JP2005266461A - 液晶光学素子及び光学装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】偏光膜を利用せず、誘電体多層膜を用いて、透過光量を制御することができる液晶光学素子及びそのような液晶光学素子を用いた光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】第1の透明基板31と、第2の透明基板37と、第1及び第2の透明基板の間に封入された液晶38と、第1の透明基板上に形成された第1の誘電体多層膜40と、第2の透明基板上に形成された第2の誘電体多層膜41と、第1の誘電体多層膜と第2の誘電体多層膜との間に封入された液晶の屈折率を変化させるために液晶に電圧を印加する領域60を有する透明電極32とを有し、領域に印加される電圧を制御することによって領域を通過する光ビームの透過光量を制限する液晶光学素子17と、それを利用した光学装置。
【選択図】図2
【解決手段】第1の透明基板31と、第2の透明基板37と、第1及び第2の透明基板の間に封入された液晶38と、第1の透明基板上に形成された第1の誘電体多層膜40と、第2の透明基板上に形成された第2の誘電体多層膜41と、第1の誘電体多層膜と第2の誘電体多層膜との間に封入された液晶の屈折率を変化させるために液晶に電圧を印加する領域60を有する透明電極32とを有し、領域に印加される電圧を制御することによって領域を通過する光ビームの透過光量を制限する液晶光学素子17と、それを利用した光学装置。
【選択図】図2
Description
本発明は、透過光量を制御するための液晶光学素子及びこれを用いた光学装置に関するものであり、特にレーザ光等の干渉性の高い光ビーム(高干渉性光)の透過光量を制御するための液晶光学素子及びこれを用いた光学装置に関するものである。
光ビームを用いて、情報記録媒体からの情報の再生及び書込みを行うことができる光ピックアップ装置では、情報記録媒体からの情報の再生時には、情報記録媒体の記録面上のピット又は突起によって振幅変調された光ビームからの光強度信号(RF信号)を用いて情報を再生し、情報記録媒体への情報の書込み時には、光ビームの強度に応じて、ディスクに挟まれた薄膜の屈折率や色の変化又はピットの起状を生じさせることでデータを書込む。したがって、再生用光ビームと書込み用光ビームとの光強度を異ならせることが必要となるが、通常、同じ光源からの光ビームを用い、低出力時の光ビームで再生し、高出力時の光ビームで書込みを行うように、光ビームの光強度を異ならせることが一般的である。
しかしながら、低出力時に光源から射出される光ビームには、ノイズがのりやすく不安定で正確な情報の再生を行えない場合が多い。そこで、光源からは高出力時の光ビームを常に出力し、再生時にのみ光源からの光ビームの光量を低下させるための光学素子を利用する光ピックアップ装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このような光ピックアップ装置の一例を図10に示す。図10において、光ピックアップ装置100は、半導体レーザ111、コリメータレンズ112、偏光ビームスプリッタ113、偏光ミラー114、1/4波長板118、対物レンズ119、検出レンズ123、受光素子124及び第2電気光学素子131を有し、第1電気光学素子130を用いて情報記録媒体120からの再生及び書込みの切換えを行う。
第1電気光学素子130は、液晶セルとして構成されており、半導体レーザ111と反対側には偏光膜が蒸着されている。第1電気光学素子130の液晶セルに低電圧が印加されると、半導体レーザからの光ビームは液晶分子の捻れに応じて90度旋光し、偏光膜によって吸収される。即ち、半導体レーザからの光ビームは、低透過率に制御される。また、第1電気光学素子130の液晶セルに高電圧が印加されると、液晶分子の捻れが解消されて、半導体レーザからの光ビームは偏光面を変えずに、偏光膜を透過する。即ち、半導体レーザからの光ビームは、高透過率に制御される。したがって、情報記録媒体120からの再生時には、第1電気光学素子130の液晶セルに低電圧を印加して、半導体レーザ111からの光ビームを低透過率に制御し、情報記録媒体120への書込み時には、第1電気光学素子130の液晶セルに高電圧を印加して、半導体レーザ111からの光ビームを高透過率に制御する。
しかしながら、第1電気光学素子130には偏光膜が蒸着されていることから、偏光ビームスプリッタ113と半導体レーザ111との間の光路上にしか配置することができない。例えば、偏光ビームスプリッタ113より情報記録媒体120側の光路中に第1電気光学素子130を配置すると、情報記録媒体120からの反射光ビームは、1/4波長板118によって情報記録媒体120に入射する入射光ビームとは直交した偏光状態となっているため第1電気光学素子130に配置した偏光膜によって遮光されてしまう。したがって、この形態では反射光が受光素子123で検知できなくなってしまう。
したがって、従来では、光学装置を設計する上での自由度が損なわれるという不具合があった。また、偏光ミラー114による光路の曲がりを考慮して偏光ビームスプリッタ113の前段に第1電気光学素子130を配置しなければならず、位置合わせが非常に難しいという不具合もあった。さらに、トラッキングによる対物レンズ119の移動による有効径の位置の移動を考慮して、第1電気光学素子130中の透過光量を偏光させるための領域を大きく設定しなければならないという不具合もあった。
特開2003−173562号公報(第4頁、第1図)
しかしながら、低出力時に光源から射出される光ビームには、ノイズがのりやすく不安定で正確な情報の再生を行えない場合が多い。そこで、光源からは高出力時の光ビームを常に出力し、再生時にのみ光源からの光ビームの光量を低下させるための光学素子を利用する光ピックアップ装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このような光ピックアップ装置の一例を図10に示す。図10において、光ピックアップ装置100は、半導体レーザ111、コリメータレンズ112、偏光ビームスプリッタ113、偏光ミラー114、1/4波長板118、対物レンズ119、検出レンズ123、受光素子124及び第2電気光学素子131を有し、第1電気光学素子130を用いて情報記録媒体120からの再生及び書込みの切換えを行う。
第1電気光学素子130は、液晶セルとして構成されており、半導体レーザ111と反対側には偏光膜が蒸着されている。第1電気光学素子130の液晶セルに低電圧が印加されると、半導体レーザからの光ビームは液晶分子の捻れに応じて90度旋光し、偏光膜によって吸収される。即ち、半導体レーザからの光ビームは、低透過率に制御される。また、第1電気光学素子130の液晶セルに高電圧が印加されると、液晶分子の捻れが解消されて、半導体レーザからの光ビームは偏光面を変えずに、偏光膜を透過する。即ち、半導体レーザからの光ビームは、高透過率に制御される。したがって、情報記録媒体120からの再生時には、第1電気光学素子130の液晶セルに低電圧を印加して、半導体レーザ111からの光ビームを低透過率に制御し、情報記録媒体120への書込み時には、第1電気光学素子130の液晶セルに高電圧を印加して、半導体レーザ111からの光ビームを高透過率に制御する。
しかしながら、第1電気光学素子130には偏光膜が蒸着されていることから、偏光ビームスプリッタ113と半導体レーザ111との間の光路上にしか配置することができない。例えば、偏光ビームスプリッタ113より情報記録媒体120側の光路中に第1電気光学素子130を配置すると、情報記録媒体120からの反射光ビームは、1/4波長板118によって情報記録媒体120に入射する入射光ビームとは直交した偏光状態となっているため第1電気光学素子130に配置した偏光膜によって遮光されてしまう。したがって、この形態では反射光が受光素子123で検知できなくなってしまう。
したがって、従来では、光学装置を設計する上での自由度が損なわれるという不具合があった。また、偏光ミラー114による光路の曲がりを考慮して偏光ビームスプリッタ113の前段に第1電気光学素子130を配置しなければならず、位置合わせが非常に難しいという不具合もあった。さらに、トラッキングによる対物レンズ119の移動による有効径の位置の移動を考慮して、第1電気光学素子130中の透過光量を偏光させるための領域を大きく設定しなければならないという不具合もあった。
そこで、本発明は、上記の問題点を解消することを目的とした液晶光学素子及びそのような液晶光学素子を用いた光学装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、配置の自由度が高く、透過光量を制御することができる液晶光学素子及びそのような液晶光学素子を用いた光学装置を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、偏光膜を利用せず、誘電体多層膜を用いて、透過光量を制御することができる液晶光学素子及びそのような液晶光学素子を用いた光学装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、配置の自由度が高く、透過光量を制御することができる液晶光学素子及びそのような液晶光学素子を用いた光学装置を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、偏光膜を利用せず、誘電体多層膜を用いて、透過光量を制御することができる液晶光学素子及びそのような液晶光学素子を用いた光学装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る液晶光学素子は、第1の透明基板と、第2の透明基板と、第1及び第2の透明基板の間に封入された液晶と、第1の透明基板上に形成された第1の誘電体多層膜と、第2の透明基板上に形成された第2の誘電体多層膜と、第1の誘電体多層膜と第2の誘電体多層膜との間に封入された液晶の屈折率を変化させるために液晶に電圧を印加する領域を有する透明電極とを有し、領域に印加される電圧を制御することによって領域を通過する光ビームの透過光量を制限することを特徴とする。
また、本発明に係る液晶光学素子は、第1の透明基板と、第2の透明基板と、第1及び第2の透明基板の間に封入された液晶と、第1の透明基板上に形成された誘電体多層膜と、誘電体多層膜と第2の透明基板との間に封入された液晶の屈折率を変化させるために液晶に電圧を印加する領域を有する透明電極とを有し、領域に印加される電圧を制御することによって領域を通過する光ビームの透過光量を制限することを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る光学装置は、光ビームを射出するための光源と、光ビームを集光するための対物レンズと、
第1の透明基板と、第2の透明基板と、第1及び第2の透明基板の間に封入された液晶と、第1の透明基板上に形成された第1の誘電体多層膜と、第2の透明基板上に形成された第2の誘電体多層膜と、第1の誘電体多層膜と第2の誘電体多層膜との間に封入された液晶の屈折率を変化させるために液晶に電圧を印加する領域を有する透明電極と、領域に印加される電圧を制御することによって領域を通過する光ビームの透過光量を制限する液晶光学素子と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る光学装置は、光ビームを射出するための光源と、光ビームを集光するための対物レンズと、
第1の透明基板と、第2の透明基板と、第1及び第2の透明基板の間に封入された液晶と、第1の透明基板上に形成された誘電体多層膜と、誘電体多層膜と第2の透明基板との間に封入された液晶の屈折率を変化させるために液晶に電圧を印加する開口制限領域を有する透明電極とを有し、領域に印加される電圧を制御することによって領域を通過する光ビームの透過光量を制限する液晶光学素子と、を有することを特徴とする。
さらに、本発明に係る液晶光学素子又は光学装置では、誘電体多層膜及び領域は、円形状に形成されていることが好ましい。
さらに、本発明に係る液晶光学素子又は光学装置では、誘電体多層膜は、第1の層及び少なくとも第1の層より屈折率の小さい第2の層が積み重なって構成されていることが好ましい。
さらに、本発明に係る光学装置では、対物レンズ及び液晶光学素子を同時に移動させるトラッキング手段を有することが好ましい。
さらに、本発明に係る光学装置では、対物レンズ、液晶光学素子及び1/4波長板を同時に移動させるトラッキング手段を有することが好ましい。
さらに、本発明に係る光学装置では、透明電極の領域に制御電圧を印加するための電圧印加手段有することが好ましい。
また、本発明に係る液晶光学素子は、第1の透明基板と、第2の透明基板と、第1及び第2の透明基板の間に封入された液晶と、第1の透明基板上に形成された誘電体多層膜と、誘電体多層膜と第2の透明基板との間に封入された液晶の屈折率を変化させるために液晶に電圧を印加する領域を有する透明電極とを有し、領域に印加される電圧を制御することによって領域を通過する光ビームの透過光量を制限することを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る光学装置は、光ビームを射出するための光源と、光ビームを集光するための対物レンズと、
第1の透明基板と、第2の透明基板と、第1及び第2の透明基板の間に封入された液晶と、第1の透明基板上に形成された第1の誘電体多層膜と、第2の透明基板上に形成された第2の誘電体多層膜と、第1の誘電体多層膜と第2の誘電体多層膜との間に封入された液晶の屈折率を変化させるために液晶に電圧を印加する領域を有する透明電極と、領域に印加される電圧を制御することによって領域を通過する光ビームの透過光量を制限する液晶光学素子と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る光学装置は、光ビームを射出するための光源と、光ビームを集光するための対物レンズと、
第1の透明基板と、第2の透明基板と、第1及び第2の透明基板の間に封入された液晶と、第1の透明基板上に形成された誘電体多層膜と、誘電体多層膜と第2の透明基板との間に封入された液晶の屈折率を変化させるために液晶に電圧を印加する開口制限領域を有する透明電極とを有し、領域に印加される電圧を制御することによって領域を通過する光ビームの透過光量を制限する液晶光学素子と、を有することを特徴とする。
さらに、本発明に係る液晶光学素子又は光学装置では、誘電体多層膜及び領域は、円形状に形成されていることが好ましい。
さらに、本発明に係る液晶光学素子又は光学装置では、誘電体多層膜は、第1の層及び少なくとも第1の層より屈折率の小さい第2の層が積み重なって構成されていることが好ましい。
さらに、本発明に係る光学装置では、対物レンズ及び液晶光学素子を同時に移動させるトラッキング手段を有することが好ましい。
さらに、本発明に係る光学装置では、対物レンズ、液晶光学素子及び1/4波長板を同時に移動させるトラッキング手段を有することが好ましい。
さらに、本発明に係る光学装置では、透明電極の領域に制御電圧を印加するための電圧印加手段有することが好ましい。
本発明によれば、配置場所の自由度が高い光ビームの透過光量を制御するため液晶光学素子を提供することが可能となった。したがって、対物レンズ及び/又は1/4波長板と共に一体化した液晶光学素子を構成することが可能となった。さらに、対物レンズ及び液晶光学素子とを1ユニットとし、トラッキング手段で同時に移動できるように構成すれば、対物レンズのシフトを考慮する必要がないので、より高精度な透過光量制御を行うことができる。
また、本発明によれば、液晶光学素子は偏光面を回転させるものではなく、誘電体多層膜を利用した位相変調によって光ビームの透過光量制御を行うので、液晶光学素子を、光源と偏光ビームスプリッタとの間だけでなく、偏光ビームスプリッタと1/4波長板との間の光路中にも配置することができる。
また、本発明によれば、液晶光学素子は偏光面を回転させるものではなく、誘電体多層膜を利用した位相変調によって光ビームの透過光量制御を行うので、液晶光学素子を、光源と偏光ビームスプリッタとの間だけでなく、偏光ビームスプリッタと1/4波長板との間の光路中にも配置することができる。
以下図面を参照して、本発明に係る液晶光学素子及び光学装置について説明する。
本発明に係る液晶光学素子17を用いた光学装置10を図1に示す。図1において、半導体レーザ等から構成される光源11から出射された光ビーム(405nm)は、コリメータレンズ12によって、ほぼ平行光に変換され、偏光ビームスプリッタ13を通過した後、反射ミラー14に入射する。反射ミラー14によって光路を曲げられた光ビームは、液晶光学素子17に入射され、1/4波長板18を経て、対物レンズ19(開口率NA=0.85)により記録媒体20のトラック面21上に集光される。
この場合の光ビームの有効径27(φ)は3.00mmに設定されている。また、「有効径」とは、光ビームに位置ずれや径の変化のないとした場合の、幾何光学設計上の、対物レンズ19で有効に利用される液晶光学素子17上での主光ビーム径を言う。
また、後述するように、液晶光学素子17は、制御部25からの制御信号に応じて、その透過光量をほぼ100%とほぼ20%との間で変化させる。即ち、記録媒体20への情報の書込み時には、透過光量をほぼ100%とし、半導体レーザ11の発光パワー(35〜40mW)の光強度で記録媒体20のトラック面21を照射する。また、記録媒体20からの情報の再生時には、透過光量をほぼ20%として、半導体レーザ11の発光パワーを約10mWに低下させた光強度で記録媒体20のトラック面21を照射する。
記録媒体20からの情報の再生時には、記録媒体20のトラック面21から反射された光ビームは、再び対物レンズ19、1/4波長板18及び液晶光学素子17を経て、反射ミラー14によって光路を曲げられ、偏光ビームスプリッタ13により光路を変更され、集光レンズ23を介して受光器24上に集光される。光ビームは、記録媒体20から反射される際に、記録媒体20のトラック面21上に記録されている情報(ピット)によって振幅変調されている。受光器24は、受光した光ビームを光強度信号として出力する。この光強度信号(RF信号)から記録情報が読み出される。
また、記録媒体20のトラック面21に書込みを行う場合には、書込みを行うためのデータ信号に応じて光源11から出射された光ビームの強度を変調し、変調された光ビームによって記録媒体20を照射する。書込みが行われる記録媒体20のトラック面21上では、光ビームの強度に応じて、ディスクに挟まれた薄膜の屈折率や色が変化し、又はピットの起状が生じることで、データが書込まれる。なお、光ビームの強度変調は、光源11に用いる半導体レーザ素子に流す電流を変調すること等によって行うことができる。
液晶光学素子17、1/4波長板18及び対物レンズ19は、ユニット15として一体的に構成され、ユニット15にはトラッキング用のアクチュエータ16が取付けられている。アクチュエータ16が、ユニット15を移動することによって、対物レンズ19によって集光される光ビームが、記録媒体20のトラックに正確に追従するように構成されている。
記録媒体20は、Blu−ray Discのような次世代の高密度光ディスクであり、直径12cm、厚さ1.2mmの円盤形状を有している。また、情報が記録されるトラック面上は、約0.1mmのポリカーボネイト等から構成される光透過保護層で保護されている。
図2(a)に液晶光学素子17の概略断面図を示し、図2(b)に液晶光学素子17の概略上面図を示す。なお、図2(a)は、図2(b)のAA´断面図に相当する。図2(a)に示す矢印の示す方向は、図1において光源11から出た光ビームが反射ミラー14で反射後、液晶光学素子17に入射する方向を示している。図2(a)及び(b)において、光源11側のガラス等から構成される透明基板31には、透明電極32及び配向膜33が形成されている。また、記録媒体20側のガラス等から構成される透明基板37には、透明性対向電極36及び配向膜35が形成されている。シール材34の開口部は封止材39によって封止されるので、液晶38は、2枚の透明基板31及び37と、シール部材34との間に封入されている。図2(a)及び(b)に示される各要素は、説明の便宜上、誇張して図示されており、実際の比とは異なる場合がある。
また、透明基板31と透明電極32との間には第1の誘電体多層膜40が、透明基板37と対向透明電極36との間には第2の誘電体多層膜41が、それぞれ同じ大きさの円形状に形成されている。なお、第1及び第2の誘電体多層膜40及び41の外径は、有効径27と同じ(φ)3.00mmに設定されている。さらに、透明電極32の電極パターン50は、図3に示すように、第1及び第2の誘電体多層膜40及び41と同じ大きさの円形状に形成されている。
第1及び第2の誘電体多層膜40及び41と透明電極32の電極パターン50は、透過光量制御領域60を形成している。なお、本実施形態では、第1及び第2の誘電体多層膜40及び41と透明電極32の電極パターン50は、同じ円形状としたが、必ずしも同じ形状にする必要はない。
液晶38の液晶セルの配向方向は、ホモジェニアス配向又はホメオトロピック配向であり、半導体レーザ11の入射偏光方向と液晶セルの長軸が傾く方向(液晶ダイレクタ)とを一致させている。
後述するように、透明電極32の透明電極パターン50に、制御部25から所定の電圧を印加することによって、対向透明電極36との間に電位差を生じ、その間の液晶38の配向性が電位差に応じて変化する。配向性が変化することによって、実効屈折率が変化する液晶38と、第1及び第2の誘電体多層膜40及び41とが協働して、この液晶光学素子17に入射する光ビームを干渉させる。この作用により透過光量制御領域60において光源11からの光ビームの透過光量が、ほぼ100%とほぼ20%との間で可変される。また、液晶38に電圧を印加しても、偏光面は回転されず、位相変調のみを行うように設定されている。
以下、誘電体多層膜の動作について説明する。
図4(a)又は(b)に、液晶光学素子17に設けられる誘電体多層膜の拡大図を示す。図4(a)又は(b)に示すように、第1及び第2の誘電体多層膜40及び41は、50nmの厚さのTiO2(酸化チタン)層42及び50nmの厚さのSiO2(酸化ケイ素)層43からなる層を1ユニットとして2ユニット積み重ねた干渉膜である。ここで、TiO2層42の屈折率は2.23であり、SiO2層43の屈折率は1.47であって、SiO2層42の方が屈折率が小さい。なお、上記第1及び第2の誘電体多層膜40及び41の構成は、高屈折率層であるTiO2層42と、低屈折率層であるSiO2層43の組み合わせのみならず、例えば低屈折率層としてSiO2、F含有SiO2、MgF2、高屈折率層としてTiO2、ZrO3、CeO2、Ta2O5、Sb2O3等を組み合わせて積層構造を形成しても構わない。
また、透明基板31及び37はガラスから構成され、そのそれぞれ厚さは0.3mm、屈折率は約1.5であり、透明電極32及び対向透明電極36はITO(インジウムスズ酸化物)から構成され、それぞれ厚さは17nm、屈折率は2.0であり、配向膜33及び35はポリイミドから構成され、それぞれ厚さは50nm、屈折率は1.7である。また液晶38の厚さは4800nm、屈折率(電圧が印加されない状態で)は0.263である。また、上記各屈折率は、405nmの波長の光ビームに対するものである。なお、後述する図5のグラフは、前記の各厚さ及び屈折率を用いて求めたものである。
液晶38は、印加される電圧に応じて配向性が変化し、配向性が変化することによって、その実効屈折率が変化する。したがって、液晶38の実効屈折率を印加電圧によって変化させることによって、透過光量制御領域60において、第1の誘電体多層膜40、液晶38及び第2の誘電体多層膜41から構成される干渉膜の、光源11から射出された405nmの波長の光ビームに対する透過光量を変化させることができる。なお、図中の矢印は、図1において、反射ミラー14から反射された光ビームが液晶光学素子17に入射する方向を示している。
図5に、図4に示した、液晶光学素子17の405nmの光ビームに対する透過光量と液晶38の実効屈折率の関係を示す。図に示すように、液晶38の実効屈折率を変化させることによって、液晶光学素子17の405nmの光ビームに対する透過光量を100〜18%の間で変化させることができる。
図4(a)は透明電極パターン50に第1の電圧が印加された液晶光学素子17の状態を示し、図4(b)は透明電極パターン50に第2の電圧を印加することによって、液晶38に電圧を印加した状態を示している。ここで、図4(a)の場合には、液晶光学素子17の透過率がほぼ100%となる液晶38の実効屈折率を選択するように第1の電圧(例えば、2.20Vrms)を液晶38に印加し、透過光量制御領域60を通過する光ビームの透過光量をほぼ100%に設定し、記録媒体20の書込みを行う場合に対応している。また、図4(b)の場合には、液晶光学素子17の透過光量がほぼ20%となる液晶38の実効屈折率を選択するように第2の電圧(例えば、2.42Vrms)を液晶38に印加し、透過光量制御領域60を通過する光ビームの透過光量をほぼ20%に設定し、記録媒体20の再生を行う場合に対応している。このように、液晶光学素子17の透明電極パターン50へ印加される電圧を第1の電圧から第2の電圧に切換えることのよって、液晶光学素子17の透過光量を制御することができる。
本発明に係わる液晶光学素子17は偏光面を回転させるものではなく、誘電体多層膜を利用した位相変調によって光ビームの透過光量制御を行うので、液晶光学素子を、光源と偏光ビームスプリッタとの間だけでなく、偏光ビームスプリッタと1/4波長板との間の光路中にも配置することができる。
また、本発明に係わる液晶光学素子17を駆動しても偏光面が回転することがないので、配置場所の自由度が高く、対物レンズ19及び1/4波長板18と共に一体化した構成とすることが可能となった。また、液晶光学素子17を対物レンズ19及び1/4波長板18と共にユニット15とし、アクチュエータ16で同時に移動できるように構成したので、対物レンズのシフトを考慮する必要なく、透過光量制御領域60を設定することができ、またより高精度な透過光量制御を行うことができる。
図6に、本発明に係わる他の液晶光学素子117の断面図を示す。図6に示す液晶光学素子117では、2枚の透明基板の片側にのみ誘電体多層膜140を設けている。図6において、光源11側のガラス等から構成される透明基板131には、透明電極132及び配向膜133が形成されている。また、記録媒体20側のガラス等から構成される透明基板137には、透明性対向電極136及び配向膜135が形成されている。シール材134の開口部は封止材(不図示)によって封止されるので、液晶38は、2枚の透明基板131及び137と、シール部材134との間に封入されている。図6に示される各要素は、説明の便宜上、誇張して図示されており、実際の比とは異なる場合がある。
また、透明基板137と対向透明電極136との間には誘電体多層膜140が、円形状に形成されている。誘電体多層膜140の外径は有効径27と同じ(φ)3.00mmに設定されている。さらに、透明電極132の電極パターンは、図3と同様に、誘電体多層膜140と同じ大きさの円形状に形成されている。したがって、液晶光学素子117には、図2に示した液晶光学素子17と同様な透過光量制限領域60が形成されていることとなる。
図7に、図6に示す液晶光学素子17に設けられる誘電体多層膜の拡大図を示す。図7に示すように、誘電体多層膜140は、50nmの厚さのTiO2(酸化チタン)層42及び50nmの厚さのSiO2(酸化ケイ素)層43からなる層を1ユニットとして4ユニット積み重ねた干渉膜である。TiO2層42の屈折率及びSiO2層43の屈折率を含む他の構成は、全て図2に示す液晶光学素子17と同様である。
図6及び図7に示す液晶光学素子117についても、図2に示す液晶光学素子17と同様に、液晶38の実効屈折率を変化させることによって、誘電体多層膜140及び液晶38から構成される干渉膜を有する液晶光学素子17の、405nmの波長の光ビームに対する透過率をほぼ100とほぼ20%との間で切換えることができる。即ち、液晶光学素子117の透明電極パターン50へ印加される電圧を切換えることのよって、液晶光学素子117の透過光量を制御することができる。
このように、誘電体多層膜は、屈折率の異なる少なくとも2つの異なった層を1ユニットとして積み重ねることにより構成される。したがって3種以上の屈折率の異なる層による積層体でも良い。また、液晶光学素子の他の要素(液晶、透明基板、透明導電膜、配向膜等)と合わせて考慮して、各層の屈折率、厚さ及びユニットの階層を選択することによって、液晶に印加される電圧を切換えた場合に、利用する波長の光ビームの透過及び遮断の制御を行うことが可能となる。したがって、誘電体多層膜の構成は、図4及び7に示したものに限られず、様々な改変が可能である。
また、上述した液晶光学素子17及び117では、2段階に光ビームの透過光量を変更(又は切換えた)が、制御部25からの制御電圧を制御することによって、多段階に透過光量を変更(又は切換える)ことも可能である。
以下、誘電体多層膜を利用した透過光量制御に加えて、通過する光ビームの位相制御を行うことができる他の液晶光学素子について説明する。
本発明で用いられる記録媒体20では、トラック面21を保護する光透過保護層の厚さムラに起因する球面収差によって、受光器24から出力される光強度信号が劣化してしまう。そこで、図6に示す液晶光学素子117の透明電極132に、図8(a)に示す他の透明電極パターン150を用い、この球面収差を補正するように、光ビームの位相制御を合わせて行う。
図8(a)に示す透明電極パターン150では、前述した透過光量制御領域60と同じ大きさの位相制御領域(球面収差制御領域)を有している。したがって、位相制御領域の外径は有効径27と同径である。
図8(a)に示されるように、位相制御領域には、位相を進ませるための7つの領域152〜158が同心円状に配置されている。なお、領域151及び159には、基準電位が印加されており、入射ビームの位相を進ませる機能を有してはいない。
透明電極132の電極パターン150における領域152〜158に、基準電位に対して正(+)の電圧を印加すると、透明性対向電極36との間に電位差を生じ、その間の液晶の配向性が電位差に応じて変化する。したがって、この部分を通過する光ビームは、その位相を進められるような作用を受ける。領域151及び159には、基準電位(例えばこの場合は0vと考える)が印加される。
図8(b)に、X軸上において各領域に印加される電圧波形81を示す。このような電圧が各領域151〜159に印加されることによって、記録媒体20の光透過保護層の厚みムラ等に起因する球面収差80を打ち消すように、液晶光学素子17が働く。ここで、図8(b)に示した球面収差80は、記録媒体20の光透過保護層の厚さムラ等に起因した発生した球面収差の一例である。
図8(c)に、補正後の球面収差82を示す。図8(b)の球面収差80が、図8(c)の球面収差82となるように補正される。即ち、液晶光学素子17に図8(a)に示す透明電極パターン150を用いることで、記録媒体20の基板内に発生する球面収差が抑制されるように補正されることが理解される。
図8の説明では、球面収差補正用の透明電極パターン150の領域151〜159に、基準電位に対して正(+)の電圧を印加して、この部分を通過する光ビームをその位相を進めるように制御した。しかしながら、記録媒体20の基板中に発生する球面収差が図8(b)とは逆向きに発生する場合には、電極パターン150の領域151〜159には、図8(b)とは逆の負(−)の電圧を印加するように制御することもできる。その場合、電極パターン150の領域151〜159を通過する光ビームは、その位相を遅らされるような作用を受ける。
次に、誘電体多層膜を利用した透過光量制御に加えて、通過する光ビームの位相制御を行うことができる更に他の液晶光学素子について説明する。
本発明で用いられる記録媒体20では、記録媒体20自体のそり又は曲がり、記録媒体の駆動機構の欠陥等によって、記録媒体20に傾きが生じる場合がある。そのような傾きが生じると、対物レンズ19によって集光された光ビームの光軸が記録媒体20に対して傾くことによって、記録媒体20の基板内にコマ収差が生じ、受光器24から出力される光強度信号が劣化してしまう。そこで、図6に示す液晶光学素子117の透明電極132に、図9(a)に示す他の透明電極パターン250を用い、このコマ収差を補正するように、光ビームの位相制御を合わせて行う。
図9(a)に示す透明電極パターン250では、前述した透過光量制御領域60と同じ大きさの位相制御領域(コマ収差制御領域)を有している。したがって、位相制御領域の外径は有効径27と同径である。
図9(a)に示されるように、位相制御領域には、位相を進ませるための2つの領域252及び253、及び位相を遅らせるための2つの領域254及び255が配置されている。また、図中251には、基準電位が印加されており、入射ビームの位相を進ませる機能を有してはいない。
透明電極32の電極パターン250における領域251に印加される基準電圧に対して正(+)の電圧を領域252及び253に印加すると、透明性対向電極36との間に電位差を生じ、その間の液晶の配向性が電位差に応じて変化する。したがって、この部分を通過する光ビームは、その位相を進められるような作用を受ける。また、領域251に印加される基準電圧に対して負(−)の電圧を領域254及び255に印加すると、透明性対向電極36との間に電位差を生じ、その間の液晶の配向性が電位差に応じて変化する。したがって、この部分を通過する光ビームは、その位相を遅らせるような作用を受ける。領域251には、基準電位(例えばこの場合は0vと考える)が印加される。
図9(b)に、X軸上において各領域に印加される電圧波形91を示す。このような電圧が各領域251〜255に印加されることによって、記録媒体20が光軸に対して傾くことによって発生するコマ収差91を打ち消すように、液晶光学素子17が働く。ここで、図9(b)に示したコマ収差90は、記録媒体20が光軸に対して傾くことに起因して発生したコマ収差の一例である。
図9(c)に、補正後のコマ収差92を示す。即ち、図9(b)のコマ収差91が、図7(c)のコマ収差92のように補正されている。即ち、液晶光学素子17に図9(a)に示す透明電極パターン250を用いることで、記録媒体20の基板内に発生するコマ収差が抑制されるように補正されることが理解される。
なお、液晶光学素子117の透明電極132に、球面収差補正用の電極パターン150又はコマ収差補正用の電極パターン250を設けた場合には、受光器24からの光強度信号に基づいて球面収差又はコマ収差を検出し、検出した球面収差又はコマ収差を相殺するように、各電極パターンに電圧を印加する。ここで、受光器24からの光強度信号(RF信号)の振幅を最大にするように、球面収差補正用の電極パターン150又はコマ収差補正様の電極パターン250に電圧を印加することによって、記録媒体20の基板内に発生する球面収差又はコマ収差を相殺することが可能である。
本発明に係る液晶光学素子17を用いた光学装置10を図1に示す。図1において、半導体レーザ等から構成される光源11から出射された光ビーム(405nm)は、コリメータレンズ12によって、ほぼ平行光に変換され、偏光ビームスプリッタ13を通過した後、反射ミラー14に入射する。反射ミラー14によって光路を曲げられた光ビームは、液晶光学素子17に入射され、1/4波長板18を経て、対物レンズ19(開口率NA=0.85)により記録媒体20のトラック面21上に集光される。
この場合の光ビームの有効径27(φ)は3.00mmに設定されている。また、「有効径」とは、光ビームに位置ずれや径の変化のないとした場合の、幾何光学設計上の、対物レンズ19で有効に利用される液晶光学素子17上での主光ビーム径を言う。
また、後述するように、液晶光学素子17は、制御部25からの制御信号に応じて、その透過光量をほぼ100%とほぼ20%との間で変化させる。即ち、記録媒体20への情報の書込み時には、透過光量をほぼ100%とし、半導体レーザ11の発光パワー(35〜40mW)の光強度で記録媒体20のトラック面21を照射する。また、記録媒体20からの情報の再生時には、透過光量をほぼ20%として、半導体レーザ11の発光パワーを約10mWに低下させた光強度で記録媒体20のトラック面21を照射する。
記録媒体20からの情報の再生時には、記録媒体20のトラック面21から反射された光ビームは、再び対物レンズ19、1/4波長板18及び液晶光学素子17を経て、反射ミラー14によって光路を曲げられ、偏光ビームスプリッタ13により光路を変更され、集光レンズ23を介して受光器24上に集光される。光ビームは、記録媒体20から反射される際に、記録媒体20のトラック面21上に記録されている情報(ピット)によって振幅変調されている。受光器24は、受光した光ビームを光強度信号として出力する。この光強度信号(RF信号)から記録情報が読み出される。
また、記録媒体20のトラック面21に書込みを行う場合には、書込みを行うためのデータ信号に応じて光源11から出射された光ビームの強度を変調し、変調された光ビームによって記録媒体20を照射する。書込みが行われる記録媒体20のトラック面21上では、光ビームの強度に応じて、ディスクに挟まれた薄膜の屈折率や色が変化し、又はピットの起状が生じることで、データが書込まれる。なお、光ビームの強度変調は、光源11に用いる半導体レーザ素子に流す電流を変調すること等によって行うことができる。
液晶光学素子17、1/4波長板18及び対物レンズ19は、ユニット15として一体的に構成され、ユニット15にはトラッキング用のアクチュエータ16が取付けられている。アクチュエータ16が、ユニット15を移動することによって、対物レンズ19によって集光される光ビームが、記録媒体20のトラックに正確に追従するように構成されている。
記録媒体20は、Blu−ray Discのような次世代の高密度光ディスクであり、直径12cm、厚さ1.2mmの円盤形状を有している。また、情報が記録されるトラック面上は、約0.1mmのポリカーボネイト等から構成される光透過保護層で保護されている。
図2(a)に液晶光学素子17の概略断面図を示し、図2(b)に液晶光学素子17の概略上面図を示す。なお、図2(a)は、図2(b)のAA´断面図に相当する。図2(a)に示す矢印の示す方向は、図1において光源11から出た光ビームが反射ミラー14で反射後、液晶光学素子17に入射する方向を示している。図2(a)及び(b)において、光源11側のガラス等から構成される透明基板31には、透明電極32及び配向膜33が形成されている。また、記録媒体20側のガラス等から構成される透明基板37には、透明性対向電極36及び配向膜35が形成されている。シール材34の開口部は封止材39によって封止されるので、液晶38は、2枚の透明基板31及び37と、シール部材34との間に封入されている。図2(a)及び(b)に示される各要素は、説明の便宜上、誇張して図示されており、実際の比とは異なる場合がある。
また、透明基板31と透明電極32との間には第1の誘電体多層膜40が、透明基板37と対向透明電極36との間には第2の誘電体多層膜41が、それぞれ同じ大きさの円形状に形成されている。なお、第1及び第2の誘電体多層膜40及び41の外径は、有効径27と同じ(φ)3.00mmに設定されている。さらに、透明電極32の電極パターン50は、図3に示すように、第1及び第2の誘電体多層膜40及び41と同じ大きさの円形状に形成されている。
第1及び第2の誘電体多層膜40及び41と透明電極32の電極パターン50は、透過光量制御領域60を形成している。なお、本実施形態では、第1及び第2の誘電体多層膜40及び41と透明電極32の電極パターン50は、同じ円形状としたが、必ずしも同じ形状にする必要はない。
液晶38の液晶セルの配向方向は、ホモジェニアス配向又はホメオトロピック配向であり、半導体レーザ11の入射偏光方向と液晶セルの長軸が傾く方向(液晶ダイレクタ)とを一致させている。
後述するように、透明電極32の透明電極パターン50に、制御部25から所定の電圧を印加することによって、対向透明電極36との間に電位差を生じ、その間の液晶38の配向性が電位差に応じて変化する。配向性が変化することによって、実効屈折率が変化する液晶38と、第1及び第2の誘電体多層膜40及び41とが協働して、この液晶光学素子17に入射する光ビームを干渉させる。この作用により透過光量制御領域60において光源11からの光ビームの透過光量が、ほぼ100%とほぼ20%との間で可変される。また、液晶38に電圧を印加しても、偏光面は回転されず、位相変調のみを行うように設定されている。
以下、誘電体多層膜の動作について説明する。
図4(a)又は(b)に、液晶光学素子17に設けられる誘電体多層膜の拡大図を示す。図4(a)又は(b)に示すように、第1及び第2の誘電体多層膜40及び41は、50nmの厚さのTiO2(酸化チタン)層42及び50nmの厚さのSiO2(酸化ケイ素)層43からなる層を1ユニットとして2ユニット積み重ねた干渉膜である。ここで、TiO2層42の屈折率は2.23であり、SiO2層43の屈折率は1.47であって、SiO2層42の方が屈折率が小さい。なお、上記第1及び第2の誘電体多層膜40及び41の構成は、高屈折率層であるTiO2層42と、低屈折率層であるSiO2層43の組み合わせのみならず、例えば低屈折率層としてSiO2、F含有SiO2、MgF2、高屈折率層としてTiO2、ZrO3、CeO2、Ta2O5、Sb2O3等を組み合わせて積層構造を形成しても構わない。
また、透明基板31及び37はガラスから構成され、そのそれぞれ厚さは0.3mm、屈折率は約1.5であり、透明電極32及び対向透明電極36はITO(インジウムスズ酸化物)から構成され、それぞれ厚さは17nm、屈折率は2.0であり、配向膜33及び35はポリイミドから構成され、それぞれ厚さは50nm、屈折率は1.7である。また液晶38の厚さは4800nm、屈折率(電圧が印加されない状態で)は0.263である。また、上記各屈折率は、405nmの波長の光ビームに対するものである。なお、後述する図5のグラフは、前記の各厚さ及び屈折率を用いて求めたものである。
液晶38は、印加される電圧に応じて配向性が変化し、配向性が変化することによって、その実効屈折率が変化する。したがって、液晶38の実効屈折率を印加電圧によって変化させることによって、透過光量制御領域60において、第1の誘電体多層膜40、液晶38及び第2の誘電体多層膜41から構成される干渉膜の、光源11から射出された405nmの波長の光ビームに対する透過光量を変化させることができる。なお、図中の矢印は、図1において、反射ミラー14から反射された光ビームが液晶光学素子17に入射する方向を示している。
図5に、図4に示した、液晶光学素子17の405nmの光ビームに対する透過光量と液晶38の実効屈折率の関係を示す。図に示すように、液晶38の実効屈折率を変化させることによって、液晶光学素子17の405nmの光ビームに対する透過光量を100〜18%の間で変化させることができる。
図4(a)は透明電極パターン50に第1の電圧が印加された液晶光学素子17の状態を示し、図4(b)は透明電極パターン50に第2の電圧を印加することによって、液晶38に電圧を印加した状態を示している。ここで、図4(a)の場合には、液晶光学素子17の透過率がほぼ100%となる液晶38の実効屈折率を選択するように第1の電圧(例えば、2.20Vrms)を液晶38に印加し、透過光量制御領域60を通過する光ビームの透過光量をほぼ100%に設定し、記録媒体20の書込みを行う場合に対応している。また、図4(b)の場合には、液晶光学素子17の透過光量がほぼ20%となる液晶38の実効屈折率を選択するように第2の電圧(例えば、2.42Vrms)を液晶38に印加し、透過光量制御領域60を通過する光ビームの透過光量をほぼ20%に設定し、記録媒体20の再生を行う場合に対応している。このように、液晶光学素子17の透明電極パターン50へ印加される電圧を第1の電圧から第2の電圧に切換えることのよって、液晶光学素子17の透過光量を制御することができる。
本発明に係わる液晶光学素子17は偏光面を回転させるものではなく、誘電体多層膜を利用した位相変調によって光ビームの透過光量制御を行うので、液晶光学素子を、光源と偏光ビームスプリッタとの間だけでなく、偏光ビームスプリッタと1/4波長板との間の光路中にも配置することができる。
また、本発明に係わる液晶光学素子17を駆動しても偏光面が回転することがないので、配置場所の自由度が高く、対物レンズ19及び1/4波長板18と共に一体化した構成とすることが可能となった。また、液晶光学素子17を対物レンズ19及び1/4波長板18と共にユニット15とし、アクチュエータ16で同時に移動できるように構成したので、対物レンズのシフトを考慮する必要なく、透過光量制御領域60を設定することができ、またより高精度な透過光量制御を行うことができる。
図6に、本発明に係わる他の液晶光学素子117の断面図を示す。図6に示す液晶光学素子117では、2枚の透明基板の片側にのみ誘電体多層膜140を設けている。図6において、光源11側のガラス等から構成される透明基板131には、透明電極132及び配向膜133が形成されている。また、記録媒体20側のガラス等から構成される透明基板137には、透明性対向電極136及び配向膜135が形成されている。シール材134の開口部は封止材(不図示)によって封止されるので、液晶38は、2枚の透明基板131及び137と、シール部材134との間に封入されている。図6に示される各要素は、説明の便宜上、誇張して図示されており、実際の比とは異なる場合がある。
また、透明基板137と対向透明電極136との間には誘電体多層膜140が、円形状に形成されている。誘電体多層膜140の外径は有効径27と同じ(φ)3.00mmに設定されている。さらに、透明電極132の電極パターンは、図3と同様に、誘電体多層膜140と同じ大きさの円形状に形成されている。したがって、液晶光学素子117には、図2に示した液晶光学素子17と同様な透過光量制限領域60が形成されていることとなる。
図7に、図6に示す液晶光学素子17に設けられる誘電体多層膜の拡大図を示す。図7に示すように、誘電体多層膜140は、50nmの厚さのTiO2(酸化チタン)層42及び50nmの厚さのSiO2(酸化ケイ素)層43からなる層を1ユニットとして4ユニット積み重ねた干渉膜である。TiO2層42の屈折率及びSiO2層43の屈折率を含む他の構成は、全て図2に示す液晶光学素子17と同様である。
図6及び図7に示す液晶光学素子117についても、図2に示す液晶光学素子17と同様に、液晶38の実効屈折率を変化させることによって、誘電体多層膜140及び液晶38から構成される干渉膜を有する液晶光学素子17の、405nmの波長の光ビームに対する透過率をほぼ100とほぼ20%との間で切換えることができる。即ち、液晶光学素子117の透明電極パターン50へ印加される電圧を切換えることのよって、液晶光学素子117の透過光量を制御することができる。
このように、誘電体多層膜は、屈折率の異なる少なくとも2つの異なった層を1ユニットとして積み重ねることにより構成される。したがって3種以上の屈折率の異なる層による積層体でも良い。また、液晶光学素子の他の要素(液晶、透明基板、透明導電膜、配向膜等)と合わせて考慮して、各層の屈折率、厚さ及びユニットの階層を選択することによって、液晶に印加される電圧を切換えた場合に、利用する波長の光ビームの透過及び遮断の制御を行うことが可能となる。したがって、誘電体多層膜の構成は、図4及び7に示したものに限られず、様々な改変が可能である。
また、上述した液晶光学素子17及び117では、2段階に光ビームの透過光量を変更(又は切換えた)が、制御部25からの制御電圧を制御することによって、多段階に透過光量を変更(又は切換える)ことも可能である。
以下、誘電体多層膜を利用した透過光量制御に加えて、通過する光ビームの位相制御を行うことができる他の液晶光学素子について説明する。
本発明で用いられる記録媒体20では、トラック面21を保護する光透過保護層の厚さムラに起因する球面収差によって、受光器24から出力される光強度信号が劣化してしまう。そこで、図6に示す液晶光学素子117の透明電極132に、図8(a)に示す他の透明電極パターン150を用い、この球面収差を補正するように、光ビームの位相制御を合わせて行う。
図8(a)に示す透明電極パターン150では、前述した透過光量制御領域60と同じ大きさの位相制御領域(球面収差制御領域)を有している。したがって、位相制御領域の外径は有効径27と同径である。
図8(a)に示されるように、位相制御領域には、位相を進ませるための7つの領域152〜158が同心円状に配置されている。なお、領域151及び159には、基準電位が印加されており、入射ビームの位相を進ませる機能を有してはいない。
透明電極132の電極パターン150における領域152〜158に、基準電位に対して正(+)の電圧を印加すると、透明性対向電極36との間に電位差を生じ、その間の液晶の配向性が電位差に応じて変化する。したがって、この部分を通過する光ビームは、その位相を進められるような作用を受ける。領域151及び159には、基準電位(例えばこの場合は0vと考える)が印加される。
図8(b)に、X軸上において各領域に印加される電圧波形81を示す。このような電圧が各領域151〜159に印加されることによって、記録媒体20の光透過保護層の厚みムラ等に起因する球面収差80を打ち消すように、液晶光学素子17が働く。ここで、図8(b)に示した球面収差80は、記録媒体20の光透過保護層の厚さムラ等に起因した発生した球面収差の一例である。
図8(c)に、補正後の球面収差82を示す。図8(b)の球面収差80が、図8(c)の球面収差82となるように補正される。即ち、液晶光学素子17に図8(a)に示す透明電極パターン150を用いることで、記録媒体20の基板内に発生する球面収差が抑制されるように補正されることが理解される。
図8の説明では、球面収差補正用の透明電極パターン150の領域151〜159に、基準電位に対して正(+)の電圧を印加して、この部分を通過する光ビームをその位相を進めるように制御した。しかしながら、記録媒体20の基板中に発生する球面収差が図8(b)とは逆向きに発生する場合には、電極パターン150の領域151〜159には、図8(b)とは逆の負(−)の電圧を印加するように制御することもできる。その場合、電極パターン150の領域151〜159を通過する光ビームは、その位相を遅らされるような作用を受ける。
次に、誘電体多層膜を利用した透過光量制御に加えて、通過する光ビームの位相制御を行うことができる更に他の液晶光学素子について説明する。
本発明で用いられる記録媒体20では、記録媒体20自体のそり又は曲がり、記録媒体の駆動機構の欠陥等によって、記録媒体20に傾きが生じる場合がある。そのような傾きが生じると、対物レンズ19によって集光された光ビームの光軸が記録媒体20に対して傾くことによって、記録媒体20の基板内にコマ収差が生じ、受光器24から出力される光強度信号が劣化してしまう。そこで、図6に示す液晶光学素子117の透明電極132に、図9(a)に示す他の透明電極パターン250を用い、このコマ収差を補正するように、光ビームの位相制御を合わせて行う。
図9(a)に示す透明電極パターン250では、前述した透過光量制御領域60と同じ大きさの位相制御領域(コマ収差制御領域)を有している。したがって、位相制御領域の外径は有効径27と同径である。
図9(a)に示されるように、位相制御領域には、位相を進ませるための2つの領域252及び253、及び位相を遅らせるための2つの領域254及び255が配置されている。また、図中251には、基準電位が印加されており、入射ビームの位相を進ませる機能を有してはいない。
透明電極32の電極パターン250における領域251に印加される基準電圧に対して正(+)の電圧を領域252及び253に印加すると、透明性対向電極36との間に電位差を生じ、その間の液晶の配向性が電位差に応じて変化する。したがって、この部分を通過する光ビームは、その位相を進められるような作用を受ける。また、領域251に印加される基準電圧に対して負(−)の電圧を領域254及び255に印加すると、透明性対向電極36との間に電位差を生じ、その間の液晶の配向性が電位差に応じて変化する。したがって、この部分を通過する光ビームは、その位相を遅らせるような作用を受ける。領域251には、基準電位(例えばこの場合は0vと考える)が印加される。
図9(b)に、X軸上において各領域に印加される電圧波形91を示す。このような電圧が各領域251〜255に印加されることによって、記録媒体20が光軸に対して傾くことによって発生するコマ収差91を打ち消すように、液晶光学素子17が働く。ここで、図9(b)に示したコマ収差90は、記録媒体20が光軸に対して傾くことに起因して発生したコマ収差の一例である。
図9(c)に、補正後のコマ収差92を示す。即ち、図9(b)のコマ収差91が、図7(c)のコマ収差92のように補正されている。即ち、液晶光学素子17に図9(a)に示す透明電極パターン250を用いることで、記録媒体20の基板内に発生するコマ収差が抑制されるように補正されることが理解される。
なお、液晶光学素子117の透明電極132に、球面収差補正用の電極パターン150又はコマ収差補正用の電極パターン250を設けた場合には、受光器24からの光強度信号に基づいて球面収差又はコマ収差を検出し、検出した球面収差又はコマ収差を相殺するように、各電極パターンに電圧を印加する。ここで、受光器24からの光強度信号(RF信号)の振幅を最大にするように、球面収差補正用の電極パターン150又はコマ収差補正様の電極パターン250に電圧を印加することによって、記録媒体20の基板内に発生する球面収差又はコマ収差を相殺することが可能である。
11…光源
17、117…液晶光学素子
19…対物レンズ
20…記録媒体
32、132…透明電極
36、136…透明性対向電極
38、138…液晶
40、41、140…誘電体多層膜
50、150、250…電極パターン
60…透過光量制御領域
17、117…液晶光学素子
19…対物レンズ
20…記録媒体
32、132…透明電極
36、136…透明性対向電極
38、138…液晶
40、41、140…誘電体多層膜
50、150、250…電極パターン
60…透過光量制御領域
Claims (17)
- 対物レンズに入射する光ビームの光路中に配置される液晶光学素子であって、
第1の透明基板と、
第2の透明基板と、
前記第1及び第2の透明基板の間に封入された液晶と、
前記第1の透明基板上に形成された第1の誘電体多層膜と、
前記第2の透明基板上に形成された第2の誘電体多層膜と、
前記第1の誘電体多層膜と前記第2の誘電体多層膜との間に封入された前記液晶の屈折率を変化させるために、前記液晶に電圧を印加する領域を有する透明電極とを有し、
前記領域に印加される電圧を制御することによって、前記領域を通過する前記光ビームの透過光量を制御することを特徴とする液晶光学素子。 - 光源から射出される光ビームの光路中に配置される液晶光学素子であって、
第1の透明基板と、
第2の透明基板と、
前記第1及び第2の透明基板の間に封入された液晶と、
前記第1の透明基板上に形成された第1の誘電体多層膜と、
前記第2の透明基板上に形成された第2の誘電体多層膜と、
前記第1の誘電体多層膜と前記第2の誘電体多層膜との間に封入された前記液晶の屈折率を変化させるために、前記液晶に電圧を印加する領域を有する透明電極とを有し、
前記領域に印加される電圧を制御することによって、前記領域を通過する前記光ビームの透過光量を制御することを特徴とする液晶光学素子。 - 前記第1の誘電体多層膜、前記第2の誘電体多層膜及び前記領域は、円形状に形成されている請求項1又は2に記載の液晶光学素子。
- 前記第1の誘電体多層膜及び前記第2の誘電体多層膜は、第1の層及び少なくとも前記第1の層より屈折率の小さい第2の層が積み重なって構成されている請求項1〜3の何れか一項に記載の液晶光学素子。
- 対物レンズに入射する光ビームの光路中に配置される液晶光学素子であって、
第1の透明基板と、
第2の透明基板と、
前記第1及び第2の透明基板の間に封入された液晶と、
前記第1の透明基板上に形成された誘電体多層膜と、
前記誘電体多層膜と前記第2の透明基板との間に封入された前記液晶の屈折率を変化させるために、前記液晶に電圧を印加する領域を有する透明電極とを有し、
前記領域に印加される電圧を制御することによって、前記領域を通過する前記光ビームの透過光量を制御することを特徴とする液晶光学素子。 - 光源から射出される光ビームの光路中に配置される液晶光学素子であって、
第1の透明基板と、
第2の透明基板と、
前記第1及び第2の透明基板の間に封入された液晶と、
前記第1の透明基板上に形成された誘電体多層膜と、
前記誘電体多層膜と前記第2の透明基板との間に封入された前記液晶の屈折率を変化させるために、前記液晶に電圧を印加する領域を有する透明電極とを有し、
前記領域に印加される電圧を制御することによって、前記領域を通過する前記光ビームの透過光量を制御することを特徴とする液晶光学素子。 - 前記誘電体多層膜及び前記領域は、円形状に形成されている請求項5又は6に記載の液晶光学素子。
- 前記誘電体多層膜は、第1の層及び少なくとも前記第1の層より屈折率の小さい第2の層が積み重なって構成されている請求項5〜7の何れか一項に記載の液晶光学素子。
- 光学装置であって、
光ビームを射出するための光源と、
前記光ビームを集光するための対物レンズと、
前記対物レンズに入射する前記光ビームの光路中の配置された液晶光学素子であって、
第1の透明基板と、
第2の透明基板と、
前記第1及び第2の透明基板の間に封入された液晶と、
前記第1の透明基板上に形成された第1の誘電体多層膜と、
前記第2の透明基板上に形成された第2の誘電体多層膜と、
前記第1の誘電体多層膜と前記第2の誘電体多層膜との間に封入された前記液晶の屈折率を変化させるために、前記液晶に電圧を印加する領域を有する透明電極とを有し、
前記領域に印加される電圧を制御することによって、前記領域を通過する前記光ビームの透過光量を制御する液晶光学素子と、
を有することを特徴とする光学装置。 - 前記第1の誘電体多層膜、前記第2の誘電体多層膜及び前記領域は、円形状に形成されている請求項9に記載の光学装置。
- 前記第1の誘電体多層膜及び前記第2の誘電体多層膜は、第1の層及び少なくとも前記第1の層より屈折率の小さい第2の層が積み重なって構成されている請求項9又は10に記載の光学装置。
- 光学装置であって、
光ビームを射出するための光源と、
前記光ビームを集光するための対物レンズと、
前記対物レンズに入射する前記光ビームの光路中の配置された液晶光学素子であって、
第1の透明基板と、
第2の透明基板と、
前記第1及び第2の透明基板の間に封入された液晶と、
前記第1の透明基板上に形成された誘電体多層膜と、
前記誘電体多層膜と前記第2の透明基板との間に封入された前記液晶の屈折率を変化させるために、前記液晶に電圧を印加する領域を有する透明電極とを有し、
前記領域に印加される電圧を制御することによって、前記領域を通過する前記光ビームの透過光量を制御する液晶光学素子と、
を有することを特徴とする光学装置。 - 前記誘電体多層膜及び前記領域は、円形状に形成されている請求項12に記載の光学装置。
- 前記誘電体多層膜は、第1の層及び少なくとも前記第1の層より屈折率の小さい第2の層が積み重なって構成されている請求項12又は13に記載の光学装置。
- 前記対物レンズ及び前記液晶光学素子を同時に移動させるトラッキング手段を更に有する請求項9〜14の何れか一項に記載の光学装置。
- 1/4波長板と、
前記対物レンズ、前記液晶光学素子及び前記1/4波長板を同時に移動させるトラッキング手段と、を更に有する請求項9〜14の何れか一項に記載の光学装置。 - 前記透明電極の前記領域に電圧を印加するための電圧印加手段を更に有する請求項9〜16の何れか一項に記載の光学装置。
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JP2004080353A JP2005266461A (ja) | 2004-03-19 | 2004-03-19 | 液晶光学素子及び光学装置 |
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JP2004080353A JP2005266461A (ja) | 2004-03-19 | 2004-03-19 | 液晶光学素子及び光学装置 |
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JP2004080353A Pending JP2005266461A (ja) | 2004-03-19 | 2004-03-19 | 液晶光学素子及び光学装置 |
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