーラジカル開始反応によりポリマーを形成し得る少なくとも1つのエチレン性基を有する光重合可能なエチレン性不飽和モノマー、および光活性化放射により活性となるフリーラジカル発生システムを含む;および
    該フォトレジスト上に析出する連続的な光透過性ポリマーオーバーコートであって、該光透過性ポリマーオーバーコートは、ペンダント失活剤成分を有するポリマーをその中に取り込み、該失活剤成分は、該光活性化放射により該システムが活性となった後で、フリーラジカル発生システムにより発生した該フリーラジカルを不活性化し得る。
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